(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
旋回フレームを有する上部旋回体に設けられた昇降装置の機体側係合部を下降させて、前記旋回フレームの後方で地上に載置したカウンタウエイト装置の上部係合部と前記機体側係合部とを係合し、
前記昇降装置で前記カウンタウエイト装置を所定の高さまで上昇させ、
前記所定の高さまで上昇させた前記カウンタウエイト装置を前記旋回フレームに仮固定し、
前記機体側係合部と前記上部係合部との係合を解除し、
機体側係合部を下降させて、前記旋回フレームに仮固定したカウンタウエイト装置の下部係合部を前記機体側係合部に係合し、
前記昇降装置で前記カウンタウエイト装置を前記旋回フレームの取付高さまで上昇させ、
前記取付高さまで上昇させた前記カウンタウエイト装置を前記旋回フレームの後端へ取り付けるカウンタウエイト装置取付方法。
【発明を実施するための形態】
【0008】
−−−第1の実施の形態−−−
図1〜17を参照して、本発明による作業機械の第1の実施の形態を説明する。
図1は、本実施の形態の作業機械の一例としての移動式クレーンの斜視図である。この移動式クレーン10は、クレーン本体11と、クレーン本体11に回動可能に取り付けられるブーム4とを備えている。説明の便宜上、各図に示すように前後方向、上下方向、および左右方向を規定する。
【0009】
クレーン本体11は、履帯106を有する下部走行体1と、旋回輪を介して下部走行体上に旋回可能に設けられた上部旋回体3とを備えている。上部旋回体3は、旋回フレーム3aを備えている。上部旋回体3には、ウインチ装置として、たとえばフロントドラム5、リヤドラム6、および第3ドラム7が搭載されている。
【0010】
旋回フレーム3aの左右両側には前後方向に延在するフレームビーム101(
図3参照)が設けられている。旋回フレーム3aの前側に、ブーム4を回動可能に軸支するブーム取付部31が設けられている。多段式ブーム、すなわち、伸縮可能なテレスコピックブーム4は、ブーム取付部31でブームピン81によって回動可能に軸支されている。また、旋回フレーム3aには、テレスコピックブーム4を起伏するための不図示のブームシリンダが取り付けられている。
【0011】
上部旋回体3には、右側前方に運転室32が設けられている。運転室32の後方には機械室33が設けられている。上部旋回体3の左後部には、作動油タンク34が設けられている。旋回フレーム3aの後端には、カウンタウエイト装置200が取り付けられている。カウンタウエイト装置200については、後で詳述する。
【0012】
図2は、カウンタウエイト装置200が取り付けられたクレーン10の上部旋回体3を斜め後方から見た斜視図であり、
図3は、カウンタウエイト装置200が取り外されたクレーン10の上部旋回体3を斜め後方から見た斜視図である。なお、
図3では、機体後部のカバー195が取り外されている。
図3に示すように、旋回フレーム3aは、前述したように、左右両側にクレーンの前後方向に延在する2本のフレームビーム101を有する。
【0013】
左右一対のフレームビーム101の上部には、第3ドラム用支持フレーム107が立設されている。各フレームビーム101の下部には、カウンタウエイト装置200を一対のフレームビーム101に固定するための機体側固定プレート110がそれぞれ設けられている。各フレームビーム101の左右方向外側の側面には、カウンタウエイト装置200を仮固定するための受けブラケット140がそれぞれ取り付けられている。
【0014】
第3ドラム用支持フレーム107は、各フレームビーム101の上面に立設する2枚の側部プレート107aと、2枚の側部プレート107aを前部および後部で接続する2枚の接続プレート107bとを有する。第3ドラム用支持フレーム107の上部には、第3ドラム7を取り付けるための取付部193が設けられている。
図2に示すように、第3ドラム用支持フレーム107の後部には、後側の接続プレート107bの後面および各フレームビーム101の後端を覆うカバー195が取り付けられている。カバー195には開閉扉195aが設けられており、カウンタウエイト装置200の取り付け、取り外し作業時には開閉扉195aを開放する。
図2では、左右の開閉扉195aのうち、右側の開閉扉195aが半開きとなった状態を示している。
【0015】
2枚の側部プレート107aのそれぞれには、左右方向外側の側面に、カウンタウエイト装置200の昇降用シリンダ120の取付部108が設けられている。取付部108は、昇降シリンダ120のシリンダロッド側を下に向けた状態でボトム室側の端部を支持する。昇降シリンダ120については、後で詳述する。
【0016】
機体側固定プレート110は、各フレームビーム101の下部で下方に向かって立設して、前後方向に延在する板状部材であり、固定ピン挿入孔111,112,114と、位置決め用切り欠き部113とを有する。
【0017】
図4は、メインフレームの後方右側のカウンタウエイト装置200の受けブラケット140の近傍を拡大した斜視図であり、カウンタウエイト装置200の取り付け作業の途中の状態を示している。受けブラケット140は、各フレームビーム101の左右方向外側の側面で、前後方向に離間して2箇所ずつ、計4箇所に設けられている。すなわち、前後方向に設けられた一対の受けブラケット140のセットが、左右にそれぞれ配置される。
なお、
図2,3では、前側の受けブラケット140が他の部材に隠れて不図示となっている。
【0018】
一対の受けブラケット140は、カウンタウエイト装置200の仮固定用リンク部材240の係止ピン242を下方から受けて係止することで、カウンタウエイト装置200を仮固定するための機体側係止部である。各受けブラケット140は、前後方向に離間して対向する2枚の受けプレート141と、受けプレート141をフレームビーム101の左右方向外側の側面に固定する固定部143とを有する。受けプレート141の上部には、略U字状の切り欠きであり、仮固定用リンク部材240の係止ピン242を下方から受ける係止部142が設けられている。受けブラケット140は、カウンタウエイト装置200の取り付け時に、カウンタウエイト装置200のガイドプレート202をガイドする機能も有する。受けブラケット140がガイドプレート202をガイドする機能については、後で詳述する。
【0019】
図5は、昇降シリンダ120の外観斜視図である。なお、
図5に示す昇降シリンダ120は、機側右側に取り付けられる昇降シリンダ120であり、
図5で図示する前後方向、左右方向、および上下方向は、昇降シリンダ120が取付部108に取り付けられた状態におけるクレーン10の各方向と一致している。昇降シリンダ120は、たとえば油圧シリンダであり、カウンタウエイト装置200に係合可能な機体側係合部である昇降用係合部121がシリンダロッドの先端に設けられている。昇降シリンダ120のボトム側の端部には、たとえばクレビス型の取付部120aが設けられており、昇降シリンダ120は取付部120aで機側の取付部108に取り付けられる。
【0020】
昇降用係合部121は、シリンダロッドの先端に取り付けられて左右方向に離間した状態で互いに対向して設けられた2枚のガイドプレート122と、2本の係合ピン123と、2本のガイドピン129とを有する。左右のガイドプレート122には、前側および後側に、係合ピン123が挿抜可能な貫通孔122aが設けられている。係合ピン123は、貫通孔122aに挿抜可能に設けられた軸状部材である。係合ピン123は、左側のガイドプレート122に取り付けられた係合ピン取付部124に対して、左右方向に移動可能に取り付けられている。すなわち、係合ピン取付部124には、前後方向に延在するピンを中心に左右方向に回動するレバー125が設けられており、このレバー125の回動と連動して係合ピン123が左右方向に移動するように構成されている。レバー125には把持部126が取り付けられており、作業者が把持部126を手で移動させてレバー125を回動させると、係合ピン123が左右方向に移動して貫通孔122aに挿入/抜脱される。
【0021】
ガイドピン129は、左右方向に延在するピンであり、ガイドプレート122に対して、シリンダロッドの先端部を挟んだ前後に取り付けられている。
【0022】
本実施の形態では、昇降シリンダ120が第3ドラム7と干渉しないように、昇降シリンダ120を第3ドラム7よりも下方に設けられた取付部108に取り付ける必要がある。そのため、昇降シリンダ120の全長が制限され、昇降シリンダ120のストロークが制限される。本実施の形態では、昇降シリンダ120のストロークは、地上に載置したカウンタウエイト装置200と上部旋回体3の後端に取り付けられたカウンタウエイト装置200との高さの差の半分程度に制限される。すなわち、昇降シリンダ120によるカウンタウエイト装置200の揚程能力は、上記高さの差よりも小さい。
【0023】
−−−カウンタウエイト装置200−−−
図6は、カウンタウエイト装置200の斜視図であり、
図7〜9は、ベースウエイト201の斜視図である。カウンタウエイト装置200は、ベースウエイト201と、ベースウエイト201に積載されるカウンタウエイト281とを有する。ベースウエイト201の右側載置領域201Rおよび左側載置領域201L(
図7)のそれぞれには、カウンタウエイト281を複数個積層して配置できる。たとえば
図6では、ベースウエイト201の左右の載置領域201L,201Rのそれぞれに、カウンタウエイト281を2個ずつ積層した例を図示している。カウンタウエイト装置200では、積載するカウンタウエイト281の数を適宜調節することで、カウンタウエイト装置200全体の重量を調節できる。ベースウエイト201とカウンタウエイト281、および、積層されたカウンタウエイト281同士は、たとえば固定ボルト285によって固定される。
【0024】
右側載置領域201Rの左側および左側載置領域201Lの右側には、ガイドプレート202が立設されている。ガイドプレート202は、カウンタウエイト装置200の取り付け時に受けブラケット140にガイドされる部材であり、左右それぞれで前側のガイドプレート202Fと後側のガイドプレート202Rで構成される。ガイドプレート202F,202Rは互いに前後方向に離間して対向している。右側のガイドプレート202F,202Rと左側のガイドプレート202F,202Rとは、形状および配設位置が左右対称である。前側のガイドプレート202Fと後側のガイドプレート202Rとは、形状が前後対称である。以下の説明では、前後のガイドプレート202F,202Rを区別しない場合には、符号にF,Rを付さずに、ガイドプレート202として説明する。
【0025】
ガイドプレート202の上部には、斜め上下方向に延在する長穴232が設けられ、この長穴232に仮固定用リンク部材240が取り付けられている。長穴232は、下部が左右方向の外側に位置し、上部が左右方向の内側に位置するように、斜め上下方向に延在している。ガイドプレート202の上端には、仮固定用リンク部材240の不使用時に仮固定用リンク部材240の係止ピン242を受ける切り欠き部202a(
図14参照)が設けられている。ガイドプレート202には、仮固定姿勢で仮固定用リンク部材240の傾きを規制するための規制ピン233が設けられている。規制ピン233は、ガイドプレート202F,202Rの前面および後面から突出している。この規制ピン233は、後述するように仮固定用リンク部材240の回動範囲を制限するものである。
【0026】
図4によく示すように、仮固定用リンク部材240は、カウンタウエイト装置200を仮固定するための部材であり、一対のリンクプレート241と、係止ピン242と、把持部243と、取付ピン244とを有する。なお、
図4では、仮固定用リンク部材240の不使用時の状態を示している。このときの仮固定用リンク部材240の姿勢を格納姿勢と呼ぶ。各リンクプレート241は、上下方向に延在する板状部材であり、ガイドプレート202を挟み込むよう対向配置され、各リンクプレート241の下側には取付ピン244が貫通している。取付ピン244はガイドプレート202の長穴233も貫通する。一対のガイドプレートは、取付ピン244でガイドされつつ長穴233に沿って移動可能である。各リンクプレート241には、仮固定姿勢で規制ピン233に当接して、仮固定用リンク部材240の傾きを規制するための当接部245が設けられている。
【0027】
各ガイドプレート241の上部には、前後方向に延在する係止ピン242が貫通している。係止ピン242は、前側のリンクプレート241の前方、および、後側のリンクプレート241の後方に突出している。把持部243は、作業者が仮固定用リンク部材240を長穴233に沿って移動させるための部材であり、各リンクプレート241に取り付けられている。
【0028】
図8によく示すように、ベースウエイト201の上面には、対向するガイドプレート202F,202Rの対向面にそれぞれ係合プレート210F,210Rが立設されている。係合プレート210F,210Rは、ベースウエイト201の上面からも立設されている。ガイドプレート202F,202Rの対向面に立設された一対の係合プレート210F,210Rの間は、
図5に示した昇降シリンダ120のロッド侵入経路とされ、ロッド先端に設けた一対のガイドプレート122の前後の間隙に係合プレート210F,210Rが入り込むようにして昇降シリンダ120の伸張と縮退とがガイドされる。すなわち、一対の係合プレート210F,210Rは昇降シリンダ120のガイド部材として機能する。
【0029】
以下の説明では、前後の係合プレート210F,210Rを区別しない場合には、符号にF,Rを付さずに、係合プレート210として説明する。
【0030】
各係合プレート210の上部には、上下方向に延在する係合長穴211が設けられ、係合プレート210の下部には、係合穴212が設けられている。係合長穴211および係合穴212には、カウンタウエイト装置200の取り付け時に、昇降シリンダ120のシリンダロッドの先端に設けられた昇降用係合部121の係合ピン123が挿抜される。
【0031】
図8,9によく示すように、ベースウエイト201の上面には、一対のウエイト側固定部220L,220Rが左右対称に設けられている。ウエイト側固定部220L,220Rは、カウンタウエイト装置200を機体側の機体側固定プレート110に固定するための部位である。右側のウエイト側固定部220Rおよび左側のウエイト側固定部220Lはそれぞれ、左右方向に離間して対向する2枚のウエイト側固定プレート220aを有する。
以下の説明では、左右のウエイト側固定部220R,220Lを区別しない場合には、符号にR,Lを付さずに、ウエイト側固定部220として説明する。
【0032】
各ウエイト側固定プレート220aは、ベースウエイト201の上面に立設されている。
図8に示すように、左右で対向する2枚のウエイト側固定プレート220aのそれぞれには貫通孔220bが前部および後部に設けられている。貫通孔220bには、左右方向に延在する固定ピン221が挿抜可能に挿通されている。固定ピン221は、カウンタウエイト装置200を機体側の機体側固定プレート110に固定するためのピンであり、把持部221aが取り付けられている。
【0033】
左右で対向する2枚のウエイト側固定プレート220aの間には左右方向に延在するガイドピン223が取り付けられている。ウエイト側固定プレート220aの後方におけるベースウエイト201の上面には、ウエイト側固定プレート220aと直交する方向に延在するガイドプレート230が立設されている。ガイドプレート230には、上端から下方に向かうスリット部231が設けられている、スリット部231の左右方向の位置は、左右で対向する2枚のウエイト側固定プレート220aの間となる。
【0034】
図9によく示すように、ベースウエイト201の上面の左右方向中央の前側には、板状部材で平面視がT字状のガイドプレート292が立設されている。ガイドプレート292は、カウンタウエイト装置200の取り付け時に、機体側に設けられた不図示のガイド部にガイドされて、カウンタウエイト装置200を位置決めする。
【0035】
−−−カウンタウエイト装置200の取り付け作業−−−
本実施の形態の移動式クレーン10では、輸送上の重量や長さ等の制約から、たとえばクレーン本体11とブーム4とカウンタウエイト装置200とに分解されて、それぞれ別々に輸送され、作業現場で再び組み立てられる。本実施の形態では、次のようにして上部旋回体3にカウンタウエイト装置200を取り付ける。まず、作業現場におけるクレーンの組立場所の地上にベースウエイト201を載置する。そして、
図6に示すように、ベースウエイト201にカウンタウエイト281を積載し、固定ボルト285で固定する。
【0036】
昇降シリンダ120を用いてカウンタウエイト装置200を引き上げることができるように、クレーン本体11をカウンタウエイト装置200の取付位置に移動する。
図10は、クレーン本体11をカウンタウエイト装置200の取付位置に移動した後の状態を示す斜視図である。なお、説明の便宜上、以下に説明する各図において、右側のカウンタウエイト281および機体後部のカバー195の記載を省略する。
【0037】
昇降シリンダ120の先端の昇降用係合部121の把持部126(
図5参照)を操作して、係合ピン123を貫通孔122aから抜き取り、その後、昇降シリンダ120のシリンダロッドを伸長させて、先端の昇降用係合部121を下降させる。このとき、互いに対向して設けられた2枚のガイドプレート122は、その間隙に係合プレート210F,210Rが相対的に入り込んでガイドされる。このとき、昇降用係合部121のガイドピン129のうち、前側のガイドピン129は、前側の係合プレート210Fの後端面210aでガイドされ、後側のガイドピン129は、後側の係合プレート210Rの前端面210aでガイドされる(
図5,8参照)。なお、昇降シリンダ120の駆動圧油は、たとえばクレーン本体11の不図示の油圧回路から供給される。
【0038】
昇降用係合部121の貫通孔122aが係合プレート210の係合長穴211と側面視で重なるまで昇降シリンダ120のシリンダロッドを伸長させる。その後、シリンダロッドの伸長を停止して、昇降用係合部121の把持部126(
図5参照)を操作して、
図11に示すように、係合ピン123を貫通孔122aおよび係合長穴211に挿通させる。これにより、昇降用係合部121と係合プレート210の上部とが係合ピン123によって係合される。
【0039】
昇降シリンダ120のシリンダロッドを縮退させることで、カウンタウエイト装置200を上昇させる。
図12は、昇降用係合部121と係合プレート210F,210Rの上部とを係合して、昇降シリンダ120のシリンダロッドを最も縮退した状態を示す斜視図である。なお、
図4は、
図12における受けブラケット140の近傍を拡大した斜視図である。昇降シリンダ120のシリンダロッドを縮退させることで、カウンタウエイト装置200を上昇させる際、受けブラケット140の2枚の受けプレート141の間の間隙にガイドプレート202F,202Rが挿入されてガイドされる。
【0040】
昇降シリンダ120のシリンダロッドを最も縮退した後、カウンタウエイト装置200に設けた仮固定用リンク部材240の把持部243を操作して、仮固定用リンク部材240をガイドプレート202の長穴232に沿って斜め上方に移動させて、当接部245を規制ピン233に当接させる。これにより、仮固定用リンク部材240は、係止ピン242が受けプレート141の係止部142の上方に位置するように斜めに傾斜した姿勢で、規制ピン233によって係止される。このときの仮固定用リンク部材240の姿勢を仮固定姿勢と呼ぶ。なお、昇降シリンダ120のシリンダロッドを最も縮退した状態では、仮固定用リンク部材240の係止ピン242と受けプレート141の係止部142とは離間している。
【0041】
この状態から、昇降シリンダ120のシリンダロッドを僅かに伸長させると、カウンタウエイト装置200が下降して、
図13,14に示すように、仮固定用リンク部材240の係止ピン242が受けプレート141の係止部142に当接して係止される。その結果、カウンタウエイト装置200は、仮固定用リンク部材240により受けブラケット140に吊り下げられた状態となり、上部旋回体3に仮固定される。このときのカウンタウエイト装置200の高さ位置を仮固定位置と呼ぶ。なお、
図13は、カウンタウエイト装置200が仮固定されたクレーン10の上部旋回体3を斜め後方から見た斜視図であり、
図14は、
図13における受けブラケット140の近傍を拡大した斜視図である。また、
図13,14に示す仮固定用リンク部材240の姿勢が上述した仮固定姿勢である。
【0042】
次いで、昇降シリンダ120の昇降用係合部121の把持部126(
図5参照)を操作して、係合ピン123を貫通孔122aおよび係合長穴211から抜き取り、その後、昇降シリンダ120のシリンダロッドを伸長させる。昇降用係合部121の貫通孔122aが係合プレート210F,210Rの下側に設けた係合穴212と側面視で重なるまで昇降シリンダ120のシリンダロッドを伸長させて停止する。そして、昇降用係合部121の把持部126を操作して、
図15に示すように、係合ピン123を貫通孔122aおよび係合穴212に挿通させる。これにより、昇降用係合部121と係合プレート210の下部とが係合ピン123によって係合される。
【0043】
把持部221aを操作してウエイト側固定プレート220aの貫通孔220bから固定ピン221を抜き取る。その後、昇降シリンダ120のシリンダロッドを縮退させることで、カウンタウエイト装置200を上昇させる。カウンタウエイト装置200の上昇過程で、機体側固定プレート110の後端近傍がガイドプレート230のスリット部231に進入し、カウンタウエイト装置200がガイドされる。この動作により、機体側機体側固定プレート110が対向する2枚のウエイト側固定プレート220aの間に進入する。また、このとき、ウエイト側固定部220のガイドピン223が機体側固定プレート110の位置決め用切り欠き部113でガイドされる。また、カウンタウエイト200の上昇過程で、ベースウエイト201のガイドプレート292が機体側の不図示のガイド部材にガイドされる。
【0044】
このようにして、カウンタウエイト装置200が、上部旋回体3に対して位置決めされ、機体側機体側固定プレート110の固定ピン挿入孔112,114とウエイト側固定プレート220aの貫通孔220bとが側面視で重なる。その後、把持部221aを操作して固定ピン221を固定ピン挿入孔112,114と貫通孔220bとに挿通させ、抜け止めを施すことで、カウンタウエイト装置200が上部旋回体3に固定される。このときのカウンタウエイト装置200の高さ位置を固定位置と呼ぶ。
図16は、カウンタウエイト装置200が固定されたクレーン10の上部旋回体3を斜め後方から見た斜視図である。
【0045】
この状態では、仮固定用リンク部材240が、上述した仮固定姿勢のままである。そこで、把持部243を操作して、仮固定用リンク部材240をガイドプレート202の長穴232に沿って斜め下方に移動させて、
図17に示すように、係止ピン242を切り欠き部202aに係止させる。これにより、仮固定用リンク部材240の姿勢が格納姿勢となる。また、
図16に示す状態では不図示のカバー195の開閉扉195aがカウンタウエイト装置200の取り付け作業のために開かれたままであるので、この開閉扉195aを閉じる。
【0046】
以上で、カウンタウエイト装置200の取り付け作業が終了し、
図2に示すような状態となる。このように、本実施の形態では、地上に載置されているカウンタウエイト装置200を固定位置まで引き上げる全行程を、仮固定位置まで引き上げる行程と、仮固定位置から固定位置まで引き上げる行程の2段階に分けている。その上で、全行程よりもストロークの少ない、たとえば1/2程度のストロークを有する昇降シリンダ120を用いてカウンタウエイト装置200を引き上げるようにしている。なお、カウンタウエイト装置200の上部旋回体3からの取り外し作業は、上述したカウンタウエイト装置200の取り付け作業の手順と逆の手順で行えばよい。
【0047】
すなわち、本実施の形態の移動式クレーン10では、昇降用係合部121を有し、昇降用係合部121を昇降させることで昇降用係合部121と係合されたカウンタウエイト装置200を昇降する昇降シリンダ120を上部旋回体3に設けた。本実施の形態の移動式クレーン10では、カウンタウエイト装置200を仮固定するための機体側係止部である受けブラケット140を上部旋回体3に設けた。本実施の形態の移動式クレーン10では、旋回フレーム3aの後端にカウンタウエイト装置200を固定する機体側固定部である機体側固定プレート110を上部旋回体3に設けた。
【0048】
本実施の形態の移動式クレーン10では、カウンタウエイト装置200に設けられた上部係合部である係合長穴211を係合プレート210の上部に設けた。地上に載置されているカウンタウエイト装置200の係合長穴211が昇降シリンダ120によって下降させた昇降用係合部121と係合長穴211とが係合可能となるように、係合長穴211の配設位置が定められている。本実施の形態の移動式クレーン10では、昇降用係合部121と係合長穴211とを係合させて昇降シリンダ120でカウンタウエイト装置200を上昇させた高さ位置で、カウンタウエイト装置200を旋回フレーム3aに仮固定する係止装置である仮固定用リンク部材240をカウンタウエイト装置200に設けた。
【0049】
本実施の形態の移動式クレーン10では、カウンタウエイト装置に設けられた下部係合部である係合穴212を係合プレート210の下部に設けた。仮固定用リンク部材240を受けブラケット140に係止させてカウンタウエイト装置200を旋回フレーム3aに仮固定した状態で、昇降シリンダ120で下降させた昇降用係合部121と係合穴212とが係合可能となるように、係合穴212の配設位置が定められている。本実施の形態の移動式クレーン10では、機体側固定プレート110に固定することで旋回フレーム3aの後端にカウンタウエイト装置200を固定する固定部であるウエイト側固定部220をカウンタウエイト装置200に設けた。
【0050】
本実施の形態の移動式クレーン10では、次の作用効果を奏する。
(1) 昇降用係合部121と係合長穴211とを係合させて、地上に載置されているカウンタウエイト装置200を昇降シリンダ120で引き上げるように構成した。そして、仮固定用リンク部材240を受けブラケット140に係止させてカウンタウエイト装置200を旋回フレーム3aに仮固定するように構成した。そして、仮固定されているカウンタウエイト装置200の係合穴212と昇降用係合部121とを係合させて、仮固定されているカウンタウエイト装置200を昇降シリンダ120でさらに引き上げるように構成した。これにより、カウンタウエイト装置200を着脱に際して、従来技術のようにブーム4を起伏させたり、カウンタウエイトの着脱装置を起伏させたり、ペンダントロープを付け替えたりするなどの作業が不要となり、カウンタウエイト装置200の着脱作業が効率的になる。
【0051】
(2) 上述したように、地上に載置されているカウンタウエイト装置200を2段階に分けて引き上げることができるように各部を構成し、地上に載置したカウンタウエイト装置200と上部旋回体3の後端に取り付けられたカウンタウエイト装置200との高さの差よりも小さいストロークの昇降シリンダ120を採用した。これにより、昇降シリンダ120の長さを短縮できるので、昇降シリンダ120の取付部108よりも上部の空間を有効利用できる。本実施の形態では、昇降シリンダ120の取付部108よりも上部の空間に位置する第3ドラム7との干渉を防止できる。したがって、移動式クレーン10の設計上、有利となる。また、昇降シリンダ120のストロークが小さいので、昇降シリンダ120に係るコストを低減できる。
【0052】
(3) 仮固定用リンク部材240が、仮固定姿勢と格納姿勢をとり得るように構成したので、不使用時には仮固定用リンク部材240を格納姿勢で安定的に格納できる。
【0053】
(4) 昇降シリンダ120の昇降用係合部121を下降させて、旋回フレーム3aの後方で地上に載置したカウンタウエイト装置200の係合プレート210の係合長穴211と、昇降用係合部121とを係合し、昇降シリンダ120でカウンタウエイト装置200を所定の高さまで上昇させるようにした。そして、所定の高さまで上昇させたカウンタウエイト装置200を旋回フレーム3aに仮固定し、係合長穴211と、昇降用係合部121との係合を解除し、昇降用係合部121を下降させて、係合プレート210の係合穴212と昇降用係合部121とを係合し、昇降シリンダ120でカウンタウエイト装置200を旋回フレーム3aへの取付高さまで上昇させるようにした。そして、取付高さまで上昇させたカウンタウエイト装置200を旋回フレーム3aの後端へ取り付けるようにした。これにより、補助クレーンによる作業が不要で、補助クレーンを他の作業に用いることができ、作業現場における作業効率を向上できる。
【0054】
−−−第2の実施の形態−−−
図18〜32を参照して、本発明による作業機械の第2の実施の形態を説明する。以下の説明では、第1の実施の形態と同じ構成要素には同じ符号を付して相違点を主に説明する。特に説明しない点については、第1の実施の形態と同じである。本実施の形態では、主に、カウンタウエイト装置が上下に重なり合った第1ベースウエイトと第2ベースウエイトとを備え、カウンタウエイト装置の取り付け作業時に、第2ベースウエイトに対して第1ベースウエイトを上方に離間させて、第2ベースウエイトに立設された支持プレートの上部に第1ベースウエイトを一旦固定する点で、第1の実施の形態と異なる。
【0055】
図18は、第2の実施の形態の移動式クレーン10の上部旋回体3を斜め後方から見た斜視図である。
図19は、カウンタウエイト装置300が取り外されたクレーン10の上部旋回体3を斜め後方上側から見た斜視図であり、
図20は、カウンタウエイト装置300が取り外されたクレーン10の上部旋回体3を斜め後方下側から見た斜視図である。なお、
図18以降の各図では、カウンタウエイト装置300の取り付けに係る説明と直接関係のない部分についての記載を省略している。
【0056】
左右のフレームビーム101の上面同士および下面同士がそれぞれ板部材102で一体的に接続されている。上下方向に離間した各板部材102には、上下方向に貫通する貫通孔が左右方向の中央に設けられ、この貫通孔に上下方向に延在するガイドパイプ103が取り付けられている。
【0057】
図20に示すように、下側の板部材102の前方には、カウンタウエイト装置300の取り付け時にカウンタウエイト装置300をガイドするガイド293が設けられている。機体側固定プレート110には、固定ピン挿入孔112,114と、位置決め用切り欠き部113Aとが設けられている。
【0058】
たとえば
図19に示すように、昇降シリンダ120のシリンダロッドの先端には、昇降用係合部151が取り付けられている。昇降用係合部151は、左右方向に離間した状態で互いに対向して設けられた2枚の係合プレート152と、ガイドプレート153とを有する。左右の係合プレート152には、カウンタウエイト装置300の後述する係合ピン335が挿抜可能な貫通長穴孔152aと貫通孔152bとが設けられている。貫通長穴孔152aは係合プレート152の上部に設けられ、貫通孔152bは係合プレート152の下部に設けられている。ガイドプレート153は、昇降シリンダ120のシリンダロッドの伸縮時にカウンタウエイト装置300の後述する支持プレート310によってガイドされる部材であり、ガイド溝153aを有する。
【0059】
−−−カウンタウエイト装置300−−−
図21は、本実施の形態のカウンタウエイト装置300の外観斜視図であり、第1ベースウエイト301と第2ベースウエイト305とを上下方向に最も接近させた状態を示す。
図22は、本実施の形態のカウンタウエイト装置300の外観斜視図であり、第2ベースウエイト305に対して第1ベースウエイト301を上方に離間させて、第2ベースウエイト305に立設された支持プレート310の上部に第1ベースウエイト301を固定した状態を示す。
図23,24は、第1ベースウエイト301および第2ベースウエイト305の外観斜視図である。
【0060】
なお、
図21に示すように、第1ベースウエイト301と第2ベースウエイト305とを上下方向に最も接近させたときの第1ベースウエイト301および第2ベースウエイト305の相対姿勢を第1の相対姿勢と呼ぶ。また、
図22に示すように、第2ベースウエイト305に対して第1ベースウエイト301を上方に離間させたときの第1ベースウエイト301および第2ベースウエイト305の相対姿勢を第2の相対姿勢と呼ぶ。
【0061】
カウンタウエイト装置300は、第1ベースウエイト301と、第2ベースウエイト305と、第1ベースウエイト301に積載されるカウンタウエイト281とを有する。第1ベースウエイト301の右側載置領域301Rおよび左側載置領域301L(
図23,24)のそれぞれには、カウンタウエイト281を複数個積層して配置できる。第1ベースウエイト301とカウンタウエイト281、および、積層されたカウンタウエイト281同士は、たとえば不図示の固定ボルトによって固定される。
【0062】
右側載置領域301Rの左側および左側載置領域301Lの右側には、前後方向に離間して対向するプレート343が立設されている。プレート343の上部には、貫通孔343aが設けられている。前側のプレート343の前面の左右方向内側、および、後側のプレート343の後面の左右方向内側には、それぞれ外側仮固定用プレート344が立設されている。外側仮固定用プレート344には、左右方向に延在する貫通孔344aが設けられている。外側仮固定用プレート344は、後述する支持プレート310の左右方向外側の側面と対向している。
【0063】
各プレート343の左右方向内側には、上部に内側仮固定用プレート342が設けられた支持部341が第1ベースウエイト301上に立設されている。内側仮固定用プレート342は、支持プレート310を介して外側仮固定用プレート344と対向している。換言すると、内側仮固定用プレート342と外側仮固定用プレート344とは、支持プレート310を挟み込むように配設されている。内側仮固定用プレート342には左右方向に延在する貫通孔342aが設けられている。内側仮固定用プレート342の貫通孔342aと外側仮固定用プレート344の貫通孔344aとは軸心が一致している。
【0064】
第1ベースウエイト301には、第2ベースウエイト305に立設された支持プレート310が挿通される開口部302が設けられている。第1ベースウエイト301には、開口部302の左右方向内側に、ウエイト側固定部320が2箇所、左右対称に設けられている。ウエイト側固定部320は、カウンタウエイト装置300を機体側の機体側固定プレート110に固定するための部位である。各ウエイト側固定部320はそれぞれ、左右方向内側に設けられたウエイト側固定プレート321と、ウエイト側固定プレート321とは左右方向外側に離間して設けられたウエイト側固定ブロック322を有する。ウエイト側固定ブロック322は、ウエイト側固定プレート321と比べて、左右方向の厚さが厚い。
【0065】
ウエイト側固定プレート321の前部および後部には、貫通孔321aが設けられている。ウエイト側固定ブロック322の前部および後部には、左右方向に延在する貫通孔322aが設けられている。ウエイト側固定ブロック322の前後方向の中央近傍には、左右方向に延在する貫通孔322bが設けられている。ウエイト側固定プレート321の後部の貫通孔321aおよびウエイト側固定ブロック322の後部の貫通孔322aには、左右方向に延在する固定ピン331が挿抜可能に挿通されている。ウエイト側固定プレート321の前部の貫通孔321aおよびウエイト側固定ブロック322の前部の貫通孔322aには、左右方向に延在する固定ピン332が挿抜可能に挿通されている。ウエイト側固定ブロック322の貫通孔322bには、係合ピン335が挿通されている。
【0066】
固定ピン331は、カウンタウエイト装置300を機体側の機体側固定プレート110に固定するためのピンであり、把持部331aが取り付けられている。なお、
図18および
図21以降の各図では、左側のウエイト側固定部320に係る固定ピン331の図示を省略している。
【0067】
固定ピン332は、カウンタウエイト装置300を機体側の機体側固定プレート110に固定するためのピンであり、操作レバー333の操作によって貫通孔321a,322aに挿抜される。すなわち、操作レバー333の後端に取り付けられた把持部333a(
図23)が左右方向に操作されると、軸支ピン304(
図24)に軸支された操作レバー333が軸支ピン304を中心に回動する。これにより、操作レバー333の前端部に取り付けられた固定ピン332が貫通孔321a,322aに挿抜される。なお、
図21以降の各図では、右側のウエイト側固定部320に係る固定ピン332および操作レバー333の図示を省略している。
【0068】
たとえば、
図21,23に示すように、各ウエイト側固定部320には、左右に離間して対向するウエイト側固定プレート321とウエイト側固定ブロック322との間で左右方向に延在するガイドピン323が取り付けられている。各ウエイト側固定部320に対して、ガイドピン323は、前後方向に離間して2本ずつ設けられている。
【0069】
係合ピン335は、ウエイト側固定ブロック322の貫通孔322bに挿通されて保持される軸状部材であり、把持部335aが取り付けられている。係合ピン335は、把持部335aが左右方向に操作されることで、貫通孔322bの左右方向外側の端部(不図示)からウエイト側固定ブロック322の外側に向かって出没する。
【0070】
図24に示すように、第1ベースウエイト301の左右方向の中央近傍には、上方に向かって延在する円柱状の支柱351が立設されている。支柱351の外周には、ガイドパイプ352が被せられている。支柱351の上部には、支柱351に対してガイドパイプ352を固定する固定部材354が取り付けられる固定部材取付部355が設けられている。ガイドパイプ352には、固定部材354を用いてガイドパイプ352を支柱351に固定するための開口部353が設けられている。開口部353は、ガイドパイプ352の上部に設けられた上部開口部353aと、ガイドパイプ352の下部に設けられた下部開口部353bとを含む。
【0071】
図24に示すように、固定部材取付部355の位置と上部開口部353aの位置とを一致させて、上部開口部353aを介して固定部材354を固定部材取付部355に取り付けると、ガイドパイプ352は、下位置で支柱351に固定される。下位置におけるガイドパイプ352の上端の高さは、支柱351の上端の高さと略同じになる。後述する
図26に示すように、固定部材取付部355の位置と下部開口部353bの位置とを一致させて、下部開口部353aを介して固定部材354を固定部材取付部355に取り付けると、ガイドパイプ352は、上位置で支柱351に固定される。上位置におけるガイドパイプ352の上端の高さは、上部開口部353aと下部開口部353aとの高さの差の分だけ、支柱351の上端よりも高くなる。
【0072】
第1ベースウエイト301の前端には、左右方向の中央に切り欠き状のガイド部303が設けられている。第1ベースウエイト301の下面には、下方に突出する脚部301aが設けられている。脚部301aは、
図21,23,24に示すように、第1ベースウエイト301と第2ベースウエイト305とを上下方向に最も接近させた状態でカウンタウエイト装置300を地面に載置すると、地面と接触してカウンタウエイト装置300の重量を支える。
【0073】
また、第1ベースウエイト301の下面には、固定部361が設けられている。固定部361は、
図21,23,24に示すように、第1ベースウエイト301と第2ベースウエイト305とを上下方向に最も接近させた状態で、すなわち第1の相対姿勢で固定するための部位である。固定部361は、第2ベースウエイト305の後述する固定部362と固定ピン337によって固定される。固定部361には、固定ピン337が挿通される貫通孔361aが設けられている(
図22)。
【0074】
第2ベースウエイト305には、左右方向に離間して対向する略U字状の支持プレート310が立設されている。支持プレート310は、前側の前側支持プレート310Fと、後側の後側支持プレート310Rと、U字状の底部に相当し、前側支持プレート310Fの下部と後側支持プレート310R下部とを接続する支持プレート中央部310Cとを有する。右側の各支持プレート310F,310Rと左側の各支持プレート310F,310Rとは、形状および配設位置が左右対称である。前側支持プレート310Fと後側支持プレート310Rとは、形状が前後対称であり、前後に離間していて、前側支持プレート310Fの後側の端面310aと後側支持プレート310Rの前側の端面310aとが対向している。
【0075】
各支持プレート310F,310Rの上部には、左右方向に延在する貫通孔311が設けられている。支持プレート中央部310Cには、左右方向に延在する貫通孔312が設けられている(
図22)。
【0076】
第2ベースウエイト305には、第1ベースウエイト301と第2ベースウエイト305とを第1の相対姿勢で固定するための固定部362が設けられている。固定部362には、固定ピン337が挿通される貫通孔362aが設けられている(
図22)。
【0077】
−−−カウンタウエイト装置300の取り付け作業−−−
本実施の形態では、次のようにして上部旋回体3にカウンタウエイト装置300を取り付ける。まず、
図23,24に示すように、第1の相対姿勢で固定した第1ベースウエイト301と第2ベースウエイト305とを作業現場におけるクレーンの組立場所の地上に載置する。このとき、第1ベースウエイト301の固定部361の貫通孔361aと、第2ベースウエイト305の固定部362の貫通孔362aとに固定ピン337が挿通されて、第1ベースウエイト301と第2ベースウエイト305とが第1の相対姿勢で固定されている。また、このとき、第1ベースウエイト301の脚部301aの底面、および、第2ベースウエイト305の下面(底面)が地面と接している。
【0078】
そして、
図21に示すように、第1ベースウエイト301にカウンタウエイト281を積載し、不図示の固定ボルト等で第1ベースウエイト301とカウンタウエイト281、および、積層されたカウンタウエイト281同士を固定する。
【0079】
第1ベースウエイト301の固定部361の貫通孔361a、および、第2ベースウエイト305の固定部362の貫通孔362aに挿通されている固定ピン337を抜き取り、第1ベースウエイト301と第2ベースウエイト305との固定を解除する。そして、たとえばプレート343の上部の貫通孔343aに玉掛けするなどし、たとえばクレーン本体11もしくは補助クレーンなどによって第1ベースウエイト301だけを引き上げて第2の相対姿勢とする。
【0080】
そして、第1ベースウエイト301の内側仮固定用プレート342の貫通孔342a、および、外側仮固定用プレート344の貫通孔344aと、第2ベースウエイト305の各支持プレート310F,310Rの貫通孔311との高さを一致させた後、
図22に示すように、各貫通孔344a,311,342a(
図24)に固定ピン337を挿通させる。これにより、
図22に示すように、第1ベースウエイト301が第2ベースウエイト305の支持プレート310の上部に仮固定される。すなわち、第1ベースウエイト301と第2ベースウエイト305とが、第2の相対姿勢で仮固定される。
【0081】
次いで、昇降シリンダ120を用いてカウンタウエイト装置300を引き上げることができるように、クレーン本体11をカウンタウエイト装置300の取付位置に移動する。
図25は、クレーン本体11をカウンタウエイト装置300の取付位置に移動した後の状態を示す斜視図である。なお、説明の便宜上、以下に説明する各図において、右側のカウンタウエイト281等の記載を省略する。
【0082】
そして、上部開口部353aを介して支柱351の固定部材取付部355に取り付けられている固定部材354を取り外して、支柱351とガイドパイプ352との固定を解除する。ガイドパイプ352を下位置から上位置へ移動させると、ガイドパイプ352が機体側のガイドパイプ103内に挿通される。そして、
図26に示すように、下部開口部353bを介して固定部材取付部355に固定部材354を取り付けることで、ガイドパイプ103内に挿通されたガイドパイプ352を上位置で固定する。
【0083】
昇降シリンダ120のシリンダロッドを伸長させて、昇降用係合部151を下降させて、昇降用係合部151の貫通長穴孔152aと、ウエイト側固定ブロック322に保持されている係合ピン335との高さ位置を合わせる。このとき、昇降用係合部151のガイドプレート153のガイド溝153a(
図19)に前側支持プレート310Fの後側の端面310aおよび後側支持プレート310Rの前側の端面310a(
図21,23)が入り込む。これにより、昇降用係合部151が前側支持プレート310Fと後側支持プレート310Rとの間でガイドされる。
【0084】
そして、把持部335aを操作して、貫通孔322bの左右方向外側の端部(不図示)からウエイト側固定ブロック322の外側に向かって係合ピン335を突出させて、係合ピン335を貫通長穴孔152aに挿通させる。これにより、
図27に示すように、昇降用係合部151とウエイト側固定ブロック322とが係合される。
【0085】
昇降シリンダ120のシリンダロッドを縮退させると、カウンタウエイト装置300のガイドパイプ352が機体側のガイドパイプ103でガイドされながら、カウンタウエイト装置300が上昇する。カウンタウエイト装置300が上昇すると、各ウエイト側固定部320のウエイト側固定プレート321とウエイト側固定ブロック322との間に機体側固定プレート110が進入する。このとき、ウエイト側固定部320のガイドピン323(
図21,23)が機体側固定プレート110の位置決め用切り欠き部113A(
図20)でガイドされる。また、カウンタウエイト装置300が上昇すると、第1ベースウエイト301の前端のガイド部303が機体側のガイド293(
図20)でガイドされる。このようにして、
図28に示すように、上部旋回体3の後端のフレームビーム101に対して第1ベースウエイト301が位置決めされる。
【0086】
その後、把持部331aを操作して固定ピン331をウエイト側固定プレート321の貫通孔321a(
図21,23)、機体側固定プレート110の固定ピン挿入孔112(
図20)、および、ウエイト側固定ブロック322の貫通孔322a(
図21,23)に挿通させる。同様に、把持部333aを操作して固定ピン332をウエイト側固定プレート321の貫通孔321a(
図21,23)、機体側固定プレート110の固定ピン挿入孔114(
図20)、および、ウエイト側固定ブロック322の貫通孔322a(
図21,23)に挿通させる。これにより、
図29に示すように、上部旋回体3の後端のフレームビーム101に対して第1ベースウエイト301が固定される。
【0087】
その後、把持部335a(
図21,23)を操作して、係合ピン335を左右方向内側に移動させて、貫通長穴孔152a(
図19)から係合ピン335を抜脱する。これにより、昇降用係合部151とウエイト側固定ブロック322との係合が解除される。そして、昇降シリンダ120のシリンダロッドを伸長させて、昇降用係合部151を下降させて、昇降用係合部151の係合プレート152の下部の貫通孔152bと、第2ベースウエイト305の支持プレート中央部310Cの貫通孔312との高さ位置を合わせる。
【0088】
そして、係合プレート152の貫通孔152bと、支持プレート中央部310Cの貫通孔312とに係合ピン338(
図30)を挿通させる。これにより、
図30に示すように、昇降用係合部151と第2ベースウエイト305の支持プレート中央部310Cとが係合される。
【0089】
その後、第1ベースウエイト301の内側仮固定用プレート342の貫通孔342a、外側仮固定用プレート344の貫通孔344a、および、第2ベースウエイト305の各支持プレート310F,310Rの貫通孔311に挿通された固定ピン337を抜脱する。これにより、
図31に示すように、第1ベースウエイト301と第2ベースウエイト305との仮固定が解除される。
【0090】
その後、昇降シリンダ120のシリンダロッドを縮退させて、第2ベースウエイト305を上昇させる。これにより、第2ベースウエイト305が第1ベースウエイト301に接近し、第1ベースウエイト301と第2ベースウエイト305との相対姿勢が第1の相対姿勢から第2の相対姿勢へと変化する。第1ベースウエイト301の固定部361の貫通孔361aと、第2ベースウエイト305の固定部362の貫通孔362aとが側面視で重なるまで昇降シリンダ120のシリンダロッドを縮退した後、シリンダロッドの縮退を停止する。そして、
図32に示すように、貫通孔361a,362aに固定ピン337を挿入して、第1ベースウエイト301と第2ベースウエイト305とを第1の相対姿勢で固定する。
【0091】
以上で、カウンタウエイト装置300の取り付け作業が終了し、
図18に示すような状態となる。なお、カウンタウエイト装置300の上部旋回体3からの取り外し作業は、上述したカウンタウエイト装置300の取り付け作業の手順と逆の手順で行えばよい。
【0092】
第2の実施の形態の移動式クレーン10では、第1の実施の形態の作用効果に加えて、次の作用効果を奏する。
(1) 第1ベースウエイト301と第2ベースウエイト305とが、上下方向に重なり合った第1の相対姿勢と、上下方向に離間した第2の相対姿勢をとり得るように構成した。そして、第1ベースウエイト301と第2ベースウエイト305とが、第1の相対姿勢および第2の相対姿勢のそれぞれで、互いに固定および固定の解除が行えるように構成した。そして、カウンタウエイト装置300を地上に載置して、第1ベースウエイト301と第2ベースウエイト305とが第2の相対姿勢をとると、機体側に設けられた昇降シリンダ120の昇降用係合部151が第1ベースウエイト301のウエイト側固定ブロック322と係合ピン335で係合できるように構成した。これにより、地上に載置されたカウンタウエイト装置300をストロークが短い昇降シリンダ120で引き上げることができるので、昇降シリンダ120の取付部108の位置を低くでき、昇降シリンダ120の取付部108よりも上部の空間を有効利用できる。
【0093】
(2) 第2の相対姿勢をとっているカウンタウエイト装置300を地上から昇降シリンダ120で引き上げ、上部旋回体3の後端のフレームビーム101に対して第1ベースウエイト301を固定した後、昇降シリンダ120の昇降用係合部151が第2ベースウエイト305の支持プレート中央部310Cと係合ピン338で係合できるように構成した。これにより、昇降シリンダ120によって第1ベースウエイト301と第2ベースウエイト305との相対姿勢を第2の相対姿勢から第1の相対姿勢へと変更できるので、カウンタウエイト装置300の下端、すなわち第2ベースウエイト305の下面の地上からの高さを確保できる。したがって、上部旋回体3の旋回時に第2ベースウエイト305が下部走行体1と干渉せず、移動式クレーン10の旋回に係る機能を損なわない。
【0094】
−−−変形例−−−
(1) 上述の説明では、地上に載置されているカウンタウエイト装置200,300を昇降シリンダ120を用いて2段階に分けて引き上げるように構成しているが、本発明はこれに限定されない。たとえば、第1の実施の形態のカウンタウエイト装置200を2段階に分けて引き上げるのではなく、3段階以上に分けて引き上げるように構成してもよい。なお、3段階以上に分けて引き上げる場合には、2段階に分けて引き上げる場合と比べて、昇降用係合部121とカウンタウエイト装置200側との係合作業および係合解除作業が増える。そのため、上述したように2段階に分けて引き上げることが望ましい。
【0095】
(2) 上述の説明では、カウンタウエイト装置200,300を昇降させる昇降装置として、油圧シリンダである昇降シリンダ120を用いているが、本発明はこれに限定されない。たとえば、昇降シリンダ120に代えて、電動式の直線作動機を用いるなど、他の種類のアクチュエータを用いてもよい。
【0096】
(3) 上述の説明では、作業機械の一例として移動式クレーンを挙げて説明したが、本発明はこれに限定されない。たとえば、油圧ショベルなど、カウンタウエイト装置が作業機械の本体に対して着脱されるように構成された他の作業機械に本発明を適用してもよい。
(4) 上述した各実施の形態および変形例は、それぞれ組み合わせてもよい。
【0097】
本発明は、上記の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の特徴を損なわない限り、本発明の技術思想の範囲内で考えられるその他の形態についても、本発明の範囲内に含まれる。