(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6134311
(24)【登録日】2017年4月28日
(45)【発行日】2017年5月24日
(54)【発明の名称】イネいもち病菌由来のビリルビンオキシダーゼ及びその使用
(51)【国際特許分類】
C12N 9/06 20060101AFI20170515BHJP
C12N 15/09 20060101ALI20170515BHJP
C12Q 1/26 20060101ALI20170515BHJP
G01N 27/416 20060101ALI20170515BHJP
G01N 27/327 20060101ALI20170515BHJP
G01N 21/59 20060101ALI20170515BHJP
H01M 4/90 20060101ALI20170515BHJP
H01M 8/16 20060101ALI20170515BHJP
【FI】
C12N9/06 CZNA
C12N15/00 A
C12Q1/26
G01N27/416 336G
G01N27/416 311G
G01N27/327 353R
G01N27/416 336B
G01N27/327 353B
G01N21/59 Z
H01M4/90 Y
H01M8/16
【請求項の数】24
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2014-511991(P2014-511991)
(86)(22)【出願日】2012年5月22日
(65)【公表番号】特表2014-523235(P2014-523235A)
(43)【公表日】2014年9月11日
(86)【国際出願番号】IB2012052570
(87)【国際公開番号】WO2012160517
(87)【国際公開日】20121129
【審査請求日】2015年4月30日
(31)【優先権主張番号】1154526
(32)【優先日】2011年5月24日
(33)【優先権主張国】FR
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】502205846
【氏名又は名称】サントル ナショナル ドゥ ラ ルシェルシュ シアンティフィク
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】特許業務法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マノ ニコラ
(72)【発明者】
【氏名】デュラン ファビアン
【審査官】
福間 信子
(56)【参考文献】
【文献】
特開2005−073660(JP,A)
【文献】
特開2010−183857(JP,A)
【文献】
国際公開第2002/093152(WO,A1)
【文献】
特開2009−158480(JP,A)
【文献】
UniProt,ACCESSION: A4QV27 [GI: 5048986], DEFINITION: Putative uncharacterized protein” , UniProt Sequence Revision History [online], 3-May-2011 uploaded,[retrieved on 26 Jan 2016] ,URL,http://www.uniprot.org/uniprot/A4QV27.txt?version=29
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C12N 15/00−90
CAplus/MEDLINE/BIOSIS(STN)
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
GenBank/EMBL/DDBJ/GeneSeq
UniProt/GeneSeq
SwissProt/GeneSeq
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体試料中のビリルビン濃度の測定のためのBODの使用であって、前記BODが、配列番号1のイネいもち病菌(Magnaporthe oryzae)由来のBODに対して少なくとも95%の同一性パーセントを有し、ビリルビンのビリベルジンへの酸化反応を触媒し、4つの銅原子に結合することを特徴とする精製ビリルビンオキシダーゼ(BOD)である、使用。
【請求項2】
液体試料中のビリルビン濃度の測定のためのBODの使用であって、前記BODが配列番号1、配列番号3及び配列番号5の精製ビリルビンオキシダーゼ(BOD)から選択されることを特徴とする、使用。
【請求項3】
配列番号1のイネいもち病菌(Magnaporthe oryzae)由来のBODに対して少なくとも95%の同一性パーセントを有し、ビリルビンのビリベルジンへの酸化反応を触媒し、4つの銅原子に結合することを特徴とする精製ビリルビンオキシダーゼ(BOD)であるBODを含むことを特徴とするビリルビンアッセイキット。
【請求項4】
前記BODが配列番号1、配列番号3及び配列番号5の精製ビリルビンオキシダーゼ(BOD)から選択されることを特徴とするBODを含むことを特徴とするビリルビンアッセイキット。
【請求項5】
流体試料の溶液中のビリルビンを化学分析する方法であって、
a)酵素反応の前にλmax=440nmでの前記流体試料の吸光度を測定する工程と、b)配列番号1のイネいもち病菌(Magnaporthe oryzae)由来のBODに対して少なくとも95%の同一性パーセントを有し、ビリルビンのビリベルジンへの酸化反応を触媒し、4つの銅原子に結合することを特徴とする精製ビリルビンオキシダーゼ(BOD)であるBODを前記流体試料に導入する工程と、
c)酵素反応の後にλmax=440nmでの前記流体試料の吸光度を測定する工程と、d)工程a)で測定された吸光度と、工程c)で測定された吸光度との差を算出するとともに、該差をビリルビン含有量が既知の標準溶液で測定された吸光度の差と比較する工程と、
e)前記流体試料中の前記ビリルビンの濃度を決定する工程と、
を含むことを特徴とする、方法。
【請求項6】
流体試料の溶液中のビリルビンを化学分析する方法であって、
a)酵素反応の前にλmax=440nmでの前記流体試料の吸光度を測定する工程と、b)前記BODが配列番号1、配列番号3及び配列番号5の精製ビリルビンオキシダーゼ(BOD)から選択されることを特徴とするBODを前記流体試料に導入する工程と、
c)酵素反応の後にλmax=440nmでの前記流体試料の吸光度を測定する工程と、d)工程a)で測定された吸光度と、工程c)で測定された吸光度との差を算出するとともに、該差をビリルビン含有量が既知の標準溶液で測定された吸光度の差と比較する工程と、
e)前記流体試料中の前記ビリルビンの濃度を決定する工程と、
を含むことを特徴とする、方法。
【請求項7】
試料中に存在するビリルビンの分解のためのBODの使用であって、前記BODが、配列番号1のイネいもち病菌(Magnaporthe oryzae)由来のBODに対して少なくとも95%の同一性パーセントを有し、ビリルビンのビリベルジンへの酸化反応を触媒し、4つの銅原子に結合することを特徴とする精製ビリルビンオキシダーゼ(BOD)である、使用。
【請求項8】
試料中に存在するビリルビンの分解のためのBODの使用であって、前記BODが配列番号1、配列番号3及び配列番号5の精製ビリルビンオキシダーゼ(BOD)から選択されることを特徴とする、使用。
【請求項9】
食品の安定性及び/又は品質の改善のためのBODの使用であって、前記BODが、配列番号1のイネいもち病菌(Magnaporthe oryzae)由来のBODに対して少なくとも95%の同一性パーセントを有し、ビリルビンのビリベルジンへの酸化反応を触媒し、4つの銅原子に結合することを特徴とする精製ビリルビンオキシダーゼ(BOD)である、使用。
【請求項10】
食品の安定性及び/又は品質の改善のためのBODの使用であって、前記BODが配列番号1、配列番号3及び配列番号5の精製ビリルビンオキシダーゼ(BOD)から選択されることを特徴とする、使用。
【請求項11】
有機合成用の試薬としてのBODの使用であって、前記BODが、配列番号1のイネいもち病菌(Magnaporthe oryzae)由来のBODに対して少なくとも95%の同一性パーセントを有し、ビリルビンのビリベルジンへの酸化反応を触媒し、4つの銅原子に結合することを特徴とする精製ビリルビンオキシダーゼ(BOD)である、使用。
【請求項12】
有機合成用の試薬としてのBODの使用であって、前記BODが配列番号1、配列番号3及び配列番号5の精製ビリルビンオキシダーゼ(BOD)から選択されることを特徴とする、使用。
【請求項13】
廃水の脱色及び/又は無毒化のためのBODの使用であって、前記BODが、配列番号1のイネいもち病菌(Magnaporthe oryzae)由来のBODに対して少なくとも95%の同一性パーセントを有し、ビリルビンのビリベルジンへの酸化反応を触媒し、4つの銅原子に結合することを特徴とする精製ビリルビンオキシダーゼ(BOD)である、使用。
【請求項14】
廃水の脱色及び/又は無毒化のためのBODの使用であって、前記BODが配列番号1、配列番号3及び配列番号5の精製ビリルビンオキシダーゼ(BOD)から選択されることを特徴とする、使用。
【請求項15】
紙パルプの漂白及び/又は脱リグニン化のためのBODの使用であって、前記BODが、配列番号1のイネいもち病菌(Magnaporthe oryzae)由来のBODに対して少なくとも95%の同一性パーセントを有し、ビリルビンのビリベルジンへの酸化反応を触媒し、4つの銅原子に結合することを特徴とする精製ビリルビンオキシダーゼ(BOD)である、使用。
【請求項16】
紙パルプの漂白及び/又は脱リグニン化のためのBODの使用であって、前記BODが配列番号1、配列番号3及び配列番号5の精製ビリルビンオキシダーゼ(BOD)から選択されることを特徴とする、使用。
【請求項17】
工業用溶剤に使用される染料の漂白のためのBODの使用であって、前記BODが、配列番号1のイネいもち病菌(Magnaporthe oryzae)由来のBODに対して少なくとも95%の同一性パーセントを有し、ビリルビンのビリベルジンへの酸化反応を触媒し、4つの銅原子に結合することを特徴とする精製ビリルビンオキシダーゼ(BOD)である、使用。
【請求項18】
工業用溶剤に使用される染料の漂白のためのBODの使用であって、前記BODが配列番号1、配列番号3及び配列番号5の精製ビリルビンオキシダーゼ(BOD)から選択されることを特徴とする、使用。
【請求項19】
少なくとも1つのBODを含む被覆材で覆われている導電性材料を含む、BOD電極であって、前記BODが、配列番号1のイネいもち病菌(Magnaporthe oryzae)由来のBODに対して少なくとも95%の同一性パーセントを有し、ビリルビンのビリベルジンへの酸化反応を触媒し、4つの銅原子に結合することを特徴とする精製ビリルビンオキシダーゼ(BOD)である、BOD電極。
【請求項20】
少なくとも1つのBODを含む被覆材で覆われている導電性材料を含む、BOD電極であって、前記BODが配列番号1、配列番号3及び配列番号5の精製ビリルビンオキシダーゼ(BOD)から選択されることを特徴とする、BOD電極。
【請求項21】
請求項19又は20に記載の電極で構成されることを特徴とする、ビリルビンバイオセンサー。
【請求項22】
請求項19又は20に記載の電極で構成されることを特徴とする、酸素センサー。
【請求項23】
酸化反応を触媒する酵素が上に固定されているアノードと、カソードとしての請求項19又は20に記載の電極とを含む、酵素バイオ燃料電池。
【請求項24】
請求項22に記載の酸素センサーを用いて糖化ヘモグロビンを化学分析する方法であって、
a)標準緩衝溶液中の遊離酸素を測定する工程と、
b)血液試料中の遊離酸素を測定する工程と、
c)工程a)で行われた測定と、工程b)で行われた測定とを比較するとともに、前記血液試料中のヘモグロビン含有量を推測する工程と、
d)前記血液試料から前記糖化ヘモグロビンを抽出する工程と、
e)工程d)で得られた血液試料中の遊離酸素を測定する工程と、
f)工程b)で行われた測定と、工程c)で行われた測定とを比較するとともに、前記血液試料中の糖化ヘモグロビン含有量を推測する工程と、
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規のビリルビンオキシダーゼ、その調製方法、並びにとりわけビリルビンの決定及び燃料として酸素を使用する酵素バイオ燃料電池用途へのその使用に関する。
【背景技術】
【0002】
ビリルビンオキシダーゼすなわちBOD(E.C. 1.3.3.5)は、ビリルビンをビリベルジンへと酸化する反応:
ビリルビン+1/2O
2→ビリベルジン+H
2O
を触媒する酵素である。
【0003】
BODは、銅原子結合部位を4つ有する。これらの4つの銅原子は、この酵素の適切な活性のために必要である。バチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)のCotAタンパク質(Genzyme Diagnostics社によってBODとして販売されているビリルビンオキシダーゼ活性を有するタンパク質)における1つの銅の欠失がこの酵素の活性を低減させるのに十分であることが、実際に示されている(非特許文献1の論文の表3)。BODに存在するように酵素の配列に4つの銅イオン結合部位が存在することでは、その酵素活性を推測することができず、実際にこのような部位を有するという共通の特徴がある様々な酵素(例えばラッカーゼ等)が存在することに留意されたい。
【0004】
ビリルビンは、ヘモグロビンの分解によって血液中に形成される黄色の物質である。ビリルビンは、肝臓で生成される主要な色素の1つである。
【0005】
BODは、例えばビリルビンの決定等の様々な用途において関心が持たれており、例えば血液中の過剰のビリルビンを診断することを可能とする。BODは、BODがカソードの電子を捕捉して酸素を水へと還元する酵素バイオ燃料電池(
図1Aの、BODがレドックスポリマー中でカソードに固定されている酵素バイオ燃料電池の概略図を参照されたい)を調製するのに、又は酸素バイオセンサーとして使用することもできる。
【0006】
BODの供給源が数多く存在する。この酵素は、バチルス(Bacillus)属の微生物等の微生物[CotAがビリルビンオキシダーゼ活性を有するバチルス・サブチリス(非特許文献2を参照されたい)、バチルス・リケニフォルミス(Bacillus licheniformis)(特許文献1)]によって、又は真菌(mycetes)、その中でもペニシリウム属(Penicillium)[ペニシリウム・ヤンシネルム(Penicillium janthinellum)(特許文献2)]、エビタケ属(Trachyderma)(特許文献3)、ミロセシウム属(Myrothecium)(非特許文献3)、若しくはスエヒロタケ属(Schizophyllum)、ヒトヨタケ属(Coprinus)、ホウロクタケ属(Trametes)、カワラタケ属(Coriolus)、スギタケ属(Pholiota)、ヒラタケ属(Pleurotus)、カイガラタケ属(Lenzites)若しくはツガサルノコシカケ属(Fomitopsis)(特許文献4)の真菌によって、産生され得る。
【0007】
この酵素は、ウマゴヤシ属(Alfalfa)(特許文献5)、ナス科(Solanaceae)、バショウ科(Musaceae)及びユリ科(Liliaceae)(特許文献6)、又は他にはキク科(Compositae)、例えばアーティチョーク(特許文献7)等の植物から抽出することもできる。
【0008】
これらの酵素の中でも、最も有利な酵素特性、特に活性及び安定性を示すBODが選択され上市されている。これらは、バチルス・サブチリス由来のビリルビンオキシダーゼ活性を有するCotA(Genzyme Diagnostics社によってBODとして販売されており、以降BODと称する)、及びミロセシウム・ベルカリア(Myrothecium verrucaria)由来のBOD(Sigma-Aldrich社及びAmano社によって販売されている)である。
【0009】
ここで本発明者らは、酸性pH(5未満)、とりわけ50℃未満の温度で市販のBODよりもはるかに活性の高い、イネいもち病菌(Magnaporthe oryzae)によって産生される新規のBODを特定している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】米国特許第4,770,997号
【特許文献2】欧州特許出願公開第0295101号
【特許文献3】米国特許第4,600,689号
【特許文献4】米国特許第4,677,062号
【特許文献5】米国特許第5,624,811号
【特許文献6】欧州特許第0140004号
【特許文献7】欧州特許第0247846号
【非特許文献】
【0011】
【非特許文献1】Durao et al. in J Biol Inorg Chem. 2008 Feb; 13(2): 183-93
【非特許文献2】Sakasegawa et al. 2006 Applied and Environmental Microbiology 72, No. 1, 972-975
【非特許文献3】Tanaka et al. 1982 Agric. Biol. Chem. 46, 2499-2503
【発明の概要】
【0012】
第1の目的によれば、本発明は配列番号1のイネいもち病菌由来のBODに関する。この酵素は、タンパク質のN末端に位置する24個のアミノ酸を除き、イネいもち病菌のゲノムのシークエンシングから推測される予測タンパク質(Uniprotデータベースにおいてアクセッション番号A4QV27を有する遺伝子に基づき翻訳される。この完全な遺伝子は配列番号2の配列を有する)に相当するものである。とりわけ、本発明による精製ビリルビンオキシダーゼ(純度95%超)は、配列番号1のイネいもち病菌由来のBODに対して少なくとも80%の同一性パーセント、また低い方から順に少なくとも85%、90%、95%、97%、98%及び99%の同一性を有する。本発明による精製ビリルビンオキシダーゼは、ビリルビンのビリベルジンへの酸化反応を触媒するとともに、4つの銅原子に結合する。配列番号4の核酸配列(N末端に位置する24個のアミノ酸をコードする断片を除く配列番号2に相当する)はこの配列番号1のBODをコードするものである。
【0013】
配列番号3のBODも本発明の目的とするものの一つである。配列番号3のBODは、N末端位置に更なるアミノ酸、セリンを含むという点で配列番号1のBODとは異なる。このBODは、ピキア・パストリス(Pichia pastoris)酵母においてpFD55発現ベクターにクローニングされている配列番号4の核酸分子を発現することによって得られ、その構造はN末端位置に更なるセリンを有するタンパク質の発現が可能となるようなものである。
【0014】
配列番号2によってコードされるポリペプチドに相当するものであり、N末端の24個のアミノ酸を含む、配列番号5のBODも本発明の目的とするものの一つである。
【0015】
概して本発明者らは、N末端に導入される配列修飾は、N末端内でのアミノ酸の付加若しくは置換、欠失、又は挿入にかかわらず、配列番号1との少なくとも80%、好ましくは90%の同一性を維持する限りにおいて、本発明によるBODの酵素特性に影響を与えなかったことを見出した。
【0016】
基準配列としてのイネいもち病菌由来のBODの配列(配列番号1)に対する配列の同一性は、2つの配列の間で最大の一致が得られるように2つの配列を整列させた場合に、同一であるアミノ酸残基のパーセントによって評価される。
【0017】
当業者は、同一性パーセントを、配列比較ソフトウェア、例えばBLAST一式(Altschul et al., NAR, 25, 3389-3402)を使用して算出することができる。BLASTプログラムは、基準配列として示される配列番号2の全体からなる比較ウインドウに対して実行される。
【0018】
基準配列と少なくともX%の同一性を有するアミノ酸配列を有するペプチドは、本発明においては、配列が、上記基準ペプチドの機能特性(本件ではそのビリルビン酸化酵素活性)を保持しながら、基準配列のアミノ酸100個当たり最大100−X個の変化を含み得るペプチドと定義される。本発明における意味において、「変化」という用語は、基準配列におけるアミノ酸の連続又は分散した欠失、置換又は挿入を含む。
【0019】
イネいもち病菌のゲノムの系統的シークエンシングから予測される配列番号5のタンパク質配列は、Uniprotデータベース(アクセッション番号A4QV27)に記載されている。Uniprotデータベースで与えられている情報は、予測推定されるものであり、イネいもち病菌のタンパク質の単離及び実験的特性評価によるものではないことを強調する。その上、この予測タンパク質に関して、Uniprotデータベースには任意の特定の酵素活性は示されていない。
【0020】
新規の本発明によるBODは、ミロセシウム・ベルカリア又はバチルス・サブチリス由来の市販のBODに対して改善した特性を有する。
【0021】
とりわけ、イネいもち病菌由来のBODは、バチルス・サブチリス由来のBODよりも優れた、或る特定の物質の酸化触媒の酵素特性(活性、触媒効率k
cat及び基質の酵素に対する親和性K
M)を示す(下記の実験の項を参照されたい)。
【0022】
以下の表Iに、バチルス・サブチリス(B. subtilis)及びイネいもち病菌由来のBODに関する、触媒効率k
cat、すなわち単位時間当たり酵素1分子に付き生成物へと変換される基質の分子の数、及び基質(ABTS)の親和性を表すミカエリス定数K
Mを示している。
【0024】
Kataoka et al. (2005, Protein Expression and Purification, 41, 77-83)によってミロセシウム・ベルカリア(M. verrucaria)由来のBODについて記載されたpH6.5での酵素特性は、k
catが115s
−1及びK
Mが250μMである。さらに、イネいもち病菌由来のBODもビリルビンの酸化の良好な酵素特性を示す。
【0025】
本発明は、本発明によるBODをコードする核酸分子にも関する。好ましくは、該核酸分子は配列番号2又は配列番号4から選択される配列の核酸分子である。好ましくは、該配列はタンパク質のN末端に位置する最初の24個のアミノ酸の位置で切断された、イネいもち病菌由来のBODをコードする配列番号4である。
【0026】
本発明によるBODをコードする核酸分子は、プラスミド等の発現ベクターへとクローニングした後、細菌、酵母、又は細胞培養物等の好適な宿主を形質転換することができる。
【0027】
「発現ベクター」は、発現に不可欠なシグナル、特にプロモーター(構成的プロモーター又は誘導性プロモーター)、リボソーム結合部位、転写終結シグナル、及び任意で抗生物質抵抗性遺伝子等の選択マーカーの間へのコーディングヌクレオチド配列の挿入を可能にする領域を有するベクターを意味する。
【0028】
本発明は、上記核酸分子を含む発現ベクター、及び上記発現ベクターによって形質転換され、本発明によるBODを発現する宿主細胞に更に関する。
【0029】
発現ベクターを、当業者に既知の任意の方法、とりわけ例えばカルシウムイオンの存在下での宿主細胞の膜透過性の変更、又はエレクトロポレーションによって宿主細胞に導入することができる。
【0030】
本発明によるBODを発現するように形質転換された宿主細胞の培養後に、該細胞を遠心分離により回収し、溶解することで、上記の本発明によるBODを含む酵素を放出させることができる。
【0031】
本発明の好ましい変形形態によれば、本発明によるBODはピキア・パストリス酵母によって産生される。
【0032】
ピキア・パストリス酵母の培養培地でのBODの過剰産生及び分泌を可能にするために、配列番号3の配列のBODをコードする配列番号4の核酸分子を、酵母ゲノムでの相同組換えによってAOX1遺伝子の位置に導入する。そのために、pFD55プラスミドを、pmeI酵素を用いた消化によって線形化してから、エレクトロポレーションによって酵母に導入し、100μg/mlのゼオシンを含有するYPD培地+寒天において陽性クローンを選択する。ゼオシン(100μg/mL)を添加した200mLのYPD培地の前培養物に、シャーレ内で単離したクローンを播種する。220rpm、30℃で一晩撹拌した後、この前培養物を4000rpmで10分間遠心分離し、ペレットを200mlの滅菌水中に取り、存在する全てのグルコースを取り除く。2回目の遠心分離の後、5L容の三角フラスコ内の1mMのCuSO
4を含むMMH培地中の培養物2Lに、このペレットを播種する。酵母を2時間、撹拌しながら(220rpm)、25℃でインキュベートした後、0.5%メタノールを添加することで、誘導を開始する。この誘導工程を5日間繰り返すことで、最大量の酵素が得られる。
【0033】
この方法の利用には、特質を制限することなく、下記の材料を使用することが可能である:
ピキア・パストリスでの発現ベクター(pFD55):サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)のα因子分泌因子とともに、イネいもち病菌由来のBODをコードするDNA配列を含有するとともに、メタノール誘導性プロモーターAOX1を含有するプラスミドpPICZα;
プロモーターAOX1と、ペプチドシグナルα因子と、イネいもち病菌由来のBODをコードするDNA配列とを含有するpFD55ベクター由来のカセットの組込み後の本発明によるBODの産生に使用されるピキア・パストリスGS115酵母株;
培養培地:
富栄養培地YPD(酵母用):
1%酵母エキス
2%バクトペプトン
2%グルコース
pHは調整せず、120℃で20分間オートクレーブ処理する
最少培地MMH(酵母用):
1.34%酵母窒素ベース
1%カザミノ酸
0.4%ヒスチジン
4×10
−5%ビオチン
pHは調整せず、120℃で20分間オートクレーブ処理する
富栄養培地LB(細菌用):
トリプトン 10g/L
酵母エキス 5g/L
NaCl 5g/L
蒸留H
2O 1Lまで適量
pHは調整せず、120℃で20分間オートクレーブ処理する。
【0034】
別の変形形態によれば、大腸菌(Escherichia coli)を宿主微生物として選択することができる。その後使用することができるプラスミドは、とりわけプラスミドpBluescript、pUC18、pET、pGEX、pGS、pMAL−c2等である。
【0035】
本発明によるBODの調製のこの変形形態によれば、BODは、C末端位置で6HISタグと融合した酵素をコードするpET21a発現ベクターによって形質転換された大腸菌(E. coli)細菌によって有利に発現される。
【0036】
この手法は迅速かつ単純なものであり、実際には大腸菌細菌におけるイネいもち病菌由来のBODの発現の誘導には、4時間〜24時間かかる。
【0037】
さらに、6HISタグによって、ニッケル樹脂でのアフィニティクロマトグラフィによりイネいもち病菌由来のBODを単一段階で精製し、純粋な酵素を得ることが可能となる。
【0038】
この調製方法の適用に際して、当業者は使用する発現ベクターに応じて宿主細胞を選択する。
【0039】
好ましくは、pET21a発現ベクターを使用する場合、T7 RNAポリメラーゼを発現する宿主細胞、例えば大腸菌株BL
21 DE3、BL
21−SI、BL
21 pLys、Novablue(DE3)又はBL
21 Starが選択される。
【0040】
本発明は、本発明によるBODを調製する方法であって、
a)本発明によるBODを発現する宿主細胞を準備する工程と、
b)工程a)で準備した宿主細胞を培養する工程と、
c)培養培地を回収するとともに、例えば遠心分離によって宿主細胞を取り除く工程と、
d)工程c)で得られた培養培地を疎水性相互作用クロマトグラフィによって処理する工程と、
e)上記精製BODを回収する工程と、
含む、方法にも関する。
【0041】
好ましい実施の形態によれば、本発明による方法は下記のようなものである:
使用するピキア・パストリス酵母株がGS115株であり、
ピキア・パストリスでの発現ベクター(pFD55)が、サッカロミセス・セレビシエのα因子分泌因子とともに、イネいもち病菌由来のBODをコードするDNA配列を含有するとともに、メタノール誘導性プロモーターAOX1を含有するプラスミドpPICZαであり、
工程b)で行われる培養が18℃〜37℃、好ましくは25℃の温度で撹拌しながらの少なくとも1回の液相培養工程を含み、その間にBODの発現がメタノールの添加によって誘導され、メタノールの添加による誘導は任意に繰り返すことができる。
【0042】
本方法をこれらの好ましい条件に従って適用する場合、3日〜7日程度の短い導入時間でBODを産生することが可能となり、BODの精製を一段階の疎水性相互作用クロマトグラフィで行い、このようにして産生されたBODは、その活性に必要な4つの銅原子を確実に有する(実施例の第5項を参照されたい)。
【0043】
本発明によるBODが大腸菌等の株によって産生される場合、本発明によるBODの調製方法は、
a)本発明によるBODを発現する宿主細胞を準備する工程と、
b)工程a)で準備した宿主細胞を培養する工程と、
c)宿主細胞を溶解する工程と、
d)工程c)で得られた溶解物をアフィニティクロマトグラフィによって処理する工程と、
e)上記精製BODを回収する工程と、
を含む。
【0044】
尿素、塩化グアニジニウム、SDS、トリトン等の変性剤の存在下においてBODを産生させることも可能であり、このようにして産生されたBODは、銅を欠いており、銅原子を添加することによって活性化することができる。
【0045】
本発明は、溶液中のビリルビンの決定、すなわち試料、とりわけ生体試料中のビリルビン濃度の測定のための本発明によるイネいもち病菌由来のBODの使用にも関する。
【0046】
「生体試料」は、血液、血清、リンパ液、胆汁、尿、脳脊髄液、汗等の生体液を意味する。
【0047】
体内におけるビリルビンの存在は正常なことであり、ビリルビンはヘモグロビンの分解により生じ、健康な成人では1日当たり200mg〜230mgのビリルビンが形成される。良好な健康状態の個体においては、ビリルビンは肝臓によって取り込まれ、その後分解される。したがって、その濃度は或る特定の閾値を超えるべきではなく、ビリルビンの決定は、以下のような障害を検出するのに有用である:
重篤な溶血症例:先天性又は後天性の溶血性貧血、薬剤誘発性の毒性又は感染性の溶血、輸血事故等、
不十分な肝臓取込み又は抱合(conjugation):ジルベール病、クリグラー−ナジャー病、リファンピシン(抗結核性抗生物質)の服用、
肝臓及び胆管の障害:様々な種類の肝炎(ウイルス性肝炎、毒性肝炎、薬剤誘発性肝炎)、様々な種類の肝硬変、稀な代謝異常(ローター病(Rotor disease)、デュービン−ジョンソン病)、
胆管の障害、
胆石症、
膵臓炎、
膵臓がん又は胆管がん。
【0048】
したがって本発明は、液体試料、特に生体試料中のビリルビン濃度の測定のための本発明によるBODの使用に関する。
【0049】
第1の変形形態によれば、BODによるビリルビンの決定原理は、ビリルビンの分解によってもたらされる試料の色の変化の測定に基づいている。
【0050】
ビリルビンは440nmでの光の吸収ピーク(λ
max)を有する。ビリルビンがBODによって酵素分解されると、ビリルビンが存在する試料のλ
maxでの吸光度が低減し、これにより同じ実験条件で測定されたビリルビン含有量が既知の標準溶液の440nmでの吸光度の低減との比較によって、試料中に最初に存在するビリルビンを定量することが可能となる。
【0051】
本発明は、本発明によるBODを含むことを特徴とする、溶液中のビリルビンを化学分析するキットにも関する。
【0052】
典型的には、アッセイキットは更に、ビリルビンアッセイ試験を適用するのに必要な試薬、特に:
緩衝液と、
検量線作成用のビリルビンの標準溶液と、
アッセイを実施するのに必要な使用説明書と、
を備える。
【0053】
本発明は更に、流体試料の溶液中のビリルビンを化学分析する方法であって、
a)酵素反応の前にλ
max=440nmでの上記流体試料の吸光度を測定する工程と、
b)本発明によるBODを上記流体試料に導入する工程と、
c)酵素反応の後にλ
max=440nmでの上記流体試料の吸光度を測定する工程と、
d)工程a)で測定された吸光度と、工程c)で測定された吸光度との差を算出するとともに、この差をビリルビン含有量が既知の標準溶液で測定された吸光度の差と比較する工程と、
e)上記流体試料中の初期のビリルビンの濃度を決定する工程と、
を含むことを特徴とする、方法に関する。
【0054】
別の変形形態によれば、流体試料中のビリルビンの決定は、本発明によるBODを含む電極を利用する電気化学法によって行われる。
【0055】
このため、本発明は、導電性金属、とりわけ白金、銅、銀、アルミニウム、金若しくはスチール、又は炭素、例えばガラス状炭素、炭素繊維、カーボンナノチューブの繊維若しくはダイアモンド等の導電性材料を含むBOD電極にも関する。上記導電性材料は少なくとも1つの本発明によるBODを含む被覆材で覆われており、上記被覆材は酵素と電極との間の電気伝導とシステムの安定性とを改善するレドックスポリマーを更に含むことができる。
【0056】
レドックスポリマーは例えば、フェロセン、オスミウム及びルテニウム、並びに導電性ポリマー、例えばポリピロール及びポリアニリン系のポリマーから選択することができる。
【0057】
上記導電性材料上にBODを固定する方法は、とりわけポリマーマトリクス中へのBODの内包、ポリマー膜表面上へのBODの吸着、共有結合による固定、電着を含む当業者に利用可能な従来法(Gao et al., Chem. Int. ED. 2002, 41, No. 5, 810-813)、又は米国特許出願第2009/0053582号に記載の技法から選択することができる。
【0058】
1つの実施の形態によれば、BODが固定されているBOD電極は、電極からの上記酵素の脱離を防止する膜にも覆われている。想定される用途に応じて、上記膜は、ナフィオン、セルロース、又は任意の他の生体適合性材料、すなわち生理環境と適合性の材料で構成することができる。
【0059】
したがって、本発明は、本発明によるBOD電極で構成されるビリルビンバイオセンサーにも関する。一般的に、バイオセンサーは、生物学的標的を認識することが可能なバイオレセプターが固定されている電極で構成される。バイオレセプター上での生物学的標的の固定化によって、膜の物理化学的変化、及び電極と連結した電気化学的変換器(電流測定的変換器、電位差測定的変換器、電気伝導度測定的変換器等)による電気的シグナルの生成がもたらされる。本発明の場合では、バイオセンサーは本発明によるBODであり、生物学的標的はビリルビンである。
【0060】
本発明は更に、本発明によるビリルビンバイオセンサーを用いて流体試料の溶液中のビリルビンを化学分析する方法に関する。
【0061】
ビリルビンバイオセンサーの使用の1つの変形形態によれば、このバイオセンサーが、人の皮膚の下に埋め込まれ、該人の血液中のビリルビン濃度を記録することを可能とする。
【0062】
本発明は、本発明による電極で構成される酸素センサーにも関する。
【0063】
本発明によるBOD電極は更に、酵素バイオ燃料電池におけるカソードとして有利に使用することができる。
図1Aに、酵素バイオ燃料電池の作動原理を概略的に示す。本発明による酵素バイオ燃料電池は、カソードとしてのBOD電極と、基質の酸化反応(「酵素X」によって触媒される)が起こるアノードとを備える装置である。例示としては、基質はグルコースとすることができ、「酵素X」はグルコースオキシダーゼとすることができる。この種のバイオ燃料電池は、医療用途で個体に埋め込む場合に、特に関心が持たれる。基質は、例えば亜硝酸塩、硝酸塩、スルフィド、尿酸塩(urates)、アスコルビン酸塩、グルタミン酸塩、ピルビン酸塩、乳酸塩、セルロース等から選択することもできる。汚染除去用途が想定される場合、酵素は分解対象の基質に応じて選択する。例えば、以下の酵素を使用することができ、これらの酵素が分解することができる基質の種類を丸括弧内に示す:グルコースオキシダーゼ(グルコース、又はこの酵素によって酸化される全ての糖)、乳酸オキシダーゼ(乳酸塩)、ピルビン酸オキシダーゼ(ピルビン酸塩)、アルコールオキシダーゼ(アルコール)、コレステロールオキシダーゼ(コレステロール)、グルタミン酸オキシダーゼ(グルタミン酸塩)、ピラノースオキシダーゼ(ピラノース)、コリンオキシダーゼ(コリン)、セロビオースデヒドロゲナーゼ(セロビオース)、グルコースデヒドロゲナーゼ(グルコース、又はこの酵素によって酸化される全ての糖)、ピラノースデヒドロゲナーゼ(ピラノース)、フルクトースデヒドロゲナーゼ(フルクトース)、アルデヒドオキシダーゼ(アルデヒド)、グルコノラクトンオキシダーゼ(グルコノラクトン)、アルコールデヒドロゲナーゼ(アルコール)、アスコルビン酸オキシダーゼ(酸素又はアスコルビン酸塩)、又はスルフィドジオキシゲナーゼ(スルフィド)。バイオ燃料電池の電極での酸化及び同時的な還元のプロセスによって、電流が生成される。
【0064】
図1Bに、グルコースを用いた酵素バイオ燃料電池をより具体的に示す。この酵素バイオ燃料電池は、酵素の固定によって修飾された2つの電極で構成されている。グルコースオキシダーゼ(GOx)が導電性ポリマー「I」を介してアノード(1)上に固定され、ビリルビンオキシダーゼ(BOD)が導電性ポリマー「II」を介してカソード(2)上に固定されている。作動中にアノードでは、電子は生理液中に存在するグルコースからGOx、次いでGOxから導電性ポリマー「I」、導電性ポリマー「I」からアノードへと移動する。カソードでは、電子はカソードから導電性ポリマー「II」、次いでBODへと、最終的にはBODから生理液中に存在する酸素へと移動する。
【0065】
バイオ燃料電池は任意に、それぞれの酵素によって電極を修飾すること、及び可溶性の媒介因子、例えばアノードにフェロセンメタノール及びカソードにフェリシアン化カリウムを添加すること、並びに、必要に応じて、アノードとカソードとを分離する膜を付加することによって機能させることもできることに留意すべきである。
【0066】
本発明は更に、カソードとして上記のBOD電極を用いて糖化ヘモグロビンを化学分析する方法であって、
a)標準緩衝溶液中の遊離酸素を測定する工程と、
b)血液試料中の遊離酸素を測定する工程と、
c)工程a)で行われた測定と、工程b)で行われた測定とを比較するとともに、血液試料中のヘモグロビン含有量を推測する工程と、
d)上記血液試料から糖化ヘモグロビンを抽出する工程と、
e)工程d)で得られた血液試料中の遊離酸素を測定する工程と、
f)工程b)で行われた測定と、工程c)で行われた測定とを比較するとともに、上記血液試料中の糖化ヘモグロビン含有量を推測する工程と、
を含む、方法に関する。
【0067】
代替的には、工程e)の測定を、直接血液試料から抽出された糖化ヘモグロビンで行うことができる。この方法の適用の変形形態は米国特許出願第2002/017992号に記載されている。
【0068】
別の態様によれば、本発明は、試料、とりわけ生体試料中に存在するビリルビンの分解への本発明によるBODの使用に関する。実際、試料中におけるビリルビンの存在が、他の物質(例えば、グルコース又は血中コレステロール)の検出を、特にこれらの他の物質を比色法によって検出する場合に、歪める可能性がある。
【0069】
概して、本発明によるBODには、脱酸素によって、とりわけ繊維産業及び製紙産業において、並びに例えば食品産業において食品、例えば飲料、又は植物油を含有する食品の安定性及び/又は品質を改善させるといった多くの産業的用途が見出されている。
【0070】
より具体的には、BODは、汚染除去に関連する用途に(例えば廃水の脱色及び/又は無毒化、並びに生体異物の分解に言及することができる)、有機合成試薬として、抗菌組成物の調製に、木材及び無毒化されたカートン製の物品の製造に、又は洗浄剤の製造に(Morozova et al. Biochemistry (Mosc.) 2007 Oct; 72(10):1136-50)、並びに工業用溶剤(industrial media)中で使用される染料の漂白、特に繊維製品の漂白及び紙パルプの漂白に使用することができる。
【0071】
本発明によるBODは、フェノール酸を二量体化するのに使用することもでき(Koschorreck, K., et al. 2008. Appl Microbiol Biotechnol (2008) 79:217-224)、したがって、繊維用途及び食品用途に使用される色素及び染料の合成において関心が持たれる(R. Mustafa et al. Food Research International. Volume 38, Issues 8-9, October-November 2005, pages 995-1000)。この二量体化反応は、抗酸化剤、例えばフェルラ酸二量体の調製にも用いることができる(Garcia-Conesa MT, et al. Redox Rep. 1997 Oct-Dec; 3(5-6):319-23)。
【0072】
本発明によるBODは、染色に好適な媒体中に、少なくとも1つの酸化基剤(oxidation base)、本発明によるBOD、及び任意に該BODに対する供与体(例えばビリルビン等の基質)を含む、ケラチン繊維の酸化染色用の組成物、例えばヘアーカラーリング用組成物における試薬として使用することもできる。上記組成物中で使用することができるBOD以外の様々な成分は、国際出願に係る国際公開第99/15138号に記載されている。例えば、酸化基剤(単数又は複数)は、パラフェニレンジアミン、ダブルベース(double bases)、パラアミノフェノール、オルトアミノフェノール及び複素環式酸化基剤から選択することができる。
【0073】
本発明によるBODは、パルプの漂白及び/又はリグニン分解(脱リグニン)に対する作用に関して紙パルプを処理するのに、及び/又はより良好な湿潤強度を有する紙を製造するのに有利に使用することができる(国際出願に係る国際公開第00/68500号を参照されたい)。
【0074】
上述の規定に加えて、本発明は更に、本発明を適用する実施例に関する下記の明細書及び添付の図面から明らかとなる他の規定を含む。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【
図1A】酵素バイオ燃料電池の作動原理を示す概略図である。
【
図1B】グルコース系酵素バイオ燃料電池を示す図である。
【
図2】pFD55ベクターのプラスミド地図を示す図である。
【
図3】ABTS濃度に応じたイネいもち病菌由来のBODの触媒活性を示す図である。
【
図4】非抱合型ビリルビンの濃度に応じたイネいもち病菌由来のBODの触媒活性を示す図である。
【
図5】抱合型ビリルビンの濃度に応じたイネいもち病菌由来のBODの触媒活性を示す図である。
【
図6】異なる基質の酸化に対するpHに応じたイネいもち病菌由来のBODの相対活性を示す図である。
【
図7】ABTSの酸化に対する温度に応じたイネいもち病菌由来のBODの活性試験の結果を示す図である。
【
図8】抱合型ビリルビンの酸化に対する温度に応じたイネいもち病菌由来のBODの安定性試験の結果を示す図である。
【
図9】50mMのリン酸クエン酸緩衝液(pH7)中、37℃でのイネいもち病菌由来のBODによるRemazol Brilliant Blue Rの漂白パーセントを示す図である。
【
図10】ビキノリン試験による銅の測定に関する検量線を示す図である。
【実施例】
【0076】
1. 材料
1.1 大腸菌細菌株
DH
5α:supE44、ΔlacU169、(Φ80 lacZDM15)、hsdR17、recA1、endA1、gyrA96、thi−1、relA1(Hanahan, 1983)。
【0077】
この菌株を使用して、タンパク質発現ベクターを構築する工程でプラスミドを増幅する。
【0078】
1.2 ベクター
pFD55:サッカロミセス・セレビシエのα因子分泌因子とともに、イネいもち病菌由来のBODをコードする配列番号2のDNA配列を含有するとともに、メタノール誘導性プロモーターAOX1を含有するプラスミドpPICZα。pPICZαプラスミドのプラスミド地図を
図2に示す。
【0079】
1.3 ピキア・パストリス酵母株
GS115:AOX1プロモーターと、α因子分泌因子と、イネいもち病菌由来のBODをコードするDNA配列とを含有するpFD55ベクター由来のカセットの組込み後のビリルビンオキシダーゼの産生に使用されるピキア・パストリス酵母株。
【0080】
1.4 培養培地
富栄養培地YPD(酵母用):
1%酵母エキス
2%バクトペプトン
2%グルコース
pHは調整せず、120℃で20分間オートクレーブ処理する
最少培地MMH(酵母用):
1.34%酵母窒素ベース
1%カザミノ酸
0.4%ヒスチジン
4×10
−5%ビオチン
pHは調整せず、120℃で20分間オートクレーブ処理する
富栄養培地LB(細菌用):
トリプトン 10g/L
酵母エキス 5g/L
NaCl 5g/L
蒸留H
2O 1Lまで適量
pHは調整せず、120℃で20分間オートクレーブ処理する
【0081】
2. 遺伝子操作技法
2.1 スーパーコンピテント細菌の形質転換
DH
5αスーパーコンピテント細菌を、Inoue et al.によって説明されたプロトコル(Inoue et al. 1990. Gene 96 :23-28)に従ってSEM法(単純かつ効率的な方法(Simple and Efficient Method))によって調製する。
【0082】
2.2 ピキア・パストリス酵母の形質転換
DNAを、Eppendorf Eporator(Eppendorf、フランス)でのエレクトロポレーションによりピキア・パストリス酵母GS115に導入する。
【0083】
2.3 DNAの調製
プラスミドDNA精製キット(Quiagen)を使用して、少量及び大量のDNAを調製する。
【0084】
2.4 二本鎖DNAのシークエンシング
二本鎖DNAを、従来技法に従ってMillegen社(フランス、トゥールーズ)でシークエンシングする。
【0085】
2.5 BODの発現ベクターの構築
タンパク質のN末端に位置する最初の24個のアミノ酸の位置で切断された、イネいもち病菌のビリルビンオキシダーゼをコードする配列に相当する遺伝子(アクセッション番号A4QV27)を、Genecust Europe社(ルクセンブルグ)で合成した。制限部位NheI(配列番号6:gctagc)及びNotI(配列番号7:gcggccgc)をそれぞれ、配列の3’及び5’に付加し、クローニングを促した。
【0086】
次いでpPICZαプラスミド及び合成した遺伝子を2つの制限酵素NheI及びNotIで処理し、消化産物を「nucleospin」キットを用いてゲル上で精製した。
【0087】
その後BODの遺伝子を、37℃で一晩、T4 DNAリガーゼとともに同時インキュベートすることによってプラスミドにライゲーションする。
【0088】
続いて新たに形成したプラスミド(pFD55)を、25μg/mlのゼオシンの入ったシャーレ内でDH5α細菌の形質転換によって選択及び増幅させる。
【0089】
2.6 ピキア・パストリスのゲノムへのビリルビンオキシダーゼをコードする配列の組込み
ピキア・パストリス酵母の培養培地中の酵素を過剰産生及び分泌させるために、対応する遺伝子を相同組換えによってAOX1遺伝子の位置に導入する。このために、pFD55プラスミドを、酵素pmeIを用いた消化によって線形化してから、エレクトロポレーションによって酵母に導入し、100μg/mlのゼオシンを含有するYPD培地+寒天において陽性クローンを選択する。
【0090】
3. イネいもち病菌由来のBODの産生、精製及び特性評価
3.1 BODの産生
酵素BODをメタノール誘導によってピキア・パストリス酵母から産生させる。このために、pFD55プラスミドに含有されたカセットを組み込んだ後、ゼオシン(100μg/mL)を添加した200mLのYPD培地の前培養物にGS115株を播種する。220rpm、30℃で一晩撹拌した後、この前培養物を4000rpmで10分間遠心分離し、ペレットを200mlの滅菌水中に取り、存在する全てのグルコースを取り除く。2回目の遠心分離の後、5L容の三角フラスコ内の1mMのCuSO
4を含むMMH培地中の培養物2Lに、このペレットを播種する。酵母を2時間、撹拌しながら(220rpm)、25℃でインキュベートした後、0.5%メタノールを添加することで、誘導を開始する。この誘導工程を5日間繰り返すことで、最大量の酵素が得られる。分泌タンパク質を回収するために、2Lの培養物を遠心分離し、対象の酵素を含む上清を、カットオフ値が10kDaのYM10膜を備える振盪セルにおいて濃縮することで、4ml〜5mlの最終容量を達成する。
【0091】
3.2 疎水性相互作用クロマトグラフィによるBODの精製
濃縮してから、1.7Mの硫酸アンモニウムを4ml〜5mlの培養上清に添加した後、0.22μmフィルターで濾過し、システムAKTA精製装置(GE Healthcare(商標))に接続し、50mMリン酸カリウム緩衝液、1.7M (NH
4)
2SO
4(pH6)中に平衡化した疎水性相互作用カラム、60ml PhenylHP(GE Healthcare(商標))に注入する。溶出を0%から100%の勾配の50mMリン酸カリウム緩衝液(pH6)を用いて2.5mL/分の流速で行う。BODタンパク質を含む画分をABTS活性試験(2,2’−アジノ−ビス(3−エチルベンゾチアゾリン−6−スルホン酸)によって同定し、合わせて、濃縮し、Amicon YM10膜での遠心分離によって50mMリン酸カリウム緩衝液(pH6)中で保管した。この段階で、BODタンパク質は純粋であり、−20℃で可溶性形態で保管することができる。
【0092】
他の市販のBODと比較して、このタンパク質を使用する際の精製プロトコルにはかなりの利点があることが強調される。実際、純粋な酵素を得るには、他の既知のビリルビンオキシダーゼに用いられるクロマトグラフィ(サイズ排除クロマトグラフィ、アニオン交換クロマトグラフィ又はカチオン交換クロマトグラフィ、疎水性クロマトグラフィ等)の連続段階ではなく、単一の精製工程が必要となる。
【0093】
3.3 酵素の特性評価
3.3.1 濃度の測定
溶液中の酵素の濃度をブラッドフォード技法(Bradford, M.M., A rapid and sensitive method for the quantitation of microgram quantities of protein utilizing the principle of protein-dye binding. Anal Biochem, 1976. 72 : p. 248-54)に従ってBSA範囲から算出する。
【0094】
3.3.2 酵素試験
酵素試験を3mLの容量の37℃の0.1Mのクエン酸/リン酸緩衝液中でVarianの分光光度計を用いて行い、時間に応じた所与の波長での異なる基質の酸化をモニタリングする。酵素の比活性を1分当たりタンパク質1mgに付き酸化される基質(μmol単位)で表す。この研究で使用される基質は、ABTS(ε
420nm=36mM
−1cm
−1)、非抱合型ビリルビン(ε
450nm=32mM
−1cm
−1)及び抱合型ビリルビン(ε
440nm=25mM
−1cm
−1)である。
【0095】
3.4 イネいもち病菌由来のBODの酵素特性の研究
3.4.1 定常状態での速度定数(k
cat)及びミカエリス定数(K
M)の決定
3.4.1.1 ABTS
実験を37℃の0.1Mのクエン酸/リン酸緩衝液(pH4)中でVarianの分光光度計で行う。ABTS濃度はアッセイにおいて0mM〜4mMの中で変える。アッセイを酵素の添加により開始する。試験点を、以下の方程式:k
ss=k
cat×[S]/(K
M+[S])に従ってSigma−plot 6.0ソフトウェアを用いてミカエリス−メンテンモデルによる非線形回帰によって分析する。
【0096】
結果:
k
cat=664s−1及びK
m=428μM
ABTS濃度に応じたイネいもち病菌由来のBODの触媒活性を
図3に示す。
【0097】
比較用のピキア・パストリスで産生されたミロテシウム・ベルカリア(Myrothecium verrucaria)由来のBODは、pH6.5のABTSで、340μMのK
mに対して164s
−1のk
catを示す(Bradford, M.M., A rapid and sensitive method for the quantitation of microgram quantities of protein utilizing the principle of protein-dye binding. Anal Biochem, 1976. 72 : p. 248-54)。
【0098】
3.4.1.2 非抱合型ビリルビン
実験を、37℃の50mMのTris−HCl緩衝液(pH8.5)中でVarianの分光光度計で行う。ビリルビンの濃度はアッセイにおいて0μM〜100μMの中で変える。酵素の添加により開始されるアッセイは、比色分析による変動から450nmでの非抱合型ビリルビンの酸化をモニタリングすることからなる(ε
450nm=32mM
−1cm
−1)。
図4に示されるように、この基質の酸化はミカエリス−メンテンプロセスに従うものではなく、そのため通例のように定数を決定することが不可能である。
【0099】
32U/mgという算出値の比活性の最大値だけを得ることができる。
【0100】
比較用のミロテシウム・ベルカリア真菌及びバチルス・サブチリス細菌由来のBODは、同じ基質に対してそれぞれ24U/mg及び28U/mgという最大の比活性を示す(Kataoka, K., et al., High-level expression of Myrothecium verrucaria bilirubin oxidase in Pichia pastoris, and its facile purification and characterization. Protein Expr Purif, 2005. 41(1): p. 77-83、及び非特許文献2)。
【0101】
3.4.1.3 抱合型ビリルビン
実験を、37℃の50mMのクエン酸−リン酸緩衝液(pH3.6)中でVarianの分光光度計で行う。ビリルビンの濃度はアッセイにおいて0μM〜100μMの中で変える。酵素の添加により開始されるアッセイは、比色分析による変動に基づき440nmでの抱合型ビリルビンの酸化をモニタリングすることからなる(ε
440nm=25mM
−1cm
−1)。試験点を、以下の方程式:k
ss=k
cat×[S]/(K
M+[S])に従ってSigma−plot 6.0ソフトウェアを用いてミカエリス−メンテンモデルによる非線形回帰によって分析する。
【0102】
このためこの酵素は抱合型ビリルビンに関して以下の速度定数を有する:k
cat=28s
−1及びK
M=18.5μM。
【0103】
抱合型ビリルビンの濃度に応じたイネいもち病菌由来のBODの触媒活性を
図5に示す。
【0104】
3.4.2 pHに応じた酵素活性の研究
3.4.2.1 ABTS
pHに応じた反応速度定数の変動を、基質として1mMのABTSを用いて0.1Mのクエン酸/リン酸緩衝液中で3〜7のpH範囲にわたって調べる。実験を、Varianの分光光度計で37℃で行う。活性を420nmで測定された比色分析による変動をもたらすABTSの酸化によりモニタリングする。アッセイを酵素の添加により開始する。
【0105】
3.4.2.2 非抱合型ビリルビン
pHに応じた反応速度定数の変動を、基質として30μMの非抱合型ビリルビンを用いて0.2MのTris−HCl緩衝液中で7〜8.5のpH範囲にわたって調べる。実験を、Varianの分光光度計を用いて37℃で行う。活性を450nmで測定された比色分析による変動をもたらすビリルビンの酸化によりモニタリングする(ε
450nm=32mM
−1cm
−1)。アッセイを酵素の添加により開始する。
【0106】
3.4.2.3 接合型ビリルビン
pHに応じた反応速度定数の変動を、基質として25μMの抱合型ビリルビンを用いて0.1Mのクエン酸/リン酸緩衝液中で3〜7のpH範囲にわたって調べる。実験を、Varianの分光光度計を用いて37℃で行う。活性を440nmで測定された比色分析による変動をもたらすビリルビンの酸化によりモニタリングする(ε
450nm=25mM
−1cm
−1)。アッセイを酵素の添加により開始する。
【0107】
異なる基質の酸化に対するpHに応じたイネいもち病菌由来のBODの相対活性を
図6にグラフの形で示す。
【0108】
3.4.3 温度に応じた酵素活性の研究
温度に応じた反応速度定数の変動を、0.5mMのABTSの存在下での0.1Mのクエン酸/リン酸緩衝液(pH4)中で調べる。温度は15℃〜80℃の中で変える。活性をVarianの温度制御型分光光度計CARY UV Biomeltでモニタリングする。アッセイを酵素の添加により開始する。
【0109】
温度に応じたイネいもち病菌由来のBODによるABTSの酸化の結果を
図7のグラフに相対活性として示す。
【0110】
3.4.4 温度に応じた酵素の安定性
酵素を50mMのリン酸カリウム緩衝液(pH6)の入った60℃及び37℃の乾燥浴内で0.15mg/mlの濃度でプレインキュベートした。一定間隔で、5μLの試料を回収し、これらの温度でインキュベートした酵素の残存活性を、50μMの抱合型ビリルビンの存在下において37℃の0.1Mのクエン酸/リン酸緩衝液(pH3.8)中、440nmでVarianの分光光度計を用いて決定する。
【0111】
温度に応じたイネいもち病菌由来のBODによる抱合型ビリルビンの酸化の結果を
図8のグラフに相対活性として示す。
【0112】
3,4,5 Remazol Brilliant Blue Rの漂白活性
イネいもち病菌由来のBODによるRemazol Brilliant Blue R(RBBR)の漂白の有効性を、10μMのABTSの存在下又は非存在下において50mMのリン酸−クエン酸緩衝液(pH7)中で測定した。80mg/LのRBBRの溶液をABTSの存在下又は非存在下で37℃でプレインキュベートし、10μg/mlの濃度の酵素をT0で添加する。592nm(RBBRの吸収ピーク)での吸光度を一定間隔で測定し、酵素の漂白活性をモニタリングする。
【0113】
僅か20分後には、94%超のRBBRが37℃の10μMのABTSの存在下で漂白される。この結果から、例えば繊維産業に使用される染料を漂白するというこの酵素の優れた潜在性が明らかに実証される。
【0114】
図9に、37℃の50mMのリン酸−クエン酸緩衝液(pH7)中でのイネいもち病菌由来のBODによるRemazol Brilliant Blue Rの漂白パーセントを示す。
【0115】
3.5 ピキア・パストリスで産生されるイネいもち病菌のBODに対する4つの銅の決定
4つの銅の存在を銅のモル濃度を測定するのに標準的な範囲を用いたビキノリンアッセイにより決定する(表1)(Felsenfeld, G., The determination of cuprous ion in copper proteins. Arch Biochem Biophys, 1960. 87 : p. 247-5)。
【0116】
【表2】
【0117】
546nmでの比色アッセイに基づく各測定を2連で行う。
図10に、ビキノリンアッセイによる銅の測定の検量線を示す。この技法によって、1.5μMのBODのタンパク質試料に対する6.1μMの銅の存在、すなわち4.06の比率が実証可能となり、酵素と結び付く4つの銅イオンの存在が良好に確認される。
【配列表】
[この文献には参照ファイルがあります.J-PlatPatにて入手可能です(IP Forceでは現在のところ参照ファイルは掲載していません)]