特許第6134433号(P6134433)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社アモーレパシフィックの特許一覧

特許6134433電動モーター及びスプリングを用いた洗顔装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6134433
(24)【登録日】2017年4月28日
(45)【発行日】2017年5月24日
(54)【発明の名称】電動モーター及びスプリングを用いた洗顔装置
(51)【国際特許分類】
   A47K 7/04 20060101AFI20170515BHJP
   A46B 13/02 20060101ALI20170515BHJP
【FI】
   A47K7/04
   A46B13/02
【請求項の数】5
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2016-504222(P2016-504222)
(86)(22)【出願日】2013年9月27日
(65)【公表番号】特表2016-533194(P2016-533194A)
(43)【公表日】2016年10月27日
(86)【国際出願番号】KR2013008674
(87)【国際公開番号】WO2014148710
(87)【国際公開日】20140925
【審査請求日】2015年10月30日
(31)【優先権主張番号】10-2013-0028936
(32)【優先日】2013年3月19日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】506213681
【氏名又は名称】株式会社アモーレパシフィック
【氏名又は名称原語表記】AMOREPACIFIC CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100121382
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 託嗣
(72)【発明者】
【氏名】ファン,チョンファン
(72)【発明者】
【氏名】キム,ソヒ
(72)【発明者】
【氏名】パク,ウラム
(72)【発明者】
【氏名】イ,ユンヒ
(72)【発明者】
【氏名】ナム,ヘソン
(72)【発明者】
【氏名】イ,チルソン
(72)【発明者】
【氏名】イ,ジョンミン
(72)【発明者】
【氏名】キム,ヒョヨン
【審査官】 七字 ひろみ
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−207537(JP,A)
【文献】 特開2000−023487(JP,A)
【文献】 特開平08−317684(JP,A)
【文献】 特開平03−280911(JP,A)
【文献】 特表2008−503325(JP,A)
【文献】 特開平07−213343(JP,A)
【文献】 特表2001−521426(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2013/60176(US,A1)
【文献】 特表2014−518606(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47K 7/04
A46B 13/02
A61H 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗顔装置用ケース(100)と、
前記ケースの外側に設置され、オン/オフ及び一定の角度単位の正逆回転スイッチングを指令するための作動部(200)と、
前記ケースの内側の一端に設置される電源供給部(300)と、
前記ケースの内側に設置され、作動部のスイッチング信号に応じて電源供給部から電源の印加を受けて作動し、一定の角度単位で正逆回転するブラシレス電動モーター(400)と、
前記作動部のスイッチング信号に応じて一定の角度でブラシレス電動モーターの正逆回転を制御するための電気信号を出力する制御部(500)と、
前記ブラシレス電動モーターの軸に嵌合され、ブラシレス電動モーターの動作に応じて正逆回転する洗顔用ブラシ(600)と、
前記ブラシレス電動モーターの軸に連設し、「L」字状に折り曲げられた垂直パネルと水平パネルからなり、前記ブラシレス電動モーターの正逆回転に従って正逆回転するホルダー(700)と、
前記ホルダーの水平パネルに一側が結合し、他側は支持部に結合し、ホルダーが垂直方向から上下方向に遊動するときに支持部を軸として遊動するが、弾性を提供して元の位置にトルクを発生させるスプリング(800)と、
前記スプリングの他側を支持する支持部(900)と、
を含むことを特徴とする、 電動モーター及びスプリングを用いた洗顔装置。
【請求項2】
前記ホルダーの上部には、ホルダーの正逆回転による振動を吸収するためのおもり(1000)をさらに設置してなることを特徴とする、請求項1に記載の電動モーター及びスプリングを用いた洗顔装置。
【請求項3】
前記スプリング(800)は、コイルばねまたは板ばねからなることを特徴とする、請求項1に記載の電動モーター及びスプリングを用いた洗顔装置。
【請求項4】
前記ホルダー(700)は、板ばねのスライド遊動のための遊動ホール(710)をさらに有することを特徴とする、請求項3に記載の電動モーター及びスプリングを用いた洗顔装置。
【請求項5】
前記制御部(500)は、
AC電源を整流及び平滑させてDC電源を供給するものであって、
整流器(511)及び平滑コンデンサ(512)から構成される整流部(510)と、
前記整流部(510)から供給されるDC電源を、任意の可変周波数を有するパルス形態の3相交流電源(U、V、W)に変えてBLDCモーター(400)に供給するもので、6つのスイッチング素子(Q1〜Q6)及びダイオードから構成されたインバータ(530)と、
BLDCモーター(400)に供給される3相交流電源から各相(U、V、W)の端子電圧を検出する端子電圧検出部(560)と、
前記端子電圧検出部(560)で検出された各相(U、V、W)の端子電圧に応じて逆起電力のゼロクロスポイント(ZCP)を検出して回転子の位置情報を取得し、インバータ(30)に供給されるPWM信号のパターンを制御してモーターの回転子が一定の角度で正回転及び逆回転するように制御する制御回路(570)と、
前記制御回路(570)の出力によってPWM信号のパターンを発生してインバータ(530)に供給するPWM信号発生部(580)と、
を含むことを特徴とする、請求項1に記載の電動モーター及びスプリングを用いた洗顔装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動モーター及びスプリングを用いた洗顔装置、その制御方法、並びに前記制御方法を行うためのプログラム記録媒体に係り、特に、モーター及び板ばねの相互作用によって正逆方向に振動させることにより、電流消耗が最小化されながらも洗顔が最適に行われるようにした、電動モーター及びスプリングを用いた洗顔装置、その制御方法、並びにその制御方法を行うためのプログラム記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、身体の美に対する欲望は老若男女、誰でも持っている。このような身体の美、特に皮膚の美を追求するためには清潔かつ体系的な皮膚管理が求められるが、このための手段としてスキンケア装置が開発されて使われている。この種のスキンケア装置は、使用しようとする身体の部位に応じてそれぞれの特性に合わせて種々の形態で広く知られて使われている。
【0003】
特に、顔のスキンケアのための方法としては、最も基本的に、化粧品を用いた皮膚管理が行われている。現在、スキンケアのために使われている化粧品は機能性化粧品である。
【0004】
一方、現在まで洗顔のための多様な装置が提案されているところ、洗浄用ブラシを回転させる方法は、単に回転のみを起こす方式と、振動を起こす方式に大別される。振動を起こす方法としては2つの振動方式が一般に適用されている。
【0005】
単にモーターの回転のみを起こして洗浄用ブラシを回転させる方法は、非常に一般な技術思想であるため、それ以上の説明は省略する。偏心ディスクを適用した方法と、円弧螺旋運動を行うモーターの基本概念について簡略に言及する。
【0006】
第一に、図1には一般な偏心回転方式の振動モーターが示されている。図示の如く、下部ケース2にPCB定着部1が成形されているため、PCB回路基板6が定着できるように構成される。前記下部ケース2の上部には、永久磁石3が固定された状態で設置される。固定子である永久磁石3の上部には、一定の空隙を持つ状態で回転子7が回転可能に設置されるが、前記回転子7は、全体的に偏心するように設計された、コイル8及びセグメント9を備えている。さらに、前記回転子7は、それ自体が一側に偏心した質量状態を持つもので、偏心質量としての機能を同時に行うこともある。
【0007】
振動モーターは、ローターを一定の方向に回転させるためにはローターの位置に応じて電流の導通するコイルを交換する整流回路が必要とされる。コイン型振動モーターの電流回路は、PCB回路基板6のPCB回路4と電気的に接続されるブラシ5と、セグメント9とから構成される。コイン型振動モーターの回転原理を考察すると、PCB回路4で入力される直流電源はブラシ5に接触しているセグメント9を介してコイル部分に電流を導通させる。この際、回転するローターによって、ブラシ5に接触するセグメント9が交換されるため、整流される形態を取る。
【0008】
第二に、ボイスコイルを適用した振動方法がある。この方法はハードディスクドライブに最も多く適用されるため、ハードディスクドライブを用いて概略的な原理を説明する。図2に示すように、ベースフレーム100に設置されたスピンドールモーター(図示せず)に磁気ディスク110が回転可能に取り付けられ、そのディスク110上に磁気ヘッドhをフライングさせるために、ピボット軸Pを中心に回動するように駆動される磁気ヘッドアクチュエータ200と、図示してはいないが、前記ディスク110及び磁気ヘッドアクチュエータ200を保護するとともに異物の流入を遮断するために、前記ベースフレーム100に結合するカバーフレームとを含んで構成される。参照符号120は、例えば、コンピュータなどの機器本体とインターフェースされるメイン回路基板(図示せず)と前記磁気ヘッドh間の信号伝達、及び前記磁気ヘッドアクチュエータ200の駆動制御のための回路駆動部である。
【0009】
前記磁気ヘッドアクチュエータ200は、図3に示すように、互いに向かい合うように、一対のマグネットMが取り付けられた下部ヨーク211及び上部ヨーク212を有するボイスコイルモーター(VCM)210と、ヘッドスタックアセンブリ(HSA、Head Stack Assembly)であって、前記ボイスコイルモーター210によってピボット軸Pを中心に回動するスイングアーム220と、該スイングアーム220に支持され、先端部に磁気ヘッドhが設置されるサスペンション230と、前記スイングアーム220に対応するように分岐し、前記マグネットM同士の間に位置するようにコイル231が巻回されたボビン230とを含んで構成される。
【0010】
前記ボイスコイルモーター210は、前記磁気ヘッドhをディスク上の所望の位置に移動させるために前記スイングアーム220を回動させる一種の駆動モーターであって、フレーミングの左手の法則、すなわち磁界中にある導体に電流を流したときに力が発生する原理を利用したものであるが、前記マグネットM同士の間に位置するコイル231に電流を印加することにより、前記ボビン230に力を加えて回動させる。これにより、前記ボビン230に対応するように分岐したスイングアーム220が回動し、その端部に支持された磁気ヘッドhが回転するディスク110上の半径方向にフライングしながらトラックを検索してアクセス(Access)し、アクセスされた情報を前記回路駆動部120によって信号処理して例えばコンピュータに記録または出力する。
【0011】
一方、現在洗顔に適用されるモーターは上述したような回転モーターや、円弧螺旋往復運動を用いたシステムなどであるが、これらは製品サイズが大きくなって消費電流が増える問題だけでなく、これによりバッテリーの寿命が減少する問題もあった。
【0012】
また、従来は、モーターを一方向にのみ回転させるから、洗顔用ブラシも一方向にのみ回転しながら顔に洗浄液を塗布するので、洗浄液の皮膚への均一な接触には限界があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は、上述したような問題を解決するためになされたもので、その目的は、回転モーターを用いて正逆回転させながら皮膚の洗浄が容易に行われるようにするが、スプリング力を用いて強いトルクを持たせることにより、洗顔用ブラシの肌への圧力が強くかけられるようにすることにより、皮膚の洗顔効率性を極大化させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成するための手段として、洗顔装置用ケース100と、前記ケースの外側に設置され、オン/オフ及び一定の角度単位の正逆回転スイッチングを指令するための作動部200と、前記ケースの内側の一端に設置される電源供給部300と、前記ケースの内側に設置され、作動部のスイッチング信号に応じて電源供給部から電源の印加を受けて作動し、一定の角度単位で正逆回転するブラシレス電動モーター400と、前記作動部のスイッチング信号に応じて一定の角度でブラシレス電動モーターの正逆回転を制御するための電気信号を出力する制御部500と、前記ブラシレス電動モーターの軸に嵌合され、ブラシレス電動モーターの動作に応じて正逆回転する洗顔用ブラシ600と、前記ブラシレス電動モーターの軸に連設し、「L」字状に折り曲げられた垂直パネルと水平パネルからなり、前記ブラシレス電動モーターの正逆回転に従って正逆回転するホルダー700と、前記ホルダーの水平パネルに一側が結合し、他側は支持部に結合し、ホルダーが垂直方向から上下方向に遊動するときに支持部を軸として遊動するが、弾性を提供して元の位置にトルクを発生させるスプリング800と、前記スプリングの他側を支持する支持部900とを含んでなることを特徴とする、電動モーター及びスプリングを用いた洗顔装置を提供する。
【0015】
また、前記ホルダーの上部には、ホルダーの正逆回転による振動を吸収するためのおもり1000をさらに設置してなることを特徴とする。
【0016】
また、前記スプリング800は、コイルばねまたは板ばねからなることが特徴である。
【0017】
また、前記ホルダー700は、板ばねのスライド遊動のための遊動ホール710をさらに有することを特徴とする。
【0018】
また、前記制御部500は、AC電源を整流及び平滑させてDC電源を供給するものであって、整流器511及び平滑コンデンサ512から構成される整流部510と、前記整流部510から供給されるDC電源を、任意の可変周波数を持つパルス形態の3相交流電源(U、V、W)に変えてBLDCモーター400へ供給するもので、6つのスイッチング素子Q1〜Q6及びダイオードから構成されたインバータ530と、BLDCモーター400に供給される3相交流電源から各相(U、V、W)の端子電圧を検出する端子電圧検出部560と、前記端子電圧検出部560で検出された各相(U、V、W)の端子電圧に応じて逆起電力のゼロクロスポイント(ZCP)を検出して回転子の位置情報を取得し、インバータ30に供給されるPWM信号のパターンを制御してモーターの回転子が一定の角度で正回転及び逆回転するように制御する制御回路570と、前記制御回路570の出力によってPWM信号のパターンを発生してインバータ530に供給するPWM信号発生部580とを含むことを特徴とする。
【0019】
また、作動部がスイッチング信号を出力すると、ブラシレス電動モーターを初期起動させる段階(S10)と、前記ブラシレス電動モーターを初期起動する途中で回転子の回転による逆起電力を検出する段階(S20)と、前記回転子の位置を検出すると、その地点を基準として一定の角度を正回転させるPWM駆動信号を出力する段階(S30)と、前記作動部に設定された角度の範囲に従って回転子が一定の角度で正回転すると、停止してさらに逆回転させるPWM駆動信号を出力する段階(S40)とを含んでなることを特徴とする、電動モーター及びスプリングを用いた洗顔装置の制御方法を提供する。
【0020】
また、作動部がスイッチング信号を出力すると、ブラシレス電動モーターを初期起動させるプログラムコードと、前記ブラシレス電動モーターを初期起動する途中で回転子の回転による逆起電力を検出するプログラムコードと、前記回転子の位置を検出すると、その地点を基準として一定の角度を正回転させるPWM駆動信号を出力するプログラムコードと、前記作動部に設定された角度の範囲に従って回転子が一定の角度で正回転すると、停止してさらに逆回転させるPWM駆動信号を出力するプログラムコードとから構成されることを特徴とする、電動モーター及びスプリングを用いた洗顔方法を行うためのプログラム記録媒体を提供する。
【発明の効果】
【0021】
上述したように、本発明は、回転モーターを用いて正逆回転させながら皮膚の洗浄が容易に行われるようにし、スプリング力を用いて強いトルクを持たせることにより、洗顔用ブラシの肌への圧力が強くかけられるようにすることにより、皮膚の洗顔効率性を極大化させるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】一般な偏心回転方式の振動モーターを示す図である。
図2】ボイスコイルを適用したハードディスクドライブの構成図である。
図3】ボイスコイルを適用したアクチュエータの動作図である。
図4】本発明の全体構成を示す斜視図である。
図5図4のA−A線に沿った垂直断面図である。
図6】本発明の電動モーター、スプリング及び支持部を示す要部斜視図である。
図7図6の分解斜視図である。
図8】本発明の部分切開図である。
図9】本発明のスプリングの動作図である。
図10】本発明の第1実施例に係る制御部の回路構成ブロック図である。
図11a】本発明においてCTを用いた位置検出及び180度正弦波の制御パターン図である。
図11b】本発明においてCTを用いた位置検出及び180度正弦波の制御パターン図である。
図12a】本発明において逆起電力を用いた位置検出及び120度矩形波の制御パターン図である。
図12b】本発明において逆起電力を用いた位置検出及び120度矩形波の制御パターン図である。
図13】本発明の第2実施例に係る制御部の回路構成ブロック図である。
図14】本発明において回転子を時計回りと反時計回りに動作させる制御部の出力信号及びモーター電圧印加グラフである。
図15】本発明の制御動作を示す順序図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、添付図面と説明を参照して本発明の好適な実施例の動作原理を詳細に説明する。但し、下記の図面と後述の説明は本発明の特徴を効果的に説明するための様々な方法のうち好ましい実施方法に関するものであり、本発明は下記の図面と説明に限定されるものではない。
【0024】
また、下記において、本発明を説明するにあたり、かかる公知の機能または構成に関する具体的な説明が本発明の要旨を不明にするおそれがあると判断された場合は、その詳細な説明を省略する。また、後述する用語は本発明における機能を考慮して定義された用語であって、これは使用者、運用者の意図または慣例などによって異なる。したがって、その定義は、本明細書の全般にわたっての内容に基づいて下されるべきである。
【0025】
さらに、以下に実施される本発明の好適な実施例は、本発明をなす技術的構成要素を効率よく説明するために、それぞれのシステムの機能構成に既に備えられているか、或いは本発明の属する技術分野における通常備えられるシステムの機能構成はできる限り省略し、本発明のためにさらに備えられるべき機能構成を中心に説明する。
【0026】
本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者であれば、下記に図示せずに省略された機能構成のうち、従来から既に使われている構成要素の機能を容易に理解することができ、また、前述のように省略された構成要素と本発明のために追加された構成要素との関係も明らかに理解することができるであろう。
【0027】
また、下記の実施例では、本発明の核心的な技術的特徴を効率よく説明するために、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者が明確に理解し得るように用語を適切に変形させて使用するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0028】
結果的に、本発明の技術的思想は請求の範囲によって定められ、下記の実施例は進歩的な本発明の技術的思想を本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者に効率よく説明するための一つの手段に過ぎない。
図4は本発明の全体構成を示す斜視図である。
図5図4のA−A線に沿った垂直断面図である。
図6は本発明の電動モーター、スプリング及び支持部を示す要部斜視図である。
図7図6の分解斜視図である。
図8は本発明の部分切開図である。
図9は本発明のスプリングが左右に遊動する動作図である。
【0029】
本発明は、洗顔装置用ケース100と、作動部200と、電源供給部300と、ブラシレス電動モーター400と、制御部500と、洗顔用ブラシ600と、ホルダー700と、板ばね800と、支持部900と、おもり1000とから構成される。
【0030】
前記洗顔装置用ケース100は、手で把持することが可能な外観を備え、内部に電源供給部とブラシレス電動モーターが収納され、外側には作動部が配置される。
【0031】
前記作動部200は、ケースの外側に設置され、トグル形状またはプッシュボタン形状をしており、電源のオン/オフ及び一定の角度単位の正逆回転を指令することが可能であり、必要な角度範囲でブラシレス電動モーターが正逆回転するように導く。
【0032】
前記電源供給部300は、ケースの内部に設置され、装置に電源を供給する役割を果たす。さらに、前記電源供給部は、電池または充電池を用いることができ、外部電源に接続してケーブルを介して電源の供給を受けることができる。
【0033】
前記ブラシレス電動モーター400は、ケースの内側に設置され、作動部のスイッチング信号に従って電源供給部から電源の印加を受けて作動するが、一定の角度単位で正逆回転する。
【0034】
前記制御部500は、ブラシレス電動モーターから逆起電力を検出して回転子の位置を把握し、作動部のスイッチング信号に従って一定の角度でブラシレス電動モーターの正逆回転を制御するための電気信号を出力する。
【0035】
前記洗顔用ブラシ600は、ブラシレス電動モーター軸に嵌合され、ブラシレス電動モーターの動作に従って正逆回転しながら顔を洗浄することができるようにする。
【0036】
前記ホルダー700は、ブラシレス電動モーター400の軸410に連設されるが、「L」字状に折り曲げられた垂直パネル700aと水平パネル700bとから構成され、前記ブラシレス電動モーター400の正逆回転に従って正逆回転する。
【0037】
前記スプリング800は、ホルダー700の水平パネルの底面に一側が結合し、他側は支持部900に結合し、ホルダー700が垂直方向から上下方向に遊動するときに支持部900を軸として遊動するが、弾性を提供して元の位置にトルクを発生させる。前記スプリング800は、好ましくは長方形パネルの形状をする板ばねから構成する。すなわち、必要に応じてコイルばねを適用することもできるが、より強い瞬間トルクのために板ばねを適用する。また、板ばねを適用する場合には、ホルダー700に遊動ホール710を形成してスライド結合することにより、スプリング800の左右遊動がより容易に行われるように製作することが好ましい。
【0038】
前記おもり1000は、ホルダー700の上部に結合し、ホルダー700の正逆回転による振動を吸収する。
【0039】
本発明に適用されるブラシレス電動モーター(BLDCモーター)400は、空間的に回転する回転磁界を発生する固定子と、永久磁石が内蔵されて磁界を形成し、回転磁界の回転速度に同期して相対的に回転する回転子とを必須構成要素として含み、モーターの回転を制御する別途の制御装置が備えられる。
【0040】
すなわち、BLDCモーターの固定子(stator)としては3相のコイルに電流を流して形成する電機子(armature)を使用し、回転子(rotator)としてはN極とS極が交互に形成された永久磁石を使用する。BLDCモーターが連続的に回転するためにはBLDCモーターの連続的な回転磁界の形成が必要であり、連続的な回転磁界を形成するためには電機子の各相のコイルに流れる電流の整流(commutation)を適切な時点に行わなければならないが、適切な整流のためには回転子の位置を正確に認識しなければならない。ここで、整流とは回転子が回転できるようにモーターの固定子コイルの電流方向を変えることである。
【0041】
このようなBLDCモーターの円滑な運転のためには、回転子の位置と相電流の転換時点を精密に一致させなければならず、このために回転子の位置を検出するための装置が求められるが、一般には、回転子の位置検出のために、磁束の変化によって電位差が異なるホールセンサー(Hall sensor)を用いるか、或いは固定子の各相にCT(Current Transformer)を設置している。
【0042】
前記制御部500は、図10に示すように、モーターの3相(U、V、W)の間にそれぞれ位置し、回転子の固定子に対する相対的な位置を感知する位置センサー(図示略)、交流電源(AC)を直流電源に変換する整流回路510、変換された直流電源の電圧脈動分を除去する平滑コンデンサ520、多数の電力用パワー素子からなり、平滑コンデンサ520を経た直流電圧をパワー素子のスイッチング状態に従って所望の平均電圧及び周波数の交流電圧としてモーターに印加するインバータ回路530、位置センサーの感知値に基づいてインバータ回路530を制御する制御回路540、及びこの制御回路540に電源を供給する電源回路550から構成される。ここで、未説明符号1は等価回路で表されたBLDCモーター(以下、「モーター」と略記する)である。
【0043】
モーター400の3相(U、V、W)の間にそれぞれ位置する3つの位置センサーSa、Sb、Scは回転子の回転に従って電気角60度毎に感知値を出力するが、この感知値による制御回路540のパルス幅変調(PWM)信号によってインバータ回路530のパワー素子がスイッチングされ、モーター400は、3相(U、V、W)のうち2相のみ通電する方式で駆動され、各相に誘起される起電力(EMF)に電気角120度区間のみを通電させる方式が採用される。
【0044】
一方、ホールセンサーを用いる場合には、高温・高圧環境の下で動作するモーターへの取り付けが不可能であって圧縮機などの駆動には使用できないという問題点がある。
【0045】
これに対し、CTを用いて回転子の位置を検出する方式は、最も理想的な制御方法であって、各相で得られた相電流をd(direct axis)、q(quadra axis)の二軸に座標変換してまるでブラシ付きDCモーターのように電流を界磁電流成分と電機子電流成分に分離することにより、電流制御によって所望のトルクを得ることができるようにするベクトル制御方式である。各相で印加する電圧は図11aに示すようにPWM形態であり、電流波形は破線で表示した正弦波形態となる。BLDCモーターには図11bに示すように3相コイル全てに電流を通電することにより、相効率を高めている。
【0046】
このように、CTを用いた位置検出は180度通電制御を行うことができ、逆起電力と電流がいずれも正弦波形態を持っており、結果的にトルクリップルが発生せず、これにより効率やトルク特性、騒音、振動などで大部分良好な特性を示すという利点はあるが、回転子の位置を推定するために高価のCTを使用しなければならず、独自のベクトル制御アルゴリズムを構築することに相当な技術と試行錯誤を伴い、かつ複雑な制御アルゴリズムにより制御器の価格が上昇するなど、全般的に高い技術力と製造コストの負担をもたらす。
【0047】
かかる問題点を解決するために、電気回路を用いて回転子の位置を検出する方案が模索されてきた。その結果として、BLDCモーターの逆起電力を用いて回転子の位置を検出する方式が現在最も広く用いられている。
【0048】
逆起電力を用いた位置検出は、図12bに示すように、モーターの3相コイルのうち2つのコイルのみに電流を通電し、残り1つの相は回転子が回転するときに発生する磁場の変化を用いて起電力を発生させることにより、現在の回転子内の磁石位置を検出する。この際、起電力は図12aに示すように台形(trapezoidal)の形態で得られ、各相で起電力が0となるゼロクロスポイント(ZCP)を検出し、この位置から位相角30度後に各相を通電する方式で連続的にモーターを制御している。
【0049】
図13において、本発明のBLDCモーターのセンサーレス駆動装置は、整流部510、インバータ530、端子電圧検出部560、制御回路570及びPWM信号発生部580を含んで構成される。
【0050】
前記整流部510は、AC電源を整流及び平滑させてDC電源を供給するもので、整流器511及び平滑コンデンサ512から構成される。
【0051】
前記インバータ530は、前記整流部510から供給されるDC電源を、任意の可変周波数を有するパルス形態の3相交流電源(U、V、W)に変えてBLDCモーター400へ供給するもので、6つのスイッチング素子Q1〜Q6とダイオードからなる通常のスイッチング回路である。
【0052】
前記端子電圧検出部560は、BLDCモーター400に供給される3相交流電源から各相(U、V、W)の端子電圧を検出して制御回路570に入力する。
【0053】
前記制御回路570は、前記端子電圧検出部560で検出された各相(U、V、W)の端子電圧に応じて逆起電力のゼロクロスポイント(ZCP)を検出して回転子の位置情報を取得し、インバータ530に供給されるPWM信号のパターンを制御するマイクロプロセッサである。この制御回路570は全体的なインバータ530制御アルゴリズムを行う。
【0054】
前記PWM信号発生部580は、前記制御回路570の出力によってPWM信号のパターンを発生してインバータ530に供給する。
【0055】
図14は、本発明において回転子を時計回りと反時計回りに動作させる制御部の出力信号及びモーター電圧印加グラフを示している。
【0056】
以下、 上述したように構成されたBLDCモーターの制御方法の動作過程及び作用効果を説明する。
【0057】
本発明のBLDCモーター400における回転子位置検出の制御目的は、トルクリップルのない理想的な制御であり、このために電圧と電流がいずれも正弦波となるようにすればよい。BLDCモーター400を駆動するためには、どの制御方式でも初期に回転子の磁石の位置を知らないため、初期駆動アルゴリズムが必要であり、この場合にも回転子が回転を開始すれば誘導起電力を得ることができるため、同様に別途の初期駆動アルゴリズムが必要である。このような初期駆動アルゴリズムは既に全てのBLDCモーター400の制御で使用している公知の技術であり、この場合にも一般に公知の強制整列方式を使用するので、詳細な説明を省略する。
【0058】
このように回転子の磁石初期位置が得られたならば、次は回転周波数が一定の速度に到達するまで所定の順序通りに回転子を同期回転させて誘導起電力を発生させる。この区間から正弦波の制御に進入する。駆動方法は、一般に、AC誘導電動機の正弦波制御方式と同一のPWM制御方法を使用する。但し、キャリア(carrier)周波数は、三角波または鋸波方式或いは円近似法などの様々な方法を適用することができる。
【0059】
回転子の回転で得られる各相の誘導起電力がゼロクロスを通過するゼロクロスポイント(ZCP)を検出し、ゼロクロスポイント(ZCP)情報に基づいて相転換を行って該当相にPWM駆動信号を出力する。このときから3相通電によって駆動するので、電流波形は正弦波の形態を有する。
【0060】
この際、ゼロクロスポイント(ZCP)の検出をより容易に行うために、BLDCモーター400の巻線を分布巻きとすることが有利である。
【0061】
以下、図15に基づいて本発明の全体動作を説明する。
【0062】
使用者が電源スイッチをオンさせると、電動モーターが作動する。
【0063】
本発明では、制御回路をプログラミングして前記ブラシレス電動モーター400を正回転及び逆回転させながら洗顔用ブラシ600が振動するようにする。
【0064】
すなわち、一定の角度だけブラシレス振動モーター400の回転子が回転を行い、その後、誘導起電力を用いて位置をチェックした後、回転子を逆回転させるようにし、上述のように回転子を正回転及び逆回転させることを繰返し行うことにより、洗顔用ブラシ600が正回転と逆回転を繰返し行うのである。
【0065】
このとき、本発明では、スプリング800がブラシレス振動モーター400のホルダー700に結合しているので、ホルダー700が正逆回転することによりスプリング800が変形する。
【0066】
すなわち、ホルダー700が時計回りに回転すると、スプリング800が時計回りに撓み、さらにホルダー700が反時計回りに回転すると、スプリング800が反時計回りに撓むのである。
【0067】
本発明において、スプリング800は、弾性復元力を有する材質からなる。よって、電動モーター400が回転してホルダー700が回転することによりスプリング800が撓むと、電動モーター400の回転が終わった時点で強いトルクがかかりながら原状復帰する力が最大にかかる。
【0068】
これにより、本発明において、洗顔用ブラシ600は非常に速く正逆回転が行われる。
【0069】
すなわち、電動モーター400が一定の角度で回転した後には、スプリング800が最大に撓んだ状態になり、このときに電動モーター400の逆方向の回転力が印加されると、スプリング力が加わって速く逆方向の回転が行われるとともに、逆方向の回転が終わる時点では、スプリング800が元の位置に戻ってからさらに他の方向に最大に撓むため、正方向に転換される瞬間に最大トルクがかかりながら正方向に速く転換されて回転が行われる。
【0070】
前述のように電動モーター400が正方向及び逆方向への速い方向転換をしながら動作を行うため、洗顔用ブラシ600に強いトルクがかかることになり、より強い力で洗顔が行われる。
【0071】
前記電動モーター400の回転子を一定の角度の範囲内で正逆回転させる制御回路のプログラムコードは、様々な装置として保存可能であり、制御回路に入力して駆動することができる。コンピュータ可読記録媒体の例としては、ROM、RAM、CD−ROM、磁気テープ、フロッピー(登録商標)ディスク、光データ記憶装置などがあり、また、キャリアウエーブ(例えば、インターネットを介しての伝送)の形態で実現されるものも含む。また、コンピュータ可読記録媒体は、ネットワークで接続されたコンピュータシステムに分散し、分散方式でコンピュータ可読のコードが格納されて実行できる。そして、本発明を実現するための機能的な(functional)プログラム、コード及びコードセグメントは本発明の属する技術分野におけるプログラマーによって容易に推論できる。
【0072】
結局、本発明は、ブラシレス電動モーターを適用するが、ブラシレス電動モーターの回転子が一定の角度で正回転及び逆回転するように動作モードを設定するとともに、スプリング力によって強いトルクが発生するようにすることにより、 洗顔をより完璧かつ便利に行うことができるという利点を提供する。
【符号の説明】
【0073】
100 洗顔装置用ケース
200 作動部
300 電源供給部
400 ブラシレス電動モーター
500 制御部
510 整流回路
520 平滑コンデンサ
530 インバータ回路
540 制御回路
550 電源回路
560 端子電圧検出部
570 制御回路
580 PWM信号発生部
600 洗顔用ブラシ
700 ホルダー
800 板ばね
900 支持部
1000 おもり
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11a
図11b
図12a
図12b
図13
図14
図15