(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6134435
(24)【登録日】2017年4月28日
(45)【発行日】2017年5月24日
(54)【発明の名称】ファストライブツールシステム
(51)【国際特許分類】
B23Q 5/34 20060101AFI20170515BHJP
B23Q 17/22 20060101ALI20170515BHJP
B23Q 1/34 20060101ALI20170515BHJP
B23Q 5/22 20060101ALI20170515BHJP
B23Q 5/28 20060101ALI20170515BHJP
G05B 19/18 20060101ALI20170515BHJP
B23B 21/00 20060101ALI20170515BHJP
B23B 3/22 20060101ALI20170515BHJP
【FI】
B23Q5/34 520C
B23Q17/22 Z
B23Q1/34 A
B23Q5/22 530H
B23Q5/28 B
G05B19/18 C
B23B21/00 C
B23B3/22
【請求項の数】12
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-506578(P2016-506578)
(86)(22)【出願日】2014年4月2日
(65)【公表番号】特表2016-521213(P2016-521213A)
(43)【公表日】2016年7月21日
(86)【国際出願番号】US2014032631
(87)【国際公開番号】WO2014165570
(87)【国際公開日】20141009
【審査請求日】2015年12月2日
(31)【優先権主張番号】61/808,297
(32)【優先日】2013年4月4日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】515249086
【氏名又は名称】マイクロルーション・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】MICROLUTION INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100101454
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 卓二
(74)【代理人】
【識別番号】100081422
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 光雄
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 博史
(74)【代理人】
【識別番号】100183276
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 裕三
(72)【発明者】
【氏名】アンドリュー・ホネッガー
(72)【発明者】
【氏名】アンドリュー・フィリップ
(72)【発明者】
【氏名】オニク・バッタチャリヤ
(72)【発明者】
【氏名】ブレンドン・ディビンチェンゾ
【審査官】
亀田 貴志
(56)【参考文献】
【文献】
独国特許出願公開第10229134(DE,A1)
【文献】
実開平03−109751(JP,U)
【文献】
特開平06−210533(JP,A)
【文献】
特開平06−031576(JP,A)
【文献】
特開昭62−277239(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23Q 5/22 − 5/34
B23B 21/00
B23Q 1/34
B23Q 17/22
B23B 3/22
G05B 19/18
DWPI(Thomson Innovation)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベース部と、可動部と、ベース部および可動部を互いに接続する柔軟性部材とを備えるモノリシックガイド部材と、
モノリシックガイド部材の可動部内に配置され、それ自体がツールを回転させるように構成されたアクセサリツールスピンドルと、
モノリシックガイド部材の可動部をベース部に対して移動させるモータと、
モノリシックガイド部材のベース部に対する可動部の位置を測定する位置フィードバックセンサと、を備える、工作機械アクセサリ。
【請求項2】
モノリシックガイド部材は、工作機械アクセサリのベースとして機能する、請求項1に記載の工作機械アクセサリ。
【請求項3】
モータは、ボイスコイルモータである、請求項1に記載の工作機械アクセサリ。
【請求項4】
コントローラをさらに備え、
コントローラは、(i)モータと通信接続し、(ii)1つ又は複数の外部デバイスと通信接続し、(iii)1つ又は複数の外部デバイスから受信した信号に応じてモータによってモノリシックガイド部材の可動部を移動させることで、アクセサリツールスピンドルを移動させる、請求項1に記載の工作機械アクセサリ。
【請求項5】
コントローラはさらに、(iv)位置フィードバックセンサからツールスピンドルのリニア位置を示す信号を受信し、(v)リニア位置フィードバックデバイスから受信した信号および1つ又は複数の外部デバイスから受信した信号に応じて、リニアアクチュエータによってモノリシックガイド部材の可動部を移動させることで、アクセサリツールスピンドルを移動させる、請求項4に記載の工作機械アクセサリ。
【請求項6】
1つ又は複数の外部デバイスは、工作機械のメインコントローラを備える、請求項4又は5に記載の工作機械アクセサリ。
【請求項7】
非一時的コンピュータ読み取り可能媒体(CRM)と、
1つ又は複数のプロセッサと、
CRM上に記憶されるとともにプロセッサによって実行されると機能を発揮させる命令とをさらに備え、
命令が発揮する機能には、
メイン工作機械コントローラからメインスピンドルの位置又は速度を示す第1の情報を受信するステップと、
リニア位置フィードバックデバイスからツールスピンドルおよび/又はメインステージのリニア位置又は速度を示す第2の情報を受信するステップと、
第1および第2の情報に基づき、リニアアクチュエータに対して1つ又は複数の切削命令を送信するステップであって、当該切削命令は、機械加工作業を実行するようにリニアアクチュエータにアクセサリツールスピンドルを移動させるものであるステップと、が含まれる、請求項4に記載の工作機械アクセサリ。
【請求項8】
メインスピンドルはワークピースを含み、
アクセサリツールスピンドルはツールを含み、
切削命令は、ツールがワークピースに接触するようにアクセサリツールスピンドルをモータによって移動させるものであり、これにより、機械加工作業が実行される、請求項7に記載の工作機械アクセサリ。
【請求項9】
工作機械アクセサリはメイン工作機械コントローラと通信し、
メイン工作機械コントローラは、(i)モータと通信接続し、(ii)1つ又は複数の外部デバイスと通信接続し、(iii)1つ又は複数の外部デバイスから受信した信号に応じてモータによってアクセサリツールスピンドルを移動させる、請求項1に記載の工作機械アクセサリ。
【請求項10】
工作機械アクセサリは、独立して移動可能なツールステージ上に載置される、請求項1に記載の工作機械アクセサリ。
【請求項11】
それ自体がツールを回転させるように構成され、モノリシックガイド部材内に配置されたアクセサリスピンドルであって、モノリシックガイド部材は、ベース部と、可動部と、ベース部および可動部を互いに接続する柔軟性部材とを備える、アクセサリスピンドルと、
アクセサリスピンドルの軸に対して横方向にアクセサリスピンドルを移動させるボイスコイルモータであって、モノリシックガイド部材の可動部をベース部に対して移動させることによりスピンドルを移動させるように構成されたボイスコイルモータと、
(i)ボイスコイルモータと通信接続し、(ii)1つ又は複数の外部デバイスと通信接続し、(iii)1つ又は複数の外部デバイスから受信した信号に応じてボイスコイルモータによってアクセサリスピンドルを移動させるように構成されたコントローラと、
ボイスコイルモータおよびモノリシックガイド部材のベース部に対する可動部の位置を測定し、当該位置をコントローラに通信する位置フィードバックセンサと、を備える、工作機械アクセサリ。
【請求項12】
モノリシックガイド部材は、工作機械アクセサリのベースとして機能する、請求項11に記載の工作機械アクセサリ。
【発明の詳細な説明】
【0001】
本願は、2013年4月4日に出願された米国特許出願第61/808,297号の非仮出願である。米国特許出願第61/808,297号の内容は参照されることによりその全体が本明細書に組み込まれる。
【技術分野】
【0002】
本願は、一般的に工作機械(machine tool)に関し、より具体的には、小スケールかつ高精度の機械加工又は旋盤操作を実行する工作機械に関する。
【背景技術】
【0003】
切削工具を用いて、機械的な切削プロセスにより部品を製造する際に、工作機械が使用される。工作機械を操作する際には、手動での操作、機械的な自動化、あるいは、デジタルコンピュータ数値制御(CNC)を介したデジタルな自動化により行われる。工作機械は、工作機械とともに用いる複数の工作機械アクセサリ(tool accessories)を備える。
【発明の概要】
【0004】
本願は、工作機械アクセサリを開示するものである。工作機械アクセサリは、
モノリシックガイド部材を備える。工作機械アクセサリはさらに、
モノリシックガイド部材内に配置され、ツール(tool)を回転させるように構成されたアクセサリツールスピンドルを備える。工作機械アクセサリはさらに、
モノリシックガイド部材を移動させるモータを備える。工作機械アクセサリはさらに、
モノリシックガイド部材の位置を測定する位置フィードバックセンサを備える。ある実施形態では、工作機械アクセサリはさらに、コントローラを備える。コントローラは、(i)モータと通信接続する。コントローラはさらに、(ii)1つ又は複数の外部デバイスと通信接続する。コントローラはさらに、(iii)1つ又は複数の外部デバイスから受信した信号に応じてモータによってアクセサリツールスピンドルを移動させる。
【図面の簡単な説明】
【0005】
本発明の例示的な実施形態が図面を参照しながら本明細書に記載される。
【
図1】一実施形態による工作機械内の例示的なシステムレイアウトを示す図
【
図4A】コントローラを含む工作機械アクセサリを備えるシステムの一実施形態を示す図
【
図4B】工作機械のコントローラを使用する工作機械アクセサリを備えるシステムの一実施形態を示す図
【
図5A】切削プログラムの一例による工作機械アクセサリの例示的な移動経路を示すグラフ
【
図5B】切削プログラムの一例による工作機械アクセサリの移動経路を、対応する工作機械のメインスピンドルおよびZステージの移動経路と組み合わせた3Dのグラフ
【
図6】一実施形態によるコンピューティングデバイスのブロック図
【発明を実施するための形態】
【0006】
本明細書には、工作機械の実施形態が開示される。工作機械アクセサリは一般的に、工作機械(旋盤や、フライス盤や、高速かつ高精度が求められる機械的操作を行う類似の機械など)の移動可能なツールステージ上に設けられている。工作機械アクセサリは、スピンドルと、小さなリニアアクチュエータとを備える。スピンドルは、切削工具を保持し、場合によっては軸を中心として切削工具を回転させる。リニアアクチュエータは、アクセサリのスピンドルを保持し、場合によってはスピンドルの軸に対して横方向にスピンドルを移動させる。
【0007】
一般的な事項として、工作機械は通常、メインスピンドル(主軸、main spindle)を備える。メインスピンドルは、ワークピース又は切削工具を保持し、場合によってはそれを回転させる。ある実施形態では、メインスピンドルは、1つ又は複数の軸に沿って移動可能なメインステージ上に設けられている。通常の場合、メインスピンドルの軸方向に移動するステージはZステージと称される。工作機械はまた、通常の場合、少なくとも1つの他のステージを含む。ステージは通常、テーブルを有する。テーブル上には、1つ又は複数の切削工具、工作機械アクセサリおよび/又はワークピースが固定されており、テーブルが1つ又は複数の軸に沿って移動可能であることにより、固定された工作機械、アクセサリおよび/又はワークピースは、静止した又は回転しているワークピースに接触し、場合によってはそれを操作する、あるいは、静止した又は回転している切削工具によって操作される。
【0008】
一実施形態によれば、
図1に示すように、工作機械アクセサリは、ツールテーブル上に載置されるとともに、スピンドルを備える。当該スピンドルはツールを保持し、場合によってはツールを回転させるように構成される。動作中において、ツールアクセサリをワークピースと接触させるためにツールテーブルは工作機械を中心として移動し、それによって、ワークピースに対してミリングあるいはドリルなどの特定のタイプの機械加工を行う。ある実施形態では、ツールステージは比較的大きいため、追従精度が比較的悪く、速度も比較的遅くなり、結果的に、その上に載置されるツールは、小スケール又は高精度の旋盤動作を実施することができない。これらの実施形態では、ツールステージは静止しながらも、アクセサリスピンドルは回転し、アクセサリリニアアクチュエータはワークピースの操作ために移動するように工作機械アクセサリは構成されている。
【0009】
図2A、
図2B、
図3は、一実施形態による例示的な工作機械アクセサリ100を示す。図示するように、工作機械アクセサリ100は、リニアアクチュエータを備える。リニアアクチュエータは、スピンドルクランプを有したアクセサリのベースとして機能する
モノリシックガイド部材102と、モータ104と、位置フィードバックセンサ106とを備える。工作機械アクセサリ100は、シートメタルカバー108と、1つ又は複数の機械加工されたカバー110とを含む。一例として、
モノリシックガイド部材102は、1mmの変位を可能にする。しかしながら、他の実施形態では、その他の変位も可能である。
モノリシックガイド部材102は、スチール又はその他の材料で形成されてもよい。
図2A、2Bに示すように、
モノリシックガイド部材102は、モノリシック四節リンク機構として設計されており、当該機構には、他の方向には動かずに一方向の動きを可能にする柔軟セクション(flexible section)103が四節の端部に設けられている。
柔軟セクション103を有する柔軟性のデザインにより、デバイスはコンパクトでありながらも正確な動きを実現することができる。その他のモノリシック
柔軟性デザインを使用してもよい。
【0010】
また、工作機械アクセサリ100は、高精度かつ小スケールの機械加工作業での使用に適したスピンドル112を備える。工作機械アクセサリに使用されるスピンドルは例えば、全体サイズが小さく、最高速度(rpm)が速く、電力容量も中程度であり高精度という特徴を備えている。図示されるスピンドルは一例であり、19.05mmの直径および0.002mmのTIR(total indicated runout)を有し、125W、80000rpmで動作可能である。他の例では、スピンドルは概ね、直径が15mm〜30mm、TIRが0.001mm〜0.005mm、20000RPM〜100000RPMおよび10W−300Wで動作する。
【0011】
さらに図示するように、工作機械アクセサリは、20ポンドのピーク力で動作可能なモータ(ボイスコイルなど)104を含む。しかしながら、他の実施形態では、その他の種類のモータも可能であり、例えばACリニアモータ、圧電モータ、キャプスタン駆動又はその他の駆動によるデバイスなどがある。
図2A、
図2Bは、ボイスコイルモータ104の場所の一例を示す。ここでは、ボイルコイルモータ104はリンク機構を介してメカニズムに接続されており、アクチュエータを
モノリシックガイド部材102によって提供される方向に移動させることができる。ボイルコイルモータ又は類似のモータは、全体のサイズが小さく、アクチュエータを高速かつ高加速度で移動させることができる。
【0012】
工作機械アクセサリ100はまた、位置フィードバックセンサ(渦電流センサや静電容量方式変位センサなど)106を含む。位置フィードバックセンサ106は、モータ104および
モノリシックガイド部材102の変位を測定するようにアクセサリ100に接続される。使用され得るその他の種類のフィードバックセンサには、一例として、誘導センサ、光センサ、磁気センサ、あるいは、ツールアクセサリアクチュエータの変位を測定するように構成された既知の又は後発的に開発されるその他の種類のセンサが含まれる。
【0013】
図4Aに示す別の実施形態によれば、工作機械アクセサリはさらに、1つ又は複数のアクセサリコントローラ114を備える。アクセサリコントローラは、(i)メインスピンドルの位置および/又は速度を示す情報、並びにメイン工作機械ツールステージの位置および/又は速度を示す情報をメイン工作機械コントローラから受信するステップを実施する。アクセサリコントローラはさらに、この情報に基づいて、(ii)工作機械アクセサリおよびその回転ツールを適切な時間に適切な位置に配置して、小スケールおよび/又は高精度の機械加工を行うために工作機械アクセサリのスピンドルおよび小リニアアクチュエータの調整を行うステップを実施する。他の実施形態では、
図4Bに示すように、工作機械アクセサリ100は、アクセサリコントローラを使用することなくメイン工作機械コントローラと直接通信する。
【0014】
動作中において、一実施形態によれば、アクセサリコントローラ114は、所望の切削プログラムを実行するように構成されている。切削プログラムは一般的に、1セットのコンピュータプログラムコード又は命令であり、工作機械アクセサリコントローラによって実行されると、工作機械アクセサリリニアアクチュエータをワークピースに対して適切な位置に移動させるとともに、適切な時間にアクセサリスピンドルをワークピースに接触させる。
【0015】
切削プログラムの一例による制御ループの実行中において、工作機械アクセサリコントローラ114は、リニアアクチュエータに指令信号を送信することにより、モータおよび移動ガイドさらにはアクセサリのスピンドル112にワークピースを移動させて、係合させる。この移動中、位置フィードバックセンサ106は種々の測定を行うとともに、フィードバック信号をアクセサリコントローラ114に返す。フィードバック信号に応じたアクセサリコントローラによるコマンド信号の調整とともに、制御ループが繰り返される。一実施形態では、工作機械アクセサリのスピンドル112は、前後に移動してワークピースに係合および離脱するのに対して、工作機械アクセサリ100が載置されたツールステージは静止している。
【0016】
さらに、制御ループの間に、工作機械アクセサリコントローラ114は、メイン工作機械コントローラからメインスピンドルの位置および/又は速度を示す情報を受信し、工作機械コントローラから工作機械ステージの位置および/又は速度を示す情報を受信する。一実施形態によれば、工作機械アクセサリコントローラ114は、メイン工作機械コントローラから受信した情報に基づいてその制御信号を調整することにより、電子カム(electronic camming)に従事する。そうすることによって、工作機械アクセサリコントローラ114は、工作機械のメインスピンドルおよびステージの位置や速度の小さな変化を補償するように、アクセサリスピンドル112および回転ツールを調整することができる。このため、工作機械アクセサリ100は、小スケールかつ高精度の機械加工作業に従事することができる。
【0017】
上述の実施形態の利点の1つは、工作機械アクセサリ100は、メインスピンドル、ツールステージおよびその他のステージと連携した多くの異なる種類の機械および機能とともに使用することができるということである。例えば、1つの動作例では、メインステージおよびメインスピンドルは特定の位置に移動され、メインコントローラからアクセサリコントローラへ開始信号(例えば、Mコード)が送信される。この信号を受信すると、アクセサリコントローラはメインスピンドルとの同期を開始し、メインスピンドルは、略一定の速度で回転するように命令を受ける。アクセサリコントローラは、フィードバックセンサからメインスピンドルの位置を示す情報を受信し、上記の説明に従って切削プログラムを実行する。
【0018】
図5Aは、切削プログラムの一例による工作機械アクセサリ100の例示的な工具経路を示すグラフである。図示の例では、アクセサリコントローラは、約1.75秒で工作機械に切削作業を開始させる。約3秒のスパンの間、工作機械は、初期のX方向位置(0.6mm)とX方向総変位の間で往復移動し、約3.5秒のときに総変位0.4mmで終了する。次の約1.0秒の間、工作機械は0.6mmと0.4mmの位置の間で振動する。これは単に工具経路の一例である。他の実施形態では、その他の工具経路および切削作業も可能である。
【0019】
図5Bは、切削プログラムの一例に従ってメインスピンドルおよび工作機械ステージの1つの動作と組み合わされた工作機械アクセサリ100の工具経路の一例を示す3次元グラフである。図示の例では、
図5Aに示される工作機械アクセサリの移動が、メインスピンドルおよび工作機械のZステージによる一定速度の移動と組み合わされる。図示するように、工作機械のZステージがアクセサリをワークピース内に深く移動させると、工作機械アクセサリの振動によってローブ形状(lobed shape)が生成される。これは工具経路の一例である。他の実施形態では、その他の工具経路および切削作業も可能である。
【0020】
図6は、例示的な実施形態におけるコンピューティングデバイス400のブロック図である。コンピューティングデバイス400は、上述した工作機械アクセサリコントローラ114又はメインスピンドルコントローラを具現化することができる。コンピューティングデバイス400は、ユーザインタフェースモジュール401と、通信インタフェースモジュール402と、1つ又は複数のプロセッサ403と、データストレージ404とを含むことができる。これらは全て、システムバス、ネットワーク又はその他の接続機構405を介してリンク付けすることができる。
【0021】
ユーザインタフェースモジュール401は一般的に、外部ユーザ入力/出力デバイスにデータを送信および/又は当該デバイスからデータを受信するように構成される。例えば、ユーザインタフェースモジュール401は、キーボード、キーパッド、タッチスクリーン、コンピュータマウス、トラックボール、ジョイスティック、および/又は既知のあるいは後発的に開発されるその他の類似のデバイスなどのユーザ入力デバイスに/から、データを送信/受信するように構成することができる。ユーザインタフェースモジュール401はさらに、1つ又は複数の陰極線管(CRT)、液晶ディスプレイ(LCD)、発光ダイオード(LED)若しくはデジタルライトプロセッシング(DLP)技術を使用したディスプレイなどのユーザディスプレイデバイス、プリンタ、電球、および/又はその他の既知のあるいは後発的に開発される類似のデバイスに出力を提供するように構成することもできる。ユーザインタフェースモジュール401はまた、スピーカ、スピーカジャック、オーディオ出力ポート、オーディオ出力デバイス、イヤホン、および/又は既知の又は後発的に開発されるその他の類似のデバイスに可聴出力を生成するように構成することができる。ユーザインタフェースモジュール401は、本明細書に開示される方法およびシステムで使用するためのデータを入力するために使用することができる。
【0022】
通信インタフェースモジュール402は、1つ又は複数の他のコントローラ又はコンポーネントと通信するように構成可能な1つ又は複数の無線インタフェース406および/又は有線インタフェース408を含むことができる。通信インタフェースモジュール402は例えば、工作機械アクセサリのリニアアクチュエータ、リニア位置フィードバックデバイス、移動ガイドおよび/又はスピンドルと通信するように構成される。通信インタフェースモジュール402は、コンピューティングデバイス400に類似する1つ又は複数のコンピューティングデバイス(メインスピンドルコントローラなど)と通信するように構成される。無線インタフェース406は、ブルートゥース(登録商標)トランシーバや、Wi−Fiトランシーバや、その他の無線トランシーバなどの、1つ又は複数の無線トランシーバを含むことができる。有線インタフェース408は、イーサネット(登録商標)トランシーバや、ユニバーサルシリアルバス(USB)トランシーバや、ワイヤ、ツイストペアのワイヤ、同軸ケーブル、光リンク、光ファイバーリンク、又はその他の有線ネットワークへの物理的接続を介して通信するように構成可能な類似のトランシーバなど、1つ又は複数の有線トランシーバを含むことができる。
【0023】
1つ又は複数のプロセッサ403は、1つ又は複数の汎用プロセッサおよび/又は1つ又は複数の専用プロセッサ(例えば、デジタル信号プロセッサ、特定用途向け集積回路など)を含むことができる。1つ又は複数のプロセッサ403は、データストレージ404内に収容されたコンピュータ読み取り可能プログラム命令406および/又は本明細書に記載された1つ又は複数の機能を発揮するための命令を実行するように構成することができる。
【0024】
データストレージ404は、プロセッサ403のうちの少なくとも1つによって読み取り可能又はアクセス可能な1つ又は複数のコンピュータ読み取り可能記憶媒体を含むことができる。1つ又は複数のコンピュータ読み取り可能記憶媒体は、光学的、磁気的、有機、又はその他のメモリやディスク記憶装置などの、揮発性および/又は不揮発性の記憶コンポーネントを含むことができ、これらは、1つ又は複数のプロセッサ403のうちの少なくとも1つと全体的に又は部分的に統合可能である。ある実施形態では、データストレージ404は単一の物理的デバイス(例えば、1つの光学的、磁気的、有機、又はその他のメモリやディスク記憶ユニット)を使用して実現することができる一方で、その他の実施形態では、2つ以上の物理的デバイスを使用して実現することができる。
【0025】
データストレージ404に関連付けられたコンピュータ読み取り可能記憶媒体および/又は本明細書に記載されたその他のコンピュータ読み取り可能媒体は、レジスタメモリ、プロセッサキャッシュ、ランダムアクセスメモリ(RAM)のような、データを短期間格納するコンピュータ読み取り可能媒体などの、非一時的コンピュータ読み取り可能媒体を含むことができる。データストレージ404に関連付けられたコンピュータ読み取り可能記憶媒体および/又は本明細書に記載のその他のコンピュータ読み取り可能媒体はまた例えば、読み出し専用メモリ(ROM)、光学若しくは磁気ディスク、コンパクトディスク読み出し専用メモリ(CD―ROM)のような、プログラムコードおよび/又はデータを長期間記憶する(二次的又は永続的な長期間記憶を行う)非一時的コンピュータ読み取り可能媒体を含むことができる。データストレージ404に関連付けられたコンピュータ読み取り可能記憶媒体および/又は本明細書に記載のその他のコンピュータ読み取り可能媒体は、その他の任意の揮発性又は不揮発性の記憶システムであってもよい。データストレージ404に関連付けられたコンピュータ読み取り可能記憶媒体および/又は本明細書に記載のその他のコンピュータ読み取り可能媒体は例えば、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体又は有形記憶デバイスと見なすことができる。
【0026】
データストレージ404は、コンピュータ読み取り可能プログラム命令44および場合によっては追加のデータを含むことができる。ある実施形態では、データストレージ404はさらに、本明細書に記載された技術および方法の少なくとも一部、および/又は、本明細書に記載されたデバイスおよびネットワークの機能の少なくとも一部を実行するために必要なストレージを含むことができる。