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特許6134460サーバ装置、制御方法、プログラム、及び、記録媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6134460
(24)【登録日】2017年4月28日
(45)【発行日】2017年5月24日
(54)【発明の名称】サーバ装置、制御方法、プログラム、及び、記録媒体
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/06 20120101AFI20170515BHJP
【FI】
   G06Q30/06 300
【請求項の数】8
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2017-510926(P2017-510926)
(86)(22)【出願日】2015年6月29日
(86)【国際出願番号】JP2015068717
【審査請求日】2017年2月22日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】399037405
【氏名又は名称】楽天株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110135
【弁理士】
【氏名又は名称】石井 裕一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【弁理士】
【氏名又は名称】森川 泰司
(74)【代理人】
【識別番号】100148633
【弁理士】
【氏名又は名称】桜田 圭
(74)【代理人】
【識別番号】100163452
【弁理士】
【氏名又は名称】南郷 邦臣
(74)【代理人】
【識別番号】100180312
【弁理士】
【氏名又は名称】早川 牧子
(72)【発明者】
【氏名】藤岡 未央
(72)【発明者】
【氏名】川島 健司
【審査官】 梅岡 信幸
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−342556(JP,A)
【文献】 特開2014−29631(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のショップが出店する電子市場を管理するサーバ装置であって、
前記複数のショップのそれぞれが処理すべきタスクであって、当該タスクの種類に応じた猶予期間を経過しても完了していないタスクを抽出する抽出部と、
前記抽出されたタスクを処理すべきショップが前記サーバ装置にログインすると、当該ショップが指定された通知をコンサルタントに伝達する伝達部と、
前記コンサルタントから前記通知に応じる返答があると、前記コンサルタントと前記ショップとの間で、文字もしくは音声によるチャットをさせるチャット部と、
を備えることを特徴とするサーバ装置。
【請求項2】
請求項1に記載のサーバ装置であって、
前記伝達部は、共通する種類の前記タスクを完了していない複数のショップが前記サーバ装置にログインし、前記コンサルタントが前記複数のショップのいずれとも前記チャットをしていなければ、前記複数のショップが指定されたグループ通知を前記コンサルタントに伝達し、
前記チャット部は、前記コンサルタントから前記グループ通知に応じる返答があると、前記コンサルタントと前記グループ通知に指定された複数のショップとの間で、文字もしくは音声によるグループチャットをさせる
ことを特徴とするサーバ装置。
【請求項3】
請求項1に記載のサーバ装置であって、
前記伝達部は、前記ログインの時点で、前記タスクの猶予期間を経過した期間が長いほど、当該タスクを処理すべきショップが指定された通知を優先して、前記コンサルタントに伝達する
ことを特徴とするサーバ装置。
【請求項4】
請求項2に記載のサーバ装置であって、
前記伝達部は、前記共通する種類のタスクを完了していないショップが多いほど、当該ショップが指定されるグループ通知を優先して、前記コンサルタントに伝達する
ことを特徴とするサーバ装置。
【請求項5】
請求項2に記載のサーバ装置であって、
前記チャット部は、前記グループチャットに、当該グループチャットに係る共通の種類のタスクの猶予期間が経過していないショップであって、サーバ装置にログインしたショップを含める
ことを特徴とするサーバ装置。
【請求項6】
複数のショップが出店する電子市場を管理するサーバ装置が実行する制御方法であって、
前記サーバ装置が、前記複数のショップのそれぞれが処理すべきタスクであって、当該タスクの種類に応じた猶予期間を経過しても完了していないタスクを抽出する抽出工程と、
前記サーバ装置が、前記抽出されたタスクを処理すべきショップが前記サーバ装置にログインすると、当該ショップが指定された通知をコンサルタントに伝達する伝達工程と、
前記コンサルタントから前記通知に応じる返答があると、前記コンサルタントと前記ショップとの間で、文字もしくは音声によるチャットをさせるチャット工程と、
を備えることを特徴とする制御方法。
【請求項7】
コンピュータを、複数のショップが出店する電子市場を管理するサーバ装置として機能させるプログラムであって、
前記コンピュータを、
前記複数のショップのそれぞれが処理すべきタスクであって、当該タスクの種類に応じた猶予期間を経過しても完了していないタスクを抽出する抽出部、
前記抽出されたタスクを処理すべきショップが前記サーバ装置にログインすると、当該ショップが指定された通知をコンサルタントに伝達する伝達部、
前記コンサルタントから前記通知に応じる返答があると、前記コンサルタントと前記ショップとの間で、文字もしくは音声によるチャットをさせるチャット部、
として機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項8】
コンピュータを、複数のショップが出店する電子市場を管理するサーバ装置として機能させるプログラムであって、
前記コンピュータを、
前記複数のショップのそれぞれが処理すべきタスクであって、当該タスクの種類に応じた猶予期間を経過しても完了していないタスクを抽出する抽出部、
前記抽出されたタスクを処理すべきショップが前記サーバ装置にログインすると、当該ショップが指定された通知をコンサルタントに伝達する伝達部、
前記コンサルタントから前記通知に応じる返答があると、前記コンサルタントと前記ショップとの間で、文字もしくは音声によるチャットをさせるチャット部、
として機能させることを特徴とするプログラムを記録した非一時的なコンピュータ読取可能な記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サーバ装置、制御方法、プログラム、及び、記録媒体に関し、特に、電子市場に出店するショップのコンサルティングに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、インターネット上において、複数のショップが出店する電子市場が知られている。電子市場に出店するショップは、商品の販売、宣伝等の処理を行うにあたり、様々な手続が求められる。しかし、電子市場での活動に不慣れなショップにとっては、求められる手続を滞りなく行うことは難しい。通常は、なにか問題が起きると、管理者等に電話やネットワークを介して質問をするのが一般的である。例えば、特許文献1には、相談者が相談したい内容のジャンルを選択し、回答者が在席していれば、チャットで相談を行うシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−256666号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、電子市場での活動に不慣れなショップは、そもそも、問題が発生したことに気づかなかったり、気づいたとしても対処方法が分からず、また、誰に質問してよいかも分からないことがあった。そのため、問題が放置されたり、問題解決まで時間がかかったりすることがあった。
【0005】
本発明は、上記のような課題を解決するもので、電子市場に出店するショップの質問を待たずに、問題解決のためのコンサルティングを開始するのに好適なサーバ装置、制御方法、プログラム、及び、記録媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の観点に係るサーバ装置は、
複数のショップが出店する電子市場を管理するサーバ装置であって、
前記複数のショップのそれぞれが処理すべきタスクであって、当該タスクの種類に応じた猶予期間を経過しても完了していないタスクを抽出する抽出部と、
前記抽出されたタスクを処理すべきショップが前記サーバ装置にログインすると、当該ショップが指定された通知をコンサルタントに伝達する伝達部と、
前記コンサルタントから前記通知に応じる返答があると、前記コンサルタントと前記ショップとの間で、文字もしくは音声によるチャットをさせるチャット部と、
を備えることを特徴とする。
【0007】
上記サーバ装置において、
前記伝達部は、共通する種類の前記タスクを完了していない複数のショップが前記サーバ装置にログインし、前記コンサルタントが前記複数のショップのいずれとも前記チャットをしていなければ、前記複数のショップが指定されたグループ通知を前記コンサルタントに伝達し、
前記チャット部は、前記コンサルタントから前記グループ通知に応じる返答があると、前記コンサルタントと前記グループ通知に指定された複数のショップとの間で、文字もしくは音声によるグループチャットをさせる
ことを特徴とする。
【0008】
上記サーバ装置において、
前記伝達部は、前記ログインの時点で、前記タスクの猶予期間を経過した期間が長いほど、当該タスクを処理すべきショップが指定された通知を優先して、前記コンサルタントに伝達する
ことを特徴とする。
【0009】
上記サーバ装置において、
前記伝達部は、前記共通する種類のタスクを完了していないショップが多いほど、当該ショップが指定されるグループ通知を優先して、前記コンサルタントに伝達する
ことを特徴とする。
【0010】
上記サーバ装置において、
前記チャット部は、前記グループチャットに、当該グループチャットに係る共通の種類のタスクの猶予期間が経過していないショップであって、サーバ装置にログインしたショップを含める
ことを特徴とする。
【0011】
本発明の第2の観点に係る制御方法は、
複数のショップが出店する電子市場を管理するサーバ装置が実行する制御方法であって、
前記サーバ装置が、前記複数のショップのそれぞれが処理すべきタスクであって、当該タスクの種類に応じた猶予期間を経過しても完了していないタスクを抽出する抽出工程と、
前記サーバ装置が、前記抽出されたタスクを処理すべきショップが前記サーバ装置にログインすると、当該ショップが指定された通知をコンサルタントに伝達する伝達工程と、
前記コンサルタントから前記通知に応じる返答があると、前記コンサルタントと前記ショップとの間で、文字もしくは音声によるチャットをさせるチャット工程と、
を備えることを特徴とする。
【0012】
本発明の第3の観点に係るプログラムは、
コンピュータを、複数のショップが出店する電子市場を管理するサーバ装置として機能させるプログラムであって、
前記コンピュータを、
前記複数のショップのそれぞれが処理すべきタスクであって、当該タスクの種類に応じた猶予期間を経過しても完了していないタスクを抽出する抽出部、
前記抽出されたタスクを処理すべきショップが前記サーバ装置にログインすると、当該ショップが指定された通知をコンサルタントに伝達する伝達部、
前記コンサルタントから前記通知に応じる返答があると、前記コンサルタントと前記ショップとの間で、文字もしくは音声によるチャットをさせるチャット部、
として機能させることを特徴とする。
【0013】
本発明の第4の観点に係る非一時的なコンピュータ読取可能な記録媒体は、
コンピュータを、複数のショップが出店する電子市場を管理するサーバ装置として機能させるプログラムであって、
前記コンピュータを、
前記複数のショップのそれぞれが処理すべきタスクであって、当該タスクの種類に応じた猶予期間を経過しても完了していないタスクを抽出する抽出部、
前記抽出されたタスクを処理すべきショップが前記サーバ装置にログインすると、当該ショップが指定された通知をコンサルタントに伝達する伝達部、
前記コンサルタントから前記通知に応じる返答があると、前記コンサルタントと前記ショップとの間で、文字もしくは音声によるチャットをさせるチャット部、
として機能させることを特徴とするプログラムを記録する。
【0014】
なお、上記非一時的な(non-transitory)記録媒体は、コンピュータとは独立して配布・販売することができる。ここで、非一時的な記録媒体とは、有形な(tangible)記録媒体をいう。非一時的な記録媒体は、例えば、コンパクトディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、光磁気ディスク、ディジタルビデオディスク、磁気テープ、半導体メモリ等である。また、一時的な(transitory)記録媒体とは、伝送媒体(伝搬信号)それ自体を示す。一時的な記録媒体は、例えば、電気信号、光信号、電磁波等である。なお、一時的な(temporary)記憶領域とは、データやプログラムを一時的に記憶するための領域であり、例えば、RAM(Random Access Memory)等の揮発性メモリである。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、電子市場に出店するショップの質問を待たずに、問題解決のためのコンサルティングを開始するのに好適なサーバ装置、制御方法、プログラム、及び、記録媒体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の実施形態に係るサーバ装置と、カスタマ端末と、ショップ端末と、の関係を示す図である。
図2】サーバ装置と、ショップと、コンサルタントとの間で行われる通信の例を示す図である。
図3】本発明の実施形態に係るサーバ装置が実現される典型的な情報処理装置の物理的構成を示す図である。
図4】実施形態1に係るサーバ装置の機能構成を示す図である。
図5】タスク情報テーブルを説明するための図である。
図6】ショップに提示されるページを説明するための図である。
図7】実施形態1に係るサーバ装置が行う制御処理を説明するためのフローチャートである。
図8】ショップに提示されるページを説明するための図である。
図9】ショップに提示されるページを説明するための図である。
図10】実施形態2に係るサーバ装置が行う制御処理を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
(1.全体構成)
本発明の実施形態に係るサーバ装置100は、図1に示すように、インターネット400に接続される。インターネット400には、サーバ装置100の他に、カスタマ端末201、202〜20m(以下、これらを総称して「カスタマ端末200」という)と、ショップ端末301、302〜30n(以下、これらを総称して「ショップ端末300」という)と、が接続されている。
【0018】
サーバ装置100は、複数のショップが出店する電子市場を管理する装置である。また、サーバ装置100は、ショップからの質問に回答するコンサルタントにより使用される。
【0019】
カスタマ端末200は、電子市場においてショップが販売する商品の閲覧・購入を行うカスタマが使用する端末である。
【0020】
ショップ端末300は、電子市場において商品を販売するショップ(販売者)が使用する端末である。
【0021】
なお、本願のコンサルタントが使用する端末はサーバ装置100のみに限らない。例えば、サーバ装置100に、コンサルタントが使用する複数の端末が、直接あるいはインターネットを介して接続されるようにしてもよい。
【0022】
図2に、あるショップにおいて処理されるべきタスクが猶予期間を経過しても完了していない場合に、サーバ装置100を介して行われる、ショップとコンサルタントとのやりとりの一例を示す。
【0023】
サーバ装置100は、電子市場に出店している複数のショップのうち、ショップが処理すべきタスクであって、当該タスクの猶予期間を経過しても完了していないタスクを抽出する(1)。
【0024】
ショップは、サーバ装置100にログインする(2)。
【0025】
サーバ装置100は、ログインしたショップが、抽出されたタスクを処理すべきショップである場合、当該ショップが指定された通知をコンサルタントに伝達する(3)。
【0026】
コンサルタントは、サーバ装置100より通知を受けると、現在、ショップとのチャットが可能な状態であれば、応答を返す(4)。
【0027】
サーバ装置100は、コンサルタントから応答があると、ショップとコンサルタントとの間でチャットを開始させる(5)。
【0028】
(2.情報処理装置の概要構成)
本発明の実施形態に係るサーバ装置100が実現される典型的な情報処理装置600の物理的構成について説明する。
【0029】
情報処理装置600は、図3に示すように、CPU(Central Processing Unit)601と、ROM(Read Only Memory)602と、RAM(Random Access Memory)603と、記憶装置604と、NIC(Network Interface Card)605と、画像処理部606と、音声処理部607と、ディスプレイ608と、スピーカ609と、コントローラ610と、を備える。
【0030】
CPU 601は、情報処理装置600全体の動作を制御し、各構成要素と接続され、制御信号やデータをやりとりする。
【0031】
ROM 602には、情報処理装置600全体の動作制御に必要なオペレーティングシステムのプログラムや各種のデータが記録される。
【0032】
RAM 603は、データやプログラムを一時的に記憶するためのもので、記憶装置604から読み出したプログラムやデータ、その他、通信に必要なデータ等が保持される。
【0033】
記憶装置604は、ハードディスクやフラッシュメモリ等、から構成され、情報処理装置600で処理するデータを記憶する。また、記憶装置604は、CD(Compact Disc)等の記録媒体からデータを読み出すデバイス等を備えるように構成されてもよい。
【0034】
NIC 605は、情報処理装置600をインターネット等のコンピュータ通信網に接続するためのものであり、NIC 605を介して他の情報処理装置等とやりとりをする。
【0035】
画像処理部606は、記憶装置等から読み出されたデータをCPU 601や画像処理部606が備える画像演算プロセッサによって加工処理し、画像処理部606が備えるフレームメモリに記録する。フレームメモリに記録された画像情報は、所定の同期タイミングでビデオ信号に変換され、ディスプレイ608に出力される。
【0036】
音声処理部607は、記憶装置等から読み出されたデータをアナログ音声信号に変換し、スピーカ609から出力させる。
【0037】
コントローラ610は、ユーザからの指示入力を受け付ける。
【0038】
以下、上記情報処理装置600において実現されるサーバ装置100について、図1乃至図10を参照して説明する。情報処理装置600に電源が投入されると、実施形態に係るサーバ装置100として機能させるプログラムが実行され、実施形態に係るサーバ装置100が実現される。
【0039】
(3.実施形態1のサーバ装置の機能構成)
実施形態1のサーバ装置100は、図4に示すように、抽出部101と、伝達部102と、チャット部103と、から構成される。
【0040】
本実施形態及び以下に示す実施形態において、CPU 601が、抽出部101として機能し、CPU 601及びNIC 605が協働して、伝達部102として機能する。また、CPU 601、NIC 605、画像処理部606、及び/又は音声処理部607が協働して、チャット部103として機能する。
【0041】
サーバ装置100は、複数のショップが出店する電子市場を管理する。
【0042】
抽出部101は、複数のショップのそれぞれが処理すべきタスクであって、当該タスクの種類に応じた猶予期間を経過しても完了していないタスクを抽出する。
【0043】
処理すべきタスクとは、商品を購入しようとするカスタマや電子市場の管理者からの要求により、あるいは、電子市場の運営を行うにあたり、処理が必要となったタスクである。例えば、商品の購入手続や出品手続のおけるエラーなどである。
【0044】
猶予期間とは、その期間内にタスクを処理しなければ、商品の販売やショップ運営に支障がでるような期間であり、処理すべきタスクに応じて、電子市場の管理者により指定されている。
【0045】
例えば、タスク情報DB 700には、図5に示すような、タスク情報テーブル700aが格納されている。
【0046】
タスク情報テーブル700aには、ショップID 700a1と、ショップが処理すべきタスクであって処理が完了していないタスクの種類を示すタスクID 700a2と、当該タスクの猶予期間経過情報700a3と、が対応付けて登録されている。
【0047】
例えば、図5のタスク情報テーブル700aの1行目は、ショップID“A”のショップ(以下、「ショップA」)が、タスクID“X”のタスク(以下、「タスクX」)を、完了しておらず、猶予期間が“経過”していることを示す。
【0048】
なお、タスク情報テーブル700aは、サーバ装置100により作成されてもよいし、他の装置により作成されてもよい。
【0049】
また、タスク情報DB 700は、外部のサーバなどの記憶装置に格納されていてもよいし、サーバ装置100のRAM 603や記憶装置604に格納されていてもよい。
【0050】
例えば、抽出部101は、タスク情報テーブル700aを参照して、ショップAのタスクX、ショップCのタスクY、ショップDのタスクX、を抽出する。
【0051】
伝達部102は、抽出されたタスクを処理すべきショップがサーバ装置100にログインすると、当該ショップが指定された通知をコンサルタントに伝達する。
【0052】
コンサルタントとは、電子市場において発生した問題について、ショップからの相談を受け付け、解決に導く者である。
【0053】
例えば、処理すべきタスクXを猶予期間を経過しても完了していないショップAがサーバ装置100にログインすると、伝達部102は、ショップAが指定された通知を、コンサルタントに伝達する。
【0054】
チャット部103は、コンサルタントから通知に応じる返答があると、コンサルタントとショップとの間で、文字もしくは音声によるチャットをさせる。
【0055】
例えば、コンサルタントは、ショップAが指定された通知を受け付けると、ショップAの未処理のタスクXを確認し、タスクXについて求められる処理の助言や指導が可能な場合、当該通知に応じる返答をサーバ装置100に返す。
【0056】
サーバ装置100は、コンサルタントから通知に応じる返答を受け付けると、図6に示すページ500を、ショップAが操作する端末の画面に表示させる。
【0057】
ショップAより、ページ500において、チャットを開始するボタン501がクリックされると、チャット部103は、ショップAとコンサルタントとの間で、文字もしくは音声によるチャットを行わせる。一方、ショップAがチャットによる相談が不要と判断し、ボタン502をクリックしたとすると、ページ500は閉じられる。
【0058】
チャットにより、コンサルタントは、ショップAの未処理のタスクXについて、対処方法等のアドバイスを行うことができる。また、ショップAは、コンサルタントからのアドバイスに従い、タスクXを直ちに処理することができる。
【0059】
本実施形態によれば、電子市場での業務に慣れていないショップからの質問を待たずに、問題解決のためのコンサルティングを開始することができる。これにより、業務に慣れていないショップの業務をスムーズに行わせることができる。
【0060】
なお、伝達部102は、ログインの時点で、タスクの猶予期間を経過した期間が長いほど、当該タスクを処理すべきショップが指定された通知を優先して、コンサルタントに伝達するようにしてもよい。
【0061】
例えば、抽出部101により、ショップAのタスクX、ショップCのタスクY、ショップDのタスクXが抽出され、タスクを完了しないまま猶予期間を経過した期間が、ショップAのタスクX、ショップCのタスクY、ショップDのタスクXの順で長い場合、伝達部102は、ショップAが指定された通知、ショップCが指定された通知、ショップDが指定された通知、の順で、コンサルタントに伝達する。
【0062】
このような構成により、対応できるコンサルタントの数が限られている場合に、放置された期間が長いタスクほど優先して解決することができる。
【0063】
(4.実施形態1のサーバ装置の動作)
本実施形態のサーバ装置100の動作について説明する。サーバ装置100は、例えば、電源が投入されると、図7に示す処理を開始する。
【0064】
抽出部101は、複数のショップのそれぞれが処理すべきタスクであって、当該タスクの種類に応じた猶予期間を経過しても完了していないタスクを抽出する(ステップS101)。
【0065】
例えば、抽出部101は、図5のタスク情報テーブル700aを参照して、ショップAのタスクX、ショップCのタスクY、ショップDのタスクX、を抽出する。
【0066】
伝達部102は、抽出されたタスクを処理すべきショップが、サーバ装置100にログインしたか否かを判断する(ステップS102)。伝達部102は、抽出されたタスクを処理すべきショップが、サーバ装置100にログインしたと判断すると(ステップS102;Yes)、当該ショップを指定した通知をコンサルタント伝達する(ステップS103)。一方、伝達部102は、抽出されたタスクを処理すべきショップが、サーバ装置100にログインしていないと判断すると(ステップS102;No)、ステップS101に戻る。
【0067】
例えば、処理すべきタスクXを猶予期間を経過しても完了していないショップAがサーバ装置100にログインすると、伝達部102は、ショップAが指定された通知を、コンサルタントに伝達する。一方、処理すべきタスクXの猶予期間が経過していないショップBがサーバ装置100にログインすると、伝達部102は、ステップS101に戻り、再び猶予期間を経過した処理すべきタスクを抽出する。
【0068】
チャット部103は、通知を伝達したコンサルタントから、返答があったか否かを判断する(ステップS104)。チャット部103は、通知を伝達したコンサルタントから返答があったと判断すると(ステップS104;Yes)、ショップからチャット開始の要求を受け付けたか否かを判断する(ステップS105)。一方、チャット部103は、通知を伝達したコンサルタントから返答がないと判断すると(ステップS104;No)、ステップS101に戻る。
【0069】
例えば、ショップAが指定された通知を伝達したコンサルタントから返答があると、サーバ装置100は、ショップAの端末の画面に、図6のページ500を表示させる。そして、チャット部103は、ボタン501がクリックされたか否かを判断する。一方、ショップAが指定された通知を伝達したコンサルタントから、所定の期間待機しても返答がない場合、ステップS101に戻り、再び猶予期間を経過した処理すべきタスクを抽出する。
【0070】
ステップS105において、チャット部103は、ショップからチャット開始の要求を受け付けたと判断すると(ステップS105;Yes)、返答をしたコンサルタントと、通知に指定されたショップとの間で、文字もしくは音声によるチャットを開始させる(ステップS106)。そして、ステップS101に戻る。一方、チャット部103は、ショップからチャット開始の要求を受け付けていないと判断すると(ステップS105;No)、ステップS101に戻る。
【0071】
例えば、チャット部103が、ショップAからボタン501に対応づけられた応答を受け付けると、チャット部103は、返答をしたコンサルタントと、ショップAとの間でチャットを開始させる。一方、チャット部103が、ショップAからボタン502に対応付けられた応答を受け付けると、ステップS101に戻る。
【0072】
(5.実施形態2のサーバ装置の機能構成)
実施形態2のサーバ装置100は、図4に示すように、抽出部101と、伝達部102と、チャット部103と、から構成される。
【0073】
抽出部101は、実施形態1と同様に、複数のショップのそれぞれが処理すべきタスクであって、当該タスクの種類に応じた猶予期間を経過しても完了していないタスクを抽出する。
【0074】
例えば、抽出部101は、タスク情報テーブル700aを参照して、ショップAのタスクX、ショップCのタスクY、ショップDのタスクXを抽出する。
【0075】
伝達部102は、共通する種類のタスクを完了していない複数のショップがサーバにログインし、コンサルタントが複数のショップのいずれともチャットをしていなければ、複数のショップが指定されたグループ通知をコンサルタントに伝達する。
【0076】
例えば、タスク情報テーブル700aによれば、ショップA及びショップDは、共通する種類のタスクXを完了していない。ショップA及びショップDがサーバ装置100にログインし、コンサルタントがショップA及びショップDとのチャットを開始していない場合、コンサルタントには、ショップA及びショップDが指定されたグループ通知を伝達する。
【0077】
そして、チャット部103は、コンサルタントからグループ通知に応じる返答があると、コンサルタントとグループ通知に指定された複数のショップとの間で、文字もしくは音声によるグループチャットをさせる。
【0078】
例えば、コンサルタントがグループ通知に応じる返答をサーバ装置100に返すと、サーバ装置100は、図8に示すページ500をショップAが操作する端末の画面に表示させる。また、ショップDが操作する端末の画面にも同様のページを表示させる。
【0079】
ショップAが、グループチャットを申し込むボタン503をクリックし、ショップDも同様の操作を行うと、チャット部103は、所定の時間から、コンサルタントと、ショップAと、ショップDとの間でグループチャットをさせる。
【0080】
なお、ショップAがグループチャットを希望せずに、個別相談を希望した(ボタン504をクリックした)場合、伝達部102は、コンサルタントに、ショップAのみが指定された通知を伝達し、チャット部103により、ショップAとコンサルタントとのチャットを開始させるようにしてもよい。
【0081】
また、ショップAがチャットによる相談を希望せず、ボタン505をクリックすると、ページ500は閉じられる。
【0082】
あるいは、抽出部101によりタスクが抽出されると、各ショップの端末装置の画面には図9に示すようなページ500が表示され、他のショップがチャットに参加することを了承すると(チェックボックス506をチェック)、グループチャットが開始されるようにしてもよい。
【0083】
本実施形態によれば、類似する問題を抱えるショップをまとめてコンサルティングすることができる。また、類似する問題を抱えるショップ同士がチャットに参加するので、ショップ同士の交流を促すことができる。
【0084】
なお、伝達部102は、共通する種類のタスクを完了していないショップが多いほど、当該ショップが指定されるグループ通知を優先して、コンサルタントに伝達するようにしてもよい。
【0085】
例えば、タスクXを、猶予期間を経過しても完了していないショップが5つあり、タスクYを、猶予期間を経過しても完了していないショップが3つあったとする。この場合、伝達部102は、タスクXのグループ通知を優先してコンサルタントに伝達する。
【0086】
このような構成により、問題を抱えているショップが多いタスクほど優先してグループチャットを行うことができ、問題になりやすいタスクを早期に解決することができる。
【0087】
また、チャット部103は、グループチャットに、当該グループチャットに係る共通の種類のタスクの猶予期間が経過していないショップであって、サーバ装置にログインしたショップを含めるようにしてもよい。
【0088】
例えば、図5のタスク情報テーブル700aによれば、ショップBのタスクXは猶予期間を経過していない。しかし、猶予期間を経過したタスクXを処理すべきショップA及びショップDのグループチャットが開始される場合、ショップBもログインをすれば、チャット部103は、ショップA及びショップDのグループチャットにショップBを含めて、チャットを行わせる。
【0089】
このような構成により、同じ問題を抱えたショップをまとめて対応することによりコンサルタントの手間を少なくすることができ、ショップにとっては、早期に問題を解決することができる。
【0090】
(6.実施形態2のサーバ装置の動作)
本実施形態のサーバ装置100の動作について説明する。サーバ装置100は、例えば、電源が投入されると、図10に示す処理を開始する。
【0091】
なお、図10のフローチャートのステップS201、S202、S210は、図7のフローチャートのステップS101、S102、S104と同様の処理を行う。よって、これらの処理の説明については省略する。
【0092】
ステップS202において、抽出されたタスクを処理すべきショップがサーバ装置100にログインしたと判断されると(ステップS202;Yes)、伝達部102は、同じ種類のタスクを完了していないショップが複数ログインしたか否かを判断する(ステップS203)。伝達部102は、同じ種類のタスクを完了していないショップが複数ログインしたと判断すると(ステップS203;Yes)、それらのいずれかのショップがコンサルタントとチャットをしているか否かを判断する(ステップS204)。一方、伝達部102は、同じ種類のタスクを完了していないショップが複数ないと判断すると(ステップS203;No)、ログインしている1つのショップを指定した通知をコンサルタントに伝達する(ステップS209)。
【0093】
例えば、抽出部101により、ショップAのタスクX、ショップCのタスクY、ショップDのタスクXが抽出され、伝達部102が、ショップA及びショップDによるサーバ装置100へのログインを検知すると、伝達部102は、ショップA及びショップDがコンサルタントとのチャットを行っているか否かを判断する。一方、伝達部102は、タスクXを完了していないショップAと、タスクYを完了していないショップCのログインを検知すると、コンサルタントに、ショップAを指定した通知、又は、ショップCを指定した通知を伝達する。なお、コンサルタントは一人に限らないので、これらの通知を異なるコンサルタントにそれぞれ伝達してもよい。
【0094】
ステップS204において、伝達部102が、いずれかのショップがコンサルタントとチャットをしていると判断すると(ステップS204;Yes)、伝達部102は、チャットをしていないショップが個別に指定された通知をコンサルタントに伝達する(ステップS209)。一方、伝達部102が、いずれのショップもコンサルタントとチャットしていないと判断すると(ステップS204;No)、抽出されたタスクを処理すべき複数のショップが指定されたグループ通知をコンサルタントに伝達する(ステップS205)。
【0095】
例えば、ショップDがすでにコンサルタントとチャットをしている場合、伝達部102は、ショップAが指定された通知をコンサルタントに伝達する。一方、ショップA及びショップDともにコンサルタントとチャットをしていない場合、伝達部102は、ショップA及びショップDが指定されたグループ通知をコンサルタントに伝達する。
【0096】
チャット部103は、グループ通知を伝達したコンサルタントから、返答があったか否かを判断する(ステップS206)。チャット部103は、グループ通知を伝達したコンサルタントから返答があったと判断すると(ステップS206;Yes)、グループチャット参加の要求を受け付けたか否かを判断する(ステップS207)。一方、チャット部103は、グループ通知を伝達したコンサルタントから返答がないと判断すると(ステップS206;No)、ステップS201に戻る。
【0097】
ステップS207において、チャット部103は、グループチャット参加の要求を受け付けたと判断すると(ステップS207;Yes)、返答をしたコンサルタントと、グループ通知に指定されたショップとの間で、文字もしくは音声によるグループチャットを開始させる(ステップS208)。一方、チャット部103は、グループチャット参加の要求を受け付けていないと判断すると(ステップS207;No)、個別チャット開始の要求を受け付けたか否かを判断する(ステップS211)。チャット部103は、個別チャット開始の要求を受け付けたと判断すると(ステップS211;Yes)、返答をしたコンサルタントと、個別チャットを要求したショップとの間でチャットを開始させる(ステップS212)。一方、チャット部103が個別チャット開始の要求を受け付けていない判断すると(ステップS211;No)、ステップS201に戻る。また、ステップS208及びS212でチャットが開始された後も、ステップS201に戻る。
【0098】
例えば、ショップA及びショップDが指定されたグループ通知を伝達したコンサルタントから返答があると、サーバ装置100は、各ショップのショップ端末の画面に、図8のページ500のようなチャット参加の確認を行うページを表示させる。一方、ショップA及びショップDが指定されたグループ通知を伝達したコンサルタントから、所定の期間待機しても返答がない場合、処理を終了する。
【0099】
そして、ショップAが図8のページ500においてグループチャット参加を要求するボタン503をクリックし、ショップDもグループチャット参加を要求する操作を行うと、チャット部103は、ショップAと、ショップDと、返答をしたコンサルタントとの間でグループチャットを開始させる。また、ショップAが図8のページ500において、個別相談を要求するボタン504をクリックすると、チャット部103は、ショップAとコンサルタントとの間で、音声または文字によるチャットを開始させる。また、ショップAが図8のページ500において、相談を希望しないことを示すボタン505をクリックすると、ページ500は閉じられる。そして、サーバ装置100は、ステップS201からの処理を繰り返す。
【0100】
なお、本実施形態のサーバ装置100の動作は上記に限らない。例えば、ステップS204において、いずれかのショップがコンサルタントとチャットしていると判断され、チャットをしていないショップが複数ある場合は、コンサルタントとチャットをしているショップを除く複数のショップを指定したグループ通知を他のコンサルタントに伝達するようにしてもよい。
【0101】
上記実施形態において、電子市場で商品を販売するショップに対するコンサルティングに関する例を示したが、本発明の適用はこれに限らない。例えば、ネットオークションを管理するサーバ装置に適用されてもよい。サーバ装置は、オークションに商品を出品する出品者が処理すべきタスクを猶予期間を経過しても完了していない場合に、コンサルタントとのチャットを行わせる。これにより、オークションの初心者からの質問を待たずに、問題解決のためのコンサルティングを開始することができる。
【0102】
本発明は、本発明の広義の精神と範囲を逸脱することなく、様々な実施の形態及び変形が可能とされるものである。また、上述した実施の形態は、この発明を説明するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。すなわち、本発明の範囲は、実施の形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。そして、特許請求の範囲内及びそれと同等の発明の意義の範囲内で施される様々な変形が、この発明の範囲内とみなされる。
【符号の説明】
【0103】
100 サーバ装置
101 抽出部
102 伝達部
103 チャット部
200、201、202〜20m カスタマ端末
300、301、302〜30n ショップ端末
400 インターネット
500 ページ
501、502、503、504、505 ボタン
506 チェックボックス
600 情報処理装置
601 CPU
602 ROM
603 RAM
604 記憶装置
605 NIC
606 画像処理部
607 音声処理部
608 ディスプレイ
609 スピーカ
610 コントローラ
700 タスク情報DB
【要約】
複数のショップが出店する電子市場を管理するサーバ装置(100)は、抽出部(101)と、伝達部(102)と、チャット部(103)と、を備える。抽出部(101)は、複数のショップのそれぞれが処理すべきタスクであって、当該タスクの種類に応じた猶予期間を経過しても完了していないタスクを抽出する。伝達部(102)は、抽出されたタスクを処理すべきショップがサーバ装置にログインすると、当該ショップが指定された通知をコンサルタントに伝達する。チャット部(103)は、コンサルタントから通知に応じる返答があると、コンサルタントとショップとの間で、文字もしくは音声によるチャットをさせる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10