(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
従来から、一度に複数本のスティックタイプの包装袋を連続的にシール成形できるように構成した縦型多列自動包装機が存在している。これは、予め幅広に形成されている原反包装フィルムを
、各包装袋で必要なサイズ毎にスリッターで長手方向に沿って複数枚に切り分け、これ等切り分けられた包装フィルムの各々を袋状にフォーミングして、フォーミングされた両端重ね合わせ部分を縦シールバーによって縦シールし、次いで、縦シールにより筒状になった包装フィルムの規定の位置を横シールバーによって挟み込んで横シールして、全体を有底の袋状と成し、次いで、出来上がったこの袋状の包装フィルム内に充填パイプを用いて原料(被包装材料)を充填供給し、その後、上記の充填パイプが引き抜かれた原料投入口を横シールバーによって封止し、この封止された横シール部分の端部付近に対して
、ノッチカッター装置を用いてノッチ切れ込みを入れ、同じく封止された横シール部分の中央付近に対して
、切断カッター装置を用いて横方向への切り離しを実施することにより、各々原料を密封シールして成るスティック形式の個別包装袋が出来上がる
仕組に成っている。
【0003】
このような縦型多列自動包装機の一例が、後述する特許文献1に開示されている。そして、上記記載のように通常の縦型多列自動包装機には二種類のカッター装置が配備されており、この内
、ノッチカッター装置は、製造するスティック形式の個別包装袋の袋幅に合わせて、配備位置を変えることができる
仕組に成っている。
【0004】
また、従来から、三方
シールタイプの包装袋を連続的にシール成形できるように構成したロールタイプ自動包装機が存在している。これは原反包装フィルムを二つ折りして袋状にフォーミングし、フォーミングされた両端重ね合わせ部分を縦シールロールによって縦シールし、縦シールにより筒状になった包装フィルムの規定の位置を横シールロールによって挟み込んで横シールし、出来上がった袋状の包装フィルム内に充填パイプを用いて原料を投入し、その後に原料投入口を横シールロールによって横シールして封止し、この封止された横シール部分の端部付近に対してノッチカッター装置を用いてノッチ切れ込みを入れ、同じく封止された横シール部分の中央付近に対しては、切断カッター装置を用いて横方向への切離しを実施することにより、三方シール形式の個別包装袋が出来上がるように構成されている。
【0005】
このようなロールタイプ自動包装機の一例が後述する特許文献2に開示されている。そして、上記記載のように通常のロールタイプ自動包装機には二種類のカッター装置が配備されており、この内
、ノッチカッター装置は、製造する三方形式の個別包装袋の袋幅に合わせて配備位置を変えることができる。
【0006】
しかし、従来の各種自動包装機で切離された個別包装袋は、コンベア等での搬送工程、計量/計数工程、集積工程若しくは箱詰め工程等において、互いに接触若しくは衝突動作を繰り返す事態が発生し、横シールカット部分の角が他の包装袋の袋腹部分に穴を開けてしまうといった、事故
の発生が問題となっていた。
【0007】
このため、従来の自動包装機には、個別包装袋に切り離しする際に、横シールカット部分の角を切り落とした形状(所謂「Rカット」形状)にする、面取りカッター装置が具備されていて、このような事故を
未然に防ぐようにしていた。
【0008】
このような横シール部分の角を切り落とす面取りカッター装置の一例が、後述する特許文献3に開示されている。
【0009】
添付した
図7は、上記従来の連続スティック包装体における横シールカット部分の角を切り落とす
、面取りカッター装置の動きを説明したカット動作概略図である。
図7の(1)に示すように、袋幅72を狭く(細く)した連続スティック包装体70には、縦型多列自動包装機(図示省略)によって、上下に間隔をあけて上下二列の横シール部77、77がシール形成されている。そして、この上下二列の横シール部77、77の中間部付近に対して、
図7の(2)に示すように、Rカッター装置(図示省略)による打ち抜き部分73(図中斜線で示す)が内抜き形成される。
【0010】
この結果、
図7の(3)に示すように、個別包装袋71が出来上がることになり、この個別包装袋71の横シールカット部分の角は、打ち抜きカッター刃に設けられている円弧状の面取り形状に合わせて、面取り加工が成されることに成る。
【0011】
そして、このRカッター装置は、
図7に示す様な狭い袋幅72の連続スティック包装袋70のみを加工対象としており、これ以外の袋幅の連続スティック包装袋では、面取りカット動作を行うことができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
しかし、このように横シールカット部分をRカット形状に切離す、従来の面取りカッター装置では、角部分を含めて切り取るため
に、打ち抜き切断機構を採用しており、このため、包装袋の幅寸法に合わせた打ち抜きカット刃(雄刃)と
、抜き型(雌刃)のセットを用意する必要があった。そして、この打ち抜きカット刃と抜き型は、切断仕上げの維持と耐久性維持のため
、高精度且つ高硬度の素材で出来ており、その結果、価格的に極めて高価になる問題があった。
【0014】
従って、上記のような構成から成る打ち抜き面取りカッター装置は、一定の包装袋を大量に製造する場合
にのみ採用され、包装袋幅寸法(サイズ)が頻繁に変更になるような包装袋の場合は、高価な打ち抜きカット刃と抜き型のセットを複数台用意して、使用に供していたが、袋幅変更の都度、手作業による打ち抜きカット刃と抜き型のセット替え作業が発生するため、経済的にも作業効率的にも容易には採用することが出来な
いという、問題があった。
【0015】
本発明は、このような問題点を解決するためになされたもので、原料が充填された包装袋が連なった連続包装体から個別包装袋を切り出すカット工程において、個別包装袋の幅方向寸法に変更があったとしても、この変更に簡単に対応することができると共に、カット刃等の交換に伴う寸法変更費用を不要にすることを可能にした、包装袋用カッター装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
(1)上記の課題を解決するためになされた本発明の請求項1に係る包装袋用カッター装置は、原料が充填された複数の包装袋が連なって成る連続スティック包装体から
、個別
スティック包装袋を順次切り離して製造する自動包装機、若しくは、個別
スティック包装袋の製造ラインに配備される包装袋用カッター装置であって、
当該カッター装置が、
上下に間隔を持った上下二つの刃先によって、上記出来上がった連続
スティック包装体における
各袋の四隅の角に相当する部分に対して、予め面取りとなる斜めの角度に設定された切れ目を入れる
ための面取りカッターと、
前記斜めの切れ目を含んだ間隔を保った状態にて、
当該連続
スティック包装体の間の切り離しを行う
ための切断カッターと、によって構成されていることを特徴としている。
【0017】
上記(1)で述べた請求項1に係る包装袋用カッター装置によれば、当該カッター装置
を、面取り
用の面取りカッターと
、切り離し
用の切断カッター
とから成る二つのカッターを組み合わせて構成して、それぞれ必要箇所に対して逐一作動させる
ように構成することにより、従来から実施されていた円弧状の面取り打ち抜きカッター動作と同じ切り離し動作を、実現することを可能にしている。
【0018】
(2)また、本発明の請求項2に係る包装袋用カッター装置は、前記面取りカッターが、製造する包装袋の横幅に合わせて、当該横幅方向に移動調節可能に構成されていることを特徴としている。
【0019】
上記(2)で述べた包装袋用カッター装置によれば、通常の自動包装機に配備されているノッチカッター装置を一部変更して、これを面取り部分専用の
面取りカッターとして構成したことにより、通常のノッチカッター装置と同じように、製造する包装袋
の横幅に合わせて
当該横幅方向に移動調節すること
ができるため、各種サイズの包装袋に対応することを可能にしている。
【0020】
(3)また、本発明の請求項3に係る包装袋用カッター装置は、前記面取りカッターの切れ目角度が、
前記連続
スティック包装体の長手方向の外形枠に対して
、45度の傾きに成っていることことを特徴としている。
【0021】
更に、上記(3)で述べた包装袋用カッター装置によれば、
前記面取りカッターの切れ目角度を、連続包装体の長手方向外形枠に対して、45度の傾きにすることによって、従来の円弧状の面取り打ち抜きカッター装置における面取り効果と、同じ程度の面取り効果を発揮することを可能にしている。
【発明の効果】
【0022】
以上説明したように、本発明に係る包装袋用カッター装置によれば、出来上がった個別包装袋の四隅の角に相当する部分に対して、予め設定された角度の切れ目を入れる面取りカッターと、この面取り角度の切れ目を含んだ切り離しのための切れ目を入れる切断カッターとを、別々に配置して、二段階のカット動作を行うようにしたため、従来実施されていた円弧状の面取り打ち抜きカッター装置と同じような面取り切断動作を実現しつつ、個別包装袋の幅方向寸法の変更を、簡単に実現
することを可能にすると共に、カット刃等の交換に伴う寸法変更費用が不要になるという、極めて画期的で、且つ、経済的な効果を発揮
することができる。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下に本発明に係る包装袋用カッター装置の実施の形態を図面と共に説明する。
図1は本発明を実施した縦型多列自動包装機の正面図であり、
図2は本発明を実施したロールタイプ自動包装機の正面図である。これらの図面において符号1で全体的に示した自動包装機は、一度に複数本のスティック包装袋を連続的にシール成形できるように構成されている。また、符号2で全体的に示した自動包装機は、三方タイプの包装袋を連続的にシール成形できるように構成されている。
【0025】
なお、
図1における縦型多列自動包装機の列数は8列の例で説明しているが、この列数は原反ロールフィルム幅に応じた任意の値を採用することができる。
【0026】
図1に示すように、1は縦型多列自動包装機、102は原料(内容物)を収容したホッパー、103はホッパー102からの原料を一旦受け取り、受け取った原料を直下に配備されている計量供給盤(図示省略)に対して、適宜必要量を切れ目無く供給する中間ホッパー、104は中間ホッパー103から供給される原料を計量した後、直下に配備されている中間シュート105に供給する計量供給盤、105は計量供給盤104から供給される原料を直下に配備されている充填パイプ106毎に分割して供給する中間シュート、106はスリットされて幅が狭くなった複数条の包装フィルムを略円筒状にフォーミングすると共に原料の投入通路となる充填パイプ、107は縦シール装置、108は縦シール装置107の直下に配備された横シール装置、109は出来上がった連続包装体の所定位置に対して、面取り用の切れ込みを入れる面取りカッター装置、110は連続包装体の横シール中央付近に対して切り離しのための切れ込みを入れる切断カッター装置、101は操作パネルボックスである。
【0027】
図1において、縦型多列自動包装機の概略動作を説明する。原反ロール(図示省略)から引き出された幅の広いフィルム(包材)は、スリッター装置(図示省略)によって上記充填パイプ106の列数に合わせた幅の狭い複数条の包装フィルムF’にスリットされる。そして上記横シール装置108の上下運動に従って、原反ロールから順次下方に引き出された各包装フィルムは各充填パイプ106・・・の周囲を包むように略円筒状にフォーミングされる仕組みになっている。
【0028】
斯くの如くフォーミングされた各包装フィルムは、縦シール装置107の縦ヒートシールバー(図示省略)によって、各包装フィルムの開放両端同士を挟み込んで縦シールされ、この結果、各包装フィルムは略円筒形状にシール成形される。そして、この略円筒形状の包装フィルムに対して、横シール装置108の横ヒートシールバー(図示省略)によって横シールされ、この横シールによって袋状になった包装フィルムの内部に対して、充填パイプ106を通して原料(内容物)が投入される。この投入動作と同時に、包装フィルムは横シール装置108により挟持されたままの状態で包装袋一個分だけ下方に引き出され、その後、この横シール装置は挟持状態から開放される。そして、横シール装置108は上方の規定位置に復帰作動され、一連の動作が完了すると共に、再度上記動作を繰り返して行うことによって、スティック包装体が多列式に且つ連続的にシール成形されている。
【0029】
そして、上記の動作に合わせて出来上がった各包装袋の規定位置に対して面取りカッター装置109によって面取り切れ込みが入れられ、各包装袋間の横シールの中央付近に対して切断カッター装置110によって上下切り離しのための切れ込みが入れられる。このようにして、縦型多列自動包装機は一度に多数本のスティックタイプ個別包装袋を連続的に生産できるように動作している。
【0030】
続いて、
図2に示すように、ロールタイプ自動包装機2の正面右側にはリールが設けられている。このリールには包装フィルムFを巻回した原反ロールFHが脱着交換可能に保持されている。
【0031】
また、ロールタイプ自動包装機2の上部にはフィルム繰り出し装置202と、フィルム折り返しロール203と、包装フィルムFを長手方向に二つ折りするフィルム折り畳み機構204と、この二つ折りされた包装フィルムFX内に原料を充填する充填機構205が配備されている。
【0032】
この充填機構205は、液体原料を貯留させているタンク(図示省略)と、このタンク等から液体原料をロールタイプ自動包装機2に送り出すポンプ(図示省略)と、この送り出された液体原料を二つ折りされた包装フィルムFX内に導く充填パイプ(図示省略)とから成っている。
【0033】
そして、充填機構205の下側には、二つ折りされた包装フィルムFXに対して縦ヒートシールを施す縦シールロール装置206と、この縦シール部分に対してノッチ切れ込みを施す縦シールノッチ装置213と、縦シールによって円筒形状になった包装フィルムに対して最初に横ヒートシールを施して有底の袋形状にする第一横シールロール装置207と、この第一横シールロール装置207によって横ヒートシールを施した部分に対して、再度横ヒートシールを施してシール強度の強化を図る、第二横シールロール装置208が配備されている。
【0034】
さらに、上記第二横シールロール装置208の下側には、出来上がった連続包装体の姿勢を一定に保持するガイド機構209と、姿勢保持された連続包装体の所定位置に面取り切れ込みを入れる面取りカッター装置210と、面取り切れ込みが入れられた連続包装体の横シール中央付近に対して切り離しのための二段切れ込みを入れる切断カッター装置211と、切断された個別包装袋を排出するすべり台212が配備されている。
【0035】
そして、ロールタイプ自動包装機2の右側には、自動包装機の動作コントロールを行っている制御ボックス200と、ロールタイプ自動包装機の操作者が、この自動包装機に対して各種の設定や指示を入力すると共に、この自動包装機2の状態を表示している操作ボックス201が設けられている。
【0036】
縦シールロール装置206は、一対のシールロールが向かい合わせに押圧又は近接状態で配備されており、
図2中においては、前面側の縦シールロール(移動側シールロール)が表記されている。これに対して背面側(紙面裏側)の縦シールロールは、前面側縦シールロールと紙面垂直方向に対向した状態で設けられ、自動包装機2に固定されている(固定側シールロール)。
【0037】
第一横シールロール装置207と第二横シールロール装置208は、共に一対のシールロールが向かい合わせに押圧且つ近接状態で配備されており、
図2中においては、前面側の第一横シールロールと第二横シールロール(移動側シールロール)のみが表記されている。これに対して背面側(紙面裏側)の第一横シールロールと第二横シールロールは、前面側第一横シールロール及び第二横シールロールと紙面垂直方向に対向した状態で設けられ、自動包装機2に固定されている(固定側シールロール)。
【0038】
また、包装フィルムF(
図2参照)は、透明又は半透明な材料から構成され、例えば、PET等のベースフィルム、このベースフィルムよりも融点の低いポリエチレン等のヒートシールフィルムから構成される。また、包装フィルムは、ベースフィルム、中間フィルム、ヒートシールフィルムの3層構造を有してもよい。
【0039】
次に、
図2において、前記ロールタイプ自動包装機の概略動作を説明する。
包装フィルムFは、リールに取り付けられた原反ロールFHからフィルム繰り出し装置202によって順次引き出される。引き出された包装フィルムFは、自動包装機2の上部の折り返しロール203に掛け渡された後、直下のフィルム折り畳み機構204に送られる。このフィルム折り畳み機構204は、包装フィルムFを長手方向に二つ折りするもので、二つ折りされた包装フィルムFXは、この包装フィルムFX内に液体原料を送り込む充填パイプを表裏両側から挟み込みつつ、最初に縦シールロール装置206に送られ、加熱されt5た縦シールロール装置206により、二つ折りされた包装フィルムFXの両側端縁同士に縦ヒートシールが施されて、断面略筒状にシール成形される。
【0040】
次いで、上記縦シールによって筒状に成形された包装フィルムFXは、縦シールノッチ装置213を通過する際に縦シール部分に対して開封用のノッチの切れ込み加工が成され、第一横シールロール装置207に送り込まれて横シールが施されて有底の袋形状になる。この袋状になった包装フィルムFXの内部に対して、充填機構205の充填パイプ(
図2には略L字状に屈曲形成されたものが示されている)を通して液体原料(内容物)が投入されつつ、下方に送られ、その後、第一横シール装置207の横シールロールは、液体原料が充填された包装フィルムFXの開口側を横ヒートシールし、これにより、有底筒状部の包装フィルムに充填された液体原料は密閉シールされた状態になる。
【0041】
この密閉シールされた包装袋は、直下の第二横シール装置208の横シールロールの間に送られ、この第二横シールロールは、第一横シール装置207によってシール形成された横シール部を再度横ヒートシールして、その横シール部分をより確実にするための線条横シール部を形成し、上記一連の動作を繰り返して行うことによって、三方シールタイプの包装袋が連続的にシール成形されることになる。
【0042】
そして、上記の動作に従って出来上がった各包装袋の規定位置に対して前記第二横シールロール209の下側部に設けられている面取りカッター210によって、面取り切れ込みが入れられ、次いで、各包装袋間の横シールの中央付近に対して切断カッター211によって上下切り離しのための二段切れ込みが入れられる。このようにして、ロールタイプ自動包装機は三方タイプ個別包装袋を連続的に生産できるように動作している。
【0043】
図3は、
図1で説明した袋幅の小さい連続スティック包装体において、各袋の四隅の角に相当する部分に対して予め設定された角度の切れ目を入れる面取りカッター109と、連続包装体における袋間を切り離す切れ目を入れる切断カッター110の動きを説明したカット動作概略図である。
【0044】
図3の(1)に示すように、袋幅32の各連続スティック包装体30の夫々には、
図1に示す縦型多列自動包装機1によって上下2段の横シール37,37がシール形成されている。この上下2段の横シール37,37の左右両端部の間の付近に対して、
図3の(2)に示すように、面取りカッター109(
図1参照)による四本の直線面取り切り込みが行われて、その結果、上記横シール37,37の左右の両側端縁部分に断面略V字状の切り込み部分33,33が形成される。この左右の面取り切れ込み部分33,33は、連続スティック包装体30の長手方向外形枠に対して予め設定された角度A・・・の傾きを持って断面略V字形の直線状に形成され、且つ、それぞれ上下左右対称の位置に切り込み形成される。なお、これ等各角度A・・・の傾きは、通常45度の値を採用しているため、上記切り込み部分33,33の角度は、丁度90度と成る仕組みに成っている。
【0045】
次に、
図3の(3)に示すように、上下2段の横シール部分37の中央付近に対して
図1に示す切断カッター110による袋間を切り離すため上下二本の直線切り込み部分34と35が二度切り形成される。この直線切り込み34と35の二度切りは、上述した直線面取り切り込み部分33の一部、具体的には、断面略V字形状を成す両面取り切り込み部分33のV字の谷部分に重ね合わせながら、予め設定された寸法36の間隔が開けられた状態で袋30と31の間を二度切りして切断するように形成される。
【0046】
この結果、
図3の(4)に示すように、個別スティック包装袋31が出来上がることになり、この個別スティック包装袋31の横シールカット部分の角部は、面取りカッター109に設けられている45度の直線状の面取り加工縁によって45度の面取り加工が成されていることに成る。
【0047】
図4は、
図1で説明した袋幅の大きい(広い)連続スティック包装体40における袋の四隅の角に相当する部分に対して予め設定された角度の切れ目を入れる面取りカッター109と、連続包装体40における袋間を切り離す略V字状の切れ目を入れる切断カッター110の動きを説明したカット動作概略図である。
【0048】
図4の(1)に示すように、比較的幅広の袋幅42を有する連続スティック包装体40には、前述した縦型多列自動包装機1によって横シール部分47が形成されている。この横シール部分47の両端付近に対して
図4の(2)に示すように、面取りカッター109による四つの直線面取り切り込み部分43が形成される。この略V字形状を成す面取り切り込み部分43は、連続スティック包装体40の長手方向外形枠に対して予め設定された角度Aの傾きを持って直線状に形成され、それぞれ上下左右対称の位置に切り込まれる。なお、この角度Aの傾きは、通常45度の値を採用している。
【0049】
次に、
図4の(3)に示すように、横シール部分47の中央付近に対して切断カッター110による袋間を切り離す二つの直線切り込み44と45が形成される。この直線切り込み44と45は、上述した直線面取り切り込み43に重ね合わせながら、予め設定された寸法46の間隔が開けられた状態で袋間を二度切り切断するように形成される。
【0050】
この結果、
図4の(4)に示すように、個別スティック包装袋41が出来上がることになり、この個別スティック包装袋41の横シールカット部分の角は、
図1に示す面取りカッター109に設けられている45度の直線状の面取り加工(合わせて90度の加工)が成されている。
【0051】
このように、
図1に示す面取りカッター109は、従来の縦型多列自動包装機に配備されているノッチカッター装置の刃先を上下左右4つ配備し、且つこの刃先の角度をそれぞれ
図3(2)と
図4の(2)に示すように、連続ススティック包装体の長手方向外形枠に対して45度の傾きを持って構成することによって、容易に実施することができる。
【0052】
また、このような面取りカッター109は、具体的には当て切り式ノッチカッター装置若しくは回転式ノッチカッター装置を上記のように一部変更した機器構成にしたものである。
【0053】
同様に、
図1に示す切断カッター110は、従来の縦型多列自動包装機に配備されている切断カッター装置の刃先を上下二つ配備し、且つこの二つの刃先を
図3(3)と
図4の(3)のように、予め定められた寸法36の間隔を持って構成することによって、容易に実施することができる。
【0054】
また、このような切断カッター110は、具体的には押し切り式切断カッター装置若しくは挟み込み式切断カッター装置を上記のように一部変更した機器構成にしたものである。
【0055】
図5は、
図2で説明したロールタイプ自動包装機2によって造られる、袋幅の小さい連続三方タイプ包装体50における袋の四隅の角に相当する部分に対して予め設定された角度の切れ目を入れる面取りカッター210と、連続包装体における袋間を切り離す切れ目を入れる切断カッター211の動きを説明したカット動作概略図である。
【0056】
図5の(1)に示すように、袋幅52の連続三方タイプ包装体50には、
図2に示すロールタイプ自動包装機2によって平行する上下2本の横シール部分57が形成されている。この横シール部分57の左右の両端付近に対して
図5の(2)に示すように、
図2に示す面取りカッター210による四つの直線面取り切り込み部分53が各々略V字状に形成される。この面取り切り込み部分53は、連続三方タイプ包装体50・・・の長手方向外形枠に対して予め設定された角度Aの傾きを持って直線状に形成され、それぞれ上下左右対称の位置に切り込まれる。なお、この角度Aの傾きは、通常45度の値を採用しており、従って、各切り込み部分53は、略90度の直角形状をなしている。
【0057】
次に、
図5の(3)に示すように、横シール部分57の中央付近に対して
図2に示す切断カッター211による袋間を切り離す二つの直線切り込み線54と55が平行に形成される。この直線切り込み線54と55は、左右の直線面取り切り込み部分53,53に重ね合わせながら、予め設定された寸法56の間隔が開けられた状態で袋50と51の間を二度切り切断するように形成される。
【0058】
この結果、
図5の(4)に示すように、個別三方タイプ包装袋51が出来上がることになり、この個別包装袋51の横シールカット部分の角は、面取りカッター210に設けられている45度の直線状の面取り加工が成されている。
【0059】
図6は、
図2で説明した袋幅の大きい連続三方タイプ包装体における袋の四隅の角に相当する部分に対して予め設定された角度の切れ目を入れる面取りカッター210と、連続包装体における袋間を切り離す切れ目を入れる切断カッター211の動きを説明したカット動作概略図である。
【0060】
図6の(1)に示すように、袋幅62の連続三方タイプ包装体60には、ロールタイプ自動包装機2によって横シール部分67が形成されている。この横シール部分67の両端付近に対して
図6の(2)に示すように、面取りカッター210による四つの直線面取り切り込み部分63が形成される。この面取り切り込み部分63は、連続三方タイプ包装体60の長手方向外形枠に対して予め設定された角度Aの傾きを持って直線状に形成され、それぞれ上下左右対称の位置に切り込まれる。なお、この角度Aの傾きは、通常45度の値を採用している。
【0061】
次に、
図6の(3)に示すように、横シール部分67の中央付近に対して
図1に示す切断カッター211による袋間を切り離す二つの直線切り込み部分64と65が形成される。この直線切り込み部分64と65は、直線面取り切り込み部分の一部分、具体的には、略V字形状を成す切り込み部分63のV字の谷部分にに重ね合わせながら、予め設定された寸法66の間隔が開けられた状態で袋間を二度切り切断するように形成される。
【0062】
この結果、
図6の(4)に示すように、個別三方タイプ包装袋61が出来上がることになり、この個別包装袋61の横シールカット部分の角は、面取りカッター210に設けられている45度の直線状の面取り加工縁によって45度の面取り加工が成されている。
【0063】
このように、面取りカッター210は、従来のロールタイプ自動包装機に配備されているノッチカッター装置の刃先を上下左右4つ配備し、且つこの刃先の角度をそれぞれ
図5と
図6の(2)に示すように連続三方タイプ包装体の長手方向外形枠に対して45度の傾きを持って構成することによって、容易に実施することができる。
【0064】
また、このような面取りカッター210は、具体的には当て切り式ノッチカッター装置若しくは回転式ノッチカッター装置を上記のように一部変更した機器構成にしたものである。
【0065】
同様に、切断カッター211は、従来のロールタイプ自動包装機に配備されている切断カッター装置の刃先を上下二つ配備し、且つこれ等上下二つの刃先を
図5(3)と
図6の(3)のように間隔を持って構成することによって、容易に実施することができる。
【0066】
また、このような切断カッター211は、具体的には回転式切断カッター装置若しくは挟み込み式切断カッター装置を上記のように一部変更した機器構成にしたものである。
【0067】
図8は、
図2で示したロールタイプ自動包装機2に配備された面取りカッター210の詳細を示した上面図であり、
図9は、
図2で示したロールタイプ自動包装機2に配備された面取りカッター210の詳細を示した正面図であり、
図10は、
図2で示したロールタイプ自動包装機2に配備された面取りカッター210を拡大して示した左側面図である。
【0068】
図8乃至
図10に示すように、この面取りカッター210は、ダイカット方式で構成されており、正面側には連続包装袋FYの両端部分に対して所定の面取り切断を行う右面取り刃304を備えた右可動ダイカットロール300と、左面取り刃305を備えた左固定ダイカットロール301が回転可能に軸支されている。そして、この右可動ダイカットロール300を正面より見て連続包装袋FYの袋幅寸法に応じて左方向若しくは右方向に位置を変えるための螺動可変機構308が取り付けられている。
【0069】
一方、奥側にはこの可動ダイカットロール300と固定ダイカットロール301に相対するように右可動受けロール302と、左固定受けロール303が回転可能に軸支されている。また、この右可動受けロール302には右突起ピン306が取り付けられており、左固定受けロール303には左突起ピン307が取り付けられている。そして、この右可動受けロール302を正面より見て連続包装袋FYの袋幅寸法に応じて左方向若しくは右方向に位置を変えるための螺動可変機構309が取り付けられている。
【0070】
この右可動受けロール302の奥側下方には、右突起ピン306に突き刺さった状態で搬送された面取り片を引き剥がす右スクレイパー312と、この右スクレイパー312付近に配備された右回収パイプ310があり、同じく、この左固定受けロール303の奥側下方には、左突起ピン307に突き刺さった状態で搬送された面取り片を引き剥がす左スクレイパー313と、この左スクレイパー313付近に配備された左回収パイプ311がある。そして、この右スクレイパー312と右回収パイプ310の取り付けは、左右方向に位置を変えられる構造になっている。
【0071】
なお、上記右可動ダイカットロール300と左固定ダイカットロール301と螺動可変機構308が構成されているロール軸全体は、右可動受けロール302と左固定受けロール303と螺動可変機構309が構成されているロール軸全体に向かって互いに押圧されており、右面取り刃304と右受けロール302による右面取りダイカット切断及び左面取り刃305と左受けロール303による左面取りダイカット切断が可能な状態になっている。
【0072】
さらに、連続包装袋FYの袋幅寸法が変わった場合は、螺動可変機構308と螺動可変機構309の調節つまみを螺動回転させて右可動ダイカットロール300と右可動受けロール302の位置を左方向若しくは右方向に変えると共に、右スクレイパー312と右回収パイプ310の取り付け位置を左方向若しくは右方向に変えて連続包装袋FYの袋幅寸法に合わせている。
【0073】
続いて、上記面取りカッター装置210の動作を
図11乃至
図15を用いて説明する。
図11は、連続包装袋FYに対して左固定ダイカットロール301と左固定受けロール303を用いて面取り切断を行う前の状態を表した動作概略図である。
図11に示すように、連続包装袋FYが下方に向かって移動するのに合わせて左固定ダイカットロール301が反時計回りに回転しており、左固定受けロール303が時計回りに回転している。この状態では、左面取り刃305と左突起ピン307は図示の位置にあり、面取りダイカット切断前の位置関係である。
【0074】
図12は、連続包装袋FYに対して左固定ダイカットロール301と左固定受けロール303を用いて面取り切断を行っている状態を表した動作概略図である。
図12に示すように、連続包装袋FYの横シール部分に対して左固定ダイカットロール301の左面取り刃305と左固定受けロール303が押圧状態であり、ダイカット切断状態である。この時、左固定受けロール303に付設されている左突起ピン307は、ダイカット切断された面取り片FZを突き刺している。
【0075】
なお、この左面取り刃305内にはゴム等の柔軟部材が嵌め込まれており、左突起ピン307が面取り片FZを突き刺す際に、面取り片FZを裏から支えつつ、左突起ピン307が破損せずに面取り片FZを貫通できるようになっている。
【0076】
図13は、左固定ダイカットロール301と左固定受けロール303による面取りダイカット切断動作が終了し、切断された面取り片FZが左突起ピン307によって搬送されている状態を表した動作概略図である。
図13に示すように、切断された面取り片FZは、左突起ピン307に突き刺さった状態で左固定受けロール303の回転動作に合わせて左スクレイパー313に向かって搬送されている。
【0077】
なお、この面取り片FZの搬送動作の途中で面取り片FZが左突起ピン307から脱落するのを防ぐため、この左突起ピン307には返し刃が付設されており、確実に搬送動作を継続できるようになっている。
【0078】
図14は、左突起ピン307に突き刺さった状態の面取り片FZが左スクレイパー313によって引き剥がされている状態を表した動作概略図である。
図14に示すように、面取り片FZは、左固定受けロール303の回転動作によって左スクレイパー313に差し込まれ、左突起ピン307から引き剥がされている。
【0079】
図15は、左スクレイパー313によって左突起ピン307から面取り片FZが引き剥がされた後の状態を表した動作概略図である。
図15に示すように、面取り片FZは、左スクレイパー313によって左突起ピン307から完全に引き剥がされており、この左スクレイパー313近傍に配置された回収パイプ311によって、引き剥がされた面取り片FZは吸引回収されることになる。
【0080】
なお、この回収パイプ311には真空吸引装置が接続されており、面取り片FZの吸引回収動作を確実に実施できるようになっている。
【0081】
以上、
図11乃至
図15を用いて左固定ダイカットロール301と左固定受けロール303等に関する動作説明を行ったが、この動きと同時に右固定ダイカットロール300と右固定受けロール302等に関する動作も同じように進行しており、この結果、面取りカッター装置210は、連続包装袋FYの両端部分に対するダイカット方式の面取り切断を連続で実施できるようになっている。
【0082】
ここで、
図2で示したロールタイプ自動包装機2に配備された切断カッター211について説明する。切断カッター211は、
図8乃至
図15で説明した面取りカッター210と同じダイカット方式で構成されている。
【0083】
即ち、各包装袋間の横シール中央付近に対して上下切断のための二段切れ込み動作を行う切り離し刃を備えたダイカットロールと、このダイカットロールとの間で包装袋を挟み込んで切り離し切断を行う受けロールとで構成されており、この切断カッター211には、螺動可変機構が配備されていない。
【0084】
この切断カッターの切り離し刃を備えたダイカットロールと受けロールは、ロールタイプ自動包装機2において製造される三方タイプ包装体の最大袋幅寸法よりも充分大きいロール幅を有するため、上記構成で所定の二段切り離し動作を実施することができる。
【0085】
また、この切断カッター211には、
図8乃至
図15で説明した面取りカッター装置210と同じような部材が付設されている。即ち、切断カッター211の受けロールには、切断した切り離し片を突き刺して所定の回収パイプまで搬送するための突起ピンが付設され、切断カッター211の受けロール近傍には、切断した切り離し片を吸引回収する回収パイプが配置され、切断カッター211のダイカットロール刃には、受けロールの突起ピンが切り離し片を突き刺す際に破損せずに貫通できるようにゴム等の柔軟部材が嵌め込まれている。
【0086】
そして、切り離し片の回収パイプ付近には、切断カッター211の受けロールの突起ピンに突き刺さった切り離し片を引き剥がすスクレイパーが配備されており、
図8乃至
図15で説明した面取りカッター210と同じように切り離し片を確実に吸引回収しつつ、連続包装袋FYの横シール中央付近に対するダイカット方式の切り離し切断を連続で実施できるようになっている。
【0087】
なお、本発明の実施の形態は本発明を具現化するための一例を示したものであり、特許請求の範囲における発明特定事項とそれぞれ対応関係を有するが、これに限定されるものではなく本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変形を施すことができる。