(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記2個のパウチが、前記他方の面同士が相対するように、かつ、パウチの他方の面同士の距離よりもパウチの一方の面と外容器の内面との距離のほうが長くなるように平行に配置される、
請求項1〜3のいずれかに記載の二重エアゾール製品。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献2〜4の二重エアゾール製品は、落下などにより衝撃が加わると、外容器がアルミニウムなどの金属製である場合は外容器自体が凹みやすく製品として不良になり、さらに内容物を充填した膨れ上がった内容器またはパウチは筒状の連結部を軸にして左右に揺れることになり、連結部が曲がったり、折れたりすることがある。特に、連結部が破損して、パウチが落下したり、破損箇所から噴射剤が抜けると製品として使用できなくなるおそれがあった。
本発明は、バルブアッセンブリとパウチとを連結する筒状の連結部への負担を小さくし、全体としての耐久性を向上させた二重エアゾール製品を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の二重エアゾール製品は、合成樹脂製の外容器と、その内部に収納され、かつ、
それぞれ1枚あるいは複数枚のシートを折り曲げ、あるいは、接着して形成される相対する2つの面を有し、それら相対する面を前記外容器の軸方向とほぼ平行にして配置される
2個の平面状のパウチと、パウチと連結される
2個のバルブ
と、それらのバルブを外容器に取り付けるための合成樹脂製のバルブホルダーとを有し、外容器を密封するバルブアッセンブリと、
前記パウチに充填される
粘性を有する内容物と、前記外容器とパウチとの間の空間に充填される噴射剤とを備えており、前記バルブアッセンブリが、
前記バルブとパウチとを連結する筒状の連結部
材を有しており、内容物をパウチに充填してパウチを膨らませたとき、パウチの
外側の面が
膨らんで外容器の内面を押圧する
と共に、パウチの内側の面同士が互いに押圧するものであり、内容物を吐出する際に、前記噴射剤の圧力でパウチが外部から押圧されるものであり、その押圧により、パウチの上部あるいは下部から内容物が順に吸い上げられるものであり、その吸い上げにより、前記パウチが上から下あるいは下から上に順に萎むものであり、その萎みにより、パウチの面が上から下あるいは下から上に順に前記外容器の内面から離れるものであることを特徴としている。
ここで平面状のパウチとは、1枚あるいは複数枚のシートを折り曲げ、あるいは、接着して形成される少なくとも相対する2つの面を有するものであり、内容物を充填する前あるいは内容物の吐出後は、その2つの面の内面同士を当接させることができる、あるいは、折り畳むことにより当接させるように平面状にできるものを言う。
本発明の二重エアゾール製品であって
、それぞれの内容物をそれぞれのパウチに充填してパウチを膨らませたとき、パウチの一方の面が外容器の内面を押圧し、パウチの他方の面が少なくとも他のパウチを押圧しているものが好ましい。その場合、前記パウチの一方の面が外容器の内面を向き、他方の面が外容器の中心軸を向き、かつ、
2個のパウチが外容器の中心軸を中心に等間隔で配置されており、内容物を充填したときにパウチの一方の面に形成される膨らみ部が、外容器の内面と当接することによって変形しているものが好ましい。
特に
、2個のパウチが、前記他方の面同士が相対するように、かつ、パウチの他方の面同士の距離よりもパウチの一方の面と外容器の内面との距離のほうが長くなるように平行に配置されるのが好ましい
。
【0006】
本発明の二重エアゾール製品であって、パウチが、内容物を充填する前、外容器の内底面に支持されており、内容物を充填した後、外容器内で宙吊りとなり、連結部に支持されているものが好ましい。しかし、パウチが、内容物を充填する前後において、外容器の内底面に支持されていてもよい。
【発明の効果】
【0007】
本発明の二重エアゾール製品は、合成樹脂製の外容器と、その内部に収容される平面状のパウチと、パウチと連結されるバルブを有し、外容器を密封するバルブアッセンブリと、パウチに充填される内容物と、前記外容器とパウチとの間の空間に充填される噴射剤とを備えており、前記バルブアッセンブリが、バルブとパウチとを連結する筒状の連結部を有しており、内容物をパウチに充填してパウチを膨らませたとき、パウチの面が外容器の内面を押圧しているため、製品に外部から衝撃が加わっても、合成樹脂製の外容器で衝撃を吸収し、さらに、内容物が充填されたパウチは外容器内での揺れが抑制され、連結部にかかる負荷を小さくすることができる。また、パウチの面と外容器の内面との摩擦により当接面に対して垂直にかかる力に対しても揺れも抑制できる。そのため、製品の搬送や保管時、店頭での陳列時、消費者が使用するときなどで製品を落下して衝撃が加わっても、製品内部にあるパウチに連結された連結部の一番細い部位が曲がったり、折れたりすることがない。なお、内容物の充填量が小さくなると、パウチと外容器の内面との押圧は小さくなる、あるいは、パウチと外容器の内面とが離れ、パウチは揺れるが、パウチ内の内容物が小さいため、連結部を中心とした遠心力は大きくならない。そのため、使用後における連結部の破損等も最小限に留めることができる。
【0008】
このような二重エアゾール製品であって、パウチを複数個有し、それぞれの内容物をそれぞれのパウチに充填してパウチを膨らませたとき、パウチの一方の面が外容器の内面を押圧し、パウチの他方の面が少なくとも他のパウチを押圧している場合、外力が加わっても複数のパウチの揺れを防止でき、それぞれのパウチに連結された連結部への負荷を小さくすることができる。
また、複数のパウチを備えた二重エアゾール製品であって、前記パウチの一方の面が外容器の内面を向き、他方の面が外容器の中心軸を向き、かつ、複数のパウチが外容器の中心軸を中心に等間隔で配置されており、内容物を充填したときにパウチの一方の面に形成される膨らみ部が、外容器の内面と当接することによって変形している場合、複数のパウチは外容器内で一層安定して保持される。
またパウチを2個とした場合、外容器内にパウチを効率よく収容でき、パウチ内に充填する内容物の充填量を増やすことができる。
2個のパウチを有する二重エアゾール製品であって、前記他方の面同士が相対するように、かつ、パウチの他方の面同士の距離よりもパウチの一方の面と外容器の内面との距離
のほうが長くなるように平行に配置される場合、内容物を充填するとパウチの他方の面同士が先に当接して一方の面側に内容物が導入されて膨らみやすくなり、外容器と強く当接する。そのため、パウチの揺れ防止効果が高くなる。
1個のパウチを有する二重エアゾール製品であって、そのパウチの両面が外容器の内面を押圧している場合、そのパウチを外容器内で安定して収容できる。
【0009】
本発明の二重エアゾール製品であって、パウチが内容物を充填する前は、外容器の内底面に支持されており、内容物を充填した後は、外容器内で宙吊りとなり、連結部に支持されている場合、内容物の充填量が多いとき、パウチと外容器の内面との押圧によってパウチの揺れが抑えられ、内容物の充填量が小さいときもパウチが外容器の内底面に支持されてパウチの揺れが抑えられる。
一方、パウチが内容物を充填する前後において、外容器の内底面に支持されている場合、内容物の充填量に関わらずパウチの揺れが外容器の内底面との当接によっても抑制される。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1の2液吐出用の二重エアゾール製品10は、外容器11と、その内部に収容される2つのパウチ12と、その2つのパウチ12を連結し、外容器11を密封するバルブアッセンブリ13と、それぞれのパウチ12に充填される内容物A1および内容物A2と、外容器11とパウチ12との間に充填される噴射剤Pとを備えている。この二重エアゾール製品10は、2つのパウチ12が外容器11の中心軸を中心に対向にして配置されており、内容物が充填されたパウチ12の表面(外面)12aが外容器11の内面を押圧しながら当接しており、裏面(内面)12bが他方のパウチ12の裏面12bを押圧しながら当接しているため、2つのパウチ12は外容器11内で左右(
図1の左右方向)の揺れが抑制される。また、パウチ12の表面12aと外容器11の内面およびパウチ12の裏面12bと他のパウチ12の裏面12bの当接による摩擦で前後(
図1の表裏方向)の揺れも抑制される。
【0012】
外容器11は、筒状の胴部11a、テーパー状の肩部11b、円筒状の首部11cおよ
びその上端開口に肉厚のフランジ部11dを備えた耐圧容器である。この外容器11の首部11cとフランジ部11dは内面を共通しており、この内面11eが外容器11の開口部を構成する。
この外容器11は、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン、ポリプロピレンなどの合成樹脂から、例えば、有底筒状のパリソンを軸方向に伸ばしながら内部に空気を吹き込んで半径方向にも膨らます2軸延伸ブロー成形によって成形される。特に、透光性を有する合成樹脂材料を用いることが、パウチの形状や内容物の残量を視認する上で好ましい。このように外容器11を合成樹脂製とすることより、外力を受けたとき、金属製のものに比べてその衝撃を吸収し、衝撃のパウチへの伝達を小さくすることができる。
【0013】
パウチ12は、
図2aに示すように、2枚のシートを合わせ、その周囲を溶着などにより貼り合わせて形成され、相対する表面12aと裏面12bとを有する矩形で平面状のものである。そして、このパウチ12の上辺の中央部分は、貼り合わせず開口部としている。このパウチ12の開口部12cは、後述するバルブアッセンブリ13のエアゾールバルブの下端に連結された筒状の連結部材24に貼り合わせてバルブアッセンブリ13と連結される。これら2つのパウチ12は、外容器11の中心軸を中心にして対向して配置されている。この実施形態では、パウチ12を2枚のシートで構成しているが、1枚あるいは3枚以上のシートを貼り合わせたり、折ったりして構成してもよい。
パウチ12の長さは、内容物を充填する前、外容器11の内底面11gと当接するように構成されている(
図4c参照)。そして、内容物を充填することにより、平面状のパウチ12は膨らみ、それに伴い長さが短くなり、外容器11の内底面11gから離れる。つまり、内容物を充填した後、外容器内で宙吊りとなる。
パウチ12の幅Sは、外容器11の内径の90〜150%、特に、100〜130%で、25〜90mm、特に、30〜70mmとなっている。また、開口部の幅Tは、パウチ12の幅の5〜40%、特に、10〜30%で、5〜25mm、特に、8〜20mmとなっている。
【0014】
パウチ12は、上述したように内容物を充填する前は表面12aと裏面12bとが当接した平面状の袋タイプのものであるため、内容物を充填すると
図2bのように表面12aおよび裏面12bの中心に上下方向に延びる稜線(膨らみ部)12gを形成するようにして膨らむ。このパウチ12を外容器11内に収納すると、
図2cに示すように、パウチ12の表面12aの稜線を変形させるようにして外容器11の内面を押圧し、パウチ12の裏面12bの稜線を変形させるようにして他方のパウチ12の裏面12bを押圧する。つまり、内容物を充填したパウチ12は、外容器11の中心軸からずれているが、表裏面から力を受けて、外容器11内で左右方向に対して安定しており、それらの摩擦により前後方向に対しても安定している。
パウチ12のシートとしては、充填される内容物が透過あるいは侵食しないものが適宜選択される。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン、エバールなどの合成樹脂シート、合成樹脂シートにシリカやアルミナなど無機物を蒸着した蒸着樹脂シート、アルミニウムなどの金属箔シート、あるいは合成樹脂シート、蒸着樹脂シート、金属箔シートから選ばれる少なくとも2つのシートを積層した積層シートが挙げられる。充填する内容物によって、一方のパウチ12をアルミニウムなどの金属箔シートと合成樹脂シートを積層した樹脂/金属箔/樹脂シートで構成し、他方のパウチを合成樹脂シートから構成してもよい。
【0015】
バルブアッセンブリ13は、
図3aに示すように、2つのエアゾールバルブ21と、外容器11の開口部に挿入され、エアゾールバルブ21を保持するバルブホルダー22と、そのバルブホルダー22を外容器11に固定するマウンテンカバー23とを備えている。また、エアゾールバルブ21の下端には、エアゾールバルブ21とパウチ12とを連結する連結部材24が設けられている。
バルブアッセンブリ13は、2つのパウチ12を外容器11の中心軸を中心にして対向して連結し、それぞれのパウチ12と外気とを独立して連通するバルブを備え、外容器11を密封するものであれば、その構造は、特に限定されるものではない。
【0016】
エアゾールバルブ21は、筒状のハウジング26と、そのハウジング26内に上下動自在に挿入される筒状のステム27と、そのステム27の挿入を許し、ステムと共にハウジングの上部開口部を閉じるリング状のステムラバー28と、ステム27を常時上方に付勢するバネ29と、そのステム27、ステムラバー28、バネ29をハウジング26内に保持し、かつ、ハウジング26の上端開口部を閉じるようにしてハウジング26に固定されるカバーキャップ30を有している。このエアゾールバルブ21は、カバーキャップ30の側面をハウジング26の側面にカシメて固定されている。また、ハウジング26の外周面には、下方に向かって縮径した環状の段部がシール材26aによって形成されており、ハウジング26の下端には、筒状の連結部26bが形成されている。
ハウジング26、ステム27は、ポリアセタール、ナイロン、ポリブチレンテレフタレート等の合成樹脂から成形され、バネ29はステンレススチール等の金属から成形され、カバーキャップ30はアルミニウム等の金属板から成形される。
【0017】
バルブホルダー22は、外容器11の開口部の内面11eに沿って挿入される栓部31と、その上端に形成された半径方向外側に突出した係合フランジ部32と、その係合フランジ部32から上方に突出した蓋部33とを備えている。栓部31の外周には、O−リング35を保持する環状凹部31aが形成されている。係合フランジ部32は外容器11のフランジ部11dの上面に配置され、蓋部33は外容器11の上方に配置される。この二重エアゾール製品10では、外容器11とバルブアッセンブリ13との間をO−リング35で密封している。また、蓋部33の平面断面の外形が、2つのエアゾールバルブを結ぶ線と平行な線によって一部を切欠いた円となっている(
図3b参照)。
バルブホルダー22には、栓部31から蓋部33にかけて上下に貫通し、ハウジング26を収容して保持する2つの筒状のバルブ収容部36が形成されている。バルブ収容部36の内面には、エアゾールバルブのハウジングのシール材26aと係合する係合突起36aが環状にまたは放射状に形成されている。
このようなバルブホルダー22は、ポリアセタール、ナイロン、ポリブチレンテレフタレート等の合成樹脂から成形される。
【0018】
マウンテンカバー23は、バルブホルダー22の蓋部33を覆う円筒状のカバー部23aと、バルブホルダー22の係合フランジ部32と外容器11のフランジ部11dとを固定し、カバー部23aより大きい径の円筒状の固定部23bとを有する。また、カバー部23aの天面には、ステム27を通す挿通孔23cが形成されている。さらに、カバー部23aは、バルブホルダー22の蓋部33の形状と同様に、平面断面の外形が、一部を切欠いた円となっている(
図3b参照)。このように一部を切欠いた形状とすることにより、全体としての二重エアゾール製品10の向き(方向)が外見より認識することができる。それにより、切欠いた部位からいずれのパウチ12に内容物A1を充填したかをバルブアッセンブリから確認できる。
このようなマウンテンカバー23は、アルミニウム、ステンレススチール等の金属板から成形され、固定部23bの下端を外容器11のフランジ部11dの下面に対して折り曲げることでバルブアッセンブリ13を外容器11に固着することができる。
【0019】
連結部材24は、熱溶着や超音波溶着などによりパウチ12の開口部に挿入して固定される筒状の貼着部24aと、その貼着部24aの上方に同軸上に設けられ、エアゾールバルブ21のハウジング26の下端の連結部26bと連結される筒状のバルブ連結部24bと、貼着部24aとバルブ連結部24bとの間に、それらと同軸上に設けられた筒状の中間部24cとからなる。貼着部24aと中間部24cの中心孔は共通しており、この中心
孔にパウチ12内へ延びるディップチューブ25が装着されている。
このディップチューブ25には、
図1に示すように、下端開口部25aと上部側孔25bが形成されている。異なる高さに複数の開口を設けることにより、パウチが収縮することによって一方の開口が閉じても安定して内容物を取り出すことができ、内容物を最後まで取り出すことができる。下端開口部25aと、上部側孔25bの面積は実質的に同じとなっている。これにより、内容物は下端開口部25aおよび上部側孔25bから同じ量が吸い上げられる。
連結部材の中間部24cの径は、外容器の内径の3〜30%、特に、5〜20%であり、2〜15mm、特に、3〜10mmとなっている。
このような連結部材24はポリエチレンやポリプロピレンなどの合成樹脂の一体成形品である。
【0020】
内容物A1および内容物A2としては、異なる2種類の流体であれば特に限定されるものではない。しかし、好ましくは酸化染料を含有するアルカリ性の第1剤と、酸化剤を含有する酸性の第2剤とからなる2液式染毛剤などが挙げられる。そして、第1剤および第2剤の形態としては、クリームやゲルなどの粘性を有するものが挙げられる。
噴射剤としては、たとえば、窒素、炭酸ガス、圧縮空気などの圧縮ガス、液化石油ガス、ジメチルエーテル、ハイドロフルオロオレフィンなどの液化ガスなどが挙げられる。
【0021】
二重エアゾール製品10は、
図4に示すように、2つのパウチ12を装着したバルブアッセンブリ13を外容器11に固着し、2つのパウチ12にそれぞれ内容物A1および内容物A2を充填することにより、それぞれのパウチ12の表面12aは外容器11の内面を押圧するようにして当接し、それぞれのパウチ12の裏面12bは他方のパウチ12の裏面12bを押圧するようにして当接しているため、外容器11内において半径方向(左右前後方向)に対して安定している。そのため、例え外力が加わっても、バルブアッセンブリ13ないし外容器11とパウチ12とを連結している連結部材24には大きな力が加わることがない。
また、内容物A1および内容物A2を吐出することにより、パウチ12と外容器11の内面およびパウチ12同士の押圧力は小さくなったり、両者が離れたりする。しかし、パウチ12の膨らみが萎むことにより持ち上がっていたパウチ12の底部が下方に延びていき、最終的にはパウチ12の底部が外容器11の内底部11gと当接してパウチを支持する(
図4c参照)。
図4bのようにパウチ12と外容器11の内面とが離れ、かつ、パウチ12が外容器11内で吊られている状態であっても、パウチ12自身の重みが充分に小さくなるため、外力等が加わっても連結部材24には大きな力が加わることがない。なお、
図4bのようにパウチの裏面12b同士が当接してれば、パウチの揺れは小さくなり、一層連結部材24への負担が小さくなる。
【0022】
図5、
図6の二重エアゾール製品40a、40bは、
図1の二重エアゾール製品10とは異なり、パウチ12が上から下あるいは下から上の順に縮径(萎む)ものである。これによりパウチ12が外容器11の内面を押圧する状態が長くなり、使用途中でも連結部材24への負担が小さくなる。
図5の二重エアゾール製品40aは、ディップチューブ25の下端開口部25aの面積が上部側孔25bの面積より小さくなっている。他の構成は、
図1の二重エアゾール製品10と実質的に同じものである。このため、ディップチューブ25の上部側孔25bの方が、下端開口部25aより内容物を多く吸い上げる。そのため、パウチ12は上から下に向かって萎み(
図5b参照)、パウチ内の内容物の内容量がより小さくなるまでパウチ12の下部に外容器11の内面を押圧させることができる。そして、パウチ12の下部の内面が外容器11の内面から離れるあたりで、パウチ12の底部が外容器11の内底面11gと当接するため、使用前後において連結部材24への負担が小さい。
一方、
図6の二重エアゾール製品40bは、ディップチューブ25の下端開口部25a
の面積が上部側孔25bの面積より大きくなっている。他の構成は、
図1の二重エアゾール製品10と実質的に同じものである。このため、ディップチューブ25の下端開口部25aの方が、上部側孔25bより内容物を多く吸い上げる。そのため、パウチ12は下から上に向かって萎み、内容物の内容量がより小さくなるまでパウチ12の上部に外容器11の内面を押圧させることができる。そして、パウチ12の上部の内面が外容器11の内面から離れるあたりで、パウチ12の底部が外容器11の内底面11gと当接するため、使用前後において連結部材24への負担が小さい。
【0023】
図7aの二重エアゾール製品45は、内容物が充填される前後において、パウチ46の底部が外容器11の内底面11gと当接しているものである。つまり、パウチ46が常に外容器11の内底面11gに支持されたものである(
図7b、c参照)。他の構成は、
図1の二重エアゾール製品10と実質的に同じものである。
パウチ46は、下部に長さを吸収する折れ目46aが形成されている。このように構成することにより、パウチ46内に内容物を充填することにより、折れ目を延ばしながら膨らみ、内容物を充填した後でもパウチ46の底部が外容器11の内底面11gに支持させることができる。そして、内容物を吐出することにより、パウチ46の底部は下に伸びようとするが、折れ目46aがその伸びを吸収する。しかし、パウチ46は、平面状の袋タイプであるため、折れ目を予め作らなくても、パウチ46を外容器11内に押し込むようにして挿入することにより、パウチ46のいずれかの部位を折ってもよい。これにより、折れ目46aを形成する場合と同等の役割を奏する。
このような底部が常に外容器11の内底面11gと当接するパウチは、
図5,6のようにパウチを一定の方向に収縮させるディップチューブ25と一緒に採用することにより連結部材24の負担を一層小さくできる。
【0024】
図1〜
図7の二重エアゾール製品は、2つのパウチ12またはパウチ46を外容器11内に収容したものであったが、
図8のようにパウチ12を3以上収容させてもよい。
図8aのようにパウチ12を3つとした場合、パウチ12は、その表面12aが外容器11の内面を向き、その裏面12bが外容器11の中心軸を向いて配置され、かつ、3つのパウチ12は、その外容器11の中心軸を中心に等間隔で配置される。そして、パウチ12の表面12aに形成される稜線を変形させるようにして、外容器11の内面を押圧し、パウチ12の裏面の側縁がそれぞれ残りのパウチ12の裏面を押圧する。そのため、内容物を充填したパウチ12は、安定している。
図8bのようにパウチ12を4つとした場合、パウチ12は、その表面12aが外容器11の内面を向き、その裏面12bが外容器11の中心軸を向いて配置され、かつ、4つのパウチ12は、その外容器11の中心軸を中心に等間隔で配置される。そして、パウチ12の表面12aに形成される稜線を変形させるようにして、外容器11の内面を押圧し、パウチ12の裏面の側縁がそれぞれ他のパウチ12の裏面を押圧する。このようにして、パウチが4つの場合も、内容物を充填したパウチ12は、安定している。
【0025】
図9の二重エアゾール製品50は、外容器11と、その内部に収容される1つのパウチ51と、そのパウチ51を連結し、外容器11を密封するバルブアッセンブリ52と、パウチ51に充填される内容物Aと、外容器11とパウチ51との間に充填される噴射剤Pとを備えている。この二重エアゾール製品50は、内容物Aをパウチ51に充填してパウチ51を膨らませたとき、平面状のパウチの両面51aが外容器の内面を押圧しながら当接する。そのため、パウチ51の左右への揺れが抑制される。外容器11、内容物Aおよび噴射剤Pは、
図1の二重エアゾール製品10と実質的に同じものである。
パウチ51は、
図10に示すように、3枚のシートを用いたものであり、1枚の表裏用のシート55aを合わせ、その側辺を2枚の側面用シート55bで塞いだものである。内容物を充填する前は、側面用シート55bおよび底面は、半分に折られており、両面51aが当接するように平面状となっている。そして、内容物を充填することにより、膨らむ
ように構成されている。このパウチ51は底面を備えているため、内容物が少なくなっても安定している。また、このパウチ51は外容器11の凸状に形成された内底面11gと安定に当接させるため、底面に折目が形成されている。これにより、底面の2つの折り線58でパウチ51を支持することができる。また、このように底面を折り曲げることにより内容物が少なくても、折れ線(折目)の角度が鋭角に変形するだけで、底部全体が持ち上がることを防止できる。
このシート55aの上辺には、連結部材24が挿入される開口部が設けられている。この開口部は、
図1の二重エアゾール製品10と実質的に同じものである。パウチ51のシートとしては、
図1の二重エアゾール製品10のパウチ12と実質的に同じものが使用される。
また、パウチ51の長さは、内容物を充填する前後において、外容器11の内底面11gと当接するように構成されている。
パウチ51の幅Sは、外容器11の内径の90〜150%、特に、100〜130%で、25〜90mm、特に、30〜70mmとなっている。また、開口部の幅Tは、パウチ51の幅の5〜40%、特に、10〜30%で、5〜25mm、特に、8〜20mmとなっている。
【0026】
バルブアッセンブリ52は、バルブ機構56と、外容器11の開口部に挿入され、バルブ機構56を保持するバルブホルダー57と、そのバルブホルダー57を外容器11に固定するマウンテンカバー59とを備えている。また、バルブ機構56の下端には、バルブ機構56とパウチ51とを連結する連結部材24が設けられている。連結部材24は、
図1の二重エアゾール製品のものと実質的に同じものである。
バルブアッセンブリ52は、1つのパウチ51を外容器11に連結し、そのパウチ51と外気とを連通するバルブ機構56を備え、外容器11を密封するものであれば、その構造は、特に限定されるものではない。
バルブ機構56は、筒所のハウジング61と、そのハウジング61内に上下動自在に挿入される筒状のステム62と、そのステム62の挿入を許し、ステムと共にハウジングの上部開口部を閉じるリング状のステムラバー63と、ステム72を常時上方に付勢するバネ64とを有している。これらは、後述するバルブ機構56を保持するバルブホルダー57で固定されている。ハウジング61、ステム62、ステムラバー63およびバネ64は、
図1のエアゾールバルブ21のものと実質的に同じものである。
バルブホルダー57は、外容器11の開口部の内面11eに沿って挿入される栓部66と、その上端に形成された蓋部67とを備えている。栓部66の外周には、O−リング35を保持する環状凹部66aが形成されている。蓋部67の外周縁は、フランジとなっており、外容器11のフランジ部11dの上面に配置される。
一方、栓部66は、筒状であり、その内面でバルブ機構56のハウジング61を収容して保持する。また蓋部67の天面67aが、ステム62、ステムラバー63およびバネ64を抑えるようにして固定する。
【0027】
二重エアゾール製品50は、パウチ51を装着したバルブアッセンブリ52を外容器11に固着し、パウチ51に内容物Aを充填することにより、パウチ51の表裏用シート55aが外容器11の内面を押圧するようにして当接するため、パウチ51は外容器11内において半径方向(左右前後方向)に対して安定している。そのため、例え外力が加わっても、ハウジング61ないし外容器11とパウチ51とを連結している連結部材24には大きな力が加わることがない。
また、内容物Aを吐出することにより、パウチ51と外容器11の内面の押圧力は小さくなるが、パウチ51の底部は常時外容器11の内底面11gと当接して支持されているため、また、内容物がなくなりパウチ51の重さが小さくなるため、外力等が加わってもパウチ51の揺れを抑え、連結部材24への負担を小さくすることができる。