(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を好適な実施の形態をもとに図面を参照しながら説明する。各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、実施の形態は、発明を限定するものではなく例示であって、実施の形態に記述されるすべての特徴やその組み合わせは、必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。
【0012】
(実施形態1)
図1(A)は、実施形態1に係る車両用リアパネルの概略構造を示す正面図である。
図1(A)は、車両用リアパネル100が搭載された車両1を後方から見た状態を示している。
図1(B)は、
図1(A)におけるA−A線に沿った断面図である。本実施形態に係る車両用リアパネル100は、車両1の車体後部2に配置される樹脂製のパネルである。車両用リアパネル100は、例えばポリカーボネート樹脂製又はアクリル樹脂製である。本実施形態の車両用リアパネル100は、開閉可能なバックドアを構成しており、車体後部2の開口部4を塞いでいる。
【0013】
車両用リアパネル100は、バックドアアウターパネル102aと、バックドアインナーパネル102bと、リアウインドウ部104とを有する。以下では適宜、バックドアアウターパネル102a及びバックドアインナーパネル102bを、バックドアパネル102と総称する。バックドアパネル102は、開口を有する枠体であり、この開口にリアウインドウ部104が設けられている。リアウインドウ部104は、周縁部にパッキング等のシール材103が設けられており、シール材103を挟んでバックドアアウターパネル102aに固定されている。本実施形態のリアウインドウ部104は、ポリカーボネート樹脂やアクリル樹脂等の透明な樹脂材料で形成されている。リアウインドウ部104は、ドライバーの後方視認に利用可能な領域である。なお、車両用リアパネル100は、バックドアアウターパネル102a及び/又はバックドアインナーパネル102bと、リアウインドウ部104とが一体成形されていてもよい。この場合、例えば透明な樹脂材料で一枚のプレートが成形され、バックドアパネルとなるべき領域に着色が施されることで、バックドアアウターパネル102a及び/又はバックドアインナーパネル102bと、リアウインドウ部104とが一体成形された車両用リアパネル100を得ることができる。また、車両用リアパネル100は全体が透明であってもよく、この場合は車両用リアパネル100の全体がリアウインドウ部104を構成する。
【0014】
車体後部2の開口部4における周縁部の所定位置には、光源としての半導体発光素子6が設けられている。半導体発光素子6は、例えば、LED(発光ダイオード)、LD(レーザーダイオード)、有機または無機EL(エレクトロルミネセンス)等の発光素子で構成することができる。本実施形態では、半導体発光素子6は、開口部4を挟んで左右両側に、後述する光出射部108に対応して3個ずつ、上下方向に配列されている。各半導体発光素子6は、光出射面が車両後方を向くように配置されている。車両用リアパネル100は、半導体発光素子6から出射された光源光を車両用リアパネル100の延在方向に沿って導く導光部106と、導光部106内の光を車両後方に出射する光出射部108とを備える。導光部106及び光出射部108は、透光性を有する。本実施形態の導光部106及び光出射部108は、リアウインドウ部104に設けられている。さらに、本実施形態では、リアウインドウ部104の一部によって導光部106及び光出射部108が構成されている。導光部106及び光出射部108は、リアウインドウ部104の左右両側に3つずつ上下方向に配列され、それぞれ水平方向に延在している。なお、本実施形態の車両用リアパネル100によれば、導光部106及び光出射部108の延在領域を介してドライバーが車両後方を視認することができる、いわゆるシースルー構造とすることができる。
【0015】
導光部106は、一端が半導体発光素子6の近傍に配置され、他端が光出射部108の近傍に配置されている。導光部106の当該一端における車両前方側(車両内側、車室側)の面には、複数の光入射用ステップ110が形成されている。光入射用ステップ110は、半導体発光素子6から出射された光とリアウインドウ部104とが重なる領域に設けられており、光源光は光入射用ステップ110によって屈折させられ、導光部106の内部に取り込まれる。したがって、導光部106の一端が光入射部を構成している。導光部106内に取り込まれた光は、導光部106(言い換えればリアウインドウ部104)の車両内側面及び車両外側面(車両後方側面)において反射されながら、導光部106の内部を他端側に向けて進行し、光出射部108に到達する。光出射部108は、リアウインドウ部104の車両内側面に形成された複数の光出射用ステップ112を有する。光出射部108に到達した光は、光出射用ステップ112によって進行方向を車両後方に向けられ、光出射部108の車両外側面から車両後方に向けて出射される。なお、光出射部108のうち、半導体発光素子6により近い領域は、より遠い領域に光源光を進行させるライトガイド、すなわち導光部106として機能する。車両1の外側から見て、光出射部108の延在領域が発光部となる。
【0016】
本実施形態では、半導体発光素子6は赤色光を出射する。そして、導光部106及び光出射部108は、車両用標識灯としてのストップランプ及び/又はテールランプとして機能する。なお、半導体発光素子6がアンバー色光を出射し、導光部106及び光出射部108がターンシグナルランプとして機能してもよい。また、車両用リアパネル100が閉状態にある場合は、半導体発光素子6から出射された光が導光部106及び光出射部108を経て車両後方に照射されることで、車両用標識灯として機能する。一方、車両用リアパネル100が開状態にある場合は、半導体発光素子6から光が車両後方に直接照射されることで車両用標識灯として機能する。
【0017】
以上説明したように、本実施形態に係る車両用リアパネル100は、光源光を車両用リアパネル100の延在方向に沿って導く導光部106と、導光部106内の光を車両後方に出射する光出射部108とを備える。すなわち、本実施形態の車両用リアパネル100は、車両用灯具が一体的に設けられた構造を有する。これにより、新規な構造を有する車両用リアパネル100を提供することができる。また、本実施形態に係る車両用リアパネル100によれば、バックドアや車体への車両用灯具の取り付けに必要な構造及び部材を省略することができるため、車両用リアパネルあるいは車両の部品点数や組立工程数、製造コスト等を削減することができる。
【0018】
また、本実施形態では、リアウインドウ部104が樹脂製である。そのため、車両用リアパネル100のさらなる軽量化を図ることができる。また、バックドアアウターパネル102a及び/又はバックドアインナーパネル102bと、リアウインドウ部104とを一体成形可能となるため、車両用リアパネルの部品点数や組立工程数、製造コスト等をさらに削減することができる。また、リアウインドウ部104に容易に加工を施すことができるため、リアウインドウ部104に導光部106及び光出射部108を簡単に形成することができる。さらに、本実施形態では、導光部106及び光出射部108がリアウインドウ部104に設けられている。これにより、灯具レイアウトや車両デザインの自由度を高めることができ、また、車両用リアパネル100の意匠性を向上させることができる。また、導光部106の一端が車体に設けられた光源の近傍に配置され、他端が光出射部108の近傍に配置されている。これにより、車体後部2に配置された半導体発光素子6から光出射部108、すなわち発光部を離間させることができるため、灯具レイアウトや車両デザインの自由度、車両用リアパネル100の意匠性をさらに高めることができる。
【0019】
上述した実施形態1に係る車両用リアパネル100には、例えば以下に示す変形例1−7を挙げることができる。
【0020】
(変形例1)
図2(A)は、変形例1に係る車両用リアパネルの概略構造を示す正面図である。
図2(B)は、
図2(A)におけるB−B線に沿った断面図である。なお、
図2(A)では車体後部2の図示を省略している。変形例1に係る車両用リアパネル100は、光ファイバー等の導光部材によって導光部106が形成されている。例えば、ガスアシスト成形等により、導光部106を設けるべき領域に空洞部を有するリアウインドウ部104が形成される。そして、この空洞部に導光部材が挿入され、この導光部材によって導光部106が形成される。
【0021】
本変形例では、車両用リアパネル100の下方で水平方向に延びる導光部106aと、リアウインドウ部104の周縁部に沿って上方に延びて車両用リアパネル100の上部中央に到る導光部106bとが車両用リアパネル100に設けられている。導光部106aは、導光部材の表面にしぼ加工等の粗化処理が施されており、導光部106内の光がこの粗面で反射されて車両後方に照射される。したがって、導光部材は光出射部108aをも構成している。なお、リアウインドウ部104に設けられた空洞部自体を導光部106aとしてもよい。この場合、空洞部の輪郭をなすリアウインドウ部104の表面に粗化処理が施され、この粗面が光出射部108aを構成する。
【0022】
導光部106bは、一端が車体後部2(
図1(B)参照)に設けられた半導体発光素子6の近傍に配置され、他端が車両用リアパネル100の上部中央に設けられた光出射部108bの近傍に配置される。半導体発光素子6から出射された光は、導光部106内を通って光出射部108bに到達し、光出射部108bから車両後方に照射される。導光部106b及び光出射部108bは、ハイマウントストップランプとして機能することができる。
【0023】
(変形例2)
図3(A)は、変形例2に係る車両用リアパネルの概略構造を示す正面図である。
図3(B)は、
図3(A)におけるC−C線に沿った断面図である。
図3(C)は、
図3(A)及び
図3(B)におけるD−D線に沿った断面図である。なお、
図3(A)では車体後部2の図示を省略している。変形例2に係る車両用リアパネル100は、上部中央にハイマウントストップランプとして機能する導光部106及び光出射部108が設けられている。本変形例では、透明な円柱部材が導光部106及び光出射部108を構成している。この円柱部材は、リアウインドウ部104の車両内側面に一体成形され、車両左右方向に延在するように配置されている。円柱部材の車両内側面には、複数の光出射用ステップ112が形成されている。また、円柱部材の左右両端部には、円柱部材に向けて光が照射されるようにして半導体発光素子6が配置されている。半導体発光素子6は、カバー8aを有するヒートシンク8に取り付けられている。カバー8aは、導光部106及び光出射部108をなす円柱部材の車両前方側に配置されており、車両前方への光源光の進行を遮る遮光部として機能する。光出射部108から赤色光が照射される構造では、赤色光が車両前方側へ照射されると、歩行者や他車両のドライバー等に車両の前後方向を誤認させる原因となり得る。遮光部を設けることで、この誤認を回避することができる。
【0024】
ヒートシンク8は、ねじ等の締結部材9によってバックドアアウターパネル102aに取り付けられている。本変形例では、バックドアアウターパネル102aとリアウインドウ部104とが一体成形されている。例えば、2色成形等の成形法により、透明樹脂からなるパネル体と黒色等の有色樹脂からなる枠体とが一体となった一体成形品が得られる。この一体成形品における枠体が設けられた部分がバックドアアウターパネル102aとなり、それ以外の領域がリアウインドウ部104となる。
【0025】
(変形例3)
図4(A)は、変形例3に係る車両用リアパネルにおける発光部近傍の鉛直断面図である。変形例3に係る車両用リアパネル100は、リアウインドウアウター部104aと、リアウインドウインナー部104bと、これらの間に配置された中間部104cとが積層されてなるリアウインドウ部104を有する。リアウインドウアウター部104a、リアウインドウインナー部104b及び中間部104cは、透明樹脂で形成されている。また、中間部104cは、リアウインドウアウター部104a及びリアウインドウインナー部104bとは屈折率の異なる樹脂で形成されている。また、リアウインドウ部104は、車両前後方向に屈曲しており、光源光の進行方向と所定角度以上で交差する傾斜面部114を有する。
【0026】
半導体発光素子6は、リアウインドウ部104の一端側に配置されている。半導体発光素子6から出射された光は、リアウインドウ部104の側端面から中間部104cに入射される。中間部104cに入射した光は、リアウインドウアウター部104aと中間部104cとの界面、及びリアウインドウインナー部104bと中間部104cとの界面において反射されながら中間部104c内をリアウインドウ部104の延在方向に進行する。そして、傾斜面部114において進行方向を車両後方に向けられ、中間部104c及びリアウインドウアウター部104aを通過して車両後方に照射される。このように、リアウインドウ部104の屈曲部を光出射部108に利用しているため、車両用リアパネル100の構造を簡略化することができる。なお、中間部104cは、空洞すなわち空気層であってもよい。この場合、リアウインドウ部104に断熱性を持たせることができ、リアウインドウ部104の曇りや結露、凍結等の抑制や、デフォッガーの省略等を図ることができる。
【0027】
(変形例4)
図4(B)は、変形例4に係る車両用リアパネルの概略構造を示す正面図である。変形例4に係る車両用リアパネル100は、略U字形状の導光部材116がリアウインドウ部104に埋め込まれている。この導光部材116には光拡散粒子が混合されており、半導体発光素子6から出射された光を受けて均一に発光することができる。したがって、導光部材116が導光部106及び光出射部108を構成している。導光部材116は、両端部又は一方の端部から光源光が入射されて全体的に発光する。
【0028】
(変形例5)
図4(C)は、変形例5に係る車両用リアパネルの概略構造を示す正面図である。変形例5に係る車両用リアパネル100は、リング形状の導光部材118がリアウインドウ部104に埋め込まれている。この導光部材118には蛍光体が混合されており、半導体発光素子6から出射された光を受けて発光することができる。したがって、導光部材118が導光部106及び光出射部108を構成している。導光部材118は、半導体発光素子6との間にリアウインドウ部104が介在する位置に配置されており、半導体発光素子6から照射された光がリアウインドウ部104内を通過して導光部材118に到達し、全体的に発光する。例えば、半導体発光素子6が紫外光もしくは青色光を出射し、導光部材118の蛍光体により波長変換された光が車両後方に照射される。
【0029】
(変形例6)
図5(A)は、変形例6に係る車両用リアパネルの一部分の概略構造を示す斜視図である。
図5(B)は、
図5(A)におけるE−E線に沿った断面図である。なお、
図5(A)は、車両用リアパネル100を車両前方側から見た状態を示している。変形例6に係る車両用リアパネル100は、パネルの半導体発光素子6と対向する端面に、フレネルステップ120を有する。また、パネルの一方の主表面が切り欠かれて光出射用ステップ112が形成されている。フレネルステップ120が設けられた端面が、導光部106の一端に対応する。また、パネルの光出射用ステップ112が形成された領域が光出射部108に対応する。半導体発光素子6から放射状に出射された光は、フレネルステップ120によって平行光となって導光部106内を進行する。そして、光出射部108の光出射用ステップ112によって車両後方に向けて反射される。
【0030】
本変形例では、フレネルステップ120と光出射用ステップ112との組み合わせによって、光出射用ステップ112に到達した光の略全てが車両後方に照射される全反射ステップが形成されている。これにより、ドライバー側への光源光の照射を抑制することができる。また、フレネルステップ120が形成された端面と対向する車両用リアパネル100の端面には、光の抜けを防ぐための遮光膜122が設けられている。遮光膜122は、例えば有色の塗料を塗布して形成される。なお、
図5(A)では、半導体発光素子6、フレネルステップ120及び光出射用ステップ112が、それぞれ3つずつ水平方向に並んだ構造を示しているが、各部材の個数及び配置はこれに限定されない。
【0031】
(変形例7)
図5(C)は、変形例7に係る車両用リアパネルの一部分の概略構造を示す斜視図である。
図5(D)は、
図5(C)におけるF−F線に沿った断面図である。なお、
図5(C)は、車両用リアパネル100を車両前方側から見た状態を示している。変形例7に係る車両用リアパネル100は、第1パネル100aと、第1パネル100aよりも車両前方側に配置された第2パネル100bとが積層された構造を有する。第1パネル100a及び第2パネル100bのそれぞれには、変形例6と同様にフレネルステップ120、光出射用ステップ112a,112b、導光部106a,106b、光出射部108a,108b及び遮光膜122が設けられている。第1パネル100aに設けられた光出射用ステップ112aと、第2パネル100bに設けられた光出射用ステップ112bとは、パネルの主表面方向にずれて配置されている。これにより、視覚的な奥行き感、立体感を持たせることができる。
【0032】
なお、半導体発光素子6、フレネルステップ120及び光出射用ステップ112a,112bの個数及び配置は、
図5(C)に示されたものに限定されない。例えば光出射用ステップ112a及び光出射用ステップ112bのそれぞれに半導体発光素子6を配置し、それぞれ異なる色の光を照射するようにしてもよい。また、光出射用ステップ112a,112bをパネル主表面方向で重ね合わせて、光出射用ステップ112a,112bからの光照射を組み合わせてもよい。したがって、本変形例によれば、多種多様な灯具を構成することができる。
【0033】
(実施形態2)
実施形態2に係る車両用リアパネルは、車両前方への光源光の進行を遮る遮光部を備える。以下、実施形態1と異なる点を中心に、本実施形態に係る車両用リアパネルについて説明する。なお、実施形態1と同一の構成については同一の符号を付し、その構成と効果の説明及び図示は省略する。
【0034】
図6は、実施形態2に係る車両用リアパネルの概略構造を示す断面図である。本実施形態に係る車両用リアパネル100は、リアウインドウ部104の一部分によって導光部106及び光出射部108が形成されている。半導体発光素子6から出射された光は、導光部106の端部から導光部106内に入射される。導光部106内に入射した光は、導光部106内をリアウインドウ部104の延在方向に沿って導かれ、光出射部108に到達する。光出射部108には光出射用ステップ112が設けられており、光出射部108に到達した光は、光出射用ステップ112によって進行方向が車両後方に向けられる。そして、光源光は、光出射部108から車両後方に照射される。リアウインドウ部104の車両前方側には、透明材料で形成された支持プレート124が設けられている。支持プレート124の所定位置、本実施形態では、車両前方から見て光出射部108と重なる領域に、車両前方への光源光の進行を遮る遮光部としての液晶シャッター126が設けられている。
【0035】
液晶シャッター126は、半導体発光素子6が点灯している状態でオンとなって、光の透過量が低減される。特に、光出射部108から赤色光が照射される構造では、上述した車両前後方向の誤認を防ぐために、歩行者等が視認できない程度に略完全に遮光されることが好ましい。また、液晶シャッター126は、半導体発光素子6が消灯している状態でオフとなって、光の透過量が増大される。例えば、液晶シャッターは、半導体発光素子6の消灯時に透明になる。これにより、光出射部108が標識灯として機能しているときは車両前方へ光が照射されることを防ぐことができ、光出射部108が標識灯として機能していないときは、光出射部108を介してドライバーが車両後方を視認することが可能なシースルー構造とすることができる。
【0036】
(実施形態3)
実施形態3に係る車両用リアパネルは、リアウインドウ部の屈曲部に導光部及び光出射部が設けられている。以下、実施形態1と異なる点を中心に、本実施形態に係る車両用リアパネルについて説明する。なお、実施形態1と同一の構成については同一の符号を付し、その構成と効果の説明及び図示は省略する。
【0037】
図7(A)は、実施形態3に係る車両用リアパネルが搭載された車両における車両後部の概略構造を示す側面図である。
図7(B)は、リアウインドウ部の屈曲部近傍の構造の概略構造を示す鉛直断面図である。
図7(C)は、実施形態3に係る車両用リアパネルの概略構造を示す正面図である。実施形態3に係る車両用リアパネル100は、第1リアウインドウ部104dと、第2リアウインドウ部104eとで構成されるリアウインドウ部104を有する。第1リアウインドウ部104dは、車体後部2において車両前方側から車両後方側へ向けて徐々に車高が低くなるように所定の角度で傾斜している。第2リアウインドウ部104eは、第1リアウインドウ部104dの車両後方側の端部から第1リアウインドウ部104dよりも急傾斜で延在している。本実施形態では、第2リアウインドウ部104eは、第1リアウインドウ部104dの車両後方側の端部から、鉛直方向下方に延在している。なお、第2リアウインドウ部104eは、第1リアウインドウ部104dよりも急傾斜で車両後方に延在してもよいし、車両前方側に折り返されていてもよい。第1リアウインドウ部104dと第2リアウインドウ部104eとの接続部は、屈曲部104fを構成している。屈曲部104fは、ドライバーから見て景色が不連続となる領域である。
【0038】
導光部106及び光出射部108は、屈曲部104fに設けられている。本実施形態では、屈曲部104fが車幅方向に延在し、屈曲部104f内に、光出射用ステップ112が設けられた円柱形状の導光部材(光ファイバー等)が埋め込まれて、導光部106及び光出射部108が形成されている。したがって、導光部106及び光出射部108は、車幅方向に延在している。また、車体後部2における、屈曲部104fの左右両端部の近傍に、半導体発光素子6が設けられている。これらの半導体発光素子6から出射された光は、導光部106により屈曲部104fの中心側に導かれるとともに、光出射部108から車両後方に照射される。なお、半導体発光素子6は、屈曲部104fの一端側のみに設けられてもよい。光出射部108の車両前方側には、遮光部128が設けられている。本実施形態に係る車両用リアパネル100では、ドライバーによる車両後方の視認に利用されにくい屈曲部104fを、導光部106及び光出射部108の設置領域に利用している。これにより、導光部106及び光出射部108をリアウインドウ部104に設けたことによる、ドライバーの後方視認性の低下を抑制することができる。
【0039】
(実施形態4)
実施形態4に係る車両用リアパネルは、導光部及び光出射部の構成が異なる。以下、実施形態1と異なる点を中心に、本実施形態に係る車両用リアパネルについて説明する。なお、実施形態1と同一の構成については同一の符号を付し、その構成と効果の説明及び図示は省略する。
【0040】
図8(A)は、実施形態4に係る車両用リアパネルの概略構造を示す正面図である。
図8(B)は、車両用リアパネルの発光部近傍の概略構造を示す正面図である。
図8(C)は、
図8(A)におけるG−G線に沿った断面図である。実施形態4に係る車両用リアパネル100は、リアウインドウ部104の下方かつリアウインドウ部104から離間した位置に、光ファイバー等の円筒形状の導光部材が配置されており、この導光部材によって導光部106が構成されている。また、導光部106は、車両1の車幅方向に延在しており、その左右両端部近傍に、半導体発光素子6が配置されている。導光部106の下面には、複数の光出射用ステップ130が設けられている。また、導光部106の車両前方側の面には、複数の光出射用ステップ132が設けられている。
【0041】
半導体発光素子6から出射された光は、導光部106の端面から入射して、導光部106内を車幅方向に進行する。そして、光出射用ステップ130によって進行方向が上方に向けられて、導光部106から出射される。導光部106とリアウインドウ部104との間に介在するリアパネル部分は透明であり、したがって、導光部106から上方に出射された光は、リアウインドウ部104に到達する。また、導光部106内の光の一部は、光出射用ステップ132によって進行方向が車両後方に向けられて、導光部106から車両後方に照射される。したがって、導光部106を構成する導光部材は、光出射部108をも構成している。
【0042】
リアウインドウ部104の車両前方側の面には、複数の光出射用ステップ112が形成されている。本実施形態では、リアウインドウ部104の厚さを段階的に薄くすることで形成される段差部分によって、光出射用ステップ112が形成されている。また、本実施形態では、リアウインドウ部104の左右両側かつ下方領域において、車幅方向に延在する、すなわち導光部106と平行に延びる光出射用ステップ112が上下方向に3本ずつ配列されている。リアウインドウ部104における光出射用ステップ112が設けられた領域が、光出射部108を構成している。光出射用ステップ130によって導光部106から上方に出射された光は、リアウインドウ部104内を上方に進行し、各光出射部108に到達する。各光出射部108に到達した光は、光出射用ステップ112によって進行方向を車両後方に向けられ、各光出射部108から車両後方に照射される。
【0043】
本実施形態では、半導体発光素子6の光、すなわち点状の光が、導光部106を通過することで線状の光に変換される。そして、線状の光が光出射部108から車両後方に照射される。そのため、光出射部108で構成される線状の発光部を、より均一に発光させることができる。なお、導光部106は、左右に2分割されていてもよい。また、光出射部108の個数や形状、配置等は特に限定されない。例えば、光出射部108は、文字や図形等の形状であってもよい。
【0044】
上述した実施形態4に係る車両用リアパネル100では、リアウインドウ部104の厚さを段階的に薄くすることで形成される段差部分を、光出射用ステップ112としている。しかしながら、車両用リアパネル100の構造はこれに限定されず、例えば以下に示す変形例8に係る構造であってもよい。
【0045】
(変形例8)
図9は、変形例8に係る車両用リアパネルの発光部近傍の概略構造を示す鉛直断面図である。変形例8に係る車両用リアパネル100では、リアウインドウ部104の車両前方側の面が切り欠かれて光出射用ステップ112が形成されている。この場合、導光部106から上方に照射された光は、下方に位置する光出射用ステップ112において、一部が車両後方側に反射されるが、残りは光出射用ステップ112を通過してさらに上方に進出する。この上方に進んだ光は、上方に位置する光出射用ステップ112において、車両後方側に反射される。これにより、車両前方側への光の漏れを抑制することができる。また、本変形例では、導光部106がリアウインドウ部104の内部に埋め込まれている。また、導光部106の車両前方側の領域には、車体後部2が配置されている。
【0046】
(実施形態5)
実施形態5に係る車両用リアパネルは、導光部及び光出射部として機能するプリズム部を有する。以下、実施形態1と異なる点を中心に、本実施形態に係る車両用リアパネルについて説明する。なお、実施形態1と同一の構成については同一の符号を付し、その構成と効果の説明及び図示は省略する。
【0047】
図10(A)は、実施形態5に係る車両用リアパネルの発光部近傍の概略構造を示す鉛直断面図である。実施形態5に係る車両用リアパネル100は、リアウインドウ部104の車両前方側の面に、車両前方側に突出するプリズム部134が一体成形で設けられている。プリズム部134は、略水平方向に延在する下面134aと、下面134aの車両前方側の端部から車両後方側に向けて斜め上に延在する傾斜面134bとを有する。半導体発光素子6は、プリズム部134の下方で、光出射面を上方に向けて、例えば車体後部(図示せず)に固定されている。半導体発光素子6とプリズム部134との間には、レンズ136が設けられている。半導体発光素子6から出射された光は、レンズ136により平行光となって、下面134aからプリズム部134内に入射する。プリズム部134内に入射した光は、傾斜面134bによって進行方向を車両後方に向けられて、リアウインドウ部104の車両後方側面から車両後方に向けられて出射される。したがって、プリズム部134が導光部106及び光出射部108を構成している。
【0048】
本実施形態に係る車両用リアパネル100では、リアウインドウ部104が樹脂材料で形成されている。そのため、プリズム部134を簡単に設けることができる。また、レンズ136とプリズム部134との組み合わせによって、全反射ステップが形成されている。これにより、ドライバー側への光源光の照射を抑制することができる。また、半導体発光素子6は、車体側に設けられているため、リアウインドウ部104等への配線の形成を回避することができる。
【0049】
上述した実施形態5に係る車両用リアパネル100には、以下の変形例9,10を挙げることができる。
【0050】
(変形例9)
図10(B)は、変形例9に係る車両用リアパネルの発光部近傍の概略構造を示す鉛直断面図である。変形例9に係る車両用リアパネル100では、プリズム部134の下方に反射鏡138が設けられている。プリズム部134は、例えばバックドアパネル102の車両前方側の面に固定されている。また、半導体発光素子6が光出射面を車両後方に向けて配置されている。反射鏡138は、半導体発光素子6の車両後方側に配置されており、半導体発光素子6から出射された光を上方に反射するように、半導体発光素子6との位置関係が定められている。半導体発光素子6から車両後方に向けて出射された光は、反射鏡138によって上方に反射され、プリズム部134に入射する。そして、プリズム部134によって、車両後方に照射される。反射鏡138は、半導体発光素子6から出射された光を車両用リアパネル100の延在方向に沿ってプリズム部134に導いており、したがって導光部106の一部を構成している。
【0051】
車両用リアパネル100が閉状態にあるときは、光源光は反射鏡138及びプリズム部134を経て車両後方に照射され、車両用リアパネル100が開状態にあるときは、光源光は半導体発光素子6から直接車両後方に照射される。なお、車両用リアパネル100が閉状態にあるときは、半導体発光素子6の出力を増大させてもよい。
【0052】
(変形例10)
図10(C)は、変形例10に係る車両用リアパネルの発光部近傍の概略構造を示す鉛直断面図である。変形例10に係る車両用リアパネル100は、リアウインドウ部104の車両前方側の面に、車両前方側に突出する導光部106が一体成形で設けられている。導光部106は、略水平方向に延在する下面106cと、下面106cの車両前方側の端部から車両後方側に向けて延在する湾曲面106dとを有する。半導体発光素子6は、光出射面を上方に向けて下面106cに固定されている。湾曲面106dは、半導体発光素子6を焦点とする回転放物面を基準面とした形状を有する。湾曲面106dには、アルミニウム等の金属を蒸着してなる金属皮膜140が設けられている。
【0053】
半導体発光素子6から出射された光は、下面106cから導光部106内に入射する。導光部106内に入射した光は、導光部106内部をリアウインドウ部104の延在方向に沿って進行し、湾曲面106dによって進行方向を車両後方に向けられる。また、金属皮膜140により車両後方側に反射される。そして、リアウインドウ部104の車両後方側面から車両後方に向けられて出射される。したがって、湾曲面106d及び金属皮膜140は、光出射部108を構成している。また、金属皮膜140によって車両前方側への光源光の進行を遮ることができるため、金属皮膜140は遮光部をも構成している。
【0054】
(実施形態6)
実施形態6に係る車両用リアパネルは、光出射部として機能する凸部(ドット)を有する。以下、実施形態1と異なる点を中心に、本実施形態に係る車両用リアパネルについて説明する。なお、実施形態1と同一の構成については同一の符号を付し、その構成と効果の説明及び図示は省略する。
【0055】
図11(A)は、実施形態6に係る車両用リアパネルの発光部近傍の概略構造を示す背面図である。
図11(A)は、車両用リアパネル100を車両前方側から見た状態を示している。また、バックドアパネルの図示を省略している。
図11(B)は、
図11(A)におけるH−H線に沿った断面図である。
図11(C)は、凸部の拡大断面図である。
【0056】
実施形態6に係る車両用リアパネル100は、樹脂製のリアウインドウ部104の車両前方側の面に、車両前方側に突出する複数の凸部142が設けられている。凸部142は、リアウインドウ部104に一体成形されている。リアウインドウ部104の凸部142が設けられた領域が光出射部108を構成している。また、半導体発光素子6が、リアウインドウ部104の端面と対向するように配置されている。凸部142と半導体発光素子6との間に介在するリアウインドウ部分は、導光部106を構成している。半導体発光素子6から出射された光は、リアウインドウ部104の端面から導光部106内に入射する。導光部106内に入射した光は、導光部106の車両内側面及び車両外側面において反射されながら導光部106の内部を進行し、光出射部108に到達する。
【0057】
光出射部108に到達した光は、凸部142の内面によって進行方向を車両後方に向けられ、光出射部108の車両外側面から車両後方に出射される。凸部142の車両前方側の面には、凸部142から車両前方への光の漏れを防ぐための遮光膜144が設けられている。遮光膜144は、例えば黒色等の有色塗料が塗布されてなる皮膜や、金属蒸着で形成された反射膜等である。凸部142の個数、配置領域、密度等は、光出射部108におけるドライバーの後方視認性を阻害しないように設定することができる。また、凸部142を文字や図形の形状を描くように配列することで、リアウインドウ部104にメーカーロゴやエンブレム等の形状を浮かび上がらせることができる。なお、
図11(A)−
図11(C)では、略半球形状の凸部142を図示しているが、凸部142の形状はこれに限定されない。例えば、エンブレムの形状を浮かび上がらせる場合、凸部142は、エンブレムの図形に合わせて連続する線状、すなわち、シリンドリカル形状であってもよい。
【0058】
(実施形態7)
実施形態7に係る車両用リアパネルは、光出射部として機能する点刻を有する。以下、実施形態1と異なる点を中心に、本実施形態に係る車両用リアパネルについて説明する。なお、実施形態1と同一の構成については同一の符号を付し、その構成と効果の説明及び図示は省略する。
【0059】
図12(A)は、実施形態7に係る車両用リアパネルの概略構造を示す正面図である。
図12(B)は、
図12(A)におけるI−I線に沿った断面図である。なお、
図12(A)では、バックドアパネルの図示を省略している。実施形態7に係る車両用リアパネル100は、樹脂製のリアウインドウ部104の車両前方側の面に、複数の点刻146が設けられている。リアウインドウ部104の点刻146が設けられた領域が光出射部108を構成している。また、半導体発光素子6が、リアウインドウ部104の端面と対向するように配置されている。点刻146と半導体発光素子6との間に介在するリアウインドウ部分は、導光部106を構成している。点刻146は、文字や図形の形状を描くように配置されている。
【0060】
半導体発光素子6から出射された光は、リアウインドウ部104の端面から導光部106内に入射する。導光部106内に入射した光は、導光部106の車両内側面及び車両外側面において反射されながら導光部106の内部を進行し、光出射部108に到達する。光出射部108に到達した光は、点刻146によって進行方向を車両後方に向けられ、光出射部108の車両外側面から車両後方に出射される。これにより、点刻146で描かれた文字や図形等をリアウインドウ部104に浮かび上がらせることができる。なお、点刻146の個数、配置領域、密度等は、光出射部108におけるドライバーの後方視認性を阻害しないように設定することができる。また、点刻146の車両前方側に遮光部を設けてもよい。
【0061】
(実施形態8)
実施形態8に係る車両用リアパネルは、デフォッガー用溝部がリアウインドウ部に設けられている。以下、実施形態1と異なる点を中心に、本実施形態に係る車両用リアパネルについて説明する。なお、実施形態1と同一の構成については同一の符号を付し、その構成と効果の説明及び図示は省略する。
【0062】
図13(A)は、実施形態8に係る車両用リアパネルの概略構造を示す正面図である。
図13(B)は、
図13(A)におけるJ−J線に沿った断面図である。実施形態8に係る車両用リアパネル100は、樹脂製のリアウインドウ部104の車両前方側の面に、デフォッガー形成用の溝部150が設けられている。溝部150は、例えばV溝である。そして、溝部150にアルミニウムや銀等の金属材料が充填されてデフォッガー152(熱線)が形成されている。リアウインドウ部104の溝部150が設けられた領域が光出射部108を構成している。また、半導体発光素子6が、リアウインドウ部104の端面と対向するように配置されている。溝部150と半導体発光素子6との間に介在するリアウインドウ部分は、導光部106を構成している。
【0063】
半導体発光素子6から出射された光は、リアウインドウ部104の端面から導光部106内に入射する。導光部106内に入射した光は、導光部106の車両内側面及び車両外側面において反射されながら導光部106の内部を進行し、光出射部108に到達する。光出射部108に到達した光は、溝部150によって進行方向を車両後方に向けられ、光出射部108の車両外側面から車両後方に出射される。この構成では、デフォッガー用の溝部150及びデフォッガー152を、光源光を車両後方に照射するための光学部材(反射部材)として利用することができる。また、リアウインドウ部104に溝部150が設けられているため、デフォッガー塗料の液だれ等を防ぐことができるため、簡単にデフォッガー152を形成することができる。
【0064】
(実施形態9)
実施形態9に係る車両用リアパネルは、光源と、リアウインドウ部をバックドアパネル部に取り付けるための構造とがリアウインドウ部の遮光領域に設けられている。以下、実施形態1と異なる点を中心に、本実施形態に係る車両用リアパネルについて説明する。なお、実施形態1と同一の構成については同一の符号を付し、その構成と効果の説明及び図示は省略する。
【0065】
図14(A)は、実施形態9に係る車両用リアパネルのリアウインドウ部の概略構造を示す背面図である。
図14(B)は、
図14(A)におけるK−K線に沿った断面図である。なお、
図14(A)では、リアウインドウ部104の車幅方向半分を図示している。図示が省略されている部分は、図示されている部分と線対称の形状を有する。また、
図14(B)では、リアウインドウ部104がバックドアパネルに取り付けられた状態を示している。
【0066】
実施形態9に係る車両用リアパネル100のリアウインドウ部104は、それぞれ樹脂製のリアウインドウアウター部104aとリアウインドウインナー部104bとを有する。リアウインドウアウター部104aは、透明な樹脂材料で形成されており、下端部に半導体発光素子6の収容空間153を備える。収容空間153には、半導体発光素子6が光出斜面を上方に向けて収容されている。リアウインドウアウター部104aの車両前方側の面の所定位置には、複数の光出射用ステップ112が形成されている。そして、リアウインドウ部104の光出射用ステップ112が設けられた領域が光出射部108を構成している。また、収容空間153の上面153a(天井面)から光出射部108までのリアウインドウ部分が導光部106を構成している。
【0067】
半導体発光素子6から出射された光は、上面153aから導光部106内に入射する。導光部106内に入射した光は、導光部106の車両内側面及び車両外側面において反射されながら導光部106の内部を進行し、光出射部108に到達する。光出射部108に到達した光は、光出射用ステップ112によって進行方向を車両後方に向けられ、光出射部108の車両外側面から車両後方に出射される。
【0068】
リアウインドウインナー部104bは、リアウインドウアウター部104aの車両前方側に配置されてリアウインドウアウター部104aに取り付けられている。リアウインドウインナー部104bは、遮光部104b1と、透光部104b2とを有する。遮光部104b1は有色の樹脂材料で形成されており、収容空間153を含むリアウインドウアウター部104aの周縁部と、車両前後方向で重なるように配置されている。これにより、半導体発光素子6から出射された光の車両前方への漏れを抑制することができる。透光部104b2は、透明であり、リアウインドウアウター部104aの周縁部を除く領域と、車両前後方向で重なるように配置されている。ドライバーは、透光部104b2及びリアウインドウアウター部104aを介して、車両後方を視認することができる。例えば、2色成形等により、遮光部104bと透光部104b2とが一体成形されたリアウインドウインナー部104bを形成することができる。
【0069】
遮光部104b1には、スタッドボルト等の取付部154が設けられている。リアウインドウ部104は、取付部154を介してバックドアインナーパネル102bに取り付けることができる。また、遮光部104b1には、半導体発光素子6に電力を供給するための給電部156が設けられている。このように、本実施形態では、半導体発光素子6を隠蔽する遮光部104b1を、取付部154や給電部156の設置場所として利用している。そのため、取付部154や給電部156を配置する領域を別途設ける必要がなく、ドライバーの後方視認領域を確保しながら、リアウインドウ部104の大型化を回避することができる。
【0070】
本発明は、上述の各実施形態及び各変形例に限定されるものではなく、各実施形態及び各変形例を組み合わせたり、当業者の知識に基づいて各種の設計変更などの変形を加えることも可能であり、そのような組み合わせられ、もしくは変形が加えられた実施形態や変形例も本発明の範囲に含まれる。上述の各実施形態や各変形例の組み合わせ、及び上述の各実施形態や各変形例と以下の変形との組合せによって生じる新たな実施形態は、組み合わされる実施形態、変形例及び変形それぞれの効果をあわせもつ。
【0071】
上述の各実施形態及び各変形例において、導光部106及び光出射部108は、リアウインドウ部104ではなく、バックドアパネル102を含む車両用リアパネル100の他の領域に設けられてもよい。また、樹脂製のパネルに導光部と光出射部とを設けた構造、さらには樹脂製のウインドウ部に導光部と光出射部とを設けた構造は、車両用リアパネルだけでなく、車両のサイドパネル、ルーフパネル、フロントパネル等にも適用することができる。上述の各実施形態及び各変形例において、「透明」とは、光透過性(透光性)を有することを示し、無色透明の他、有色透明を含む。