(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6134498
(24)【登録日】2017年4月28日
(45)【発行日】2017年5月24日
(54)【発明の名称】エネルギー貯蔵手段を備える発電装置およびこのタイプの装置のため制御プロセス
(51)【国際特許分類】
H02J 3/30 20060101AFI20170515BHJP
H02P 9/04 20060101ALI20170515BHJP
H02J 3/32 20060101ALI20170515BHJP
H02J 9/06 20060101ALI20170515BHJP
【FI】
H02J3/30
H02P9/04 F
H02J3/32
H02J9/06
【請求項の数】20
【外国語出願】
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2012-248900(P2012-248900)
(22)【出願日】2012年11月13日
(65)【公開番号】特開2013-110956(P2013-110956A)
(43)【公開日】2013年6月6日
【審査請求日】2015年11月10日
(31)【優先権主張番号】11306522.1
(32)【優先日】2011年11月18日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】510020974
【氏名又は名称】ジーイー・エナジー・プロダクツ・フランス・エスエヌセー
(74)【代理人】
【識別番号】100137545
【弁理士】
【氏名又は名称】荒川 聡志
(74)【代理人】
【識別番号】100105588
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 博
(74)【代理人】
【識別番号】100129779
【弁理士】
【氏名又は名称】黒川 俊久
(74)【代理人】
【識別番号】100113974
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 拓人
(72)【発明者】
【氏名】エジオ・ペナ
(72)【発明者】
【氏名】ジャン−ルイ・ヴィノロ
(72)【発明者】
【氏名】ジャン−マルク・アングレムー
(72)【発明者】
【氏名】ラウル・ジェイ・チラー
(72)【発明者】
【氏名】フレドリック・シェヴァリエー
(72)【発明者】
【氏名】アーヴ・ビエルマン
(72)【発明者】
【氏名】マキシム・ブケー
(72)【発明者】
【氏名】ジュリアン・ギュオー
【審査官】
坂本 聡生
(56)【参考文献】
【文献】
特開2002−135979(JP,A)
【文献】
特開2002−345149(JP,A)
【文献】
特表2002−510957(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 3/00−5/00
9/06
15/00
H02P 9/00−9/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
発電装置であって、
ガスタービン、蒸気タービン又は複合サイクルタイプの発電ユニット(1)であって、発電機に結合しているとともに配電ネットワーク(Res)に結合した発電ユニット(1)と、
運動エネルギー及び電気エネルギーを貯蔵するためのエネルギー貯蔵ユニット(2)であって、前記配電ネットワークに接続可能なエネルギー貯蔵ユニット(2)と、
待機発電ユニットと、
前記エネルギー貯蔵ユニットの動作を管理するとともに、前記エネルギー貯蔵ユニットと前記発電ユニット及び前記ネットワークとの接続を管理するためのコントローラ(3)であって、前記ネットワーク、前記エネルギー貯蔵ユニット、前記発電ユニット及びネットワーク事業者からの一連の情報(I1、I2、I3、I4)を受け取って、前記エネルギー貯蔵ユニットから前記ネットワーク及び当該発電装置の補助システムに送られる電気の生産を制御するためのコントローラ(3)と、
を備え、
前記エネルギー貯蔵ユニットから前記ネットワークに送られるエネルギーが、配電ネットワーク事業者によって通知されたエネルギー需要と前記発電ユニットによって供給されるエネルギーとの差であり、
前記ネットワークに送られるエネルギーが前記ガスタービン及び前記蒸気タービンの慣性によって制限される、
発電装置。
【請求項2】
前記コントローラが、前記エネルギー貯蔵ユニットで利用可能なエネルギーに基づいて、当該発電装置で利用可能な1次予備容量のレベルを調整するように構成されている、請求項1に記載の発電装置。
【請求項3】
前記コントローラが、前記ネットワーク事業者からの要求に応じて、前記エネルギー貯蔵ユニット(2)から前記ネットワークへの電気の供給を制御するように構成されている、請求項1又は請求項2に記載の発電装置。
【請求項4】
前記コントローラが、前記ネットワーク事業者の要求により、前記エネルギー貯蔵ユニットで利用可能なエネルギーに従って、前記ネットワーク上の周波数制御に関与するように構成されている、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の発電装置。
【請求項5】
前記コントローラが、所定の期間電圧降下した場合に、前記エネルギー貯蔵ユニット(2)から当該発電装置の補助システムへの電気の供給を制御するように構成されている、請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の発電装置。
【請求項6】
前記発電ユニットが、ガスタービン又は蒸気タービンに結合した発電機を備えており、
前記コントローラが、前記発電ユニットの遮断時に、前記発電ユニットの軸線の慣性によって前記エネルギー貯蔵ユニットの充電を開始するように構成されている、
請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の発電装置。
【請求項7】
前記コントローラ(3)が、前記エネルギー貯蔵ユニットで利用可能なエネルギーから前記ネットワークに送るべき有効電力及び/又は無効電力のレベルを調整するように構成されている、請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の発電装置。
【請求項8】
前記エネルギー貯蔵ユニットが、モータに接続された少なくとも1つのフライホイール及び/又は一連のバッテリを備える、請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の発電装置。
【請求項9】
当該発電装置が、関連する電力用電子部品に接続された一連の補助電源であって、充電されたフライホイールの回転を維持するように構成された一連の補助電源をさらに備える、請求項8に記載の発電装置。
【請求項10】
前記補助電源が、バッテリ電源又は再生可能エネルギー型電源である、請求項9に記載の発電装置。
【請求項11】
前記エネルギー貯蔵ユニットが、前記エネルギー貯蔵ユニットにおける電流、電圧及び周波数を調整するための電力用電子部品を備える、請求項1乃至請求項10のいずれか1項に記載の発電装置。
【請求項12】
ガスタービン、蒸気タービン又は複合サイクルタイプの発電ユニット(1)であって発電機に結合しているとともに配電ネットワーク(Res)に結合した発電ユニット(1)と、エネルギー貯蔵ユニット(2)と、前記エネルギー貯蔵ユニットの動作を管理するとともに、前記エネルギー貯蔵ユニットと前記発電ユニット及び前記ネットワークとの接続を管理するためのコントローラ(3)とを備える発電装置のための制御方法であって、当該方法が、
前記ネットワーク、前記エネルギー貯蔵ユニット及び前記発電ユニットから一連の情報(I1、I2、I3、I4)を受け取るステップと、
前記一連の情報に基づいて、前記エネルギー貯蔵ユニットから前記ネットワーク及び前記発電装置の補助システムに送られる電気の生成を制御するステップと、
様々な機能を連続して実行するために前記エネルギー貯蔵ユニットを制御するステップと、
ネットワーク事業者からの要求に応じて、前記エネルギー貯蔵ユニットから前記ネットワークへの電気の供給を制御するステップと、
2つの機能間で最適な充電状態を維持するステップと、
を含み、
前記エネルギー貯蔵ユニットから前記ネットワークに送られるエネルギーが、配電ネットワーク事業者によって通知されたエネルギー需要と前記発電ユニットによって供給されるエネルギーとの差であり、
前記ネットワークに送られるエネルギーが前記ガスタービン及び前記蒸気タービンの慣性によって制限される、
方法。
【請求項13】
前記エネルギー貯蔵ユニットで利用可能なエネルギーに基づいて前記発電装置で利用可能な1次予備容量のレベルを調整するステップをさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
ネットワーク事業者の要求により、前記エネルギー貯蔵ユニットで利用可能なエネルギーを使用してネットワーク周波数を調整するステップをさらに含む、請求項12又は請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記エネルギー貯蔵ユニットが、前記発電ユニットの遮断フェーズ中に、前記発電ユニットにおける軸線の慣性によって充電される、請求項12乃至請求項14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
前記エネルギー貯蔵ユニットが、前記発電装置の始動を支援し、前記ネットワークの電流需要を制限するように構成されている、請求項12乃至請求項15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
前記エネルギー貯蔵ユニットが、前記発電装置の補助システムにエネルギーを供給することによって前記発電ユニットの遮断を支援するように構成されている、請求項12乃至請求項16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
前記ネットワークにおける電圧降下を検出して、検出された電圧降下に応じて前記エネルギー貯蔵ユニットから前記発電装置の補助システムにエネルギーを供給するステップをさらに含む、請求項12乃至請求項17のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
前記ネットワークの電圧を維持するために、前記ネットワークで所定の期間電圧降下が検出されたときに前記エネルギー貯蔵ユニットから前記発電装置の補助システムにエネルギーを供給するステップをさらに含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記エネルギー貯蔵ユニットで利用可能なエネルギーを使用して前記ネットワークに送られる有効電力及び/又は無効電力のレベルを調整するステップをさらに含む、請求項12乃至請求項19のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、発電装置に関し、具体的には、ガスタービンおよび蒸気タービンを組み合わせて使用し、電気を生産するための発電機を駆動する、ガスタービンまたは複合サイクル発電所に関する。
【背景技術】
【0002】
既存の発電装置は、一般に、伝送システムおよび配電システムによって電気を供給する、大規模な水力発電所、原子力発電所または化石燃料を燃やす発電所の使用を伴う。
【0003】
数多くの国々によって設定されたCO
2の排出削減目標により、再生可能エネルギーによる発電の割合が増加することになり、この割合は、例えば、2020年までにドイツで35%およびフランスで20%に達するであろう。効率の改善に加えて、従来の電力供給設備は、それらが最適に動作するためにより大きな柔軟性および応答性を示すことが求められ、風力タービン、太陽熱発電所などのより幅広い様々の間欠性の電源、および他の設備、例えば波力、地熱またはバイオマス発電所などに対処する必要があるであろう。この多様性、および関連する生産源の数が増加することによって、ネットワークの管理および配電システムに対して少なからぬ課題が引き起こされる。
【0004】
既存の電力生産設備および配電ネットワークは、これらの変化に対処するようには設計されておらず、その結果、この目的のための大幅な投資がない状態では、長期にこれらの新しい要求事項を達成するには不向きである。
【0005】
このレベルでの再生可能エネルギーからの電力生産は、配電システムおよびネットワークの複雑さを増加させ、結果として、注意深く管理する必要があるエネルギー供給状態が変動することになる。高度な制御がない状態では、配電システムが非効率に動作するか、または頻繁に外乱に見舞われるという危険がある。
【0006】
電気供給業者および配電システム事業者の観点からすると、可能性のある解決策は以下の通りである。
【0007】
− 従来の発電所の柔軟性の増大。
【0008】
− 需要のピークをずらし、より多くの再生可能エネルギー源の組み込みを可能とする手段として、すべてのレベルで使用するために設計されたエネルギー貯蔵技術の導入。
【0009】
− 供給における変動に対処し、効率を改善し、システムの運用を最適化する手段として、より柔軟な分配方法の導入。
【0010】
− いかなる外乱にも対抗する手段として、高効率の予測システム、監視システム、および制御システムの導入。
【0011】
電源および配電ネットワークの計画された変更に続いて起こりがちな外乱は、結果として、停電(電源遮断)、すなわち発電所の故障、配電システム(電気伝送線路または変電所)に対する損傷、または電気ネットワーク上の短絡もしくは過負荷に関連した、所与のゾーン内の短期または長期の電源喪失となる可能性がある。
【0012】
具体的には、「停電」、またはネットワーク故障は、公安、病院、下水処理場、鉱山などにとって特に重要な問題である。また、通信システムなどの他の重要なシステムは、非常用電源を備えなければならない。この理由で、装置は待機発電機を備えており、この待機発電機は、電力供給が中断した場合に自動的に立ち上がる。
【0013】
ガスタービン、蒸気タービンまたは複合サイクルタイプの発電所に近接した電気ネットワーク上で故障が発生すると、外乱が発生する可能性があり、もしくは関係のある発電所が遮断することにさえなる。
【0014】
さらに、発電所は、モータモードで動作する発電機を使用して、タービン速度の急速な立ち上げを開始するために、さらに発電所の補助システムに電力を供給するためにネットワークから電気を取り出す。また、これらの発電所は、数秒間の微小停電に対処するために、または確実に定期休転が完了するように、電池またはディーゼルエンジンなどの待機電源設備を備えなければならず、適用される場合は、ネットワークが喪失した場合に再始動する。
【0015】
ネットワーク全体にわたって分布するエネルギー貯蔵設備は、周波数変動を調整するために、需要を満たすための電力供給の迅速な調節をするために、再生可能エネルギー源を使用して発電所による生産レベルの大きな変動に対応するために、および停電後に待機電力を供給するために使用することができる。
【0016】
周波数制御の機能も、ネットワーク上の周波数偏移を低減するように意図されている。周波数偏移は、電力供給と電力需要との間の不均衡に起因し、この不均衡は、システムの通常動作中に、またはさらに生産が失われるなどの事故に対していつでも発生する可能性がある。ヨーロッパでは、公称周波数は50.00Hzに設定されている。最小の瞬時周波数は49.2Hzに設定され、最大の瞬時周波数は50.8Hzに設定されている。これは、公称周波数における最大の許容可能な動的偏移である800mHzの周波数偏移に相当する(ENTSO−E 2009年)。実際には、瞬時周波数範囲は、もっと広く、46Hzから52.5Hzまでの範囲に及ぶ。
【0017】
3つのレベルの周波数制御、すなわち1次制御、2次制御、および3次制御がある。
【0018】
定格動作条件の下では、発電所は、1次周波数制御応答のための予備容量を維持することが要求される。ヨーロッパでは、この予備容量は各国間で変わりうる。例えば、この予備容量は、フランスでは+/−2.5%、およびスペインでは+/−1.5%である。
【0019】
公称周波数からの偏移が200mHzを超える前に、30秒の時間間隔以内で、1次予備容量の配備が始められ、最大15分間持続する。
【0020】
したがって、エネルギー貯蔵手段も、連続使用で、および素早い応答能力で、周波数制御に寄与する手段として使用することができる。
【0021】
最後に、無効電力を制御することによって、いかなる電圧と電流の位相差も調整することが必要である。巻線を組み込んだシステム負荷には磁化作用があり、無効電力を生成することになる。無効電力は、全く仕事を生み出さないが、有効電力(充電可能な容量)とベクトル的に組み合わされ、ネットワーク上で循環する全エネルギーを規定し、また装置の寸法決めに影響する皮相電力を構成する。力率の最適化によって、ネットワーク損失を低減し、有効電力フローを最大化し(または装置の寸法を低減し)、安定性を高めることが可能である。ここでもやはり、エネルギー貯蔵手段をこの位相差の調整に使用することができる。
【0022】
また、貯蔵手段は、発電所の始動に必要なエネルギー源を供給すること(容量におけるピークの吸収など)ができ、病院、データ処理センターおよび原子力発電所の予備システムによって要求される連続供給に有害なあらゆる微小停電を防ぐことができる。
【0023】
運動エネルギーまたはフライホイール貯蔵手段は、この状況において適用される。機械的なバッテリに相当するこれらのシステムは、モータ/発電機に接続されて、毎分、数万回の回転速度にまでなるフライホイール(炭素繊維、他の複合材料、鋼などの)の回転を伴う。これらのシステムは、任意の所与の時刻においてネットワーク上の電気のいかなる余剰/不足も、フライホイールマスの加速/減速によって回収される運動エネルギー(E
k)の形態で蓄積/解放することができる。蓄積された/解放されたエネルギーは、次式で与えられる。
【0024】
E
k=J・ω
2/2
式中、Jは、慣性モーメント(kg.m
2を単位とする)であり、ωは、角速度(rad.s
-1を単位とする)である。
【0025】
摩擦損を防ぐために、これらの貯蔵システムは、磁気軸受によって担持され、真空ハウジング内に封入される。また、この貯蔵システムは、ネットワークに注入される/ネットワークから抽出される信号を制御するために、具体的には、力率(cosφ)を制御するために、整流器とインバータの組合せなどの電力用電子機器を備えている。
【0026】
この技術は、他の用途のなかでもとりわけ、周波数制御のために、無停電電源を提供するための解決策として、オンボードシステムでのエネルギー供給の最適化のために、および電力分配、航空宇宙、自動車両(ブレーキから運動エネルギーを回収するため)、鉄道産業など分野で使用される。
【0027】
これらの貯蔵システムは、1秒未満の応答時間、約20年の耐用年数を有し、保全をほとんど必要としないため、電力分配および電力ネットワークの安定性の関連で、極めて有利である。さらに、バッテリと異なり、これらの貯蔵システムは、「メモリ効果」がなく、温度変化に敏感でなく、充電状態の正確な評価が可能である。最後に、これらの貯蔵システムは、リサイクルと無関係で、特別な動作上の予防措置を必要としない。
【0028】
現在、参考として、市場に流通しているこのタイプのいくつかのデバイスは、95%を超える機械効率および85%の総合効率(完全な充電/放電サイクルに対して)を有する。一部のデバイスは、25kWhの貯蔵容量を実現し、250kWの瞬間的な容量を送出し、150,000回以上の完全な充電/放電サイクルに耐えることができる。
【0029】
電力供給における中断を防ぎ、周波数および電力を制御するための様々なタイプのシステムは、従来技術から知られている。
【0030】
この点に関しては、消費におけるピークに対処し、稼働中の中断を防ぐための様々なタイプの供給システムについて記載する文献EP1900074およびEP1866717を参照することができる。
【0031】
具体的には、文献EP1866717は、微小ネットワークの使用を推奨しており、この微小ネットワークは、外乱に応答してネットワークに接続することができる1つまたは複数の電力生産源、および1つまたは複数の独自のシステム負荷を備える。
【0032】
文献US2005−0035744、EP1656722、EP359027、US5256907、WO2002−44555、US4001666、およびJP2003−274562は、フライホイールの使用について記載する。
【0033】
また、文献US2004−0263116を参照することができ、本文献は、需要サイドの容量管理のためのインテリジェントなエネルギー分配/貯蔵システムについて記載する。使用地点または生産地点近くでエネルギーを貯蔵するための装置が使用される。文献JP2003−339118は、風力タービン、光起電力発電ユニット、エネルギー貯蔵ユニット、フライホイールおよび充電ユニットで構成された分散エネルギー供給システムについて記載する。
【0034】
上記を考慮して、本発明は、上記で言及した欠点に対抗する、ガスタービンまたは複合サイクルタイプの発電所用の制御プロセスを提案する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0035】
ガスタービン/蒸気タービンまたは複合サイクル発電所は、電気を直接生成する。しかし、始動中に、発電所は、モータモードにおける発電機へ電力を供給するために(ガスタービンの場合)、ならびに多くがモータ駆動ポンプユニットおよびモータ駆動ファン、バルブなどで構成される電力潤滑システム、燃料供給システム、冷却システム、加熱および凝縮器排出システムに電力を供給するのに必要な補助システムに電力を供給するために、ネットワークからの電気に依存する。
【0036】
これらの設備は、ネットワークが失われた場合またはネットワークが故障した場合に備えて、余剰電源を備えなければならない。
【0037】
上記したように、ガスタービン/蒸気タービン発電所および複合サイクル発電などの発電所を確実に運転または遮断する数多くの電力貯蔵手段が、現在利用可能である。これらの手段は、ネットワークまたは発電所が故障した場合に、荷重伝達するために、ポンプ、ファンまたはキャビネットへ電源を供給するために、ならびにバッテリに対して低電圧および中電圧を供給するために使用することができる。
【0038】
ネットワーク故障、または「停電」の場合には、h.v.およびm.v.の補助システムが、適用される場合は、安全モードで軸線の遮断および/または発電機の始動を完了できるようにする待機発電手段を設けなければならない。
【0039】
典型的には、これらの手段は、ディーゼルエンジンからなり、その一部は、冗長であり、始動に備えておくため、常時、予備加熱および予備潤滑された状態に維持されなければならない。さらに、安全対策として、これらのエンジンは、定期的な始動テストを受けなければならない。
【0040】
これらの貯蔵設備および生産設備の取得、据え付け、供給および調節ための投資は、単に突発的な使用にのみ支配されるとすれば、相当なものになる。
【0041】
さらに、バッテリの劣化が各充放電サイクル(ヒステリシス)に関係するとすれば、一般に、バッテリの時間とともに進行する劣化が想定される。
【0042】
さらなる問題は、これらの貯蔵手段および生産手段の応答時間であり、この応答時間が制限されることによって、ネットワークおよび発電所に対する関係のある故障の影響が制約されることになる。
【課題を解決するための手段】
【0043】
本発明の態様の1つによれば、本発明は、以下の機能を提供するためにフライホイールタイプのエネルギー貯蔵手段を使用して、発電装置およびこのタイプの装置のための制御プロセスを提案する。
【0044】
− 周波数制御および電圧制御(定常状態および過渡状態の下で)。
【0045】
− ネットワークの微小停電への対処。
【0046】
− 停電に備えて、関係する貯蔵手段の最適な充電状態の維持。
【0047】
− 発電所の遮断を支援するために機械的な形態で蓄積されたエネルギーの使用(軸体の速度超過現象の抑制を含む)。
【0048】
− ネットワーク故障が長引く場合の発電所の始動に対する支援。
【0049】
− 再生可能エネルギーからの電力の生成手段である様々な電力用電子部品によって、およびフライホイールエネルギー貯蔵手段によって生成される高調波の受動的または能動的補償。
【0050】
上記に照らして、本発明の目的は、上記の特性を有する、ネットワークに接続された発電所の応答性、柔軟性、および動作信頼性の改善である。
【0051】
より具体的には、本発明の目的は、電気エネルギー貯蔵手段を組み込んだ配電ネットワークへ接続するために設計された発電手段を備える発電装置である。
【0052】
また、この装置は、発電手段およびネットワークを最大限に活用するために、エネルギー貯蔵手段の動作を管理するための、ならびに前記貯蔵手段を前記発電手段および/または前記ネットワークへ接続するためのコントローラを備える。コントローラは、エネルギー貯蔵手段からネットワークおよび装置の補助システムへ送出される電気の生産を制御するために、ネットワーク、エネルギー貯蔵手段、発電手段、およびネットワーク事業者に由来する一連の情報を受け取る。
【0053】
したがって、コントローラは、ネットワークから情報(電圧、周波数、有効電力または無効電力の増加もしくは減少の要求)を受け取ることができ、それゆえ、確実に数多くの機能を順次実行し、一方でこれら機能のそれぞれを実行するための先験的な最適の充電レベル(部分的または最大の)を維持するために、エネルギー貯蔵手段の充放電を管理する手段を備える。
【0054】
貯蔵手段を組み込むことによって、ガスタービンの始動と関連する電流需要のピークに応答するための支援資源として、この貯蔵手段を使用することができる。貯蔵手段によって、定格容量の低減が可能となり、または始動に必要な発電機セットの余剰をなくすことさえ可能となるであろう。
【0055】
始動するとすぐに、負荷需要が、補助システムの始動によって生成される。エネルギー貯蔵手段によって、有効電力に対する需要の平準化が図れる。この場合、コントローラは、負荷需要のピークとピークの間でエネルギー貯蔵手段を確実に最大限充電しなければならず、これによって、始動システムを、負荷需要のピークによって決められる応答能力よりも低い名目上の応答能力を有する大きさにすることができる。例えば、始動システムは、一定の傾斜を有する線形の電力特性に従って大きさを決めることができる。
【0056】
また、コントローラは、しきい値を下回わってネットワーク電圧または発電所電圧が突然低下することを検出することができ、このしきい値未満では補助システムは、もはや正確に動作しない。
【0057】
この装置のさらなる特徴によると、コントローラは、エネルギー貯蔵手段における利用可能なエネルギーに基づいて、装置における利用可能な1次予備容量のレベルを調整することができる。
【0058】
さらなる特徴によると、コントローラは、ネットワーク事業者による要求に応じて、エネルギー貯蔵手段からネットワークへの電気の供給を制御することができる。
【0059】
コントローラは、ネットワーク事業者の要求により、およびエネルギー貯蔵手段における利用可能なエネルギーに従って、ネットワーク上の周波数制御に向けて寄与をすることができる。
【0060】
また、コントローラは、所定の期間、電圧降下が持続した場合に、エネルギー貯蔵手段から発電所の補助システムへの電気の供給を制御することができる。
【0061】
例えば、発電手段がガスタービンまたは蒸気タービンに接続された発電機で構成される場合、コントローラは、発電手段が運転停止すると、発電手段内の軸線の慣性によってエネルギー貯蔵手段の充電を開始することができる。
【0062】
一実施形態では、コントローラは、エネルギー貯蔵手段において利用可能なエネルギーからネットワークに送出される有効および/または無効電力のレベルを調整することができる。
【0063】
例えば、エネルギー貯蔵手段は、モータ/発電機に接続された少なくとも1つのフライホイールおよび/または一連のバッテリの組合せを備える。
【0064】
フライホイールの回転を維持するために、例えば、関連する電力用電子部品に接続され、充電されたフライホイールの回転を維持することが可能な、バッテリまたは再生可能エネルギータイプの一連の補助電源を使用することができる。
【0065】
例えば、エネルギー貯蔵手段は、貯蔵手段における電流、電圧および周波数を調整するための電力用電子部品を備える。
【0066】
また、本発明の目的は、配電ネットワークへの接続のために設計された発電手段を備えており、電気エネルギー貯蔵手段と、エネルギー貯蔵手段の動作管理ならびに前記発電手段および前記ネットワークへの貯蔵手段の接続のためのコントローラとを備える、発電装置のための制御プロセスを含む。
【0067】
このプロセスの一特徴によると、ネットワークおよび装置の補助システムへ送出するための電気の生成は、エネルギー貯蔵手段を参照することによって、ならびにネットワーク、エネルギー貯蔵手段および発電手段に由来する一連の情報を参照することによって制御され、貯蔵手段は、様々な機能を順次実行するために制御され、2つの機能間で充電状態を最適に維持する。
【0068】
一実現様式において、装置において利用可能な1次予備容量のレベルは、エネルギー貯蔵手段において利用可能なエネルギーに基づいて調整される。
【0069】
貯蔵手段によってネットワークに送出されるエネルギーは、配電ネットワーク事業者によって通知されたエネルギー需要と、ガスタービンおよび蒸気タービンの慣性によって制限される、発電手段によって供給されるエネルギーとの差で構成されるのが有利である。
【0070】
例えば、ネットワーク周波数は、エネルギー貯蔵手段において利用可能なエネルギーを使用して、配電ネットワーク事業者の要求で調整される。
【0071】
一実現様式において、発電手段は、ガスタービンまたは蒸気タービンに接続された発電機で構成され、エネルギー貯蔵手段は、発電手段の運転停止フェーズ中に、発電手段内の軸線の慣性によって充電される。
【0072】
エネルギー貯蔵手段は、装置の始動を支援できることが好ましく、それによって、ネットワークまたは発電機セットに関する、さらにはネットワーク故障に対するいかなる電流需要も抑制する。
【0073】
例えば、エネルギー貯蔵手段は、発電手段の補助システムへ電力を供給することによって発電手段の運転停止を支援することができる。
【0074】
さらなる実現様式によると、コントローラは、ネットワークにおける電圧降下についての情報を検出し/受け取り、エネルギー貯蔵手段から発電所の補助システムに電気を供給する。
【0075】
ネットワーク上の電圧を維持することに寄与することが可能であり、ネットワーク上で所定の期間、電圧降下が持続する場合に、エネルギー貯蔵手段から発電所の補助システムに電気が供給される。
【0076】
また、エネルギー貯蔵手段における利用可能なエネルギーを使用して、ネットワークに送出される有効電力および/または無効電力のレベルを調整することが可能である。
【0077】
本発明のさらなる目的、特徴および利点は、添付の図面を参照して、単なる例示によって、限定することなく提供される以下の説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【
図1】本発明による電気エネルギー貯蔵手段を備えた、発電装置の概略図である。
【
図2】周波数制御を支援するためにエネルギー需要を満たすためのコントローラの動作の概略図である。
【
図3】装置の始動と関連する電流消費の急激な立ち上がりを示すカーブである。
【
図4】本発明による、電気生産のための追加のシステムを使用する、発電装置の別の実施形態を示す図である。
【
図5】周波数および電圧制御の例を示す概略図である。
【
図6】コントローラによって適用される制御原理、および貯蔵設備の管理のために適用される原理を示す体系図である。
【発明を実施するための形態】
【0079】
はじめに、
図1を参照して、本発明による発電装置のアーキテクチャについて説明する。
【0080】
ガスタービンまたは複合サイクル発電所の一部を概略的に表している
図1に示されるように、このタイプの発電装置は、発電機に結合され、変圧器Tを介して配電ネットワークResに接続される、発電ユニット1、例えばガスタービンを備える。
【0081】
発電所の通常の動作中は、発電ユニットは、ネットワークに電力を送出する。始動中、発電機はモータモードで機能し、タービンを駆動するためにネットワークから電気を取り出す。
【0082】
また、装置は、補助的な機能を実行するため様々なタイプの補助システムAux、具体的にはモータ駆動の潤滑ポンプおよびモータ駆動の冷却ファン、タービン燃料供給システム、一連のバルブなどを備えている。
【0083】
また、装置は、運動エネルギーの形態でエネルギーを貯蔵するための手段2(運動エネルギー貯蔵システムまたはKESS)を備えている。例えば、限定しないが、そうした手段2は、少なくとも1つのフライホイールで構成されたユニットの形態で提供され、このフライホイールは、例えば、炭素繊維、複合材料または鋼構造などのホイールで構成されており、ネットワークから電流が供給され、フライホイールの運動エネルギーを電気エネルギーに変換することができ、さらにまた貯蔵手段2を再充電するために発電機の回転によって生成された運動エネルギーを電気に変換することができるモータ/発電機の作用によって回転する。
【0084】
補助システムおよびエネルギー貯蔵手段が、コントローラ3によって制御される回路遮断器Disj1を介して、変圧器と発電ユニットの間に接続されていることがわかるであろう。この後、より詳細に説明するように、コントローラは、特にネットワークおよび装置の動作についての情報を検索するために、装置の主要な要素およびネットワークResに接続される。コントローラは、必要なソフトウェアおよびハードウェアをすべて組み込み、検索された情報に従ってエネルギー貯蔵手段の充放電を制御するために、ならびに装置の動作に付随する制御機能を実行するために必要な連続する充電および/または放電フェーズを開始するために、適切にプログラムされる。
【0085】
また、さらなる回路遮断器Disj2が、変圧器Tと発電ユニット1の間に設けられている。
【0086】
コントローラは、運動エネルギー貯蔵手段の動作を管理し、それによって、ネットワーク上の事象に応じて発電所の信頼性および柔軟性を保証するのに必要な様々な機能を確実に実行する。
【0087】
また、コントローラによって展開される管理プロセスは、これまで発電所に特有であった機能を含むKESSタイプのエネルギー貯蔵手段の機能性を拡張するように設計されている。具体的には、コントローラは、1次予備容量(全体のまたは部分的な)を充足する際、特に追加の負荷需要がある最初の数秒間、エネルギー貯蔵手段を呼び出すように設計されており、ガスタービンの加速、蒸気サイクルの慣性、および発電所に義務づけられた様々な制約によって課せられた発電所容量の急増に関する制限を相殺する。
【0088】
この予備容量はネットワーク事業者の指示を受ける。この場合、ガスタービン/蒸気タービンまたは複合サイクルは、95%もの低い値(関係する国に依存する)に動作点を低減するか、または追加容量が必要とされるピーク負荷設備として動作することが求められる。
【0089】
貯蔵手段によって提供される機能が連続して実行され、それによってコントローラが、2つの機能間で確実にエネルギー貯蔵手段の最適な充電を行い、実行されるべき機能のそれぞれに対して最適かつ必須の充電状態を維持することに留意されるべきである。
【0090】
コントローラによって管理される貯蔵手段によって展開されるプロセスは、散発的にこれらの貯蔵手段を使用することと両立し、ガスタービンによって前記貯蔵手段に供給される機能の伝達を可能とし、それによって、この資源の利用を最大化する。
【0091】
バッテリの使用と動的な貯蔵手段の使用との間に特定の区別をつけない、従来技術から知られている解決策とは反対に、KESSタイプのシステムは、充電および再充電特性の点で、ならびにヒステリシスがない点で、バッテリに対して実質的な利点を有する。
【0092】
発電所においてKESSタイプのエネルギー貯蔵手段2を組み込むことにより、ネットワーク上の事故、すなわち実質的な電圧降下、またはネットワークの喪失(「停電」という用語によって記述される)のより効果的な対応が可能となる。
【0093】
また、KESSタイプのエネルギー貯蔵手段は、1次予備容量を送出するために発電所の代わりに機能することができ、もしくは再循環ポンプの始動または発電機の始動に関連する電流需要のピークをなくすことによって、発電所の始動を支援することができる。実際、KESSタイプのエネルギー貯蔵手段2によって、始動のために必要な有効電力需要の平滑化が可能となる。
【0094】
したがって、本発明は、ガスタービンまたは複合サイクル発電所に結合されたKESSタイプのエネルギー貯蔵手段2を最大限利用するための手段を提案する。
【0095】
図1からわかるように、コントローラは、その入力部で、ネットワークResに由来する一連の情報I1を受け取る。
【0096】
また、コントローラは、エネルギー貯蔵手段2の動作に関連する情報I2、発電所に由来する情報I3、およびネットワーク事業者に由来する情報I4を受け取る。
【0097】
ネットワーク事業者、発電所、エネルギー貯蔵手段2との間で通信を確立するために、通信手段が設けられうるのが有利である。
【0098】
送信された情報の中で、コントローラは、ネットワーク事業者からの情報、具体的には周波数、電圧、ネットワーク上の周波数制御のために充足されるべき有効電力需要、または無効電力制御容量に対する需要を受け取る。また、コントローラは、発電所からの情報、具体的には、発電所およびKESSにおいて利用可能な1次予備容量のレベルを受け取る。
【0099】
発電所に由来する情報とともに、この情報を使用して、コントローラは、KESSタイプのエネルギー貯蔵手段2の充電および再充電のレベルを管理する。
【0100】
コントローラは、始動システムおよび補助の始動システムに関連するエネルギー需要を管理し、発電所のm.v.ネットワークにおける無効電力の制御を担う。
【0101】
また、コントローラは、基幹ネットワークResへの/からの発電機の接続/切断を可能にする回路遮断器Disj2の動作を担当する。
【0102】
運動エネルギー貯蔵手段2が担うべき第1の機能は、1次予備容量の送出を伴い、その結果、タービンは、例えば、せいぜい95%の公称容量で動作しなければならない(ピーク負荷設備として動作しない場合)。予備容量はネットワーク事業者の要求でネットワークに送出されなければならず、したがって、ネットワーク事業者は発電設備が喪失した場合に、自由にエネルギーを備蓄することになる。したがって、この予備容量は、関係するネットワークのタイプおよび特性に応じて周波数の値を50Hzまたは60Hzのオーダに維持することによってネットワークの安定性に寄与する。
【0103】
この場合、運動エネルギー貯蔵手段は、ネットワーク事業者の要望により速やかに応答し、それによって、いかなる重大な故障の連鎖も抑制し、ネットワーク上の他の発電機にとって必要な応答時間を拡大する。
【0104】
コントローラは、運動エネルギー貯蔵手段の迅速な放電によってkWhまたはMWh単位でネットワークに、ネットワーク事業者が求めるエネルギー需要から発電所の発電機によって供給されるエネルギーを差し引いた差に等しいエネルギーを確実に供給しなければならない。
【0105】
図2は、発電所によって生成される設定点に関連する容量応答特性を示し、この図でカーブTGは、ガスタービンによって送出される容量を表わし、カーブTVは、蒸気タービンによって送出される容量を表わし、P
volantは、エネルギー貯蔵手段2によって送出される容量を表わしており、
図2から、すべての場合で、手段2がなければ、装置の容量立ち上がり勾配は、ガスタービンの容量立ち上がり勾配と蒸気タービンの容量立ち上がり勾配の和によって制限されていることがわかるであろう。発電所の容量立ち上がりは、発電所のサイズおよび関係するガスタービンのタイプに依存するだけでなく、蒸気サイクルの慣性によっても制限される。大きな発電所では、この勾配は、通常、毎分10〜25MWのオーダであり、または最新世代の発電所ではそれより高い可能性がある。
【0106】
したがって、エネルギー貯蔵手段2の使用によって、容量の短期間で急速な上昇を実現することができ、それによって、発電所の容量の立ち上がり勾配およびその応答時間の両方を改善し、結果として需要に対する正確な応答が可能となる(カーブA)。
【0107】
この機能を部分的に充足するための運動エネルギー貯蔵手段の使用は、多くの利点を提供することがわかるであろう。
【0108】
− 1次予備容量の呼出しへの速やかな応答。
【0109】
− 貯蔵手段によって、1次予備容量をすべてまたは一部送出できるという理由で、タービンの動作点が短期間で上昇する可能性。
【0110】
− ピーク負荷動作の低減。貯蔵手段によって完全に需要を充足することができる場合、過燃焼モードにおける、すなわち、より高い排気温度、したがってより高い火炎温度が許可され、それによって、基本容量を3〜7%(燃焼のタイプに依存する)だけ増加させることが可能となるが、装置の劣化が犠牲となる動作における、何時間もの稼働を低減することに関連する、保全周期の低減が可能となるであろう。
【0111】
貯蔵手段の呼出しによって1次予備容量を送出するためのコントローラの各応答に続いて、コントローラは、ネットワークへ貯蔵手段を接続して、前記貯蔵手段に関連するモータへ電力を供給するための回路遮断器Disj1に対してコマンドを生成することによって、前記貯蔵手段の再充電を開始する。
【0112】
再充電は、ネットワークからの電力を使用して、貯蔵手段の各呼出しのあとすぐに、またはネットワーク事業者がネットワーク周波数を低減する手段としてネットワーク上の有効電力の吸収を要求する時点で、完了する。
【0113】
しかし、貯蔵手段は、ネットワーク電圧の急な低下に備えて、常に最小の充電レベルを維持しなければならない。この最小充電量は、数秒間続く電圧降下の結果として、外乱を受けやすいすべての装置に送出される最小エネルギーに基づいて見積もられる。
【0114】
コントローラおよび貯蔵手段によって提供されるさらなる機能性は、ガスタービンの始動に対する支援の提供を含む。この支援によって、停電の場合に始動するための、ネットワークと無関係に電流を送出するのに必要な発電システムの寸法を見積もり直すことができる。この場合、
図3に示されるように、電流および容量需要は、短期間の消費のピークによって特徴づけられ、各ピークは、装置上の所与の機器、例えば潤滑および冷却システム用のモータ駆動循環ポンプユニット、または発電機の供給に必要な負荷転流型インバータ(LCI)の始動に対応する。
【0115】
待機電力発電セットに対する電流需要の安定化のために、コントローラは、改善された応答時間で、これらの機器の始動に関連する電力需要を満たすために、エネルギー貯蔵手段を呼び出す。待機発電設備は、それに応じて寸法を見積もり直すことができる。
【0116】
さらに、タービンが遮断するとすぐに、コントローラは、回路遮断器Disj1およびDisj2を作動させて、発電機が貯蔵手段2に接続されるようにする。発電機における回転速度の上昇は、関連するモータ/発電機によって電気に変換され、ついで貯蔵手段2が完全に再充電されるように、貯蔵手段2を再充電するために使用される。したがって、貯蔵手段の再充電は、発電ユニット1の軸線の運動エネルギーを使用して、同時に発電機のいかなる突然の切断にも関連する速度超過を抑制して、遮断フェーズ中に完了する。
【0117】
このように蓄積された運動エネルギーは、例えば、再生可能エネルギーの使用またはバッテリの使用に基づいた発電所近くのさらなる代替の発電手段を使用して、もしくは装置を安全に通常通り遮断しまたは始動するために従来使用されているディーゼルエンジンなどの待機発電設備を使用して、定格容量のわずか2%を示す損失のみで、無限に維持されうる。しかし、電気供給用のネットワークの利用可能性が回復されるとすぐに、慣性による貯蔵手段2は、いつでも、ネットワークから直接充電されうる。
図4は、このタイプの待機発電手段を備える装置を示す。
【0118】
図4は、回路遮断器Disj2を介してネットワークResに接続された変圧器T、関連する発電ユニット備える発電機1、および運動エネルギーの形態で電気エネルギーを貯蔵する手段2を示しており、この図からわかるように、中電圧(m.v.)ネットワークは、T’などの変圧器を介して、およびコントローラ3(この図では示されていない)によってやはり制御される回路遮断器Disj3を介してm.v.ネットワークに接続される、例えば太陽エネルギー、風力などの再生可能エネルギーを変換するためのシステムから構成される、例えばS1、S2、S3、S4などの多くの追加のエネルギー源を備えている。
【0119】
m.v.ネットワークは、変圧器T’’および回路遮断器Disj4に関連する発電機励磁機4、ならびにやはり変圧器T’’’および回路遮断器Disj5に関連する静的な周波数変換器SFCも備えていることがわかるであろう。
【0120】
ガスタービン/蒸気タービンの再起動中に、または複合サイクルモードでの動作中に、慣性による貯蔵手段は、ポンプ、具体的には再循環ポンプの始動、および負荷転流型インバータLCIへの電力の供給に関連する電流ピークを相殺するための支援設備として使用されてもよい。したがって、貯蔵手段によって、従来タービンの再始動に使用されているディーゼルエンジンの定格容量の低減が可能であり、または始動の初期モーメントに必要なエネルギーを送出することさえでき、それによって、前記エンジンの始動のための十分な時間が提供され、エンジンを連続的に予備加熱する、または予備潤滑する必要がなくなる。
【0121】
したがって、貯蔵システムによって、有効電力需要の平滑化が可能となる。この場合、コントローラは、極めて短期間で送出されるエネルギーを管理し、それによって、消費におけるピークすべてに応答することができる。
【0122】
したがって、装置の始動システムは、制限された負荷需要に従って、一定の容量勾配に準拠して必要な寸法にすることができる。
【0123】
エネルギー貯蔵手段2の寸法を決めるために、3つの評価基準を考慮することができる。
【0124】
第1に、
図3に関連して上記で示したように、装置上の設備の始動に関連する消費におけるピークをなくすことが考慮されてよい。
【0125】
第2に、装置に従来装着されているディーゼルエンジンシステムの最大のユニット容量を制限することが考慮されてよい。
【0126】
最後に、待機発電機セットの容量を確実に絶えず増加させること(ランピング)によって、待機発電機セットに対する制約を限定することが意図されてよい。
【0127】
上記したように、ネットワークが喪失した場合または停電の場合には、コントローラ2は、発電機をネットワークから切断し、「安全」モードで発電機の遮断を開始するための追加の回路遮断器Disj2を作動させる。また、コントローラは、発電機1をエネルギー貯蔵手段2に接続するための回路遮断器Disj1を作動させる。
【0128】
軸線の速度における突然の増加は、関連するモータ/発電機によって電気エネルギーに変換され、貯蔵手段2の再充電に使用される。したがって、貯蔵手段は、速度超過に関連する慣性の結果として、数秒以内に完全に充電されうる。
【0129】
貯蔵手段を再充電するためのこのシステムは、例えばディーゼルエンジンの使用に基づいた従来システムが、迅速な始動ができるように絶えず予備潤滑され、かつ予備加熱されなければならないので、従来システムとの関連で有利である。
【0130】
これらの欠点は、停電に応答して、およそ10分続く遮断シーケンスに対して必要とされる補助機器への電力供給のために、コントローラによって充電され充当されることになる運動エネルギー貯蔵システムを使用することによって取り除かれる。
【0131】
さらに、発電所が設備を安全に遮断するのに必要な電気を供給するために従来装備している待機ディーゼルエンジンが故障の場合または利用できない場合には、タービンの定期休転に対する代わりの電源として、ならびに満足な条件下でタービンが遮断した場合に必要とされる、潤滑システムおよび冷却システムなどの重要な補助設備に供給する代わりの電源として、慣性による貯蔵手段2が呼び出されうる。
【0132】
また、コントローラは、所与のしきい値を下回る、発電所が接続されているネットワーク上の突然の電圧降下を検出することができる。これには、例えば少なくとも2秒間にわたる電圧降下の検出を伴うことがある。この場合、コントローラ3は、回路遮断器Disj1、およびエネルギー貯蔵手段を作動させて、電圧降下に過度に影響を受けやすい構成要素に供給するために必要な貯蔵手段2の最小の充電容量を確実に維持する。
【0133】
また、本発明が、定常状態または過渡状態の下で、周波数制御または電圧制御の展開を可能とする、ガスタービンまたは複合サイクル発電装置のための制御プロセスを提案することに留意されるであろう。
【0134】
図5を参照すると、コントローラによって2つの制御機能が組み合わされて管理されえて、第1は、エネルギー貯蔵手段の充放電を制御することによる有効電力の供給または有効電力Pの吸収であり、第2は、一旦、有効電力のレベルが確保されたならば、ネットワーク上の無効電力Qの供給または吸収を含む2次機能を提供することである。
【0135】
これらの2つのタイプの制御機能が、制御システムによって同時に最適化されうることに留意されるであろう。例として、有効電力の最大の生成/吸収をおよそ13.4%に制限することができ、それによって、最大皮相電力の50%の値までの無効電力(誘導性または容量性の)の生成が可能となる。
【0136】
最後に、
図6を参照すると、この図は、限定しないが、論理図の形態で示される、コントローラによって展開される制御プロセスの概略図であり、エネルギー貯蔵手段を管理するとともに、前記貯蔵手段を充放電するための、および配電ネットワークまたは発電所ネットワークへの接続を行うためのコントローラが受け取る情報に従って提供される様々な機能を表わす。
【0137】
この図からわかるように、例えば、発電所の状態変数をチェックすることによって、発電所の状態を監視することを含む開始段階(段階10)がある。例えば、発電機が稼働しているか、停止しているどうかが判定されるであろう。発電機が停止している場合で、例えば、停電変数をチェックすることによってネットワークの喪失が検出された場合、エネルギー貯蔵手段に蓄積されるエネルギーは、バッテリを使用することによって維持される。反対に、ネットワークが稼働状態に維持されている場合、蓄積エネルギーは、ネットワークを使用することによって、または再生可能エネルギーなどの2次エネルギー源を使用することによって維持される(段階11)。装置の始動が必要な場合、前記エネルギー貯蔵手段に蓄積されたエネルギーは、このために使用されることになる(段階12)。
【0138】
前の段階10で、発電所が稼働していると判定された場合で、ネットワークの喪失が検出された場合(段階13)、エネルギー貯蔵手段は、ネットワークが切断されている場合には発電機から充電され、さもなければディーゼルエンジンから充電されることになる(段階14)。
【0139】
次の段階15では、1次予備容量に対する需要が、例えば、1次稼働変数を制御することによって検出される。1次予備容量が呼び出されると、容量需要と発電所が供給できる容量との差に相当する容量のレベルが、エネルギー貯蔵手段の状態に応じて、供給され、または吸収されることになる(段階16)。反対に、段階17では、ネットワーク上の過電圧、および発電所の内部ネットワーク上の過電圧が検出されることになる(LVRT変数)。配電ネットワークまたは発電所の内部ネットワーク上で過電圧がある場合には、容量の吸収ができるように電力が補助システムに送出され、無効電力が、エネルギー貯蔵手段の充電レベルに従って、ネットワークに送出されることになる(段階18)。
【0140】
過電圧がない状態で、例えば、周波数調整変数を制御することによって、周波数制御機能の要求が検出されることになる(段階19)。この場合は、容量は、必要な周波数制御に従って、およびエネルギー貯蔵手段の充電状態によって、供給または吸収されることになる(段階20)。
【0141】
最後に、周波数制御が必要でない場合は、高調波の値が、次の段階21で生成され、高調波が除去されることになる(段階22)。次に、プロセスは、発電所の状態を監視するために、前の段階10に戻る。
【符号の説明】
【0142】
1 発電ユニット
2 エネルギー貯蔵手段
3 コントローラ
4 発電機励磁機
Disj1 回路遮断器
Disj2 回路遮断器
Disj3 回路遮断器
Disj4 回路遮断器
Disj5 回路遮断器
T 変圧器
T’ 変圧器
T’’ 変圧器
T’’’ 変圧器
Res ネットワーク
I1 情報
I2 情報
I3 情報
I4 情報
Aux 補助システム
TG ガスタービンによって送出される容量
TV 蒸気タービンによって送出される容量
P
volant エネルギー貯蔵手段2によって送出される容量
S1 追加のエネルギー源
S2 追加のエネルギー源
S3 追加のエネルギー源
S4 追加のエネルギー源
SFC 静的な周波数変換器
P 有効電力
Q 無効電力