(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6134516
(24)【登録日】2017年4月28日
(45)【発行日】2017年5月24日
(54)【発明の名称】丁合機用重送防止装置
(51)【国際特許分類】
B65H 3/54 20060101AFI20170515BHJP
【FI】
B65H3/54 310C
【請求項の数】4
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-4907(P2013-4907)
(22)【出願日】2013年1月15日
(65)【公開番号】特開2014-136621(P2014-136621A)
(43)【公開日】2014年7月28日
【審査請求日】2015年12月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】000152125
【氏名又は名称】株式会社プレッシオ
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100135460
【弁理士】
【氏名又は名称】岩田 康利
(74)【代理人】
【識別番号】100084043
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 喜多男
(74)【代理人】
【識別番号】100142240
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 優
(72)【発明者】
【氏名】神戸 暢之
(72)【発明者】
【氏名】山田 俊一郎
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 博
【審査官】
山下 浩平
(56)【参考文献】
【文献】
実開昭57−049834(JP,U)
【文献】
登録実用新案第3066185(JP,U)
【文献】
特開平11−301875(JP,A)
【文献】
実開昭55−046419(JP,U)
【文献】
特開2003−176047(JP,A)
【文献】
特開平10−181895(JP,A)
【文献】
特開2002−211775(JP,A)
【文献】
実開昭56−88752(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 1/00 − 3/68
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
丁合機の給紙部に適用される重送防止装置であって、
一端が前記丁合機の本体に軸支され、前記給紙部におけるちらしの給紙方向と逆向きに差し出され、上下方向に回動自在に設けられたメインアームと、
前記メインアームの他端に回動部を介して上下方向に回動自在に設けられ、前記給紙方向に延設されたサブアームと、
前記回動部に設けられ、前記給紙部のちらしの上面に接触して回転可能なサブローラと、
前記サブアームの回動の先端に設けられ、前記給紙方向に対して非平行とされて前記ちらし上に配置されている重送防止用長尺材と、を備え、
前記重送防止用長尺材には、前記給紙部のちらしの上面に当接する当接部が形成されている重送防止部が配設されており、
前記当接部は、弾性材料からなり、該重送防止用長尺材の長手方向に沿って非連続的に複数並設されていることを特徴とする丁合機用重送防止装置。
【請求項2】
前記メインアームには、該メインアームを給紙方向に伸縮自在とする伸縮機構が備えられている請求項1に記載の丁合機用重送防止装置。
【請求項3】
前記当接部を含めた前記重送防止部が、弾性材料で構成されると共に前記重送防止用長尺材の周面を被覆するように配設されており、さらに、該重送防止部が、該重送防止用長尺材の長手方向に沿う中心軸を中心にして回転自在とされている請求項1または請求項2に記載の丁合機用重送防止装置。
【請求項4】
前記重送防止用長尺材が上方に退避させられることで前記給紙部における最上のちらし上面と前記当接部とが非当接状態となる該重送防止用長尺材の位置を保持する位置固定手段を備える請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の丁合機用重送防止装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新聞折込広告の丁合に使用される丁合機において、その給紙部に積重ねられたちらしの重送を防止する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
紙葉類を供給する装置には、紙葉類が誤って多重に供給されることを防止する重送防止装置が備えられていることが一般的である。例えば特許文献1には、給紙棚に積載した用紙の上層の一端縁に刺し通される針を備えた構成が開示されている。該針は、最上層の用紙を繰り出すときに下層の用紙が同時に繰り出されぬよう食い止める機能を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第3066185号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の重送防止装置においては、給紙されるちらしのよじれや蛇行が発生しやすく、該ちらしのしわや歪みの原因となり、丁合いされたちらしの外観を悪化させることがあった。さらに、針を使用して重送防止を図る機構は、ちらしの一部を破ることとなり、これもまた外観を悪化させる要因になっていた。
【0005】
このような状況のなかで、本発明者は、鋭意検討の末、上記ちらしのよじれや蛇行、及び破れによる外観の悪化の問題は重送防止用の針が1本のみ使用されていることが原因である、との見地に至った。例えば、給紙時のちらしのよじれは、針によって与えられる下向きの荷重がちらし上の略中央の一点のみに集中し、これにより該ちらしの端の方で適正な荷重が与えられず引き起こされると考えられる。
【0006】
そこで本発明は、上記ちらしのよじれや蛇行を好適に防止でき、しかもちらしを破らずに適切に重送を防止することができる重送防止装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、丁合機の給紙部に適用される重送防止装置であって、
一端が前記丁合機の本体に軸支され、前記給紙部におけるちらしの給紙方向と逆向きに差し出され、上下方向に回動自在に設けられたメインアームと、前記メインアームの他端に回動部を介して上下方向に回動自在に設けられ、前記給紙方向に延設されたサブアームと、前記回動部に設けられ、前記給紙部のちらしの上面に接触して回転可能なサブローラと、前記サブアームの回動の先端に設けられ、前記給紙方向に対して非平行とされて
前記ちらし上に配置されている重送防止用長尺材と
、を備え、前記重送防止用長尺材には、前記給紙部
のちらし
の上面に当接する当接部が形成されている重送防止部が配設されており、前記当接部は、弾性材料からなり、該重送防止用長尺材の長手方向に沿って非連続的に複数並設されていることを特徴とする丁合機用重送防止装置である。
【0008】
このように、本発明は給紙部の最上のちらし上面に当接する前記当接部が、弾性材料からなり、給紙時にちらしを破ることがないため、ちらしの外観を悪化させることがない。しかも、給紙方向と非平行となるように配置した重送防止用長尺材を採用し、前記当接部を該重送防止用長尺材の長手方向に沿って非連続的に複数並設したため、前記重送防止
部を含む重送防止用長尺材の荷重が、ちらしの給紙方向とは異なる方向に均等に分散される。そうすると、ちらしに対して荷重が一点集中することがなくなり、これにより荷重が均等配分されることになって特にちらしの端の方で発生しやすいよじれが抑制され、給紙時のちらしの蛇行が防止される。
【0009】
ここで、前記支持手段が、前記給紙方向に沿って一端と他端とが形成されているアーム式支持部材であり、該一端が前記丁合機本体に軸支されて該アーム式支持部材が上下方向に回動自在であり、該他端が前記重送防止用長尺材に接続されていることが好ましい。
【0010】
上記構成は、前記支持手段の一端が前記丁合機本体に軸支されて上下方向に回動するため、他端側の重送防止用長尺材が安定的に上下方向に沿って移動可能となる。このため、給紙部に配置されたちらしの量(すなわち、厚み)に係わらず前記当接部が確実に最上のちらしに当接し、適切な荷重をちらしに与えることになる。
【0011】
さらに、前記アーム式支持部材には、該アーム式支持部材を給紙方向に伸縮自在とする伸縮機構が備えられていることが望ましい。
【0012】
上記構成とした場合、給紙されるちらしの大きさや種類に合わせてちらしと前記当接部との相対的な位置関係を適宜調整することができる。
【0013】
また、前記支持手段が、前記丁合機本体に配設された一対の支持柱であり、前記重送防止用長尺材が該一対の支持柱に上下動可能に差し渡されている構成であってもよい。
【0014】
上記構成とした場合、ちらしの量(厚み)に係わらず簡易に前記重送防止用長尺材の位置をちらし上に設定することができ、しかも該重送防止用長尺材を円滑に規定の軌道で上下動させることが可能となる。
【0015】
これまでに述べた構成にあっては、前記当接部を含めた前記重送防止部が、弾性材料で構成されると共に前記重送防止用長尺材の周面を被覆するように配設されており、さらに、該重送防止部が、該重送防止用長尺材の長手方向に沿う中心軸を中心にして回転自在とされている構成としてもよい。
【0016】
上記構成を採用することにより、重送防止部を給紙部に対して回転させるだけで、長期使用によって摩耗した前記当接部に代えて、摩耗していない新規の箇所を新規の当接部とすることが可能となる。これによって該当接部の摩耗による部品交換の手間を省くことが可能となる。
【0017】
また、前記重送防止用長尺材が上方に退避させられることで前記給紙部における最上のちらし上面と前記当接部とが非当接状態となる該重送防止用長尺材の位置を保持する位置固定手段を備えた構成が提案される。
【0018】
上記構成にあっては、ちらしを給紙部に新しく配置したり、丁合機作動中にちらしを補給したりする際に、位置固定手段により重送防止用長尺材を位置固定させておくことができる。このため、作業者は前記重送防止用長尺材を自らの手で持ち上げながらちらしをセットする必要がなくなり、作業者の作業負担が軽減される。
【発明の効果】
【0019】
本発明の丁合機用重送防止装置は、ちらしの給紙方向と非平行な重送防止用長尺材を採用し、かつ該重送防止用長尺材に当接部を非連続的に複数並設したため、前記重送防止用長尺材及び重送防止部の質量がちらしの給紙方向とは異なる方向に均等に分散し、ちらしの給紙時におけるよじれや蛇行を防止することが可能となる。これにより、ちらしのしわや歪みが発生せず、また従来のような破れも発生しないため、外観に優れたちらしの丁合が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】実施例1にかかる丁合機用重送防止装置を取り付けた丁合機の部分斜視図である。
【
図3】丁合機用重送防止装置の使用状態を示した概要拡大側面図である。
【
図4】実施例2にかかる丁合機用重送防止装置を取り付けた丁合機の部分斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の丁合機用重送防止装置(以下、適宜、重送防止装置という)を具体化した実施例を詳細に説明する。
なお、本発明は、下記に示す実施例に限定されることはなく、適宜設計変更が可能である。
【0022】
〔実施例1〕
図1に示すように、丁合機における丁合機本体1Aには、ちらしP(
図2参照)が積載される給紙部1aが設けられており、該給紙部1aに重送防止装置10が取り付けられている。
【0023】
前記重送防止装置10は、丁合機本体1Aに取り付けられた支持手段としてのアーム式支持部材3を備えている。該アーム式支持部材3は、例えばステンレススチールで構成することができる。
【0024】
更に詳述すると、前記アーム式支持部材3は、回動部33を介して互いに連結した相対的に長尺のメインアーム部30と相対的に短尺のサブアーム部31とからなり、該メインアーム部30における丁合機本体1A側の一端3bが、当該給紙部1aの上段に位置する他の給紙部1bの所要部位に対して回動軸4を介して軸支されている。これにより、全体として該アーム式支持部材3が当該給紙部1aにおける紙送り方向とは逆向きに差し出され、かつ、該回動軸4を中心にして上下方向に回動自在となっている。また、前記アーム式支持部材3のメインアーム部30には、該メインアーム部30をちらしPの給紙方向に沿って伸縮自在とする伸縮機構3eを有している。具体的に述べると、該伸縮機構3eは、ちらしの給紙方向に沿って互いにスライド自在に嵌合された二つの分割部材によって構成され、一方の分割部材の側面に配された固定ネジ3cが他方の分割部材の側面に配された長孔3dに挿入され、該固定ネジ3cが該長孔3d内を移動することにより、両分割部材が規定の可動域の範囲内で相対移動可能となっている。これにより、該メインアーム部30が伸縮自在とされ、該アーム式支持部材3の全体の長さが調整可能とされている。加えて、該メインアーム部30と該サブアーム部31とを連結する前記回動部33には、ちらしPの上面に接触して回転するサブローラー32が取り付けられている。
【0025】
更に、前記アーム式支持部材3のサブアーム部31は、紙送り側に向けて配向され、その先端3a(すなわち該アーム式支持部材3の他端)にステンレススチールからなる丸棒材で構成された重送防止用長尺材2が接続されている。該重送防止用長尺材2は、その長さ方向が、給紙部1aにおけるちらしPの給紙方向に対して略直交する(すなわち、非平行となる)ように該給紙部1aにおけるちらしP上に配置されている。
【0026】
加えて、前記重送防止用長尺材2には、重送防止部5が該重送防止用長尺材2の長手方向に沿って非連続的に3箇所並設されている。該重送防止部5は、表面に多数の凹凸を有した弾性材料からなるいわゆるエンボステープが該重送防止用長尺材2の外周を覆うように貼り付けられることで形成されている。また、該重送防止部5は、前記給紙部1aにちらしPが積載された際に、該ちらしPのうち最上のちらしP上面に当接する当接部6が形成されている。
【0027】
なお、前記重送防止用長尺材2は、長手方向に沿う中心軸を中心に回転自在に支持されている。そして、使用時、すなわちちらし給紙時にあっては、ねじなどの固定手段(図示省略)によって該アーム式支持部材3に対して回転不能に固定されている。
【0028】
また、
図1,2に示すように、前記アーム式支持部材3のサブアーム部31には、磁石取付用ベース板部70が設けられており、該磁石取付用ベース板部70上に位置固定手段としての磁石7が配設されている。該磁石7は、該重送防止用長尺材2を上方へ退避させ、その位置で該アーム式支持部材3を位置固定する機能を有する。かかる構成にあって、例えば、新たにちらしPを該給紙部1aに載置する際には、該磁石7を上段の給紙部1bの底部に磁着させて重送防止用長尺材2を上方位置で保持し、当該給紙部1aの上面が開放された状態でちらしPのセッティング作業を行うことができる。なお、該磁石7は、回動部33を中心にしてサブアーム部31を適宜回動させることで、前記給紙部1bの傾斜角度に係わらず適切にその上面を該給紙部1bの底部に面接触させることができる。
【0029】
次に、給紙部1aにおける重送防止とよじれ・蛇行の機構について、
図3に従って説明する。
図3aに示すように、ちらしPが前記給紙部1a上に載置された状態で給紙ローラ11(
図1参照)及び補助ローラ12(
図1参照)が駆動すると、前記重送防止用長尺材2の当接部6による抵抗に抗して、
図3bに示すように、ちらしPの上部のちらし数枚が奥(図中左側)へ引き込まれる。
【0030】
そして、ある程度までちらしPが引き込まれ、
図3cに示すように、最上のちらしPと前記当接部6とが非接触になると、すぐに、該当接部6が2枚目のちらしPに当接し、該2枚目のちらしPの給紙が阻止され、重送が防止される。
【0031】
このような給紙過程において、ちらしPは、給紙方向に略直交する方向に形成された複数の当接部6を介して、重送防止用長尺材2等の自重に従って下向きに押さえられているため、特に該ちらしPの端の方で発生しやすいよじれが防止されることになる。また、このようにちらしPの幅方向において複数の箇所で均等に荷重が分配されることにより、ちらし給紙時の蛇行が好適に防止される。また、給紙が進んでちらしPの量が減少していくが、常時、重送防止用長尺材2等の自重により当接部6がちらしPに当接していく。なお、ちらしPが給紙される際にあっては、該ちらしPと当接部6と間の摩擦抵抗により、重送防止用長尺材2が該ちらしPに食い込みやすく円滑な給紙を妨げることが懸念されるが、該当接部6よりも外側に配した前記サブローラー32をちらしP上に接触可能とすることによりこれを防止している。
【0032】
また、長期の使用によって該当接部6が摩耗し、ちらしPと当接部6との間の摩擦抵抗が適正に得られなくなった場合は、前記重送防止用長尺材2をその軸を中心にして回転させて固定し直すことにより、前記重送防止部5における摩耗していない部位を新たに当接部6とすることができる。
【0033】
〔実施例2〕
図4に従って、重送防止装置20を説明するが、実施例1と同様な構成の部材には同じ符号を付し、説明を省略する。
【0034】
前記重送防止装置20は、支持手段として、丁合機本体1Bの給紙部1cの両側に起立状に取り付けられた左右一対の支持柱23,23が適用されている。該支持柱23,23には、左右方向に開口したガイド長孔23aが上下方向を長手方向としてそれぞれ形成されており、該ガイド長孔23aに重送防止用長尺材22の両端が摺動可能に挿入されて該重送防止用長尺材22が差し渡されている。そして、該重送防止用長尺材22が該ガイド長孔23aの案内作用に従って上下動可能に支持されつつ、給紙部1cの最上のちらしP上に載置される。かかる構成にあっても、実施例1と同様に、重送防止用長尺材22が、給紙方向と非平行(略直交)方向に配置され、しかも当接部6が非連続的に3箇所にわたって配置されているため、ちらし給紙時のちらしPの重送が防止されると共に、よじれや蛇行が好適に防止される。
【0035】
上記のような支持手段を採用した場合には、ガイド長孔23aの外形を適宜変更することによって、所望の軌道で重送防止用長尺材22をちらしPの減少に従ってガイド長孔23a内を自重により移動させていくことができる。例えば、ガイド長孔23aの形状は
図4のような直線的なものに限らず円弧状等適宜自由に選択される。更に重送防止用長尺材の両端部を上下動可能に支持するものであれば貫通状の長孔に限らず、例えば溝形状の凹部に重送防止用長尺材の両端部を支持させるようにしても構わない。
【0036】
なお、本実施例においては、重送防止部5として円筒状のシリコンゴム材が用いられており、該重送防止部5が重送防止用長尺材22の外周に外嵌されている。該重送防止部5は、固定板15aとネジ15bによって該重送防止用長尺材22に脱着自在に固定されており、該重送防止部5を適宜取り付け直すことにより、当接部6となる位置を変更することできる。
【0037】
本発明は上記実施例1,2に限定されることはない。例えば、重送防止部5の当接部6は、エンボステープやシリコンゴム以外の弾性材料によって構成されても構わない。更に、重送防止部5を重送防止用長尺材2,22に設ける構造も特に限定されず、直接貼着するようにしてもよいし、粘着テープ等の接着手段を介して脱着可能に取り付け可能としても構わない。
【0038】
また該重送防止部5の数、すなわち当接部6の数も3箇所に限らず2箇所であっても4箇所以上設けられていても構わない。また、重送防止用長尺材2,22の形状も丸棒状に限らず、断面多角形状や断面楕円形状であっても構わない。また、重送防止用長尺材2,22は、長さ調整可能として当接部6の位置を長さ方向に沿って変更自在としてもよい。
以下、本願の出願当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1]
丁合機の給紙部に適用される重送防止装置であって、
長尺状の部材で構成されており、長手方向が、前記給紙部におけるちらしの給紙方向に対して非平行とされて該ちらし上に配置されている重送防止用長尺材と、
該重送防止用長尺材を丁合機本体に対して支持する支持手段と、
を備え、
前記重送防止用長尺材には、前記給紙部の最上のちらし上面に当接する当接部が形成されている重送防止部が配設されており、
前記当接部は、弾性材料からなり、該重送防止用長尺材の長手方向に沿って非連続的に複数並設されている
ことを特徴とする丁合機用重送防止装置。
[2]
前記支持手段が、前記給紙方向に沿って一端と他端とが形成されているアーム式支持部材であり、該一端が前記丁合機本体に軸支されて該アーム式支持部材が上下方向に回動自在であり、該他端が前記重送防止用長尺材に接続されている
[1]に記載の丁合機用重送防止装置。
[3]
前記アーム式支持部材には、該アーム式支持部材を給紙方向に伸縮自在とする伸縮機構が備えられている
[2]に記載の丁合機用重送防止装置。
[4]
前記支持手段が、前記丁合機本体に配設された一対の支持柱であり、前記重送防止用長尺材が該一対の支持柱に上下動可能に差し渡されている
[1]に記載の丁合機用重送防止装置。
[5]
前記当接部を含めた前記重送防止部が、弾性材料で構成されると共に前記重送防止用長尺材の周面を被覆するように配設されており、さらに、該重送防止部が、該重送防止用長尺材の長手方向に沿う中心軸を中心にして回転自在とされている
[1]乃至[4]のいずれかに記載の丁合機用重送防止装置。
[6]
前記重送防止用長尺材が上方に退避させられることで前記給紙部における最上のちらし上面と前記当接部とが非当接状態となる該重送防止用長尺材の位置を保持する位置固定手段を備える
[1]乃至[5]のいずれかに記載の丁合機用重送防止装置。
【符号の説明】
【0039】
1A,1B 丁合機本体
1a,1c 給紙部
2,22 重送防止用長尺材
3 アーム式支持部材(支持手段)
3a 他端
3b 一端
3e 伸縮機構
5 重送防止部
6 当接部
7 磁石(位置固定手段)
10,20 重送防止装置
23 支持柱(支持手段)
P ちらし