特許第6134534号(P6134534)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6134534
(24)【登録日】2017年4月28日
(45)【発行日】2017年5月24日
(54)【発明の名称】ガス配管ユニット
(51)【国際特許分類】
   G01F 3/22 20060101AFI20170515BHJP
【FI】
   G01F3/22 C
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-33135(P2013-33135)
(22)【出願日】2013年2月22日
(65)【公開番号】特開2014-163732(P2014-163732A)
(43)【公開日】2014年9月8日
【審査請求日】2016年1月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】501418498
【氏名又は名称】矢崎エナジーシステム株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000167325
【氏名又は名称】光陽産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100134832
【弁理士】
【氏名又は名称】瀧野 文雄
(74)【代理人】
【識別番号】100060690
【弁理士】
【氏名又は名称】瀧野 秀雄
(74)【代理人】
【識別番号】100070002
【弁理士】
【氏名又は名称】川崎 隆夫
(74)【代理人】
【識別番号】100165308
【弁理士】
【氏名又は名称】津田 俊明
(74)【代理人】
【識別番号】100110733
【弁理士】
【氏名又は名称】鳥野 正司
(74)【代理人】
【識別番号】100173978
【弁理士】
【氏名又は名称】朴 志恩
(72)【発明者】
【氏名】石黒 正樹
(72)【発明者】
【氏名】田村 隆
(72)【発明者】
【氏名】矢崎 雄三
【審査官】 山下 雅人
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−183208(JP,A)
【文献】 特開2005−043252(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01F 3/22
G01F 15/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガスの供給側配管とガスメータの入口とを接続する入口配管ユニットと、
ガスの需要側配管とガスメータの出口とを接続する出口配管ユニットと、
前記入口配管ユニットと前記出口配管ユニットとを互いに固定する固定部材と、
前記固定部材と支持面とを固定する固定金具と、を備えたガス配管ユニットであって、
前記入口配管ユニットは、全体管状の入口配管ユニット本体と、入口配管ユニット本体の一方側端部を供給側配管に接続する入口第一継手と、入口配管ユニット本体の他方側端部をガスメータの入口に接続する入口第二継手と、を有して構成され、
前記出口配管ユニットは、全体管状の出口配管ユニット本体と、出口配管ユニット本体の一方側端部を需要側配管に接続する出口第一継手と、出口配管ユニット本体の他方側端部をガスメータの出口に接続する出口第二継手と、を有して構成され、
前記入口配管ユニット本体は、該入口配管ユニット本体の両側に突出するとともに、該入口配管ユニット本体の軸を挟んだ両側の対称位置に形成された一対の入口配管固定座を有して形成され、
前記出口配管ユニット本体は、該出口配管ユニット本体の両側に突出するとともに、該出口配管ユニット本体の軸を挟んだ両側の対称位置に形成された一対の出口配管固定座を有して形成され、
前記固定部材には、前記入口配管ユニットを固定するための入口配管固定孔と、前記出口配管ユニットを固定するための出口配管固定孔と、が形成され、
前記一対の入口配管固定座のうちの一方には挿通孔が形成され、他方には挿通孔が形成されず、前記入口配管ユニットは、該挿通孔及び前記入口配管固定孔に挿通させた固着具によって前記固定部材に固定され、
前記一対の出口配管固定座のうちの一方には挿通孔が形成され、他方には挿通孔が形成されず、前記出口配管ユニットは、該挿通孔及び前記出口配管固定孔に挿通させた固着具によって前記固定部材に固定されることを特徴とするガス配管ユニット。
【請求項2】
前記挿通孔が形成された入口配管固定座及び出口配管固定座は、前記入口配管ユニットと前記出口配管ユニットとの対向方向内側に位置して設けられていることを特徴とする請求項1に記載のガス配管ユニット。
【請求項3】
前記入口配管固定孔と前記出口配管固定孔とは、それぞれ円弧状の長孔で構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のガス配管ユニット。
【請求項4】
前記固定金具は、前記支持面と平行に形成された支持部と、前記支持部と交差するとともに、前記固定部材と平行に形成された固定部と、を有して形成され、
前記固定部には、前記入口配管ユニット本体及び前記出口配管ユニット本体の長手方向に長い長孔で形成された固定部材固定孔を有して形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のガス配管ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガス供給設備におけるガスメータ周りのガス配管ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ガス供給設備として、例えばLPガス供給設備があり、このLPガス供給設備は、LPガス容器、圧力調整器、ガスメータ等により構成されており、それぞれガス配管によって接続されているとともに、ガスメータには、LPガス容器からの供給側配管と、需要設備への需要側配管が接続される。このようにガス供給設備は、部品点数が多く、設置作業も煩雑であるため、設置作業を改善することを意図したガス配管ユニットが提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載されたガスメータ用の配管ユニットは、供給側配管とガスメータとを接続する入口配管部材と、需要側配管とガスメータとを接続する出口配管部材と、入口配管部材と出口配管部材とを固定する固定部材と、を有して構成されており、予め入口配管部材と出口配管部材の幅決めが可能であることから、設置時の作業性を改善することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−200998号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示されている従来のガス配管ユニットは、入口配管部材、出口配管部材、及び固定部材のように別々に製造される部品種別が多いため、製造効率やコスト面において不利であるという問題があった。
【0005】
従って、本発明の目的は上記のような問題点に着目し、安価に効率良く製造することができるガス配管ユニットを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明のガス配管ユニットは、ガスの供給側配管とガスメータの入口とを接続する入口配管ユニットと、ガスの需要側配管とガスメータの出口とを接続する出口配管ユニットと、前記入口配管ユニットと前記出口配管ユニットとを互いに固定する固定部材と、前記固定部材と支持面とを固定する固定金具と、を備えたガス配管ユニットであって、前記入口配管ユニットは、全体管状の入口配管ユニット本体と、入口配管ユニット本体の一方側端部を供給側配管に接続する入口第一継手と、入口配管ユニット本体の他方側端部をガスメータの入口に接続する入口第二継手と、を有して構成され、前記出口配管ユニットは、全体管状の出口配管ユニット本体と、出口配管ユニット本体の一方側端部を需要側配管に接続する出口第一継手と、出口配管ユニット本体の他方側端部をガスメータの出口に接続する出口第二継手と、を有して構成され、前記入口配管ユニット本体は、該入口配管ユニット本体の両側に突出するとともに、該入口配管ユニット本体の軸を挟んだ両側の対称位置に形成された一対の入口配管固定座を有して形成され、前記出口配管ユニット本体は、該出口配管ユニット本体の両側に突出するとともに、該出口配管ユニット本体の軸を挟んだ両側の対称位置に形成された一対の出口配管固定座を有して形成され、前記固定部材には、前記入口配管ユニットを固定するための入口配管固定孔と、前記出口配管ユニットを固定するための出口配管固定孔と、が形成され、前記一対の入口配管固定座のうちの一方には挿通孔が形成され、他方には挿通孔が形成されず、前記入口配管ユニットは、該挿通孔及び前記入口配管固定孔に挿通させた固着具によって前記固定部材に固定され、前記一対の出口配管固定座のうちの一方には挿通孔が形成され、他方には挿通孔が形成されず、前記出口配管ユニットは、該挿通孔及び前記出口配管固定孔に挿通させた固着具によって前記固定部材に固定されることを特徴とする。
【0007】
本発明によれば、入口配管ユニット及び出口配管ユニットには、挿通孔を形成することができる各一対の入口配管固定座及び出口配管固定座がユニット本体の両側に設けられており、一対の固定座から一方を選択して挿通孔が形成されている。そして、入口配管ユニット及び出口配管ユニットは、挿通孔と固定部材の固定孔に挿通させた固着具によって固定部材に固定される。従って、入口配管ユニット本体と出口配管ユニット本体とを同じ形状の部材として成形し、それぞれ加工することにより入口配管ユニット本体と出口配管ユニット本体とを製造することができる。
【0008】
また、請求項1に記載のガス配管ユニットにおいて、前記挿通孔が形成された入口配管固定座及び出口配管固定座は、前記入口配管ユニットと前記出口配管ユニットとの対向方向内側に位置して設けられていることが好ましい。
【0009】
このような構成によれば、入口配管ユニット本体と出口配管ユニット本体との対向方向内側に位置する固定座にそれぞれ挿通孔が形成されていることで、入口配管ユニットと出口配管ユニットの外側に固着具を設ける必要がないため、設置後の外観が良好であり、また、固着具が点検や検針作業時に障害となることを防ぐことができる。
【0010】
また、請求項1又は2に記載のガス配管ユニットにおいて、前記入口配管固定孔と前記出口配管固定孔とは、それぞれ円弧状の長孔で構成されていることが好ましい。
【0011】
このような構成によれば、入口配管固定孔と出口配管固定孔とがそれぞれ円弧状の長孔に形成されていることにより、供給側配管と需要側配管の設置幅に合わせて、入口配管ユニットと出口配管ユニットとを回動させて、入口配管ユニットと出口配管ユニットとを固定部材に固定することができる。従って、供給側配管と需要側配管の設置幅に応じて複数の固定部材を準備する場合に比べて、設置時の部品種別を減らすことができ、ガス配管ユニットを設置する際の作業性を向上させることができる。
【0012】
また、請求項1〜3のいずれか一項に記載されたガス配管ユニットにおいて、前記固定金具は、前記支持面と平行に形成された支持部と、前記支持部と交差するとともに、前記固定部材と平行に形成された固定部と、を有して形成され、前記固定部には、前記入口配管ユニット本体及び前記出口配管ユニット本体の長手方向に長い長孔が形成されていることが好ましい。
【0013】
このような構成によれば、固定部には、前記入口配管ユニット本体及び出口配管ユニット本体の長手方向に沿う方向に長い長孔が形成されていることにより、固定金具と固定部材との固定位置を容易に調節することができ、ガスメータを設置する際の作業性を向上させることができる。
【発明の効果】
【0014】
以上のような本発明のガス配管ユニットによれば、従来のように、入口配管ユニット本体と出口配管ユニット本体とを別形状でそれぞれ製造する方法に比べ、部品種別を少なくすることができ、ガス配管ユニットの製造効率を向上させることが可能となる。例えば、入口配管ユニット本体と出口配管ユニット本体とを鋳造によって成形する場合には、一種類の金型を用いて製造した鋳造部材を加工して入口配管ユニット本体と出口配管ユニット本体とを製造することができることから、より低コストで製造することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の一実施形態に係るガス配管ユニットの正面図である。
図2】前記ガス配管ユニットの平面図である。
図3】前記ガス配管ユニットの側面図であり、(A)は入口配管ユニットを示し、(B)は出口配管ユニットを示す。
図4】前記入口配管ユニットの図2の矢視IV−IV線断面図である。
図5】前記出口配管ユニットの図2の矢視V−V線断面図である。
図6】前記ガス配管ユニットにおける固定部材を示す図であり、(A)は平面図であり、(B)は図6(A)の矢視B−B線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の一実施形態に係るガス配管ユニットを図1図6を参照して説明する。図1に示すように、本発明のガス配管ユニット1は、ガスの供給側配管P1及びガスの需要側配管P2と、ガスメータMとを接続するガス供給設備の一部として利用される。図1に示すように、ガス配管ユニット1は、ガスの供給側配管P1とガスメータMの入口M1とを接続する入口配管ユニット2と、ガスの需要側配管P2とガスメータMの出口M2とを接続する出口配管ユニット3と、入口配管ユニット2と出口配管ユニット3とを互いに固定する固定部材4と、固定部材4と壁等の支持面とを固定する固定金具5と、を有して構成されている。
【0017】
ガスの供給側配管P1及びガスの需要側配管P2は、図示しない建物等の壁面に沿って鉛直方向(図中に矢印Zで示す方向)に立ち上がり、壁面に向かって左右方向(図中に矢印Xで示す方向)に並んで設けられるとともに、それらの上端部に入口配管ユニット2と出口配管ユニット3がそれぞれ接続されている。入口配管ユニット2及び出口配管ユニット3は、それぞれ壁面から離れる前後方向(図中に矢印Yで示す方向)に延び、それらの前方側かつ下側にガスメータMが取り付けられている。
【0018】
図3(A)及び図4に示すように、入口配管ユニット2は、全体管状の入口配管ユニット本体21と、入口配管ユニット本体21の一方側(後方側)端部を供給側配管P1に接続する入口第一継手22と、入口配管ユニット本体21の他方側(前方側)端部をガスメータMの入口M1に接続する入口第二継手23と、ガス配管の開閉を行うためのガス栓24と、ガス圧を検査するための検圧プラグ25と、を有して構成され、入口第一継手22及び入口第二継手23は、シール部材を介して、脱落不能に入口配管ユニット本体21の両端開口部に装着されている。
【0019】
図3(B)及び図5に示すように、出口配管ユニット3は、全体管状の出口配管ユニット本体31と、出口配管ユニット本体31の一方側(後方側)端部を需要側配管P2に接続する出口第一継手32と、出口配管ユニット本体31の他方側(前方側)端部をガスメータMの出口M2に接続する出口第二継手33とを有して構成され、出口第一継手32及び出口第二継手33は、シール部材を介して、脱落不能に出口配管ユニット本体31の両端開口部に装着されている。
【0020】
また、図3(A)及び図4に示すように、入口配管ユニット本体21は、前後方向(図中に矢印Yで示す方向)に延びる入口直線部211と、入口直線部211のY方向後側にて下方に屈曲した入口後側屈曲部212と、入口後側屈曲部212から下方に延びて入口第一継手22が取り付けられる入口第一立下り部213と、入口直線部211のY方向前側にて下方に屈曲した入口前側屈曲部214と、入口前側屈曲部214から下方に延びて入口第二継手23が取り付けられる入口第二立下り部215と、を有して構成されている。
【0021】
図3(B)及び図5に示すように、出口配管ユニット本体31は、前後方向(図中のY方向)に延びる出口直線部311と、出口直線部311のY方向後側にて下方に屈曲した出口後側屈曲部312と、出口後側屈曲部312から下方に延びて出口第一継手32が取り付けられる出口第一立下り部313と、出口直線部311のY方向前側にて下方に屈曲した出口前側屈曲部314と、出口前側屈曲部314から下方に延びて出口第二継手33が取り付けられる出口第二立下り部315と、を有して構成されている。
【0022】
入口配管ユニット本体21と出口配管ユニット31とは、同じ形状の部材として、例えば亜鉛合金ダイカスト2種(ZDC2)を用いて同一金型により鋳造され、それぞれ鋳造による成形後に切削加工や、穴開け加工を施すことにより形成されている。
【0023】
図6に示すように、固定部材4は、アルミ合金やステンレス合金等の金属板材を曲げ加工して形成され、入口配管ユニット2を固定するための入口配管固定孔41と、出口配管ユニット3を固定するための出口配管固定孔42と、が左右方向(図中のX方向)に離隔した対称位置に円弧状の長孔で形成されているとともに、固定金具5を固定するための固定金具固定孔43が左右方向中央において前後方向(図中のY方向)に並んで2個形成されている。
【0024】
図1及び図2に示すように、固定金具5は、L字形状の金属板材に曲げ加工や穴開け加工を施すことにより形成されており、支持面と平行に形成された支持部51と、支持部と交差するとともに、固定部材4と平行に形成された固定部52と、を有して形成され、支持部51の上方の左右方向(図中のX方向)に並んで2個、下方の左右方向中央に1個形成されたガス配管ユニット固定孔511と、前後方向(図中のY方向)に長孔で形成された固定部材固定孔521と、を有して構成されている。固定金具5は、図示しない建物の壁面等との距離に応じて、固定部材固定孔521を介してボルトやナット等の固定具により固定部材4に固定され、ガス配管ユニット固定孔511を介して木ねじ等の固定具により図示しない建物の壁面等に固定される。
【0025】
次に、入口配管ユニット2と出口配管ユニット3の固定部材4への固定方法について図1図2、及び、図6を参照して説明する。入口配管ユニット本体21及び出口配管ユニット31は、入口直線部211及び出口直線部311の軸を挟んだ左右方向(図中のX方向)両側の対称位置にそれぞれ一対の入口配管固定座216及び一対の出口配管固定座316を有して構成されている。さらに、一対の入口配管固定座216及び一対の出口配管固定座316のうち、入口配管ユニット2と出口配管ユニット3との対向方向内側の一方には、穴開け加工により挿通孔217,317がそれぞれ形成されている。入口配管ユニット2と出口配管ユニット3とを固定部材4に固定する固着具は、ボルト44及びナット45を有して構成されている。入口配管ユニット2は、挿通孔217と入口配管固定孔41とに挿通されたボルト44と、ナット45と、を締め付けることにより固定され、出口配管ユニット3は、挿通孔317と出口配管固定孔42とに挿通されたボルト44と、ナット45と、を締め付けることにより固定されている。
【0026】
図2及び図6に示すように、入口配管ユニット2及び出口配管ユニット3は、ガスの供給側配管P1とガスの需要側配管P2との左右方向(図中のX方向)の距離に応じて、左右方向に回動されて、固定部材4に固定される。具体的には、固定部材4には、その前側端縁に入口配管ユニット2及び出口配管ユニット3の第二立下り部215,315を受け入れる半円形の切欠き部46が2箇所形成され、入口配管ユニット2及び出口配管ユニット3は、この切欠き部46で受け入れた第二立下り部215,315を軸として回動する。さらに、入口配管固定孔41及び出口配管固定孔42は、第二立下り部215,315を中心とする円弧状の長孔に形成されており、入口配管ユニット2及び出口配管ユニット3と一体に回動した挿通孔217,317の位置に合わせて、入口配管ユニット2及び出口配管ユニット3が固定される。
【0027】
本実施形態によれば、入口配管ユニット本体21及び出口配管ユニット本体31には、挿入孔217,317を形成することができる入口配管固定座216及び出口配管固定座316がそれぞれ一対で設けられており、一対の入口配管固定座216及び一対の出口配管固定座316のうち一方、具体的には、入口配管ユニット2と出口配管ユニット3の対向方向内側の一方を選択して挿通孔217,317が形成されている。よって、入口配管ユニット本体21と、出口配管ユニット本体31とを同じ形状の部材として同一金型により鋳造し、それぞれ成形後に切削加工や穴開け加工を施すことにより入口配管ユニット本体21と出口配管ユニット本体31とを形成することができる。
【0028】
従って、入口配管ユニット本体21と出口配管ユニット本体31とを別形状でそれぞれ製造する場合に比べ、部品種別を少なくすることができ、ガス配管ユニット1の製造効率を向上させることができる。さらに、入口配管ユニット本体21と出口配管ユニット本体31とを同一の金型により鋳造して形成することにより、より低コストで製造することが可能となる。
【0029】
また、上述した実施形態において、一対の入口配管固定座216と一対の出口配管固定座316の対向方向内側にそれぞれ挿通孔217,317が形成されていることにより、ボルト44及びナット45を入口配管ユニット2と出口配管ユニット3の外側に設ける必要が無いため、ガス配管ユニット1設置後の外観が良好であり、また、ボルト44及びナット45が点検や検針作業時に障害となることを防ぐことができる。
【0030】
さらに、上述した実施形態において、入口配管固定孔41と出口配管固定孔42とがそれぞれ円弧状の長孔に形成されていることにより、ガスの供給側配管P1と需要側配管P2の設置幅に合わせて、入口配管ユニット2と出口配管ユニット3とを回動させて、入口配管ユニット2と出口配管ユニット3とを固定部材4に固定することができることから、供給側配管P1と需要側配管P2の設置幅に応じて複数の固定部材4を準備する場合に比べて、設置時の部品種別を減らすことができ、ガス配管ユニット1を設置する際の作業性を向上させることができる。
【0031】
また、上述した実施形態において、固定部材固定孔521が前後方向(図中のY方向)に長孔で形成されていることにより、固定部材と固定金具との固定位置を容易に調製することができ、ガス配管ユニット1を設置する際の作業性を向上させることができる。
【0033】
また、上述した実施形態において、入口配管ユニット2と出口配管ユニット3の固着具として、ボルト44及びナット45が用いられていたが、入口配管ユニット2と出口配管ユニット3とを固定部材4に固定できるものであればボルト44、ナット45に限らず、他の固着具を使用してもよい。
【0034】
また、上述した実施形態において、入口配管ユニット2及び出口配管ユニット3は両端が屈曲していたが、両端のうちどちらか一方のみが屈曲していてもよく、また、どちらも屈曲せずに直線部のみで構成されていてもよい。
【0035】
また、上述した実施形態において、入口配管ユニット2は、ガス栓24及び検圧プラグ25を有して構成されていたが、どちらか一方のみが入口配管ユニット2に設けられ、他方が出口配管ユニット3に設けられていてもよく、両方が出口配管ユニット3に設けられていてもよく、さらには、ガス栓24及び検圧プラグ25が省略されてもよい。
【0036】
また、上述した実施形態において、入口配管ユニット本体21と出口配管ユニット本体31とは亜鉛合金を用いた鋳造により形成されていたが、鋳造以外の方法(例えば、削り出し)や他の素材(例えば、アルミ合金など)により形成されていてもよく、また、固定部材4はアルミ合金やステンレス合金等の金属板材により形成されていたが、他の素材により形成されていてもよい。
【0037】
また、上述した実施形態において、固定部材4及び固定金具5は、固定金具固定孔43及び固定部材固定孔521を介してボルトやナット等の固定具を用いて固定されていたが、この固定作業を迅速かつ確実に実施するために、例えばテーパースクリュープラグで構成されたナットを用いて、このナットを固定金具固定孔43に加締めて固定しておいてもよい。
【0038】
その他、本発明を実施するための最良の構成、方法などは、以上の記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、且つ、説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、形状、材質、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。
【0039】
従って、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部、もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
【符号の説明】
【0040】
1 ガス配管ユニット
2 入口配管ユニット
3 出口配管ユニット
4 固定部材
5 固定金具
21 入口配管ユニット本体
22 入口第一継手
23 入口第二継手
216 入口配管固定座
217 挿通孔
31 出口配管ユニット本体
32 出口第一継手
33 出口第二継手
316 出口配管固定座
317 挿通孔
41 入口配管固定孔
42 出口配管固定孔
44 ボルト
45 ナット
51 支持部
52 固定部
521 固定部材固定孔
P1 供給側配管
P2 需要側配管
M ガスメータ
M1 入口
M2 出口
図1
図2
図3
図4
図5
図6