(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の好ましい実施形態について説明する。但し、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではない。以下の実施形態等を説明する図面において、実質的に同一の機能を有する部材は同一の符号を用いて参照する。
【0016】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る調理器用トッププレートを示す模式的断面図である。調理器用トッププレート1は、ガラス板10を備えている。ガラス板10は、調理面10aと裏面10bを有している。調理面10aは、鍋やフライパンなどの調理器具が載せられる側の面である。裏面10bは、調理器の内部側の面である。
【0017】
ガラス板10の裏面10bの上には、無機顔料層11が設けられている。無機顔料層11の上には、表示層12が設けられている。表示層12は、透明樹脂部12aと耐熱性樹脂部12bとからなる。透明樹脂部12aは無機顔料層11と接して設けられており、表示部dを形成している。表示領域Dは表示部dにより形成されている。
【0018】
表示層12の上には、透明樹脂層13が設けられているが、透明樹脂層13は無くても良い。
【0019】
透明樹脂部12aの下方には、光源20が設けられている。光源20は、その発光により表示領域Dで情報を表示するため設けられる部材である。光源20は、例えば、LED等により構成することができる。表示領域Dで表示する情報としては、特に限定されるものではなく、例えば、電源がオン状態であることや、加熱中であることなどのように調理器の状態を示す情報が挙げられる。
【0020】
光源20からの光は、耐熱性樹脂部12bにより遮蔽される。一方、表示部dでは、光源20からの光は、透明樹脂層13、透明樹脂部12a、無機顔料層11及びガラス板10を透過して外部に出射される。その結果、透明樹脂部12aの形状に対応した光を外部に出射することができ、表示領域Dでの表示とすることができる。
【0021】
ガラス板10は、有色透明であってもよいが、トッププレートの美観性を高める観点からは、無色透明であることが好ましい。なお、無色透明であるとは、ガラス原料に意図的に着色剤を添加し、着色させていない状態であり、ガラス原料の不純物により着色している状態を含む。
【0022】
調理器用トッププレートでは、加熱及び冷却が繰り返しなされる。このため、ガラス板10は、優れた耐熱性及び低い熱膨張係数を有するものであることが好ましい。具体的には、ガラス板10の軟化温度は、700℃以上であることが好ましく、750℃以上であることがより好ましい。また、ガラス板10の30℃〜750℃における平均線熱膨張係数は、−10×10
−7/℃ 〜 +30×10
−7/℃の範囲内であることが好ましく、−10×10
−7/℃ 〜 +20×10
−7/℃の範囲内であることがより好ましい。このため、ガラス基板10は、ガラス転移温度が高く、かつ低い熱膨張係数のガラス、結晶化ガラス、または強化ガラスであることが好ましい。ガラス転移温度が高く、かつ低い熱膨張係数の結晶化ガラスの具体例としては、例えば、日本電気硝子株式会社製ネオセラムN−0が挙げられる。
【0023】
無機顔料層11は、ガラス板10の裏面10bの上に設けられている。無機顔料層11は、ガラス板10の裏面10bの全面に形成されることが好ましい。しかしながら、必ずしも全面に形成されている必要はない。無機顔料層11の厚みは、1〜10μmの範囲内であることが好ましく、3〜7μmの範囲内であることがより好ましい。無機顔料層11の厚みが薄すぎると、無機顔料層に必要とされる隠蔽性が得られない場合がある。無機顔料層11の厚みが厚すぎると、ガラス板との熱膨張係数の差の影響を受け、無機顔料層が剥離してしまう場合がある。
【0024】
無機顔料層11は、顔料とガラスとを含むことが好ましい。顔料としては、無機顔料が好ましく用いられ、さらに好ましくは、有色の無機顔料が用いられる。無機顔料層11において、無機顔料は、バインダーとなるガラスマトリックス中に分散していることが好ましい。ガラスマトリックスを構成するガラスとしては、例えば、B
2O
3−SiO
2系ガラスが挙げられる。
【0025】
無機顔料層11における無機顔料の含有量は、40質量%〜90質量%の範囲内であることが好ましく、40質量%〜70質量%の範囲内であることがより好ましい。したがって、無機顔料層11におけるガラスの含有量は、10質量%〜60質量%の範囲内であることが好ましく、30質量%〜60質量%の範囲内であることがより好ましい。無機顔料層11における無機顔料の含有量が少なすぎると、無機顔料層に必要とされる隠蔽性が得られない場合がある。また、無機顔料の含有量が多すぎると、相対的にガラスの含有量が低下するので、必要最低限のガラス板との密着強度が得られない場合がある。
【0026】
無機顔料層11は、無機顔料粉末とガラス粉末の混合物を焼成することにより形成することができる。具体的には、例えば、無機顔料粉末とガラス粉末と樹脂バインダーと溶剤とを含むペーストを調製し、このペーストを塗布した後、焼成することにより形成することができる。ペーストを塗布する方法としては、例えば、スクリーン印刷法を用いることができる。
【0027】
無機顔料層11は、多孔質であることが好ましい。多孔質にすることにより、ガラス板10が調理等によって加熱及び冷却が繰り返され、ガラス板10の温度が変化した際にも、ガラス板10から無機顔料層11が剥離されにくくなる。無機顔料層11を多孔質にするには、無機顔料に対するガラス粉末の割合を少なくすることで得られる。
【0028】
表示層12は、無機顔料層11の上に設けられている。表示層12には、透明樹脂部12aと耐熱性樹脂部12bが形成されている。表示層12を形成する方法としては、まず表示部dをマスキングし、耐熱性樹脂部12bを形成する方法が挙げられる。例えば、耐熱性樹脂部12bをスクリーン印刷法より形成する場合、表示部dに耐熱性樹脂部12bが形成されないようにして印刷するスクリーン版にマスクを設けておく方法が挙げられる。
【0029】
次に、表示部dとなる耐熱性樹脂部12bが形成されていない部分に、透明樹脂を流し込み、透明樹脂部12aを形成する。透明樹脂部12aを形成するに際し、透明樹脂をスクリーン印刷等により、ガラス板10の全面に塗布することで、透明樹脂部12aだけでなく、同時に透明樹脂層13を形成することができる。
【0030】
耐熱性樹脂部12bは、無機顔料粉末と樹脂バインダーとを含むことが好ましい。このような耐熱性樹脂部12bにおいては、樹脂バインダー中に無機顔料粉末が分散していることが好ましい。耐熱性樹脂部12bは、光源20からの光を遮蔽するためのものであるので、無機顔料粉末は、有色の無機顔料であることが好ましい。特に、黒色の無機顔料であることが好ましい。樹脂バインダーとしては、耐熱性の樹脂を用いることが好ましく、例えば、シリコーン樹脂を用いることができる。
【0031】
耐熱性樹脂部12bにおける無機顔料の含有量は、30質量%〜70質量%の範囲内であることが好ましく、40質量%〜60質量%の範囲内であることがより好ましい。したがって、耐熱性樹脂部12bにおける樹脂バインダーの含有量は、30質量%〜70質量%の範囲内であることが好ましく、40質量%〜60質量%の範囲内であることがより好ましい。耐熱性樹脂部12bにおける無機顔料の含有量が少なすぎると、耐熱性樹脂部12bに必要とされる隠蔽性が得られない場合がある。また、無機顔料の含有量が多すぎると、無機顔料層11の密着性が低下する場合がある。
【0032】
耐熱性樹脂部12bの厚みは、2〜10μmの範囲内であることが好ましく、3〜7μmの範囲内であることがより好ましい。耐熱性樹脂部12bの厚みが薄すぎると、耐熱性樹脂部12bに必要とされる隠蔽性が得られない場合がある。耐熱性樹脂部12bの厚みが厚すぎると、耐熱性樹脂部12bと無機顔料層11の熱膨張係数の差により、耐熱性樹脂部12bが無機顔料層11から剥離する場合がある。
【0033】
耐熱性樹脂部12bと無機顔料層11とは、詳細は後述するが、同色であることが好ましい。同色とすることにより、光源20の点灯時と消灯時における違いをより鮮明にすることができ、消灯時における表示部dの形状をより見えにくくすることができる。ここで、同色としては、JIS Z8729(2004年)に規定されたL
*a
*b
*表色系において、耐熱性樹脂部12bと無機顔料層11とのL
*、a
*、b
*の差ΔL
*、Δa
*、Δb
*の二乗の和{(ΔL
*)
2+(Δa
*)
2+(Δb
*)
2}が100以内である色を挙げることができる。
【0034】
透明樹脂部12a及び耐熱性樹脂部12bは、上述のように、遮光性の観点からは、黒色であることが好ましい。したがって、無機顔料層11も黒色であることが好ましい。しかしながら、本発明において、耐熱性樹脂部12b及び無機顔料層11の色は、黒色に限定されるものではなく、黒色以外の他の色であってもよい。
【0035】
透明樹脂部12a及び透明樹脂層13は、一般に、耐熱性樹脂を含むペーストを塗布して形成することができる。耐熱性樹脂としては、例えば、シリコーン樹脂、UV硬化型樹脂などが挙げられる。これらの耐熱性樹脂を溶剤に添加して、透明樹脂部12a及び透明樹脂層13を形成するためのペーストを調製することができる。透明樹脂部12a及び透明樹脂層13は、光源20からの光を透過する透明性を有していればよい。具体的には、透明樹脂部12a及び透明樹脂層13は、波長450nm〜700nmにおける可視波長域の光透過率が75%以上であることが好ましい。したがって、顔料を含んでいないことが好ましいが、光源20からの光を透過することができる範囲において少量の顔料を含んでいてもよい。
【0036】
透明樹脂部12aの厚みは、1〜15μmの範囲内であることが好ましく、3〜7μmの範囲内であることがより好ましい。透明樹脂部12aの厚みが薄すぎると、本発明の効果が十分に得られない場合がある。透明樹脂部12aの厚みが厚すぎると、熱膨張係数の差により透明樹脂部12aにクラックが生じ、剥離する場合がある。
【0037】
透明樹脂部12a及び透明樹脂層13を形成する方法としては、透明樹脂部12a及び透明樹脂層13を形成するためのペーストを、例えば、スクリーン印刷法で所定の領域に塗布して形成する方法が挙げられる。
【0038】
本発明においては、無機顔料層11の上に透明樹脂部12aが形成されている。無機顔料層11は、光源20からの光を透過させることができる層であるので、遮光性を有する耐熱性樹脂部12bよりも疎な構造を有しており、その表面に凹凸が形成されている。このため、無機顔料層11の上に透明樹脂部12aが形成されていない場合、光源20の点灯時に、光源20から無機顔料層11に入射する光は、無機顔料層11の表面で散乱される。この結果として、従来においては、光源の点灯時において、表示領域での表示がぼやけるという問題があった。本発明においては、無機顔料層11の表面上に透明樹脂部12aが形成されており、透明樹脂部12aが無機顔料層11の表面に接触しているので、光源20からの入射光が無機顔料層11の表面で散乱するのを抑制することができる。これは、無機顔料層11の表面上に透明樹脂部12aを形成することにより、無機顔料層11の表面が空気と接触している場合に比べ、屈折率差が低減されることによるものと考えられる。したがって、本発明によれば、光源20からの入射光が無機顔料層11の表面で散乱するのを抑制することができるので、光源20の点灯時における表示領域Dでの表示を明確に見えるようにすることができる。
【0039】
また、無機顔料層11は耐熱性樹脂部12bよりも疎な構造を有しているので、透明樹脂部12aが無い場合、消灯時において、表示部dは表示部d以外と異なる見え方を示す。これは、表示部dにおいては、外部からの光が無機顔料層11に入射し反射する際に、外部からの光が散乱しやすいが、表示部d以外においては、無機顔料層11の上に、耐熱性樹脂部12bが設けられているため、外部からの光が散乱しにくくなっていると思われる。すなわち、無機顔料層11の上に耐熱性樹脂部12bが設けられている場合、耐熱性樹脂部12bを構成する樹脂の一部が無機顔料層11に浸透し、浸透した部分で光の散乱が起こり難くなるからと推測される。無機顔料層11の表面上に透明樹脂部12aが接するように設けられると、透明樹脂部12aを構成する樹脂の一部が無機顔料層11の内部にまで浸透し、無機顔料層11での光の散乱が抑制される。また、耐熱性樹脂部12bと無機顔料層11とが同色である場合、表示部dと表示部d以外との色差が小さくなるため、消灯時において表示部dの形状が見えにくくなると考えられる。また、消灯時において表示部dの形状が見えにくくなるので、点灯時と消灯時における違いを鮮明にすることができる。
【0040】
無機顔料層11が多孔質である場合、透明樹脂部12aを構成する樹脂の一部が無機顔料層11の内部にまで浸透する度合いは大きくなると考えられる。これにより、無機顔料層11での光の散乱がさらに抑制され、表示部dと表示部d以外とのΔL
*、Δa
*、Δb
*の二乗の和が小さくなるため、上記の効果がさらに発揮されるものと考えられる。
【0041】
(第2の実施形態)
図2は、本発明の第2の実施形態に係る調理器用トッププレートを示す模式的断面図である。
図2に示すように、調理器用トッププレート2においては、
図1に示す第1の実施形態と同様に、ガラス板10の裏面10bの上に、無機顔料層11、表示層12及び透明樹脂層13が、この順序で形成されている。表示層12は、透明樹脂部12aと耐熱性樹脂部12bからなる。第2の実施形態では、表示層12における透明樹脂部12aが、表示部dを形成し、表示部dと表示領域Dが一致している。ガラス板10、無機顔料層11、耐熱性樹脂部12b、透明樹脂部12a及び透明樹脂層13は、第1の実施形態と同様の材料を用いて、同様の方法により形成することができる。
【0042】
第2の実施形態における光源20は、発光部分20aと非発光部分20bを有している。これらの発光部分20a及び非発光部分20bは、与えられた信号等に応じて、発光と非発光を繰り返すことができるものであってもよい。このような光源20として、数字や英文字等をデジタルに表示することができる、7セグメントディスプレイや14セグメントディスプレイ、及びドットマトリックス型ディスプレイなどが挙げられる。
【0043】
以上のように、第2の実施形態における光源20は、パターニングされた光を出射することにより、情報を表示させることができる光源である。その他の構成については、第1の実施形態と同様であるので、説明を省略する。
【0044】
第2の実施形態においても、無機顔料層11の上に透明樹脂部12aが形成されているので、無機顔料層11内を通る光の散乱を抑制することができる。このため、光源20から出射されるパターニングされた光が、無機顔料層11内を通過する際の光の散乱によってぼやけて見えるのを抑制することができる。したがって、光源20からのパターニングされた光を、ぼやけることなく、明確に表示することができる。また、外部からの光が無機顔料層11内を通過する際の光の散乱も抑制することができるので、消灯時においても、表示部dと表示部d以外とのΔL
*、Δa
*、Δb
*の二乗の和が小さくなる。このため、消灯時において表示領域Dの形状が見えにくくなるとともに、点灯時と消灯時における違いを鮮明にすることができる。
【実施例】
【0045】
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
【0046】
(実施例1)
図1に示す第1の実施形態と同様にして、調理器用トッププレート1を作製した。ガラス板10としては、日本電気硝子株式会社製、商品名「ネオセラムN−0」を用いた。無機顔料層11に用いる顔料としては、Fe−Co−Cr系の黒色無機顔料を用いた。無機顔料層11の形成に用いるガラス粉末としては、日本電気硝子株式会社製、商品名「NPF」を用いた。樹脂バインダーとしては、シリコーン樹脂(ダイシンペイント社製、商品名「パネルクリア」)を用いた。このシリコーン樹脂は、溶剤を50質量%含むものである。上記顔料と、ガラス粉末と、シリコーン樹脂とを、質量比(顔料:ガラス粉末:シリコーン樹脂(溶剤を含む))で、70:30:100の割合となるように混合し、ペーストを調製した。このペーストをガラス板10の裏面10bの上にスクリーン印刷法を用いて印刷した後、乾燥し、830℃の温度で焼成することにより、無機顔料層11を形成した。無機顔料層11の厚みは、5μmであった。
【0047】
次に、無機顔料層11に用いた顔料と同じ顔料と、上記シリコーン樹脂とを用いて耐熱性樹脂部12bを形成した。顔料と、シリコーン樹脂とを、質量比(顔料:シリコーン樹脂(溶剤を含む))で、45:55の割合となるように混合し、ペーストを調製した。このペーストを用いて、スクリーン印刷法で無機顔料層11の上に印刷した後、乾燥して耐熱性樹脂部12bを形成した。なお、表示部dが所定のパターンで形成されるように、印刷するスクリーン版にマスクを設けた。耐熱性樹脂部12bの厚みは、6μmであった。
【0048】
次に、
図1に示すように、透明樹脂部12a及び透明樹脂層13を形成した。透明樹脂部12a及び透明樹脂層13の耐熱性樹脂としては、上記シリコーン樹脂を用いた。このシリコーン樹脂を含むペーストを、スクリーン印刷法で印刷することにより、透明樹脂部12a及び透明樹脂層13を形成した。透明樹脂部12aの厚みは6μmであり、透明樹脂層13の厚みは、5μmであった。
【0049】
以上のようにして、実施例1の調理器用トッププレート1を作製した。
【0050】
(比較例1)
図3は、比較例1の調理器用トッププレートを示す模式的断面図である。
図3に示すように、比較例1の調理器用トッププレート3は、透明樹脂部12a及び透明樹脂層13を形成していないこと以外は、実施例1と同様である。
【0051】
[実施例1及び比較例1の表示部dの観察]
図5は、実施例1の調理器用トッププレートにおける表示領域の消灯時(a)と点灯時(b)の状態の一例を示す写真である。
図6は、比較例1の調理器用トッププレートにおける表示領域の消灯時(a)と点灯時(b)の状態の一例を示す写真である。
図6(b)に示すように、比較例1では、点灯時における表示部dのパターン形状がぼやけていることがわかる。また、
図6(a)に示すように、消灯時においても、表示部dによるパターン形状がうっすらと認められる。このため、消灯時と点灯時における違いが認めにくくなっている。
【0052】
これに対し、
図5(b)に示すように、実施例1では、点灯時におけるパターン形状が明確になっていることがわかる。また、
図5(a)に示すように、消灯時において、表示部dによるパターン形状がほとんど認められない。このため、消灯時と点灯時における違いが明確に認めやすくなっている。
【0053】
(実施例2)
図2に示す第2の実施形態と同様にして、調理器用トッププレート2を作製した。ガラス板10、無機顔料層11、耐熱性樹脂部12b、透明樹脂部12a及び透明樹脂層13は、表示部dのパターン形状を除き、実施例1と同様にして形成した。
【0054】
(比較例2)
図4は、比較例2の調理器用トッププレートを示す模式的断面図である。
図4に示すように、比較例2の調理器用トッププレート4は、透明樹脂部12a及び透明樹脂層13を形成していないこと以外は、実施例2と同様である。
【0055】
[実施例2及び比較例2の表示領域Dの観察]
図7は、実施例2の調理器用トッププレートにおける表示領域の点灯時の状態の一例を示す写真である。
図8は、比較例2の調理器用トッププレートにおける表示領域の点灯時の状態の一例を示す写真である。
【0056】
図8に示すように、比較例2では、光源20からの出射光によるパターン形状がぼやけて見える。これに対し、
図7に示すように、実施例2では、光源20からの出射光によるパターン形状が明確に見える。
【0057】
したがって、本発明によれば、より明確に表示領域を表示できることがわかる。
【0058】
本発明は、電磁気調理器(IH(InductionHeating)調理器)、ラジアントヒーター調理器、ガス調理器等の種々の調理器に用いるトッププレートとして適用することができるものである。