【課題を解決するための手段】
【0006】
1つの実施例によれば、本発明は、液密な絶縁タンクの壁を製造するための絶縁ブロックであって、底面パネルと、カバーパネルと、前記底面パネルと前記カバーパネルの間に設けられた複数の細長いスペーサ構造体を有し、前記底面パネルと前記カバーパネルは平面的で互いに平行で、前記スペーサ構造体は、それぞれ下部プレートと、上部プレートと、前記下部プレートと前記上部プレートの間に設けられて、前記下部プレートと前記上部プレートに固定された一列の支柱とを有し、前記一列の支柱によって前記下部プレートと前記上部プレートは互いに平行に間隔をあけて保持されており、前記スペーサ構造体は前記底面パネルに固定された前記下部プレートと前記カバーパネルに固定された前記上部プレートによって互いに平行に設けられており、前記底面パネルと前記カバーパネルの間に設けられた熱絶縁ライナが、前記スペーサ構造体の前記支柱の間の空間と、それぞれの前記スペーサ構造体の間の空間を埋めていることを特徴とする絶縁ブロックを提供する。
【0007】
1つの実施例によれば、前記スペーサ構造体が、前記一列の支柱に沿って位置する上部横方向補強材を有し、前記上部横方向補強材が列方向の前記支柱の1つの両側と前記上部プレートとに接続されている。1つの実施例によれば、前記スペーサ構造体が、前記一列の支柱に沿って位置する下部横方向補強材を有し、前記下部横方向補強材が列方向の前記支柱の1つの両側と前記下部プレートとに接続されている。
【0008】
幾つかの実施例によれば、このような絶縁ブロックは以下の特徴の1つ以上を有している。
1.スペーサ構造体は、一列の支柱の両側に位置付けられた1対の上部横方向補強材及び/又は1対の下部横方向補強材を有している。
2.横方向補強材が正方形又は長方形の断面を有する棒である。
3.支柱が正方形又は長方形の断面を有する。
4.熱絶縁ライナが、高分子発泡体の事前に切断されたブロックで構成されている。
事前に切断されたライナを用いることで、取り扱う部材の数を削減することによって絶縁ブロックのより迅速な生産を可能にしている。
5.絶縁ブロックが底面パネルと前記カバーパネルの周囲全体を横方向に閉じており、
熱絶縁ライナがパーライト又はグラスウールで構成されている。
6.絶縁ブロックの横方向を閉じる壁が、ガラス繊維シートからなる。
7.絶縁ブロックの横方向を閉じる壁が、合板からなる。
8.支柱と横方向補強材が、接着接合されて、次にステープラーで留められている。
9.底板パネルの厚さは9mmである。
10.絶縁ブロックがその縁部に沿って外側スペーサ構造体を備え、その外側スペーサ構造体が絶縁ブロックの角部に間隙を形成するためにその端部に三角支柱を備えている。
【0009】
カバーパネルは複数の層状に製造することができる。好ましい実施例において、カバーパネルの厚さは12mmから30mmである。
【0010】
スペーサ構造体は異なる材料で形成することができ、例えば木製材料と制振材料の複合材料で形成することができる。これによって減衰による動的挙動の改善が可能になる。
【0011】
好ましい実施例によれば、熱絶縁発泡体はポリ塩化ビニル(PVC)発泡体又はポリウレタン(PU)発泡体である。1つの好ましい実施例において、ポリ塩化ビニル(PVC)発泡体の密度は35kg/m
3である。
【0012】
1つの実施例によれば、このような絶縁ブロックは絶縁材からなる層を備え、この絶縁材からなる層が底面パネルの外表面に配置され、そして液密薄膜の突起部を収容するために複数の平行な溝を有している。
【0013】
有利なことに、このような絶縁材からなる層は窒素の循環を可能にする切り込みを有する。
【0014】
複数の実施例によれば、本発明はまた、絶縁ブロックの製造方法であって、互いに平行な複数のスペーサ構造体を型の穴の中に位置付け、前記スペーサ構造体の前記上部プレートを前記型の底壁に配置するステップと、前記スペーサ構造体の前記下部プレートの前記底面パネルを固定するステップと、前記スペーサ構造体の前記支柱を前記熱絶縁ライナ内に埋め込むように、前記底面パネルと前記型の底壁の間の空間に前記熱絶縁ライナを導入するステップと、前記絶縁ブロックを引っくり返すステップと、前記カバーパネルを前記スペーサ構造体の前記上部プレートに固定し、前記型の前記穴から前記絶縁ブロックを取り外すステップと、からなる製造方法を提供する。
【0015】
1つの実施例によれば、本発明はまた、負荷耐性構造体に保持されたタンク壁を有する液密な絶縁タンクであって、前記タンク壁が、前記タンクの外側から内側に向かう方向において、前記負荷耐性構造体に保持された二次絶縁障壁と、前記二次絶縁障壁に保持された二次液密薄膜と、前記二次液密薄膜に保持された一次絶縁障壁と、前記一次絶縁障壁に保持された一次液密薄膜とを備え、前記一次絶縁障壁及び/又は前記二次絶縁障壁が、基本的に複数の絶縁ブロックで構成され、前記絶縁ブロックは繰り返しパターンで並置されていることを特徴とする液密な絶縁タンクを提供する。
【0016】
1つの実施例によれば、このようなタンクは以下の特徴の1つ以上を有している。
1.一次液密薄膜及び/又は二次液密薄膜が波形になるように互いに溶接された波形板金プレートからなり、絶縁材からなる層が自立した箱のカバーパネルの外表面とタンク壁の一次液密薄膜及び/又は二次液密薄膜との間に配置され、前記一次液密薄膜及び/又は二次液密薄膜の波形を収容するように、前記絶縁材からなる層の厚さが前記波形板金プレートの波形の高さより厚く、前記絶縁材からなる層に平行な溝が形成されている。
2.二次液密薄膜が波形になるように互いに溶接された波形板金プレートからなり、
絶縁材からなる層が一次絶縁障壁の絶縁ブロックの底面パネルの外表面とタンク壁の二次液密薄膜との間に配置され、前記二次液密薄膜の波形を収容するように、前記絶縁材からなる層の厚さが前記波形板金プレートの波形の高さより厚く、前記絶縁材からなる層に平行な溝が形成されている。
3.二次液密薄膜が低膨張係数を有し、平行な溶接支持体に上向き縁部で液密態様に溶接された鋼製外板の連続した織物からなり、絶縁材からなる層が一次絶縁障壁の絶縁ブロックの底面パネルの外表面とタンク壁の前記二次液密薄膜との間に配置され、
前記二次液密薄膜の前記上向き縁部と前記溶接支持体を収容するように、前記絶縁材からなる層の厚さが前記二次液密薄膜の前記上向き縁部と前記溶接支持体の高さより厚く、前記絶縁材からなる層に平行な溝が形成されている。
【0017】
このようなタンクは、例えばLNG貯蔵用の陸上の貯蔵施設の一部であり、又は浮遊の沿岸の又は沖合の構造体に設置され、特にメタンタンカー、浮体式貯蔵・気化設備(FSRU)、浮体式生産貯蔵積出設備(FPSO)などに利用される。
【0018】
1つの実施例によれば、冷たい液体製品を輸送するための船は、二重船体と、前記二重船体に設けられた上述のタンクと、を有する
【0019】
1つの実施例によれば、本発明はまた、冷たい液体製品が、絶縁パイプラインを通って、浮遊の又は陸上の貯蔵施設から船の絶縁タンクへ、又は前記絶縁タンクから前記貯蔵施設へ運ばれる、船に積み込む又は積み下ろしするための方法を提供する。
【0020】
1つの実施例によれば、船に積み込む又は積み下ろしするために、冷たい液体製品が、絶縁パイプラインを通って、浮遊の又は陸上の貯蔵施設から船の絶縁タンクへ、又は前記絶縁タンクから前記貯蔵施設へ運ばれるように、このような船が使用される。
【0021】
1つの実施例によれば、本発明はまた、船の二重船体に設置されたタンクを浮遊の又は陸上の貯蔵施設と接続するように配置された絶縁パイプラインと、冷たい液体製品を、前記絶縁パイプラインを通して前記浮遊の又は陸上の貯蔵施設から前記船の絶縁タンクへ、又は前記絶縁タンクから前記貯蔵施設へ運ぶためのポンプと、からなる冷たい液体製品を輸送するためのシステムを提供する。
【0022】
本発明の根底にある1つの発想は、横方向応力と曲げ応力に良好な耐性を有する一方で、圧縮強度を有する絶縁性の自立した箱を提供することである。
【0023】
本発明のある態様は、力が均一的に伝達される絶縁ブロックを提供するという発想から始められた。
【0024】
本発明のある態様は、カバーに穴があけられるのを防ぐという発想から始められた。
【0025】
本発明のある態様は、カバーの曲げ強度を補強するという発想から始められた。
【0026】
本発明のある態様は、支柱が座屈する危険性を制限するという発想から始められた。
【0027】
本発明のある態様は、自動で製造するのが容易な絶縁ブロックを提供するという発想から始められた。
【0028】
本発明のある態様は、絶縁材からなる層を自立した箱と下に横たわる液密薄膜の間に導入することで、材料のこの層の突起部分を収容するという発想から始められた。本発明のある態様は、自立した箱と絶縁材からなる層の両方を包含する絶縁ブロックのプレハブを作ることを可能にするために、自立した箱として材料のこの層をモジュールとして同一寸法で製造するという発想から始められた。
【0029】
以下の一連の記載と多数の本発明の具体的な実施例を通して、本発明はより良く理解され、さらに本発明の詳細な特徴、長所がより明らかになるであろう。これらは、添付の図面と共に単に発明を限定しない説明のために用いられる。