特許第6134718号(P6134718)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6134718アクチュエータのシーリング装置および方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6134718
(24)【登録日】2017年4月28日
(45)【発行日】2017年5月24日
(54)【発明の名称】アクチュエータのシーリング装置および方法
(51)【国際特許分類】
   F01D 17/16 20060101AFI20170515BHJP
   F16J 15/40 20060101ALI20170515BHJP
   F04D 29/46 20060101ALI20170515BHJP
   F04D 29/56 20060101ALI20170515BHJP
   F04D 29/10 20060101ALI20170515BHJP
   F02C 7/042 20060101ALI20170515BHJP
【FI】
   F01D17/16 A
   F16J15/40 Z
   F04D29/46 D
   F04D29/56 C
   F04D29/10 A
   F02C7/042
【請求項の数】9
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2014-528978(P2014-528978)
(86)(22)【出願日】2012年9月6日
(65)【公表番号】特表2014-533334(P2014-533334A)
(43)【公表日】2014年12月11日
(86)【国際出願番号】EP2012067447
(87)【国際公開番号】WO2013034656
(87)【国際公開日】20130314
【審査請求日】2015年9月1日
(31)【優先権主張番号】CO2011A000037
(32)【優先日】2011年9月9日
(33)【優先権主張国】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】505347503
【氏名又は名称】ヌオーヴォ ピニォーネ ソシエタ ペル アチオニ
(74)【代理人】
【識別番号】100137545
【弁理士】
【氏名又は名称】荒川 聡志
(74)【代理人】
【識別番号】100105588
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 博
(74)【代理人】
【識別番号】100129779
【弁理士】
【氏名又は名称】黒川 俊久
(74)【代理人】
【識別番号】100113974
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 拓人
(72)【発明者】
【氏名】イウリシ,ジュゼッペ
(72)【発明者】
【氏名】サリ,フランコ
(72)【発明者】
【氏名】ぺレッラ,マルコ
【審査官】 橋本 敏行
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2011/011338(WO,A1)
【文献】 特開2000−088114(JP,A)
【文献】 特表2002−508467(JP,A)
【文献】 特開昭62−210299(JP,A)
【文献】 特開2003−193852(JP,A)
【文献】 特開昭52−044364(JP,A)
【文献】 特開2003−004147(JP,A)
【文献】 特開昭49−034211(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F01D17/00−21/20
F04D1/00−13/16
17/00−19/02
21/00−25/16
29/00−35/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つ以上の翼の方向を変えるのに用いられるアクチュエータデバイスにおいて、
軸線に沿って力を伝達するように構成され、第1の端部が第1の流体に晒され、第2の端部が第2の流体に晒され、前記第2の端部が前記軸線に沿って前記第1の端部の反対側にあるアクチュエータロッドと、
内部において前記アクチュエータロッドを前記軸線に沿って移動可能に構成されたアクチュエータデバイス本体であって、第3の流体を該アクチュエータデバイス本体と前記アクチュエータロッドとの間の空間に流入させるように構成された第1の入口フランジと、前記第3の流体を該アクチュエータデバイス本体から排出させるように構成された第1の出口フランジとを有するアクチュエータデバイス本体と、
を備え、
(1)前記第3の流体の圧力は、前記第1の流体の圧力よりも高く、
(2)前記第1の出口フランジは、前記第1の入口フランジよりも前記アクチュエータロッド(310)の第1の端部側に設けられ、
(3)前記アクチュエータロッドは、前記軸線に沿って、前記第1の入口フランジの位置と第1の出口フランジとの間に配置された段差を有し、前記第1の入口フランジの位置の前記軸線に垂直な前記アクチュエータロッドの第1の断面積は、前記第1の出口フランジの位置の前記軸線に垂直な前記アクチュエータロッドの第2の断面積よりも小さい、
アクチュエータデバイス。
【請求項2】
前記第3の流体は、前記第1の流体と略同じ組成であり、前記第3の流体は、前記第1の流体とは温度が異なる、請求項1に記載のアクチュエータデバイス。
【請求項3】
前記アクチュエータデバイス本体は、さらに
前記アクチュエータデバイス本体と前記アクチュエータロッドとの間の空間に中性流体を流入させるように構成された第2の入口フランジと、
前記中性流体を前記アクチュエータデバイス本体から排出させるように構成された第2の出口フランジと
を備え、
前記第1の入口フランジおよび前記第1の出口フランジは、前記第2の入口フランジおよび前記第2の出口フランジよりも前記第1の端部側に設けられている、請求項1または2に記載のアクチュエータデバイス。
【請求項4】
前記中性流体は、窒素を70%含有する、請求項3に記載のアクチュエータデバイス。
【請求項5】
前記アクチュエータデバイス本体は、内部に前記第2の流体が封入された閉鎖された空洞を有し、前記空間に流入する前記中性流体の圧力は、前記第2の流体の圧力よりも高い、請求項3または4に記載のアクチュエータデバイス。
【請求項6】
前記アクチュエータデバイス本体は、さらに
前記中性流体および/または前記第3の流体を前記アクチュエータデバイス本体から排出させるように構成され、前記軸線に沿って前記第1の入口フランジと前記第2の出口フランジとの間に配置された通気口を備える、請求項3から5のいずれかに記載のアクチュエータデバイス。
【請求項7】
前記第1の入口フランジに流入する前に前記第3の流体の現在温度を変化させるように構成された第3の流体用温度調節器をさらに備える、請求項1から5のいずれかに記載のアクチュエータデバイス。
【請求項8】
圧縮機において、
当該圧縮機を通過する第1の流体の方向および流量の少なくとも一方を決定するように構成された1つ以上の翼と、
前記1つ以上の翼に力を印加するように構成されたアクチュエータデバイスと、
を備え、
前記アクチュエータデバイスは、
軸線に沿って力を伝達するように構成され、第1の端部が第1の流体に晒され、第2の端部が第2の流体に晒され、前記第2の端部が前記軸線に沿って前記第1の端部の反対側にあるアクチュエータロッドと、
内部において前記アクチュエータロッドを前記軸線に沿って移動可能に構成されたアクチュエータデバイス本体であって、第3の流体を該アクチュエータデバイス本体と前記アクチュエータロッドとの間の空間に流入させるように構成された第1の入口フランジと、前記第3の流体を該アクチュエータデバイス本体から排出させるように構成された第1の出口フランジとを有するアクチュエータデバイス本体と、
を備え、
(1)前記第3の流体の圧力は、前記第1の流体の圧力よりも高く、
(2)前記第1の出口フランジは、前記第1の入口フランジよりも前記アクチュエータロッド(310)の第1の端部側に設けられ、
(3)前記アクチュエータロッドは、前記軸線に沿って、前記第1の入口フランジの位置と第1の出口フランジとの間に配置された段差を有し、前記第1の入口フランジの位置の前記軸線に垂直な前記アクチュエータロッドの第1の断面積は、前記第1の出口フランジの位置の前記軸線に垂直な前記アクチュエータロッドの第2の断面積よりも小さい、
圧縮機。
【請求項9】
アクチュエータバーの第1の端部における圧縮機流体と前記アクチュエータバーの第2の端部における環境とをシーリングする方法において、前記第2の端部は、前記第1の端部の反対側にあり、前記アクチュエータバーは、アクチュエータデバイス本体内において軸線に沿って移動するように構成され、
圧縮機の出力からの圧縮機流体である第1の流体流を、前記アクチュエータ本体の第1の入口フランジおよび前記アクチュエータ本体の第1の出口フランジを介して、前記アクチュエータデバイス本体と前記アクチュエータロッドとの間の空間に供給する工程であって、
(1)前記第1の流体流における前記圧縮機流体の圧力は、前記アクチュエータバーの前記第1の端部における圧縮機流体の圧力よりも高く、
(2)前記第1の出口フランジは、前記第1の入口フランジよりも前記アクチュエータロッドの前記第1の端部側に設けられている
工程と、
中性流体である第2の流体流を、前記アクチュエータ本体の第2の入口フランジおよび前記アクチュエータ本体の第2の出口フランジを介して、前記アクチュエータデバイス本体と前記アクチュエータロッドとの間の空間に供給する工程であって、
(3)前記第1の入口フランジおよび前記第1の出口フランジは、前記第2の入口フランジおよび前記第2の出口フランジよりも前記第1の端部側に設けられ、
(4)前記第2の入口フランジは、前記第2の出口フランジよりも前記アクチュエータバーの前記第2の端部側に設けられている
工程と、
を有し、
前記アクチュエータロッドは、前記軸線に沿って、前記第1の入口フランジの位置と第1の出口フランジとの間に配置された段差を有し、前記第1の入口フランジの位置の前記軸線に垂直な前記アクチュエータロッドの第1の断面積は、前記第1の出口フランジの位置の前記軸線に垂直な前記アクチュエータロッドの第2の断面積よりも小さい、
方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に開示する主題の実施形態は、概して、可変吸込翼装置のアクチュエータロッドをシーリングする方法および装置、より具体的には、その機構および手法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、様々な産業において、圧縮機の重要性が高まっている。圧縮機は、エンジン、タービン、発電、低温用途、石油およびガス処理等に用いられている。したがって、圧縮機に関する種々の機構および技術は、このターボ機械の効率向上および特定の状況に関する課題解決のために研究されていることが多い。
【0003】
作動システムは、圧縮機、ポンプ、膨張機等の様々な機器において、機器の現在の状態を変化させるために力を印加するために用いられる。例えば、作動システムは、適切なサージを保証し効率を最大限に高める等のために、圧縮機用途において用いられる可動入口案内翼(IGV)を動作させて、圧縮機のロータに流入する空気の流入角を調整し、流入空気量を調節することができる。
【0004】
可動IGV装置100の一例を図1に示す。この図は、非特許文献1から複製したものであり、非特許文献1は、全体が引用により本明細書に組み込まれる。可動IGV装置100は、第1の翼104に直接接続されたアクチュエータレバー102を備える。第1の翼104は、駆動アーム106を介して駆動リング108に接続されている。第1の翼104は、案内翼キャリア110に回転可能に取付けられている。他の複数の翼112も、案内翼キャリア110に回転可能に取付けられている。複数の翼112は、駆動リング108に接続された複数のリンク機構114によって作動する。したがって、アクチュエータレバー102を回転させると、この回転により、第1の翼104が回転するとともに駆動リング108が移動し、これにより、複数のリンク機構114が動作して複数の翼112が回転する。
【0005】
図2に、可動IGV装置の動作方法を示す(ここで、116は案内翼キャリアである。)。接点118において、アクチュエータバー120から印加される作動力Fが駆動リング108に伝達される。アクチュエータロッド120から伝達される作動力は、アクチュエータデバイス130によって発生する。アクチュエータデバイス130は、アクチュエータデバイス内に配置された制御電子装置140によって少なくとも部分的に制御および/または監視される。
【0006】
可動IGV装置100が動作し得る悪環境を(例えば、天然ガス設備における使用)を想定すると、制御電子装置140はこの環境から隔離される。従来、このような制御電子装置140の環境からの隔離は、メカニカルシール、例えばアクチュエータデバイス130の本体とアクチュエータロッド120との間の間隔を閉じるばねによって付勢される運動用シールを用いて達成される。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】M.Hensges,Simulation and Optimization of an Adjustable Inlet Guide Vane for Industrial Turbo Compressors,the Proceedings of ASME Turbo Expo 2008:Power for Land,Sea and Air(2008年6月9日〜13日)
【発明の概要】
【0008】
メカニカルシールは、十分に動作しないことがわかっている。さらに、環境中(すなわち、アクチュエータデバイスの外部)のガスは、低温(極低温)である場合があり、したがって、アクチュエータデバイス130の本体内部から延在する熱良導体であるアクチュエータロッド120が冷却され、(筐体内部の湿気が凝結することにより)氷結する場合がある。この氷がアクチュエータバーの動きを阻害する場合がある。
【0009】
さらに、作動力が油圧により発生する場合、アクチュエータデバイス130の内部と外部との圧力差により問題(例えば、不均衡および力の印加)および非効率(例えば、作動力の方向が変化してしまう)がさらに生じることがあり、この場合シーリングの効果がなくなってしまう。
【0010】
したがって、上述の課題および欠点を回避する装置および方法の提供が望まれる。
【0011】
様々な実施形態によれば、アクチュエータロッドの一端部における第1の流体とアクチュエータロッドの反対側の端部における第2の流体との分離が、少なくとも1本の流体流を用いることによって達成される。
【0012】
例示的な一実施形態によれば、1つ以上の翼の方向を変えるのに用いられるアクチュエータデバイスは、アクチュエータロッドと、アクチュエータデバイス本体とを備える。アクチュエータロッドは、軸線に沿って力を伝達するように構成され、第1の流体中の第1の端部と第2の流体中の第2の端部を有し、第2の端部が軸線に沿って第1の端部の反対側にある。アクチュエータデバイス本体は、内部においてアクチュエータロッドを軸線に沿って移動可能に構成され、第3の流体をアクチュエータデバイス本体とアクチュエータロッドとの間の空間に流入させるように構成された第1の入口フランジと、第3の流体をアクチュエータデバイス本体から排出させるように構成された第1の出口フランジとを有する。第3の流体の圧力は、第1の流体の圧力よりも高く、第1の出口フランジは、第1の入口フランジよりもアクチュエータロッドの第1の端部側に設けられている。
【0013】
他の例示的な実施形態によれば、圧縮機は、圧縮機を通過する第1の流体の方向および流量の少なくとも一方を決定するように構成された1つ以上の翼と、1つ以上の翼に力を印加するように構成されたアクチュエータデバイスとを備える。アクチュエータデバイスは、アクチュエータロッドと、アクチュエータデバイス本体とを備える。アクチュエータロッドは、軸線に沿って力を伝達するように構成され、第1の流体中の第1の端部と第2の流体中の第2の端部を有し、第2の端部が軸線に沿って第1の端部の反対側にある。アクチュエータデバイス本体は、内部においてアクチュエータロッドを軸線に沿って移動可能に構成され、第3の流体をアクチュエータデバイス本体とアクチュエータロッドとの間の空間に流入させるように構成された第1の入口フランジと、第3の流体をアクチュエータデバイス本体から排出させるように構成された第1の出口フランジとを有する。第3の流体の圧力は、第1の流体の圧力よりも高く、第1の出口フランジは、第1の入口フランジよりもアクチュエータロッドの第1の端部側に設けられている。
【0014】
他の例示的な実施形態によれば、アクチュエータバーの第1の端部における圧縮機流体とアクチュエータバーの第2の端部における環境とをシーリングする方法であって、第2の端部は、第1の端部の反対側にあり、アクチュエータバーは、アクチュエータデバイス本体内において軸線に沿って移動するように構成された方法が提供される。本方法は、圧縮機の出力からの圧縮機流体である第1の流体流を、アクチュエータ本体の第1の入口フランジおよびアクチュエータ本体の第1の出口フランジを介して、アクチュエータデバイス本体とアクチュエータロッドとの間の空間に供給する工程を有し、(1)第1の流体流における圧縮機流体の圧力は、アクチュエータバーの第1の端部における圧縮機流体の圧力よりも高く、(2)第1の出口フランジは、第1の入口フランジよりもアクチュエータロッドの第1の端部側に設けられている。さらに、本方法は、中性流体である第2の流体流を、アクチュエータ本体の第2の入口フランジおよびアクチュエータ本体の第2の出口フランジを介して、アクチュエータデバイス本体とアクチュエータロッドとの間の空間に供給する工程を有し、(3)第1の入口フランジおよび第1の出口フランジは、第2の入口フランジおよび第2の出口フランジよりも第1の端部側に設けられ、(4)第2の入口フランジは、第2の出口フランジよりもアクチュエータバーの第2の端部側に設けられている。
【0015】
明細書に組み込まれてその一部を構成する添付図面は、一実施形態または複数の実施形態を示し、明細書とともにこれらの実施形態を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】入口案内翼(IGV)装置の概略図である。
図2】入口案内翼(IGV)装置を動作させるアクチュエータデバイスの図である。
図3】例示的な実施形態に係るアクチュエータデバイスの概略図である。
図4】他の例示的な実施形態に係るアクチュエータデバイスの概略図である。
図5】他の例示的な実施形態に係るアクチュエータデバイスの概略図である。
図6】他の例示的な実施形態に係るアクチュエータデバイスの概略図である。
図7】他の例示的な実施形態に係る圧縮機の入口案内翼(IGV)を動作させるアクチュエータデバイスの概略図である。
図8】例示的な実施形態に係る、圧縮機のアクチュエータバーの第1の端部における圧縮機流体をアクチュエータバーの第2の端部における環境からシーリングする方法であって、第2の端部が第1の端部の反対側であり、アクチュエータバーが軸線に沿って移動するように構成されている方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下の例示的な実施形態の説明において、添付図面を参照する。各図において、同じ参照符号は同様または類似の要素を示す。以下の詳細な説明は、本発明を限定するものではない。むしろ、本発明の範囲は特許請求の範囲により定められる。以下の実施形態では、単純化するため、アクチュエータデバイスを介して力を印加することにより変化する吸込翼を有する圧縮機の用語および構造について述べる。なお、次に述べる実施形態は、これらの圧縮機に限定されるものではなく、アクチュエータロッドの一端部における環境をアクチュエータロッドの他端部における環境から隔離させる必要がある他の装置にも適用することができる。
【0018】
明細書全体を通して、「一実施形態」または「或る実施形態」に言及した場合、或る実施形態に関して記載された特定の特徴、構造、特性が、開示された主題の少なくとも一実施形態に含まれることを意味する。したがって、明細書全体を通して各所に用いられる「一実施形態において」または「或る実施形態において」という表現は、必ずしも同じ実施形態に言及するものであるとは限らない。さらに、特定の特徴、構造、特性を、1つ以上の実施形態において適宜組み合わせてもよい。
【0019】
各実施形態に係るアクチュエータデバイスにおいて、ばねを用いたメカニカルシールを、アクチュエータロッドとアクチュエータ本体との間を循環する1本以上の流体流を用いた動的シーリングに置き換える。流体流の少なくとも1本により、アクチュエータロッドを加熱して氷結を抑制してもよい。
【0020】
図3は、軸線305に沿って力を印加するように構成されたアクチュエータデバイス300の例示的な実施形態を示す。アクチュエータデバイス300は、1つ以上の翼の向きを変えるために用いられ得る。アクチュエータデバイス300は、軸線305に沿って力を伝達するように構成されたアクチュエータロッド310を備える。アクチュエータロッド310の第1の端部312は、第1の流体、例えば圧縮機に入る天然ガスによって囲まれている。
【0021】
アクチュエータロッド310は、アクチュエータデバイス本体320を貫通して動くように配設されている。換言すれば、アクチュエータデバイス本体320は、アクチュエータロッド310がアクチュエータデバイス本体320内部を軸線305に沿って動くことができるように構成されている。アクチュエータロッド310の第2の端部314(この第2の端部は、軸線305に沿って第1の端部312の反対側である)は、アクチュエータデバイス本体320の空洞316内に封入された第2の流体に晒され得る。制御電子装置318が、第2の流体に晒されるアクチュエータデバイス本体320に配設され得る。制御電子装置という用語は、アクチュエータおよび/またはアクチュエータモータを表し得る。本発明は、腐食性の第1の流体から隔離された状態に維持される第2の流体に晒された、制御電子装置と総称される1つまたは複数の装置によって限定されるものではない。
【0022】
第2の流体は、電子装置318に悪影響を及ぼさない空気または他の流体とすることができる。なお、圧縮機内で圧縮され得る天然ガスは、通常腐食性であり、典型的には、電子装置を急速に劣化させる。したがって、アクチュエータデバイス本体320およびアクチュエータロッド310は、第1の流体(例えば、天然ガス)が第2の流体(例えば、空気)と混ざらないように構成かつ操作される。
【0023】
アクチュエータ本体320は、したがって、アクチュエータ本体内の、アクチュエータロッド310とアクチュエータ本体320との間の空間に第3の流体が流れることができるように構成されている。第3の流体がこの空間に流入可能にするため、アクチュエータデバイス本体320は第1の入口フランジ322を有している。また、第3の流体がアクチュエータデバイス本体から排出可能にするため、アクチュエータデバイス本体320は第1の出口フランジ324を有している。このため、第3の流体は、第1の入口フランジ322から第1の出口フランジ324まで、軸線305に平行かつアクチュエータロッド310とアクチュエータデバイス本体320との間を流れる。第1の出口フランジ324は、第1の入口フランジ322よりもアクチュエータロッド310の第1の端部312の側にあり得る。第3の流体は、第1の流体よりも高い圧力、および/または、第1の流体と略同様の組成を有し得る。例えば、第3の流体は、圧縮機の出口から再循環させた第1の流体を圧縮したもの(すなわち、ガス)であってもよい。
【0024】
第3の流体は、温度が第1の流体とは異なり得る。第3の流体の温度を制御するために、熱交換器または同様の既知の装置が用いられ得る。これにより、熱良導体(例えば、金属または合金)製の熱良導体であるアクチュエータロッド310を第3の流体によって加熱して、凝結および氷結が起こらないようにすることができる。
【0025】
複数のメカニカルシール330を様々な位置に配設してもよいが、本発明概念は他のシールの配設によって限定されるものではない。アクチュエータデバイス300内のアクチュエータロッド310と軸線305に沿って発生する力によって動作する1つ以上の翼との間には、連接棒340が設けられてもよいが、本発明概念はこのような連接棒の配設によって限定されるものではない。
【0026】
また、第3の流体流は、軸線に沿って力を発生するために用いてもよい。例えば、図4に示すように、他の例示的な実施形態に係るアクチュエータデバイス400は、段差415を有するアクチュエータロッド410を、軸線305に沿って、シーリング用の入口フランジ322の位置とシーリング用の出口フランジ324との間に備える。換言すれば、シーリング用の入口フランジの位置と段差415との間の軸線305に垂直なアクチュエータロッド410の第1の面積A1は、段差415とシーリング用の出口フランジ324との間の軸線に垂直なアクチュエータロッド410の第2の面積A2よりも小さい。この断面積(第3の流体流の方向、すなわち軸線305に平行な方向に垂直)の変化により、第3の流体はロッドのシーリングだけでなく流れ方向に力を発生し、これによりアクチュエータデバイス400の全体の力に寄与する。また、段差415には、圧縮機からの流体が一方向からロッド410に作用し、第3の流体がその逆方向からロッド410に作用するときの均衡化効果がある。
【0027】
図5に示す他の例示的な実施形態において、アクチュエータデバイス500は、アクチュエータデバイス本体520とアクチュエータロッド310との間の空間に他の流体が流入可能なように構成されたアクチュエータデバイス本体520を備える。アクチュエータデバイス本体520は、アクチュエータデバイス本体520とアクチュエータロッド310との中間の空間に中性の流体が流入可能なように構成された第2の入口フランジ532と、この中性流体がアクチュエータデバイス本体520から排出可能なように構成された第2の出口フランジ534とを備える。第1の入口フランジ322および第1の出口フランジ324は、第2の入口フランジ532および第2の出口フランジ534よりもアクチュエータロッド310第1の端部312側にある。また、第2の入口フランジ532は、第2の出口フランジ534よりもアクチュエータロッド310の第2の端部314側にある。中性流体は、主として窒素(N2)であってもよく、例えば、中性流体は窒素を70%含む。
【0028】
上記空間に流入する中性流体の圧力が第1の入口フランジ322に流入する流体の圧力よりも高いと、322からの流体が電子装置318が設置された閉鎖空洞316に向かって進むのをさらに防ぐことができる。このため、アクチュエータロッド310の周囲のシーリングがさらに強化される。もちろん、シーリング強化のために、従来のシール330をロッド310第2の端部314側に設けてもよい。
【0029】
さらに、アクチュエータデバイス本体は、軸線305に沿って第1の入口フランジ322と第2の出口フランジ534との間に配置され、中性流体および/または第3の流体がアクチュエータデバイス本体520から排出可能となるように構成された通気口550を備えてもよい。
【0030】
図6は、上述した特徴の複数を有するアクチュエータデバイス600の一実施形態を示す(図3図6における同じ参照符号は、同じまたは同様の要素を示す。)。また、アクチュエータデバイス600(あるいはアクチュエータ300、400、500のいずれか)は、第1の入口フランジ322に流入する前に第3の流体の現在温度を変化させるように構成された第3の流体の温度調節器660を備えてもよい。第3の流体は、アクチュエータデバイスの特定の用途/使用法によって加熱または冷却することができる。
【0031】
図7に示す全体図において、圧縮機700は、圧縮機を通過する第1の流体の方向および流量の少なくとも一方を決定するように構成された1つ以上の翼710と、アクチュエータデバイス720とを備える。アクチュエータデバイス720は、上述のデバイス300、400、500、600のいずれであってもよく、これらの1つ以上の翼710に力を印加するように構成されている。圧縮機700は、上記1つ以上の翼を通過した第1の流体を受けて第1の流体を圧縮し、圧縮した第1の流体を出力するように構成された圧縮機本体730を備える。第3の流体は、圧縮された第1の流体の一部であってもよい。
【0032】
上述の実施形態では、アクチュエータロッドの第1の端部における圧縮機流体とアクチュエータロッドの第2の端部における環境とをシーリングする方法800を実行するものもあり、第2の端部は第1の端部の反対側であり、アクチュエータバーは、アクチュエータデバイス本体内を軸線に沿って動くように構成されている。図8に示す方法800は、S810において、圧縮機の出力からの圧縮機流体である第1の流体流を、アクチュエータ本体の第1の入口フランジおよびアクチュエータ本体の第1の出口フランジを介して、アクチュエータデバイス本体とアクチュエータロッドとの間の空間に供給することを含み、(1)第1の流体流における圧縮機流体の圧力は、アクチュエータバーの第1の端部における圧縮機流体の圧力よりも高く、(2)第1の出口フランジは、第1の入口フランジよりもアクチュエータロッドの第1の端部側に設けられている。
【0033】
また、方法800は、S820において、中性流体である第2の流体流を、アクチュエータ本体の第2の入口フランジおよびアクチュエータ本体の第2の出口フランジを介して、アクチュエータデバイス本体とアクチュエータロッドとの間の空間に供給することを含み、(3)第1の入口フランジおよび第1の出口フランジは、第2の入口フランジおよび第2の出口フランジよりも第1の端部側に設けられ、(4)第2の入口フランジは、第2の出口フランジよりもアクチュエータバーの第2の端部側に設けられている。
【0034】
開示した例示的な実施形態は、ターボ機械のIGVのアクチュエータの氷結を防止するとともに均衡化する、シーリング装置および方法を提供する。なお、本説明は、本発明を限定するものではない。むしろ、例示的な実施形態は、変形例、変更例、同等物を包含するものであり、これらは請求の範囲によって定められる趣旨および範囲に含まれる。さらに、例示的な実施形態の詳細な説明では、請求の範囲に記載された発明の包括的な理解を与えるために数多くの詳細事項が述べられている。しかしながら、当業者であれば、このような特定の詳細事項なしで様々な実施形態が実施可能であることがわかる。
【0035】
例示的な実施形態の特徴および要素は、特定の組合せで記載されているが、各特徴および各要素は、実施形態における他の特徴および要素なしで単独で用いることができ、あるいは、本明細書に開示した他の特徴および要素を伴ってまたは伴わずに様々な組合せで用いることができる。
【0036】
本明細書では、当業者が、装置またはシステムの製造および使用、組み合わせられる方法の実行を含み、開示された主題を実施可能であるように、開示された主題の実施例を用いている。主題の特許を受ける範囲は、請求の範囲により定義され、当業者が想到する他の実施例も含み得る。このような他の実施例も請求の範囲に含まれるものである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8