特許第6134730号(P6134730)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6134730逆分極キャップを備えたエンハンスメントモードIII族‐N高電子移動度トランジスタ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6134730
(24)【登録日】2017年4月28日
(45)【発行日】2017年5月24日
(54)【発明の名称】逆分極キャップを備えたエンハンスメントモードIII族‐N高電子移動度トランジスタ
(51)【国際特許分類】
   H01L 29/812 20060101AFI20170515BHJP
   H01L 21/338 20060101ALI20170515BHJP
   H01L 29/778 20060101ALI20170515BHJP
【FI】
   H01L29/80 M
   H01L29/80 H
【請求項の数】8
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2014-543563(P2014-543563)
(86)(22)【出願日】2012年11月21日
(65)【公表番号】特表2015-502050(P2015-502050A)
(43)【公表日】2015年1月19日
(86)【国際出願番号】US2012066296
(87)【国際公開番号】WO2013078341
(87)【国際公開日】20130530
【審査請求日】2015年11月18日
(31)【優先権主張番号】13/302,997
(32)【優先日】2011年11月22日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390020248
【氏名又は名称】日本テキサス・インスツルメンツ株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】507107291
【氏名又は名称】テキサス インスツルメンツ インコーポレイテッド
(74)【上記1名の代理人】
【識別番号】100098497
【弁理士】
【氏名又は名称】片寄 恭三
(72)【発明者】
【氏名】サンディープ バヘル
【審査官】 杉山 芳弘
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−016087(JP,A)
【文献】 特開2007−109830(JP,A)
【文献】 特開2009−253126(JP,A)
【文献】 特表2009−503815(JP,A)
【文献】 特開2007−165719(JP,A)
【文献】 特開2004−335960(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/338
H01L 29/778
H01L 29/812
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
トランジスタを含む集積回路デバイスであって、
頂部表面を有する基板と、
頂部表面を有し、前記基板の前記頂部表面に接するバッファ層と、前記バッファ層に接するチャネル層と、前記チャネル層に接する障壁層とを含む層状構造であって、前記障壁層が第1のIII族−N材料を含み、前記チャネル層が2次元電子ガス(2DEG)を形成する、前記層状構造と、
前記障壁層の第1の領域に接し、前記チャネル層に電気的に接続される金属ソースと、
前記障壁層の第2の領域に接し、前記チャネル層に電気的に接続され、前記金属ソースから水平方向に間隔を空けられている、金属ドレインと、
頂部表面を有し、前記層状構造の前記頂部表面に接するドープされていないGaNスペーサ構造であって、前記金属ソースと前記金属ドレインの両方の間にあって、それら両方から水平方向に間隔を空けられており、前記アンドープトGaNが前記第1のIII族−N材料とは異なる第2のIII族−N材料である、前記スペーサ構造と、
頂部表面を有し、前記スペーサ構造の前記頂部表面に接し、前記スペーサ構造と同一の広がりを有する逆分極された構造であって、前記第2のIII族−N材料とは異なる第3のIII族−N材料を含む、前記逆分極された構造と、
前記逆分極された構造の前記頂部表面に接し、前記逆分極された構造と同一の広がりを有する金属ゲートと、
前記障壁層と前記スペーサ構造と前記逆分極された構造と前記金属ゲートとに接すると共にそれらの上に位置するパッシベーション層であって、前記金属ゲートを露出させる開口と前記金属ソースを露出させる開口と前記金属ドレインを露出させる開口とを有する、前記パッシベーション膜と、
を含む、集積回路デバイス。
【請求項2】
請求項1に記載の集積回路デバイスであって、
前記金属ソースの一部が、前記金属ゲートの一部の直上で前記パッシベーション層に接する、集積回路デバイス。
【請求項3】
請求項1に記載の集積回路デバイスであって、
前記第3のIII族−N材料がInGaNを含む、集積回路デバイス。
【請求項4】
請求項3に記載の集積回路デバイスであって、
前記第1のIII族−N材料がAlGaNを含む、集積回路デバイス。
【請求項5】
請求項4に記載の集積回路デバイスであって、
前記2次元電子ガス(2DEG)が前記チャネル層の頂部にあり、前記金属ゲート上に接地が印加されるときに前記逆分極された構造が前記2DEGの電子を枯渇させる、集積回路デバイス。
【請求項6】
請求項3に記載の集積回路デバイスであって、
前記スペーサ構造が前記障壁層と前記逆分極された構造とに共通の2つの成分を含み、前記逆分極された構造が前記障壁層に存在しない成分を含む、集積回路デバイス。
【請求項7】
トランジスタを含む集積回路デバイスを形成する方法であって、
頂部表面を有するバッファ層を形成することと、
前記バッファ層の前記頂部表面に接するようにIII族−Nチャネル層を形成することであって、前記III族−Nチャネル層が頂部表面を有する、前記III族−Nチャネル層を形成することと、
前記III族−Nチャネル層の前記頂部表面に接するようにIII族−N障壁層を形成することであって、前記III族−N障壁層が頂部表面を有する、前記III族−N障壁層を形成することと、
前記III族−N障壁層の前記頂部表面に接するようにIII族−Nスペーサ層を形成することであって、前記III族−Nスペーサ層が頂部表面を有する、前記III族−Nスペーサ層を形成することと、
前記III族−Nスペーサ層の前記頂部表面に接するようにIII族−Nキャップ層を形成することであって、前記III族−Nキャップ層が頂部表面を有し、前記III族−Nキャップ層が前記III族−N障壁層と前記III族−Nスペーサ層とは異なる、前記III族−Nキャップ層を形成することと、
前記III族−Nキャップ層の前記頂部表面に接するように金属の層を形成することと、
金属ゲートを形成し、前記III族−Nキャップ層の前記頂部表面を露出させるように、前記金属の層をエッチングすることであって、前記金属ゲートが頂部表面を有する、前記金属の層をエッチングすることと、
逆分極キャップを形成し、前記III族−Nスペーサ層を露出させるように、前記III族−Nキャップ層をエッチングすることと、
スペーサ構造を形成し、前記III族−N障壁層の前記頂部表面を露出させるように、前記III族−Nスペーサ層をエッチングすることと、
前記障壁層と前記スペーサ構造と前記逆分極キャップと前記金属ゲートとに接するパッシベーション層を堆積させることと、
前記障壁層の前記頂部表面を露出させるソース開口と、前記障壁層の前記頂部表面を露出させるドレイン開口と、前記金属ゲートの前記頂部表面を露出させるゲート開口とを形成するように、前記パッシベーション層をエッチングすることと、
前記ソース開口と前記ドレイン開口と前記ゲート開口とをそれぞれ充填するために、前記障壁層と前記パッシベーション層と前記金属ゲートとに接する金属の層を堆積させることと、
前記障壁層に接する金属ソースと金属ドレイン、及び前記金属ゲートに接する金属拡張部を形成するように、前記金属の層をエッチングすることと、
を含み、
前記III族‐Nスペーサ層が前記III族−N障壁層とは異なる、方法。
【請求項8】
請求項7に記載の方法であって、
前記金属ソースの一部が前記金属ゲートの一部の直上で前記パッシベーション層に接する、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、概して、エンハンスメントモードIII族‐N高電子移動度トランジスタ(HEMT)を含む集積回路デバイスに関し、更に特定して言えば、逆分極キャップを備えたエンハンスメントモードIII族‐N HEMTに関連する。
【背景技術】
【0002】
III族‐N高電子移動度トランジスタ(HEMT)は、バンドギャップが広く、電子飽和速度が高いため、パワーエレクトロニクスに対する潜在的な優位性を示してきている。これらの材料特性は、高い降伏電圧、低いオン抵抗、及び高速スイッチングをもたらす。III族‐N HEMTはまた、シリコンベースのトランジスタより高い温度で動作することが可能である。これらの特性のため、III族‐N HEMTは、照明及び車両制御など、高効率電力制御用途によく適している。
【0003】
図1は、従来のエンハンスメントモードIII族‐N HEMT100を図示する断面図を示す。図1に示すように、エンハンスメントモードIII族‐N HEMT100は、基板110、及び基板110の頂部表面に接する層状構造112を含む。基板110は通常、SiCで実装される。これは、SiCが適度に低い格子ミスマッチ(−3%)及び高い熱伝導率を有するためである。しかし、SiC基板は、高価であり、サイズが限定される。基板110はまた、通常、Siで実装される。これは、Siの低いコストと、Si処理インフラストラクチャーへのアクセスのためである。
【0004】
層状構造112は、基板110の頂部表面に接するバッファ層114、バッファ層114の頂部表面に接するチャネル層116、及びチャネル層116の頂部表面に接する障壁層118を含む。障壁層118は凹部119を有し、凹部119は、障壁層118の底部表面の垂直方向上方にある底部表面を有する。
【0005】
バッファ層114、チャネル層116、及び障壁層118は各々、典型的に、1つ又は複数の順次III族窒化物層で実装され、III族は、In、Ga、及びAlの1つ又は複数を含む。例えば、障壁層118は通常はAlGaNから形成され、チャネル層116は通常はGaNから形成される。このように、チャネル層116は、材料障壁層118を実装するために用いられるIII族‐N材料とは異なるIII族‐Nで実装される。
【0006】
また、層状構造112は従来、有機金属化学気相成長(MOCVD)及び分子線エピタキシー(MBE)などのエピタキシャル堆積手法を用いて基板110上に層状構造112を成長させることによって形成される。層状構造112が形成された後、従来のマスク及びエッチング工程で凹部119が形成される。
【0007】
バッファ層114は、格子定数における差に対処するため及び転位最小化された成長表面を提供するため、基板110とチャネル層116との間の遷移層を提供する。しかし、基板110がシリコンから形成されるとき、応力、後続のウエハの撓み、及び窒化物フィルムのクラックに起因して、6インチ基板上に2〜3μmより厚いバッファ層114を成長させることが困難である。
【0008】
図1に更に示されるように、エンハンスメントモードIII族‐N HEMT100は、層状構造112の頂部表面に接し、且つ、凹部119をライニングするゲート誘電体120と、ゲート誘電体120の頂部表面に接する金属ゲート122とを更に含む。また、エンハンスメントモードIII族‐N HEMT100は、障壁層118を介してオーミックコンタクトを成す、金属ソース124及び金属ドレイン126を含む。金属ソース124及び金属ドレイン126は、水平に離間され、チャネル層116に電気的に接続される。
【0009】
オペレーションにおいて、Mishraらの「AlGaN/GaN HEMT―デバイスオペレーション及びアプリケーションの概要」に説明されるように、HEMTのチャネル層及び障壁層は、図1に示すように、チャネル層の頂部にある二次元電子ガス(2DEG)130の形成を誘発する、異なる分極特性及びバンドギャップを有する。高濃度の電子を有する2DEG130は、従来の電界効果トランジスタ(FET)におけるチャネルに類似する。
【非特許文献1】Mishra et al, "AlGaN/GaN HEMTs - An Overview of Device Operation and Applications", Proceedings of the IEEE, Vol. 90, No. 6, June 2002, pp. 1022-1031
【0010】
更に、エンハンスメントモードデバイスにおいて、2DEG130は、ゲートの下で電子が枯渇され、そのためノーマリーオフデバイスとなる。そのため、金属ゲート122上に接地が印加されるとき、2DEG130による金属ドレイン126から金属ソース124への電流は流れない。しかし、金属ソース124上に接地が置かれ、金属ドレイン126上に正の電圧が印加され、閾値電圧より大きい正の電圧が金属ゲート122上に印加されるとき、2DEG130による金属ドレイン126から金属ソース124への電流が流れる。
【0011】
そのため、エンハンスメントモードのIII族‐N HEMT100のオペレーションの間、III族‐N HEMT100がオン及びオフになる度、金属ゲート122と金属ドレイン126の間に、大電圧が印加され、そして取り除かれる。何千回にもわたる大電圧の印加及び取り除きは、ゲート誘電体120などのHEMTの部品にストレスをかけ、エンハンスメントモードIII族‐N HEMT100の最終的な欠陥にもつながる。その結果、誘電体フリーのエンハンスメントモードIII族‐N HEMTを有することが望ましい。
【0012】
「ゲートインジェクショントランジスタ(GIT)‐導電性変調を用いたノーマリーオフAlGaN/GaNパワートランジスタ」において、ウエモトらは、ゲート誘電体120の代わりにAlGaNのpドープされた(Mg)キャップを用いたエンハンスメントモードIII族‐N HEMTを提案している。P型ドーパントは2DEGを枯渇させ、それによりノーマリーオフデバイスを形成する。このデバイスは、例えば、金属ソース124上に接地を、金属ドレイン126上に正の電圧を、及び金属ゲート122上に閾値電圧より大きい正の電圧を印加することにより、オンにされる。
【非特許文献2】Uemoto et al, " Gate Injection Transistor (GIT) - A Normally-Off AlGaN/GaN Power Transistor Using Conductivity Modulation," IEEE Transactions on Electron Devices (TED), Vol. 54, Issue 12, 2007, pp. 3393-3399
【0013】
正孔注入原理を用いるエンハンスメントモードIII族‐N HEMTでは、残念なことに、正孔を抽出する必要性に起因してターンオフ時間が遅くなる。別の問題点は、AlGaNのキャップを形成するために必要とされない領域から、AlGaN障壁層上にあるpドープされたAlGaN層を取り除くことが困難であり、それにより、変動性が増大する点である。UC Santa Barbara又はFerdinand-Braun-Institutからのものなど、AlGaN(これはゲート誘電体120の代わりに用いられた)のキャップの代わりにGaNキャップが用いられる場合、上述の問題は簡易化されるが、ゲート端子上の最大許容電圧が接合ターンオンにより制限され、これは回路設計者の要件に合致しない可能性がある。
【0014】
「ノーマーリーオフオペレーションに対する薄いInGaNキャップ層を備えたAlGaN/GaN HEMT」において、ミズタニらは、ゲート誘電体120の代わりにInGaNの逆分極キャップを用いたエンハンスメントモードIII族‐N HEMTを提案している。InGaNの逆分極は伝導帯を上げ、2DEGを枯渇させ、それにより、ノーマリーオフデバイスを形成する。このデバイスは、例えば、金属ソース124上に接地を、金属ドレイン126上に正の電圧を、及び金属ゲート122上に閾値電圧より大きい正の電圧を印加することにより、オンにされる。
【非特許文献3】Mizutani et al, "AlGaN/GaN HEMTs with Thin InGaN Cap Layer for Normally Off Operation," IEEE Electron Device Letters, Vol. 28, Issue 7, 2007, pp. 549-551
【0015】
ミズタニにより提案されたエンハンスメントモードIII族‐N HEMTの弱点の一つは、AlGaN障壁層上にあるパターニングされたInGaN構造を形成することが難しいため、デバイスが信頼性を持って大量生産され得ないことである。ミズタニは、まず障壁層の頂部表面上に薄いInGaNキャップ層を成長させることにより、エンハンスメントモードIII族‐N HEMTを製造することを提案している。そして、金属ゲートが形成された後(金属堆積、マスク、及びエッチ)、金属ゲート自体が、薄いInGaNキャップ層の露出された領域を取り除くためのマスクとして用いられる。
【0016】
しかし、下にあるAlGaN障壁層の一部を取り除くことなく、薄いInGaNキャップ層の露出された領域を取り除くことは、そのようにするための選択的エッチが不足していることに起因して、困難である。そのため、ゲート誘電体に関連付けられる問題を低減し、且つ、大量生産を可能とする、エンハンスメントモードIII族‐N HEMTが求められている。また、回路設計者のニーズを一層良好に満たすため最大許容可能ゲート電圧を増大させることも必要とされている。
【発明の概要】
【0017】
トランジスタを含む集積回路デバイス及びその製造の方法が開示される。
【0018】
一例において、トランジスタを含むデバイスは、頂部表面を有する基板、頂部表面を有し、且つ、基板の頂部表面に接するバッファ層と、バッファ層に接するチャネル層と、チャネル層に接する障壁層とを含む層状構造、頂部表面を有し、且つ、層状構造の頂部表面に接するスペーサ構造、頂部表面を有し、且つ、スペーサ構造の頂部表面に接する逆分極された構造、及び逆分極された構造の頂部表面に接する金属ゲートを含む。障壁層は第1のIII族‐N材料を含む。スペーサ構造は、第1のIII族‐N材料とは異なる第2のIII族‐N材料を含む。逆分極された構造は、第2のIII族‐N材料とは異なる第3のIII族‐N材料を含む。
【0019】
このデバイスは、障壁層、スペーサ構造、逆分極された構造、及び金属ゲートに接し、且つ、それらの上方に位置するパッシベーション層を更に含み得る。パッシベーション層は、金属ゲートの或る領域を露出させる開口、障壁層の第1の領域を露出させる開口、及び障壁層の第2の領域を露出させる開口を有する。
【0020】
このデバイスは、パッシベーション層と障壁層の第1の領域とに接する金属ソース、及びパッシベーション層と障壁層の第2の領域とに接する金属ドレインを更に含み得る。金属ソースはチャネル層に電気的に接続される。金属ドレインは、チャネル層に電気的に接続され、且つ、金属ソースから水平に離間される。
【0021】
幾つかの実装において、金属ソースの一部が、金属ゲートの一部の直上でパッシベーション層に接する。第2のIII族‐N材料はGaNを含み得る。第3のIII族‐N材料はInGaNを含み得る。第1のIII族‐N材料はAlGaNを含み得る。
【0022】
このデバイスは更に、チャネル層の頂部にある二次元電子ガス(2DEG)を更に含み得る。金属ゲート上に接地が印加されるとき、逆分極された構造は、2DEGの電子を枯渇させる。スペーサ構造は、障壁層及び逆分極された構造に共通の2つの要素を含み、逆分極された構造は、障壁層に存在しない要素を含む。
【0023】
別の例において、トランジスタを含む集積回路デバイスを形成する方法が、頂部表面を有するバッファ層を形成すること、バッファ層の頂部表面に接するように、頂部表面を有するIII族‐Nチャネル層を形成すること、III族‐Nチャネル層の頂部表面に接するように、頂部表面を有するIII族‐N障壁層を形成すること、III族‐N障壁層の頂部表面に接するように、頂部表面を有するIII族‐Nスペーサ層を形成すること、このIII族‐Nスペーサ層の頂部表面に接するように、頂部表面を有し、且つ、III族‐N障壁層及びIII族‐Nスペーサ層とは異なるIII族‐Nキャップ層を形成すること、及びIII族‐Nキャップ層の頂部表面に接するように金属の層を形成することを含む。
【0024】
幾つかの例において、III族‐Nスペーサ層はIII族‐N障壁層とは異なり得る。この方法は、金属ゲートを形成するように、及び、III族‐Nキャップ層の頂部表面を露出させるように金属の層をエッチングすることを更に含み得る。金属ゲートは頂部表面を有する。III族‐Nキャップ層は、逆分極キャップを形成するように、及び、III族‐Nスペーサ層を露出させるようにエッチングされ得る。
【0025】
幾つかの例において、この方法は、障壁層、スペーサ構造、逆分極キャップ、及び金属ゲートに接するパッシベーション層を堆積させることを更に含み得る。この方法は、障壁層の頂部表面を露出させるソース開口と、障壁層の頂部表面を露出させるドレイン開口と、金属ゲートの頂部表面の或る領域を露出させるゲート開口とを形成するようにパッシベーション層をエッチングすることを更に含み得る。この方法は、それぞれ、ソース開口と、ドレイン開口と、ゲート開口とを充填するため、障壁層と、パッシベーション層と、金属ゲートとに接する金属の層を堆積させることを更に含み得る。この方法は、障壁層に接する金属ソース及び金属ドレイン、及び金属ゲートに接する金属拡張部を形成するように金属の層をエッチングすることを更に含み得る。一例において、金属ソースの一部が、金属ゲートの一部の直上でパッシベーション層に接する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1図1は、従来のエンハンスメントモードIII族‐N HEMT100を図示する断面図である。
【0027】
図2A図2Aは、本発明に従ったエンハンスメントモードIII族‐N HEMT200の一例を図示する断面図である。
【0028】
図2B図2Bは、本発明に従った、閾値電圧より大きい正の電圧が金属ゲート214上に印加されるときのエンハンスメントモードIII族‐N HEMT200の一例を図示する断面図である。
【0029】
図2C図2Cは、本発明に従ったエンハンスメントモードIII族‐N HEMT200のオペレーションを更に図示するバンド図である。
【0030】
図3A図3Aは、本発明に従ったエンハンスメントモードIII族‐N HEMTを形成する方法の一例を図示する断面図である。
図3B図3Bは、本発明に従ったエンハンスメントモードIII族‐N HEMTを形成する方法の一例を図示する断面図である。
図3C図3Cは、本発明に従ったエンハンスメントモードIII族‐N HEMTを形成する方法の一例を図示する断面図である。
図3D図3Dは、本発明に従ったエンハンスメントモードIII族‐N HEMTを形成する方法の一例を図示する断面図である。
図3E図3Eは、本発明に従ったエンハンスメントモードIII族‐N HEMTを形成する方法の一例を図示する断面図である。
図3F図3Fは、本発明に従ったエンハンスメントモードIII族‐N HEMTを形成する方法の一例を図示する断面図である。
図3G図3Gは、本発明に従ったエンハンスメントモードIII族‐N HEMTを形成する方法の一例を図示する断面図である。
図3H図3Hは、本発明に従ったエンハンスメントモードIII族‐N HEMTを形成する方法の一例を図示する断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
図2Aは、本発明の一実施例に従った、例示のエンハンスメントモードIII族‐N高電子移動度トランジスタ(HEMT)200を図示する。これ以降に更に詳細に説明するように、逆分極キャップを備えたエンハンスメントモードIII族‐N HEMTを大量生産で信頼性を持って製造するために、材料及び選択性エッチングが用いられる。
【0032】
エンハンスメントモードIII族‐N HEMT200は、エンハンスメントモードIII族‐N HEMT100と類似するため、両方のエンハンスメントモードIII族‐N HEMTに共通の構造を示すために同じ符号を用いる。現在の例において、エンハンスメントモードIII族‐N HEMT200は、エンハンスメントモードIII族‐N HEMT200では凹部119が省かれているという点で、エンハンスメントモードIII族-N HEMT100とは異なる。
【0033】
図2Aに示すように、エンハンスメントモードIII族‐N HEMT200はまた、エンハンスメントモードIII族‐N HEMT200が、層状構造112の障壁層118の頂部表面に接するスペーサ構造210を含むという点で、エンハンスメントモードIII族‐N HEMT100とは異なる。スペーサ構造210は、障壁層118を形成するために用いられるIII族‐N材料に対して選択的にエッチングされ得るIII族‐N材料で実装される。
【0034】
現在の例において、スペーサ構造210はGaNで実装され、障壁層118はAlGaNで実装される。そのため、スペーサ構造210は、障壁層118を実装するために用いられるIII族‐N材料とは異なるIII族‐N材料で実装される。スペーサ構造210は、ドープされてもよく、ドープされなくてもよい。ドープされないGaNスペーサ構造の利点の一つは、ドープされないGaNスペーサ構造はMgのようなp型ドーパントの複雑性を回避するという点である。
【0035】
エンハンスメントモードIII族‐N HEMT200は更に、エンハンスメントモードIII族‐N HEMT200が、スペーサ構造210の頂部表面に接する逆分極キャップ構造212と、逆分極キャップ構造212の頂部表面に接する金属ゲート214とを含むという点でエンハンスメントモードIII族‐N HEMT100とは異なる。
【0036】
逆分極キャップ構造212はIII族‐N材料で実装され、これは、通常は2DEG130を枯渇させ、且つ、スペーサ構造210を形成するために用いられるIII族‐N材料に対して選択的にエッチングされる必要はない。スペーサ構造210は、障壁層118を形成するために用いられるIII族‐N材料に対して選択的にエッチングされ得るIII族‐N材料で実装される。
【0037】
現在の例において、逆分極キャップ構造212はInGaNで実装され、スペーサ構造210はGaNで実装され、障壁層118はAlGaNで実装される。このように、逆分極キャップ構造212は、スペーサ構造210を実装するために用いられるIII族‐N材料とは異なるIII族‐N材料で実装される。また、スペーサ構造210は、障壁層118及び逆分極キャップ構造212とは異なるIII族‐N材料で実装される。
【0038】
また、エンハンスメントモードIII族‐N HEMT200は、エンハンスメントモードIII族‐N HEMT200が、障壁層118、スペーサ構造210、逆分極キャップ構造212、及び金属ゲート214に接するパッシベーション層216を含むという点で、エンハンスメントモードIII族‐N HEMT100とは異なる。
【0039】
パッシベーション層216は、金属ゲート214の或る領域を露出させる開口、障壁層118の第1の領域を露出させる開口、及び障壁層118の第2の領域を露出させる開口を有する。金属ソース124が、障壁層118の第1の領域に接するようにパッシベーション層216内の開口を介して延び、金属ドレイン126が、障壁層118の第2の領域に接するようにパッシベーション層216内の開口を介して延びる。
【0040】
オペレーションにおいて、金属ゲート214、金属ソース124、及び金属ドレイン126上に接地が印加されるとき、金属ゲート214の直下に二次元電子ガス2DEG130は存在せず、2DEG130による金属ドレイン126から金属ソース124への電流は流れない。このケースを図2Aに図示する。図2Bは、本発明に従って、金属ゲート214上に閾値電圧より大きい正の電圧が印加されるときのエンハンスメントモードIII族‐N HEMT200の一例を図示する断面図を示す。
【0041】
図2Bに示すように、閾値電圧より大きい正の電圧が金属ゲート214に印加されることで、金属ゲート214の直下に2DEG130が生成される。その結果、接地が金属ソース124上に印加され、正の電圧が金属ドレイン126上に印加され、閾値電圧より大きい正の電圧が金属ゲート214上に印加されるとき、2DEG130による金属ドレイン126から金属ソース124への電流が流れる。
【0042】
図2Cは、本発明に従ったエンハンスメントモードIII族‐N HEMT200のオペレーションを更に図示するバンド図を示す。図2Cに示すように、ライン250A及び250Bは、金属ゲート214への接地の印加を表し、ライン260A及び260Bは、金属ゲート214への1.2Vの印加を表す。
【0043】
ライン250A、250B、260A、及び260Bは、8nmの厚み及び10%のインジウムを有するInGaNキャップ構造212と、10nmの厚みを有するGaNスペーサ構造210と、10nmの厚み及び25%のアルミニウムを有するAlGaN障壁層118と、0.4Vの閾値電圧とを有するHEMT200に基づく。また、領域AはInGaNキャップ構造212を表し、領域BはGaNスペーサ構造210を表し、領域CはAlGaN障壁層118を表し、領域Dは2DEG130を表し、領域EはGaNチャネル116を表す。
【0044】
図2Cに更に示されるように、金属ゲート214に接地が印加されるとき2DEG130は電子が枯渇される。しかし、金属ゲート214に印加されるゲート電圧Vgが閾値電圧を超えるとき、2DEG130には電子が存在しオンになる。P地点で図示するように、1.2Vのゲート電圧が印加されるとき2DEG130はオンであり電子が存在する。また、チャネル形成後、いくらかのゲート電圧がGaNスペーサ構造210を介して下がり、これは、フォワードゲート電圧の範囲を拡張する。
【0045】
エンハンスメントモードIII族‐N HEMT200の閾値電圧は、逆分極キャップ構造212の厚みを変えることによって変更され得る。例えば、InGaNキャップ構造212の厚みを約80nmから約120nmまで増大させると、閾値電圧が約0.4Vから約1.2Vまで増大する。
【0046】
また、エンハンスメントモードIII族‐N HEMT200の閾値電圧は、逆分極キャップ構造212のモル分率を変えることによっても変更され得る。例えば、InGaNキャップ構造212におけるインジウムのパーセンテージを約10%から約15%まで増大させると、閾値電圧が約0.4Vから約1.2Vまで増大する。
【0047】
良好な品質の層を生成するためのInGaNキャップ構造212の最大厚みは、InGaNキャップ構造212に存在するインジウムのパーセンテージに依存する。例えば、InGaNキャップ構造212が10%のインジウムを含むとき、良好な品質の層の最大厚みは30nmである。InGaNキャップ構造212が15%のインジウムを含むとき、良好な品質の層の最大厚みは15nmである。これらの厚みは、所望の範囲の閾値電圧を達成するために充分である。
【0048】
図3A図3Hは、本発明に従ってエンハンスメントモードIII族‐N HEMTを形成する方法を図示する断面図を示す。図3Aに示すように、本発明の方法は、従来通り形成された単結晶Si半導体基板310(例えば、<111>)を用いる。
【0049】
図3Aに更に示されるように、本発明の方法は、基板310上に層状構造312を形成することにより開始する。層状構造312は、バッファ層314、チャネル層316、及び障壁層318を含む。バッファ層314、チャネル層316、及び障壁層318は各々1つ又は複数の順次III族窒化物層で実装され得、III族はIn、Ga、及びAlの1つ又は複数を含む。例えば、バッファ層314は、AlN(熱的に安定した材料)、AlGaN、及びGaNの順次層で実装され得る。また、チャネル層316は、例えばGaNで実装され得、障壁層318は、例えばAlGaNで実装され得る。
【0050】
層状構造312は、基板110をMOCVDリアクタ内に置くこと、及び基板310の頂部表面上にバッファ層314を、バッファ層314の頂部表面上にチャネル層316を、及びチャネル層316の頂部表面上に障壁層318をエピタキシャル成長させることによるなど、従来の方式で形成され得る。そのため、層状構造312は、基板310上にバッファ層314を成長させること、バッファ層314上にIII族‐Nチャネル層316を成長させること、及びIII族‐Nチャネル層316上にIII族‐N障壁層318を成長させることによって形成され得る。
【0051】
図3Aに更に示されるように、層状構造312の従来の形成に続き、この方法は、層状構造312の頂部表面に接するようにIII族‐Nスペーサ層320を形成することにより継続し、その後、III族‐Nスペーサ層320の頂部表面に接するIII族‐Nキャップ層322の形成が続く。
【0052】
層状構造312の障壁層318のIII族‐N材料に対して選択的エッチであるIII族‐Nスペーサ層320は、例えばGaNで実装され得る。また、III族‐Nスペーサ層320に対して選択的エッチである必要がないIII族‐Nキャップ層322は、例えばInGaNで実装され得る。更に、III族‐Nスペーサ層320及びIII族‐Nキャップ層322はいずれも、障壁層118の形成に続いて従来の方式でMOCVDリアクタにおいてエピタキシャル成長され得る。
【0053】
次に、ゲート金属324の層が、Ti、TiN、Al、及びWなど一般的な金属を用いて、III族‐Nキャップ層322の頂部表面に接するようにスパッタ堆積される。ゲート金属層324が堆積された後、パターニングされたフォトレジスト層326が、従来の方式でゲート金属層324上に形成され、この方式は、フォトレジストの層を堆積すること、マスクとして知られるパターニングされた黒/透明ガラスプレートを介して光を投射して、光に曝されたフォトレジスト領域を軟化させること、及び軟化されたフォトレジスト領域を取り除くことを含む。
【0054】
図3Bに示すように、パターニングされたフォトレジスト層326が形成された後、III族‐Nキャップ層322の頂部表面を露出するように、及びIII族‐Nキャップ層322の頂部表面上にある金属ゲート328を形成するように、ゲート金属層324の露出された領域がエッチングされる。ゲート金属層324は、反応性イオンエッチングなどのドライエッチング又はタイムドウェットエッチを用いてエッチングされ得る。
【0055】
これに続いて、図3Cに示すように、III族‐Nスペーサ層320の頂部表面を露出させるように、及びIII族‐Nスペーサ層320の頂部表面上にある逆分極キャップ構造330を形成するように、III族‐Nキャップ層322がエッチングされる。また、図3Cに更に示されるように、この除去は、2DEG331も生成する。現在の例において、III族‐Nキャップ層322は、III族‐Nキャップ層322がウエハ上の任意の場所にエッチングされることを確実にするためのオーバーエッチングを含んで、非選択的タイムドBClベースのタイムドエッチングでドライエッチングされる。このエッチングが非選択的であり、エッチングレートにいくらかの不均一性があるため、エッチング後に残るスペーサ層320の量は場所によって変わる。
【0056】
図3Dに示すように、逆分極キャップ構造330が形成された後、層状構造312の障壁層318の頂部表面を露出させるように、及び障壁層318の頂部表面上に位置するスペーサ構造332を形成するように、III族‐Nスペーサ層320がエッチングされる。現在の例において、III族‐Nスペーサ層320は、障壁層318に対して選択的であるSFベースのケミストリーで、即ち、障壁層318より実質的に多くのIII族‐Nスペーサ層320を取り除くエッチャントで、ドライエッチングされる。これは、前のタイムドエッチングに起因する、スペーサ層320の場所ごとの変動を補正し、障壁層318に対し均一で滑らかな表面及び厚みとなる。スペーサ構造332の形成に続いて、パターニングされたフォトレジスト層326が、アセトンを用いるなどの従来の方式で取り除かれる。
【0057】
図3Eに示すように、パターニングされたフォトレジスト層326が取り除かれた後、パッシベーション層334が、障壁層318、金属ゲート328、キャップ構造330、及びスペーサ構造332上に従来の方式で堆積される。パッシベーション層334は、例えばSiの層で実装され得、その後SiOの層が続く。パッシベーション層334の形成後、パターニングされたフォトレジスト層336が、従来の方式でパッシベーション層334の頂部表面上に形成される。(図3Eに示す切断面の外にあるパターニングされたフォトレジスト層336における開口を図示するため、パターニングされたフォトレジスト層336内に一対の垂直破線を示す。)
【0058】
図3Fに示すように、パターニングされたフォトレジスト層336が形成された後、各々障壁層318の頂部表面を露出させる、ソース開口340及びドレイン開口342を形成するように、パッシベーション層334の露出された領域がエッチングされる。代替として、下にある障壁層318の一部又は全ても、障壁層318内の垂直破線で図示するようにエッチングされ得る。
【0059】
また、このエッチングは更に、金属ゲート328の頂部表面の或る領域を露出させる、パッシベーション層334におけるゲート開口343を形成する(ゲート開口343は、図3Fに示す切断面の外にあるため、一対の垂直破線で示す)。これに続いて、パターニングされたフォトレジスト層336が、従来の方式で取り除かれる。
【0060】
次に、図3Gに示すように、障壁層318、金属ゲート328の一部、及びパッシベーション層334に接するように、オーミック金属344の層が従来の方式で堆積される。現在の例において、オーミック金属層344はチタンの層で実装され得、その後、アルミニウムの層、及び上にあるタングステン又は窒化アルミニウムの層が続く。オーミック金属層344の形成後、パターニングされたフォトレジスト層346が、従来の方式でオーミック金属層344の頂部表面上に形成される。(図3Gの切断面の外にあるパターニングされたフォトレジスト層336により保護されるオーミック金属層344の領域を図示するため、パターニングされたフォトレジスト層346内に一対の垂直破線を示す。)
【0061】
図3Hに示すように、パターニングされたフォトレジスト層346が形成された後、金属ソース350を形成するようにオーミック金属層344の露出された領域がエッチングされ、金属ソース350は、パッシベーション層334に接し、障壁層318に接するようにソース開口340に存在し、フィールドプレートを形成するため金属ゲート328の頂部表面の直上に存在するように延びるように形成される。このエッチングは更に、障壁層318に接するようにドレイン開口342に存在する金属ドレイン352を形成する。
【0062】
このエッチングは更に、金属ゲート328の頂部表面に接するようにゲート開口343に存在する金属拡張部354(図3Hに示す切断面の外にある金属拡張部354を示すため破線で示す)も形成する。これに続いて、パターニングされたフォトレジスト層346が従来の方式で取り除かれる。
【0063】
パターニングされたフォトレジスト層346が取り除かれると、その結果の構造は、金属ソース350及び金属ドレイン352をチャネル層316における2DEG331に電気的に接続するため、500〜900℃の範囲の温度で合金化される。図3Hに更に示されるように、金属ソース350と障壁層318との間の接合、及び金属ドレイン352と障壁層318との間の接合は、この金属が障壁層318を介して合金化することを図示するため破線になっている。この後、この方法は従来の工程で継続する。
【0064】
このように、エンハンスメントモードIII族‐N HEMT及び逆分極キャップを備えたエンハンスメントモードIII族‐N HEMTを形成する方法を説明してきた。本発明の一つ利点は、障壁層318に対するスペーサ層320のエッチング選択性により、逆分極キャップを備えたエンハンスメントモードIII族‐N HEMTが信頼性を持って大量生産で製造され得るという点である。また、閾値電圧は、逆分極キャップ層322の厚み又はインジウムモル分率を変更することにより調節され得る。更に、スペーサ層320により、フォワードゲート電圧Vgの範囲も拡張され得る。
【0065】
本発明に関連する技術に習熟した者であれば、本発明の特許請求の範囲内で、説明した例示の実施例に変形が成され得ること、及び他の実施例を実装し得ることが分かるであろう。
図1
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図3F
図3G
図3H