特許第6134734号(P6134734)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6134734
(24)【登録日】2017年4月28日
(45)【発行日】2017年5月24日
(54)【発明の名称】圧力感知システムおよびその作動方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/00 20060101AFI20170515BHJP
【FI】
   A61B5/00 101M
【請求項の数】15
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2014-546547(P2014-546547)
(86)(22)【出願日】2012年12月14日
(65)【公表番号】特表2015-500112(P2015-500112A)
(43)【公表日】2015年1月5日
(86)【国際出願番号】EP2012075638
(87)【国際公開番号】WO2013087883
(87)【国際公開日】20130620
【審査請求日】2015年12月3日
(31)【優先権主張番号】11194062.3
(32)【優先日】2011年12月16日
(33)【優先権主張国】EP
(31)【優先権主張番号】61/576,804
(32)【優先日】2011年12月16日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】509315412
【氏名又は名称】コーデイト・メディカル・アクチエボラーグ
【氏名又は名称原語表記】Chordate Medical AB
(74)【代理人】
【識別番号】100127926
【弁理士】
【氏名又は名称】結田 純次
(72)【発明者】
【氏名】ヤン−エリック・ジュウト
(72)【発明者】
【氏名】ウィリアム・ホルム
(72)【発明者】
【氏名】フレドリック・ジュウト
【審査官】 伊知地 和之
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2006/0190022(US,A1)
【文献】 特表2008−506447(JP,A)
【文献】 国際公開第2004/047675(WO,A2)
【文献】 特表2010−526621(JP,A)
【文献】 国際公開第2008/138997(WO,A1)
【文献】 J.-F. PAPON, et al.,Nasal wall compliance in vasomotor rhinitis,JOURNAL OF APPLIED PHYSIOLOGY,2006年 1月 1日,vol. 100, no. 1,pages 107-111
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/00 − 5/01
A61B 9/00 − 10/06
CSDB(日本国特許庁)
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
鼻炎を検出するためのシステムであって、
被験者の鼻炎を検出するための装置であり、
第1の状態で、被験者の鼻腔の中に導入可能であるように構成された膨張可能要素;
該膨張可能要素が鼻腔の組織に対して当接するように、鼻腔内で、膨張可能要素を拡大した第2の状態へと拡大するように構成された拡大要素;および
鼻腔の組織により、第2の状態にある膨張可能要素に対して加えられた圧力を測定するように構成された圧力感知要素;
を備える装置を備え、システムはさらに、
前記拡大した第2の状態にある前記膨張可能要素に対して鼻腔の組織により加えられた圧力に相当する前記被験者の鼻腔の組織反応圧力を反映する入力信号を取得するように構成されたデータ収集モジュールと;
ある期間にわたる信号中の平坦域および減少を識別するために、前記入力信号を解析するように構成された圧力解析モジュールと、
経時的に信号中の前記平坦域および減少を少なくとも1つの所定の境界条件と比較することにより、鼻炎を検出するように構成された鼻炎検出モジュールと
を備える上記システム。
【請求項2】
圧力解析モジュールは、振幅、変化率、および頻度から選択された少なくとも1つの曲線特性により、信号の前記平坦域および減少を特徴付けるように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
鼻炎検出モジュールは、第1のサブタイプの鼻炎を検出するために、特定の曲線特性に対する所定の閾値maxを超える個々の値を有する、その曲線特性のうちの少なくとも1つ
の一部分を見出すことにより、かつ第2のサブタイプの鼻炎を検出するために、特定の曲線特性に対する所定の閾値min未満の個々の値を有する、その曲線特性のうちの少なくとも1つの一部分を見出すことにより、第1および第2のサブタイプの鼻炎を検出するように構成される、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
圧力解析モジュールは、入力信号中のくしゃみに対応するピークを検出するように構成される、請求項1〜3のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項5】
第2の状態にある前記膨張可能要素は、約100と180mbarの間の圧力で鼻腔の組織に当接するように構成される、請求項1〜4のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項6】
前記装置は、膨張可能要素の表面に配置された2つ以上の圧力感知要素を備える、請求項1〜5のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項7】
圧力感知要素は、ひずみ計である、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
圧力感知要素は、膨張可能要素内に一体化される、請求項1〜7のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項9】
膨張可能要素は、該膨張可能要素を、鼻腔の組織に振動を付与するように振動させるべく構成された振動発生要素に連結可能である、請求項1〜8のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項10】
前記装置は、圧力感知要素により測定された圧力を表示するように構成された表示要素をさらに備える、請求項1〜9のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項11】
前記装置は、温度、PH、および/または導電性を感知するためのセンサのような他のタイプの感知素子をさらに備える、請求項1〜10のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項12】
付与された振動に対する組織のコンプライアンスを求めるように構成されたコンプライアンス測定モジュールをさらに備える、請求項9〜11のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項13】
組織反応圧力を解析するためのシステムの作動方法であって:
ある期間にわたる被験者の鼻腔の組織反応圧力を反映する、前に測定された組織反応圧力曲線を提供する工程と;
ある基準期間にわたる鼻腔の基準組織反応圧力を反映する基準圧力曲線を提供する工程と、
前記組織反応圧力曲線と基準圧力曲線との間の対応関係を評価するために、前記組織反応圧力曲線を、前記基準圧力曲線と比較する工程と、
以下の工程、すなわち:
鼻炎にかかっている可能性のある被験者から得られた組織反応圧力曲線を、前記基準圧力曲線と比較することにより鼻炎を検出する工程;または
鼻炎治療の前に被験者から得られた組織反応圧力曲線を、前記基準圧力曲線と比較することにより、鼻炎治療の有効性を予測する工程、または
鼻炎治療を前に受けた被験者から得られた組織反応圧力曲線を、前記基準圧力曲線と比較することにより、前に行われた鼻炎治療の有効性を評価する工程
のうちの1つの工程とを含み、
ここで、組織反応圧力は、第2の拡大した状態にある膨張可能要素に対して鼻腔の組織により加えられた圧力に相当し、第1の状態にある前記膨張可能要素は、被験者の鼻腔の
中に導入可能であるように構成され;膨張可能要素に連結された拡大要素は、膨張可能要素が鼻腔の組織に対して当接するように、鼻腔内で、膨張可能要素を前記第2の拡大した状態へと拡大するように構成され;圧力感知要素は、膨張可能要素に対して鼻腔の組織により加えられた圧力を測定するように構成される、上記作動方法。
【請求項14】
前記基準圧力曲線は、前に得られた組織反応圧力曲線;
少なくとも2つの前に得られた組織反応圧力曲線の平均;
少なくとも1つの測定された組織反応圧力曲線に対するモデルの一致状態、および
理論的に計算された基準圧力曲線
から選択される、請求項13に記載の作動方法。
【請求項15】
比較する前記工程は、
組織反応圧力曲線が、前記基準圧力曲線に対応している、または所定の許容間隔内にあると判定すること、
組織反応圧力曲線の少なくとも一部が、前記許容間隔を超えていると判定すること、および
組織反応圧力曲線の少なくとも一部が、前記許容間隔未満にあると判定すること
のうちの少なくとも1つを含む、請求項13または14に記載の作動方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鼻炎を検出するための装置、システム、および方法に関する。本発明はさらに、実施予定の鼻炎治療の有効性を予測するための方法、ならびに前に行われた鼻炎治療の有効性を評価するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に鼻づまりと呼ばれている鼻炎は、概して、2つのグループ、すなわち:アレルギー性鼻炎と非アレルギー性鼻炎とに分類することができる。鼻炎の様々な形態に対する診断基準が常に明確であるとは限らないので、アレルギー性鼻炎を鼻炎の他の原因と区別することは困難である可能性がある。しかし、アレルギー性鼻炎に対して有効な療法(すなわち、抗ヒスタミン剤、および鼻用コルチコステロイド)は、他のタイプの鼻炎に対する有効性が低くなるおそれもあるため、正確に診断することが重要である。アレルギー性鼻炎は、偶発性鼻炎;職業性鼻炎(アレルゲン);通年性鼻炎および季節性鼻炎を含む。非アレルギー性鼻炎は、萎縮性鼻炎;化学薬品または刺激物誘発性鼻炎;抗高血圧性薬剤、アスピリン、非ステロイド性抗炎症薬および経口避妊薬などにより誘起される薬物誘発性鼻炎、ならびに薬の副作用による鼻炎;心因性鼻炎;運動誘発性鼻炎;味覚性鼻炎;甲状腺、月経周期、経口避妊薬および妊娠により誘起されるものなど、ホルモン誘発性鼻炎;急性の(通常、ウィルス性の)鼻炎、慢性のもの(鼻副鼻腔炎)などの感染性鼻炎;好酸球増加症候群を伴う非アレルギー性鼻炎;職業性鼻炎(刺激物);血管運動性鼻炎などの通年性の非アレルギー鼻炎;姿勢反射原発性繊毛運動不完全症、および逆流誘発性鼻炎または胃食道逆流性疾患を含む。患者が、重篤な症状を有する、もしくは診断が不明確な場合、または患者が、アレルゲン回避治療もしくは免疫療法に対する潜在的な候補である場合、アレルギー試験を実施すべきである。しかし、鼻炎の原因の診断を助けるために、総合的な病歴および身体検査も使用すべきである。
【0003】
必ずしも診断に至ることなく、一般的に鼻の開通性、すなわち、鼻の開放性および/または空気の流れを調べるための様々な方法が知られている。Malmは、いくつかのこれらの方法を列挙しており、方法は、コンピュータ断層撮影法、磁気共鳴撮像法、容積測定法、鼻容積測定法(rhinostereometry)、音響的な鼻腔計測法、鼻気圧測定法、および鼻のピークフローを含む(非特許文献1)。
【0004】
特許文献1に開示された装置および方法など、体管腔の内径を概略的に測定するための装置および方法が知られている。方法は、食道などの体管腔内にバルーンを挿入すること、拡大媒体を用いて体管腔の内側でバルーンを膨張させること;およびバルーンの内側の拡大媒体の質量を監視することを含む。2つの異なる静圧でバルーン内の合計の流体を測定することにより、かつ第1と第2の静圧の間の流体の変化に基づいて壁のコンプライアンスを計算することにより、食道の壁のコンプライアンスをさらに求めることができる。
【0005】
特許文献2には、組織の弾性の変化を測定するための装置および方法が開示される。開示された装置は、近位端に拡大可能な要素を備えるカテーテルを含む。カテーテルは、動脈などの空洞内で長手方向に、かつ円周方向に移動し、弾性の変化が、圧力の変化を測定することにより検出される。カテーテルは、温度およびPHを測定するためのセンサをさらに備えることができる。この方法は、脆弱なプラークおよび癌組織を特徴付けるために有用であると述べられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許出願公開第2010/0234840号
【特許文献2】WO2004/047675
【非特許文献】
【0007】
【特許文献1】Malm、L.、Allergy、1997;52:19〜23頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、鼻炎を検出するための新規な装置およびシステムを提供することである。本発明の目的はさらに、鼻炎を検出し、計画された鼻炎治療の有効性を予測し、かつ前の鼻炎治療の有効性を評価するための新規な装置、システム、および方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1の態様では、被験者の鼻炎を検出するための装置が提供され、装置は:第1の状態で、被験者の鼻腔の中に導入可能であるように構成された膨張可能要素(member)と;膨張可能要素が鼻腔の組織に対して当接するように、鼻腔内で、膨張可能要素を拡大された第2の状態へと拡大するように構成された拡大要素と;鼻腔の組織により膨張可能要素に対して加えられた圧力を測定するように構成された圧力感知要素とを備える。拡大要素は、前記膨張可能要素内で自由に配置される端部と、膨張可能要素と流体連通するための少なくとも1つの開口部とを備える管状構造を備えることができる。
【0010】
被験者の鼻腔の中に膨張可能要素を導入し、拡大することにより、圧力が組織に加えられる。健康な被験者と、ある形態の鼻炎にかかっている被験者は共に、加えられた圧力に反応する。加えられた圧力に対する反応は、ある期間にわたり組織により膨張可能要素に加えられた圧力の変化として圧力感知要素により監視される。健康な被験者と、鼻炎にかかっている被験者では共に、測定された圧力において最初に急激な減少が観察される。その後、飽和圧力に達するまで、すべての被験者で急な圧力減少が観察される。圧力減少部の間には、ほぼ一定圧力の期間がある。これらの圧力減少は、括約筋が開くことに対応しており、その結果、鼻粘膜の血液充填の対応する減少が生じていると考えられる。上記で述べた飽和圧力に達したとき、加えられた圧力は減少しているはずである。これにより、測定された圧力は、第2の飽和圧力へと滑らかに回復する。これは血管の再充填、および括約筋の機能が再開したことに対応すると考えられる。
【0011】
経時的な鼻腔における組織反応圧力は、健康な被験者と鼻炎にかかっている被験者とでは異なることが本発明者らにより見出された。本発明の第1の態様による装置を用いて、経時的な組織反応圧力を測定することにより、結果として、鼻炎を検出することができる。さらに、装置は、前に実施した鼻炎治療の有効性を評価するために、すなわち、患者がその鼻炎から治癒したかどうか、または症状が軽減したかどうかを評価するために使用することができる。装置はさらに、計画した鼻炎治療の有効性を予測するために、すなわち、例えば、ある患者が治療に反応する可能性を予測するために使用することができる。
【0012】
上記で述べたように検出し、評価し、かつ予測するために、経時的に測定された組織反応圧力における変化を反映する測定された組織反応圧力曲線を作成し、その測定圧力曲線を、例えば、健康な被験者の鼻腔における経時的な組織反応圧力の変化を反映する基準圧力曲線と比較することが有用でありうる。
【0013】
例えば、上記で述べた膨張可能要素に加えられたものなど、印加静圧に対する組織反応を、本明細書では、概して、測定された圧力または組織反応圧力と呼ぶ。したがって、経時的に測定された組織反応圧力の変化を反映する曲線は、本明細書では、概して、測定圧力曲線と呼ばれる。膨張可能要素に対して組織により加えられる圧力は、膨張可能要素の円周が内側チャンバを画成する実施形態において、膨張可能要素内の圧力として測定することができる。このような圧力は、膨張可能要素の内圧と呼ばれる。
【0014】
第1の態様の他の実施形態では、第2の状態にある前記膨張可能要素が、約100と180mbarの間の圧力で、鼻腔の組織に当接するように構成された装置が提供される。この圧力は、組織に対して最初に加えられる圧力を表す。上記で論じたように、鼻腔内の組織に対して特定の圧力を加えることは、圧力感知要素により測定される組織反応圧力として反映される特有の方法により鼻の組織に影響を与える。最初に加えられる圧力は、130から150mbarなど、120から160mbarの範囲に存在することができる。いくつかの場合では、加えられる圧力は、140mbarとすることができる。
【0015】
圧力感知要素は、例えば、膨張可能要素内に配置することができ、したがって、膨張可能要素は、圧力感知要素の少なくとも一部を備える。このような圧力感知要素は、例えば、膨張可能要素の表面に位置することができる。
【0016】
装置は、圧力感知要素により測定された圧力を、すなわち、組織反応圧力を表示するように構成された表示要素をさらに備えることができる。LCDパネルなどの表示要素は、操作者による組織反応圧力の監視を容易にする。このようなディスプレイは、組織反応圧力の現在値だけを示すことができるが、代替的にまたはさらに、組織反応圧力が、時間経過と共にどのように進展するかを示すことができる。言い換えると、表示要素は、一実施形態では、圧力感知要素により測定された圧力を、時間の関数として表示するように構成される。表示要素は、デジタルまたはアナログとすることができる。表示要素が、組織反応圧力の現在の値を示すだけである場合、操作者は、鼻の病状に関する何らかの結論を引き出すことができるように、信号の時間的な展開を監視する必要がある。例えば、コンピュータ画面上で、またはXYプロッタ上で、組織反応圧力の進展が経時的に示された場合、操作者は鼻の病状の評価を容易に行うことができる。しかし、どちらの場合も、経験および/または訓練に基づいて患者の健康に関する結論を引き出すのは操作者である。
【0017】
第1の態様の他の実施形態では、拡大要素は、膨張可能要素内で圧力を高めるための圧力発生器と、閉鎖弁とを備える。閉鎖弁は、所望の圧力が加えられたとき、膨張可能要素の閉じた系と、拡大要素の少なくとも一部とを形成するために使用される。さらに圧力感知要素は、閉じた系内で内部の空気圧を測定するように構成されているが、例えば、拡大要素と一体化されるように刺激要素の外部に、かつ/またはそれとは別個に配置することができる。
【0018】
第1の態様の他の実施形態では、膨張可能要素は、振動が鼻腔の組織に付与されるように膨張可能要素を振動させるべく構成された振動発生要素に連結可能である。振動は、様々な目的で鼻の組織に付与することができる。鼻粘膜の治療のためだけではなく、組織のコンプライアンスを調べるためにも振動を加えることができる。鼻腔内の振動刺激中に測定された組織圧の変化を監視することは、振動治療の進行、およびおそらく鼻組織の回復、ならびに組織のコンプライアンスの推定を示すことができる。
【0019】
本発明の他の態様では、鼻炎を検出するためのシステムが提供され、システムは:被験者の鼻腔の組織反応圧力を反映する入力信号を得るように構成されたデータ収集モジュールと;ある期間にわたる信号中の平坦域および減少を識別するために、前記入力信号を解析するように構成された圧力解析モジュールと;経時的に信号中の前記平坦域および減少を少なくとも1つの所定の境界条件と比較することにより、鼻炎を検出するように構成された鼻炎検出モジュールとを備える。
【0020】
第2の態様の鼻炎検出システムは、被験者の鼻炎を検出するために使用することができ、上記で定義した装置と同様に、計画した鼻炎治療の有効性を予測するために、ならびに前に行われた鼻炎治療の有効性を評価するために有用でありうる。
【0021】
データ収集モジュールは、組織反応圧力を反映する入力信号を取得するように、かつ経時的に入力信号の個々の値を収集するように配置される。圧力解析モジュールは、変化を識別するために信号を解析する。このような変化は、圧力平坦域および減少であるが、圧力平坦域は、装置態様に関連して論じたように、圧力減少部の間のほぼ一定圧力の期間に相当する。被験者の収集された組織反応圧力は、問題とする被験者の健康状態に関する特性である圧力平坦域および減少を示している。したがって、鼻炎にかかっている特定の患者に対応する圧力平坦域および減少は、健康な被験者のものとは異なっている。このことは、特定の被験者の平坦域および減少を、境界条件と比較することにより鼻炎の検出を可能にする。
【0022】
境界条件は、例えば、計算値、または組織反応圧力のいくつかの測定から得られた平均値に対応することができる。鼻炎の検出に有用な境界条件の非限定的な例は、特に、最終的な飽和平坦域に相当する組織反応圧力、組織反応圧力における特定の減少の傾斜、特定の組織反応平坦域の長さ、所定期間の後に得られた組織反応圧力、所定の圧力平坦域に達するための期間、飽和圧力に達する前の圧力減少の数、および飽和圧力に達する前の平坦域の数である。一例では、本発明によるシステムは、少なくとも1つの基準圧力曲線から、少なくとも1つの境界条件を求めるように構成された境界決定モジュールをさらに備えることができる。
【0023】
他の実施形態では、圧力解析モジュールは、振幅、変化率、および頻度(frequency)から選択された少なくとも1つの曲線特性により、信号の前記平坦域および減少を特徴付けるように構成される。本明細書における振幅とは、圧力単位または時間で表現される圧力減少の長さのことを指す。変化率とは減少の傾斜であり、頻度とは、時間単位当たりの減少数を指す。このような特有の曲線特性を定義することにより、鼻炎の検出を容易にすることができる。健康な被験者の組織反応圧力曲線は、通常、最終的な飽和圧力に達する前に、特徴的な数の減少および平坦域を示すが、様々な形態の鼻炎にかかっている被験者の組織反応圧力曲線は、通常、より高い数の減少および平坦域、またはより低い数の減少および平坦域を示す。したがって、健康な被験者の組織反応圧力曲線の曲線特性は、鼻炎にかかっている患者の組織反応圧力曲線の曲線特性とは識別することができる。その結果、測定された組織反応圧力曲線の曲線特性を、鼻炎検出のための特有の境界条件と比較することができる。曲線特性の振幅、変化率、および頻度に特有の境界条件の非限定的な例は、特有の曲線特性に対する閾値maxと、特有の曲線特性に対する閾値minである。したがって、他の実施形態では、鼻炎検出モジュールは、鼻炎の第1のサブタイプを検出するために、その特有の曲線特性に対する所定の閾値maxを超える個々の値を有する少なくとも1つの曲線特性の一部分を見出すことにより、かつ鼻炎の第2のサブタイプを検出するために、その特有の曲線特性に対する所定の閾値min未満の個々の値を有する少なくとも1つの曲線特性の一部分を見出すことにより、鼻炎の第1および第2のサブタイプを検出するように構成される。
【0024】
圧力解析モジュールは、したがって、入力信号の上記で述べた特徴を検出する能力を有する。さらに圧力解析モジュールは、モジュールが曲線パターンを認識し、かつ比較できるようにする処理能力をさらに有することができる。
【0025】
さらに他の実施形態では、圧力解析モジュールは、入力信号中のくしゃみに相当するピークを検出するようにさらに構成される。鼻腔に振動を与えることは、くしゃみを誘発する可能性がある。このようなくしゃみは、測定された組織反応圧力におけるピークとして登録される。くしゃみの頻度は、問題とする被験者の健康状態のさらなる指示を与えることができる。
【0026】
被験者の鼻腔の組織反応圧力を反映する入力信号は、他の実施形態では、本発明の第1の態様に関する定義による装置に対して鼻腔の組織により加えられた圧力に相当する。より具体的には、組織反応圧力は、振動発生要素に連結可能な装置に対して加えられた圧力に相当することができる。したがって、入力信号は、振動する膨張可能要素に対して加えられた振動により影響を受けた組織圧を反映する。このような例示的なシステムは、付与された振動に対する組織のコンプライアンスを求めるように構成されたコンプライアンス測定モジュールをさらに備えることができる。本明細書で使用される場合、コンプライアンスという用語は、例えば、膨張可能要素を除去したとき、その元の寸法に向けて戻ることに抗する鼻腔の傾向の尺度を指し、「エラスタンス」の逆数である。
【0027】
システム態様のさらに他の実施形態では、システムは、本発明の装置態様に関して定義された装置を備える。
【0028】
組織反応圧力を反映する入力信号が、振動する膨張可能要素に加えられた圧力に相当する実施形態では、圧力曲線中にいくつかのピークを観察することができる。これらのピークは、前に論じたように、被験者のくしゃみに対応しており、また通常、鼻炎にかかった被験者で観察することができる。したがって、ピークの数は、被験者の健康状態をさらに特定するために使用することができる。システムの圧力解析モジュールは、例えば、ピークの頻度が、所定のピーク閾値を超えているかどうかを判定するように構成することができる。本発明の装置態様による装置を備える場合、システムは、前記ピーク閾値を超えたとき、振動刺激および圧力測定を終了するように構成された制御要素をさらに備えることができる。
【0029】
システムはさらに、例えば、境界条件、閾値、および基準曲線などを記憶するように構成された記憶モジュールを備える。患者のフォローアップを容易にするために、このような記憶モジュールはさらに、特定の被験者に対する組織反応圧力曲線、および導出された曲線特性を記憶できるようにする。
【0030】
本発明の特定の態様に関して述べられた諸実施形態および諸例は、適用可能な場合、本発明の他の態様に対しても等しく関連性があることを理解されたい。
【0031】
本発明の他の態様では、組織反応圧力を解析するための方法が提供され、方法は:ある期間にわたる被験者の鼻腔の組織反応圧力を反映する組織反応圧力曲線を提供すること;ある基準期間にわたる鼻腔の基準組織反応圧力を反映する基準圧力曲線を提供すること;および前記組織反応圧力曲線と基準圧力曲線との間の対応関係を評価するために、前記組織反応圧力曲線を前記基準圧力曲線と比較することを含む。本発明のこの態様は、本発明の第1の方法態様と呼ばれる。
【0032】
組織反応圧力曲線と基準曲線との間の対応関係を評価することにより、基準曲線により表された被験者の特定の状態からの偏差を特定することもできる。解析方法は、被験者の状態を実際に求める前に、偏差を識別するための予備的方法として機能することができる。したがって、特定の患者に対する望ましい評価に応じて、適切な基準曲線を提供することができる。経時的な組織反応圧力の進展を基準曲線と比較することにより、1つまたは2つの組織反応圧力値が抽出されるだけの場合と比較して、被験者の健康状態に関する多くの情報を導くことができる可能性がある。鼻炎は複雑な病気であり、正しい診断を可能にするには、多くの情報が必要になりうる。
【0033】
一実施形態では、方法は:鼻炎にかかっている可能性のある被験者から得られた組織反応圧力曲線を、前記基準圧力曲線と比較することにより鼻炎を検出すること;鼻炎治療の前に被験者から得られた組織反応圧力曲線を、前記基準圧力曲線と比較することにより鼻炎治療の有効性を予測すること、または鼻炎治療を前に受けた被験者から得られた組織反応圧力曲線を、前記基準圧力曲線と比較することにより、前に行われた鼻炎治療の有効性を評価することのうちの1つをさらに含む。基準圧力曲線は、判定の目的に応じて異なる可能性のあることを理解されたい。比較が、鼻炎を検出するために行われる場合、基準圧力曲線は、健康な状態を表すことができる。比較が、何らかの計画された治療法の結果を予測するために行われる場合、基準圧力曲線は、問題とする計画された治療によく反応することが知られた健康状態を表すことができる。他方で、比較が、何らかの前に行われた鼻炎治療の有効性を評価するために行われる場合、基準圧力曲線はまた、健康な状態を表す、または前記治療の前に得られた圧力反応曲線に相当することができる。本方法は、何らかの前の鼻炎治療、または計画された鼻炎治療の有効性を評価する、または予測するのに有用でありうることに留意されたい。
【0034】
前述の方法が、被験者が鼻炎にかかっていること、または前の鼻炎治療が鼻炎を効果的に治療していないことを見出した場合、鼻炎治療が推奨されうる。したがって、このような鼻炎治療は本発明の方法とは別個に実施され、例えば、参照によって本明細書に組み入れる、鼻炎を治療するために体腔の中でも特に鼻孔の振動刺激を含むWO2008/138997で述べられた方法に従って行うことができる。
【0035】
本発明による方法は、したがって、総称的に鼻炎と呼ばれる様々な症状の客観的な定量的尺度を提供する。これは今日の臨床実務で欠けていることである。正しい診断を見出すことが可能になることにより、患者が、効果のない薬剤を用いることを控える、または停止することもありうる。さらに、経時的に症状の進展を追跡し、それにより、特定の治療が有効であるかどうかを判定することが可能になる。
【0036】
第1の方法態様の他の実施形態では、前記基準圧力曲線は、前に得られた組織反応圧力曲線;少なくとも2つの前に得られた組織反応圧力曲線の平均;少なくとも1つの測定された組織反応圧力曲線に対するモデルの一致状態(fit)、および理論的に計算された基準圧力曲線から選択される。基準圧力曲線は、したがって、所定の基準圧力曲線から選択されるが、いくつかの場合は、上記で列挙した曲線またはモデルのいずれかから、本方法を実行しながら作成することもできる。前に得られた組織反応圧力曲線は、状況に応じて、同じ被験者から、または他の被験者から導出できることをさらに理解されたい。さらに、理論的に計算される基準圧力曲線は、測定された組織反応圧力を直接利用することなく計算され、したがって、それは、例えば、いずれかの知られた圧力曲線から計算することもできる。測定データにフィッティングすることのできるモデルは、組織反応圧力曲線の予想される概略的な形状のパラメータ化した表現である。このようなモデルを使用することは、曲線からノイズをなくし、したがって、曲線の特性をより明確にすることができる。
【0037】
他の実施形態では、方法の比較工程は:組織反応圧力曲線が、前記基準圧力曲線に対応している、または所定の許容間隔内にあると判定すること;組織反応圧力曲線の少なくとも一部が前記許容間隔を超えていると判定すること、および組織反応圧力曲線の少なくとも一部が前記許容間隔未満にあると判定することのうちの少なくとも1つを含む。組織反応圧力曲線が健康な状態の規定された許容間隔の外にある場合、例えば、被験者が鼻炎にかかっている、または被験者の鼻炎に対して効果的に治療が行われていないと結論付けることができる。許容間隔を少なくとも部分的に超える組織反応圧力曲線は、鼻炎のサブタイプを示すことができ、少なくとも部分的に許容間隔未満である組織反応圧力曲線は、鼻炎の他のサブタイプを示している可能性がある。この場合、許容間隔は、特定の健康状態付近における正規分布を反映することができる。
【0038】
方法の他の実施形態では、組織反応圧力曲線を前記提供することが、時間と組織反応圧力値の対を取得すること、および個々の値にモデルをフィッティングすることから選択される。個々の値をモデルにフィッティングすることにより、基準曲線が同様にして作成された場合は特に、基準曲線との比較を実行することが容易になりうる。これはさらに、信号からノイズを除くために効率的な方法になりうる。
【0039】
さらなる実施形態では、組織反応圧力曲線は、ある期間にわたる被験者の鼻腔の組織反応圧力を反映する入力信号を収集することにより作成される。
【0040】
本発明の関連する態様では、鼻炎を検出するための方法が提供され、方法は:被験者の鼻腔の中に膨張可能要素を導入すること;膨張可能要素が鼻腔の組織に対して当接するように、膨張可能要素を鼻腔内で拡大すること;測定圧力曲線を作成するために、ある期間にわたり、鼻腔の組織により膨張可能要素に対して加えられた圧力を測定すること;および鼻炎を検出するために測定圧力曲線を解析することを含む。本発明のこの態様は、第2の方法態様と呼ばれる。この方法を用いることにより、医師は、鼻の病状を測定することができ、かつ鼻炎の様々な形態の間を客観的な方法で識別することができる。患者の健康状態における長期間の変化を検出するために、特定の患者に対する経時的な進展を追跡することも可能になる。
【0041】
本発明の他の関連する態様では、前に行われた鼻炎治療の有効性を評価するための方法が提供され、方法は:被験者の鼻腔の中に膨張可能要素を導入すること;膨張可能要素が鼻腔の組織に対して当接するように、鼻腔内で膨張可能要素を拡大すること;測定圧力曲線を作成するために、ある期間にわたり鼻腔の組織により膨張可能要素に対して加えられた圧力を測定すること;および前の鼻炎治療の有効性を評価するために、測定圧力曲線を解析することを含む。本発明のこの態様は、第3の方法態様と呼ぶ。この方法を用いることにより、行われた治療が望ましい効果を有するかどうかを判定することができるが、効果を有しない場合、治療を変更する、置き換える、または中止することができる。このようにして、薬を過度に使用する危険を低減することができる。
【0042】
本発明のさらに他の関連する方法態様では、鼻炎治療の有効性を予測するための方法が提供され、方法は:被験者の鼻腔の中に膨張可能要素を導入すること;膨張可能要素が鼻腔の組織に対して当接するように、鼻腔内で膨張可能要素を拡大すること;測定圧力曲線を作成するために、ある期間にわたり鼻腔の組織により膨張可能要素に対して加えられた圧力を測定すること;および鼻炎治療の有効性を予測するために、測定圧力曲線を解析することを含む。本発明のこの態様を、本発明の第4の方法態様と呼ぶ。この方法は、特定の鼻炎治療の効果を予測するために、したがって、特定の被験者に対する最も適切な治療を選択するために有用でありうる。
【0043】
以下では、第4の方法態様のいくつかの実施形態を述べるものとする。
【0044】
一実施形態では、好ましくは第2、第3、および第4の方法態様に関連して、前記解析することは、前記測定圧力曲線における平坦域および減少を識別すること、および前記平坦域および減少を、少なくとも1つの所定の境界条件と比較することを含む。したがって、システム態様に関連して前に論じたように、被験者から収集された組織反応圧力は、問題とする被験者の健康状態に関する特性である圧力の平坦域および減少を示す。このように、鼻炎の検出は、特定の被験者の平坦域および減少を、境界条件と比較することにより可能になる。境界条件は、前に論じたように、計算された値、または組織反応圧力のいくつかの測定から得られた平均値に対応することができる。鼻炎検出に関係する境界条件の非限定的ないくつかの例は、上記に列挙されている。しかし、これらの境界条件の例は、計画された鼻炎治療の有効性を予測するために、かつ前に行われた鼻炎治療の有効性を評価するために等しく関連性がある。方法は、少なくとも1つの基準圧力曲線から、少なくとも1つの境界条件を求めることをさらに含むことができる。
【0045】
方法態様の他の実施形態では、方法は、振幅、変化率、および頻度から選択された少なくとも1つの曲線特性により、前記平坦域および減少を特徴付けることを含むことができる。こうすることにより、上記で述べたシステム態様の圧力解析に従って被験者の健康状態を、代替的に、おそらくより正確に求めることが可能になる。したがって、他の実施形態では、鼻炎のサブタイプが、曲線特性のうちのいずれか1つの個々の値のどれかが、その特有の曲線特性に対する所定の閾値maxを超えているかどうかを判定することにより検出される。同様に、他の実施形態では、鼻炎のサブタイプが、曲線特性のうちのいずれか1つの個々の値のどれかが、その特有の曲線特性に対する所定の閾値min未満になっているかどうかを判定することにより検出される。
【0046】
上記で述べた解析することの一部として、基準圧力曲線を提供することができ、また測定圧力曲線を、基準圧力曲線と比較することができる。基準圧力曲線は、第1の方法態様に関連した記述によれば、前に得られた測定圧力曲線;少なくとも2つの前に得られた測定圧力曲線の平均;少なくとも1つの測定圧力曲線に対するモデルの一致状態、または理論的に計算された基準圧力曲線から選択することができる。測定圧力曲線と基準圧力曲線の間の比較は、測定圧力曲線が、基準圧力曲線に対応しているか、もしくは所定の許容間隔内にあるかどうかを判定する;測定圧力曲線の少なくとも一部が、許容間隔を超えているかどうかを判定する、または測定圧力曲線の少なくとも一部が、許容間隔未満であるかどうかを判定するために行うことができる。
【0047】
他の実施形態では、測定圧力曲線を前記作成することは、時間および圧力値の対を記憶すること、または時間および圧力値の対にモデルをフィッティングすることを含む。
【0048】
測定圧力曲線は、したがって、被験者の鼻腔内で行われた圧力測定から得ることができる。鼻腔内で行われる圧力測定に加えて、方法は、膨張可能要素を介して鼻腔内の組織に振動を付与することをさらに含む。膨張可能要素に対して組織により加えられる圧力が測定されるのと同時に鼻腔内に振動刺激を行うことにより、測定された圧力は、被験者の健康状態に関する情報だけではなく、付与された振動に対する組織のコンプライアンスに関する情報も提供することになる。したがって、方法態様の他の実施形態では、方法は、付与された振動に対する組織のコンプライアンスを求めることを含む。
【0049】
さらに他の実施形態では、方法は、組織反応圧力曲線において、または膨張可能要素に対して加えられた圧力で、くしゃみに相当するピークを検出することを含む。前に論じたように、ピークの頻度が所定のピーク閾値を超える場合、これは、被験者の特定の健康状態を示すものでありうる。
【0050】
鼻腔内で拡大したとき、膨張可能要素は、約100と180mbarの間、例えば、130から150mbarなどの120から160mbarの圧力で鼻腔の組織に対して当接することができる。これは、鼻腔内で圧力測定を開始するときに加えられる圧力に相当する。
【0051】
圧力測定は、約1分と10分の間の期間中に鼻腔内で行うことができるので便利である。
【0052】
方法態様の特定の実施形態では、膨張可能要素は、本発明の装置およびシステム態様で定義される装置またはシステム内に備えることができる。
【0053】
本発明の可用性のさらなる範囲は、以下で与えられる詳細な記述から明らかになろう。しかし、当業者であれば、この詳細な記述から、本発明の趣旨および範囲に含まれる様々な変更および修正が明らかになるので、本発明の好ましい実施形態を示している詳細な記述および特定の例は、例示のために与えられているに過ぎないことを理解されたい。
【0054】
本発明は、例示のために与えられているに過ぎず本発明を限定することのない、以下で示した詳細な記述および添付図面からさらに完全に理解することができよう。
【図面の簡単な説明】
【0055】
図1】本発明の装置態様による装置の例を示す概略図である。
図2】本発明のシステム態様によるシステムの例を示す概略図である。
図3】本発明による組織反応圧力を解析する方法の一実施形態に含まれる工程を示す流れ図である。
図4】様々な健康状態を表す例示的な、測定された組織反応圧力曲線a)〜c)を示す圧力曲線の図である。
【発明を実施するための形態】
【0056】
次に添付図面を参照して本発明を述べるものとする。図面中、同じまたは同様の要素は、同じ参照数字で識別される。
【0057】
図1を参照して、本発明の装置態様による装置の特定の例を次に論ずるものとする。被験者の鼻炎を検出するための装置1は、2つの構成または状態を有しており、図1は、装置の第2の構成または状態を示している。その拡大された状態にある膨張可能要素2は、拡大要素3を部分的に囲むように配置されており、したがって、拡大要素3の端部は、膨張可能要素2の内側に位置する。膨張可能要素2は、例えば、プラスチックまたはゴムなどの材料から作られたバルーンである。いくつかの例では、膨張可能要素は、ラテックスから作られる。
【0058】
拡大要素3は、膨張可能要素2に流体を供給するための少なくとも1つのチャネル4を備える。膨張可能要素2は、したがって、拡大要素3により供給される流体、例えば、気体または液体などの流体を含むためのチャンバを備える。チャンバの壁は、膨張可能要素2の内側表面により画成される。拡大要素3を介する膨張可能要素2への流体の供給は、したがって、膨張可能要素2の拡大容積およびその程度に影響を与える。拡大要素3から膨張可能要素2に流体が自由に通過できるようにするために、拡大要素3の端部3aは、少なくとも1つの開口部3bを備える。拡大要素3の端部3aが、例えば、図1で示すように、膨張可能要素2の内部で自由に配置されている場合、端部3aは、膨張可能要素2に流体を供給するための複数の開口部3bを備えることができる。開口部(複数可)3bは、拡大要素3の端部3aの周囲付近に配置することができ、かつ/または拡大要素3の端部3aの末端に、軸方向に配置することができる。開口部(複数可)3bは、膨張可能要素2内に位置する拡大要素3の一部の長手方向に沿って分散させることができる。少なくとも1つのチャネル4を備える拡大要素の例は、パイプ、配管、導管、シリンダ、管などを含む。拡大要素3は、例えば、プラスチック、ゴム、または金属材料から作ることができる。
【0059】
膨張可能要素2および拡大要素3の代替的な構成が予想されるが、例えば、膨張可能要素2は、拡大要素3の端部3aに隣接して連結される、または端部3aから何らかの距離だけ離れて、拡大要素3の周囲にスリーブとして配置される。人体と接触する拡大要素3および膨張可能要素2の部分は、流体が人体に漏れるのを阻止するように、通常、閉じた系を画成する。
【0060】
2つの圧力感知要素5は、場合により、膨張可能要素2の外側表面上に配置される。圧力感知要素5のこの配置は、膨張可能要素2が、被験者の鼻腔内でその第2の拡大された状態で配置されたとき、膨張可能要素2の表面に対して加えられる組織反応圧力の正確な測定を可能にする。装置1のこの例では、2つの圧力感知要素5が存在するが、装置1は、膨張可能要素の円周周りに配置された複数の圧力感知要素5など、任意の適切な数の圧力感知要素5を備えることが可能であることを理解されたい。膨張可能要素の表面に配置されうる圧力感知要素5の一例は、ひずみ計である。このようなひずみ計は、例えば、接着剤または蒸着により表面に対して適用することができる。
【0061】
代替的に、圧力感知要素5は、膨張可能要素2内に一体化することもできる。膨張可能要素2の内側の圧力は、膨張可能要素2の外側表面に対する組織により加えられた圧力に比例し、したがって、圧力感知要素5は、膨張可能要素2の内圧を測定することができる。一体化された圧力感知要素の一例は、MEMS(微小電気機械システム)装置である。
【0062】
例えば、膨張可能要素2の拡大は、膨張可能要素2内で空気圧を増加させることにより達成することができる。拡大要素3は、膨張可能要素内で空気圧を増加させるように配置された、例えば、注射器、バルーン、またはポンプなどの圧力発生器を備えることができる。このような場合、組織反応圧力は、膨張可能要素2内の空気圧を監視することにより測定することができる。圧力感知要素5は、例えば、膨張可能要素2の外部に、チャネル4と流体連通させて配置することができる。マノメータおよび閉鎖弁を備えた手動で動作するポンプ送りバルブを、圧力発生器として使用することができる。例示的な動作モードは、ポンプ送りバルブを手動で絞り、弁を閉鎖し、かつマノメータで示された膨張可能要素2内の空気圧の時間的変化を観察することにより、膨張可能要素2を100から180mbarの範囲の圧力へと膨張させることである。
【0063】
いくつかの例では、装置1内の空気容積を変化させることにより振動を加えることができる。圧力感知要素5により示された組織反応圧力は、したがって、膨張可能要素2の周囲組織のコンプライアンスの推定を与えることができる。こうすることにより、問題とする被験者が、例えば、WO2008/138997で開示された振動鼻炎治療などの鼻炎治療にどのように反応するかを示すことができる。
【0064】
鼻炎検出装置の他の例では、他のタイプの感知素子(element)を、装置に一体化することができる。膨張可能要素2は、例えば、温度、PH、および/または導電性のうちのいずれか1つに対して別々のセンサ5aを備えることができる。このようなセンサは、圧力感知要素5に関連して上記で述べたように、膨張可能要素2の外側表面に取り付けることができる、または膨張可能要素2と一体化することができる。測定された圧力に加えてこのようなデータを受け取ることにより、鼻の病状のさらなる特徴付けを可能にすることができる。
【0065】
図2を参照すると、装置1は、圧力感知要素により測定された圧力、すなわち、組織反応圧力を表示するように構成された表示要素18をさらに備えることができる。表示要素は、制御ユニット13とは別のもの、またはその一部でありうるLCDパネルとすることができる。表示要素18は、操作者による組織反応圧力の監視を容易にする。このような表示要素18は、組織反応圧力の現在値だけを示す、または代替的に、もしくはさらに組織反応圧力が経時的にどのように進展するかを示すことができる。言い換えると、表示要素18は、一実施形態では、時間の関数として、圧力感知要素により測定された圧力を表示するように構成される。表示要素は、デジタルまたはアナログとすることができる。表示要素が、組織反応圧力の現在値を示すだけである場合、操作者は、鼻の病状に関する何らかの結論を引き出すことができるように、信号の時間的進展を監視する必要がある。組織反応圧力の経時的な進展が、例えば、コンピュータ画面またはXYプロッタ上で示された場合、操作者にとって鼻の病状の評価を行うことが容易になる。しかし、どちらの場合でも、経験および/または訓練に基づいて患者の健康に関する結論を引き出すのは操作者である。
【0066】
図2を参照して、本発明のシステム態様によるシステムの特定の例を次に論ずるものとする。システムは、場合により表面に圧力感知要素5を備える膨張可能要素2を有する装置1を備える。膨張可能要素2は、上記で述べたように、拡大要素3の周りに配置される。空気などの流体が、入り口6を介してシステムに入る。圧力調節器7で、流体は、配管8を介して装置1に供給される前に加圧される。圧力調節器7の一例は圧力ポンプである。装置1に供給する前に、流体は、場合により、周波数および振幅調節器9を通過することができる。周波数および振幅調節器9の一例は振動ポンプである。存在する場合、周波数および振幅調節器9は、望ましい周波数および振幅を有する振動を加圧された流体に提供し、それは、次いで配管10および拡大要素3を経由して装置1に供給される。配管10は、膨張可能要素2内の圧力が、一定の最大値を超えた場合、流体を解放するための安全弁11を備える。システムの圧力を制御するために、かついくつかの場合には、組織反応圧力を表す膨張可能要素2の内圧を測定するために、外部の圧力センサ12を設けることができる。
【0067】
制御ユニット13は、本発明による装置1の膨張可能要素2に対して加えられた組織反応圧力の測定を反映する入力信号を得るためのデータ収集モジュール(図示せず)を備える。制御ユニット13は、いくつかの実施形態で、装置1上に配置された圧力感知要素5から、回線17を介して入力信号を受け取ることができる。膨張可能要素2に対して鼻の組織により加えられた圧力は、連続的に、または所定のスケジュールに従って監視することができる。測定された圧力はさらに、データ収集モジュールに記憶することができる。
【0068】
さらに、システムは、圧力感知要素5により測定された圧力を表示するように構成された表示要素18を備えることができる。表示要素18は、図2で示すように制御ユニット13と一体化することができるが、別個のユニットとして配置することもできる。表示要素18は、圧力感知要素により測定された圧力を、現在値として、特定の時間点における特定の値として、または時間の関数として表示するように構成することができる。
【0069】
測定された圧力は、場合により制御ユニット13内に配置される圧力解析モジュール(図示せず)によりさらに解析される。圧力解析モジュールは、例えば、1分から10分の期間に収集され、測定された圧力信号における平坦域および減少を識別する。
【0070】
鼻炎検出モジュール(図示せず)が、測定された圧力中で識別された平坦域および減少を、例えば、所定の境界条件または基準圧力曲線と比較するためにさらに提供される。したがって、鼻炎が検出される。
【0071】
システムの制御ユニット13は、回線14を介して圧力調節器7にさらに連結される。加えられた圧力に関する情報は、したがって、圧力調節器7から前記回線14を介して制御ユニット13に送られる。圧力を加えることを、さらに制御ユニット13から中央で制御することができる。
【0072】
存在する場合、周波数および振幅調節器9は、回線15を介して制御ユニット13と通信する。情報は、任意選択の周波数および振幅調節器9から、回線15を介して制御ユニットへと送られ、コマンドは、制御ユニット13から前記回線15を介して周波数および振幅調節器9に送信される。
【0073】
データ収集モジュール、圧力解析モジュール、および鼻炎検出モジュールは、上記で述べたように共通の制御ユニット13内に一体化される、または、例えば、別々の制御ユニットに互いに分離して配置できることを理解されたい。
【0074】
制御ユニット13の一例は、例えば、入力信号を解析するために、ならびに圧力、場合により周波数および振幅をどのように調整すべきかを決めるために、ソフトウェアを実行する適切な周辺I/O機能を備えるマイクロプロセッサである。例えば、パーソナル・コンピュータなど、他のタイプの制御ユニット13を使用できることも企図される。
【0075】
図3を参照して、本発明の方法態様による方法の特定の例を次に論ずるものとする。組織反応圧力曲線が最初に提供される。組織反応圧力曲線は、ある期間にわたる被験者の鼻腔の組織反応圧力を反映している。組織反応圧力は、このように、現在の例示的な方法とは別個に測定され、かつ収集される。他の例示的な方法では、組織反応圧力を反映する入力信号が取得され、組織反応圧力曲線が、ある期間にわたり取得された入力信号の個々の値に曲線を適合させることにより、またはある期間にわたる前記入力信号をサンプリングすることにより作成される。個々の値に曲線を適合させることにより、基準曲線が同様な方法で作られている場合は特に、基準曲線と比較することが容易になりうる。こうすることはさらに、信号からノイズを除去するための有効な方法でありうる。サンプリングした値を使用することにより、パラメータ化した表現の必要性がなくなる。
【0076】
基準圧力曲線がその後に提供される。この基準圧力曲線は、基準期間における鼻腔の基準組織反応圧力を反映している。この基準圧力曲線は、本明細書で述べる手順に従って得ることができる。
【0077】
その後に続いて曲線が比較される。組織反応圧力曲線は、2つの間の対応関係を評価するために、前記基準圧力曲線と比較される。比較は、次に続く検出工程に関連するものであり、検出工程では、例えば、対応関係があるかどうか、または組織反応圧力曲線が所定の許容間隔内にあるかどうかを判定すること;組織反応圧力曲線の少なくとも一部が前記許容間隔を超えるかどうかを判定すること、および組織反応圧力曲線の少なくとも一部が前記許容間隔未満にあるかどうかを判定することにより、鼻炎が検出される。
【0078】
被験者における鼻炎検出
鼻腔の中に挿入されたバルーン内に静圧を加え、かつ得られた圧力を経時的に監視することにより鼻炎を検出することができる。患者の鼻腔における組織反応圧力測定からの観察は、以下で説明される。
【0079】
測定を受けた患者は、概略的に3つのグループ、B)、C)、およびD)に分類されている。第1のグループA)は、健康な(すなわち、鼻炎にかかっていない)患者を表す。
【0080】
第2のグループB)は、鼻炎のサブタイプにかかっている患者を表す。患者のこのグループは、一般に、ブロッカー(blocker)と呼ばれる。ブロッカーは、鼻づまりを起こしており、くしゃみを伴うことがある。これらの患者は、通常、薬(例えば、コルチゾン)で治療されており、非アレルギー性の場合で成功率は50%未満である。代替的な選択肢は、侵襲性の組織破壊手術である。このグループは、鼻炎患者の約80%を構成する。
【0081】
第3のグループC)はまた、鼻炎のサブタイプにかかっている患者を表しており、またこのグループは、一般に、くしゃみをする人(sneezer)と呼ばれている。くしゃみをする人は、名前が示唆するように、多くのくしゃみをする。くしゃみをすることは、鼻の中で分泌物の増加を伴うことが多い。このグループは、鼻炎患者の約10%を構成する。
【0082】
第4のグループD)はまた、鼻炎のサブタイプにかかっている患者を表す。このグループは、一般に、鼻水を流す人(runner)で示される。典型的な症状は、鼻の中に多量の分泌物を含む。鼻水を流す人は、鼻炎患者の残りの10%を表しており、治療するのに最も問題がある。例えば、加齢に関連するものなど、このタイプの症候群の一因となる可能性が最も高いいくつかの病状がある。これらの患者には、治療抵抗性のあることが多い。
【0083】
図4では、代表的な組織反応圧力曲線が示されており、a)は健康なグループA)を表し、b)はブロッカーB)を表し、c)はくしゃみをする人c)を表している。
【0084】
使用された膨張可能要素は、拡大した状態で、約1.5cmの直径と5cmの長さを有するバルーンである。バルーンは、約15cmの長さを有する配管で連結された。配管およびバルーンは、配管の一端がバルーン内に存在するように互いに連結されて、最大で4cmの長さになり、鼻腔の中への導入が簡単化される。配管は、バルーンを拡大するために空気をバルーンに供給した。配管の他端は、三方コックを介して目盛り付き注射器(20ml)に、ならびに閉じた空気システムに連結された他の配管に連結された。
【0085】
閉じた空気システムは、可撓性のある薄膜に連結されており、薄膜を、いくつかの圧力測定中に、モータにより10〜100Hz間隔で変化する周波数を用いて振動させた。空気圧は、制御された方法で5〜180mbarの圧力間隔内で変化させることができる。振動する薄膜の振幅は、制御された方法で(任意であるが、再現できる単位で)変化させることができる。使用する前には、バルーンは、使い捨て手袋からの指からなる衛生的な保護カバーを備える。衛生的な保護カバーは、鼻腔中への各導入前に、パラフィン溶液に浸漬された。
【0086】
グループA)を表す患者では、圧力は、最初に約100mbarのレベルに低下することが分かった。その後、約10mbarの急な圧力減少が観察された。圧力減少は、その間にほぼ一定圧力の期間を含み、繰り返し発生した。減少は、約10秒の増加した時間間隔で観察された。約1分の期間の後、第1の飽和圧力に達しており、その場合、測定された圧力は、25から30mbarの範囲であった。加えられた圧力は、次いで、約5mbarに低下した。滑らかな回復の後、測定された組織圧力は、約15mbarの第2の飽和圧力で安定化した。
【0087】
グループA)の健康な人間に対する圧力測定の解釈は、急な圧力減少が、鼻の粘膜における血液の充填を少なくする括約筋の開放に対応していることである。ゆっくりとした圧力減少の後に見られる滑らかな回復は、次いで、血管の再充填、および括約筋の再開した機能に対応すると考えられる。
【0088】
第2のグループB)では、最初の圧力減少が、健康な基準と比較して遅くなっており、図4のb)を参照のこと。これは、その後に続いて比較的わずかな圧力減少があり、ほぼ一定圧力の比較的長い期間になることがある。ほぼ一定圧力のこれらの期間は、平坦域と呼ばれる。比較的わずかな減少および長い平坦域は、括約筋が動かなくなり、健康な被験者のように開くことができなくなることによるものと仮定される。
【0089】
第3のグループC)では、組織反応圧力は、比較的速く低下し、圧力低下の間には、比較的短い平坦域期間がある。この理由は、括約筋が、加えられた圧力に対して短期間耐えられるだけである可能性がある。
【0090】
第4のグループD)では、グループA)と同様の組織反応圧力曲線が観察された。患者のこのグループを他のグループから識別するために、すべての定義されたグループを代表する患者の鼻腔に対して、膨張可能要素を介して振動を与えた。振動は、鼻炎の患者では直ちに反応を起こしたが、健康な人間では生じなかった。鼻炎患者により示される反応は、特に頻繁なくしゃみ、鼻および/または目における分泌物の増加、かゆみ、ならびに振動を受けていない腔における鼻づまりの感覚であった。他方で、健康な人間は、何らかの過度の敏感さの徴候を示すことなく、振動が加えられたことに気付いただけであった。加えられた振動に対する鼻炎患者における最初の強い反応は、その後減少した。
【0091】
振動が与えられた後、本質的にWO2008/138997で述べられているように、鼻炎患者は、グループA)のものと同じタイプの組織反応圧力曲線を示した。鼻炎患者の最初の強い反応が減少したとき、患者はその症状が軽減したと考えられる。
【0092】
本発明がこのように述べられているが、本発明を様々に変えることが可能であることは自明であろう。このような変形形態は、本発明の趣旨および範囲から逸脱するものと見なすべきではなく、また当業者には自明であるはずのこのような変更はすべて、添付の特許請求の範囲に含まれることが意図されている。
図1
図2
図3
図4