特許第6134741号(P6134741)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6134741航洋船を受けるための受けアセンブリ、およびそのような船を海で回収および配置するシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6134741
(24)【登録日】2017年4月28日
(45)【発行日】2017年5月24日
(54)【発明の名称】航洋船を受けるための受けアセンブリ、およびそのような船を海で回収および配置するシステム
(51)【国際特許分類】
   B63B 23/60 20060101AFI20170515BHJP
   B63B 35/00 20060101ALI20170515BHJP
   B66C 13/02 20060101ALI20170515BHJP
   B66C 13/06 20060101ALI20170515BHJP
【FI】
   B63B23/60
   B63B35/00 Z
   B66C13/02
   B66C13/06 Z
【請求項の数】14
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2014-555161(P2014-555161)
(86)(22)【出願日】2013年1月28日
(65)【公表番号】特表2015-510470(P2015-510470A)
(43)【公表日】2015年4月9日
(86)【国際出願番号】EP2013051535
(87)【国際公開番号】WO2013113644
(87)【国際公開日】20130808
【審査請求日】2015年11月10日
(31)【優先権主張番号】1200320
(32)【優先日】2012年2月3日
(33)【優先権主張国】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】511148123
【氏名又は名称】タレス
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】特許業務法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ロゼック,ジャン−ジャック
【審査官】 常盤 務
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−112622(JP,A)
【文献】 特開平07−277671(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2001/0020435(US,A1)
【文献】 米国特許第05253606(US,A)
【文献】 国際公開第2010/147518(WO,A1)
【文献】 国際公開第01/074655(WO,A1)
【文献】 英国特許出願公開第02150903(GB,A)
【文献】 米国特許第04216987(US,A)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0304480(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2005/0089375(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B63B 23/60
B63B 35/00
B66C 13/02
B66C 13/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
航洋船(1)を受ける受けアセンブリ(2)であって、前記受けアセンブリ(2)は、ハンドリング構造体(3)の多関節アーム(4)から懸架することができ、前記ハンドリング構造体(3)には、前記ハンドリング構造体(3)が固定された浮き建造物(5)から海に出入りする前記船(1)を配置および/または回収するために、航洋船(1)を担持し、前記航洋船を鉛直方向(z)に移動させることを意図された持ち上げケーブル(8)が設けられ、前記受けアセンブリ(2)は、前記船(1)の受け手段(16)を含む下側部分(15)を有し、前記受け手段(16)は、前記ケーブル(8)が通過できる通路(20)を有し、前記受け手段(16)は、前記船が前記持ち上げケーブル(8)から懸架された場合に、前記船(1)を受けることができる空洞(18)を画定し、前記航洋船(1)が前記空洞(18)によって受けられ、前記手段に支持されるようになった場合に、前記受け手段(16)に対する航洋船(1)の回転運動、および前記鉛直方向(z)で上方への並進移動を阻止することを保証するように構成され、前記鉛直方向(z)に垂直な軸のまわりで、前記受け手段(16)を含む前記受けアセンブリ(2)の下側部分(15)と前記ハンドリング構造体(3)との間の少なくとも1回転自由度を残して、ハンドリング構造(3)の多関節アーム(4)から懸架することができるように構成され、少なくとも1回転自由度を有する、前記アーム(4)に対する前記下側部分(15)の相対揺動運動の範囲が、所定の閾値よりも広い場合に、受けアセンブリ(2)が、前記下側部分(15)を前記多関節アーム(4)から切り離すために設けられた少なくとも1つの機械式ヒューズを含むことを特徴とする、受けアセンブリ(2)。
【請求項2】
前記受け手段(16)はU字形状の輪郭を有する、請求項1に記載の受けアセンブリ(2)。
【請求項3】
前記U字は裾広がりである、請求項2に記載の受けアセンブリ(2)。
【請求項4】
前記U字は、コア部(21)によって連結された2つの翼部(17)を有し、前記翼部(17)は、それぞれの自由端から前記コア部(21)まで裾広がりである、請求項2または3に記載の受けアセンブリ。
【請求項5】
前記受け手段(16)は、前記船(1)と前記受け手段(16)との間の衝撃を緩衝するように、少なくとも一部を弾性変形可能な圧縮性材料で具現化される、請求項2〜4のいずれか1項に記載の受けアセンブリ(2)。
【請求項6】
前記受け手段が前記アーム(4)から懸架された場合に、前記受け手段(16)とベース部(40)との間で前記鉛直方向(z)の並進自由度を付与する並進案内手段(23)と、
前記受けアセンブリ(2)が前記アーム(4)から懸架された場合に、前記受け手段(16)が前記ベース部(40)から前記鉛直方向に移動するのを可能にするように構成されたスプリング(22)と、
をさらに含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の受けアセンブリ(2)。
【請求項7】
前記案内手段(23)は、前記スプリング(22)が伸縮された場合に、前記ベース部(40)に対する前記受け手段(16)の前記方向(z)の移動を案内するように、前記スプリング(22)に連結された受動手段である、請求項6に記載の受けアセンブリ(2)。
【請求項8】
前記スプリングの圧縮状態を視覚的に示すために、前記スプリング(22)に連結された少なくとも1つの視覚インジケータ(I1、I2、I3、I4)を含む、請求項6または7に記載の受けアセンブリ(2)。
【請求項9】
前記スプリングが可動域の半分の位置にある、最大まで圧縮されている、および平衡位置にある場合に、異なる幾何学図形を形成するように構成された複数の視覚インジケータを含む、請求項8に記載の受けアセンブリ(2)。
【請求項10】
前記受けアセンブリ(2)が前記アーム(4)から懸架された場合に、前記持ち上げケーブル(8)を前記鉛直方向(z)に案内することを意図されたプーリ(9)が設けられる、請求項1〜9のいずれか1項に記載の受けアセンブリ(2)。
【請求項11】
少なくとも1回転自由度を有する、前記懸架アーム(4)と前記受けアセンブリ(2)の前記下側部分(15)との間の相対運動を弱めることを意図された手段(24、25)を含む、請求項に記載の受けアセンブリ(2)。
【請求項12】
少なくとも1回転自由度を有する、前記懸架アーム(4)と前記受けアセンブリ(2)の前記下側部分(15)との間の前記相対運動を弱めることを意図された前記手段(24、25)は受動的である、請求項11に記載の受けアセンブリ(2)。
【請求項13】
浮き建造物からの航洋船(1)を配置および回収する装置であって、請求項1〜12のいずれか1項に記載の受けアセンブリが懸架された多関節アーム(4)を有するハンドリング構造体(3)を含む装置。
【請求項14】
航洋船(1)を配置および回収する装置を利用する方法であって、装置が、請求項6〜9のいずれか1項に記載の受けアセンブリが懸架された多関節アーム(4)を有するハンドリング構造体(3)を含み、前記船(1)が前記持ち上げケーブル(8)に取り付けられたときに、前記多関節アーム(4)を動かして、前記受けアセンブリ(2)を移動させる前に、前記持ち上げケーブル(8)が巻かれて、前記船(1)が前記受け手段(16)を押し、前記スプリング(22)を可動域の約半分まで圧縮するようになることを特徴とする、航洋船(1)を配置および回収する装置を利用する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、海事分野に位置付けられ、より厳密には、例えば、船舶またはプラットフォームなどの水上に浮かぶ建造物に取り付けられ、前記建造物からの、例えば、水上艦艇または水中船などの航洋船が進水および回収されるのを可能にするハンドリングおよび持ち上げシステムに関する。ここでいう船は曳航船と自律的な船の両方である。
【背景技術】
【0002】
ハンドリングおよび持ち上げシステムは通常、浮き建造物と一体化したハンドリング構造体(クレーンまたはガントリクレーン)を含む。前記構造体は多関節アームを含み、多関節アームの自由端にある持ち上げケーブルを鉛直方向に案内できるプーリと、前記ケーブルを巻き上げ/巻き戻しできるウインチとを設けられる。
【0003】
ケーブルには、持ち上げケーブルから船を懸架するために、第2の引掛手段と協働できる第1の引掛手段が設けられる。
【0004】
多関節アームは、持ち上げケーブルが、船を巻き上げる、または進水させるために回収または進水領域の上に配置され、船を回収または保管するために浮き建造物に位置する保管領域の上に配置されるのを可能にする。
【0005】
従来、第1の引掛手段は、船に固定されたリングと協働できるフックからなる。
【0006】
航洋船が持ち上げケーブルから懸架されると、航洋船は、水平である平衡位置のまわりを揺動し、持ち上げケーブルのまわりに回転する。
【0007】
これは、浮き建造物が大波を受けるときにいっそう問題になる。その結果、航洋船は、簡単にバランスを崩し、浮き建造物または持ち上げおよびハンドリング手段の構造体、あるいは港湾労働者にさえ強く衝突する可能性がある。
【0008】
さらに、回収用または進水用の位置とボート上の保管位置との間で、多関節アームにより持ち上げケーブルを介して行われる移動動作は、時間をかけて制御された場合であっても、前記危険な励振の他に、クレーンケーブルの端部にある船の運動をさらに励振する補足スパートをもたらす。前記の運動は、回収および進水作業を困難にすることがある。
【0009】
このように、操縦中の海の状態との関連において、作業が、装置を危険(船と、海、浮き建造物、またはハンドリング構造体との間の衝突の危険)にさらす、または作業を任された人たちを危険(船とオペレータとの間の衝突の危険)にさらすことがある。
【0010】
本発明の目的の1つは、海との間で配置および回収する前記作業を安全にすることである。
【0011】
多関節アームは、アームの端部が水面上に置かれた配置および進水位置と、アームの端部が、船を浮き建造物に保管する位置の上に置かれた配達位置との間を移動する。前記2つの位置の間で、アームの端部は、(例えば、アームが入れ子式の場合に)並進運動にかけられ、1つまたは複数の軸のまわりに回転する。
【0012】
アームの端部の前記運動は、クレーンケーブルの端部にある船の運動をさらにいっそう励振する相対鉛直運動を引き起こす。相対鉛直運動は、一方向において負荷を減少させ、他の方向において、制御不能な態様で負荷を増大させ、回収および進水作業をさらにいっそう困難にする。
【0013】
前記スパートを制限して船を安定化させるために、先行技術の問題解決策では、船が同じ高さに留まるように、持ち上げケーブルの端部を下降または上昇させる多関節アームの運動と同時に、オペレータが持ち上げケーブルを巻き上げるか、または巻き戻す。クレーンの動作はゆっくりであるので、オペレータは、わずかな経験で、船の高さの変動を最大100mmに制限することができる。
【0014】
しかし、前記の問題解決策には、オペレータが常に手のあいた状態でなければならないという欠点がある。
【0015】
同様に多関節アームの移動中の鉛直運動を回避できるようにする一定トラクション装置をトラクションウインチに設けることによる別の問題解決策がある。
【0016】
しかし、前記いわゆる能動的な問題解決策は費用がかかり、動力の入力を必要とする。
【0017】
本発明の別の目的は、上記の欠点を解決することである。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0018】
このために、本発明は、持ち上げケーブルが設けられたハンドリング構造体の多関節アームから懸架することができる、航洋船を受けるための受けアセンブリを対象とし、持ち上げケーブルは、前記ハンドリング構造体が固定された浮き建造物から海に出入りする前記船を配置および/または回収するために、航洋船を担持し、前記船を鉛直方向に移動させることを意図され、前記受けアセンブリは、前記船の受け手段を含む下側部分を有し、前記受け手段は、ケーブルが貫通できる通路を有し、前記受け手段は、前記船が持ち上げケーブルから懸架された場合に、前記船を受け入れることができる空洞を画定し、航洋船が空洞によって受け入れられ、前記手段に支持されるようになった場合に、通常では管状の形態の航洋船の、受け手段に対する回転運動および鉛直方向上側への並進運動を阻止することを確実にするように構成される。
【0019】
有益な態様では、受けアセンブリは、単独で、または組み合わせて用いられる下記の特徴の1つまたは複数を含む。
−受け手段はU字形状の輪郭を有する、
−U字は裾広がりである、
−U字は、コア部によって連結された2つの翼部を有し、翼部は、それぞれの自由端からコア部まで裾広がりである、
−受け手段は、船と受け手段との間の衝撃を緩衝するように、少なくとも一部を弾性変形可能な圧縮性材料で具現化される、
−受けアセンブリは、
−受け手段が前記アームから懸架された場合に、受け手段とベース部との間で鉛直方向の並進自由度を付与する並進案内手段と、
−前記受けアセンブリが前記アームから懸架された場合に、受け手段がベース部から鉛直方向に移動するのを可能にするように構成されたスプリングと、
をさらに含む、
−案内手段は、スプリングが伸縮された場合に、受け手段の移動をベース部に関連する方向に案内するように、スプリングに連結された受動手段である、
−前記受けアセンブリは、スプリングの圧縮状態を視覚的に示すために、スプリングに連結された少なくとも1つの視覚インジケータを含む、
−前記受けアセンブリは、スプリングが可動域の半分の位置にある、最大まで圧縮されている、および平衡位置にある場合に、異なる幾何学図形を形成するように構成された複数の視覚インジケータを含む、
−前記受けアセンブリは、前記アームから懸架された場合に、持ち上げケーブルを鉛直方向に案内することを意図されたプーリを設けられる、
−前記受けアセンブリは、鉛直方向に垂直な軸のまわりで、受け手段を含む受けアセンブリの下側部分とハンドリング構造体との間の少なくとも1回転自由度を残して、ハンドリング構造の多関節アームから懸架することができるように構成される、
−前記受けアセンブリは、少なくとも1回転自由度を有する、懸架アームと受けアセンブリの下側部分との間の相対運動を弱めることを意図された手段を含む、
−少なくとも1回転自由度を有する、懸架アームと受けアセンブリの下側部分との間の相対運動を弱めることを意図された手段は受動的である、
−前記受けアセンブリは、少なくとも1回転自由度を有する、前記アームに対する底部部分の相対揺動運動の範囲が所定の閾値よりも広い場合に、底部部分を多関節アームから切り離すために設けられた少なくとも1つの機械式ヒューズを含む。
【0020】
本発明はまた、本発明による受けアセンブリが懸架される多関節アームを含むハンドリング構造体を有する浮き建造物からの航洋船を配置および回収する装置を対象とする。
【0021】
さらに、本発明は、本発明に従って船を配置および回収するための装置を利用する方法を対象とし、その方法では、船が持ち上げケーブルに取り付けられたときに、多関節アームを動かして受けアセンブリを移動させる前に、船が受け手段を押し、スプリングを可動域の約半分まで圧縮するように、持ち上げケーブルが巻き上げられる。
【0022】
非限定的な例として示される以下の詳細な説明を添付の図面を参照して読んだ場合に、本発明の他の特徴および利点が明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明による受けアセンブリを含む、本発明に従って海で船を回収および配置する装置の概略的な斜視図を示している。
図2】本発明による配置用装置の概略的な部分斜視図を示している。
図3a】スプリングが平衡位置にある場合の、本発明による受けアセンブリの視覚インジケータの概略図を示している。
図3b】スプリングが可動域の半分の位置ある場合の、本発明による受けアセンブリの視覚インジケータの概略図を示している。
図3c】スプリングが最大に圧縮されている場合の、本発明による受けアセンブリの視覚インジケータの概略図を示している。
図4】本発明による受けアセンブリの概略斜視図を示している。
図5】本発明による装置の部分概略図を多関節アームに対して垂直な正面図で示している。
【発明を実施するための形態】
【0024】
同じ要素は、各図間で同じ参照符合を付けられている。
【0025】
図1は、ハンドリング構造体3から懸架された、本発明による受けアセンブリ2を含む、本発明に従って航洋船1を配置および回収する装置を示している。
【0026】
ハンドリング構造体3は、例えば、水面に浮いたボートまたはプラットフォームである浮き建造物5と一体である。
【0027】
ハンドリング構造体3は、本テキストの残りの部分では多関節アームと呼ばれ、受けアセンブリ2が懸架されたアーム4を含む。多関節アーム4は入れ子式であるが、そうでなくてもよい。
【0028】
変形型として、多関節アーム4は、浮き建造物に直接固定することができ、例えば、アーチ形の形態を取ることができる。
【0029】
図1の発展形態では、ハンドリング構造体3は、浮き建造物と一体化した第1のアーム6と、一方で第1のアーム6に連接され、他方で、受けアセンブリ2が懸架される多関節アーム4に連接された第2のアーム7とを含むクレーンである。
【0030】
多関節アーム4は、第2のアーム7に連接された第1の端部を含む。多関節アーム4はまた、受けアセンブリ2が有益な態様で懸架された自由端4lを含む。
【0031】
ハンドリング構造体3はまた、浮き建造物と一体化した第1のアームと、前記第1のアームに連接され、受けアセンブリ2が懸架されるアームとを含むガントリクレーンとすることもできる。
【0032】
ハンドリング構造体3には、航洋船の重みで定まる鉛直方向zに航洋船1を引っ張ることを意図された持ち上げケーブル8が設けられている。ケーブル8は、より見やすくするために一部分のみを示されている。
【0033】
ハンドリング構造体3には、ケーブル8が巻き上げられ、巻き戻されるのを可能にするウインチ10と、持ち上げケーブル8を巻き上げ、巻き戻すために、オペレータがウインチ10を制御するのを可能にする手段(図示せず)とがさらに設けられている。
【0034】
持ち上げケーブル8は、ガイドプーリ9を用いて鉛直方向zに案内される。図4に示すように、プーリ9は、受けアセンブリ2に含まれる。前記問題解決策は、受けアセンブリ2とクレーン3との間の連結が簡素化されるのを可能にする。受けアセンブリとすでにクレーンに固定されたプーリとの間を連結するよりも、プーリを受けアセンブリに組み込む方が容易である。
【0035】
改造型として、プーリは多関節アーム4と一体である。
【0036】
持ち上げケーブル8には、この場合にフック12の形態で具現化され、前記船を持ち上げケーブル8から懸架できるように、すなわち、前記船を担持して鉛直方向zに牽引する、または移動させることができるように、船1に固定された第2の引掛手段13と協働できる第1の引掛手段が設けられている。
【0037】
受けアセンブリ2は、プーリ9を含む上側部分14と、航洋船1に対向する受け手段16を含む下側部分15とを有する。
【0038】
図1に示すように、上側部分14は、受けアセンブリ2が多関節アーム4から懸架された場合に、鉛直方向zに受け手段の高さよりも高い高さに位置する。
【0039】
受け手段16は、図2を参照してさらに詳細に説明される。
【0040】
受け手段16は、ケーブル8が通過できる通路20を有する。受け手段16は、前記船1が、受け手段16に当接するように持ち上げケーブル8から懸架された場合に、航洋船1を受けることができる空洞18を画定する。
【0041】
受け手段16は、航洋船1が空洞18で受けられ、前記受け手段に当接するようになった場合に、受け手段16に対する航洋船1の少なくとも回転運動および鉛直方向zで上方への並進運動を確実に阻止するように構成されている。
【0042】
船が持ち上げケーブル8から懸架された場合の前記特徴により、船の持ち上げケーブル8のまわりの揺動運動を回避できるようになる。したがって、前記特徴により、航洋船の配置および進水操作を安全にすることが可能になる。
【0043】
従来、船の形態は、長円形または円形の輪郭を有する管状である。発展形態では、受け手段16は、略管形状の航洋船の上記の運動を阻止するように構成されている。
【0044】
受け手段16は、例えば、船体の曲率径が300〜330mmである航洋船1が止められるのを確実にするために必要な大きさとされる。
【0045】
受け手段16は、空洞18を画定するU字形状の輪郭を有する。言い換えると、受け手段は、概ね馬の鞍の形状をなしている。
【0046】
これは、航洋船の典型的な輪郭を所与として、引掛手段13を囲むさらなる支持面が航洋船1の湾曲部分に基づいて形成され、信頼性のある態様で船を適切に止めるのを可能にする。
【0047】
U字は、受けアセンブリ2がクレーン3から懸架された場合に下方に開く。言い換えると、U字の背面は上側部分14に対向する。
【0048】
U字は、U字の背面を形成するコア部21の両側に延びる2つの横翼部17を有する。コア部21は、水平平面内で2つの翼部17間を横方向に、図3に示す密集部eにわたって長手方向に延びている。
【0049】
有益な態様では、通路は、引掛手段12、13が通過するのを可能にするように構成されている。
【0050】
持ち上げケーブル8の自由端が、十分に高く取り付けられると、引掛手段12、13は通路20を通過する。略管形状(通常、長円形または円形の輪郭を有する)である航洋船1は、空洞18内に収まるようになり、U字のコア部21および翼部17に当接する。言い換えると、前記構成において、受け手段16は航洋船1にまたがる。コア部21は、鉛直方向のストッパとして機能し、翼部17は、鉛直方向に垂直な軸に沿って航洋船1の両側に接する横方向ストッパとして機能する。
【0051】
したがって、これは、受け手段16に対する船の次の運動、すなわち、鉛直方向で上方への並進運動および2つの翼部をつなぐ水平方向の並進運動と、鉛直方向に垂直な軸を回る回転運動とを防止する。受け手段16の機能は、航洋船1を捕捉し、安定化することである。
【0052】
馬の鞍の形状により、航洋船1が水平でない(すなわち、航洋船の長手軸xが軸zに対して垂直でない)としても、航洋船が受け手段16に当接した時点で航洋船1を動けなくすることが可能になる。馬の鞍の形状とは、航洋船に前記位置を占有することを強いる受け手段の形状である。より詳細には、これは、コア部21が特定の長さlを有することに由来し、より詳細には、コア部21が特定の長さにわたって延びる鉛直方向のストッパを形成することに由来する。
【0053】
図の発展形態では、コア部の長さは約90cmである。他方で、翼部の自由端の長さは約10cmである。したがって、船が低い位置にあると、翼部は、船に大きな自由(特に、軸xのまわりの1回転自由度)を付与し、船がコア部に当接するようになると、船はかなり制約を受け、受け手段に対する船のx軸のまわりの回転が阻止される。
【0054】
図の発展形態では、U字は裾広がりである。これは、船の長手軸が、U字のコア部の長手方向(または長さlの方向)に対して最大45°の角度でヨー回転するのを可能にする。
【0055】
要するに、受け手段の形状は、船を受け手段16内に閉じ込めるのを容易にする。船を受け手段で回収できるように、船の軸がU字のコア部と整列する必要はない。
【0056】
前記の利点を活用するために、翼部17は、翼部のそれぞれの自由端からコア部21まで裾広がりになっている。図の発展形態では、翼部は、下を指す三角形の一般形態をなしている。
【0057】
有益な態様では、受け手段16は、前記船が空洞に入ったときに、船1による衝撃が吸収されるのを可能にする手段を含む。
【0058】
このために、例えば、翼部17および/またはコア部21は、少なくとも一部を弾性変形可能な圧縮性材料で具現化されている。前記の特徴はまた、曲率半径が異なる、または不規則な形状の、またはまっすぐな円筒形よりも複雑な形状の船が閉じ込められるのを可能にする。
【0059】
図の発展形態では、翼部17は、海洋環境および摩耗に対して耐性があるポリウレタン外皮を被覆された圧縮性発泡体で具現化される。発泡体の圧縮性は、使用法の観点から選択される(衝撃を吸収し、船の輪郭に同化するために密度を変える)。有益な態様では、発泡体の密度は、50〜80kg/mである。
【0060】
コア部21は、翼部17の両側に配置され、オペレータがケーブル8を巻き込んだときに船1が支持されることを意図された(図3a〜3cにより良好に示す)2つの鉛直方向ストッパ19を含む。
【0061】
有益な態様では、前記鉛直方向ストッパ19は、少なくとも一部を弾性変形可能な圧縮性材料で、例えば、翼部と同じ材料を使用して、具現化することができる。
【0062】
受け手段の形状および大きさは、様々な直径および形状を有する航洋船の運動を阻止するために、容易に合わせることができる。回収される航洋船の形状に相補的な支持面を第2の引掛手段13のまわりに画定および形成する受け手段を具現化しさえすればよい。
【0063】
下側部分15は、受けアセンブリ2がハンドリング構造体3から懸架された場合に(かつ平衡位置にある場合に)、多関節アーム4に対する鉛直方向zの並進運動に関しては動かないようにされたベース部40から、受け手段16が移動するのを可能にするように構成されたスプリング22を含む。スプリング22という用語は、校正された力が所定の方向に作用するのを可能にする機能手段を指す。この場合に、所定の方向は、U字のコア部21に垂直である。
【0064】
有益な態様では、前記機能手段は、厳密に言えば、本特許出願の図に示す実施形態に見られるように、少なくとも1つの圧縮スプリングを含む。
【0065】
言い換えると、スプリング22は、受けアセンブリ2がクレーン3から懸架され、平衡位置にある場合に、下側部分15をベース部40から、鉛直方向であることを意図された所定の方向に移動させることができるように構成されている。
【0066】
図2に示すように、受けアセンブリ2が多関節アーム4から懸架された場合、スプリング22はベース部40から懸架され、受け手段16はスプリング22から懸架される。
【0067】
前記の構成では、受け手段16は、受け手段16の重みで定まる方向でもある鉛直方向zにスプリング22を伸長させようとする力をスプリング22に作用させる。スプリングの軸は鉛直方向zに延びている。前記の構成では、受けアセンブリ2およびスプリング22は、それぞれの平衡位置にある。U字のコア部21は、鉛直方向zに垂直に延びている。
【0068】
受けアセンブリ2はまた、ベース部40と受け手段16との間で、U字のコア部に垂直な案内方向に1並進自由度を付与する並進案内手段23を含む。前記案内方向は、受けアセンブリ2がクレーン3から懸架され、平衡位置にある場合に鉛直方向zである。
【0069】
ここで受けアセンブリ2の動作をより厳密に説明する。船を海から回収する作業を以下に説明する。配置する作業は、同じステップを含むが逆の順序で実行される。
【0070】
受けアセンブリ2は、プーリ9が鉛直方向zに持ち上げケーブル8を案内し、そのため、持ち上げケーブルが通路20に沿って移動できるように最初にクレーン3から懸架される。図の発展形態では、スプリング22は通路20の上に配置されている。ケーブル8は、スプリング22内も移動する。
【0071】
オペレータは、受けアセンブリ2が、海にある船1の上に配置されるようにクレーン3を駆動する。これは、例えば、多関節アーム4を鉛直回転軸のまわりに旋回させることで行われる。オペレータは、持ち上げケーブルの自由端に配置されたフック12を第2の引掛手段13の周辺に配置するように、ウインチ10を使用して持ち上げケーブル8を巻き戻す。図1に示すように、前記位置において、ケーブル8の自由端は、受け手段16の下に、すなわち、前記受け手段の高さよりも低い高さに配置される。
【0072】
持ち上げケーブル8の端部に配置されたフック12は、この場合に、持ち上げリングの形態で具現化された第2の引掛手段13の周辺に下げられる。フック12に連結された長い竿をもたされたオペレータは、航洋船を持ち上げることができるように航洋船1と一体化した持ち上げリング13にフック12を、ひいてはケーブル8を機械的に連結する。
【0073】
オペレータは、船1を鉛直方向zに水面から引き上げるために、持ち上げウインチ10を使用してケーブル8を巻き込む。前記の作業中に、受け手段16は動かない。代わりに、船1が、受け手段16の方向に上昇する。
【0074】
オペレータがケーブル8を巻き込み続けると、船1の上側部分が空洞8に収まるようになる。フック12およびリング13は、通路20に沿って移動し、船1は、受け手段16に支持されるようになる。より厳密には、船は、鉛直方向ストッパ19および翼部17に支持されるようになる。この場合に、受け手段16は船1にまたがる。
【0075】
オペレータがケーブル8を巻き込み続けると、ケーブル8は、鉛直方向上方に向けられた引張り力を船1に作用させる。船1は、受け手段16を押し、受け手段16は、(案内手段によって定まる)鉛直方向zで上方に移動し、圧縮スプリング22を圧縮するようになる。圧縮スプリング22は反発し、次いで、下方に向けられた鉛直方向zの力を受け手段16を介して船1に作用させる。付加力と呼ばれる前記後者の力の効果は、船1を受け手段16に押し付けることである。
【0076】
スプリング22は、確実に、船が受け手段に常に押し付けられるようにする。これは、船が受け手段によって常時固定されるのを可能にする。
【0077】
スプリングおよび案内手段が存在することで、先行技術の問題解決策と比較して、真の利益が得られる。スプリングおよび案内手段が存在することで、特に、多関節アームの自由端を移動させる段階中に、海で配置および進水する作業を安全にするのが可能になり、一方で、クレーンオペレータを最小限に使用することで比較的安価になり、動力入力が必要でなくなる。
【0078】
実際上、船1が受け手段2に押し付けられ、多関節アーム4の端部が上方または下方に移動すると、スプリング22は、船1に押付力を常にかけながら、それぞれ圧縮または拡張される。押付力は、前記の作業中に船が安定化するのを可能にする。
【0079】
前記問題解決策はまた、クレーンの動作3により、船がベース部内で上昇した場合に、危険度がクレーンの持ち上げウインチの安全限界に達することなく、持ち上げケーブル8の張力が高くなるのを可能にする。
【0080】
有益な態様では、オペレータは、次のやり方、すなわち、船1を持ち上げケーブル8に引掛けたときに、多関節アーム4を動かして受けアセンブリ2を移動させる前に、持ち上げケーブル8を巻き込み、そのため、船1が受け手段16を押して、スプリング22を可動域の約半分まで圧縮するようになるやり方で、本発明による受けアセンブリを利用する。
【0081】
スプリング22の可動域とは、受け手段16がスプリングの端部から懸架された平衡位置と、スプリングが最大に圧縮された圧縮位置との間をスプリングの端部が進む距離である。
【0082】
このように、多関節アーム4の動作が、スプリング22の可動域の半分未満である、ケーブル8の自由端の移動を引き起こす場合に、スプリング22は、船1が受け手段16に押し付けられて、持ち上げケーブル8の自由端が上方または下方に移動するのを保証する。前記システムは、クレーンの動作により船が下げられる場合でさえ、船の押し付けが常に保証されるのを可能にする。
【0083】
有益な態様では、受け手段がスプリングから懸架された平衡位置と、スプリングが最大に圧縮された圧縮位置との間のスプリングの可動域は、100mm〜300mmである。
【0084】
この態様で進めるために、クレーンのオペレータは、注意を払いながら持ち上げウインチ10を駆動して、船1の鉛直方向の位置を受け手段16内に調整しなければならず、また、クレーン3の端部の移動が、スプリングの可動域の半分を上下に越えないようにチェックしなければならない。
【0085】
有益な態様では、受けアセンブリは、スプリングの圧縮状態の視覚的な目安をクレーンオペレータに示すために、スプリングに連結された少なくとも1つの視覚インジケータを含む。
【0086】
図3a〜3cに示す発展形態では、受けアセンブリはいくつかの視覚インジケータを含む。
【0087】
前記視覚インジケータは、案内手段23に設けられている。
【0088】
視覚インジケータの設置をより深く理解するために、最初に、図3a〜3cを参照して、案内手段23がより厳密に説明される。
【0089】
これらは、受動的な案内手段である。このために、案内手段23は、スプリング22が伸縮されたときに、ベース部40に対する受け手段16のz方向の移動を案内するようにスプリング22に連結されている。
【0090】
ここに示す非限定的な実施形態では、案内手段23は、パンタグラフシステムとも呼ばれる関節式アセンブリの形態で具現化されている。前記装置は、互いに平行で案内方向に垂直な軸を中心とした関節を含む。
【0091】
案内手段23は、スプリング22の軸に平行で、コア部21に垂直な平面内で六角形の形態をとる。
【0092】
六角形は、スプリング23が収容されるハウジング30を画定するほど十分に稠密である。
【0093】
図3aに示すように、間接式六角形23は、2対の隣接辺31、32および隣接辺33、34を含み、各隣接辺は、それぞれベース部40および受け手段16のコア部21に連接された第1の不連続頂点35、36および第2の不連続頂点37、38を含む。
【0094】
六角形は、2つの自由頂点41、42を含み、これらの自由頂点は、長さが可変であり、案内手段23を用いて画定される並進自由度に対して垂直な平面内に延びる六角形の対角線を規定する。
【0095】
すべての関節は、互いに平行であり、案内手段23を用いて画定される並進自由度に対して垂直な軸に沿って具現化される。
【0096】
第1の隣接辺対31、32および第2の隣接辺対33、34は、2対の平行なロッド43、44およびロッド45、46によって連結されている。
【0097】
より厳密には、第1の辺対31、32および第2の辺対33、34はそれぞれ、上側の辺31、33および下側の辺32、34を含む。
【0098】
第1の平行ロッド対43、44は、第1の隣接辺対の上側の辺31を第2の対の下側の辺34に連結している。第2の平行ロッド対45、46は、第1の隣接辺対の下側の辺32を第2の隣接辺対の上側の辺33に連結している。
【0099】
視覚インジケータI1、I2、I3、I4は、1対のロッド43、44のロッドに配置されている。視覚インジケータは、スプリングが可動域の半分の位置にある、最大まで圧縮されている、および平衡位置にある場合に、異なる幾何学図形を形成するように配置されている。
【0100】
視覚インジケータは、第1の視覚インジケータ対I1、I2および第2の視覚インジケータ対I3、I4を含み、各視覚インジケータ対は、スプリングの伸縮時に、ロッドの方向で反対の方向に移動するように、1対の平行ロッドのそれぞれのロッド43、44に配置されている。
【0101】
第1の視覚インジケータI1、第2の視覚インジケータI2、第3の視覚インジケータI3および第4の視覚インジケータI4は、それぞれの第1の平行軸x1、第2の平行軸x2、第3の平行軸x3、第4の平行軸x4に沿って長手方向に延びている。
【0102】
図3aに示すように、視覚インジケータは、スプリング22が平衡位置にある場合に、2つだけの平行な軸x1=軸x3、軸x2=軸x4に沿って長手方向に延びるように配置されている。したがって、視覚インジケータは長方形を画定する。
【0103】
図3cに示すように、視覚インジケータはまた、スプリング22が最大に圧縮された場合に、3つだけの平行な軸x1、軸x2=軸x3、軸x4に沿って延びるように配置されている。言い換えると、2つのインジケータI2、I3は、同じ軸x2=軸x3に沿って長手方向に延びている。
【0104】
図3bに示すように、スプリング22が可動域の半分の位置にある場合、インジケータI1、I2、I3、I4は、4つのそれぞれ異なる軸x1、x2、x3、x4に沿って長手方向に延びている。これは、クレーンの任意の動作の前に、オペレータが達成しようとする幾何学図形である。
【0105】
有益な態様では、各視覚インジケータは、オペレータが容易に認識できるように、案内手段23とは色が異なっている。
【0106】
受けアセンブリ2は、受けアセンブリ2の下側部分15とハンドリング構造体3との間に少なくとも1回転自由度を付与して、ハンドリング構造体3の多関節アーム4から懸架することができるように構成されている。
【0107】
専門家には、前記のタイプの懸架を実現可能にするために、受けアセンブリをどうやって容易に構成するかが分かる。図を参照して、前記タイプの懸架を実現することを可能にする受けアセンブリの例示的な実施形態をより厳密な態様で説明する。
【0108】
少なくとも1回転自由度を付与することで、海が荒れた場合に、受けアセンブリ2の底部部分15によってクレーン3に加えられる力を制限できるようになる。
【0109】
有益な態様では、底部部分15は、多関節アーム4に対して鉛直軸zのまわりに回転できないように固定される。前記特徴は、底部部分自体の幾何形状により、開始位置におけるその場での方向決め、水面上の回収特性が、最終位置におけるプラットフォーム上と全く同様に良好になるのが保証されるように、望ましい運動力学の観点から、底部部分15が確実に向きを合わされるのを可能にする。z軸のまわりの回転自由度が大きく抑制されることで、構造体の設計が単純化され、構造体の剛性が高くなる。
【0110】
有益な態様では、受けアセンブリ2は、図4に示すように、少なくとも1つの前記回転自由度を有する、懸架アーム4と受けアセンブリ2の下側部分15との間の相対運動を弱める手段24、25を含む。前記手段は、受けアセンブリ2の一部を形成する必要はない。
【0111】
専門家には、前記減衰機能を有する受動減衰手段をどうやって選択および構成するかが容易に分かる。前記減衰手段の例示的な実施形態を図を参照してより厳密に説明する。
【0112】
有益な態様では、前記減衰手段は受動的である。
【0113】
受動的手段という用語は、任意の動力入力を必要としない手段を指す。
【0114】
図の発展形態では、図2に示すように、受けアセンブリ2は、受け手段16、この場合にはより厳密に、受け手段14の底部部分と多関節アーム4との間で、スプリング22の軸に垂直な2つの軸r、tのまわりの2回転自由度を解放するように、多関節アーム4から懸架されている。ロール軸と呼ばれる、多関節アーム4の軸に平行な軸rのまわりの、およびアーム4に対して交差方向に設定されたピッチ軸tのまわりの前記回転自由度。これらの回転自由度は、多関節アーム4が、海が荒れた結果としてロールおよびピッチ運動によって揺動された場合に、下側部分15、特にスプリング22の垂直度が維持されるのを可能にする。
【0115】
底部部分15は、同様にスプリング22の軸に垂直な、第1のピッチ軸tと呼ばれる第1の軸のまわりに回転可能なようにプーリ9に固定されている。
【0116】
図4に示すように、プーリ9には、図2に見ることができる、多関節アーム4と一体化した相補的手段27b(この場合は開口である)と協働して、前記プーリ9をロール軸rのまわりに回転するように固定することを意図された引掛手段27aが設けられている。
【0117】
受けアセンブリ2は、平衡位置にある場合に、スプリングの軸が鉛直方向zに延びるように構成され、受けアセンブリ2は、多関節アーム4から懸架された場合に、平衡位置付近で(ロールおよびピッチ軸のまわりに)揺動することができる。
【0118】
図の発展形態では、受けアセンブリ2、より厳密には、上側部分14は、前記2つの回転運動を弱めるための手段24、25を含む。前記手段24、25は、アームに対する受けアセンブリ2の底部部分15の、ロール軸rのまわりの相対運動を弱める第1の緩衝手段24と、アームに対する受けアセンブリ2の底部部分15の、ピッチ軸tのまわりの相対運動を弱める第2の緩衝手段25とを含む。
【0119】
多関節アームに対する受けアセンブリの、ロール軸rおよびピッチ軸tのまわりの相対運動で生じ、海の荒れによって生じた力学的エネルギを前記手段によって吸収することができる。
【0120】
この場合に、前記手段24、25は、粘弾性ショックアブソーバ28を含むが、他のタイプの受動ショックアブソーバを全く同様に使用することもできる。粘弾性ショックアブソーバは、例えば、シリコーンオイルを含み、シリコーンオイルの粘性特性により、力学運動によって生じたエネルギを吸収することが可能になる。
【0121】
より厳密には、第1の減衰手段24は、ロール軸rのまわりの回転運動を弱めるように構成されることを意図された2つの粘弾性ショックアブソーバ28を含む。
【0122】
図4および図5に示すように、前記粘弾性ショックアブソーバ28は、一方でプーリ9に連結され、他方で、ピッチ軸tに平行な軸のまわりに回転するようにアーム4に固定された引掛手段50によって、多関節アーム4に連結されている。
【0123】
第2の減衰手段25は、ピッチ軸tのまわりの回転運動を弱めるように構成されたショックアブソーバ28を含む。ショックアブソーバ28は、一方で底部部分15(より厳密にはベース部40)に連結され、他方でプーリ9と一体化した減衰アーム29に連結されている。
【0124】
有益な態様では、受けアセンブリ2は、クレーンに対する底部部分15の相対揺動運動の範囲が大きすぎる場合に、底部部分15をクレーン3から切り離すために設けられた機械式ヒューズ(図示せず)を含む。
【0125】
前記ヒューズは、受けアセンブリの下側部分14が、スプリングの軸が鉛直方向である平衡位置に対して、ロール軸のまわりに、所定の第1の閾角より大きい角度をなす場合に切れるように設けられた少なくとも1つのヒューズ、および/または受けアセンブリの下側部分14が、スプリングの軸が鉛直方向である平衡位置に対して、ロール軸のまわりに、所定の第2の閾角より大きい角度をなす場合に切れるように設けられた少なくとも1つのヒューズを含む。
【0126】
第1の角度は、例えば、20°であり、第2の角度は、例えば、35°である。
【0127】
前記ヒューズは、例えば、各ショックアブソーバとクレーンとの間の境界に取り付けられる。ヒューズは、関連するショックアブソーバが、最大可動域に達したときに切れる。ヒューズが切れると、ヒューズは、クレーンが耐えることができないピークの力からクレーンを保護するために、鞍部をクレーンから部分的に分離する。
【0128】
すでに示したように、図の発展形態では、受けアセンブリの底部部分は、持ち上げアーム4と比較して、鉛直軸のまわりに自由に回転できない。
【0129】
しかし、大きな波または放射状の衝撃のいずれかが浮き建造物の要素に当たったために、船の一端に偏った衝撃がかかった場合に、例えば、生じた力により、航洋船およびクレーンの両方を損傷する恐れがあるトルクが発生する。
【0130】
有益な態様では、受けアセンブリは、受け手段16が所定の閾値を超えたトルクをクレーン3に伝達した場合に、受けアセンブリ2の底部部分15が鉛直軸のまわりに回転できるようにする手段を含む。
【0131】
この手段には剪断ピンが該当し、剪断ピンは、受け手段16によって剪断ピンに伝達されたトルクが所定の第3の閾値を超えた場合に剪断されて、受け手段16を鉛直軸のまわりに自由に回転するようにすることができる。これは、クレーンへの大トルクの伝達を防止することで、船1およびクレーン3の両方が保護されるのを可能にする。
【0132】
本発明による受けアセンブリ2は、任意のタイプの標準的なクレーンから容易に懸架することができる単純な機械システムである。受けアセンブリ2は、船を捕捉し、船を受け手段に押し付け、動力の供給を必要とすることなく、受け手段とクレーンとの間の運動を弱めることができる。受け手段の受動設計により、実装、操作、および保守が簡単になる。
図1
図2
図3a
図3b
図3c
図4
図5