【課題を解決するための手段】
【0014】
この目的は、請求項1の特徴を有するロボット支援手術のための機器と請求項15の特徴を有する設備によって解決される。本発明の有利な発展は、従属項に規定される。
【0015】
連結ユニットの直進駆動移動を生成するための直進駆動エレメントと連結ユニットの回転駆動移動を生成するための回転駆動エレメントとの提供によって、及び直進駆動エレメントに連結可能な直進従動エレメントと回転駆動エレメントに連結可能な回転従動エレメントとの提供によって、特に、殺菌ユニットとそれに接続される手術器具とを含む器具ユニットの簡単な駆動が行える。殺菌カバーに提供される殺菌ロックによって、好ましくは、殺菌ユニットが殺菌ロックに接続されない時に連結ユニットと無関係に駆動エレメントを保護する安全な殺菌が行える。殺菌ロックは、殺菌ユニットが殺菌ロックから分離された後も駆動エレメントを保護する。よって、殺菌領域に対するマニプレータアームの無殺菌のエレメントの安全な殺菌保護が容易に行える。
【0016】
回転駆動ユニットと直進駆動ユニットとによって、例えば、器具の回転と器具先端の曲げ、又は器具の回転と掴み移動を容易に実行することができる。また、器具シャフトを回転させることができ、器具の掴み移動を実行することができる。
【0017】
特に、直進従動エレメントに連結された直進駆動エレメントによって直進駆動移動を直進従動エレメントに伝達することができる場合に有利である。回転従動エレメントに連結された回転駆動エレメントによって回転駆動移動を回転従動エレメントに伝達することができる。
【0018】
通常、回転駆動エレメントは、回転駆動移動又は回転運動を実行することができ、この目的のために特に駆動モータによって直接的又は間接的に駆動される駆動エレメントである。
【0019】
通常、回転従動エレメントは、回転駆動エレメントに連結可能な従動エレメントであり、回転駆動エレメントが回転駆動移動又は回転運動を実行する回転従動エレメントに連結される時に回転移動又は回転運動を実行する。
【0020】
通常、直進駆動エレメントは、直進駆動移動又は並進運動を実行することができ、この目的のために特に駆動モータによって直接的又は間接的に駆動される駆動エレメントである。
【0021】
通常、直進従動エレメントは、直進駆動エレメントに連結可能であり、直進従動エレメントに連結された直進駆動エレメントが直進駆動移動又は並進運動を実行する時に直進運動又は並進運動を実行する従動エレメントである。好ましくは、従動エレメントに駆動エレメントを連結する時に駆動移動を伝達するための相補的な従動エレメントを含む1つの駆動エレメントの直接接触が存在する。これは、特に、ポジティブ及び/又は非ポジティブ接続及び/又は各従動エレメントと駆動エレメントとの間の電磁結合によって実現することができる。
【0022】
直進駆動エレメントが直進従動エレメントに連結可能であると共に回転駆動エレメントが回転従動エレメントに連結可能であるように、殺菌ロックが連結ユニットと駆動エレメントにアクセスを提供する殺菌ユニットとに接続される場合に有利である。駆動エレメントと従動エレメントとの間の連結は、特に、ポジティブ接続又は非ポジティブ接続のような直接係合によって実現される。
【0023】
更に、殺菌ユニットは、殺菌ユニットが殺菌ロックに接続される前に、好ましくは、殺菌ユニットが殺菌ロックから分離された後も、殺菌方法において従動エレメントを保護する殺菌カバーを含む場合に有利である。殺菌ロックが連結ユニットと殺菌ユニットとに接続される時に、殺菌ロックは従動エレメントにアクセスを提供する。よって、手術器具を含む殺菌ユニットがマニプレータアームの連結ユニットとの間で容易に接続可能であり、再び分離可能であるため、手術エレメントとマニプレータアームの夫々の容易な取り扱いが行え、殺菌ユニットが殺菌ロックに接続されない時と連結ユニットに連結されない時の夫々で、従動エレメントが殺菌方法において保護されることが保証される。よって、汚染される殺菌領域を伴わずに、無殺菌の駆動エレメントを含む従動エレメントの接触後にでさえ殺菌領域に器具ユニットを配置することができるように、殺菌領域の器具ユニットの安全な取り扱いが行える。
【0024】
更に、殺菌ロックが、殺菌ユニットが殺菌ロックに接続される前に、好ましくは、殺菌ユニットが殺菌ロックから分離された後も、殺菌方法において駆動エレメントを保護する殺菌カバーを含む場合に有利である。殺菌ロックが連結ユニットと殺菌ユニットとに接続される時に、殺菌ロックは駆動エレメントにアクセスを提供する。従って、通常は、器具ユニットの殺菌ユニットが殺菌ロックに接続されない時は常に、特に、器具ユニットの殺菌ユニットが殺菌ロックから再び分離された後に、殺菌ロックによって殺菌領域から連結ユニットの無殺菌の駆動エレメントが保護されることは保証される。殺菌ロックが連結ユニットと殺菌ユニットとに接続される時に、殺菌ロックは駆動エレメントにアクセスを提供する。よって、無殺菌の連結ユニットの安全な保護、特に、無殺菌の駆動エレメントの殺菌領域からの保護が達成される。殺菌ロックに殺菌ユニットを連結する時に、好ましくは、駆動エレメントを従動エレメントとの直接接触、特に、相互の直接的な係合に至らせるように、殺菌方法において保護された殺菌ロックのアクセス開口は保護されない。
【0025】
殺菌方法において駆動エレメントを保護するための殺菌ロックの殺菌カバー及び/又は殺菌方法において従動エレメントを保護するための殺菌ユニットの殺菌カバーは、ジャロジ、ローラブラインド、開口及び/又はフラップに提供される回転可能なディスクであり得る。よって、駆動エレメント又は従動エレメントに対する少なくとも1つのアクセス開口の簡単で安全な閉塞と開放とを容易に行える。
【0026】
特に、直進駆動エレメントが第1の直進駆動エレメントであり、回転駆動エレメントが第1の回転駆動エレメントであり、直進従動エレメントが第1の直進従動エレメントであり、回転従動エレメントが第1の回転従動エレメントである場合に有利である。連結ユニットは、直進駆動移動を生成するための第2の直進駆動エレメントと回転駆動移動を生成するための第2の回転駆動エレメントを含む。殺菌ユニットは、第2の直進駆動エレメントに連結可能な第2の直進従動エレメントと、第2の回転駆動エレメントに連結可能な第2の回転従動エレメントと、を有する。連結ユニットに接続される殺菌ロックは、殺菌ユニットが殺菌ロックに接続される前に、好ましくは、殺菌ユニットが殺菌ロックから分離された後も、殺菌方法において第1の直進駆動エレメントと第2の直進駆動エレメントと第1の回転駆動エレメントと第2の回転駆動エレメントとを保護する。
【0027】
通常、全ての駆動エレメントの駆動移動は、相互に独立し、特に、機械的に連結されない。駆動エレメントの全ての駆動移動は、制御ユニットによって制御され、好ましくは、電子的に監視される。
【0028】
更に、第1の直進従動エレメント及び/又は第2の直進従動エレメントが弾性変形可能エレメントの復元力によって初期位置に移動可能であり、この復元力が殺菌ロックからの殺菌ユニットの分離後にその初期位置に各直進従動エレメントを移動させる場合に有利である。よって、殺菌ユニットが殺菌ロックに接続されるか、又は再び接続される時、及び駆動エレメントが従動エレメントに連結される時に、直進従動エレメントの位置決定を容易に行える。ここで、復元力は少なくとも非常に大きいため、器具に作用する力がいくらも復元を遅らせるか又は妨げることがない時に、直進駆動エレメントによってもたらされた手術器具の移動を初期位置に復元する。
【0029】
更に、連結ユニットが第1の回転従動エレメント及び/又は第2の回転従動エレメントの少なくとも1つの回転角度位置を検出するための少なくとも1つの位置センサを有する場合に有利である。好ましくは、機器は、第1の回転従動エレメントの少なくとも1つの回転角度位置を検出するための第1の位置センサと、第2の回転従動エレメントの少なくとも1つの回転角度位置を検出するための第2の位置センサと、を含む。初期化の場合は、第1の位置センサが回転従動エレメントの定義された角度位置を検出するまで、第1の回転駆動エレメントによって第1の回転従動エレメントが回転される。特に、回転従動エレメントは、角度位置に第1の位置センサによって検知可能な凸部又は凹部を含み、凸部又は凹部は、位置センサの向かいに配置される時に位置センサによって検出される。よって、回転従動エレメントの角度位置をそれに基づいて検出することができ、回転従動エレメントの角度位置が如何なる時も既知であると共に更なる制御に考慮されるように、回転従動エレメントの更なる駆動を制御ユニットによって監視することができる。
【0030】
同様な方法では、その回転角度位置が如何なる時も既知であると共に更なる制御に考慮にされるように、制御ユニットによって第2の回転従動エレメントの駆動が監視されるように、第2の回転従動エレメントの定義された回転角度位置を第2の位置センサによって検出することができる。
【0031】
更に、殺菌ユニットが殺菌ロックから分離された後に連結ユニットが初期位置に直進駆動エレメントを移動させる場合に有利である。よって、その初期位置に配置された直進駆動エレメントは、連結ユニットに接続される殺菌ロックに殺菌ユニットを接続する時にその初期位置に配置された直進従動エレメントと自動的に直接に固定され得る。
【0032】
直進駆動エレメントは、例えば、枝が直進従動エレメントの周溝と係合する二又によって形成することができる。直進従動エレメントが器具シャフトのような回転力伝達のための器具ユニットのエレメントと共に二又で回転可能なように、この溝は、好ましくは、周溝である。
【0033】
特に、殺菌ユニットが殺菌ロックから分離された後に連結ユニットが第1の直進駆動エレメントをその初期位置に移動させる場合に有利である。その初期位置に配置された第1の直進駆動エレメントは、連結ユニットに接続される殺菌ロックに殺菌ユニットを接続する時にその初期位置に配置された第1の直進従動エレメントと自動的に直接に係合され得る。
【0034】
更に、殺菌ユニットが殺菌ロックから分離された後に連結ユニットが第2の直進駆動エレメントをその初期位置に移動させる場合に有利である。その初期位置に配置された第2の直進駆動エレメントは、連結ユニットに接続される殺菌ロックに殺菌ユニットを接続する時にその初期位置に配置された第2の直進従動エレメントと自動的に直接に係合され得る。
【0035】
従って、特に、第1の直進従動エレメント及び/又は第2の直進従動エレメントが殺菌ロックからの殺菌ユニットの分離後に弾性変形可能エレメントによってその初期位置に移動される場合、及び第1の直進駆動エレメント及び/又は第2の直進駆動エレメントが殺菌ロックからの殺菌ユニットの分離後に駆動エレメントによってその初期位置に移動される場合に有利である。このように、殺菌ロックと殺菌ユニットの再接続が保証され、それによってもたらされる従動エレメントと駆動エレメントの連結を問題を伴わずに行える。
【0036】
更に、従動エレメントが手術器具の縦軸に沿って連続的に配置される場合、及び従動エレメントが好ましくは手術器具の近接端部から第1の回転従動エレメント、第1の直進従動エレメント、第2の回転従動エレメント、第2の直進従動エレメントの順に配置される場合に有利である。任意に、この順番では、電気接点及び/又は光インタフェースを続いて縦軸に沿って配置することができる。殺菌ロックと連結ユニットだけでなく殺菌ユニットと殺菌ロックとの接続状態では、従動エレメントと相補的な駆動エレメント、電気接点と相補的な電気接点、及び光インタフェースと相補的な光インタフェースが反対側に配置される。よって、殺菌ユニットと連結ユニットの両方のコンパクトで費用効率の高い構造が可能となる。
【0037】
更に、第1の回転従動エレメントがその回転のための外部器具シャフトに回転可能に固定される方法で接続される場合に有利である。よって、外部器具シャフトの回転は、その縦軸に関して第1の回転駆動エレメントによって第1の回転従動エレメントを通じて容易に行える。
【0038】
更に、第1の直進従動エレメントは、外部器具シャフトの縦軸の方向において縦に移動可能なように外部器具シャフトに配置される第1の内部器具シャフトに接続することができ、第1の内部器具シャフトが移動される時に、器具先端が好ましくは手術器具の縦軸に垂直である回転軸に関して旋回可能である。よって、特に、直進従動エレメントが第1の直進駆動ユニットによって駆動される時に、手術器具の近接端部に配置される器具先端を曲げることができる。
【0039】
更に、第2の回転従動エレメントは、第1の内部器具シャフトに回転可能に固定される方法で配置される第2の内部器具シャフトに接続することができ、第2の内部器具シャフトの回転によって外部器具シャフトと無関係にエンドエフェクタの回転がもたらされる。第2の内部器具シャフトの代わりに、又は第2の内部器具シャフトの内部に、特に、伸縮自在に変形可能であり、例えば、ワイヤケーブルとして設計されるロータリとプッシュロッドとを提供することができる。
【0040】
第2の直進従動エレメントは、エンドエフェクタの動作のために第1の内部器具シャフトに対して縦に移動可能に配置される第2の内部器具シャフトに接続され得る。よって、特に、器具先端のエンドエフェクタの動作は、容易に達成され得る。
【0041】
エンドエフェクタがそれに関して旋回可能である回転軸は、好ましくは、内部器具シャフトと外部器具シャフトの縦軸に垂直である。好ましくは、内部器具シャフトと外部器具シャフトは、相互に回転可能に固定される。更に、外部器具シャフトと内部器具シャフトは、同一の縦軸を有し、即ち、同軸である。
【0042】
更に、殺菌ユニットが第2の内部器具シャフトと同軸であると共に導電性の方法でそれに接続される少なくとも1つの第1のスリップリングを有する場合に有利である。このように、電気エネルギは、スリップリングを通じて連結ユニットから提供するべきエンドエフェクタ、例えば、電気エネルギによる高周波の手術のための単極の手術器具に送信することができる。
【0043】
特に、殺菌ユニットが第1の内部器具シャフトに同軸であると共に電気的にそれに接続される第2のスリップリングを有し、第2の内部器具シャフトと第1の内部器具シャフトとが電気的に絶縁された方法で配置される場合に有利である。好ましくは、第1の内部器具シャフトと外部器具シャフトとが電気的に絶縁された方法で相互に配置される。よって、二極の手術器具のための電気エネルギの伝達は、安全に電気エネルギを提供することができる。
【0044】
特に、手術器具が第2の内部器具シャフトによって相互に対して移動可能な2つのアームを含むエンドエフェクタを有する場合、及びアームが電気的に絶縁された方法で相互に配置される場合に有利である。各アームは、導電性の方法で電気ケーブルに接続され、そのケーブルは、第2の内部器具シャフト又は第2の内部器具シャフトに配置される第3の器具シャフトにガイドされる。ケーブルは、好ましくは、殺菌ユニットとエンドエフェクタとの間で電気エネルギを伝達するための絶縁線である。よって、殺菌ユニットから器具先端又はエンドエフェクタまでの高周波の電気エネルギの容易で安全な伝達が容易に行える。更に、エンドエフェクタの第1のアームは、相互にアームの相対運動の生成のために積極的に移動させることができ、エンドエフェクタの第2のアームは、固定することができる。アームは、好ましくは、把持アーム、挟持アームであり、夫々が切断ブレード及び/又は挟持領域を含むことができる。
【0045】
更に、殺菌ユニットが殺菌ロックに連結可能な殺菌ユニットのハウジングに対して外部器具シャフトを回転自在にマウントするための第1の軸受を有する場合、及び殺菌ユニットが殺菌ユニットのハウジングに対してロータリとプッシュロッドとを回転自在にマウントするための少なくとも第2の軸受を有する場合に有利である。よって、器具シャフトのエレメントと従動エレメントの容易で安全なマウントが容易に行える。
【0046】
更に、連結ユニットに配置される少なくとも1つの電気駆動ユニットの供給のために、連結ユニットが電源供給ラインを通じて、好ましくは少なくとも1つのプラグコネクタを通じて、制御ユニットの制御回路及び/又は電源供給ユニットに接続される場合に有利である。好ましくは、4つの電気駆動ユニットは、連結ユニットに配置され、夫々が第1の回転駆動エレメント、第2の回転駆動エレメント、第1の直進駆動エレメント、及び/又は第2の直進駆動エレメントのような駆動エレメントを駆動する。
【0047】
更に、制御ユニットは、少なくとも1つの制御及び/又は信号ユニットを通じて、好ましくは、制御ユニットを連結するためのプラグコネクタを通じて、連結ユニットに連結され得る。更に、連結ユニットは、高周波の手術のために高周波の電気エネルギを供給するための少なくとも1つの電源供給ラインに接続され得る。高周波の電気エネルギは、好ましくは、連結ユニットのスリップリング接点を通じて殺菌ユニットのスリップリングに伝達される。このように、高周波の手術のための手術器具の容易な使用が行え、高周波の手術のための手術器具の電力供給は、連結ユニットに殺菌ユニットを連結することによって個別の接続を伴わずに簡単に達成される。
【0048】
更に、殺菌ユニットと連結ユニットは、照明のための及び/又は殺菌ユニットと連結ユニットとの間のイメージ伝達のための光チャネルを提供するため、測定の光学的伝達及び/又は電気的伝達及び/又は制御信号及び/又は画像情報のための伝達手段を有することができる。
【0049】
本発明では、特に、殺菌ロックに殺菌ユニットを接続する場合は、先に殺菌方法において保護された駆動エレメントが従動エレメントとの連結のために保護されない。殺菌ロックから殺菌ユニットを分離する時に、少なくとも第1の伝達手段が殺菌方法において再び保護される。好ましくは、殺菌ロックは、殺菌ユニットを殺菌ロックに接続する時、及び殺菌ユニットを殺菌ロックから分離する時の夫々で連結ユニットに既に接続される。好ましくは、殺菌ロックは、外科手術の全期間に亘り連結ユニットに連結され続け、殺菌ユニットを含む器具ユニットは、複数回に亘りマニプレータアームの連結ユニットから分離されると共に再び接続され得るか、又は更なる殺菌ユニットを含む他の器具ユニットと置き換えられ得る。
【0050】
特に、本発明によって、更なる伝達手段の相互連結を伴わずに、特に、更なる機械的伝達手段は相互接続を伴わずに従動ユニットと駆動ユニットの安全な連結だけでなく、無殺菌のマニプレータアームと無殺菌の連結ユニットの両方を安全に殺菌保護するように、機械的及び/又は電気的伝達手段を伴わない殺菌ロックを提供することが可能となる。特に、殺菌カバーは、殺菌フォイルのような殺菌可撓性材料と少なくとも1つの殺菌ロックとを含む。
【0051】
殺菌ユニットが閉状態において殺菌方法で第2の伝達手段を保護する少なくとも1つの殺菌フラップを有する場合に有利である。開状態においてロックフラップと殺菌フラップとによって保護されない開口を通じて、第1の伝達手段と第2の伝達手段との間の直接伝達が行えるように、殺菌ロックに殺菌ユニットを接続する度に、ロックフラップと殺菌フラップの閉状態から開状態への移動が行われる。ロックフラップが分離後に第1の伝達手段を保護すると共に殺菌フラップが分離後に殺菌領域から第2の伝達手段を保護するように、殺菌ロックから殺菌ユニットを分離する度に、ロックフラップと殺菌フラップの開状態から閉状態への移動が行われる。
【0052】
明細書の導入部に定義によれば、殺菌ユニットは、カテゴリ1,2の道具であり、殺菌される。
【0053】
更に、連結ユニットが殺菌ロックの第1の接続領域に接続可能である場合、及び殺菌ユニットが殺菌ロックの第2の接続領域に接続可能である場合に有利である。第1の接続領域と第2の接続領域は、好ましくは、相互に対向する殺菌ロック側に配置される。よって、手術前と手術中と手術後とに、容易な連結と殺菌カバーと殺菌ユニットの両方の容易な取り扱いが行える。更に、特に、第2の接続領域が第2の接続領域との接続の際に殺菌ユニットが少なくとも一部に受け入れ可能である受け入れ領域として設計される場合に有利である。よって、殺菌ユニットと殺菌ロックとの間の容易で安全な接続を確立することができる。特に、殺菌ユニットは、少なくとも一部が受け入れ領域に押され、そこでロックされ得る。
【0054】
更に、殺菌ロックが可撓性カバーを接続可能な第3の接続領域を有し、第3の接続領域が好ましくは殺菌ロックの周囲、特に周面、好ましくは第1の接続領域と第2の接続領域との間に配置される場合に有利である。殺菌ロックによって、殺菌ユニットに連結ユニットを連結するための殺菌領域と無殺菌領域の容易な接続は、殺菌ユニットの汚染を伴わずに確立され、殺菌ロックからの分離後に汚染が殺菌領域にもはや残存しない。
【0055】
好ましくは、連結ユニットは、マニプレータアームの近接端部に配置される。
【0056】
更に、殺菌ロックの第1の接続領域が第1の解放可能なスナップイン接続を通じて連結ユニットに接続可能であり、殺菌ロックの第2の接続領域が第2の解放可能なスナップイン接続を通じて殺菌ユニットに接続可能である場合に有利である。よって、殺菌ロックを含む殺菌カバーと殺菌ユニットの両方の容易な取り扱いが特に手術中に行えるように、殺菌ロックは、連結ユニットと殺菌ユニットの両方に安全に接続可能であり、これらから容易に分離可能である。
【0057】
特に、連結ユニットが殺菌ロックに正確に接続される殺菌ユニットの存在を検出する少なくとも1つの連結センサを含む場合に有利である。更に、機器は、殺菌ロックに正確に接続される殺菌ユニットが連結センサによって検出された時にのみ、第1の伝達手段と第2の伝達手段との間の伝達を可能にする殺菌ユニットを有する。更に有利な実施の形態では、連結センサは、殺菌ユニットに提供され、殺菌ロックに接続される時に、連結ユニットが接続される第1の接続領域に突出する検出エレメントによって検出し、殺菌ユニットは、第2の接続領域に正確に接続され、連結ユニットは、第1の接続領域に正確に接続される。好ましくは、連結センサが殺菌ユニットと第2の接続領域との間、及び連結ユニットと第1の接続領域との間の適切な接続を検出した時に、制御ユニットは、駆動エレメントによる従動エレメントの駆動を解除するか又は許可する。
【0058】
更に、殺菌ユニットが殺菌ロックに正確に接続されると想定することができるように、連結センサによって少なくとも殺菌ユニットが殺菌ロックに正確に接続されるか否かを容易に検出することができ、殺菌ロックを通じて、マニプレータアームの連結ユニットに正確に接続される。よって、駆動エレメントによる従動エレメントの安全な駆動が行える。
【0059】
好ましくは、手術器具は、患者の身体のオリフィスに挿入することができる、クランプ、1組の鋏、グラスパー、持針器、マイクロディセクタ、クランピング機器、スタップルアプライア、リンシング及び/又はアスピレーション機器、切断ブレード、焼灼プローブ、カテーテル、及び/又は吸込ノズル等の少なくとも1つのエンドエフェクタを含む。よって、手術器具は、一般の低侵襲手術、特に、腹腔鏡手術のために使用することができる異なるエンドエフェクタを自由に有する。しかしながら、他の手術器具を更に又は代わりに使用することができる。特に、手術器具は、内視鏡のような光学的な手術器具であっても良く、カメラ制御又はイメージデータ伝達のための光学的及び電気的伝達手段又は電気接点のようなインタフェース、特に、照明のための光ファイバ接続を更に有する。
【0060】
本発明の第2の態様は、ロボット支援手術、特に殺菌した手術器具による殺菌現場のテレロボット支援手順のための設備に関連する。この設備は、請求項1又は前述の発展に従った少なくとも1つの機器と、リアルタイムで手術器具のエンドエフェクタが好ましくはイメージシーケンスとして存在する手術現場の少なくとも1つのイメージを出力するディスプレイユニットと、少なくとも1つの入力コマンドの入力のための少なくとも1つの機器と、を含む。設備は、マニプレータアームを配置する制御ユニットと、少なくとも1つの駆動ユニットによって入力コマンドに依存してマニプレータアームの連結ユニットに殺菌ロックを通じて接続される殺菌ユニットと、を更に有する。よって、殺菌ユニットの配置のためのマニプレータアームの容易な制御及び/又は殺菌ユニットを動かすための動作が簡単に行える。好ましくは、入力装置は、作動エレメントを外科医等の利用者によって動かすことができるようにされ、入力装置は、作動エレメントの空間の位置の変化を検出し、検出された空間の位置の変化に対応する入力コマンドを生成する。入力コマンドに依存して制御ユニットは少なくとも1つの制御コマンドを生成し、制御コマンドによって手術器具の及び/又は殺菌ユニットの端の空間の位置の変化の同一又はスケールが殺菌ユニットが配置される遠位端にもたらされ、及び/又は制御コマンドによって手術器具の動作又はスケールされた動作が殺菌ユニットが配置される遠位端にもたらされる。よって、手術室内又は手術室外の患者から離れた操作者によって手術器具の容易な位置調整及び/又は動作を容易に行える。リアルタイムのイメージの出力時に、イメージ処理中に生じる遅延を越える遅延を伴わずに、イメージの出力が即時に好ましくはビデオシーケンスとして画像検出ユニットによって検出される。
【0061】
更に、設備が請求項1又は前述の発展に記載のロボット支援手術のための幾つかの機器を有する場合に有利である。入力機器は、好ましくは、利用者によって動かすことができる少なくとも2つの作動エレメントを有し、入力機器は、各作動エレメントの空間の位置の変化を検出し、都度、検出された空間の位置の変化に対応する入力コマンドを生成する。各入力コマンドに依存して、制御ユニットは少なくとも1つの制御コマンドを夫々生成し、それによって手術器具の少なくとも1つの端の空間の位置の変化の同一又は拡大/縮小が、殺菌ユニットが配置され、動作の時点で各作動エレメントに割り当てられたロボット支援手術のための機器の遠位端でもたらされ、及び/又はそれによってこの手術器具の動作又はスケールされた動作がもたらされる。よって、手術現場に同時に存在する又は腹腔鏡手術の場合は患者の腹腔に同時に存在する幾つかの器具により手術を実行することができる。
【0062】
殺菌ロックは、2つロックフラップを有し、殺菌ユニットは、2つの殺菌フラップを有する。
【0063】
全ての説明された実施の形態では、殺菌ロックは、マニプレータアームと殺菌ユニットとの間の電気エネルギ、電気信号又は光信号、及び/又は機械的エネルギの伝達のための機能の一連の一部を形成しない。もっと正確に言えば、殺菌ロックは、固定部分と少なくともロックフラップを含むロックフラップシステムとを含むことができ、この1つと全ての連結ユニットが殺菌ロックを含む殺菌カバーをマウントした後の周囲の殺菌に関する殺菌方法において保護されるように、連結ユニットの無殺菌駆動エレメントを保護する。ロックフラップシステムの開口メカニズムは、好ましくは、不注意な動作によって外部から開くことができない構造に設計される。更に、従動エレメントは、殺菌ユニットの殺菌ハウジングによって、特に、殺菌方法において殺菌ユニットの少なくとも1つの殺菌フラップによって保護され得る。
【0064】
駆動エレメントと従動エレメントは、好ましくは、腹腔鏡の手術器具が以下の合計4つの自由度で移動することができるように設計される。
1.器具シャフトの回転
2.器具シャフトと無関係の器具先端の回転
3.器具シャフトに関する器具先端の曲げ
4.特に、相互に移動可能に配置される2つのエレメントの相対運動を生成するための手術器具の器具先端又は鋏の刃の掴み動作等の動作
【0065】
殺菌ロックに接続中に、殺菌ユニットの殺菌ハウジングは、好ましくは、第2の接続領域の受け入れ領域に押され、不注意の取り外しに対抗する殺菌ロックの機械的デテントによって固定される。よって、機械的デテントは、殺菌ロックと殺菌ユニットとの間のスナップイン接続を生成する。殺菌ロックから殺菌ユニットを分離するために、殺菌ユニットが第2の接続領域から分離される、好ましくは、第2の接続領域の受け入れ領域から移転させることができるように、ロック解除ボタンが手動で動かされる。
【0066】
一般に、患者に面する任意のエレメントの端は、近位のものとして考慮される。一般に、患者から離れるエレメントの端は、遠位のものとして考慮される。
【0067】
更なる特徴と利点は、添付された図面に関連する実施の形態に基づいて本発明に関してより詳細に説明する以下の明細書からもたらされる。