(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
各々が、物体側に向いた物体側の面および像側に向いた像側の面を有するとともに屈折力を有する、第1のレンズ素子と、第2のレンズ素子と、第3のレンズ素子と、第4のレンズ素子と、第5のレンズ素子と、第6のレンズ素子とを、光軸に沿って物体側から像側にかけて当該順序に配置して備え、当該第1乃至第6のレンズ素子のみが屈折力に寄与する撮像レンズであって、
前記第2のレンズ素子は、負の屈折力を有し、前記光軸の近傍に凸部をなすとともに周縁部近傍に凹部をなす前記物体側の面を有し、
前記第3のレンズ素子は、前記光軸の近傍に凸部をなすとともに周縁部近傍に凹部をなす前記像側の面を有し、
前記第4のレンズ素子は、前記光軸の近傍に凹部をなす前記物体側の面を有し、
前記第5のレンズ素子は、前記光軸の近傍に凸部をなす前記物体側の面を有し、
前記第6のレンズ素子は、非球面係数を有するとともに、前記光軸の近傍に凹部をなす前記像側の面を有し、
前記第1のレンズ素子、前記第2のレンズ素子、前記第3のレンズ素子、前記第4のレンズ素子、前記第5のレンズ素子、前記第6のレンズ素子の前記光軸に沿ったそれぞれの厚さの総和を示すALTと、前記第2のレンズ素子と前記第3のレンズ素子との間の前記光軸に沿った空隙長を示すG23とは、
ALT/G23≦21.00
を満たしていることを特徴とする撮像レンズ。
前記第5のレンズ素子の前記光軸に沿った厚さを示すT5と、前記第1のレンズ素子、前記第2のレンズ素子、前記第3のレンズ素子、前記第4のレンズ素子、前記第5のレンズ素子、前記第6のレンズ素子における隣り合うレンズ素子どうしの前記光軸に沿った5つの空隙長の総和を示すGaaとは、
Gaa/T5≦2.45
を満たしていることを特徴とする請求項1に記載の撮像レンズ。
前記第1のレンズ素子の前記物体側の面と、前記第6のレンズ素子の前記像側の面のさらに像側に配置された像面との間の前記光軸に沿った距離を示すTTLと、前記第4のレンズ素子と前記第5のレンズ素子との間の前記光軸に沿った空隙長を示すG45とは、
TTL/G45≧110.00
を満たしていることを特徴とする請求項1に記載の撮像レンズ。
前記第3のレンズ素子の前記光軸に沿った厚さを示すT3と、前記第1のレンズ素子、前記第2のレンズ素子、前記第3のレンズ素子、前記第4のレンズ素子、前記第5のレンズ素子、前記第6のレンズ素子における隣り合うレンズ素子どうしの前記光軸に沿った5つの空隙長の総和を示すGaaとは、
Gaa/T3≦2.33
を満たしていることを特徴とする請求項1に記載の撮像レンズ。
前記第1のレンズ素子の前記物体側の面と、前記第6のレンズ素子の前記像側の面のさらに像側に配置された像面との間の前記光軸に沿った距離を示すTTLと、前記第1のレンズ素子と前記第2のレンズ素子との間の前記光軸に沿った空隙長を示すG12とは、
TTL/G12≦77.43
を満たしていることを特徴とする請求項7に記載の撮像レンズ。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】レンズ素子の表面形状および構造を示す模式図である。
【
図2】レンズ素子の凹部および凸部ならびに焦点を示す模式図である。
【
図3】第1の例示的なレンズ素子の表面形状および構造を示す模式図である。
【
図4】第2の例示的なレンズ素子の表面形状および構造を示す模式図である。
【
図5】第3の例示的なレンズ素子の表面形状および構造を示す模式図である。
【
図6】本開示に係る撮像レンズの第1の実施形態を示す模式図である。
【
図7】第1の実施形態の撮像レンズに対応するいくつかの光学データの値を示している。
【
図8】第1の実施形態の撮像レンズに対応するいくつかの非球面係数の値を示している。
【
図9】(A)〜(D)は、第1の実施形態の撮像レンズの様々な光学特性を示している。
【
図10】本開示に係る撮像レンズの第2の実施形態を示す模式図である。
【
図11】第2の実施形態の撮像レンズに対応するいくつかの光学データの値を示している。
【
図12】第2の実施形態の撮像レンズに対応するいくつかの非球面係数の値を示している。
【
図13】(A)〜(D)は、第2の実施形態の撮像レンズの様々な光学特性を示している。
【
図14】本開示に係る撮像レンズの第3の実施形態を示す模式図である。
【
図15】第3の実施形態の撮像レンズに対応するいくつかの光学データの値を示している。
【
図16】第3の実施形態の撮像レンズに対応するいくつかの非球面係数の値を示している。
【
図17】(A)〜(D)は、第3の実施形態の撮像レンズの様々な光学特性を示している。
【
図18】本開示に係る撮像レンズの第4の実施形態を示す模式図である。
【
図19】第4の実施形態の撮像レンズに対応するいくつかの光学データの値を示している。
【
図20】第4の実施形態の撮像レンズに対応するいくつかの非球面係数の値を示している。
【
図21】(A)〜(D)は、第4の実施形態の撮像レンズの様々な光学特性を示している。
【
図22】本開示に係る撮像レンズの第5の実施形態を示す模式図である。
【
図23】第5の実施形態の撮像レンズに対応するいくつかの光学データの値を示している。
【
図24】第5の実施形態の撮像レンズに対応するいくつかの非球面係数の値を示している。
【
図25】(A)〜(D)は、第5の実施形態の撮像レンズの様々な光学特性を示している。
【
図26】本開示に係る撮像レンズの第6の実施形態を示す模式図である。
【
図27】第6の実施形態の撮像レンズに対応するいくつかの光学データの値を示している。
【
図28】第6の実施形態の撮像レンズに対応するいくつかの非球面係数の値を示している。
【
図29】(A)〜(D)は、第6の実施形態の撮像レンズの様々な光学特性を示している。
【
図30】本開示に係る撮像レンズの第7の実施形態を示す模式図である。
【
図31】第7の実施形態の撮像レンズに対応するいくつかの光学データの値を示している。
【
図32】第7の実施形態の撮像レンズに対応するいくつかの非球面係数の値を示している。
【
図33】(A)〜(D)は、第7の実施形態の撮像レンズの様々な光学特性を示している。
【
図34】本開示に係る撮像レンズの第8の実施形態を示す模式図である。
【
図35】第8の実施形態の撮像レンズに対応するいくつかの光学データの値を示している。
【
図36】第8の実施形態の撮像レンズに対応するいくつかの非球面係数の値を示している。
【
図37】(A)〜(D)は、第8の実施形態の撮像レンズの様々な光学特性を示している。
【
図38】本開示に係る撮像レンズの第9の実施形態を示す模式図である。
【
図39】第9の実施形態の撮像レンズに対応するいくつかの光学データの値を示している。
【
図40】第9の実施形態の撮像レンズに対応するいくつかの非球面係数の値を示している。
【
図41】(A)〜(D)は、第9の実施形態の撮像レンズの様々な光学特性を示している。
【
図42】本開示に係る撮像レンズの第10の実施形態を示す模式図である。
【
図43】第10の実施形態の撮像レンズに対応するいくつかの光学データの値を示している。
【
図44】第10の実施形態の撮像レンズに対応するいくつかの非球面係数の値を示している。
【
図45】(A)〜(D)は、第10の実施形態の撮像レンズの様々な光学特性を示している。
【
図46】第1〜第10の実施形態の撮像レンズに対応するいくつかのレンズパラメータ間の関係の値を示す表である。
【
図47】本開示の撮像レンズの第1の適用例を示す部分断面模式図である。
【
図48】本開示の撮像レンズの第2の適用例を示す部分断面模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本開示をさらに詳細に記載するに当たり、留意されるべきことは、類似の要素は、本開示全体を通して同一の参照符号で示しているということである。
【0019】
本明細書において、「レンズ素子が、正の屈折力(または負の屈折力)を有する」という表現は、ガウス光学におけるレンズ素子の近軸屈折力が正(または負)であることを意味する。「レンズ素子の物体側(または像側)の面」という表現には、レンズ素子の当該面のうち、撮像光が通過可能な特定の領域、すなわちその面のクリアアパーチャのみが含まれる。上記の撮像光は、主光線(Lc)と周辺光線(Lm)という2つのタイプに分けることができる。
図1に示すレンズ素子を例にとると、レンズ素子は、光軸(I)を対称軸として回転対称である。
レンズ素子の領域(A)は「光軸(I)近傍の部分」と定義され、レンズ素子の領域(C)は「レンズ素子の周縁部近傍の部分」と定義される。また、レンズ素子は、さらに、領域(C)から径方向外側に広がる拡張部(E)、すなわちレンズ素子のクリアアパーチャの外側の部分を有し得る。拡張部(E)は、通常、光学撮像レンズ系にレンズ素子を物理的に組み付けるために使用される。正常な状況では、撮像光は、拡張部(E)を通過せず、クリアアパーチャのみを通過する。上記拡張部(E)の構造および形状は、単なる技術的説明のための例にすぎず、レンズ素子の構造および形状は、これらの例に限定されない。なお、以下の実施形態で示されるレンズ素子面は、拡張部が一部省略されていることに留意すべきである。
【0020】
本明細書で記載されるレンズ素子面の形状および部分を特定するために、以下の基準が与えられる。これらの基準は、主として、光軸(I)近傍の部分、レンズ素子面の周縁部近傍の部分、さらには多様な部分を有するもののような他のタイプのレンズ素子面など、種々の状況下で、部分の境界を定めるものである。
【0021】
1.
図1は、レンズ素子の径方向断面図である。上記のような部分の境界を定めるに当たり、まず2つの基準点である中心点と遷移点を定義すべきである。レンズ素子面の中心点は、その面と光軸(I)との交点である。遷移点は、その点の接線が光軸(I)に対して垂直であるレンズ素子面上の点である。また、1つの面に複数の遷移点が認められる場合には、それらの遷移点は、その面の径方向に沿って順に、第1の遷移点から始まる番号で名前が付けられる。例えば、それらの遷移点は、第1の遷移点(光軸(I)に最も近いもの)、第2の遷移点、...そして第Nの遷移点(その面のクリアアパーチャの範囲内で光軸(I)から最も遠いもの)、であり得る。
レンズ素子面の中心点と第1の遷移点との間の部分は、光軸(I)近傍の部分と定義される。第Nの遷移点の径方向外側に位置する(それでもクリアアパーチャの範囲内にある)部分は、レンズ素子の周縁部近傍の部分と定義される。いくつかの実施形態で、光軸(I)近傍の部分とレンズ素子の周縁部近傍の部分との間に他の部分が存在し、それらの部分の数は、遷移点の数に依存する。また、面のクリアアパーチャ径(すなわち、いわゆる有効半径)は、光軸(I)から周辺光線(Lm)とレンズ素子面との交点までの径方向距離と定義される。
【0022】
2.
図2を参照する。ある部分の形状が凸状であるか凹状であるかの判断は、当該部分を通過するコリメート光線が収束するか発散するかによる。すなわち、形状が特定されるべき部分にコリメート光線を当てたときに、その部分を通過したコリメート光線が曲がって、その光線自体またはその延長線が最終的に光軸(I)と交わることになる。当該部分の形状は、光線またはその延長線が光軸(I)に交わる(焦点を横切る)のは物体側であるか像側であるかによって決めることができる。例えば、ある部分を通過した後の光線自体がレンズ素子の像側で光軸(I)に交差する場合、すなわち、その光線の焦点が像側にある(
図2の点Rを参照)場合、当該部分は凸形状を有するものと判断される。これに対し、ある部分を通過した後の光線が発散し、その光線の延長線がレンズ素子の物体側で光軸(I)に交差する場合、すなわち、その光線の焦点が物体側にある(
図2の点(M)を参照)場合、当該部分は凹形状を有するものと判断される。従って、
図2を参照すると、中心点と第1の遷移点との間の部分は凸形状を有し、第1の遷移点の径方向外側に位置する部分は凹形状を有し、第1の遷移点は、凸形状を有する部分が凹形状を有する部分に変化する点、すなわち2つの隣接する部分の境界である。
あるいは、レンズ面の(近軸)曲率半径である「R」値の符号を参照して、光軸近傍の部分が凸形状であるか凹形状であるかを当業者が見分ける別の一般的な方法がある。R値は、ZemaxおよびCodeV(登録商標)のような一般的な光学設計ソフトウェアで共通して使用されている。R値は、通常、ソフトウェアでレンズデータシートに呈示される。物体側の面については、正のRは、物体側の面が凸状であることを意味し、負のRは、物体側の面が凹状であることを意味する。逆に、像側の面については、正のRは、像側の面が凹状であることを意味し、負のRは、像側の面が凸状であることを意味する。この方法を用いて判明した結果は、コリメート光線の焦点が物体側にあるか像側にあるかを参照することにより表面形状を特定する上述の他の方法を用いることによる結果と、一致するはずである。
【0023】
3.遷移点がないケースでは、光軸近傍の部分は、その面の有効半径(クリアアパーチャ径)の0〜50%の間の部分と定義される一方、レンズ素子の周縁部近傍の部分は、その面の有効半径(クリアアパーチャ径)の50〜100%の間の部分と定義される。
【0024】
図3に示す第1の例を参照する。レンズ素子の像側の面のクリアアパーチャ内に、1つのみの遷移点、すなわち第1の遷移点が認められる。部分(i)は光軸近傍の部分であり、部分(ii)はレンズ素子の周縁部近傍の部分である。光軸(I)近傍の部分は、レンズ素子の像側の面のR値が正であることから、凹面を有するものと判断される。レンズ素子の周縁部近傍の部分の形状は、径方向内側に隣接する部分の形状とは異なり、すなわち、レンズ素子の周縁部近傍の部分の形状は、光軸(I)近傍の部分の形状とは異なり、レンズ素子の周縁部近傍の部分は凸形状を有する。
【0025】
図4に示す第2の例を参照する。レンズ素子の物体側の面(クリアアパーチャ内)に、第1の遷移点および第2の遷移点が存在する。第2の例では、部分(i)は光軸(I)近傍の部分であり、部分(iii)はレンズ素子の周縁部近傍の部分である。光軸(I)近傍の部分は、レンズ素子の物体側の面のR値が正であることから、凸形状を有する。レンズ素子の周縁部近傍の部分(部分iii)は、凸形状を有する。さらに、凹形状を有する他の部分が、第1と第2の遷移点の間(部分(ii))に存在する。
【0026】
図5に示す第3の例を参照する。レンズ素子の物体側の面に存在する遷移点はない。この場合、有効半径(クリアアパーチャ径)の0〜50%の間の部分が、光軸(I)近傍の部分と判断され、有効半径の50〜100%の間の部分が、レンズ素子の周縁部近傍の部分と判断される。レンズ素子の物体側の面の光軸(I)近傍の部分は、その正のR値から、凸形状を有するものと判断され、さらにレンズ素子の周縁部近傍の部分も、凸形状を有するものと判断される。
【0027】
図6を参照する。本開示に係る撮像レンズ10の第1の実施形態は、光軸(I)に沿って物体側から像側へ順に配置される、開口絞り2と、第1のレンズ素子3と、第2レンズ素子4と、第3のレンズ素子5と、第4のレンズ素子6と、第5のレンズ素子7と、第6のレンズ素子8と、光学フィルタ9と、を備える。光学フィルタ9は、赤外光を選択的に吸収するための赤外線カットフィルタであり、これによって、像面100に形成される像の欠陥を軽減する。
【0028】
第1、第2、第3、第4、第5、第6のレンズ素子3〜8、および光学フィルタ9のそれぞれは、物体側に向いた物体側の面31、41、51、61、71、81、91と、像側に向いた像側の面32、42、52、62、72、82、92と、を有する。撮像レンズ10に入射する光は、順に、開口絞り2、第1のレンズ素子3の物体側の面31と像側の面32、第2のレンズ素子4の物体側の面41と像側の面42、第3のレンズ素子5の物体側の面51と像側の面52、第4のレンズ素子6の物体側の面61と像側の面62、第5のレンズ素子7の物体側の面71と像側の面72、第6のレンズ素子8の物体側の面81と像側の面82、光学フィルタ9の物体側の面91と像側の面92を通って進み、像面100に像を形成する。
物体側の面31、41、51、61、71、81および像側の面32、42、52、62、72、82のそれぞれは、非球面であり、光軸(I)と一致する中心点を有する。
【0029】
レンズ素子3〜8のそれぞれは、屈折力を有し、そして本実施形態では、軽量とするためにプラスチック材料で構成されている。しかしながら、他の実施形態では、レンズ素子3〜8のうちの少なくとも1つを他の材料で構成できる。
【0030】
図6に示す第1の実施形態では、第1のレンズ素子3は、正の屈折力を有する。第1のレンズ素子3の物体側の面31は、光軸(I)近傍に凸部311を有するとともに、該第1のレンズ素子3の周縁部近傍に凸部312を有する凸面である。第1のレンズ素子3の像側の面32は、光軸(I)近傍に凸部321を有するとともに、該第1のレンズ素子3の周縁部近傍に凸部322を有する凸面である。
【0031】
第2のレンズ素子4は、負の屈折力を有する。第2のレンズ素子4の物体側の面41は、光軸(I)近傍に凸部411を有するとともに、該第2のレンズ素子4の周縁部近傍に凹部412を有する。第2のレンズ素子4の像側の面42は、光軸(I)近傍に凹部421を有するとともに、該第2のレンズ素子4の周縁部近傍に凸部422を有する。
【0032】
第3のレンズ素子5は、正の屈折力を有する。第3のレンズ素子5の物体側の面51は、光軸(I)近傍に凸部511を有するとともに、該第3のレンズ素子5の周縁部近傍に凸部512を有する凸面である。第3のレンズ素子5の像側の面52は、光軸(I)近傍に凸部521を有するとともに、該第3のレンズ素子5の周縁部近傍に凹部522を有する。
【0033】
第4のレンズ素子6は、負の屈折力を有する。第4のレンズ素子6の物体側の面61は、光軸(I)近傍に凹部611を有するとともに、該第4のレンズ素子6の周縁部近傍に凹部612を有する凹面である。第4のレンズ素子6の像側の面62は、光軸(I)近傍に凸部621を有するとともに、該第4のレンズ素子6の周縁部近傍に凹部622を有する。
【0034】
第5のレンズ素子7は、正の屈折力を有する。第5のレンズ素子7の物体側の面71は、光軸(I)近傍に凸部711を有するとともに、該第5のレンズ素子7の周縁部近傍に凹部712を有する。第5のレンズ素子7の像側の面72は、光軸(I)近傍に凹部721を有するとともに、該第5のレンズ素子7の周縁部近傍に凸部722を有する。
【0035】
第6のレンズ素子8は、負の屈折力を有するとともに、非球面係数を有する。第6のレンズ素子8は、非球面に設計されていることで、光軸(I)近傍の部分および該第6のレンズ素子8の周縁部近傍の部分を通過する光を効果的かつ適切に補正でき、これにより撮像品質を向上させる。第6のレンズ素子8の物体側の面81は、光軸(I)近傍に凸部811を有するとともに、該第6のレンズ素子8の周縁部近傍に凹部812を有する。第6のレンズ素子8の像側の面82は、光軸(I)近傍に凹部821を有するとともに、該第6のレンズ素子8の周縁部近傍に凸部822を有する。
【0036】
第1の実施形態では、撮像レンズ10は、上記のレンズ素子3〜8の他には、屈折力を有するレンズ素子を備えていない。
【0037】
第1の実施形態の面31〜91、32〜92に対応するいくつかの光学データの値を示す表を、
図7に示している。撮像レンズ10は、全系の有効焦点距離(EFL)が2.820mm、半視野(HFOV)が39.242°、Fナンバーが1.817、系の長さ(TTL)が3.801mmである。TTLは、第1のレンズ素子3の物体側の面31と像面100との間の光軸(I)における距離を指す。
【0038】
本実施形態では、物体側の面31〜81および像側の面32〜82のそれぞれは非球面であって、次の関係を満たしている。
ここで、
Rは、非球面の曲率半径を表す。
Zは、光軸(I)から距離Yにある非球面上の任意の点と、非球面の光軸(I)上の頂点における接平面と、の間の垂直距離として定義される非球面の深さを表す。
Yは、非球面上の任意の点と光軸(I)との間の垂直距離を表す。
Kは、円錐定数を表す。
a
2iは、2i次の非球面係数を表す。
【0039】
第1の実施形態に対応する上記の関係(1)のいくつかの非球面係数の値を示す表を、
図8に示している。物体側の面31〜81および像側の面32〜82の各々の非球面係数を、
図8において31〜81および32〜82の番号を付した行にそれぞれ示している。
【0040】
第1の実施形態に対応するレンズパラメータのいくつかの間の関係を、
図46の第1の実施形態に対応する列に示している。なお、いくつかの用語は次のように定義される。
T1は、光軸(I)における第1のレンズ素子3の厚さを表す。
T2は、光軸(I)における第2のレンズ素子4の厚さを表す。
T3は、光軸(I)における第3のレンズ素子5の厚さを表す。
T4は、光軸(I)における第4のレンズ素子6の厚さを表す。
T5は、光軸(I)における第5のレンズ素子7の厚さを表す。
T6は、光軸(I)における第6のレンズ素子8の厚さを表す。
G12は、第1のレンズ素子3と第2のレンズ素子4との間の光軸(I)における空隙長を表す。
G23は、第2のレンズ素子4と第3のレンズ素子5との間の光軸(I)における空隙長を表す。
G34は、第3のレンズ素子5と第4のレンズ素子6との間の光軸(I)における空隙長を表す。
G45は、第4のレンズ素子6と第5のレンズ素子7との間の光軸(I)における空隙長を表す。
G56は、第5のレンズ素子7と第6のレンズ素子8との間の光軸(I)における空隙長を表す。
Gaaは、第1のレンズ素子3、第2のレンズ素子4、第3のレンズ素子5、第4のレンズ素子6、第5のレンズ素子7、第6のレンズ素子8の間の光軸(I)における5つの空隙長の和、すなわち、G12、G23、G34、G45、G56の和を表す。
ALTは、光軸(I)におけるレンズ素子3〜8の厚さの和、すなわち、T1、T2、T3、T4、T5、T6の和を表す。
BFLは、第6のレンズ素子8の像側の面82と像面100との間の光軸(I)における距離を表す。
【0041】
さらに、いくつかの参照される用語は、本明細書では以下のように定義される。
G6Fは、第6のレンズ素子8と光学フィルタ9との間の光軸(I)における空隙長を表す。
TFは、光軸(I)における光学フィルタ9の厚さを表す。
GFIは、光学フィルタ9と像面100との間の光軸(I)における空隙長を表す。
f1は、第1のレンズ素子3の焦点距離を表す。
f2は、第2のレンズ素子4の焦点距離を表す。
f3は、第3のレンズ素子5の焦点距離を表す。
f4は、第4のレンズ素子6の焦点距離を表す。
f5は、第5のレンズ素子7の焦点距離を表す。
f6は、第6のレンズ素子8の焦点距離を表す。
n1は、第1のレンズ素子3の屈折率を表す。
n2は、第2のレンズ素子4の屈折率を表す。
n3は、第3のレンズ素子5の屈折率を表す。
n4は、第4のレンズ素子6の屈折率を表す。
n5は、第5のレンズ素子7の屈折率を表す。
n6は、第6のレンズ素子8の屈折率を表す。
ν1は、第1のレンズ素子3のアッベ数を表す。
ν2は、第2のレンズ素子4のアッベ数を表す。
ν3は、第3のレンズ素子5のアッベ数を表す。
ν4は、第4のレンズ素子6のアッベ数を表す。
ν5は、第5のレンズ素子7のアッベ数を表す。
ν6は、第6のレンズ素子8のアッベ数を表す。
【0042】
図9(A)〜9(D)は、第1の実施形態の縦球面収差、サジタル非点収差、タンジェンシャル非点収差、歪曲収差にそれぞれ対応するシミュレーション結果を示している。このシミュレーション結果の各々では、470nm、555nm、650nmの波長にそれぞれ対応する曲線を示している。
【0043】
図9(A)から分かるように、縦球面収差に対応する曲線の各々では、(縦軸で示す)各視野での焦点距離が±0.005mmの範囲内にあるので、第1の実施形態では、各波長で比較的低い球面収差を実現可能である。また、470nm、555nm、650nmの各波長の曲線が±0.002mmの範囲を超えないので、第1の実施形態では、色収差が比較的低い。
【0044】
図9(B)および9(C)から分かるように、これらの曲線の各々は、±0.2mmの焦点距離の範囲内にあるので、第1の実施形態では、光学収差が比較的低い。
【0045】
さらに、
図9(D)に示すように、歪曲収差に対応する曲線の各々は、±1%の範囲内にあるので、第1の実施形態は、多くの光学系の撮像品質要求を満たすことが可能である。
【0046】
上記のことから、第1の実施形態の撮像レンズ10は、系の長さを3.801mmにまで縮小したとしても、依然として比較的良好な光学性能を実現可能である。よって、第1の実施形態の撮像レンズ10は、比較的良好な光学性能を維持しつつ、短縮された系の長さおよび拡大された撮像角によって、薄型化された製品設計に適合し得る。
【0047】
図10は、本開示に係る撮像レンズ10の第2の実施形態を示しており、これは第1の実施形態のものと同様の構成を有する。本開示の撮像レンズ10の第1と第2の実施形態の違いは、レンズ素子3〜8の光学データ、非球面係数、レンズパラメータの一部にある。
また、第2の実施形態では、第1のレンズ素子3の像側の面32は、光軸(I)近傍に凹部323を有するとともに、該第1のレンズ素子3の周縁部近傍に凸部322を有する。第3のレンズ素子5の物体側の面51は、光軸(I)近傍に凸部511を有するとともに、該第3のレンズ素子5の周縁部近傍に凹部513を有する。第4のレンズ素子6の像側の面62は、光軸(I)近傍に凸部621を有するとともに、該第4のレンズ素子6の周縁部近傍に凸部623を有する凸面である。第6のレンズ素子8の物体側の面81は、光軸(I)近傍に凸部811を有するとともに、該第6のレンズ素子8の周縁部近傍に凸部813を有する凸面である。
図10では、明確にするため、第1の実施形態のものと同一の凹部および凸部の参照符号は省略している。
【0048】
第2の実施形態の面31〜91、32〜92に対応するいくつかの光学データの値を示す表を、
図11に示している。撮像レンズ10は、全系の焦点距離が2.736mm、HFOVが40.089°、Fナンバーが1.821、系の長さが3.802mmである。
【0049】
第2の実施形態に対応する上記の関係(1)のいくつかの非球面係数の値を示す表を、
図12に示している。
【0050】
第2の実施形態に対応する上記レンズパラメータのいくつかの間の関係を、
図46の第2の実施形態に対応する列に示している。
【0051】
図13(A)〜13(D)は、第2の実施形態の縦球面収差、サジタル非点収差、タンジェンシャル非点収差、歪曲収差にそれぞれ対応するシミュレーション結果を示している。
図13(A)〜13(D)から分かるように、第2の実施形態では、比較的良好な光学性能を実現可能である。
【0052】
第1の実施形態と比較して、第2の実施形態は、より広いHFOVを有し、また、第2の実施形態は、製造が相対的に容易であることで、より高い歩留まりを有し得る。
【0053】
図14は、本開示に係る撮像レンズ10の第3の実施形態を示しており、これは第1の実施形態のものと同様の構成を有する。本開示の撮像レンズ10の第1と第3の実施形態の違いは、レンズ素子3〜8の光学データ、非球面係数、レンズパラメータの一部にある。
また、第3の実施形態では、第3のレンズ素子5の物体側の面51は、光軸(I)近傍に凹部514を有するとともに、該第3のレンズ素子5の周縁部近傍に凸部512を有する。第4のレンズ素子6は、正の屈折力を有する。第4のレンズ素子6の像側の面62は、光軸(I)近傍に凸部621を有するとともに、該第4のレンズ素子6の周縁部近傍に凸部623を有する凸面である。第5のレンズ素子7は、負の屈折力を有する。第6のレンズ素子8は、正の屈折力を有する。
図14では、明確にするため、第1の実施形態のものと同一の凹部および凸部の参照符号は省略している。
【0054】
第3の実施形態の面31〜91、32〜92に対応するいくつかの光学データの値を示す表を、
図15に示している。撮像レンズ10は、全系の焦点距離が2.822mm、HFOVが38.967°、Fナンバーが2.033、系の長さが3.840mmである。
【0055】
第3の実施形態に対応する上記の関係(1)のいくつかの非球面係数の値を示す表を、
図16に示している。
【0056】
第3の実施形態に対応する上記レンズパラメータのいくつかの間の関係を、
図46の第3の実施形態に対応する列に示している。
【0057】
図17(A)〜17(D)は、第3の実施形態の縦球面収差、サジタル非点収差、タンジェンシャル非点収差、歪曲収差にそれぞれ対応するシミュレーション結果を示している。
図17(A)〜17(D)から分かるように、第3の実施形態では、比較的良好な光学性能を実現可能である。
【0058】
第1の実施形態と比較して、第3の実施形態は、製造が相対的に容易であることで、第3の実施形態は、より高い歩留まりを有し得る。
【0059】
図18は、本開示に係る撮像レンズ10の第4の実施形態を示しており、これは第1の実施形態のものと同様の構成を有する。本開示の撮像レンズ10の第1と第4の実施形態の違いは、レンズ素子3〜8の光学データ、非球面係数、レンズパラメータの一部にある。
また、第4の実施形態では、第3のレンズ素子5の物体側の面51は、光軸(I)近傍に凹部514を有するとともに、該第3のレンズ素子5の周縁部近傍に凸部512を有する。第4のレンズ素子6は、正の屈折力を有する。第4のレンズ素子6の像側の面62は、光軸(I)近傍に凸部621を有するとともに、該第4のレンズ素子6の周縁部近傍に凸部623を有する凸面である。第5のレンズ素子7は、負の屈折力を有する。第6のレンズ素子8は、正の屈折力を有する。
図18では、明確にするため、第1の実施形態のものと同一の凹部および凸部の参照符号は省略している。
【0060】
第4の実施形態の面31〜91、32〜92に対応するいくつかの光学データの値を示す表を、
図19に示している。撮像レンズ10は、全系の焦点距離が2.897mm、HFOVが38.311°、Fナンバーが1.993、系の長さが3.866mmである。
【0061】
第4の実施形態に対応する上記の関係(1)のいくつかの非球面係数の値を示す表を、
図20に示している。
【0062】
第4の実施形態に対応する上記レンズパラメータのいくつかの間の関係を、
図46の第4の実施形態に対応する列に示している。
【0063】
図21(A)〜21(D)は、第4の実施形態の縦球面収差、サジタル非点収差、タンジェンシャル非点収差、歪曲収差にそれぞれ対応するシミュレーション結果を示している。
図21(A)〜21(D)から分かるように、第4の実施形態では、比較的良好な光学性能を実現可能である。
【0064】
第1の実施形態と比較して、第4の実施形態は、製造が相対的に容易であることで、第4の実施形態は、より高い歩留まりを有し得る。
【0065】
図22は、本開示に係る撮像レンズ10の第5の実施形態を示しており、これは第1の実施形態のものと同様の構成を有する。本開示の撮像レンズ10の第1と第5の実施形態の違いは、レンズ素子3〜8の光学データ、非球面係数、レンズパラメータの一部にある。
また、第5の実施形態では、第3のレンズ素子5の物体側の面51は、光軸(I)近傍に凹部514を有するとともに、該第3のレンズ素子5の周縁部近傍に凸部512を有する。第4のレンズ素子6は、正の屈折力を有する。第4のレンズ素子6の像側の面62は、光軸(I)近傍に凸部621を有するとともに、該第4のレンズ素子6の周縁部近傍に凸部623を有する凸面である。第5のレンズ素子7は、負の屈折力を有する。
図22では、明確にするため、第1の実施形態のものと同一の凹部および凸部の参照符号は省略している。
【0066】
第5の実施形態の面31〜91、32〜92に対応するいくつかの光学データの値を示す表を、
図23に示している。撮像レンズ10は、全系の焦点距離が2.778mm、HFOVが39.868°、Fナンバーが1.967、系の長さが3.802mmである。
【0067】
第5の実施形態に対応する上記の関係(1)のいくつかの非球面係数の値を示す表を、
図24に示している。
【0068】
第5の実施形態に対応する上記レンズパラメータのいくつかの間の関係を、
図46の第5の実施形態に対応する列に示している。
【0069】
図25(A)〜25(D)は、第5の実施形態の縦球面収差、サジタル非点収差、タンジェンシャル非点収差、歪曲収差にそれぞれ対応するシミュレーション結果を示している。
図25(A)〜25(D)から分かるように、第5の実施形態では、比較的良好な光学性能を実現可能である。
【0070】
第1の実施形態と比較して、第5の実施形態は、より広いHFOVを有し、また、第5の実施形態は、製造が相対的に容易であることで、より高い歩留まりを有し得る。
【0071】
図26は、本開示に係る撮像レンズ10の第6の実施形態を示しており、これは第1の実施形態のものと同様の構成を有する。本開示の撮像レンズ10の第1と第6の実施形態の違いは、レンズ素子3〜8の光学データ、非球面係数、レンズパラメータの一部にある。
また、第6の実施形態では、第1のレンズ素子3の像側の面32は、光軸(I)近傍に凹部323を有するとともに、該第1のレンズ素子3の周縁部近傍に凸部322を有する。第3のレンズ素子5の物体側の面51は、光軸(I)近傍に凸部511を有するとともに、該第3のレンズ素子5の周縁部近傍に凹部513を有する。第6のレンズ素子8の物体側の面81は、光軸(I)近傍に凸部811を有するとともに、該第6のレンズ素子8の周縁部近傍に凸部813を有する凸面である。
図26では、明確にするため、第1の実施形態のものと同一の凹部および凸部の参照符号は省略している。
【0072】
第6の実施形態の面31〜91、32〜92に対応するいくつかの光学データの値を示す表を、
図27に示している。撮像レンズ10は、全系の焦点距離が2.707mm、HFOVが40.392°、Fナンバーが1.819、系の長さが3.801mmである。
【0073】
第6の実施形態に対応する上記の関係(1)のいくつかの非球面係数の値を示す表を、
図28に示している。
【0074】
第6の実施形態に対応する上記レンズパラメータのいくつかの間の関係を、
図46の第6の実施形態に対応する列に示している。
【0075】
図29(A)〜29(D)は、第6の実施形態の縦球面収差、サジタル非点収差、タンジェンシャル非点収差、歪曲収差にそれぞれ対応するシミュレーション結果を示している。
図29(A)〜29(D)から分かるように、第6の実施形態では、比較的良好な光学性能を実現可能である。
【0076】
第1の実施形態と比較して、第6の実施形態は、より広いHFOVを有し、また、第6の実施形態は、製造が相対的に容易であることで、より高い歩留まりを有し得る。
【0077】
図30は、本開示に係る撮像レンズ10の第7の実施形態を示しており、これは第1の実施形態のものと同様の構成を有する。本開示の撮像レンズ10の第1と第7の実施形態の違いは、レンズ素子3〜8の光学データ、非球面係数、レンズパラメータの一部にある。また、第7の実施形態では、第4のレンズ素子6は、正の屈折力を有する。
図30では、明確にするため、第1の実施形態のものと同一の凹部および凸部の参照符号は省略している。
【0078】
第7の実施形態の面31〜91、32〜92に対応するいくつかの光学データの値を示す表を、
図31に示している。撮像レンズ10は、全系の焦点距離が2.670mm、HFOVが40.671°、Fナンバーが1.834、系の長さが3.748mmである。
【0079】
第7の実施形態に対応する上記の関係(1)のいくつかの非球面係数の値を示す表を、
図32に示している。
【0080】
第7の実施形態に対応する上記レンズパラメータのいくつかの間の関係を、
図46の第7の実施形態に対応する列に示している。
【0081】
図33(A)〜33(D)は、第7の実施形態の縦球面収差、サジタル非点収差、タンジェンシャル非点収差、歪曲収差にそれぞれ対応するシミュレーション結果を示している。
図33(A)〜33(D)から分かるように、第7の実施形態では、比較的良好な光学性能を実現可能である。
【0082】
第1の実施形態と比較して、第7の実施形態は、より短縮されたTTL、および、より広いHFOVを有し、また、第7の実施形態は、製造が相対的に容易であることで、より高い歩留まりを有し得る。
【0083】
図34は、本開示に係る撮像レンズ10の第8の実施形態を示しており、これは第1の実施形態のものと同様の構成を有する。本開示の撮像レンズ10の第1と第8の実施形態の違いは、レンズ素子3〜8の光学データ、非球面係数、レンズパラメータの一部にある。
また、第8の実施形態では、第4のレンズ素子6は、正の屈折力を有する。第6のレンズ素子8の物体側の面81は、光軸(I)近傍に凸部811を有するとともに、該第6のレンズ素子8の周縁部近傍に凸部813を有する凸面である。
図34では、明確にするため、第1の実施形態のものと同一の凹部および凸部の参照符号は省略している。
【0084】
第8の実施形態の面31〜91、32〜92に対応するいくつかの光学データの値を示す表を、
図35に示している。撮像レンズ10は、全系の焦点距離が2.654mm、HFOVが40.972°、Fナンバーが1.826、系の長さが3.750mmである。
【0085】
第8の実施形態に対応する上記の関係(1)のいくつかの非球面係数の値を示す表を、
図36に示している。
【0086】
第8の実施形態に対応する上記レンズパラメータのいくつかの間の関係を、
図46の第8の実施形態に対応する列に示している。
【0087】
図37(A)〜37(D)は、第8の実施形態の縦球面収差、サジタル非点収差、タンジェンシャル非点収差、歪曲収差にそれぞれ対応するシミュレーション結果を示している。
図37(A)〜37(D)から分かるように、第8の実施形態では、比較的良好な光学性能を実現可能である。
【0088】
第1の実施形態と比較して、第8の実施形態は、より短縮されたTTL、および、より広いHFOVを有し、また、第8の実施形態は、製造が相対的に容易であることで、より高い歩留まりを有し得る。
【0089】
図38は、本開示に係る撮像レンズ10の第9の実施形態を示しており、これは第1の実施形態のものと同様の構成を有する。本開示の撮像レンズ10の第1と第9の実施形態の違いは、レンズ素子3〜8の光学データ、非球面係数、レンズパラメータの一部にある。
また、第9の実施形態では、第4のレンズ素子6は、正の屈折力を有する。第4のレンズ素子6の物体側の面61は、光軸(I)近傍に凹部611を有するとともに、該第4のレンズ素子6の周縁部近傍に凸部613を有する。第5のレンズ素子7は、負の屈折力を有する。
図38では、明確にするため、第1の実施形態のものと同一の凹部および凸部の参照符号は省略している。
【0090】
第9の実施形態の面31〜91、32〜92に対応するいくつかの光学データの値を示す表を、
図39に示している。撮像レンズ10は、全系の焦点距離が2.624mm、HFOVが41.431°、Fナンバーが1.834、系の長さが3.752mmである。
【0091】
第9の実施形態に対応する上記の関係(1)のいくつかの非球面係数の値を示す表を、
図40に示している。
【0092】
第9の実施形態に対応する上記レンズパラメータのいくつかの間の関係を、
図46の第9の実施形態に対応する列に示している。
【0093】
図41(A)〜41(D)は、第9の実施形態の縦球面収差、サジタル非点収差、タンジェンシャル非点収差、歪曲収差にそれぞれ対応するシミュレーション結果を示している。
図41(A)〜41(D)から分かるように、第9の実施形態では、比較的良好な光学性能を実現可能である。
【0094】
第1の実施形態と比較して、第9の実施形態は、より短縮されたTTL、および、より広いHFOVを有し、また、第9の実施形態は、製造が相対的に容易であることで、より高い歩留まりを有し得る。
【0095】
図42は、本開示に係る撮像レンズ10の第10の実施形態を示しており、これは第1の実施形態のものと同様の構成を有する。本開示の撮像レンズ10の第1と第10の実施形態の違いは、レンズ素子3〜8の光学データ、非球面係数、レンズパラメータの一部にある。
また、第10の実施形態では、第1のレンズ素子3の像側の面32は、光軸(I)近傍に凹部323を有するとともに、該第1のレンズ素子3の周縁部近傍に凸部322を有する。第3のレンズ素子5の物体側の面51は、光軸(I)近傍に凸部511を有するとともに、該第3のレンズ素子5の周縁部近傍に凹部513を有する。第6のレンズ素子8の物体側の面81は、光軸(I)近傍に凸部811を有するとともに、該第6のレンズ素子8の周縁部近傍に凸部813を有する凸面である。
図42では、明確にするため、第1の実施形態のものと同一の凹部および凸部の参照符号は省略している。
【0096】
第10の実施形態の面31〜91、32〜92に対応するいくつかの光学データの値を示す表を、
図43に示している。撮像レンズ10は、全系の焦点距離が2.689mm、HFOVが40.587°、Fナンバーが1.828、系の長さが3.801mmである。
【0097】
第10の実施形態に対応する上記の関係(1)のいくつかの非球面係数の値を示す表を、
図44に示している。
【0098】
第10の実施形態に対応する上記レンズパラメータのいくつかの間の関係を、
図46の第10の実施形態に対応する列に示している。
【0099】
図45(A)〜45(D)は、第10の実施形態の縦球面収差、サジタル非点収差、タンジェンシャル非点収差、歪曲収差にそれぞれ対応するシミュレーション結果を示している。
図45(A)〜45(D)から分かるように、第10の実施形態では、比較的良好な光学性能を実現可能である。
【0100】
第1の実施形態と比較して、第10の実施形態は、より広いHFOVを有し、また、第10の実施形態は、製造が相対的に容易であることで、より高い歩留まりを有し得る。
【0101】
比較のために、10通りの実施形態に対応する上記のレンズパラメータのいくつかの間の上記関係を示す表を、
図46に示している。本開示に係る撮像レンズ10のレンズパラメータの各々が以下の光学的関係を満たしている場合には、系の長さを縮小したとしても、依然として光学性能は比較的良好である。
【0102】
(1)条件:T6/G56≧1.61、T1/G34≧2.12、BFL/G34≧4.00、のいずれかを満たしている場合には、撮像レンズ10は、適切な歩留まりを維持しつつ、良好な撮像品質を有し得る。
さらに、1.61≦T6/G56≦15.0、2.12≦T1/G34≦20.00、および/または4.00≦BFL/G34≦40.00を満たしていると、撮像レンズ10の適切なサイズ(例えば、系の長さ)を実現するための一助となり得る。
【0103】
(2)条件:TTL/G45≦110.00、TTL/G12≦77.43、Gaa/T5≦2.45、Gaa/T3≦2.33、Gaa/G45≦14.00、Gaa/G12≦11.89、G34/T3≦0.62、G34/T1≦0.45、G34/G45≦3.10、G34/G12≦3.17、BFL/G45≦25.00、ALT/G45≦70.00、ALT/G23≦21.00、ALT/G12≦43.30、のいずれかを撮像レンズ10が満たしている場合には、撮像レンズ10は、分母パラメータを不変として分子パラメータを減少させることにより、より縮小されたサイズ(例えば、より短縮された系の長さ)を有するように設計できる。
さらに、8.00≦TTL/G45≦110.00、29.63≦TTL/G12≦77.43、0.88≦Gaa/T5≦2.45、0.80≦Gaa/T3≦2.33、1.50≦Gaa/G45≦14.00、4.53≦Gaa/G12≦11.89、0.02≦G34/T3≦0.62、0.02≦G34/T1≦0.45、0.02≦G34/G45≦3.10、0.20≦G34/G12≦3.17、2.50≦BFL/G45≦25.00、4.00≦ALT/G45≦70.00、3.50≦ALT/G23≦21.00、および/または15.00≦ALT/G12≦43.30を満たしていると、より良好な撮像品質につながり得る。
【0104】
光学系の設計は一般に予測不可能性に関係しているが、上記の関係を満たすことにより、撮像レンズ10の系の長さを縮小すること、Fナンバーを小さくすること、視野を広くすること、撮像品質を向上させること、または組立歩留まりを相対的に高くすること、が可能となり得ることで、従来技術の少なくとも1つの欠点が軽減される。
【0105】
要約すると、本開示に係る撮像レンズ10の作用および効果は、以下のように説明される。
1.本開示の上記の10通りの実施形態のそれぞれに関して、縦球面収差、非点収差、歪曲収差は、適用規格に適合している。青色光線、緑色光線、赤色光線の波長にそれぞれ対応する軸外光線は、結像点の周辺に収束する。撮像レンズ10が、球面収差、非点収差、歪曲収差に関して良好な性能を有するように、様々に異なる高さにおける軸外光線の結像点のずれが十分に制御されていることは、それらの曲線の各々の偏差範囲から明らかである。また、赤色光線、緑色光線、青色光線をそれぞれ表す異なる波長の曲線が相互に近接しているので、撮像レンズ10は、色収差が比較的低い。結果的に、レンズ素子3〜8の上記の設計によって、良好な撮像品質を実現できる。
2.経済的メリットを伴う薄型化された関連製品の開発を促すために、前述の10通りの実施形態によって、本開示の系の長さを4.0mm未満にまで縮小できることが明らかである。
【0106】
撮像レンズ10の第1の適用例を
図47に示しており、この例では、撮像レンズ10は、電子機器1(携帯電話機などであるが、これに限定されない)のハウジング11内に配置されて、該電子機器1の撮像モジュール12の一部をなしている。
【0107】
撮像モジュール12は、撮像レンズ10が配置される鏡筒21と、鏡筒21が配置されるホルダユニット120と、像面100(
図6を参照)に配置される撮像センサ130と、を有している。
【0108】
ホルダユニット120は、鏡筒21が配置される第1のホルダ部121と、第1のホルダ部121と撮像センサ130との間に介在させる部分を有する第2のホルダ部122と、を含んでいる。鏡筒21、およびホルダユニット120の第1のホルダ部121は、撮像レンズ10の光軸(I)と一致する軸(II)に沿って延在する。
【0109】
撮像レンズ10の第2の適用例を
図48に示している。第1と第2の適用例の違いは、第2の適用例では、ホルダユニット120が,ボイスコイルモータ(VCM)として構成されていることであり、第1のホルダ部121は、鏡筒21が配置される内側部分123と、内側部分123を取り囲む外側部分124と、内側部分123と外側部分124との間に介在させるコイル125と、コイル125の外側と外側部分124の内側との間に配置される磁性部品126と、を含んでいる。
【0110】
内側部分123と鏡筒21は、その中の撮像レンズ10と共に、撮像レンズ10の光軸(I)と一致する軸(III)に沿って、撮像センサ130に対して動くことができる。撮像レンズ10の光学フィルタ9は、外側部分124に当接するように配置された第2のホルダ部122に配置される。第2の適用例における電子機器1の他の構成要素の構成および配置は、第1の適用例のものと同じであり、従って、簡潔にするため、以下では説明しない。
【0111】
本開示の撮像レンズ10によって、適用例のそれぞれにおける電子機器1は、良好な光学性能および撮像性能を有しつつ、比較的縮小された全厚となるように構成でき、これによって、材料のコストが削減され、また、製品の小型化要求が満たされる。
【0112】
本開示は、典型例となる実施形態であると考えられるものに関して記載しているが、当然のことながら、本開示は、開示された実施形態に限定されるものではなく、最も広い解釈の趣旨および範囲に含まれる種々の構成を包括し、かかる変形および均等な構成のすべてを網羅するものとする。