(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記少なくとも1つの疎水性医薬活性成分のうちの1つが、リスペリドン、イベルメクチン、レボノルゲストレル、シクロスポリン、プロゲステロン、ブピバカイン塩基、又は酢酸メドロキシプロゲステロンである、請求項1記載の生分解性薬物送達組成物。
前記少なくとも1つの疎水性医薬活性成分のうちの1つが、リスペリドン、イベルメクチン、レボノルゲストレル、シクロスポリン、プロゲステロン、ブピバカイン塩基、又は酢酸メドロキシプロゲステロンである、請求項3記載の生分解性薬物送達組成物。
前記少なくとも1つの疎水性医薬活性成分のうちの1つが、リスペリドン、イベルメクチン、レボノルゲストレル、シクロスポリン、プロゲステロン、ブピバカイン、又は酢酸メドロキシプロゲステロンである、請求項5記載の生分解性薬物送達組成物。
前記少なくとも1つの疎水性医薬活性成分のうちの1つが、リスペリドン、イベルメクチン、レボノルゲストレル、シクロスポリン、プロゲステロン、ブピバカイン、又は酢酸メドロキシプロゲステロンである、請求項7記載の生分解性薬物送達組成物。
そのうちの1つが、リスペリドン、イベルメクチン、レボノルゲストレル、シクロスポリン、プロゲステロン、ブピバカイン、又は酢酸メドロキシプロゲステロンである前記少なくとも1つの疎水性医薬活性成分を前記ポリマー混合物に添加することを含む、請求項11記載の生分解性薬物送達組成物を調製する方法。
前記少なくとも1つの疎水性医薬活性成分のうちの1つが、リスペリドン、イベルメクチン、レボノルゲストレル、シクロスポリン、プロゲステロン、ブピバカイン、又は酢酸メドロキシプロゲステロンである、請求項13記載の方法。
前記少なくとも1つの疎水性医薬活性成分のうちの1つが、リスペリドン、イベルメクチン、レボノルゲストレル、シクロスポリン、プロゲステロン、ブピバカイン、又は酢酸メドロキシプロゲステロンである、請求項15記載の方法。
【発明の概要】
【0011】
(発明の概要)
本発明は、(a)式:
A
v-B
w-A
x
(式中、Aはポリエステルであり、Bはポリエチレングリコールであり、v、w、及びxは、4〜1090又は6〜1090の範囲の反復単位の数であり、v=x又はv≠xである)を有する生分解性トリブロックコポリマー;(b)式:
C
y-A
z
(式中、Aはポリエステルであり、Cはエンドキャップポリエチレングリコールであり、y及びzは、7〜371又は3〜237の範囲の反復単位の数である)を有する生分解性ジブロックコポリマー(ここで、(a)の生分解性トリブロックコポリマーと(b)の生分解性CAジブロックコポリマーの比は、該生分解性薬物組成物中で1:3〜1:8又は1:1〜1:19又は3:2〜1:19である);並びに(c)少なくとも1つの医薬活性成分を含む、生分解性薬物送達組成物を提供する。
【0012】
本発明は、(a)式:
A
v-B
w-A
x
(式中、Aはポリエステルであり、Bはポリエチレングリコールであり、v、w、及びxは、4〜1090又は6〜1090の範囲の反復単位の数であり、v=x又はv≠xである)を有する生分解性トリブロックコポリマー;(b)式:
C
y-A
z
(式中、Aはポリエステルであり、Cはエンドキャップポリエチレングリコールであり、y及びzは、7〜371又は3〜237の範囲の反復単位の数である)を有する生分解性ジブロックコポリマー(ここで、(a)の生分解性トリブロックコポリマーと(b)の生分解性CAジブロックコポリマーの比は、該生分解性薬物組成物中で1:3〜1:8又は1:1〜1:19又は3:2〜1:19又は2:3又は4:1又は2.3〜4.1である);並びに(c)少なくとも1つの医薬活性成分を含む、生分解性薬物送達組成物を提供する。
【0013】
本発明は、(a)式:
A
v-B
w-A
x
(式中、Aはポリエステルであり、Bはポリエチレングリコールであり、v、w、及びxは、4〜1090又は6〜1090の範囲の反復単位の数であり、v=x又はv≠xである)を有する生分解性トリブロックコポリマー;(b)式:
C
y-A
z
(式中、Aはポリエステルであり、Cはエンドキャップポリエチレングリコールであり、y及びzは、7〜371又は3〜237の範囲の反復単位の数である)を有する生分解性ジブロックコポリマー(ここで、(a)の生分解性トリブロックコポリマーと(b)の生分解性CAジブロックコポリマーの比は、該生分解性薬物組成物中で1:3〜1:8又は1:1〜1:19又は3:2〜1:19又は2:3又は4:1又は2.3〜4.1である);並びに(c)少なくとも1つの疎水性医薬活性成分を含む、生分解性薬物送達組成物を提供する。
【0014】
本発明は、(a)式:
A
v-B
w-A
x
(式中、Aはポリエステルであり、Bはポリエチレングリコールであり、v、w、及びxは、4〜1090又は6〜1090の範囲の反復単位の数であり、v=x又はv≠xである)を有する生分解性トリブロックコポリマー;(b)式:
C
y-A
z
(式中、Aはポリエステルであり、Cはエンドキャップポリエチレングリコールであり、y及びzは、7〜371又は3〜237の範囲の反復単位の数である)を有する生分解性ジブロックコポリマー(ここで、(a)の生分解性トリブロックコポリマーと(b)の生分解性CAジブロックコポリマーの比は、該生分解性薬物組成物中で1:3〜1:8又は1:1〜1:19又は3:2〜1:19又は2:3又は4:1又は2.3〜4.1である);並びに(c)そのうちの1つが酢酸メドロキシプロゲステロン、レボノルゲストレル、シクロスポリン、プロゲステロン、又はブピバカインである少なくとも1つの疎水性医薬活性成分を含む、生分解性薬物送達組成物を提供する。
【0015】
本発明は、(a)式:
A
v-B
w-A
x
(式中、Aはポリエステルであり、Bはポリエチレングリコールであり、v、w、及びxは、6〜1090又は4〜1090の範囲の反復単位の数であり、v及びxは、エステル反復単位であり、wはエチレンオキシド反復単位であり、v=x又はv≠xである)を有する生分解性トリブロックコポリマー;(b)式:
C
y-A
z
(式中、Aはポリエステルであり、Cはエンドキャップポリエチレングリコールであり、y及びzは、7〜371又は3〜237の範囲の反復単位の数であり、yはエチレンオキシド反復単位の数であり、zはエステル反復単位の数である)を有する生分解性ジブロックコポリマー(ここで、(a)の生分解性トリブロックコポリマーと(b)の生分解性CAジブロックコポリマーの比は、該生分解性薬物組成物中で1:3〜1:8又は1:1〜1:19又は3:2〜1:19である);並びに(c)少なくとも1つの医薬活性成分を含む、生分解性薬物送達組成物を提供する。
【0016】
本発明は、(a)式:
A
v-B
w-A
x
(式中、Aはポリエステルであり、Bはポリエチレングリコールであり、v、w、及びxは、6〜1090又は4〜1090の範囲の反復単位の数であり、v及びxは、エステル反復単位であり、wはエチレンオキシド反復単位であり、v=x又はv≠xである)を有する生分解性トリブロックコポリマー;(b)式:
C
y-A
z
(式中、Aはポリエステルであり、Cはエンドキャップポリエチレングリコールであり、y及びzは、7〜371又は3〜237の範囲の反復単位の数であり、yはエチレンオキシド反復単位の数であり、zはエステル反復単位の数である)を有する生分解性ジブロックコポリマー(ここで、(a)の生分解性トリブロックコポリマーと(b)の生分解性CAジブロックコポリマーの比は、該生分解性薬物組成物中で1:3〜1:8又は1:1〜1:19又は3:2〜1:19又は2:3又は4:1又は2.3〜4.1である);並びに(c)少なくとも1つの医薬活性成分を含む、生分解性薬物送達組成物を提供する。
【0017】
本発明は、(a)式:
A
v-B
w-A
x
(式中、Aはポリエステルであり、Bはポリエチレングリコールであり、v、w、及びxは、6〜1090又は4〜1090の範囲の反復単位の数であり、v及びxは、エステル反復単位であり、wはエチレンオキシド反復単位であり、v=x又はv≠xである)を有する生分解性トリブロックコポリマー;(b)式:
C
y-A
z
(式中、Aはポリエステルであり、Cはエンドキャップポリエチレングリコールであり、y及びzは、7〜371又は3〜237の範囲の反復単位の数であり、yはエチレンオキシド反復単位の数であり、zはエステル反復単位の数である)を有する生分解性ジブロックコポリマー(ここで、(a)の生分解性トリブロックコポリマーと(b)の生分解性CAジブロックコポリマーの比は、該生分解性薬物組成物中で1:3〜1:8又は1:1〜1:19又は3:2〜1:19又は2:3又は4:1又は2.3〜4.1である);並びに(c)少なくとも1つの疎水性医薬活性成分を含む、生分解性薬物送達組成物を提供する。
【0018】
本発明は、(a)式:
A
v-B
w-A
x
(式中、Aはポリエステルであり、Bはポリエチレングリコールであり、v、w、及びxは、4〜1090又は6〜1090の範囲の反復単位の数であり、v及びxは、エステル反復単位であり、wはエチレンオキシド反復単位であり、v=x又はv≠xである)を有する生分解性トリブロックコポリマー;(b)式:
C
y-A
z
(式中、Aはポリエステルであり、Cはエンドキャップポリエチレングリコールであり、y及びzは、7〜371又は3〜237の範囲の反復単位の数であり、yはエチレンオキシド反復単位の数であり、zはエステル反復単位の数である)を有する生分解性ジブロックコポリマー(ここで、(a)の生分解性トリブロックコポリマーと(b)の生分解性CAジブロックコポリマーの比は、該生分解性薬物組成物中で1:3〜1:8又は1:1〜1:19又は3:2〜1:19又は2:3又は4:1又は2.3〜4.1である);並びに(c)そのうちの1つが酢酸メドロキシプロゲステロン、レボノルゲストレル、シクロスポリン、プロゲステロン、又はブピバカインである少なくとも1つの疎水性医薬活性成分を含む、生分解性薬物送達組成物を提供する。
【0019】
(a)式:
PLA
v-PEG
w-PLA
x
(式中、v、w、及びxは、4〜1090又は6〜1090の範囲の反復単位の数であり、v=x又はv≠xである)を有する生分解性トリブロックコポリマー;(b)式:
PEG
y-PLA
z
(式中、y及びzは、7〜371又は3〜237の範囲の反復単位の数である)を有する生分解性ジブロックコポリマー(ここで、(a)の生分解性トリブロックコポリマーと(b)の生分解性ジブロックコポリマーの比は、該生分解性薬物組成物中で1:3〜1:8又は1:1〜1:19又は3:2〜1:19であり、及びここで、該ジブロック中のPEGはエンドキャップされている);並びに(c)少なくとも1つの医薬活性成分:を含む、生分解性薬物送達組成物。
【0020】
(a)式:
PLA
v-PEG
w-PLA
x
(式中、v、w、及びxは、4〜1090又は6〜1090の範囲の反復単位の数であり、v=x又はv≠xである)を有する生分解性トリブロックコポリマー;(b)式:
PEG
y-PLA
z
(式中、y及びzは、7〜371又は3〜237の範囲の反復単位の数である)を有する生分解性ジブロックコポリマー(ここで、(a)の生分解性トリブロックコポリマーと(b)の生分解性ジブロックコポリマーの比は、該生分解性薬物組成物中で1:3〜1:8又は1:1〜1:19又は3:2〜1:19又は2:3又は4:1又は2.3〜4.1であり、及びここで、該ジブロック中のPEGはエンドキャップされている);並びに(c)少なくとも1つの医薬活性成分:を含む、生分解性薬物送達組成物。
【0021】
(a)式:
PLA
v-PEG
w-PLA
x
(式中、v、w、及びxは、4〜1090又は6〜1090の範囲の反復単位の数であり、v=x又はv≠xである)を有する生分解性トリブロックコポリマー;(b)式:
PEG
y-PLA
z
(式中、y及びzは、7〜371又は3〜237の範囲の反復単位の数である)を有する生分解性ジブロックコポリマー(ここで、(a)の生分解性トリブロックコポリマーと(b)の生分解性ジブロックコポリマーの比は、該生分解性薬物組成物中で1:3〜1:8又は1:1〜1:19又は3:2〜1:19又は2:3又は4:1又は2.3〜4.1であり、及びここで、該ジブロック中のPEGはエンドキャップされている);並びに(c)少なくとも1つの疎水性医薬活性成分:を含む、生分解性薬物送達組成物。
【0022】
(a)式:
PLA
v-PEG
w-PLA
x
(式中、v、w、及びxは、4〜1090又は6〜1090の範囲の反復単位の数であり、v=x又はv≠xである)を有する生分解性トリブロックコポリマー;(b)式:
PEG
y-PLA
z
(式中、y及びzは、7〜371又は3〜237の範囲の反復単位の数である)を有する生分解性ジブロックコポリマー(ここで、(a)の生分解性トリブロックコポリマーと(b)の生分解性ジブロックコポリマーの比は、該生分解性薬物組成物中で1:3〜1:8又は1:1〜1:19又は3:2〜1:19又は2:3又は4:1又は2.3〜4.1であり、及びここで、該ジブロック中のPEGはエンドキャップされている);並びに(c)そのうちの1つが酢酸メドロキシプロゲステロン、レボノルゲストレル、シクロスポリン、プロゲステロン、又はブピバカインである少なくとも1つの疎水性医薬活性成分:を含む、生分解性薬物送達組成物。
【0023】
(a)式:
PLA
v-PEG
w-PLA
x
(式中、v、w、及びxは、6〜1090又は4〜1090の範囲の反復単位の数であり、v及びxは、エステル反復単位であり、wはエチレンオキシド反復単位であり、v=x又はv≠xである)を有する生分解性トリブロックコポリマー;(b)式:
PEG
y-PLA
z
(式中、y及びzは、7〜371又は3〜237の範囲の反復単位の数である)を有する生分解性ジブロックコポリマー(ここで、(a)の生分解性トリブロックコポリマーと(b)の生分解性ジブロックコポリマーの比は、該生分解性薬物組成物中で1:3〜1:8又は1:1〜1:19又は3:2〜1:19であり、及びここで、該ジブロック中のPEGはエンドキャップされている);並びに(c)少なくとも1つの医薬活性成分:を含む、生分解性薬物送達組成物。
【0024】
(a)式:
PLA
v-PEG
w-PLA
x
(式中、v、w、及びxは、6〜1090又は4〜1090の範囲の反復単位の数であり、v及びxは、エステル反復単位であり、wはエチレンオキシド反復単位であり、v=x又はv≠xである)を有する生分解性トリブロックコポリマー;(b)式:
PEG
y-PLA
z
(式中、y及びzは、7〜371又は3〜237の範囲の反復単位の数である)を有する生分解性ジブロックコポリマー(ここで、(a)の生分解性トリブロックコポリマーと(b)の生分解性ジブロックコポリマーの比は、該生分解性薬物組成物中で1:3〜1:8又は1:1〜1:19又は3:2〜1:19又は2:3又は4:1であり、及びここで、該ジブロック中のPEGはエンドキャップされている);並びに(c)少なくとも1つの医薬活性成分:を含む、生分解性薬物送達組成物。
【0025】
本発明は、(a)式:
PLA
v-PEG
w-PLA
x
(式中、v、w、及びxは、6〜1090又は4〜1090の範囲の反復単位の数であり、v及びxは、エステル反復単位であり、wはエチレンオキシド反復単位であり、v=x又はv≠xである)を有する生分解性トリブロックコポリマー;(b)式:
PEG
y-PLA
z
(式中、y及びzは、7〜371又は3〜237の範囲の反復単位の数である)を有する生分解性ジブロックコポリマー(ここで、(a)の生分解性トリブロックコポリマーと(b)の生分解性ジブロックコポリマーの比は、該生分解性薬物組成物中で1:3〜1:8又は1:1〜1:19又は3:2〜1:19又は2:3又は4:1又は2.3〜4.1であり、及びここで、該ジブロック中のPEGはエンドキャップされている);並びに(c)少なくとも1つの疎水性医薬活性成分を含む、生分解性薬物送達組成物を提供する。
【0026】
(a)式:
PLA
v-PEG
w-PLA
x
(式中、v、w、及びxは、6〜1090又は4〜1090の範囲の反復単位の数であり、v及びxは、エステル反復単位であり、wはエチレンオキシド反復単位であり、v=x又はv≠xである)を有する生分解性トリブロックコポリマー;(b)式:
PEG
y-PLA
z
(式中、y及びzは、7〜371又は3〜237の範囲の反復単位の数である)を有する生分解性ジブロックコポリマー(ここで、(a)の生分解性トリブロックコポリマーと(b)の生分解性ジブロックコポリマーの比は、該生分解性薬物組成物中で1:3〜1:8又は1:1〜1:19又は3:2〜1:19又は2:3又は4:1又は2.3〜4.1であり、及びここで、該ジブロック中のPEGはエンドキャップされている);並びに(c)そのうちの1つが酢酸メドロキシプロゲステロン、レボノルゲストレル、シクロスポリン、プロゲステロン、又はブピバカインである少なくとも1つの疎水性医薬活性成分:を含む、生分解性薬物送達組成物。
【0027】
また別の態様において、(a)全組成物の3%〜45%(w%/w%)の量で存在する、式:
PLA
v-PEG
w-PLA
x
(式中、v、w、及びxは、4〜1090又は6〜1090の範囲の反復単位の数であり、v=x又はv≠xである)を有する生分解性トリブロックコポリマー;(b)全組成物の8.0%〜50%(w%/w%)の量で存在する、式:
PEG
y-PLA
z
(式中、y及びzは、7〜371又は3〜237の範囲の反復単位の数である)を有する生分解性ジブロックコポリマー(ここで、(a)の生分解性トリブロックコポリマーと(b)の生分解性ジブロックコポリマーの比は、該生分解性薬物組成物中で1:3〜1:8又は1:1〜1:19又は3:2〜1:19であり、及びここで、該ジブロック中のPEGはエンドキャップされている)並びに(c)全組成物の1%〜20%(w%/w%)の量で存在する少なくとも1つの医薬活性成分又は1〜200mg/mlの量で存在する該少なくとも1つの医薬活性成分を含む、生分解性薬物送達組成物が提供される。
【0028】
また別の態様において、(a)全組成物の3%〜45%(w%/w%)又は2%〜45%(w%/w%)又は1.2%〜30%(w%/w%)の量で存在する、式:
PLA
v-PEG
w-PLA
x
(式中、v、w、及びxは、4〜1090又は6〜1090の範囲の反復単位の数であり、v=x又はv≠xである)を有する生分解性トリブロックコポリマー;(b)全組成物の8.0%〜50%(w%/w%)又は1%〜28%(w%/w%)の量で存在する、式:
PEG
y-PLA
z
(式中、y及びzは、7〜371又は3〜237の範囲の反復単位の数である)を有する生分解性ジブロックコポリマー(ここで、(a)の生分解性トリブロックコポリマーと(b)の生分解性ジブロックコポリマーの比は、該生分解性薬物組成物中で1:3〜1:8又は1:1〜1:19又は3:2〜1:19又は2:3又は4:1又は2.3〜4.1であり、及びここで、該ジブロック中のPEGはエンドキャップされている)並びに(c)全組成物の1%〜20%(w%/w%)の量で存在する少なくとも1つの医薬活性成分又は1〜200mg/mlの量で存在する該少なくとも1つの医薬活性成分を含む、生分解性薬物送達組成物が提供される。
【0029】
また別の態様において、(a)全組成物の3.0%〜45%(w%/w%)又は2%〜45%(w%/w%)又は1.2%〜30%(w%/w%)の量で存在する、式:
PLA
v-PEG
w-PLA
x
(式中、v、w、及びxは、4〜1090又は6〜1090の範囲の反復単位の数であり、v=x又はv≠xである)を有する生分解性トリブロックコポリマー;(b)全組成物の8.0%〜50%(w%/w%)又は1%〜28%(w%/w%)の量で存在する、式:
PEG
y-PLA
z
(式中、y及びzは、7〜371又は3〜237の範囲の反復単位の数である)を有する生分解性ジブロックコポリマー(ここで、(a)の生分解性トリブロックコポリマーと(b)の生分解性ジブロックコポリマーの比は、該生分解性薬物組成物中で1:3〜1:8又は1:1〜1:19又は3:2〜1:19又は2:3又は4:1であり、及びここで、該ジブロック中のPEGはエンドキャップされている)並びに(c)全組成物の1%〜20%(w%/w%)の量で存在する少なくとも1つの疎水性医薬活性成分又は1〜200mg/mlの量で存在する該少なくとも1つの医薬活性成分を含む、生分解性薬物送達組成物が提供される。
【0030】
また別の態様において、(a)全組成物の3.0%〜45%(w%/w%)又は2.0%〜45%(w%/w%)又は1.2%〜30%(w%/w%)の量で存在する、式:
PLA
v-PEG
w-PLA
x
(式中、v、w、及びxは、4〜1090又は6〜1090の範囲の反復単位の数であり、v=x又はv≠xである)を有する生分解性トリブロックコポリマー;(b)全組成物の8.0%〜50%(w%/w%)又は1%〜28%(w%/w%)の量で存在する、式:
PEG
y-PLA
z
(式中、y及びzは、7〜371又は3〜237の範囲の反復単位の数である)を有する生分解性ジブロックコポリマー(ここで、(a)の生分解性トリブロックコポリマーと(b)の生分解性ジブロックコポリマーの比は、該生分解性薬物組成物中で1:3〜1:8又は3:2〜1:19又は1:1〜1:19又は2:3又は4:1又は2.3〜4.1であり、及びここで、該ジブロック中のPEGはエンドキャップされている)並びに(c)全組成物の10%〜40%(w%/w%)もしくは1%〜40%(w%/w%)の量で存在する、そのうちの1つが酢酸メドロキシプロゲステロン、レボノルゲストレル、シクロスポリン、プロゲステロン、もしくはブピバカインである少なくとも1つの疎水性医薬活性成分、又は1〜200mg/mlもしくは0.1〜200mg/mlの量で存在する該少なくとも1つの医薬活性成分を含む、生分解性薬物送達組成物が提供される。
【0031】
本発明の生分解性薬物送達組成物は、該組成物中、トリブロックコポリマーについては0.5〜3.5又は0.5〜2.5又は0.5〜22.3、及びジブロックコポリマーについては2〜6又は0.8〜13の乳酸対エチレンオキシドモル比を有することができる。
【0032】
別の態様において、本発明の生分解性薬物送達組成物は、該組成物中、トリブロックコポリマーについては0.5〜22.3、及びジブロックコポリマーについては0.8〜13の乳酸対エチレンオキシドモル比を有することができる。
【0033】
また別の態様において、本発明の生分解性薬物送達組成物は、該組成物中、トリブロックコポリマーについては0.5〜2.5、及びジブロックコポリマーについては3〜5の乳酸対エチレンオキシドモル比を有することができる。
【0034】
一態様において、該生分解性薬物送達組成物は、動物又は植物の体内に挿入されると硬化インプラントになる注射液である。
【0035】
また別の態様において、該生分解性送達薬物組成物は、それを動物又は植物の体の表面又は内部に適用することができるように空間的製剤として使用することができる。例えば、それを、手術中に投与して創傷を治療し、又は植物の内部に投与してウイルスを治療することができる。
【0036】
別の態様において、該生分解性薬物組成物は、動物又は植物の体の損傷部位に直接配置される小さな固形粒子として調製される。
【0037】
別の態様において、該生分解性薬物組成物は、ロッドインプラントの形態である。
【0038】
本発明の生分解性薬物送達組成物を調製する方法であって:(i)有機溶媒に、(a)式:
A
v-B
w-A
x
(式中、Aはポリエステルであり、Bはポリエチレングリコールであり、v、w、及びxは、6〜1090又は4〜1090の範囲の反復単位の数であり、ここで、v=x又はv≠xである)を有する生分解性ABA型ブロックコポリマー;並びに(b)式:
C
y-A
z
(式中、Aはポリエステルであり、Cはエンドキャップポリエチレングリコールであり、y及びzは、7〜371又は3〜237の範囲の反復単位の数である)を有する生分解性ジブロックコポリマーを、1:3〜1:8又は1:1〜1:19又は3:2〜1:19の(a):(b)の比で溶解させて、ポリマー混合物を形成させること;並びに
(ii)少なくとも1つの医薬活性成分を該ポリマー混合物に添加することを含む方法が、本発明のまた別の態様である。
【0039】
本発明の生分解性薬物送達組成物を調製する方法であって:(i)有機溶媒に、(a)式:
A
v-B
w-A
x
(式中、Aはポリエステルであり、Bはポリエチレングリコールであり、v、w、及びxは、6〜1090又は4〜1090の範囲の反復単位の数であり、ここで、v=x又はv≠xである)を有する生分解性ABA型ブロックコポリマー;並びに(b)式:
C
y-A
z
(式中、Aはポリエステルであり、Cはエンドキャップポリエチレングリコールであり、y及びzは、7〜371又は3〜237の範囲の反復単位の数である)を有する生分解性ジブロックコポリマーを、1:3〜1:8又は1:1〜1:19又は3:2〜1:19又は2:3又は4:1又は2.3〜4.1の(a):(b)の比で溶解させて、ポリマー混合物を形成させること;並びに
(ii)少なくとも1つの医薬活性成分を該ポリマー混合物に添加することを含む方法が、本発明のまた別の態様である。
【0040】
本発明の生分解性薬物送達組成物を調製する方法であって:(i)有機溶媒に、(a)式:
A
v-B
w-A
x
(式中、Aはポリエステルであり、Bはポリエチレングリコールであり、v、w、及びxは、6〜1090又は4〜1090の範囲の反復単位の数であり、ここで、v=x又はv≠xである)を有する生分解性ABA型ブロックコポリマー;並びに(b)式:
C
y-A
z
(式中、Aはポリエステルであり、Cはエンドキャップポリエチレングリコールであり、y及びzは、7〜371又は3〜237の範囲の反復単位の数である)を有する生分解性ジブロックコポリマーを、1:3〜1:8又は1:1〜1:19又は3:2〜1:19又は2:3又は4:1又は2.3〜4.1の(a):(b)の比で溶解させて、ポリマー混合物を形成させること;並びに
(ii)少なくとも1つの疎水性医薬活性成分を該ポリマー混合物に添加することを含む方法が、本発明のまた別の態様である。
【0041】
本発明の生分解性薬物送達組成物を調製する方法であって:(i)有機溶媒に、(a)式:
A
v-B
w-A
x
(式中、Aはポリエステルであり、Bはポリエチレングリコールであり、v、w、及びxは、6〜1090又は4〜1090の範囲の反復単位の数であり、ここで、v=x又はv≠xである)を有する生分解性ABA型ブロックコポリマー;並びに(b)式:
C
y-A
z
(式中、Aはポリエステルであり、Cはエンドキャップポリエチレングリコールであり、y及びzは、7〜371又は3〜237の範囲の反復単位の数である)を有する生分解性ジブロックコポリマーを、1:3〜1:8又は1:1〜1:19又は3.2〜1:19又は2:3又は4:1又は2.3〜4.1の(a):(b)の比で溶解させて、ポリマー混合物を形成させること;並びに
(ii)そのうちの1つが酢酸メドロキシプロゲステロン、レボノルゲストレル、シクロスポリン、プロゲステロン、又はブピバカインである少なくとも1つの疎水性医薬活性成分を該ポリマー混合物に添加することを含む方法が、本発明のまた別の態様である。
【0042】
本発明のまた別の態様は、本発明の生分解性薬物送達組成物を調製する方法であって:(i)有機溶媒に、(a)式:
A
v-B
w-A
x
(式中、Aはポリエステルであり、Bはポリエチレングリコールであり、v、w、及びxは、6〜1090又は4〜1060の範囲の反復単位の数であり、ここで、v=x又はv≠xである)を有する生分解性ABA型ブロックコポリマー;並びに(b)式:
C
y-A
z
(式中、Aはポリエステルであり、Cはエンドキャップポリエチレングリコールであり、y及びzは、7〜371又は3〜237の範囲の反復単位の数である)を有する生分解性ジブロックコポリマーを、1:3〜1:8又は1:1〜1:19又は3.2〜1:19の(a):(b)の比で溶解させて、ポリマー混合物を形成させること;(ii)少なくとも1つの医薬活性成分を該ポリマー混合物に添加すること;並びに(iii)該溶媒を蒸発させることを含む方法を提供する。
【0043】
本発明のまた別の態様は、本発明の生分解性薬物送達組成物を調製する方法であって:(i)有機溶媒に、(a)式:
A
v-B
w-A
x
(式中、Aはポリエステルであり、Bはポリエチレングリコールであり、v、w、及びxは、6〜1090又は4〜1060の範囲の反復単位の数であり、ここで、v=x又はv≠xである)を有する生分解性ABA型ブロックコポリマー;並びに(b)式:
C
y-A
z
(式中、Aはポリエステルであり、Cはエンドキャップポリエチレングリコールであり、y及びzは、7〜371又は3〜237の範囲の反復単位の数である)を有する生分解性ジブロックコポリマーを、1:3〜1:8又は1:1〜1:19又は3.2〜1:19又は2:3又は4:1又は2.3〜4.1の(a):(b)の比で溶解させて、ポリマー混合物を形成させること;(ii)少なくとも1つの医薬活性成分を該ポリマー混合物に添加すること;並びに(iii)該溶媒を蒸発させることを含む方法を提供する。
【0044】
本発明のまた別の態様は、本発明の生分解性薬物送達組成物を調製する方法であって:(i)有機溶媒に、(a)式:
A
v-B
w-A
x
(式中、Aはポリエステルであり、Bはポリエチレングリコールであり、v、w、及びxは、6〜1090又は4〜1060の範囲の反復単位の数であり、ここで、v=x又はv≠xである)を有する生分解性ABA型ブロックコポリマー;並びに(b)式:
C
y-A
z
(式中、Aはポリエステルであり、Cはエンドキャップポリエチレングリコールであり、y及びzは、7〜371又は3〜237の範囲の反復単位の数である)を有する生分解性ジブロックコポリマーを、1:3〜1:8又は1:1〜1:19又は3.2〜1:19又は2:3又は4:1又は2.3〜4.1の(a):(b)の比で溶解させて、ポリマー混合物を形成させること;(ii)少なくとも1つの疎水性医薬活性成分を該ポリマー混合物に添加すること;並びに(iii)該溶媒を蒸発させることを含む方法を提供する。
【0045】
本発明のまた別の態様は、本発明の生分解性薬物送達組成物を調製する方法であって:(i)有機溶媒に、(a)式:
A
v-B
w-A
x
(式中、Aはポリエステルであり、Bはポリエチレングリコールであり、v、w、及びxは、6〜1090又は4〜1090の範囲の反復単位の数であり、ここで、v=x又はv≠xである)を有する生分解性ABA型ブロックコポリマー;並びに(b)式:
C
y-A
z
(式中、Aはポリエステルであり、Cはエンドキャップポリエチレングリコールであり、y及びzは、7〜371又は3〜237の範囲の反復単位の数である)を有する生分解性ジブロックコポリマーを、1:3〜1:8又は1:1〜1:19又は3.2〜1:19又は2:3又は4:1又は2.3〜4.1の(a):(b)の比で溶解させて、ポリマー混合物を形成させること;(ii)そのうちの1つが酢酸メドロキシプロゲステロン、レボノルゲストレル、シクロスポリン、プロゲステロン、又はブピバカインである少なくとも1つの疎水性医薬活性成分を該ポリマー混合物に添加すること;並びに(iii)該溶媒を蒸発させることを含む方法を提供する。
【0046】
本発明のまた別の態様は、本発明の生分解性薬物送達組成物を調製する方法であって:(i)有機溶媒に、(a)式:
A
v-B
w-A
x
(式中、Aはポリエステルであり、Bはポリエチレングリコールであり、v、w、及びxは、6〜1090又は4〜1090の範囲の反復単位の数であり、v及びxは、エステル反復単位であり、wはエチレンオキシド反復単位であり、ここで、v=x又はv≠xである)を有する生分解性ABA型ブロックコポリマー;並びに(b)式:
C
y-A
z
(式中、Aはポリエステルであり、Cはエンドキャップポリエチレングリコールであり、y及びzは、7〜371又は3〜237の範囲の反復単位の数であり、yはエチレンオキシド反復単位の数であり、zはエステル反復単位の数である)を有する生分解性ジブロックコポリマーを、1:3〜1:8又は1:1〜1:19又は3.2〜1:19の(a):(b)の比で溶解させて、ポリマー混合物を形成させること;(ii)少なくとも1つの医薬活性成分を該ポリマー混合物に添加すること;並びに(iii)該溶媒を蒸発させることを含む方法を提供する。
【0047】
本発明のまた別の態様は、本発明の生分解性薬物送達組成物を調製する方法であって:(i)有機溶媒に、(a)式:
A
v-B
w-A
x
(式中、Aはポリエステルであり、Bはポリエチレングリコールであり、v、w、及びxは、6〜1090又は4〜1090の範囲の反復単位の数であり、v及びxは、エステル反復単位であり、wはエチレンオキシド反復単位であり、ここで、v=x又はv≠xである)を有する生分解性ABA型ブロックコポリマー;並びに(b)式:
C
y-A
z
(式中、Aはポリエステルであり、Cはエンドキャップポリエチレングリコールであり、y及びzは、7〜371又は3〜237の範囲の反復単位の数であり、yはエチレンオキシド反復単位の数であり、zはエステル反復単位の数である)を有する生分解性ジブロックコポリマーを、1:3〜1:8又は1:1〜1:19又は3.2〜1:19又は2:3又は4:1又は2.3〜4.1の(a):(b)の比で溶解させて、ポリマー混合物を形成させること;(ii)少なくとも1つの医薬活性成分を該ポリマー混合物に添加すること;並びに(iii)該溶媒を蒸発させることを含む方法を提供する。
【0048】
本発明のまた別の態様は、本発明の生分解性薬物送達組成物を調製する方法であって:(i)有機溶媒に、(a)式:
A
v-B
w-A
x
(式中、Aはポリエステルであり、Bはポリエチレングリコールであり、v、w、及びxは、6〜1090又は4〜1090の範囲の反復単位の数であり、v及びxは、エステル反復単位であり、wはエチレンオキシド反復単位であり、ここで、v=x又はv≠xである)を有する生分解性ABA型ブロックコポリマー;並びに(b)式:
C
y-A
z
(式中、Aはポリエステルであり、Cはエンドキャップポリエチレングリコールであり、y及びzは、7〜371又は3〜237の範囲の反復単位の数であり、yはエチレンオキシド反復単位の数であり、zはエステル反復単位の数である)を有する生分解性ジブロックコポリマーを、1:3〜1:8又は1:1〜1:19又は3.2〜1:19又は2:3又は4:1又は2.3〜4.1の(a):(b)の比で溶解させて、ポリマー混合物を形成させること;(ii)少なくとも1つの疎水性医薬活性成分を該ポリマー混合物に添加すること;並びに(iii)該溶媒を蒸発させることを含む方法を提供する。
【0049】
本発明のまた別の態様は、本発明の生分解性薬物送達組成物を調製する方法であって:(i)有機溶媒に、(a)式:
A
v-B
w-A
x
(式中、Aはポリエステルであり、Bはポリエチレングリコールであり、v、w、及びxは、6〜1090又は4〜1090の範囲の反復単位の数であり、v及びxは、エステル反復単位であり、wはエチレンオキシド反復単位であり、ここで、v=x又はv≠xである)を有する生分解性ABA型ブロックコポリマー;並びに(b)式:
C
y-A
z
(式中、Aはポリエステルであり、Cはエンドキャップポリエチレングリコールであり、y及びzは、7〜371又は3〜237の範囲の反復単位の数であり、yはエチレンオキシド反復単位の数であり、zはエステル反復単位の数である)を有する生分解性ジブロックコポリマーを、1:3〜1:8又は1:1〜1:19又は3.2〜1:19又は2:3又は4:1又は2.3〜4.1の(a):(b)の比で溶解させて、ポリマー混合物を形成させること;(ii)そのうちの1つが酢酸メドロキシプロゲステロン、レボノルゲストレル、シクロスポリン、プロゲステロン、又はブピバカインである少なくとも1つの疎水性医薬活性成分を該ポリマー混合物に添加すること;並びに(iii)該溶媒を蒸発させることを含む方法を提供する。
【0050】
上記の方法において、有機溶媒は、全組成物の40%〜74%(w%/w%)又は30%〜70%(w%/w%)又は26%〜90%(w%/w%)の量で存在することができる。溶媒の混合物を使用することもできる。
【0051】
他の態様及び実施態様は、以下に示されているか、又は次の好ましい実施態様の説明から容易に生じる。
【図面の簡単な説明】
【0052】
(図面の簡単な説明)
【
図1】
図1は、比が1:0(-○-)、1:2(-△-)、1:4(-●-)、1:6(-▼-)、及び1:9(-*-)の40%P6R1(TB):dP2R4(DB)をベースとした製剤からの薬物の一定期間(日数)にわたるインビトロ放出率を示すグラフである。このグラフは、TB:DBをベースとした製剤が30日を超えて放出を持続させることを示している。
【
図2】
図2は、
図1の候補製剤からの一定期間(日数)にわたるインビトロ累積放出率曲線を示すグラフである。このグラフは、初期バーストが低下し、薬物放出曲線が、トリブロックコポリマー組成物単独と比較して、トリブロックコポリマーとジブロックコポリマー組成物の組合せで平坦化していることを示している。1:9の曲線が1:4の曲線に重なっていることに留意されたい。
【
図3】
図3は、トリブロックコポリマー対ジブロックコポリマーの比が1:0〜0:1の範囲の様々な比の40%P6R1(TB);dP2R4(DB)をベースとした製剤の注射性能を示すグラフである。このグラフは、全ての製剤が、従来の注射器を用いて注射可能であることを示している。
【
図4】
図4は、本発明の様々な組成物の候補製剤からの一定期間(日数)にわたるインビトロ累積放出率曲線を示すグラフである。番号177、246、224、225、及び250として記載されている組成物は、表1に記載されている。
【
図5】
図5は、候補製剤からのインビトロ放出率を製剤1グラム当たりの1時間当たりのマイクログラム数(μg/h/g製剤)で示すグラフである。番号177、246、224、225、及び250として記載されている組成物は、表1に記載されている。
【
図6】
図6は、一定期間(日数)にわたるM53血漿濃度を1ミリリットル当たりのナノグラム数(ng/ml)で示すグラフである。0日目は、組成物が皮下投与された日である。番号177、246、224、225、及び250として記載されている組成物は、表1に記載されている。
【
図7】
図7は、様々なジブロックコポリマーと混合されたトリブロックコポリマーP0.2R5(4単位のエチレンオキシドと24単位の乳酸)をベースとした製剤(詳細は表2を参照)からの一定期間(日数)にわたるアセトアミノフェンのインビトロ累積放出率を示すグラフである。
【
図8】
図8は、様々なジブロックコポリマーと混合されたトリブロックコポリマーP0.2R14(4単位のエチレンオキシドと58単位の乳酸)をベースとした製剤(詳細は表2を参照)からの一定期間(日数)にわたるアセトアミノフェンのインビトロ累積放出率を示すグラフである。
【
図9】
図9は、様々なジブロックコポリマーと混合されたトリブロックコポリマーP0.2R22(4単位のエチレンオキシドと89単位の乳酸)をベースとした製剤(詳細は表2を参照)からの一定期間(日数)にわたるアセトアミノフェンのインビトロ累積放出率を示すグラフである。
【
図10】
図10は、様々なジブロックコポリマーと混合されたトリブロックコポリマーP0.4R4(9単位のエチレンオキシドと41単位の乳酸)をベースとした製剤(詳細は表2を参照)からの一定期間(日数)にわたるアセトアミノフェンのインビトロ累積放出率を示すグラフである。
【
図11】
図11は、様々なジブロックコポリマーと混合されたトリブロックコポリマーP0.4R7(9単位のエチレンオキシドと67単位の乳酸)をベースとした製剤(詳細は表2を参照)からの一定期間(日数)にわたるアセトアミノフェンのインビトロ累積放出率を示すグラフである。
【
図12】
図12は、様々なジブロックコポリマーと混合されたトリブロックコポリマーP0.6R1(13単位のエチレンオキシドと26単位の乳酸)をベースとした製剤(詳細は表2を参照)からの一定期間(日数)にわたるアセトアミノフェンのインビトロ累積放出率を示すグラフである。
【
図13】
図13は、様々なジブロックコポリマーと混合されたトリブロックコポリマーP0.6R3(13単位のエチレンオキシドと40単位の乳酸)をベースとした製剤(詳細は表2を参照)からの一定期間(日数)にわたるアセトアミノフェンのインビトロ累積放出率を示すグラフである。
【
図14】
図14は、様々なジブロックコポリマーと混合されたトリブロックコポリマーP0.6R4(13単位のエチレンオキシドと55単位の乳酸)をベースとした製剤(詳細は表2を参照)からの一定期間(日数)にわたるアセトアミノフェンのインビトロ累積放出率を示すグラフである。
【
図15】
図15は、様々なジブロックコポリマーと混合されたトリブロックコポリマーP1R2(22単位のエチレンオキシドと47単位の乳酸)をベースとした製剤(詳細は表2を参照)からの一定期間(日数)にわたるアセトアミノフェンのインビトロ累積放出率を示すグラフである。
【
図16】
図16は、様々なジブロックコポリマーと混合されたトリブロックコポリマーP1R3(22単位のエチレンオキシドと68単位の乳酸)をベースとした製剤(詳細は表2を参照)からの一定期間(日数)にわたるアセトアミノフェンのインビトロ累積放出率を示すグラフである。
【
図17】
図17は、様々なジブロックコポリマーと混合されたトリブロックコポリマーP1R4(22単位のエチレンオキシドと88単位の乳酸)をベースとした製剤(詳細は表2を参照)からの一定期間(日数)にわたるアセトアミノフェンのインビトロ累積放出率を示すグラフである。
【
図18】
図18は、様々なジブロックコポリマーと混合されたトリブロックコポリマーP2R2(45単位のエチレンオキシドと88単位の乳酸)をベースとした製剤(詳細は表2を参照)からの一定期間(日数)にわたるアセトアミノフェンのインビトロ累積放出率を示すグラフである。
【
図19】
図19は、様々なジブロックコポリマーと混合されたトリブロックコポリマーP2R3(45単位のエチレンオキシドと157単位の乳酸)をベースとした製剤(詳細は表2を参照)からの一定期間(日数)にわたるアセトアミノフェンのインビトロ累積放出率を示すグラフである。
【
図20】
図20は、様々なジブロックコポリマーと混合されたトリブロックコポリマーP2R5(45単位のエチレンオキシドと216単位の乳酸)をベースとした製剤(詳細は表2を参照)からの一定期間(日数)にわたるアセトアミノフェンのインビトロ累積放出率を示すグラフである。
【
図21】
図21は、様々なジブロックコポリマーと混合されたトリブロックコポリマーP3R1(68単位のエチレンオキシドと66単位の乳酸)をベースとした製剤(詳細は表2を参照)からの一定期間(日数)にわたるアセトアミノフェンのインビトロ累積放出率を示すグラフである。
【
図22】
図22は、様々なジブロックコポリマーと混合されたトリブロックコポリマーP3R2(68単位のエチレンオキシドと154単位の乳酸)をベースとした製剤(詳細は表2を参照)からの一定期間(日数)にわたるアセトアミノフェンのインビトロ累積放出率を示すグラフである。
【
図23】
図23は、様々なジブロックコポリマーと混合されたトリブロックコポリマーP3R3(68単位のエチレンオキシドと218単位の乳酸)をベースとした製剤(詳細は表2を参照)からの一定期間(日数)にわたるアセトアミノフェンのインビトロ累積放出率を示すグラフである。
【
図24】
図24は、様々なジブロックコポリマーと混合されたトリブロックコポリマーP6R0.9(136単位のエチレンオキシドと125単位の乳酸)をベースとした製剤(詳細は表2を参照)からの一定期間(日数)にわたるアセトアミノフェンのインビトロ累積放出率を示すグラフである。
【
図25】
図25は、様々なジブロックコポリマーと混合されたトリブロックコポリマーP6R1.6(136単位のエチレンオキシドと218単位の乳酸)をベースとした製剤(詳細は表2を参照)からの一定期間(日数)にわたるアセトアミノフェンのインビトロ累積放出率を示すグラフである。
【
図26】
図26は、様々なジブロックコポリマーと混合されたトリブロックコポリマーP6R2(136単位のエチレンオキシドと272単位の乳酸)をベースとした製剤(詳細は表2を参照)からの一定期間(日数)にわたるアセトアミノフェンのインビトロ累積放出率を示すグラフである。
【
図27】
図27は、異なる比でジブロックコポリマーdP0.4R6(7単位のエチレンオキシドと42単位の乳酸)と混合されたトリブロックコポリマーP2R4(45単位のエチレンオキシドと157単位の乳酸)をベースとした製剤(詳細は表2を参照)からの一定期間(日数)にわたるアセトアミノフェンのインビトロ累積放出率を示すグラフである。
【
図28】
図28は、異なる比でジブロックコポリマーdP0.6R5(12単位のエチレンオキシドと54単位の乳酸)と混合されたトリブロックコポリマーP2R4(45単位のエチレンオキシドと157単位の乳酸)をベースとした製剤(詳細は表2を参照)からの一定期間(日数)にわたるアセトアミノフェンのインビトロ累積放出率を示すグラフである。
【
図29】
図29は、異なる比でジブロックコポリマーdP0.2R13(3単位のエチレンオキシドと39単位の乳酸)と混合されたトリブロックコポリマーP2R5(45単位のエチレンオキシドと216単位の乳酸)をベースとした製剤(詳細は表2を参照)からの一定期間(日数)にわたるアセトアミノフェンのインビトロ累積放出率を示すグラフである。
【
図30】
図30は、製剤番号33(10%BN/8%P2R2/32%dP0.4R10)、製剤番号47(10%BN/8%P2R2/32%dP1R3)、及び製剤番号58(10%BN/10%P0.4R8/40%dP1R2)からの一定期間(日数)にわたるブプレノルフィンのインビトロ放出率を示すグラフグラフである。
【
図31】
図31は、製剤番号33(10%BN/8%P2R2/32%dP0.4R10)、製剤番号47(10%BN/8%P2R2/32%dP1R3)、及び製剤番号58(10%BN/10%P0.4R8/40%dP1R2)が注射されたラットにおける一定期間(日数)にわたるブプレノルフィンの血漿濃度を示すグラフである。
【
図32】
図32は、異なる比でジブロックポリマーdP0.2R13(3単位のエチレンオキシドと39単位の乳酸)と混合されたトリブロックポリマーP2R5(45単位のエチレンオキシドと216単位の乳酸)をベースとした製剤(詳細は表2を参照)からの一定期間(日数)にわたるリスペリドンのインビトロ放出率を示すグラフである。
【
図33】
図33は、製剤番号10(5%RSP/16%P2R2/24%dP2R2/DMSO)、製剤番号29(10%RSP/24%P1R4/16%dP0.4R5/DMSO)、及び製剤番号31(10%RSP/18%P2R4/12%dP0.4R5/DMSO)が注射されたラットにおける一定期間(日数)にわたるリスペリドン及び9-OHリスペリドンの血漿濃度を示すグラフである。
【
図34】
図34は、製剤番号7(5%IVM/15%P3R3/25%dP0.4R5/DMSO)、製剤番号9(5%IVM/15%P2R4/25%dP2R3/DMSO)、及び製剤番号10(5%IVM/15%P2R5/25%dP2R2/DMSO)が注射されたイヌにおける一定期間(日数)にわたるイベルメクチンの血漿濃度を示すグラフである。
【
図35】
図35は、候補製剤からの酢酸メドロキシプロゲステロン(MPA)のインビトロ放出率を1日当たりの製剤1グラム当たりのミリグラム数(mg MPA/g製剤/日)で示すグラフである。番号33、34、及び49として記載されている製剤は、表6に記載されている。Depo-SubQ Proveraで得られるインビトロ放出が対照として示されている。
【
図36】
図36は、表6に記載の33、34、及び49として記載されている製剤からの一定期間(日数)にわたる酢酸メドロキシプロゲステロンのインビトロ累積放出率を示すグラフである。Depo-SubQ Proveraで得られるインビトロ放出が対照として示されている。
【
図37】
図37は、候補製剤からの酢酸メドロキシプロゲステロンのインビトロ放出率を1日当たりの製剤1グラム当たりのミリグラム数(mg MPA/g製剤/日)で示すグラフである。番号2、32、及び36として記載されている製剤は、表6に記載されている。Depo-SubQ Proveraで得られるインビトロ放出が対照として示されている。
【
図38】
図38は、表6に記載されている1日当たりの12、32、及び36として記載されている製剤からの酢酸メドロキシプロゲステロンのインビトロ累積放出率を示すグラフである。Depo-SubQ Proveraで得られるインビトロ放出が対照として示されている。
【
図39】
図39は、表6に記載の製剤33、34、及び49が注射された雌イヌにおける一定期間(日数)にわたる酢酸メドロキシプロゲステロン(MPA)の血漿濃度を示すグラフである。各々のイヌは、単回3mg/kgのMPA投与を受けた。
【
図40】
図40は、表6に記載されている製剤12、32、及び36が注射されたイヌにおける一定期間(日数)にわたる酢酸メドロキシプロゲステロン(MPA)の血漿濃度を示すグラフである。製剤32、36、及び対照群(Depo-subQ-Proveraを受けたもの)について、各々のイヌは、単回3mg/kgのMPA投与を受けた。製剤12を受ける群には、6mg/kgのMPAを投与した。
【
図41】
図41は、表6に記載の製剤7、10、及び13からの一定期間(日数)にわたる酢酸メドロキシプロゲステロン(MPA)のインビトロ全放出率を示すグラフである。
【
図42】
図42は、表6に記載の製剤32及び33からの一定期間(日数)にわたる酢酸メドロキシプロゲステロン(MPA)のインビトロ全放出率を示すグラフである。
【
図43】
図43は、表6に記載の製剤25、27、及び30からの一定期間(日数)にわたる酢酸メドロキシプロゲステロン(MPA)のインビトロ全放出率を示すグラフである。
【
図44】
図44は、表7に記載の製剤11、13、及び7からの一定期間(日数)にわたるプロゲステロン(Pro)のインビトロ全放出率を示すグラフである。
【
図45】
図45は、表7に記載の製剤10、12、及び5からの一定期間(日数)にわたるプロゲステロン(Pro)のインビトロ全放出率を示すグラフである。
【
図46】
図46は、表8に記載の製剤7、8、及び9からの一定期間(日数)にわたるレボノルゲストレル(Levo)のインビトロ全放出率を示すグラフである。
【
図47】
図47は、表8に記載の製剤4、5、及び6からの一定期間(日数)にわたるレボノルゲストレル(Levo)のインビトロ全放出率を示すグラフである。
【
図48】
図48は、表9に記載の製剤19、20、21、22、23、及び24からの一定期間(日数)にわたるシクロスポリン(CSP)のインビトロ全放出率を示すグラフである。
【
図49】
図49は、表10に記載の42、47、37、35、及び34に基づく製剤からの一定期間(日数)にわたるブピバカイン塩基(Bupi)のインビトロ全放出率を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0053】
(好ましい実施態様の説明)
本明細書で使用されるように、「生分解性」という用語は、トリブロック及びジブロックコポリマーが、一定期間後にインビボで侵食又は分解して、より小さい非毒性成分を形成することを意味する。
【0054】
「非経口投与」という用語は、筋内内、腹腔内、腹部内、皮下、静脈内、及び動脈内へのものを含む。これは、皮内、空洞内、硝子体内、脳内、くも膜下、硬膜外、及び骨内投与も包含する。
【0055】
「動物」という用語は、動物界の全てのメンバーを包含する。
【0056】
本明細書で使用されるように、「植物」という用語は、植物界の全てのメンバーを包含する。
【0057】
「活性成分」は、様々な医学的疾患を治療するための薬物又は薬剤を意味する。したがって、活性成分、薬物、及び薬剤は、互換的に使用される。本明細書で使用される、薬物又は活性成分という用語は、限定するものではないが、動物又は植物の体に局所的又は全身的に作用する生理活性物質又は薬理活性物質を含む。少なくとも1つの活性成分が、本発明の生分解性薬物組成物中に存在する。
【0058】
本明細書で使用されるように、「疾患」は、感染、食事によるか、又はプロセスの不完全な機能によって引き起こされる、人間、動物、又は植物における任意の障害を意味する。
【0059】
「インプラント」という用語は、薬物送達組成物が、注射可能であり、その場で形成され、生分解性であり、体内に注射されると固形インプラントになることを意味する。したがって、合成される製剤は、過度の力を加えなくてもシリンジで容易に注射することができるような液体である。
【0060】
「空間的製剤」という用語は、動物又は植物の体の表面又は内部に適用することができ、必ずしもシリンジで投与する必要のない任意の製剤を包含する。
【0061】
本明細書で使用されるように、「反復単位」は、ポリマーの基本的な繰り返し単位である。
【0062】
「エンドキャップポリエチレングリコール」(cPEG)は、1つの末端ヒドロキシル基が反応させられるPEGを指し、アルコキシキャップPEG、ウレタンキャップPEG、エステルキャップPEG、及び同様の化合物を含む。キャッピング基は、ラクチド、グリコラクチド、及びカプロラクトンなどのような環状エステル、又は他のエステル、並びにこれらの混合物と反応しやすい化学的機能を含まない化学基である。エンドキャップPEGポリマーとラクチドとの反応により、ジブロックcPEG-PLAコポリマーが生成する。
【0063】
本明細書で使用されるように、本出願を通じてPEGと略記されるポリエチレングリコールは、ポリ(エチレンオキシド)又はポリ(オキシエチレン)とも呼ばれ、これらの用語は、本発明において互換的に使用される。
【0064】
「PLA」という略語は、ポリ(乳酸)を指す。
【0065】
「PLGA」という略語は、ポリ(乳酸-コ-グリコール酸)を指す。
【0066】
「T」又は「TB」という略語は、トリブロックコポリマー(複数可)を指し、「D」又は「DB」という略語は、ジブロックコポリマー(複数可)を指す。
【0067】
本明細書で使用される「ジブロック」という用語は、例えば、エンドキャップPEG-ポリエステルコポリマーを指す。「mPEG」は、メトキシポリエチレングリコールを指す。
【0068】
「トリブロック」という用語は、例えば、ポリエステル-PEG-ポリエステルコポリマーを指す。
【0069】
本明細書で使用されるように、「部分懸濁液」という用語は、医薬活性成分が部分的に可溶性かつ部分的に固体の形態であることを意味する。
【0070】
本明細書で使用されるように、医薬活性成分に言及する場合の「疎水性」は、水溶液への溶解度が乏しい薬物を意味する。国際純正・応用化学連合(IUPAC)は、溶解度を「所定の溶媒中の所定の溶質の割合として表される飽和溶液の分析組成」と定義している。物質は、0.1gを上回るその物質が250℃で100mlの蒸留水に溶解する場合、溶解性と言われる。0.1g未満が250℃で100mlの蒸留水に溶解する場合、該物質は、特定の温度で難溶性又は不溶性である。
【0071】
LA/EO比は、生分解性薬物送達組成物中に存在する乳酸単位対エチレンオキシド単位のモル比を指す。これは、NMRにより実験的に決定される。組み合わせトリブロックコポリマーのLA/EOモル比は、0.5〜3.5の範囲とすることができる。別の態様において、トリブロック中のLA/EOモル比は、本明細書に記載の生分解性薬物送達組成物中で、0.5〜2.5の範囲とすることができる。また別の態様において、トリブロック中のLA/EO比は、0.5〜22.3の範囲とすることができる。
【0072】
ジブロック中のLA/EO比は、2〜6の範囲とすることができる。別の態様において、ジブロック中のLA/EO比は、生分解性薬物送達組成物中で、3〜5の範囲とすることができる。別の態様において、ジブロック中のLA/EO比は、0.8〜13の範囲とすることができる。
【0073】
重合度又はDPは、重合反応中の時間tにおける平均ポリマー鎖中の反復単位の数である。例えば、PEGの重合度を約45〜170とするか、又は4〜273もしくは3〜45もしくは0.55〜68とすることができ、一方、PLAについては、重合度を約84〜327の範囲とすることができるか、又は24〜682もしくは7〜327もしくは39.9〜170とすることができる。
【0074】
したがって、本発明は、トリブロックコポリマー及びジブロックコポリマーを含む生分解性薬物組成物に関する。生分解性トリブロックコポリマーは、式:A
v-B
w-A
x(式中、Aはポリエステルであり、Bはポリエチレングリコールであり、v、w、及びxは、例えば、4〜1090又は6〜1090の範囲の反復単位の数であり、v=x又はv≠xである)を有する。wは、PEGの重合度(反復単位の数)である。DP-PEGの重合度は、PEG分子量をEO単位分子量(44Da)で除することにより求められる。v+xは、PLAの重合度(反復単位の数)に等しい。DP-PLAは、DP-PEGにLA/EO比を乗じることにより求められる。
【0075】
しかしながら、トリブロック組成物中のv、w、及びxの反復単位の数は、活性成分の放出の目標時間及び活性成分自体の種類によって異なり得る。したがって、トリブロック中のv、w、及びxの反復単位の数を、4〜1090、又は6〜1090、又は8〜1090、10〜850、20〜700、30〜650の範囲として、v=x又はv≠xとすることができる。例えば、wを273としてx+yを682とし、v=xもしくはv≠xとするか、又はwを136としてx+yを273とし、v=xもしくはv≠xとするか、又はwを45.5としてx+yを546とするか、又はwを273としてx+yを136とすることができる。
【0076】
トリブロック中のPEGのサイズは、194Da〜12,000Daの範囲であることができる。
【0077】
トリブロック中のポリエステルは、ポリ乳酸(PLA)、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリグリコール酸(PGA)、又はポリヒドロキシアルカノエート(PHA)であることができる。一実施態様において、使用されるポリエステルは、ポリ乳酸である。
【0078】
次いで、トリブロックコポリマーを、式:C
y-A
z(式中、Aはポリエステルであり、Cはエンドキャップポリエチレングリコールであり、y及びzは7〜371又は3〜327又は3〜237の範囲の反復単位の数である)を有する生分解性ジブロックコポリマーと組み合わせる。この組合せは、1:3〜1:8又は1:1〜1:19又は3:2〜1:19又は2:3又は4:1又は2.3〜4.1の範囲のトリブロックコポリマー対ジブロックコポリマーの比を有する。
【0079】
エンドキャップポリエチレングリコールの例としては、アルコキシキャップPEG、例えば、メトキシPEG又はエトキシPEG、ウレタンキャップPEG、エステルキャップPEG、アミンキャップPEG、及びアミドキャップPEGが挙げられる。エンドキャップPEGのこのリストは、網羅的なものではなく、当業者であれば、列記されていないさらなるエンドキャップPEGを認識しているであろう。
【0080】
しかしながら、ジブロック組成物中のy及びzの反復単位の数(重合度(DP))も異なり得る。したがって、yを、例えば、7〜43又は3〜45又は0.55〜68の範囲とし、zを、32〜123又は7〜327又は39.9〜170の範囲とすることができる。例えば、yを25としてzを123とするか、yを34.5としてzを123とするか、又はyを45としてzを32とすることができる。DP-PEGの重合度は、キャップPEGのPEG分子量をEO単位分子量(44Da)で除することにより求められる。DP-PLAは、DP-PEGにLA/EO比を乗じることにより求められる。
【0081】
ジブロック中のポリエステルは、ポリ乳酸(PLA)、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリグリコール酸(PGA)、ポリ(乳酸-コ-グリコール酸)(PLGA)、又はポリヒドロキシアルカノエート(PHA)であることができる。一実施態様において、使用されるポリエステルは、ポリ乳酸である。別の実施態様において、該ポリエステルは、ポリ(乳酸-コ-グリコール酸)である。
【0082】
別の態様において、本発明は、(a)式:
A
v-B
w-A
x
(式中、Aはポリエステルであり、Bはポリエチレングリコールであり、v、w、及びxは、4〜1090又は6〜1090の範囲の反復単位の数であり、v及びxは、エステル反復単位であり、wはエチレンオキシド反復単位であり、v=x又はv≠xである)を有する生分解性トリブロックコポリマー;(b)式:
C
y-A
z
(式中、Aはポリエステルであり、Cはエンドキャップポリエチレングリコールであり、y及びzは、7〜371又は3〜237の範囲の反復単位の数であり、yはエチレンオキシド反復単位の数であり、zはエステル反復単位の数である)を有する生分解性ジブロックコポリマー(ここで、(a)の生分解性トリブロックコポリマーと(b)の生分解性CAジブロックコポリマーの比は、該生分解性薬物組成物中で1:3〜1:8又は1:1〜1:19又は3:2〜1:19である);並びに(c)少なくとも1つの医薬活性成分を含む、生分解性薬物送達組成物を提供する。
【0083】
別の態様において、本発明は、(a)式:
A
v-B
w-A
x
(式中、Aはポリエステルであり、Bはポリエチレングリコールであり、v、w、及びxは、4〜1090又は6〜1090の範囲の反復単位の数であり、v及びxは、エステル反復単位であり、wはエチレンオキシド反復単位であり、v=x又はv≠xである)を有する生分解性トリブロックコポリマー;(b)式:
C
y-A
z
(式中、Aはポリエステルであり、Cはエンドキャップポリエチレングリコールであり、y及びzは、7〜371又は3〜237の範囲の反復単位の数であり、yはエチレンオキシド反復単位の数であり、zはエステル反復単位の数である)を有する生分解性ジブロックコポリマー(ここで、(a)の生分解性トリブロックコポリマーと(b)の生分解性CAジブロックコポリマーの比は、該生分解性薬物組成物中で1:3〜1:8又は1:1〜1:19又は3:2〜1:19又は2:3又は4:1又は2.3〜4.1である);並びに(c)少なくとも1つの疎水性医薬活性成分を含む、生分解性薬物送達組成物を提供する。
【0084】
別の態様において、本発明は、(a)式:
A
v-B
w-A
x
(式中、Aはポリエステルであり、Bはポリエチレングリコールであり、v、w、及びxは、4〜1090又は6〜1090の範囲の反復単位の数であり、v及びxは、エステル反復単位であり、wはエチレンオキシド反復単位であり、v=x又はv≠xである)を有する生分解性トリブロックコポリマー;(b)式:
C
y-A
z
(式中、Aはポリエステルであり、Cはエンドキャップポリエチレングリコールであり、y及びzは、7〜371又は3〜237の範囲の反復単位の数であり、yはエチレンオキシド反復単位の数であり、zはエステル反復単位の数である)を有する生分解性ジブロックコポリマー(ここで、(a)の生分解性トリブロックコポリマーと(b)の生分解性CAジブロックコポリマーの比は、該生分解性薬物組成物中で1:3〜1:8又は1:1〜1:19又は3:2〜1:19又は2:3又は4:1又は2.3〜4.1である);並びに(c)そのうちの1つが酢酸メドロキシプロゲステロン、レボノルゲストレル、シクロスポリン、プロゲステロン、又はブピバカインである少なくとも1つの疎水性医薬活性成分を含む、生分解性薬物送達組成物を提供する。
【0085】
別の態様において、本発明は、式:PLA
v-PEG
w-PLA
x(式中、v、w、及びxは、4〜1090又は6〜1090の範囲の反復単位の数であり、v=x又はv≠xである)を有する生分解性トリブロックコポリマー;式: mPEG
y-PLA
z(式中、y及びzは、7〜371又は3〜327の範囲の反復単位の数である)を有する生分解性ジブロックコポリマー(ここで、該生分解性トリブロックコポリマーと該生分解性ジブロックコポリマーの比は、該生分解性薬物組成物中で1:6である);並びに少なくとも1つの医薬活性成分を含む、生分解性薬物送達組成物を提供する。
【0086】
別の態様において、本発明は、式:PLA
v-PEG
w-PLA
x(式中、v、w、及びxは、4〜1090又は6〜1090の範囲の反復単位の数であり、v=x又はv≠xである)を有する生分解性トリブロックコポリマー;式: mPEG
y-PLA
z(式中、y及びzは、7〜371又は3〜327の範囲の反復単位の数である)を有する生分解性ジブロックコポリマー(ここで、該生分解性トリブロックコポリマーと該生分解性ジブロックコポリマーの比は、該生分解性薬物組成物中で1:6である);並びに少なくとも1つの疎水性医薬活性成分を含む、生分解性薬物送達組成物を提供する。
【0087】
別の態様において、本発明は、式:PLA
v-PEG
w-PLA
x(式中、v、w、及びxは、4〜1090又は6〜1090の範囲の反復単位の数であり、v=x又はv≠xである)を有する生分解性トリブロックコポリマー;式: mPEG
y-PLA
z(式中、y及びzは、7〜371又は3〜327の範囲の反復単位の数である)を有する生分解性ジブロックコポリマー(ここで、該生分解性トリブロックコポリマーと該生分解性ジブロックコポリマーの比は、該生分解性薬物組成物中で1:6又は2:3又は3:2又は4:1又は2.3〜4.1である);並びにそのうちの1つが酢酸メドロキシプロゲステロン、レボノルゲストレル、シクロスポリン、プロゲステロン、又はブピバカインである少なくとも1つの疎水性医薬活性成分を含む、生分解性薬物送達組成物を提供する。
【0088】
別の態様において、本発明は、(a)式:
PLA
v-PEG
w-PLA
x
(式中、v、w、及びxは、4〜1090又は6〜1090の範囲の反復単位の数であり、v=x又はv≠xである)を有する生分解性トリブロックコポリマー;(b)式:
mPEG
y-PLA
z
(式中、y及びzは、7〜371又は3〜237の範囲の反復単位の数である)を有する生分解性ジブロックコポリマー(ここで、(a)の生分解性トリブロックコポリマーと(b)の生分解性ジブロックコポリマーの比は、該生分解性薬物組成物中で1:4である);並びに(c)少なくとも1つの医薬活性成分を含む、生分解性薬物送達組成物を提供する。
【0089】
別の態様において、本発明は、(a)式:
PLA
v-PEG
w-PLA
x
(式中、v、w、及びxは、4〜1090又は6〜1090の範囲の反復単位の数であり、v=x又はv≠xである)を有する生分解性トリブロックコポリマー;(b)式:
mPEG
y-PLA
z
(式中、y及びzは、7〜371又は3〜237の範囲の反復単位の数である)を有する生分解性ジブロックコポリマー(ここで、(a)の生分解性トリブロックコポリマーと(b)の生分解性ジブロックコポリマーの比は、該生分解性薬物組成物中で1:4である);並びに(c)少なくとも1つの疎水性医薬活性成分を含む、生分解性薬物送達組成物を提供する。
【0090】
別の態様において、本発明は、(a)式:
PLA
v-PEG
w-PLA
x
(式中、v、w、及びxは、4〜1090又は6〜1090の範囲の反復単位の数であり、v=x又はv≠xである)を有する生分解性トリブロックコポリマー;(b)式:
mPEG
y-PLA
z
(式中、y及びzは、7〜371又は3〜237の範囲の反復単位の数である)を有する生分解性ジブロックコポリマー(ここで、(a)の生分解性トリブロックコポリマーと(b)の生分解性ジブロックコポリマーの比は、該生分解性薬物組成物中で1:4又は2:3又は3:2又は4:1又は2.3〜4.1である);並びに(c)そのうちの1つが酢酸メドロキシプロゲステロン、レボノルゲストレル、シクロスポリン、プロゲステロン、又はブピバカインである少なくとも1つの疎水性医薬活性成分を含む、生分解性薬物送達組成物を提供する。
【0091】
(a)の生分解性トリブロックコポリマーと(b)の生分解性CAジブロックコポリマーの比は、該生分解性薬物組成物中で、1:3〜1:8又は1:1〜1:19又は3:2〜1:19である。一実施態様において、該生分解性トリブロックコポリマーと該生分解性CAジブロックコポリマーの比は、1:3、1:4、1:5、1:6、1:7、及び1:8、又は1:1、1:2、1:3、1:4、1:5、1:6、1:7、1:8、1:9、1:10、1:11、1:12、1:13、1:14、1:15、1:16、1:17、1:18、及び1:19の群から選択される。これは、3:2又は2:3又は4:1であることもできる。別の態様において、該トリブロック対該ジブロックの比は、1:6である。
【0092】
ポリエステル鎖の長さは、そのポリエステル対エチレンオキシドモル比によって規定され、該モル比は、トリブロックコポリマーについては0.5〜3.5又は0.5〜2.5又は0.5〜22.3、及びジブロックコポリマーについては3〜5又は2〜6又は0.8〜13である。したがって、例えば、ポリ乳酸が使用される場合、鎖長は、乳酸/エチレンオキシドモル比によって規定される。同様に、ポリグリコール酸が使用される場合、鎖長は、ポリグリコール酸/エチレンオキシドモル比又はポリカプロラクトン/エチレンオキシドモル比又はポリヒドロキシアルカノエート/エチレンオキシドモル比によって規定される。ポリ(乳酸-コ-グリコール)酸が使用される場合、鎖長は、LA+G/EOの比によって規定される。
【0093】
エンドキャップポリエチレングリコールの質量は、164Da〜2,000Da又は100Da〜2kDaの範囲であることができる。該質量は、より小さい100〜300Daの範囲又は1kDa〜2kDaの範囲で変動することができる。
【0094】
ポリエチレングリコール鎖のサイズは、生分解性薬物送達組成物中、200Da〜12kDaの範囲であり、又は該サイズは、400Da〜12kDaもしくは194Da〜12kDAの範囲であることができる。
【0095】
ポリマーは、該組成物の総重量の20%〜50%(w%/w%)の量で存在する。別の態様において、生分解性薬物組成物中に存在するポリマーの総重量は、該組成物の総重量の30%〜50%(w%/w%)である。また別の態様において、ポリマーは、生分解性薬物組成物中、該組成物の総重量の40%〜50%(w%/w%)で存在する。別の態様において、ポリマーは、全組成物の5%〜40%(w%/w%)又は全組成物の5%〜50%(w%/w%)の量で存在する。また別の態様において、ポリマーは、生分解性薬物組成物中、該組成物の総重量の2.5%〜40%(w%/w%)又は2.5%〜50%(w%/w%)で存在する。
【0096】
したがって、トリブロックコポリマーは、該組成物の総重量の3.0%〜45%(w%/w%)の量で存在する。別の態様において、トリブロックコポリマーは、該組成物の総重量の6%〜10%(w%/w%)の量で存在する。また別の態様において、トリブロックコポリマーは、該組成物の総重量の20%〜40%(w%/w%)の量で存在する。また別の態様において、トリブロックコポリマーは、該組成物の総重量の1.2%〜30%(w%/w%)又は該組成物の総重量の1.2%〜45%(w%/w%)の量で存在する。
【0097】
別の実施態様において、トリブロックコポリマーは、該組成物の総重量の3.3%〜4.0%(w%/w%)又は3.5%(w%)又は4.0%(w%)又は1.9%〜4.0%(w%/w%)で存在する。
【0098】
同様に、ジブロックコポリマーは、生分解性薬物組成物中、該組成物の総重量の8%〜50%(w%/w%)の量で存在することができる。別の態様において、ジブロックコポリマーは、該組成物の総重量の10%〜20%(w%/w%)の量で存在する。また別の態様において、ジブロックコポリマーは、該組成物の総重量の20%〜40%(w%/w%)の量で存在する。また別の態様において、ジブロックコポリマーは、該組成物の総重量の1%〜28%(w%/w%)又は該組成物の総重量の1%〜50%(w%/w%)で存在する。
【0099】
また別の実施態様において、ジブロックは、該組成物の総重量の2.48%〜5.02%(w%/w%)又は2.3%〜5.4%(w%/w%)又は2.5%〜5.1%(w%/w%)又は2.3%(w%)又は2.3%〜5.8%(w%/w%)の量で存在する。
【0100】
少なくとも1つの医薬活性成分が、トリブロック:ジブロック生分解性薬物送達組成物中に封入されている。本発明で使用される代表的な薬物及び生体活性物質としては、限定するものではないが、ペプチド薬、タンパク質薬、脱感作剤、抗原、ワクチン、ワクチン抗原、抗感染症薬、抗生物質、抗菌薬、抗アレルギー薬、抗糖尿病薬、ステロイド性抗炎症剤、充血除去剤、縮瞳薬、抗コリン作動薬、交感神経様作用薬、鎮静薬、催眠薬、精神賦活薬、精神安定薬、アンドロゲン性ステロイド、エストロゲン、プロゲステロン作用剤、酢酸メドロキシプロゲステロン、体液性物質(humoral agent)、プロスタグランジン、鎮痛薬、コルチコステロイド、鎮痙薬、抗マラリア薬、抗ヒスタミン薬、心臓作用剤、非ステロイド性抗炎症剤、抗パーキンソン病剤、抗高血圧剤、β-アドレナリン遮断剤、栄養剤、ゴナドトロピン放出ホルモンアゴニスト、殺虫剤、抗蠕虫剤(anti-helminthic agent)、及びベンゾフェナントリジンアルカロイドが挙げられる。
【0101】
したがって、薬物の組合せも、本発明の生分解性薬物送達組成物中で使用することができる。例えば、エリテマトーデスを治療する必要がある場合、本発明では、非ステロイド性抗炎症薬及びコルチコステロイドを一緒に投与することができる。
【0102】
一実施態様において、医薬活性成分は、水溶液への溶解度が低いか、又は水溶液に溶けない疎水性薬物である。疎水性薬物は本明細書に記載されており、これには、例えば、アンホテリシン、アントラリン、ベクロメタゾン、ベタメタゾン、カンプトテシン、クルクミン、デキサメタゾン、ゲニステイン、インドメタシン、リドカイン、タキソール、テトラサイクリン、トレチノイン、水に溶けない治療用タンパク質などが含まれる。一実施態様において、医薬活性成分は、酢酸メドロキシプロゲステロン、レボノルゲストレル、シクロスポリン、プロゲステロン、又はブピバカインである。
【0103】
獣医用医薬品、例えば、蠕虫の治療用の薬剤又は動物用ワクチンも、本発明の一部である。疎水性獣医用薬物も、本明細書に記載の生分解性薬物組成物中に製剤化することができる。
【0104】
例えば、ポチウイルス科(Potyviridae)ウイルス、ジェミニウイルス科(Geminiviridae)ウイルス、ブニヤウイルス科(Bunyaviridiae)のトスポウイルス属(Tospovirus genus)ウイルス、及びバナナ条斑ウイルスに対する植物用ウイルス薬も本発明に包含される。また、タバコモザイクウイルス、カブクリンクルウイルス、大麦黄化萎縮ウイルス、リングスポットウォーターメロンウイルス(ring spot watermelon virus)、及びキュウリモザイクウイルスに対する薬剤を、本発明の生分解性薬物送達組成物中で使用することができる。植物用の疎水性ウイルス薬も、本明細書に記載の生分解性薬物組成物中に製剤化することができる。
【0105】
当業者にとって、水性環境で放出させることができる他の薬物又は生体活性物質は、記載された送達系で利用することができる。また、様々な形態の薬物又は生体活性物質も使用することができる。これらには、限定するものではないが、例えば、非荷電性分子、分子複合体、塩、エーテル、エステル、アミドなどの形態が含まれ、これらは、動物又は植物に注射されるか、或いは動物もしくは植物の体の表面もしくは内部に適用することができるような空間的製剤として、又はロッドインプラントとして使用されると、生物学的に活性化される。
【0106】
活性成分又は疎水性活性成分の医薬有効量は、活性成分、動物又は植物の病状の程度、及び活性成分又は疎水性活性成分の送達に必要な時間によって異なり得る。シリンジ針から注射される許容し得る溶液粘度又は分散粘度のポリマー溶液を除き、及びそれが動物又は植物に過剰摂取させることなく病状を効果的に治療することができる限り、ポリマー溶液に取り込まれる活性成分又は疎水性活性成分の量に決定的な上限はない。送達系に取り込まれる活性成分又は疎水性活性成分の下限は、単に該活性成分又は疎水性活性成分の活性及び治療に必要な時間の長さによって決まる。
【0107】
例えば、一部の活性成分又は疎水性活性成分は、生分解性薬物送達組成物中、10〜200mg/mlで存在し得る。別の態様において、薬物は、10〜40μg/mlの量で存在すべきである。別の態様において、薬物は、10〜500mg/mlの量で存在すべきである。小分子の場合、例えば、活性成分は、1ml当たり100〜200mgもの量で充填することができる。
【0108】
一般に、医薬活性成分は、該組成物の総重量の1%〜20%(w%/w%)の量で存在する。別の態様において、該活性成分は、該組成物の総重量の1%〜4%(w%/w%)存在する。別の態様において、該活性成分は、該組成物の総重量の2%〜4%(w%/w%)で存在する。また別の態様において、該活性成分は、小分子であり、該組成物の総重量の10%〜20%(w%/w%)の量で存在する。別の態様において、該活性成分は、全組成物の10%〜40%(w%/w%)の量で存在する。別の実施態様において、医薬活性のある疎水性活性成分は、1%〜40%(w%/w%)の量で存在する。
【0109】
例として、酢酸メドロキシプロゲステロンは、生分解性薬物送達組成物の総重量の10%〜40%(w%/w%)の量で存在することができ;プロゲステロンは、生分解性薬物送達組成物の総重量の20%〜40%(w%/w%)の量で存在することができ;シクロスポリンは、生分解性薬物送達組成物の総重量の5%〜21.1%(w%/w%)の量で存在することができ;レボノルゲストレルは、生分解性薬物送達組成物の総重量の10%〜20%(w%/w%)の量で存在することができ;ブピバカインは、生分解性薬物送達組成物の総重量の1%〜15%(w%/w%)の量で存在することができる。
【0110】
本発明の生分解性薬物送達組成物では、医薬有効量を長期間にわたって徐々に放出させることができる。この徐放は、連続又は不連続、線形又は非線形であり得、トリブロックコポリマー及びジブロックコポリマーの組成によって異なり得る。したがって、ポリエチレングリコール含量と比べたトリブロック及びジブロックコポリマーの乳酸含量、並びに生分解性薬物組成物中に存在するトリブロック及びジブロックコポリマーの量が多ければ多いほど、活性成分又は疎水性活性成分又は薬物の放出期間が長くなる。言い換えれば、LA/EOモル比が高ければ高いほど、そして、トリブロック及びジブロックコポリマーの重量百分率が大きければ大きいほど、該活性成分又は疎水性活性成分が該薬物組成物から放出されるのにかかる時間が長くなる。
【0111】
必要とされる治療の種類及び使用される生分解性薬物送達組成物に応じて、活性成分又は疎水性活性成分を、7日〜1年、又はそれより長い期間にわたって放出させることができる。一態様において、生分解性薬物送達組成物は、活性成分又は疎水性活性成分を、少なくとも7日間送達することができる。別の態様において、生分解性薬物送達組成物は、活性成分又は疎水性活性成分を、少なくとも30日間送達することができる。一態様において、生分解性薬物送達組成物は、活性成分又は疎水性活性成分を、少なくとも90日間送達することができる。また別の態様において、生分解性薬物送達組成物は、活性成分又は疎水性活性成分を、1年以上送達することができる。
【0112】
生分解性薬物送達組成物は、室温の注射液又は部分懸濁液であり、過度の力を加えなくてもシリンジで注射することができる。しかしながら、これらの生分解性薬物送達組成物はまた、その場で形成され、生分解性であり、動物又は植物に注射されると固形インプラントになる。或いは、生分解性薬物組成物は、固形物として製造され、小粒子として調製され、粉末として使用され、損傷部位に振りかけられる。別の態様において、該薬物送達組成物は、皮下又は体の別の区画に埋め込むことができるロッドインプラントである。別の態様において、該薬物送達組成物は、薄膜として調製し、適用することができる。また別の態様において、生分解性送達薬物組成物は、動物又は植物の体の表面又は内部に適用することができるように、空間的製剤として使用することができる。これは、眼を含め、体のどこにでも適用することができる。別の態様において、生分解性薬物組成物は、部分懸濁液として製造することができ、該薬物は、部分的に可溶性である状態と部分的に固体である状態の中間にある。
【0113】
生分解性薬物送達組成物は、医薬として許容し得る担体、アジュバント、又はビヒクルをさらに含むことができる。許容し得る担体は、生理食塩水、緩衝生理食塩水などであることができる。これは、生分解性薬物送達組成物を薬物並びにジブロックコポリマー及びトリブロックコポリマーで製剤化した後に、該組成物に添加することができる。
【0114】
アジュバントは、薬物を混合するときに同時に製剤化することができる。これに関連して、使用することができるアジュバントは、ミョウバン、リン酸アルミニウム、リン酸カルシウム、MPL(商標)、CpGモチーフ、修飾毒素、サポニン、内因性刺激アジュバント、例えば、サイトカイン、フロイント完全及び不完全アジュバント、ISCOM型アジュバント、ムラミルペプチドなどである。
【0115】
ビヒクルは、必要なときに生分解性薬物送達組成物中で活性成分の送達を変化させ得る任意の希釈剤、追加の溶媒、充填剤、又は結合剤であることができる。例として、少量のトリグリセリド、例えば、トリアセチン又はトリプロピオニンが挙げられる。本発明のこの生分解性薬物送達組成物に使用することができる量は、12%〜20%(w%/w%)と様々であり得る。一態様において、トリアセチンを、製剤に、17.0%(w%/w%)で添加することができる。別の態様において、トリプロピオニン(本明細書ではTriproと略記される)を16%(w%/w%)で添加することができる。また別の態様において、ベンジルアルコールを15%〜35%(w%/w)で添加することができる。
【0116】
本発明の生分解性薬物送達組成物を調製する方法も本発明に包含される。この方法は:(i)有機溶媒に、(a)式:A
v-B
w-A
x(式中、Aはポリエステルであり、Bはポリエチレングリコールであり、v、w、及びxは、4〜1090又は6〜1090の範囲の反復単位の数である)を有する生分解性ABA型ブロックコポリマー;並びに(b)式:C
y-A
z(式中、Aはポリエステルであり、Cはエンドキャップポリエチレングリコールであり、y及びzは、7〜371又は3〜237の範囲の反復単位の数である)を有する生分解性ジブロックコポリマーを、1:3〜1:8又は1:1〜1:19又は3:2〜1:19のトリブロック対ジブロックの比で溶解させて、ポリマー混合物を形成させること;並びに少なくとも1つの医薬活性成分を該ポリマー混合物に添加することを含む。
【0117】
本発明の生分解性薬物送達組成物を調製する方法も本発明に包含される。この方法は:(i)有機溶媒に、(a)式:A
v-B
w-A
x(式中、Aはポリエステルであり、Bはポリエチレングリコールであり、v、w、及びxは、4〜1090又は6〜1090の範囲の反復単位の数である)を有する生分解性ABA型ブロックコポリマー;並びに(b)式:C
y-A
z(式中、Aはポリエステルであり、Cはエンドキャップポリエチレングリコールであり、y及びzは、7〜371又は3〜237の範囲の反復単位の数である)を有する生分解性ジブロックコポリマーを、1:3〜1:8又は1:1〜1:19又は3:2〜1:19又は2:3又は4:1のトリブロック対ジブロックの比で溶解させて、ポリマー混合物を形成させること;並びに少なくとも1つの疎水性医薬活性成分を該ポリマー混合物に添加することを含む。
【0118】
本発明の生分解性薬物送達組成物を調製する方法も本発明に包含される。この方法は:(i)有機溶媒に、(a)式:
A
v-B
w-A
x
(式中、Aはポリエステルであり、Bはポリエチレングリコールであり、v、w、及びxは、4〜1090又は6〜1090の範囲の反復単位の数である)を有する生分解性ABA型ブロックコポリマー;並びに(b)式:
C
y-A
z
(式中、Aはポリエステルであり、Cはエンドキャップポリエチレングリコールであり、y及びzは、7〜371又は3〜237の範囲の反復単位の数である)を有する生分解性ジブロックコポリマーを、1:3〜1:8又は1:1〜1:19又は3:2〜1:19又は2:3又は4:1又は2.3〜4.1のトリブロック対ジブロックの比で溶解させて、ポリマー混合物を形成させること;並びにそのうちの1つが酢酸メドロキシプロゲステロン、レボノルゲストレル、シクロスポリン、プロゲステロン、又はブピバカインである少なくとも1つの疎水性医薬活性成分を該ポリマー混合物に添加することを含む。
【0119】
本発明の生分解性薬物送達組成物を調製する方法であって:(i)有機溶媒に、(a)式:
A
v-B
w-A
x
(式中、Aはポリエステルであり、Bはポリエチレングリコールであり、v、w、及びxは、4〜1090又は6〜1090の範囲の反復単位の数であり、v及びxは、エステル反復単位であり、wはエチレンオキシド反復単位であり、ここで、v=x又はv≠xである)を有する生分解性ABA型ブロックコポリマー;並びに(b)式:
C
y-A
z
(式中、Aはポリエステルであり、Cはエンドキャップポリエチレングリコールであり、y及びzは、7〜371又は3〜237の範囲の反復単位の数であり、yはエチレンオキシド反復単位の数であり、zはエステル反復単位の数である)を有する生分解性ジブロックコポリマーを、1:3〜1:8又は1:1〜1:19又は3:2〜1:19の(a):(b)の比で溶解させて、ポリマー混合物を形成させること;並びに
(ii)少なくとも1つの医薬活性成分を該ポリマー混合物に添加することを含む方法が、本発明のまた別の態様である。
【0120】
本発明の生分解性薬物送達組成物を調製する方法であって:(i)有機溶媒に、(a)式:
A
v-B
w-A
x
(式中、Aはポリエステルであり、Bはポリエチレングリコールであり、v、w、及びxは、4〜1090又は6〜1090の範囲の反復単位の数であり、v及びxは、エステル反復単位であり、wはエチレンオキシド反復単位であり、ここで、v=x又はv≠xである)を有する生分解性ABA型ブロックコポリマー;並びに(b)式:
C
y-A
z
(式中、Aはポリエステルであり、Cはエンドキャップポリエチレングリコールであり、y及びzは、7〜371又は3〜237の範囲の反復単位の数であり、yはエチレンオキシド反復単位の数であり、zはエステル反復単位の数である)を有する生分解性ジブロックコポリマーを、1:3〜1:8又は1:1〜1:19又は3:2〜1:19又は2:3又は4:1又は2.3〜4.1の(a):(b)の比で溶解させて、ポリマー混合物を形成させること;並びに
(ii)少なくとも1つの疎水性医薬活性成分を該ポリマー混合物に添加することを含む方法が、本発明のまた別の態様である。
【0121】
本発明の生分解性薬物送達組成物を調製する方法であって:(i)有機溶媒に、(a)式:
A
v-B
w-A
x
(式中、Aはポリエステルであり、Bはポリエチレングリコールであり、v、w、及びxは、4〜1090又は6〜1090の範囲の反復単位の数であり、v及びxは、エステル反復単位であり、wはエチレンオキシド反復単位であり、ここで、v=x又はv≠xである)を有する生分解性ABA型ブロックコポリマー;並びに(b)式:
C
y-A
z
(式中、Aはポリエステルであり、Cはエンドキャップポリエチレングリコールであり、y及びzは、7〜371又は3〜237の範囲の反復単位の数であり、yはエチレンオキシド反復単位の数であり、zはエステル反復単位の数である)を有する生分解性ジブロックコポリマーを、1:3〜1:8又は1:1〜1:19又は3:2〜1:19又は2:3又は4:1又は2.3〜4.1の(a):(b)の比で溶解させて、ポリマー混合物を形成させること;並びに
(ii)そのうちの1つが酢酸メドロキシプロゲステロン、レボノルゲストレル、シクロスポリン、プロゲステロン、又はブピバカインである少なくとも1つの医薬活性成分を該ポリマー混合物に添加することを含む方法が、本発明のまた別の態様である。
【0122】
また別の態様において、本発明は、本発明の生分解性薬物送達組成物を調製する方法であって:(i)有機溶媒に、(a)式:
A
v-B
w-A
x
(式中、Aはポリエステルであり、Bはポリエチレングリコールであり、v、w、及びxは、4〜1090又は6〜1090の範囲の反復単位の数であり、ここで、v=x又はv≠xである)を有する生分解性ABA型ブロックコポリマー;並びに(b)式:
C
y-A
z
(式中、Aはポリエステルであり、Cはエンドキャップポリエチレングリコールであり、y及びzは、7〜371又は3〜137の範囲の反復単位の数である)を有する生分解性ジブロックコポリマーを、1:3〜1:8又は1:1〜1:19又は3:2〜1:19の(a):(b)の比で溶解させて、ポリマー混合物を形成させること;(ii)少なくとも1つの医薬活性成分を該ポリマー混合物に添加すること;並びに(iii)該溶媒を蒸発させることを含む方法を提供する。
【0123】
また別の態様において、本発明は、本発明の生分解性薬物送達組成物を調製する方法であって:(i)有機溶媒に、(a)式:
A
v-B
w-A
x
(式中、Aはポリエステルであり、Bはポリエチレングリコールであり、v、w、及びxは、4〜1090又は6〜1090の範囲の反復単位の数であり、ここで、v=x又はv≠xである)を有する生分解性ABA型ブロックコポリマー;並びに(b)式:
C
y-A
z
(式中、Aはポリエステルであり、Cはエンドキャップポリエチレングリコールであり、y及びzは、7〜371又は3〜137の範囲の反復単位の数である)を有する生分解性ジブロックコポリマーを、1:3〜1:8又は1:1〜1:19又は3:2〜1:19又は2:3又は4:1又は2.3〜4.1の(a):(b)の比で溶解させて、ポリマー混合物を形成させること;(ii)少なくとも1つの疎水性医薬活性成分を該ポリマー混合物に添加すること;並びに(iii)該溶媒を蒸発させることを含む方法を提供する。
【0124】
また別の態様において、本発明は、本発明の生分解性薬物送達組成物を調製する方法であって:(i)有機溶媒に、(a)式:
A
v-B
w-A
x
(式中、Aはポリエステルであり、Bはポリエチレングリコールであり、v、w、及びxは、4〜1090又は6〜1090の範囲の反復単位の数であり、ここで、v=x又はv≠xである)を有する生分解性ABA型ブロックコポリマー;並びに(b)式:
C
y-A
z
(式中、Aはポリエステルであり、Cはエンドキャップポリエチレングリコールであり、y及びzは、7〜371又は3〜137の範囲の反復単位の数である)を有する生分解性ジブロックコポリマーを、1:3〜1:8又は1:1〜1:19又は3:2〜1:19又は2:3又は4:1又は2.3〜4.1の(a):(b)の比で溶解させて、ポリマー混合物を形成させること;(ii)そのうちの1つが酢酸メドロキシプロゲステロン、レボノルゲストレル、シクロスポリン、プロゲステロン、又はブピバカインである少なくとも1つの疎水性医薬活性成分を該ポリマー混合物に添加すること;並びに(iii)該溶媒を蒸発させることを含む方法を提供する。
【0125】
また別の態様において、本発明は、本発明の生分解性薬物送達組成物を調製する方法であって:(i)有機溶媒に、(a)式:
A
v-B
w-A
x
(式中、Aはポリエステルであり、Bはポリエチレングリコールであり、v、w、及びxは、6〜1090の範囲の反復単位の数であり、v及びxは、エステル反復単位であり、wはエチレンオキシド反復単位であり、ここで、v=x又はv≠xである)を有する生分解性ABA型ブロックコポリマー;並びに(b)式:
C
y-A
z
(式中、Aはポリエステルであり、Cはエンドキャップポリエチレングリコールであり、y及びzは、7〜371又は3〜237の範囲の反復単位の数であり、yはエチレンオキシド反復単位の数であり、zはエステル反復単位の数である)を有する生分解性ジブロックコポリマーを、1:4の(a):(b)の比で溶解させて、ポリマー混合物を形成させること;(ii)少なくとも1つの医薬活性成分を該ポリマー混合物に添加すること;並びに(iii)該溶媒を蒸発させることを含む方法を提供する。
【0126】
また別の態様において、本発明は、本発明の生分解性薬物送達組成物を調製する方法であって:(i)有機溶媒に、(a)式:
A
v-B
w-A
x
(式中、Aはポリエステルであり、Bはポリエチレングリコールであり、v、w、及びxは、6〜1090の範囲の反復単位の数であり、v及びxは、エステル反復単位であり、wはエチレンオキシド反復単位であり、ここで、v=x又はv≠xである)を有する生分解性ABA型ブロックコポリマー;並びに(b)式:
C
y-A
z
(式中、Aはポリエステルであり、Cはエンドキャップポリエチレングリコールであり、y及びzは、7〜371又は3〜237の範囲の反復単位の数であり、yはエチレンオキシド反復単位の数であり、zはエステル反復単位の数である)を有する生分解性ジブロックコポリマーを、1:4の(a):(b)の比で溶解させて、ポリマー混合物を形成させること;(ii)少なくとも1つの疎水性医薬活性成分を該ポリマー混合物に添加すること;並びに(iii)該溶媒を蒸発させることを含む方法を提供する。
【0127】
また別の態様において、本発明は、本発明の生分解性薬物送達組成物を調製する方法であって:(i)有機溶媒に、(a)式:
A
v-B
w-A
x
(式中、Aはポリエステルであり、Bはポリエチレングリコールであり、v、w、及びxは、6〜1090の範囲の反復単位の数であり、v及びxは、エステル反復単位であり、wはエチレンオキシド反復単位であり、ここで、v=x又はv≠xである)を有する生分解性ABA型ブロックコポリマー;並びに(b)式:
C
y-A
z
(式中、Aはポリエステルであり、Cはエンドキャップポリエチレングリコールであり、y及びzは、7〜371又は3〜237の範囲の反復単位の数であり、yはエチレンオキシド反復単位の数であり、zはエステル反復単位の数である)を有する生分解性ジブロックコポリマーを、1:4又は2:3又は3:2又は4:1の(a):(b)の比で溶解させて、ポリマー混合物を形成させること;(ii)そのうちの1つが酢酸メドロキシプロゲステロン、レボノルゲストレル、シクロスポリン、プロゲステロン、又はブピバカインである少なくとも1つの疎水性医薬活性成分を該ポリマー混合物に添加すること;並びに(iii)該溶媒を蒸発させることを含む方法を提供する。
【0128】
別の実施態様は、本発明の生分解性薬物送達組成物を調製する方法であって:(i)有機溶媒に、(a)式:A
v-B
w-A
x(式中、Aはポリエステルであり、Bはポリエチレングリコールであり、v、w、及びxは、4〜1090又は6〜1090の範囲の反復単位の数である)を有する生分解性ABA型ブロックコポリマー;並びに(b)式:C
y-A
z(式中、Aはポリエステルであり、Cはエンドキャップポリエチレングリコールであり、y及びzは、7〜371又は3〜237の範囲の反復単位の数である)を有する生分解性ジブロックコポリマーを、1:6のトリブロック対ジブロックの比で溶解させて、ポリマー混合物を形成させること;少なくとも1つの医薬活性成分を該ポリマー混合物に添加すること;並びに該溶媒を蒸発させることを含む方法を提供する。この態様において、生分解性薬物送達組成物中に溶媒が全く存在しない。
【0129】
別の実施態様は、本発明の生分解性薬物送達組成物を調製する方法であって:(i)有機溶媒に、(a)式:A
v-B
w-A
x(式中、Aはポリエステルであり、Bはポリエチレングリコールであり、v、w、及びxは、4〜1090又は6〜1090の範囲の反復単位の数である)を有する生分解性ABA型ブロックコポリマー;並びに(b)式:C
y-A
z(式中、Aはポリエステルであり、Cはエンドキャップポリエチレングリコールであり、y及びzは、7〜371又は3〜237の範囲の反復単位の数である)を有する生分解性ジブロックコポリマーを、1:6のトリブロック対ジブロックの比で溶解させて、ポリマー混合物を形成させること;少なくとも1つの疎水性医薬活性成分を該ポリマー混合物に添加すること;並びに該溶媒を蒸発させることを含む方法を提供する。この態様において、生分解性薬物送達組成物中に溶媒が全く存在しない。
【0130】
別の実施態様は、本発明の生分解性薬物送達組成物を調製する方法であって:(i)有機溶媒に、(a)式:A
v-B
w-A
x(式中、Aはポリエステルであり、Bはポリエチレングリコールであり、v、w、及びxは、4〜1090又は6〜1090の範囲の反復単位の数である)を有する生分解性ABA型ブロックコポリマー;並びに(b)式:C
y-A
z(式中、Aはポリエステルであり、Cはエンドキャップポリエチレングリコールであり、y及びzは、7〜371又は3〜237の範囲の反復単位の数である)を有する生分解性ジブロックコポリマーを、1:6又は2:3又は3:2又は4:1又は2.3〜4.1のトリブロック対ジブロックの比で溶解させて、ポリマー混合物を形成させること;そのうちの1つが酢酸メドロキシプロゲステロン、レボノルゲストレル、シクロスポリン、プロゲステロン、又はブピバカインである少なくとも1つの疎水性医薬活性成分を該ポリマー混合物に添加すること;並びに該溶媒を蒸発させることを含む方法を提供する。この態様において、生分解性薬物送達組成物中に溶媒が全く存在しない。
【0131】
本明細書に記載の方法で使用することができる有機溶媒は:ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、ジエチレングリコールジメチルエーテル(Diglyme)、ジエチレングリコールモノエチルエーテル(DEGMEE)、ジメチルイソソルビド(DMI)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、酢酸エチル、安息香酸エチル、乳酸エチル、酢酸エチレングリコールモノエチルエーテル、グリセロールホルマール、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、N-エチル-2-ピロリドン、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)、ピロリドン-2、テトラグリコール、トリアセチン、トリブチリン、トリプロピオニン(tripro)、又はトリエチレングリコールジメチルエーテル(triglyme)、及びこれらの混合物の群から選択される。
【0132】
有機溶媒は、全組成物の40%〜74%(w%/w%)の量で存在する。別の態様において、生分解性薬物送達組成物の調製に使用される有機溶媒は、全組成物の50%〜60%(w%/w%)の量で存在する。また別の態様において、生分解性薬物送達組成物の調製に使用される溶媒は、全組成物の60%〜70%(w%/w%)の量で存在する。また別の態様において、生分解性薬物送達系の調製に使用される溶媒は、全組成物の30%%〜70%(w%/w%)の量で存在する。別の実施形態において、該有機溶媒は、全組成物の30%%〜90%(w%/w%)の量で存在する。
【0133】
例として、酢酸メドロキシプロゲステロンが活性成分である場合、全組成物の30%〜70% (w%/w%)の溶媒が使用され;プロゲステロンが活性成分である場合、全組成物の40%〜80% (w%/w%)の溶媒が使用され;シクロスポリンが活性成分である場合、全組成物の55%〜72.9% (w%/w%)の溶媒が使用され;レボノ
ルゲストレル(levonorestrel)が活性成分である場合、全組成物の70%〜90% (w%/w%)の溶媒が使用され;ブピバカイン塩基が活性成分である場合、全組成物の62.5%〜80% (w%/w%)の溶媒が使用される。
【0134】
一部のmPEG-OHには、少量のOH-PEG-OHが混入している。本発明の方法に従い、混入したmPEG-OHを用いると、最終生成物は、少量のPLA-PEG-PLAが混入したmPEG-PLAとなり、このmPEG-PLAは、本発明に包含される。この混入は、2%未満である。
【0135】
本発明の別の態様は、生分解性薬物組成物の製造へのジブロック及びトリブロックコポリマーの使用である。これに関連して、生分解性トリブロックコポリマーは、式:A
v-B
w-A
x(式中、Aはポリエステルであり、Bはポリエチレングリコールであり、v、w、及びxは、4〜1090又は6〜1090の範囲の反復単位の数であり、v=x又はv≠xである)を有する。該ポリエステルは、ポリ乳酸(PLA)、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリグリコール酸(PGA)、又はポリヒドロキシアルカノエート(PHA)であることができる。一実施態様において、使用されるポリエステルは、ポリ(乳)酸である。
【0136】
次いで、トリブロックコポリマーを、式:C
y-A
z(式中、Aはポリエステルであり、Cはエンドキャップポリエチレングリコールであり、y及びzは、7〜371又は3〜237の範囲の反復単位の数である)を有する生分解性ジブロックコポリマーと組み合わせる。該ポリエステルは、ポリ乳酸(PLA)、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリグリコール酸(PGA)、ポリ(乳酸-コ-グリコール酸)(PLGA)、又はポリヒドロキシアルカノエート(PHA)であることができる。一実施態様において、使用されるポリエステルは、ポリ(乳)酸である。
【0137】
次いで、医薬活性成分を該トリブロック及びジブロックと組み合わせる。
【0138】
本発明のまた別の態様は、生分解性薬物組成物の製造へのジブロック及びトリブロックコポリマーの使用である。これに関連して、生分解性トリブロックコポリマーは、式:A
v-B
w-A
x(式中、Aはポリエステルであり、Bはポリエチレングリコールであり、v、w、及びxは、4〜1090又は6〜1090の範囲の反復単位の数であり、v=x又はv≠xである)を有する。該ポリエステルは、ポリ乳酸(PLA)、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリグリコール酸(PGA)、又はポリヒドロキシアルカノエート(PHA)であることができる。一実施態様において、使用されるポリエステルは、ポリ(乳)酸である。
【0139】
次いで、トリブロックコポリマーを、式:C
y-A
z(式中、Aはポリエステルであり、Cはエンドキャップポリエチレングリコールであり、y及びzは、7〜371又は3〜237の範囲の反復単位の数である)を有する生分解性ジブロックコポリマーと組み合わせる。該ポリエステルは、ポリ乳酸(PLA)、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリグリコール酸(PGA)、ポリ(乳酸-コ-グリコール酸)(PLGA)、又はポリヒドロキシアルカノエート(PHA)であることができる。一実施態様において、使用されるポリエステルは、ポリ(乳)酸である。
【0140】
次いで、疎水性医薬活性成分を該トリブロック及びジブロックと組み合わせ、該成分は、酢酸メドロキシプロゲステロン、レボノルゲストレル、シクロスポリン、プロゲステロン、又はブピバカイン塩基であることができる。
【0141】
(a)の生分解性トリブロックコポリマーと(b)の生分解性CAジブロックコポリマーの比は、該生分解性薬物組成物中で1:3〜1:8である。一実施態様において、生分解性トリブロックコポリマーと生分解性CAジブロックコポリマーの比は、1:3、1:4、1:5、1:6、1:7、及び1:8、又は1:1、1:2、1:3、1:4、1:5、1:6、1:7、1:8、1:9、1:10、1:11、1:12、1:13、1:14、1:15、1:16、1:17、1:18、及び1:19の群から選択される。別の態様において、該トリブロック対該ジブロックの比は1:6である。これは、3:2又は2:3又は4:1又は2.3〜4.1であることもできる。
【0142】
ポリエステル鎖の長さは、そのポリエステル対エチレンオキシドモル比によって規定され、これは、トリブロックについては0.5〜3.5又は0.5〜2.5又は0.5〜22.3、及びジブロックについては3〜5又は2〜6又は0.8〜13である。
【0143】
エンドキャップポリエチレングリコールの質量は、100Da〜2kDa又は164Da〜2kDaの範囲であることができる。これは、100〜300Daの範囲又は1kDa〜2kDaの範囲で変動することができる。
【0144】
該ポリエチレングリコール鎖のサイズは、生分解性薬物送達組成物中、200Da〜12kDaの範囲であるか、又は該サイズは、400Da〜12kDaもしくは194Da〜12kDaの範囲であることができる。
【0145】
本発明のいくつかの実施態様及び/又は態様を説明してきた。それでもなお、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、様々な変更を行ない得ることが理解されるであろう。
【実施例】
【0146】
(実施例)
(実施例1-ポリマー合成)
コポリマーを、若干変更を加えて、引用により本明細書中に組み込まれている米国特許第6,350,812号に記載されている方法に従って合成した。典型的には、必要量のPEG(トリブロックコポリマーを生じる)又はメトキシ-PEG(ジブロックコポリマーを生じる)を65℃で加熱し、反応容器中、真空下で2時間乾燥させた。DL-ラクチド(目標のLA/EOモル比に相当)及び乳酸亜鉛(ラクチドの量の1/1000)を添加した。反応混合物を、最初に3回の短い真空/N2サイクルによって脱水した。該反応混合物を140℃で加熱し、真空下で急速に脱気した。反応を、一定の窒素流(0.2バール)下、140℃で4日間実施した。反応液を室温に冷却し、その内容物をアセトンに溶解させ、その後、エタノールで沈殿させた。その後、得られた生成物を減圧下で乾燥させた。最終生成物を、その乳酸含量について、
1H NMRにより特徴付けた。本明細書に記載のトリブロックPLA-PEG-PLAポリマーは、PxRyとして表され、ここで、xは、PEG鎖のサイズをkDaで表したものであり、yはLA/EOモル比である。本明細書に記載のジブロックmPEG-PLAポリマーは、dPxRyとして表され、ここで、xは、PEG鎖のサイズをkDaで表したものであり、yはLA/EOモル比である。
【0147】
(実施例2-ペプチドM53に特有の製剤の調製)
ここに記載される製剤は、薬物としてGLP-1類似体のペプチドM53を含有するポリマーの有機溶液をベースとした。典型的には、規定の質量比のジブロックコポリマーとトリブロックコポリマーの混合物に対応する0.4グラムのポリマーを、0.57グラムの生体適合性溶媒に、一定の磁気撹拌下、室温で一晩溶解させた。該溶媒は、単一溶媒又は溶媒の組合せのいずれかであった。翌日、20mgの薬物を該ポリマー溶液に添加し、完全に溶解するまで撹拌した。薬物が溶媒に溶解しなかった場合は、ポリマー溶液中の薬物の懸濁液が得られた。或いは、薬物を生体適合性溶媒に溶解又は懸濁させ、その後、ポリマー(複数可)を添加した。該製剤を使用前にシリンジに充填した。
【0148】
(実施例3-調製された製剤)
実施例1及び2に従って、表1に示されるM53ペプチドの様々な製剤を調製した。
【表1】
【0149】
(実施例4-アセトアミノフェン製剤の調製)
ここに記載される製剤は、薬物としてアセトアミノフェンを含有する、実施例1と同様に調製されたポリマーの有機溶液をベースとした。典型的には、規定の質量比のジブロックコポリマーとトリブロックコポリマーの混合物に対応する0.4グラムのポリマーを、0.55グラムのジメチルスルホキシドに、一定の磁気撹拌下、室温で一晩溶解させた。翌日、50mgのアセトアミノフェンを該ポリマー溶液に添加し、完全に溶解するまで撹拌した。該製剤を使用前にシリンジに充填した。様々な製剤の組成を下の表2に示す。ここで、使用された溶媒は、DMSOである。
【0150】
図7〜26は、これらの製剤の結果を示す。これは、15種のトリブロックコポリマーと20種のジブロックコポリマーとの全ての可能な組合せを示している。
【表2】
【0151】
(実施例5-ブプレノルフィン製剤の調製)
ここに記載される製剤は、薬物としてブプレノルフィンを含有する、実施例1と同様に調製されたポリマーの有機溶液をベースとした。典型的には、規定の質量比のジブロックコポリマーとトリブロックコポリマーの混合物に対応する0.4グラムのポリマーを、0.5グラムのジメチルスルホキシドに、一定の磁気撹拌下、室温で一晩溶解させた。翌日、100mgのブプレノルフィンを該ポリマー溶液に添加し、完全に溶解するまで撹拌した。該製剤を使用前にシリンジに充填した。
【0152】
3つの異なる製剤をインビボ実験用に選択した。これらの製剤の組成を下の表3に示す。該製剤を、ブプレノルフィン100mg/kgの最終用量で雄ラット(200〜250グラム)の肩甲骨間のスペースに皮下注射した。血液試料を定期的に採取し、ブプレノルフィン濃度について、LC/MS/MSにより分析した。
【0153】
該製剤を下の表3に示す。
【表3】
【0154】
これらの製剤の結果を
図30及び31に示す。
【0155】
(実施例6-リスペリドン製剤の調製)
ここに記載される製剤は、薬物としてリスペリドンを含有する、実施例1と同様に調製されたポリマーの有機溶液をベースとした。典型的には、規定の質量比のジブロックコポリマーとトリブロックコポリマーの混合物に対応する0.4グラムのポリマーを、0.5グラムのジメチルスルホキシドに、一定の磁気撹拌下、室温で一晩溶解させた。翌日、100mgのリスペリドンを該ポリマー溶液に添加し、撹拌した。該製剤を使用前にシリンジに充填した。
【0156】
3つの異なる製剤をインビボ実験用に選択した。これらの製剤の組成を下の表4に示す。該製剤を、リスペリドン21mg/kgの最終用量で雄ラット(300グラム)の肩甲骨間のスペースに皮下注射した。血液試料を定期的に採取し、リスペリドン及び9-OHリスペリドン濃度について、LC/MS/MSにより分析した。
【0157】
該製剤を下の表4に示す。
【表4】
【0158】
これらの製剤の結果を
図32及び33に示す。
【0159】
(実施例7-イベルメクチン製剤の調製)
ここに記載される製剤は、薬物としてイベルメクチンを含有する、実施例1と同様に調製されたポリマーの有機溶液をベースとした。典型的には、規定の質量比のジブロックコポリマーとトリブロックコポリマーの混合物に対応する0.4グラムのポリマーを、0.55グラムのジメチルスルホキシドに、一定の磁気撹拌下、室温で一晩溶解させた。翌日、50mgのイベルメクチンを該ポリマー溶液に添加し、完全に溶解するまで撹拌した。3つの異なる製剤をインビボ実験用に選択した。これらの製剤の組成を下の表5に示す。該製剤を、イベルメクチン0.6mg/kgの最終用量で雄イヌ(10〜17kg)の肩甲骨間のスペースに皮下注射した。血液試料を定期的に採取し、イベルメクチン濃度について、LC/MS/MSにより分析した。
【0160】
該製剤を下の表5に示す。
【表5】
【0161】
結果を
図34に示す。
【0162】
(実施例8-酢酸メドロキシプロゲステロン製剤の調製)
ここに記載される製剤は、薬物として酢酸メドロキシプロゲステロンを含有する、実施例1と同様に調製されたポリマーの有機溶液をベースとした。典型的には、規定の質量比のジブロックコポリマーとトリブロックコポリマーの混合物に対応する0.4グラムのポリマーを、0.3グラムのDMSO又はDMSOとベンジルアルコールの組合せに、絶えず磁気撹拌しながら、室温で一晩溶解させた。翌日、該ポリマー溶液を0.22μmフィルターに通し、0.3グラムの酢酸メドロキシプロゲステロンを、濾過したポリマー溶液に添加し、薬物の均質な懸濁液が得られるまで撹拌した。該製剤を使用前にシリンジに充填した。組成を下の表6に示す。該製剤を、雌イヌ(11.4〜14.1kg)の肩甲骨間のスペースに皮下注射した。血液試料を定期的に採取し、酢酸メドロキシプロゲステロン濃度について、0.25ng/mlの定量下限を有するLC/MS/MSにより分析した。結果を
図35に示す。
【0163】
該製剤を表6に示す。
【表6】
【表7】
【0164】
(実施例9-プロゲステロン製剤の調製)
ここに記載される製剤は、薬物としてプロゲステロンを含有する、実施例1と同様に調製されたポリマーの有機溶液をベースとした。典型的には、規定の質量比のジブロックコポリマーとトリブロックコポリマーの混合物に対応する0.1グラムのポリマーを、0.6グラムのDMSOに、絶えず磁気撹拌しながら、室温で一晩溶解させた。翌日、該ポリマー溶液を0.22μmフィルターに通し、0.3グラムのプロゲステロンを、濾過したポリマー溶液に添加し、薬物の均質な懸濁液が得られるまで撹拌した。該製剤を使用前にシリンジに充填した。組成を下の表7に示す。
【表8】
【0165】
(実施例10-レボノルゲストレル製剤の調製)
ここに記載される製剤は、薬物としてレボノルゲストレルを含有する、実施例1と同様に調製されたポリマーの有機溶液をベースとした。典型的には、規定の質量比のジブロックコポリマーとトリブロックコポリマーの混合物に対応する0.1グラムのポリマーを、0.7グラムのDMSOに、絶えず磁気撹拌しながら、室温で一晩溶解させた。翌日、該ポリマー溶液を0.22μmフィルターに通し、0.2グラムのレボノルゲストレルを、濾過したポリマー溶液に添加し、薬物の均質な懸濁液が得られるまで撹拌した。該製剤を使用前にシリンジに充填した。組成を下の表8に示す。
【表9】
【0166】
(実施例10-シクロスポリン製剤の調製)
ここに記載される製剤は、薬物としてシクロスポリンを含有する、実施例1と同様に調製されたポリマーの有機溶液をベースとした。典型的には、規定の質量比のジブロックコポリマーとトリブロックコポリマーの混合物に対応する0.15グラムのポリマーを、0.65グラムのDMSOに、絶えず磁気撹拌しながら、室温で一晩溶解させた。翌日、該ポリマー溶液を0.22μmフィルターに通し、0.2グラムのシクロスポリンを、濾過したポリマー溶液に添加し、薬物の均質な懸濁液が得られるまで撹拌した。該製剤を使用前にシリンジに充填した。組成を下の表9に示す。
【表10】
【0167】
(実施例11-ブピバカイン製剤の調製)
ここに記載される製剤は、薬物としてブピバカイン塩基を含有する、実施例1と同様に調製されたポリマーの有機溶液をベースとした。典型的には、規定の質量比のジブロックコポリマーとトリブロックコポリマーの混合物に対応する0.1グラムのポリマーを、0.75グラムのDMSOに、絶えず磁気撹拌しながら、室温で一晩溶解させた。翌日、該ポリマー溶液を0.22μmフィルターに通し、0.15グラムのブピバカイン塩基を、濾過したポリマー溶液に添加し、薬物の均質な懸濁液が得られるまで撹拌した。該製剤を使用前にシリンジに充填した。組成を下の表10に示す。
【表11】
【0168】
(実施例12-様々な組成物の注射性能)
トリブロック(TB)とジブロック(DB)の比が異なる製剤を用いて、様々な製剤の注射性能を試験した。トリブロックコポリマーP6R1(TB)とジブロックコポリマーdP2R4(DB)の混合物をベースとした様々なDMSO溶液を調製した。
【0169】
50%(重量%/重量%)のポリマー/製剤質量をこれらの粘度実験で使用した。この実験で使用されたトリブロック対ジブロックの重量%/重量%は、次の通りであった: 50wt%:0wt%、45wt%:5wt%、20wt%:5wt%、35wt%:15wt%、15wt%:10wt%、25wt%:25wt%、10wt%:15wt%、15wt%:35wt%、5wt%:20wt%、5wt%:45wt%、及び0wt%:50wt%。
【0170】
注射性能の結果を
図3に示す。
【0171】
(実施例13-インビトロ放出アッセイ)
100〜500mgの製剤を、20〜50mlの生理緩衝液に添加した。使用された生理緩衝液は、50mlのpH 7.4のクレブス/リンガー/トリス(KRT)緩衝液(143mM塩化ナトリウム、5.1mM塩化カリウム、2.7mM塩化カルシウム、1.34mM硫酸マグネシウム、25mM Tris-Cl pH7.4、及び0.1%アジ化ナトリウム)を含むKRTであった。注射すると、溶媒は製剤から拡散し、残りのポリマーは、水性環境内に固形の生分解性インプラントを形成した。
【0172】
薬物の放出のためのシンク条件を維持するために、放出媒体を、37℃で、180rpm(Unimax 1010装置、Heidolph)で絶えず振盪させながら、維持した。所定の時間間隔で媒体を回収し、HPLCにより分析する。製剤から放出された、GLP-1類似体ペプチドM53の量を、較正曲線から求めた。M53の濃度は、0〜5mg/mlの範囲であったか、又は該濃度は、0〜200μg/mlの範囲であった。
【0173】
結果を
図4及び
図5に示す。
図5は、表1に示されている製剤177、224、225、246、及び250の放出率を示し、
図4は、表示された製剤からの薬物の累積放出を示している。
【0174】
GPL-1類似体をポリマー溶液に取り込ませた場合、GPL-1類似体は、ポリマーマトリックスが固化するときに該ポリマーマトリックス内に封入された。その後、薬物は、マトリックス内部での拡散によって、又はマトリックスの生分解によって放出された。
【0175】
(実施例14-薬物動態試験)
いくつかの製剤を、ラットにおける薬物動態試験で試験した。動物1匹当たり1mgの薬物を含有する、表1に示されている177、224、225、246、及び250の製剤の組成物を、ラットに皮下投与した。血液試料を、様々な時点でEDTAチューブに回収し、遠心分離し、各時点の血漿を保持した。血漿試料を、LC/MS/MSにより分析し、薬物含量について定量した。結果を、一定期間にわたって測定された血漿のng/mlとして示す。
【0176】
1つの薬物動態試験の結果を
図6に示す。この図に示すように、5つの製剤のうちの3つは、28日よりも長い間、0.1ng/mlよりも高い血漿濃度を維持したが、30ng/ml未満の中程度の初期薬物バースト放出を生じた。
【0177】
(実施例15-血糖値)
2型糖尿病に罹患している患者の血糖値を治療前に測定する。治療を受けない対照群をこの試験に用いる。男女両方の患者をこの試験に用いる。但し、患者は、2型糖尿病を有し、35〜60歳である。
【0178】
GPL-1類似体を実施例1及び2に従って製剤化する。該類似体は、表1の番号230の化学的特徴を有する。次いで、得られる注射液を、8mg/mlの投与量で数人の患者に注射する。対照群には、PBSを投与する。
【0179】
次いで、血糖値及びフルクトサミンの量を、30日間にわたって、週に2回、食前及び食後2時間後に測定する。治療後の血糖の量を測定し、結果を平均する。これらの値を表11に示す。
【表12】
【0180】
正常な食前血糖値の結果は、80〜120mmol/lの範囲である。正常な食後血糖値の結果は、160mmol/l以下であるべきである。正常なフルクトサミンレベルは、265未満である。265〜280は、優れた血糖管理を示し; 280〜500は、良好な血糖管理を示し; 320〜340は、適正な血糖管理を示し; 350超は、不十分な血糖管理を示す。
【0181】
患者4には、プラセボを投与した。
【0182】
これらの結果は、投与された場合、本発明の生分解性薬物送達組成物が2型糖尿病の治療に有効であることを示している。
【0183】
本発明は、様々な好ましい実施態様に関して記載されているが、当業者は、本発明の範囲から逸脱することなく、様々な修正、置換、省略、及び変更を行ない得ることを理解するであろう。したがって、本発明の範囲は、その等価物を含む、特許請求の範囲の範囲によって限定されることが意図される。