(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6134794
(24)【登録日】2017年4月28日
(45)【発行日】2017年5月24日
(54)【発明の名称】濃厚物質用回転分配機
(51)【国際特許分類】
E04G 21/04 20060101AFI20170515BHJP
【FI】
E04G21/04
【請求項の数】10
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-523460(P2015-523460)
(86)(22)【出願日】2013年5月31日
(65)【公表番号】特表2015-528076(P2015-528076A)
(43)【公表日】2015年9月24日
(86)【国際出願番号】EP2013061278
(87)【国際公開番号】WO2014016022
(87)【国際公開日】20140130
【審査請求日】2015年11月9日
(31)【優先権主張番号】102012212916.2
(32)【優先日】2012年7月24日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】510312961
【氏名又は名称】プッツマイスター エンジニアリング ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100091867
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 アキラ
(74)【代理人】
【識別番号】100154612
【弁理士】
【氏名又は名称】今井 秀樹
(72)【発明者】
【氏名】ヴェスターマン カール
(72)【発明者】
【氏名】ブリーム ミヒャエル
【審査官】
星野 聡志
(56)【参考文献】
【文献】
特開昭59−150858(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2010/0224272(US,A1)
【文献】
実開昭52−119718(JP,U)
【文献】
実開昭59−162588(JP,U)
【文献】
特開2002−154792(JP,A)
【文献】
特開平09−142784(JP,A)
【文献】
実開昭62−201249(JP,U)
【文献】
特開昭59−080864(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04G 21/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
設置面(18)上に設置可能な担持台(14)と、自らの入口側端部(22)の領域において担持台固定の高さ方向軸線(24)のまわりに回転可能に前記担持台(14)に配置され、そこで濃厚物質の圧力の作用を受ける第1のジブパイプ(26)と、前記第1のジブパイプ(26)の出口側端部(25)の領域において水平回動軸線(28)のまわりに回動可能に配置され、前記第1のジブパイプ(26)と連通している第2のジブパイプ(30)とを備えた、濃厚物質用の、特に生コンクリート用の回転分配機において、
前記第1のジブパイプ(26)が、さらに、その前記入口側端部(22)の領域において前記担持台(14)に対し水平軸線(32)のまわりに回動可能であり、前記第1のジブパイプ(26)が、少なくとも2つのパイプエルボー(48)と対応する数量のパイプカップリング(50)とを介して、前記担持台に固定のパイプ部材(52)に接続され、前記パイプカップリング(50)のうちの2つのパイプカップリングが、互いに垂直に指向しあっている回転軸線(24,32)を備えた回転カップリング(50’,50”)として構成され、前記回転カップリングの1つの回転カップリング(50’)が前記高さ方向軸線(24)を形成し、他の回転カップリング(50”)が前記担持台(14)に対する前記第1のジブパイプ(26)の前記水平軸線(32)を形成していること、
前記第2のジブパイプ(30)が、さらに、前記水平回動軸線(28)に対し垂直な回転軸線(34)のまわりに前記第1のジブパイプ(26)の前記出口側端部(25)に対し回転可能であること、
前記第1のジブパイプ(26)と前記第2のジブパイプ(30)との間に平行案内手段(36)が配置され、該平行案内手段(36)は、前記第1のジブパイプ(26)の異なる回動位置において、前記第2のジブパイプ(30)の前記水平回動軸線(28)に対し垂直な前記回転軸線(34)を前記担持台固定の高さ方向軸線(24)に対し平行な方向に保持させること、を特徴とする回転分配機。
【請求項2】
前記第1のジブパイプ(26)と前記第2のジブパイプ(30)との間に配置されている平行案内手段(36)が、前記第1のジブパイプ(26)の異なる回動位置において、前記第2のジブパイプ(30)を、前記担持台固定の高さ方向軸線に対しほぼ垂直な方向に保持することを特徴とする、請求項1に記載の回転分配機。
【請求項3】
前記平行案内手段(36)が、前記担持台固定の高さ方向軸線(24)に対し平行に指向されている細条部(38)と、前記第1のジブパイプ(30)の前記出口側端部(25)に配置されている前記第2のジブパイプ(30)の前記回転軸線(34)に対し平行に指向されている、ダブルクランクの種類の四棒リンク機構のカプラー(40)とを有していること、前記第2のジブパイプ(30)が前記四棒リンク機構の前記カプラー(40)に対しほぼ垂直に指向していることを特徴とする、請求項1または2に記載の回転分配機。
【請求項4】
前記第2のジブパイプ(30)が、その前記入口側端部(54)において、少なくとも2つのパイプエルボー(56)と対応する数量のパイプカップリング(58)とを介して前記第1のジブパイプ(26)の前記出口側端部(25)に接続され、前記パイプカップリングのうちの2つのパイプカップリングが、互いに垂直に指向しあっている回転軸線(28,34)を備えた回転カップリング(58’)として構成されていることを特徴とする、請求項1から3までのいずれか一つに記載の回転分配機。
【請求項5】
前記回転カップリングのうちの1つの回転カップリング(58’)が前記水平回動軸線(28)を形成し、他の回転カップリングが、前記第1のジブパイプ(26)と前記第2のジブパイプ(30)との間で、これに対し垂直に前記回転軸線(34)を形成していることを特徴とする、請求項4に記載の回転分配機。
【請求項6】
前記第1のジブパイプ(26)の前記入口側端部(22)の領域に、前記担持台固定の高さ方向軸線(24)のまわりに前記第1のジブパイプとともに一緒に回転するバラストジブ(60)が配置されていることを特徴とする、請求項3に記載の回転分配機。
【請求項7】
前記第1のジブパイプ(26)が、前記第2のジブパイプ(30)を上昇または下降させた状態で、リフト装置(62)を用いて前記担持台(14)に対し回動可能であることを特徴とする、請求項6に記載の回転分配機。
【請求項8】
前記リフト装置が、前記第1のジブパイプ(26)と前記バラストジブ(60)との間に張設され、且つ前記第1のジブパイプ(26)のその高さ方向軸線(32)のまわりでの回動のもとに機械的に操作可能な緊張または引張り部材(64)を有していることを特徴とする、請求項7に記載の回転分配機。
【請求項9】
前記リフト装置(62)が、前記バラストジブ(60)または前記四棒リンク機構の前記細条部(38)に枢着されて駆動機構を介して移動可能なレバー(66)を有し、該レバーのレバー自由端が前記緊張・引張り部材(64)を介して前記第1のジブパイプ(26)と結合されていることを特徴とする、請求項8に記載の回転分配機。
【請求項10】
前記リフト装置(62)が、前記バラストジブ(60)に配置される双腕のレバー(66)を有し、該双腕のレバーのロードアーム(66’)が前記緊張・引張り部材(64)を介して前記第1のジブパイプ(26)と結合され、前記双腕のレバーのパワーアーム(66”)が、前記バラストジブ(60)で支持され、好ましくは液圧シリンダとして構成される駆動機構(68)と連結されていることを特徴とする、請求項8または9に記載の回転分配機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、設置面上に設置可能な担持台と、自らの入口側端部の領域において担持台固定の高さ方向軸線のまわりに回転可能に前記担持台に配置され、そこで濃厚物質の圧力の作用を受ける第1のジブパイプと、前記第1のジブパイプの出口側端部の領域において水平回動軸線のまわりに回動可能に配置され、前記第1のジブパイプと連通している第2のジブパイプとを備えた、濃厚物質用の、特に生コンクリート用の回転分配機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
大量の生コンクリートを短時間で吐出しなければならない大型コンクリート建造プロジェクトでは、クレーンボウルを用いたコンクリート処理作業のような古典的なコンクリート打ち方式は効率的に十分なものではない。加えてコンクリート搬送時に遠距離または高高度を克服しなければならない場合には、今日ではほとんどの場合、搬送管システムを備えた定置型コンクリートポンプが使用される。定置の搬送管の端部に設けられる分配機としては、たとえば分配ブームおよび回転分配機が考慮される。冒頭で述べた種類の回転分配機は、通常、二分割のジブと、バラストを備えた対向ジブと、ほとんどの場合スタンド足として形成される担持台とから成っている。二分割のジブの両ジブパイプは、通常は、鉛直軸線のまわりでの回転のみを可能にするリンクを介して結合されている。すなわち回転分配機は、水平方向の面内でしか運動することができない。分配ブームにおけるブームは、作業高度が高いために、安全性の理由から、担持構造物とこれに接続された搬送管とから組み立てられているのが常であるが、回転分配機の第2のアームは、ほとんどの場合、自立支持性の搬送パイプから構成されているにすぎない。通常、回転分配機は駆動部を有しておらず、操作者が手動で誘導する。その構成は簡潔であり、リーチが短いためにそのコストは比較的好ましい。それ故、コンクリート打ちの目的が簡単な場合に有利に使用される。第1のジブパイプに対する第2のジブパイプの剪断ばさみ状の運動性には、分配ブームとは異なり、回転分配機が主に平明コンクリート打ちに適しているという利点がある。このような目的のコンクリート打ちの場合、操作者の経験や教育が少なくても、ジブパイプを手動で動かすことによって回転分配機の作用半径内の任意のどの個所にも簡単にコンクリートを吐出させることができる。その際、これによって作用範囲内にある物体または人が損傷したり負傷するという危険は比較的少ない。他方回転分配機には、定置の分配ブームに比べて、コンセプト状の欠点がある。回転分配機は作業範囲内の障害物を克服することができない。しかも、建設現場のコンクリート打ち面上には、柱または壁、堰板、搬送容器または保管容器等のための鉛直方向の鉄筋があることが多い。これらの部材は回転分配機の運動性を制限し、回転分配機の設置場所を何度も交替させる必要があり、不経済である。場合によっては回転分配機の使用を完全に断念せねばならず、その結果高価な定置ブームしか代用できない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
この点から出発して、本発明の課題は、冒頭で述べた種類の回転分配機を、その作業範囲を拡張でき、建設現場の何らかの障害物を簡単に回避できるように、改善することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この課題を解決するため、請求項
1に記載した構成要件の組み合わせが提案される。本発明の有利な構成および更なる構成は従属項から明らかである。
【0005】
本発明による解決手段の思想は、とりわけ、回転分配機が持ち上げ可能な第1のジブパイプを備えていれば、障害物を乗り越えられるようにジブ全体を簡単に回動させることができ、回転分配機の設置場所を移しかえるという煩わしさがないというものである。第1のジブパイプを持ち上げるため、本発明によれば、第1のジブパイプは、その入口側端部の領域において、鉛直方向の回転軸線以外にさらに、担持台に対し水平軸線のまわりに回動可能である。このケースでは、両ジブパイプの間にある枢着部が通常のように1つの水平軸線しか備えていなければ、第1のジブパイプを持ち上げたときに第2のジブパイプも傾斜することになる。これにより、両ジブパイプの間にある回転軸線はもはや鉛直方向に向いていない。第2のジブパイプは必然的に側方へ回動する。この欠点を回避するため、本発明によれば、さらに、第2のジブパイプが、さらに、水平回動軸線に対し垂直な回転軸線のまわりに第1のジブパイプの出口側端部に対し回転可能であること、第1のジブパイプと第2のジブパイプとの間に平行案内手段が設けられていることが提案される。この平行案内手段は、
第1のジブパイプの異なる回動位置において第2のジブパイプを接地面に対しほぼ平行な方向で保持させるように構成され且つ適しており、および/または、
第1のジブパイプの異なる回動位置において、第2のジブパイプの、水平回動軸線に対し垂直な回転軸線を、担持台固定の高さ方向軸線に対し平行な方向に保持するように構成され且つ適している。
【0006】
この処置により、第2のジブパイプは第1のジブパイプの傾斜角とは独立に平行案内手段を介して常に水平に保持される。
【0007】
設置面に対して第2のジブパイプを平行に案内するのは、たとえば2つの緊張要素を用いて実現できる。これらの緊張要素は、第1のジブパイプの枢着部を第2のジブパイプの枢着部と結合させている。平行案内手段とは、担持台固定の高さ方向軸線に対し平行に指向されている細条部と、第1のジブパイプの出口側端部に配置されている第2のジブパイプの回転軸線に対し平行に指向されている、ダブルクランクの種類の四棒リンク機構のカプラーとを有しているカプラー機構であり、第2のジブパイプは四棒リンク機構のカプラーに対しほぼ垂直に指向している。
【0008】
自立支持性のジブパイプを使用する場合、第1のジブパイプが、少なくとも2つのパイプエルボーと対応する数量のパイプカップリングとを介して、担持台に固定のパイプ部材に接続され、パイプカップリングのうちの2つのパイプカップリングが、互いに垂直に指向しあっている回転軸線を備えた回転カップリングとして構成されているのが有利である
。
【0009】
第1および第2のジブパイプを使用する場合、他の構成を使用することもできる。この場合、第2のジブパイプは、その入口側端部において、少なくとも2つのパイプエルボーと対応する数量のパイプカップリングとを介して第1のジブパイプの出口側端部に接続され、その際パイプカップリングのうちの2つのパイプカップリングは、互いに垂直に指向しあっている回転軸線を備えた回転カップリングとして構成されている。この場合有利には、回転カップリングの1つの回転カップリングが高さ方向軸線を形成し、他の回転カップリングが担持台に対する第1のジブパイプの水平軸線を形成している。
【0010】
回転分配機の十分な立設性を保証するため、第1のジブパイプの入口側端部の領域に、担持台固定の高さ方向軸線のまわりに第1のジブパイプとともに一緒に回転するバラストジブが配置されていれば、有利である。
【0011】
ジブを上昇、降下させるには複数の可能性がある。1つの有利な構成によれば、第1のジブパイプは、第2のジブパイプを上昇または下降させた状態で、リフト装置を用いて担持台に対し回動可能である。この場合リフト装置は、第1のジブパイプとバラストジブとの間に張設され、且つ第1のジブパイプのその高さ方向軸線のまわりでの回動のもとに機械的に操作可能な緊張または引張り部材を有している。このため、有利には、リフト装置は、バラストジブまたは四棒リンク機構の細条部に枢着されて駆動機構を介して移動可能なレバーを有し、該レバーのレバー自由端は緊張・引張り部材を介して第1のジブパイプと結合されている。この原理の有利な更なる構成によれば、リフト装置は、バラストジブに配置される双腕のレバーを有し、該双腕のレバーのロードアームは緊張・引張り部材を介して第1のジブパイプと結合され、双腕のレバーのパワーアームは、バラストジブで支持され、好ましくは液圧シリンダとして構成される駆動機構と連結されている。さらに、コンクリート打ち面上または堰板内でのコンクリートの均等な分配のためには、第2のジブパイプが、たとえば90゜エルボーを備えたその自由端に、下方へ垂れさがるエンドホースを担持していれば、有利な場合がある。
【図面の簡単な説明】
【0012】
次に、本発明を図面に図示した実施形態を用いて詳細に説明する。
【
図1】双腕のジブとエンドホースとを備えた分配機の図である。
【
図2】パイプエルボーを介して互いに結合されているジブアームを備えた回転分配機のジブの図である。
【
図3】担持台と2つのジブパイプと平行案内手段とを備えた回転分配機の原理図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図面に図示した回転分配機10は、定置の分配ブームを用いたダイレクトな分配に関して技術的または経済的問題に直面している建設現場に、生コンクリートを供給するために用いる。回転分配機10はその出口個所12でもって大きなコンクリート打ち面もある程度の高さも克服することができ、それにもかかわらず構成が簡潔で、しかも簡単に操作可能である。
【0014】
図1と
図3からわかるように、回転分配機は担持台14を有し、担持体14は星状に配置された4つの回動脚16でもって設置面18上に立設可能である。4つの回動脚16は対を成して上方および側方へ回動することができ、その結果回転分配機10は解体することなくトラックまたはコンテナーで省スペースで搬送することができる。
【0015】
回転分配機10は双腕のジブ20を有し、ジブ20は、その入口側端部22の領域に担持台固定の高さ方向軸線24のまわりに回転可能に担持台14に配置されている第1のジブパイプ26と、該第1のジブパイプ26の出口側端部25の領域に水平回動軸線28のまわりに回動可能に配置され、第1のジブパイプ26と連通している第2のジブパイプ30とを含んでいる。本発明の特徴は、第1のジブパイプ26がその入口側端部22の領域でさらに水平軸線32のまわりに担持台14に対し回動可能であり、第2のジブパイプ30がさらに水平回動軸線28に対し垂直に回転軸線34のまわりに第1のジブパイプ26の出口側端部25に対し回転可能なことである。第1のジブパイプ26と第2のジブパイプ30との間には複数の平行案内手段36が設けられている。平行案内手段36は、第1のジブパイプ26が種々の回動位置にあるときに第2のジブパイプ30が常に設置面18に対しほぼ平行な方向に保持されるようにするために設けられている。このことは、第1のジブパイプ26が種々の回動位置にあるときに、平行案内手段36の作用で、第2のジブパイプ30の、水平回動軸線28に対し垂直な回転軸線34が、担持台固定の高さ方向軸線24に対し平行な方向で保持されることをも意味している。すなわち平行案内手段36は、第固定の高さ方向軸線24に対し平行に指向している細条部38と、第1のジブパイプ26の出口側端部25に配置されている第2のジブパイプ30の回転軸線34に対し平行に指向しているカプラー40とを有している、平行四辺形ガイドまたはダブルクランクの種類のカプラー機構を形成している。この場合、第2のジブパイプ30はカプラー40に対しほぼ垂直に指向し、その先端42でもってカプラー曲線を描く。カプラー曲線は、第1のジブパイプ26が回動する際に常に水平に指向していることから得られるものである。
【0016】
設置面18に対し平行な位置での第2のジブパイプ30の方向を安定化させるため、
図1および
図3の実施形態では、さらに緊張部材70が設けられている。緊張部材70は、カプラー40の自由端から斜めに第2のジブパイプ30のほうへ延在してこれに固定されている。第2のジブパイプ30は、更なる補強のために、さらに担持板72と結合されてよい。担持板72は、流動する生コンクリートの荷重で第2のジブパイプ30が撓まないようにするために設けられている。
【0017】
第2のジブパイプ30は、その自由先端42において、90゜エルボー44を介して、下方へ垂れさがっているエンドホース46に開口している。エンドホース46を介してコンクリートをコンクリート打ち個所へ都合よく送出させることができる。
【0018】
図2で認められるように、ジブ20複数の自立支持性のジブパイプ26,30から組み立てられている。この場合、第1のジブパイプ26は全部で4つのパイプエルボー48と5つのパイプカップリング50とを介して台固定のパイプ部材52に接続されている。この場合、パイプカップリングの2つは、互いに垂直に指向されている回転軸線24,32を備えた回転ジョイント50’,50”として形成されている。この場合、1つの回転ジョイント50’は高さ方向軸線24を形成し、他方他の回転ジョイント50”は担持台14に対する第1のジブパイプ26の水平軸線32を形成している。さらに、
図2に図示した実施形態の場合、第2のジブパイプ30は、その入口側端部54において、5つのパイプエルボー56と6つのパイプカップリング58とを介して、第1のジブパイプ26の出口側端部25に接続され、その際第1のジブパイプ26と第2のジブパイプ30との間で、回転カップリングとしてのパイプカップリング58’は水平回動軸線28を形成し、他の回転カップリング(図示せず)はこれに対し垂直な回転軸線34を形成している。
【0019】
第1のジブパイプ26の入口側端部22の領域には、これとともに台固定の高さ方向軸線24のまわりに一緒に回転するバラストジブ60が設けられている。バラストジブ60は、設置面18上での回転分配機10の安定性のために必要である。
【0020】
本発明の他の特徴は、第1のジブパイプ26が、第2のジブパイプ30の上昇または降下状態で、リフト装置62を用いてその入口側水平軸線32のまわりに担持台14に対し回動可能であることである。
図1および
図3に図示した実施形態では、リフト装置62は、第1のジブパイプ26とバラストジブ60との間に張設され、水平軸線32のまわりでの第1のジブパイプ26の回動のもとに機械的に操作可能な緊張または引張り部材64を有している。この実施形態の場合、リフト装置62は、バラストジブ60に枢着されている双腕のレバー66から成り、そのロードアーム66’は緊張または引張り部材64を介して第1のジブパイプ26と結合され、そのパワーアーム66”は、バラストジブ60で支持されて液圧シリンダとして構成されている駆動機構68と連結されている。この実施形態は、ジブ10を操作するための特殊な実施形態に関わる。第1のジブパイプ26の持ち上げは別様にも実現できる。たとえばリフト装置62は、バラストジブ60または四棒リンク機構の細条部38に枢着されて駆動機構68を介して移動可能なレバーであって、その自由レバー端が緊張または引張り部材64を介して第1のジブパイプ26と結合されている前記レバーを有していてよい。基本的には、第1のジブパイプ26の上昇および降下は、手で行ってもよい。
【0021】
総括すると以下のようになる。本発明は、設置面18上に設置可能な担持台14と、自らの入口側端部22の領域において担持台固定の高さ方向軸線24のまわりに回転可能に前記担持台14に配置され、そこで濃厚物質の圧力の作用を受ける第1のジブパイプ26と、前記第1のジブパイプ26の出口側端部25の領域において水平回動軸線28のまわりに回動可能に配置され、前記第1のジブパイプ26と連通している第2のジブパイプ30とを備えた、濃厚物質用の、特に生コンクリート用の回転分配機に関する。新規なものとして請求の範囲に記載される構成は、前記第1のジブパイプ26が、さらに、その前記入口側端部22の領域において前記担持台14に対し水平軸線32のまわりに回動可能であること、前記第2のジブパイプ30が、さらに、前記水平回動軸線28に対し垂直な回転軸線34のまわりに前記第1のジブパイプ26の前記出口側端部25に対し回転可能であることである。さらに、前記第1のジブパイプ26と前記第2のジブパイプ30との間に平行案内手段36が設けられ、該平行案内手段36は、前記第1のジブパイプ26の異なる回動位置において前記第2のジブパイプ30を前記接地面18に対しほぼ平行な方向で保持させるように構成され且つ適している。
【符号の説明】
【0022】
10 回転分配機
12 出口個所
14 担持台
16 回動脚
18 設置面
20 双腕のジブ
22 入口側端部
24 水平軸線/回転軸線/高さ方向軸線
25 出口側端部
26 第1のジブパイプ
28 水平回動軸線
30 第2のジブパイプ
32 水平軸線/回転軸線
34 垂直回転軸線
36 平行案内手段
38 細条部
40 カプラー
42 先端
44 90゜エルボー
46 エンドホース
48 パイプエルボー
50 パイプカップリング
50’,50” 回転カップリング
52 パイプ部材
54 入口側端部
56 パイプエルボー
58 パイプカップリング
58’ 回転カップリング
60 バラストジブ
62 リフト装置
64 緊張または引張り部材
66 双腕のレバー
66’ ロードアーム
66” パワーアーム
68 駆動機構
70 緊張部材
72 担持板