特許第6134810号(P6134810)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ カンパニー ジェネラレ デ エスタブリシュメンツ ミシュランの特許一覧 ▶ ミシュラン ルシェルシュ エ テクニーク ソシエテ アノニムの特許一覧

<>
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6134810
(24)【登録日】2017年4月28日
(45)【発行日】2017年5月24日
(54)【発明の名称】官能基種のゴムへのグラフト化
(51)【国際特許分類】
   C08C 19/04 20060101AFI20170515BHJP
   C08K 5/14 20060101ALI20170515BHJP
   C08L 7/00 20060101ALI20170515BHJP
   C08L 9/00 20060101ALI20170515BHJP
   C08L 13/00 20060101ALI20170515BHJP
   C08K 3/36 20060101ALI20170515BHJP
   C08K 3/04 20060101ALI20170515BHJP
   B60C 1/00 20060101ALI20170515BHJP
【FI】
   C08C19/04
   C08K5/14
   C08L7/00
   C08L9/00
   C08L13/00
   C08K3/36
   C08K3/04
   B60C1/00 A
【請求項の数】13
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2015-549556(P2015-549556)
(86)(22)【出願日】2013年12月17日
(65)【公表番号】特表2016-503097(P2016-503097A)
(43)【公表日】2016年2月1日
(86)【国際出願番号】US2013075624
(87)【国際公開番号】WO2014099888
(87)【国際公開日】20140626
【審査請求日】2015年6月17日
(31)【優先権主張番号】61/738,658
(32)【優先日】2012年12月18日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】514326694
【氏名又は名称】コンパニー ゼネラール デ エタブリッスマン ミシュラン
(73)【特許権者】
【識別番号】508032479
【氏名又は名称】ミシュラン ルシェルシュ エ テクニーク ソシエテ アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100092093
【弁理士】
【氏名又は名称】辻居 幸一
(74)【代理人】
【識別番号】100082005
【弁理士】
【氏名又は名称】熊倉 禎男
(74)【代理人】
【識別番号】100084663
【弁理士】
【氏名又は名称】箱田 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100093300
【弁理士】
【氏名又は名称】浅井 賢治
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100123777
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 さつき
(74)【代理人】
【識別番号】100123766
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 七重
(72)【発明者】
【氏名】ボーン クレイトン シー ジュニア
【審査官】 松元 洋
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭60−079003(JP,A)
【文献】 特開2011−252108(JP,A)
【文献】 特開平07−118445(JP,A)
【文献】 特開昭52−148588(JP,A)
【文献】 特表2010−539269(JP,A)
【文献】 米国特許第02676944(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08C 19/00 − 19/44
B60C 1/00
C08L 1/00 − 101/16
CA/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
官能化ゴムを生成するための方法であって、
天然ゴム、合成ポリイソプレンゴム、またはそれらの組み合わせから選択されるジエンゴムと、2−プロペンペルオキシ酸,3−カルボキシ−,1−(1,1−ジメチルエチル)エステル,(2Z)、2−プロペンペルオキシ酸,3−カルボキシ−,1−(1,1−ジメチルプロピル)エステル、プロパンペルオキシ酸,3−カルボキシ−,1−(1,1−ジメチルエチル)エステル,(2Z)、またはプロパンペルオキシ酸,3−カルボキシ−,1−(1,1−ジメチルプロピル)エステルから選択される有機過酸化物とを混合機に添加することと、
前記ジエンゴムおよび前記有機過酸化物を含む混合組成物を、前記混合組成物が120℃〜190℃の目標温度に到達するまで混合することと、
前記有機過酸化物を分解して、カルボキシル官能基を含む分解生成物を提供することと、
前記分解生成物の少なくとも一部を前記ジエンゴムの少なくとも一部と反応させて、前記官能化ゴムを生成することと、
前記混合組成物を前記密閉式混合機から下ろすことと、
前記混合組成物を冷却することと、
前記混合組成物を前記目標温度で3〜10分の間保持すること、を含む、方法。
【請求項2】
前記目標温度が150℃〜170℃である、請求項に記載の方法。
【請求項3】
前記過酸化物を0.5phr〜10phrの量で添加することをさらに含む、請求項に記載の方法。
【請求項4】
前記過酸化物量が1phr〜5phrである、請求項に記載の方法。
【請求項5】
前記ジエンゴムが前記天然ゴムである、請求項に記載の方法。
【請求項6】
前記ジエンゴムが前記合成ポリイソプレンゴムである、請求項に記載の方法。
【請求項7】
前記混合組成物が、前記ジエンエラストマーおよび前記過酸化物から本質的に成る、請求項に記載の方法。
【請求項8】
架橋性エラストマー組成物に基づくゴム組成物を含むタイヤ構成部材であって、前記架橋性エラストマー組成物が、100重量部のゴムにつき(phr)、
請求項に記載の方法によって生成された5phr〜100phrの前記官能化エラストマーと、
0phr〜95phrの追加のジエンエラストマーと、
補強充填剤と、
加硫系と、を含む、タイヤ構成部材。
【請求項9】
前記補強充填剤がシリカである、請求項に記載のタイヤ構成部材。
【請求項10】
前記補強充填剤が、カーボンブラック、シリカ、またはそれらの組み合わせから選択される、請求項に記載のタイヤ構成部材。
【請求項11】
タイヤ構成部材を製造するための方法であって、
ゴム組成物の成分であって、請求項に記載の方法によって生成された5phr〜100phrの前記官能化エラストマーと、0phr〜95phrの追加のジエンエラストマーと、補強充填剤とを含む成分を、非生産的混合物に一緒に混合することと、
前記非生産的混合物を冷却することと、
加硫系を前記非生産的混合物に混合して、前記非生産的混合物を生産的混合物に変換することと、
前記タイヤ構成部材を前記生産的混合物から形成することと、を含む、方法。
【請求項12】
前記補強充填剤がシリカである、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記補強充填剤が、カーボンブラック、シリカ、またはそれらの組み合わせから選択される、請求項11に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の背景
本発明は、概して、官能化ゴムに関し、より具体的には、ゴムエラストマーおよびそれらから作製された生成物を官能化するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年のタイヤ産業は、タイヤの転がり抵抗を減少させることによって車両の燃費を改善するための研究に投資してきた。その研究の結果の1つは、タイヤ構成部材を作製するために用いられるタイヤ組成物内に練り込まれるとき、実際にタイヤの転がり抵抗を減少させ、それによってトラックおよび車の燃費を改善する官能化ゴム生成物を提供することであった。
【0003】
タイヤ構成部材を作製するために有用ないくつかのゴム組成物において、タイヤ構成部材の製造のためにそのような官能化ゴムの全てまたはほんの一部(ゴムの残りは非官能化である)を用いることが知られている。
【0004】
官能化ゴムは、活性部分が付加されたものであることが知られており、それらはゴム産業においてよく知られている。ゴムの官能化は、これらの活性部分を重合体に付着させることによって、エラストマーの主鎖および/または分岐端で起こり得る。
【0005】
官能化エラストマーの一例は、単一シラノール末端を有するシラノール官能基またはポリシロキサンブロックを用いて官能化されたジエン重合体を開示する米国特許第6,013,718号に見出すことができる。
【0006】
米国特許第6,503,973号は、鎖末端の一方またはそれぞれにおいてカルボン酸官能基で官能化された官能化エラストマーを開示する。
【0007】
米国特許第7,786,208号は、乳化重合工程としてのグラフト重合によって天然ゴムラテックスを官能化することを開示する。
【0008】
官能化エラストマーは、ゴムおよびタイヤ産業において有用であることが知られているが、ゴムの物理的特徴を改善し、タイヤの性能を改善するための、官能化エラストマーを提供する新しい方法、および新しい官能化エラストマーが依然として求められている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
官能化ゴムを生成するための方法であって、天然ゴム、合成ポリイソプレンゴム、またはそれらの組み合わせから選択されるジエンゴムと、有機過酸化物とを混合機に添加することを含み得る。その有機過酸化物は、式R1−O−O−R2によって表すことができ、式中、R1は、水素または4〜15個の炭素原子の有機基から選択され、R2は、アミノ基、アミド基、ヒドロキシル基、スルフィド基、エポキシ基、スズ含有基、アルコキシシリル基、シラノール基、カルボニル基、カルボキシル基、チオカルボニル基、アンモニウム基、ニトリル基、イミン基、またはそれらの組み合わせから選択される官能基を含む。本方法は、ジエンゴムおよび有機過酸化物を含む混合組成物を、混合組成物が120℃〜190℃の目標温度に到達するまで、混合することをさらに含み得る。
【0010】
本方法は、有機過酸化物を分解して、カルボキシル官能基を含む分解生成物を提供することと、分解生成物の少なくとも一部をジエンゴムの少なくとも一部と反応させて、官能化ゴムを生成することと、をさらに含み得る。
【0011】
本方法は、混合組成物を密閉式混合機(internal mixer)から下ろすことと、混合組成物を冷却することと、をさらに含み得る。
【0012】
タイヤ構成部材は、架橋性エラストマー組成物に基づくゴム組成物を含み得、その架橋性エラストマー組成物は、100重量部のゴムにつき(phr)、上述のような方法によって生成された5phr〜100phrの官能化エラストマーと、0phr〜95phrの追加のジエンエラストマーと、を有する。そのような架橋性エラストマー組成物は、補強充填剤と、加硫系と、をさらに含み得る。
【0013】
ゴム組成物の成分であって、上述のような方法によって生成された5phr〜100phrの官能化エラストマーと、0phr〜95phrの追加のジエンエラストマーと、補強充填剤とを含む成分を、非生産的混合物(non-productive mix)に一緒に混合することを提供する、タイヤ構成部材を製造するための方法が含まれ得る。本方法は、非生産的混合物を冷却することと、加硫系を非生産的混合物に混合して、非生産的混合物を生産的混合物(productive mix)に変換することと、をさらに含み得る。本方法は、タイヤ構成部材を生産的混合物から形成することをさらに含み得る。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の特定の実施形態は、ゴムの原位置官能化のための方法、そのような方法によって生成された官能化ゴムを含むゴム組成物、およびそのようなゴム組成物から製造された有用な物品を含む。
【0015】
意外にも、特定のゴム、すなわち、天然ゴムおよび合成ポリイソプレンゴムが、官能基を含む有機過酸化物を用いて密閉式混合機内でそれを混合することによって官能化され得ることが発見された。密閉式混合機内で一緒に混合されるとき、混合工程中に生成された熱は、過酸化物を分解させ、官能基を含む反応性ラジカルを形成し、それは、次いで、ゴムと反応して、官能化エラストマーを生成する。なお、本明細書に開示された原位置官能化方法の特定の実施形態では、官能化は、溶解または乳化工程ではない乾燥ゴムを用いて混合器内で起こる。
【0016】
原位置官能化の成功は、これらの方法によって生成された官能化エラストマーを含むゴム組成物の改善されたヒステリシスによって、次の例によって示される。
【0017】
本明細書で用いられるように、「ジエンエラストマー」および「ゴム」は同義語で、互換的に用いられ得る。
【0018】
本明細書で用いられるように、「に基づく」は、本発明の実施形態が、集成時に未硬化であった加硫または硬化ゴム組成物から作製されていることを認識している用語である。硬化ゴム組成物は、したがって、未硬化ゴム組成物「に基づく」。換言すると、架橋ゴム組成物は、架橋性ゴム組成物の構成物に基づくか、それらを含む。
【0019】
本明細書で用いられるように、「phr」は、組成物内の100重量部のゴムあたりの重量部として、ゴム組成物内の成分の量を示すゴム配合産業に共通の単位である。
【0020】
ここで、本発明の実施形態を詳細に参照する。それぞれの例は本発明の説明によって提供される。例えば、一実施形態の部分として図解または説明される特徴は、別の実施形態と共に用いられて、さらに第3の実施形態を生じ得る。本発明は、これらおよび他の修正および変更を含むことを意図されない。
【0021】
本明細書に開示された方法によって生成される官能化ゴムは、タイヤ構成部材、ホース、コンベヤーベルト等を含むゴムから作製されている多くの種類の物品の製造のために有用である。これらの官能化ゴムを含むゴム組成物は、特に、タイヤトレッド、アンダートレッド、側壁、タイヤコードのコーティング、ならびに/または補強および他のタイヤ構成部材の製造のために有用である。
【0022】
本明細書に開示された方法による有用な過酸化物は、式R1−O−O−R2によって表され得、式中、R1は、水素または有機基から選択され、R2は、過酸化物の分解と同時に、ゴムエラストマーと反応して、官能化ゴム材料を生成する分解生成物を提供する官能基を含む。
【0023】
過酸化物が、簡便な温度で、すなわち、ゴム組成物の混合工程中に、密閉式混合機または押し出し機等の好適な混合機中で達成され得る温度で、分解することになるように、R1部分は選択される。混合工程中、好適な混合機によってゴムに加えられたエネルギーは、ゴムの温度を増加させる。例えば、特定の実施形態では、ゴムは、120℃〜190℃の温度に到達し得る。典型的には、R1部分が大きければ大きいほど、過酸化物は反応性が小さくなり、所与の温度で分解速度は遅くなる。したがって、本明細書に開示された方法の特定の実施形態のために、R1は、1〜15個の炭素原子、あるいは、4〜15個の炭素原子、2〜10個の炭素原子、2〜8個の炭素原子、2〜5個の炭素原子、または3〜10個の炭素原子に限定され得る。特定の実施形態では、R1は水素であり得る。
【0024】
1有機基は、特に限定されず、アルキル基、シクロアルキル基、アルケン基、アリール基、芳香族基、アルカリル基、ビニル基、またはそれらの組み合わせから選択され得る。アルキル基は、直鎖または分岐鎖であり得る。特定の実施形態では、その基は、飽和部分、すなわち、単一炭素−炭素結合だけに限定され得る。
【0025】
過酸化物のR2部分は、ゴムを官能化する官能基を含む。ゴムの官能化は、多くの場合、例えば、ゴム組成物に添加された充填剤と相互作用するゴムの性能において、ゴムに改善された特徴を提供する。ゴムにおいて有用であると知られている官能基は、例えば、アミノ基、アミド基、ヒドロキシル基、スルフィド基、エポキシ基、スズ含有基、アルコキシシリル基、シラノール基、カルボニル基、カルボキシル基、チオカルボニル基、アンモニウム基、ニトリル基、イミン基等を含む。したがって、R2は、特定の実施形態では、アミノ基、アミド基、ヒドロキシル基、スルフィド基、エポキシ基、スズ含有基、アルコキシシリル基、シラノール基、カルボニル基、カルボキシル基、チオカルボニル基、アンモニウム基、ニトリル基、イミン基、またはそれらの組み合わせから選択される官能基を含み得る。特定の実施形態は、カルボキシル官能基を含む。
【0026】
2部分は、官能基に加えて、官能基が付着される追加の有機構造を含み得る。そのような追加の構造は、特定のものに限定されず、例えば、1〜15個の炭素原子、あるいは、4〜15個の炭素原子、2〜10個の炭素原子、2〜8個の炭素原子、2〜5個の炭素原子、または3〜10個の炭素原子を含む。同様に、追加の有機構造は、特に限定されず、アルキル基、シクロアルキル基、アルケン基、アリール基、芳香族基、アルカリル基、ビニル基、またはそれらの組み合わせから選択され得る。アルキル基は直鎖または分岐鎖であり得る。特定の実施形態では、その基は、少なくとも1つの二重炭素−炭素結合を有することに限定され得る。
【0027】
特定の実施形態では、R1部分は、また、官能基を含み、R2として上記に提供された説明と類似し得る。したがって、特定の実施形態は、官能基を含むR1とR2との両方ともを有し得、式中、R1およびR2は、同じであるか異なり得、R1とR2との両方ともが、ゴムを官能化するための官能基を提供する。
【0028】
特定の実施形態では、過酸化物は、式R3−O−O−R1−O−O−R2によって表されるペルオキシケタールであり得、式中、R3は、R2として上記に提供された説明に類似であるか、他の実施形態において、R1として上記に提供された説明と類似であり得る。R3が官能基を含むとき、特定の実施形態における官能基は、R2の官能基と同じであるか異なり得、そして、R1がまた官能基を含むとき、特定の実施形態におけるR3官能基は、R1の官能基と同じであるか異なり得る。R1とR3との両方ともが官能基を含まないとき、R1およびR3は同じであるか異なり得る。
【0029】
過酸化物をゴム混合物に混合するとき、混合物に添加される過酸化物の量は、特に限定されず、所与の用途のために好適な量が添加され得る。しかしながら、本明細書に開示された方法の特定の実施形態では、混合機内のゴムに添加される過酸化物の量は、例えば、0.3phr〜15phr、あるいは、0.3phr〜10phr、0.3phr〜7phr、0.3phr〜5phr、0.2phr〜3phr、0.5phr〜10phr、1phr〜5phr、または1phr〜3phrであり得る。過酸化物が多くの場合不活性担体内で提供されるので、これらの量の過酸化物は、活性過酸化物のものであり、不活性担体を含まない。
【0030】
好適な過酸化物の例としては、2−プロペンペルオキシ酸,3−カルボキシ−,1−(1,1−ジメチルエチル)エステル,(2Z)[CAS#:1931−62−0]、2−プロペンペルオキシ酸,3−カルボキシ−,1−(1,1−ジメチルプロピル)エステル[CAS#:206270−26−0]、プロペンペルオキシ酸,3−カルボキシ−,1−(1,1−ジメチルエチル)エステル,(2Z);[CAS#:28884−42−6]、およびプロペンペルオキシ酸,3−カルボキシ−,1−(1,1−ジメチルプロピル)エステル[CAS#:136338−62−0]が挙げられる。そのような過酸化物は、ペンシルヴェニアにオフィスを有するArkema,Inc.から利用可能である。そのような過酸化物は、単独でまたは組み合わせで用いられ得る。
【0031】
他の例としては、アミン官能性を有するカルバモペルオキシ酸,1,1−ジメチルエチルエステル(9CI)[CAS#:18389−96−3]、ヒドロキシル官能性を有する(tert−ブチルペルオキシ)メタノール[CAS#:17742−748−8]、エポキシド官能性を有する2−(tert−ブチルペルオキシメチル)オキシラン[CAS#:33415−52−0]、トリエトキシシラン官能性を有するシラン,[3−[(1,1−ジメチルエチル)ジオキシ]−3−メチル−1−ブテニル]トリエトキシ−,(E)−[CAS#:147316−37−8]、ニトリル官能性を有するブタンニトリル,4−[(1,1−ジメチルエチル)ジオキシ]−[CAS#:33415−52−0]が挙げられる。
【0032】
注記のように、天然ゴムおよび合成ポリイソプレンゴムがこれらの開示された原位置方法を用いて官能化され得ることが証明されてきた。これらの官能化ゴムは、次いで、有用な物品を形成するために用いられ得るか、あるいは、有用な物品を形成するためにこれらの方法によって官能化されない他のエラストマーと混合され得、そのような他のエラストマーはジエンエラストマーであり、それは、ジエン単量体(共役であるかどうかに関わらず、2つの二重炭素−炭素結合を有する単量体)に少なくとも部分的に(すなわち、単独重合体または共重合体)起因するエラストマーを意味すると理解される。本質的に不飽和のジエンエラストマーは、共役ジエン単量体に少なくとも部分的に起因し、15モル%を超えるジエン起源(共役ジエン)の員または単位の含有量を有するジエンエラストマーを意味すると理解される。
【0033】
よって、例えば、ブチルゴム、ニトリルゴム、またはエチレン−プロピレンジエン三元重合体(EPDM)系もしくはエチレン−ビニルアセテート共重合体系のジエンおよびアルファ−オレフィンの共重合体等のジエンエラストマーは、前述の定義に含まれず、「本質的に飽和の」ジエンエラストマー(ジエン起源の単位の低または超低含有量、すなわち、15モル%未満)として特に記載され得る。
【0034】
本質的に不飽和のジエンエラストマーの範疇にあるのは、高不飽和ジエンエラストマーであり、それらは、50モル%を超えるジエン起源(共役ジエン)の単位の含有量を有するジエンエラストマーを特に意味すると理解されるものである。
【0035】
特定の実施形態に関して、本明細書に開示された官能化エラストマーとの使用のために好適なゴムエラストマーは、例えば、ポリブタジエン(BR)、ポリイソプレン(IR)、天然ゴム(NR)、ブタジエン共重合体、イソプレン共重合体、およびこれらのエラストマーの混合物等の高不飽和ジエンエラストマーを含む。ポリイソプレンは、合成cis−1,4ポリイソプレンを含み、それは、90モル%を超えて、あるいは、98モル%を超えてcis−1,4結合を所有するというのが特徴であり得る。
【0036】
共重合体であるゴムエラストマーは、また、官能化エラストマーとの使用のために好適であり、例えば、ブタジエン−スチレン共重合体(SBR)、ブタジエン−イソプレン共重合体(BIR)、イソプレン−スチレン共重合体(SIR)、イソプレン−ブタジエン−スチレン共重合体(SBIR)、およびそれらの混合物が挙げられる。他の好適なエラストマーとしては、スチレン−ブタジエン−スチレン(SBS)およびスチレン−イソプレン−スチレン(SIS)クロック共重合体等の熱可塑性エラストマー(TPE)、ならびにエチレン−ブテンエラストマーおよびエチレン−オクテンエラストマー等の熱可塑性オレフィン(TPO)が挙げられる。
【0037】
本明細書に開示された特定の実施形態に従ってゴムを官能化するための方法としては、天然ゴムまたは合成ポリイソプレンゴム、および式R1−O−O−R2によって表される有機過酸化物を混合機に加えることを含み得る。そのような成分は、一緒に混合機に添加され得るか、過酸化物は、混合機がある時間の間動作して、ゴムが軟化した後で、添加され得る。当然、条件下で好適であり得る補強充填剤または樹脂等の他の材料は、場合によっては、添加され得る。そのような選択可能な材料のそれぞれは、過酸化物が添加されるとき、過酸化物が添加される前、または過酸化物が添加される後に、個別に添加されるか、混合され得る。
【0038】
混合が十分厳密であるか、温度およびrpm等の加工条件が、ゴムの温度を適正温度に上昇させて、過酸化物を分解させ、次いで、ゴムと反応させるのに十分な限り、用いられる混合機は、密閉式混合機または押し出し機等の任意の好適な混合機であり得る。密閉式混合機の例は、ゴム産業においてよく知られたバンバリー混合機である。
【0039】
過酸化物が混合機に添加された後、そのような方法は、合成ポリイソプレンゴムおよび/または天然ゴムならびに有機過酸化物を含む混合組成物を、混合組成物が目標温度に到達するまで混合することを含み得る。目標温度は、過酸化物を分解して、官能基を含む分解生成物がゴムと反応するのを支持するのに少なくとも十分高い。特定の実施形態では、例えば、混合組成物の目標温度は、120℃〜190℃、あるいは、130℃〜180℃、140℃〜170℃、または150℃〜170℃であり得る。目標温度は、過酸化物が分解し、官能基を含む分解生成物がゴムと反応する温度に依存しており、両方とも好適な速い速度である。当然、温度が高ければ高いほど、反応速度は速くなる。温度への限度は、ゴムへの損傷が起こることになる点で、その温度は、ゴムの種類および過酸化物構造に依存している。
【0040】
本明細書に開示の方法の特定の実施形態は、したがって、有機過酸化物を分解して、官能基を含む分解生成物を提供することと、少なくとも一部の分解生成物を少なくとも一部のジエンゴムと反応させて、官能化ゴムを生成することと、を含み得る。
【0041】
好適な目標温度が得られた後、方法の特定の実施形態は、場合によっては、混合機の速度を停止および/または減速し、目標温度を維持し、混合組成物を目標温度で設定時間の間保持することを含み得る。そのような保持は、過酸化物のうちのより多くを分解させ得、分解生成物のうちのより多くをゴムと反応させて、それによってより高い水準の官能化という結果になり得る。そのような方法は、場合によっては、特定の実施形態では、目標温度が所望の保持温度よりも高い場合には、混合組成物を保持時間の間冷却することを含み得る。
【0042】
本明細書に開示の方法の特定の実施形態は、過酸化物が分解する時間を有し、混合組成物が混合され、および/または設定時間の間、目標温度の目標または特定の範囲に到達して、分解生成物が好適な水準で設定時間の間ゴムと反応する時間を有することを確実にするに、混合工程(例えば、速度、混合機の温度)を調節することを、場合によってはさらに含む。
【0043】
混合組成物の好適な加工が混合機内で完了した後、開示された方法の特定の実施形態は、典型的には、混合組成物を混合機から下ろすことによって、混合組成物を混合機から除去することを含む。特定の実施形態では、方法は、典型的には、ロール機上で、温度が約100℃未満、あるいは、約70℃未満、または約30℃〜40℃になるまで、混合組成物を冷却することをさらに含み得る。冷却ロール機は、典型的には、2本ロール機であり、場合によっては、より速い冷却を提供する冷却された練りロール機を有し得る。あるいは、材料は、水浴またはコールドテーブルを用いて冷却され得る。
【0044】
混合組成物が適正に冷却された後、ここでは官能化ゴムを含む混合組成物は、必要とされるまで保存されるか、タイヤ構成部材の製造を含むゴム物品の製造のために有用であるゴム組成物において、成分としてすぐに用いられ得る。
【0045】
上記に開示された方法を介して原位置で生成された官能化ゴムを有する混合組成物を有することに加えて、ゴム物品の製造のために有用なそのようなゴム組成物は、他の成分と同様に、高不飽和ゴム、本質的に不飽和のゴム、本質的に飽和のゴム、またはそれらの組み合わせを含む追加のゴム成分を含み得る。あるいは、当然、そのようなゴム組成物は、官能化ゴムをゴム成分として含み得るのみである。
【0046】
典型的には、ゴム物品のために有用なゴム組成物は、当該技術においてよく知られているような補強充填剤を含む。そのような補強充填剤は、例えば、シリカおよびカーボンブラックを含み得る。当該技術において知られているように、ゴムに付加するための官能基の選択が、多くの場合、ゴム組成物に含まれることになる補強の種類に基づくように、ゴムの官能化は、多くの場合、補強充填剤とのゴム相互作用を改善する。
【0047】
上述の通り、シリカは、本明細書に開示の方法によって作製された官能化ゴムを有するいくつかのゴム組成物において、有用な補強充填剤である。シリカは、例えば、その両方が450m2/gあるいは30〜400m2/g未満であるBET表面積および比CTAB表面積を有する任意の沈降または熱分解法シリカを含む、当業者に知られた任意の補強シリカであり得、硬化ゴム組成物の所望の性質に基づいて特定の実施形態のために好適であり得る。本明細書に開示のゴム組成物の特定の実施形態は、例えば、80〜200m2/g、100〜190m2/g、120〜190m2/g、または140〜180m2/gのCTABを有するシリカを含み得る。CTAB比表面積は、1987年11月の標準AFNOR−NFT−45007に従って測定された外表面積である。
【0048】
高分散性沈降シリカ(「HDS」と称される)は、本明細書に開示された方法によって生成されたそのようなゴム組成物の特定の実施形態では有用であり得、「高分散性シリカ」は、エラストマーマトリックス内で非凝集(disagglomerate)および分散する実質的な性能を有する任意のシリカを意味すると理解される。そのような測定は、薄形材上で、電子または光学顕微鏡法により公知の方法で観察され得る。公知の高分散性シリカの例としては、例えば、AkzoのPerkasil KS 430、DegussaのシリカBV3380、RhodiaのシリカZeosil 1165 MPおよび1115 MP、PPGのシリカHi−Sil 2000、ならびにHuberのシリカZeopol 8741または8745が挙げられる。
【0049】
シリカがゴム組成物に添加されるとき、シランカップリング剤の比例する量は、また、ゴム組成物に添加される。シランカップリング剤は、混合中にシリカのシラノール基と、加硫中にエラストマーと反応し、硬化ゴム組成物の改善した性質を提供する硫黄含有有機珪素化合物である。好適なカップリング剤は、無機充填剤とジエンエラストマーとの間の十分な化学的および/または物理的結合を確立することができるものであり、それは、少なくとも二官能性であり、例えば、簡略化された一般式「Y−T−X」を有し、式中、Yは、無機充填剤と物理的および/または化学的に結合可能な官能基(「Y」官能基)を表し、そのような結合は、例えば、カップリング剤の珪素原子と無機充填剤の表面ヒドロキシル(OH)基(例えば、シリカの場合、表面シラノール)との間に確立され得、Xは、例えば、硫黄原子により、ジエンエラストマーと物理的および/または化学的に結合可能な官能基(「X」官能基)を表し、Tは、YとXを結合することを可能にする二価有機基を表す。
【0050】
硫黄を含有し、当業者に知られている有機珪素化合物のうちのいずれも、本明細書に開示されたゴム組成物の特定の実施形態を実施するために有用である。シラン分子中の珪素の2個の原子を有する好適なシランカップリング剤の例としては、3,3’−ビス(トリエトキシシリルプロピル)二硫化物および3,3’−ビス(トリエトキシ−シリルプロピル)四硫化物(Si69として知られる)が挙げられる。これらのうちの両方は、純粋な形式ではないが、それぞれ、DegussaからX75−SおよびX50−Sとして市販されている。Degussaは、X50−Sの分子量が532g/モルであり、およびX75−Sが486g/モルであると報告する。これらの市販の生成物のうちの両方は、50−50の重量でN330カーボンブラックと混合された活性成分を含む。シラン分子中の珪素の2個の原子を有する好適なシランカップリング剤の他の例としては、2,2’−ビス(トリエトキシシリルエチェル(ethyel)四硫化物、3,3’−ビス(トリ−t−ブトキシ−シリルプロピル)二硫化物、および3,3’−ビス(ジt−ブチルメトキシシリルプロピル)四硫化物が挙げられる。シラン分子中にわずか1個の珪素原子を有するシランカップリング剤の例としては、例えば、3,3’(トリエトキシシリルプロピル)二硫化物および3,3’(トリエトキシ−シリルプロピル)四硫化物が挙げられる。シランカップリング剤の量は、当業者に知られるような好適な範囲にわたって変動し得る。典型的には、添加される量は、ゴム組成物に添加されるシリカの全重量の7重量%〜15重量%、あるいは8重量%〜12重量%、または9重量%〜11重量%である。
【0051】
有機充填剤であるカーボンブラックは、ゴム配合分野における当業者によく知られており、本明細書に開示された方法によって作製された官能化ゴムを用いてゴム組成物において有用であり得る。カーボンブラックは、特定の実施形態では、例えば、40phr〜150phrあるいは50phr〜100phrの量で含まれ得る。他の実施形態は、カーボンブラックをまったく含まないか、カーボンブラックをほとんど含まず、例えば、約40phr未満か、約15phr未満でさえあり得る。
【0052】
好適なカーボンブラックは、当該技術において知られて、かつ所与の目的のために好適な任意のカーボンブラックである。HAF、ISAF、およびSAFという種類の好適なカーボンブラックは、例えば、タイヤトレッドにおいて従来用いられる。カーボンブラックの非限定的な例としては、N115、N134、N234、N299、N326、N330、N339、N343、N347、N375、およびカーボンブラックの600シリーズ(例えば、N630、N650、およびN660のカーボンブラックを含むがそれらに限定されない)が挙げられる。
【0053】
本明細書に開示されたゴム組成物の特定の実施形態は、プロセス油をまったく含まないか、ほとんど含まず、そのような5phr以下であり得る。プロセス油は、当業者によく知られており、概して、石油から抽出され、パラフィン性、芳香族、またはナフテン系プロセス油(MESおよびTDAE油を含む)として分類される。そのように生成されたゴム組成物のうちのいくつかは、1つ以上のそのようなプロセス油で伸張されたスチレン−ブタジエンゴム等のエラストマーを含み得るが、そのような油は、ゴム組成物において、ゴム組成物の全エラストマー含有量の10phr以下として限定される。他の実施形態は、そのようなプロセス油、ならびに/または、炭化水素樹脂および植物油等の他の可塑剤材料を、当業者によく知られた量で、用い得る。
【0054】
加硫系は、好ましくは、硫黄、および加硫促進剤に基づくものである。特に、2−メルカプトベンゾチアジル二硫化物(略称を「MBTS」という)、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド(略称を「CBS」という)、N,N−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド(略称を「DCBS」という)、N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾール−スルフェンアミド(略称を「TBBS」という)、N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾールスルフェンイミド(略称を「TBSI」という)、およびこれらの化合物の混合物から成る基から選択された、エラストマーの加硫の加硫促進剤として働くことが可能な任意の化合物が、硫黄の存在下で用いられ得る。
【0055】
他の添加剤は、タイヤ構成部材等のゴム物品の製造のために有用なゴム組成物に添加され得る。そのような添加剤は、例えば、次のうちのいくつかのまたは全てを含み得る:劣化防止剤、酸化防止剤、脂肪酸、ワックス、ステアリン酸、および酸化亜鉛。劣化防止剤および酸化防止剤の例としては、6PPD、77PD、IPPD、およびTMQが挙げられ、例えば、0.5phr〜5phrの量でゴム組成物に添加され得る。酸化亜鉛は、例えば、1phr〜6phrあるいは1.5phr〜4phrの量で添加され得る。ワックスは、例えば、1phr〜5phrの量で添加され得る。
【0056】
そのようなゴム組成物は、好適な混合機内で、当業者に知られた様式で、典型的には、2つの連続する調整段階(高い温度で動作する熱機械の第1の段階と、それに続く、より低い温度で動作する機械の第2の段階)を用いて生成され得る。
【0057】
動作する熱機械の第1の段階(「非生産的」段階と時に称される)は、加硫系を除いて、組成物の様々な成分を混練することによって、しっかりと混合することを意図される。それは、動作する機械の作動下で、および混合物に加えられた高剪断下で、概して、120℃〜190℃、より精密には130℃〜170℃の最高温度に到達されるまで、密閉式混合機または押し出し機等の好適な混練装置内で実施される。
【0058】
混合物の冷却後、動作する機械の第2の段階は、より低い温度で実行される。「生産的」段階と時に称される、この完成段階は、加硫(または架橋)系(硫黄または他の加硫剤および加速装置(複数可))を、例えば、開放形ロール機等の好適な装置内で混合することで練り込むことから成る。それは、早期加硫に対して保護するように、適切な時間の間(典型的には、1〜30分、例えば、2〜10分)、混合物の加硫温度よりも低い十分に低い温度で、実施される。
【0059】
ゴム組成物は、車両タイヤ上の使用のためのトレッドおよび他のタイヤ構成部材を含む有用な物品に形成され得る。トレッドは、例えば、トレッドバンドとして形成され得、次いで、後にタイヤの一部にされ得るか、それらは、例えば、押し出しによって、タイヤカーカス上に直接形成され、次いで、型に硬化され得る。したがって、トレッドバンドは、タイヤカーカス上に配置される前に、硬化され得るか、あるいは、それらは、タイヤカーカス上に配置された後に、硬化され得る。典型的には、タイヤトレッドは、公知の様式で、トレッド要素をトレッドに成形する型に硬化される。
【0060】
ゴムの原位置官能化のために本明細書に開示された方法によって生成された官能化ゴムを用いるための方法は、有用である。そのような方法は、ゴム組成物の成分を非生産的混合物に一緒に混合することを含み得、それらの成分は、1つ以上の補強充填剤だけでなく、本明細書に開示された原位置官能化方法によって生成された官能化エラストマーを含む。補強充填剤は、カーボンブラック、シリカ、またはそれらの組み合わせから選択され得る。
【0061】
そのような方法は、非生産的混合物を冷却することをさらに含み得る。そのような冷却は、典型的には、2本ロール機上で起こり得る。冷却後、そのような方法の特定の実施形態は、加硫系を非生産的混合物に混合して、非生産的混合物を生産的混合物に変換することをさらに含み得る。
【0062】
特定の実施形態は、生産的混合物のゴム組成物をタイヤ構成部材に形成して、それを硬化することをさらに含み得る。タイヤ構成部材は、未硬化タイヤ内に練り込まれるならば、タイヤを用いて硬化され得、あるいは、それは、再生タイヤバンドの場合のように、硬化タイヤ内に練り込まれるならば、タイヤとは別に硬化され得る。そのような形成は、例えば、ゴム組成物を押し出して、タイヤトレッドまたは他のタイヤ構成部材を形成することを含み得る。
【0063】
本発明は、次の例によってさらに図解され、それらは、図解としてのみ見なされ、任意の方法で本発明の範囲を定めるものではない。例に開示された組成の性質は、下記に記載のように評価された。
【0064】
ゴム組成物に関する最大タンデルタの動的性質は、80℃で、Metravib Model VA400 ViscoAnalyzer Test System上で、ASTM D5992−96に従って測定された。加硫材料のサンプルの応答(2つの直径10mmのそれぞれの円柱状サンプルの厚さが2mmである二重剪断幾何学)は、10Hzの周波数において80℃の制御温度下で交互の単一正弦波剪断応力を受けたときに記録された。走査は、0.05〜50%(往路サイクル(outward cycle))と、次いで、50%〜0.05%(復路サイクル(return cycle))の変形の振幅で実行された。損失角タンデルタ(最大tan δ)の正接の最大値は、復路サイクル(return cycle)中に測定された。
【実施例】
【0065】
実施例1
この実施例は、カルボキシル部分を用いて官能化された天然ゴムのマスターバッチを混合するための方法を図解する。100phrの天然ゴムは、商品名LUPEROX PNP 25下のペンシルヴェニアのArkema,Inc.から得られた4.57phrの過酸化物2−プロペンペルオキシ酸,3−カルボキシ−,1−(1,1−ジメチルエチル)エステル,(2Z)生成物を用いて、バンバリー混合機に添加された。この生成物は、ペースト形式で、25重量%の過酸化物を含有し、残りの75重量%は活性成分であり、それで、混合機に添加された25重量%のPNP 25だけが活性過酸化物であった。
【0066】
混合物の温度が160℃に到達するまで、成分は、バンバリー混合機内で混合された。混合物は、その温度で5分間保持され、次いで、下ろされた。混合物は、2本ロール機に移動され、混合物の温度が100℃未満になるまで、ロール機上で約3.5分間加工された。官能化混合物は、次いで、切り分けられ、実施例2で用いられた。
【0067】
実施例2
この実施例は、ゴム組成物中の実施例1から生成されたマスターバッチの使用を図解する。それぞれの配合物は、表1に示される成分量を用いて調整された。証拠W1は、実施例1で生成されたマスターバッチのどれも含まず、一方で、配合物F1−F6は、表1に示されるように官能化マスターバッチ(FMB)の20phr、60phr、80phr、または100phrを含んだ。
【0068】
【表1】
【0069】
シリカは、高分散性シリカであり、添加剤は、6PPD、TMQ(公知の酸化防止剤)、およびCTP(公知の抑制剤)を含んだ。加硫パッケージは、硫黄、酸化亜鉛、ステアリン酸、および加硫促進剤を含んだ。
【0070】
表1に記載の配合物のそれぞれに関して、活性加硫パッケージを除く全ての成分は、バンバリー混合機に添加されて、よく練り込まれるまで混合された。混合物は、次いで、バンバリー混合機から下ろされ、2本ロール機に移動された。
【0071】
混合物は、ロール機上で冷却されて、次いで、加硫パッケージの残りの成分は、組成物に添加されて、生産的混合物は、それらが十分に分散されるまで粉砕された。
【0072】
硬化性に関して、材料は、25分間、150℃で硬化され、次いで、それらのtan δの性質に関して試験された。官能化マスターバッチを有するゴム組成物のヒステリシスのパーセントの改善は、証拠組成物に対して21%の改善〜44%の改善に及ぶ。
【0073】
実施例3
天然ゴムではなく合成ポリイソプレンゴムを用いることを除いて、実施例1に記載のものと同じ手順を用いて、合成ポリイソプレンゴムのマスターバッチは、カルボキシル部分を用いて官能化された。この実施例は、ゴム組成物中のこの合成ポリイソプレンゴムマスターバッチの使用を図解する。それぞれの配合物は、表2に示される成分量を用いて調整された。証拠W2は、合成ポリイソプレンゴムマスターバッチのどれも含まず、一方で、配合物F7は、表2に示されるように官能化マスターバッチ(FMB)の20phrを含んだ。
【0074】
【表2】
【0075】
シリカは、高分散性シリカであり、添加剤は、6PPD、TMQ、およびCTPを含んだ。加硫パッケージは、硫黄、酸化亜鉛、ステアリン酸、および加硫促進剤を含んだ。
【0076】
表2に記載の配合物のそれぞれに関して、活性加硫パッケージを除く全ての成分は、バンバリー混合機に添加されて、よく練り込まれるまで混合された。混合物は、次いで、バンバリー混合機から下ろされ、2本ロール機に移動された。
【0077】
混合物は、ロール機上で冷却されて、次いで、加硫パッケージの残りの成分は、組成物に添加されて、生産的混合物は、それらが十分に分散されるまで粉砕された。
【0078】
硬化性に関して、材料は、25分間、150℃で硬化され、次いで、それらのtan δの性質に関して試験された。官能化マスターバッチを有するゴム組成物のヒステリシスのパーセントの改善は、証拠組成物に対して56%であった。
【0079】
本明細書の特許請求の範囲および明細書で用いられるような「含む(comprising)」、「含む(including)」、および「有する」という用語は、指定されていない他の要素を含み得る開放グループを示すものとして考えられるものとする。本明細書の特許請求の範囲および明細書で用いられるような「から本質的に成る」という用語は、指定されていない他の要素が、特許請求の範囲に記載された本発明の基本的な新規の特徴を物質的に変更しない限り、それらの他の要素を含み得る開放グループを部分的に示すものとして考えられるものとする。「a」、「an」という用語、および語の単数形は、それらの用語が何かの1つ以上が提供されることを意味するように、同じ語の複数形を含むように解釈されるものとする。「少なくとも1つの」および「1つ以上の」という用語は互換的に用いられる。「1つ」または「単一」という用語は、何かの1つおよび1つだけが意図されることを示すために用いられるものとする。同様に、特定の数の物が意図されるとき、「2」等の他の特定の整数値が用いられる。「好ましくは」、「好まれる」、「好む」、「場合によっては」、「得る」という用語、および類似の用語は、参照されている項目、条件、またはステップが本発明の選択可能である(必要とされない)特徴であることを示すために用いられる。「a〜b」として記載されている範囲は、「a」値および「b」値を含む。
【0080】
様々な修正および変更が、その真の趣旨から逸脱することなく、本発明の実施形態に対して行われ得ることが、上記説明から理解されるべきである。上記説明は、図解のみのための目的で提供され、限定的な意味において解釈されるべきではない。次の特許請求の範囲の言語だけが本発明の範囲を限定するべきである。