(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6134811
(24)【登録日】2017年4月28日
(45)【発行日】2017年5月24日
(54)【発明の名称】化合物を精製するための多段階晶析方法及び装置
(51)【国際特許分類】
B01D 9/02 20060101AFI20170515BHJP
C01B 25/234 20060101ALI20170515BHJP
【FI】
B01D9/02 618A
B01D9/02 601A
B01D9/02 618B
B01D9/02 604
B01D9/02 605
B01D9/02 617
B01D9/02 603C
C01B25/234 Z
【請求項の数】13
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2015-552021(P2015-552021)
(86)(22)【出願日】2013年12月18日
(65)【公表番号】特表2016-510256(P2016-510256A)
(43)【公表日】2016年4月7日
(86)【国際出願番号】EP2013077079
(87)【国際公開番号】WO2014108285
(87)【国際公開日】20140717
【審査請求日】2016年6月16日
(31)【優先権主張番号】13151207.1
(32)【優先日】2013年1月14日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】505150095
【氏名又は名称】スルザー ケムテック アクチェンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】特許業務法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジャンセン、ハルベ
(72)【発明者】
【氏名】フェイル、マティアス
【審査官】
團野 克也
(56)【参考文献】
【文献】
欧州特許出願公開第02471739(EP,A1)
【文献】
特開昭53−073507(JP,A)
【文献】
特表2003−523968(JP,A)
【文献】
特表2010−501526(JP,A)
【文献】
特開2008−247733(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
IPC B01D 9/00− 9/04
C01B25/234
DB名 DWPI(Thomson Innovation)
JSTPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(i)懸濁晶析ステップ
を含む、化合物を精製する方法であって、
さらに、
(ii)層状晶析ステップ、
(iii)前記層状晶析ステップから得られた中間生成物を、前記懸濁晶析ステップでさらに精製する前に貯蔵するステップ
を含むことを特徴とする上記方法。
【請求項2】
前記化合物がリン酸である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記化合物が、1種又は複数の金属又は半金属不純物を含有し、前記化合物中の各金属又は半金属不純物の濃度が、前記方法において1000ppb未満に低減される、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記方法が、1つの層状晶析段階と、2つ以上の懸濁晶析段階とを含み、前記1つの層状晶析段階が、前記2つ以上の懸濁晶析段階の前に実施される、請求項1から3までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記方法に存在する任意の層状晶析ステップ又は段階が、静止式晶析ユニット又は薄膜降下式晶析ユニットで実施される、請求項1から4までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記方法に存在する任意の懸濁晶析ステップ又は段階が、固液分離及び洗浄段階を含み、前記固液分離及び洗浄段階が、融解回路を有する洗浄カラム内で実施される、請求項1から5までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
溶媒が前記融解回路に添加され、前記溶媒が水である、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
(i)懸濁晶析ユニット
を含む、化合物を精製するための装置であって、
さらに、
(ii)層状晶析ユニット、
(iii)前記層状晶析ユニットの後に且つ前記懸濁晶析ユニットの前に位置付けられた貯蔵ユニット
を含むことを特徴とする上記装置。
【請求項9】
前記層状晶析ユニットが、静止式晶析ユニット又は薄膜降下式晶析ユニットである、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記装置がさらに、融解回路用の洗浄カラムを含む、請求項8又は9に記載の装置。
【請求項11】
前記融解回路が、溶媒を添加するための入口を有する、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
1種又は複数の金属又は半金属不純物を含有する化合物を含む供給原料流を精製するための、請求項8から11までのいずれか一項に記載の装置の使用であって、前記化合物中の各金属又は半金属不純物の濃度が、使用中に、1000ppb未満に低減される、上記使用。
【請求項13】
SEMI C36−0301に従いエレクトロニクスグレードのリン酸を生成するための、請求項12に記載の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、独立請求項1の前提部分による化合物を精製する方法と、独立請求項8の前提部分による化合物を精製する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
不純化合物、例えばリン酸供給原料、から精製された化合物、例えば高純度リン酸は、特に、半導体産業で、またその他のエレクトロニクス産業で、例えばエッチング液として使用するのに適している。それらの用途では、微量の金属又は半金属イオンの存在が、生産されたチップ及び回路基板の品質に既に著しい影響を及ぼす可能性がある。典型的な金属不純物には、カリウム、ナトリウム、鉄、アルミニウム、及びマグネシウムが含まれ、典型的な半金属不純物には、ヒ素及びホウ素が含まれる。例えば、世界プロセス化学委員会(the Global Process Chemicals Committee)及び北米プロセス化学委員会(North American Process Chemicals Committee)は、リン酸の仕様に関する文書、SEMI C36−0301において、そのような不純物に関する仕様をこの産業界に提示している。
【0003】
当該化合物、特に高純度のリン酸は、様々なその他の用途にも、同様に必要とされる。酸化、還元、及び蒸発に抗するその独自の能力は、高純度の工業的製造プロセスに特に有用なものになる。既に上記したように、重要な用途はエレクトロニクス産業であり、例えばあらかじめ紫外光で露光した、ウエハの感光性表面のそのような部分をエッチング除去するのにリン酸が使用される。エッチング液としてのこの用途におけるリン酸と、半導体製品の金属部分との間の所望の反応に起因して、これらの不純物が許容できないレベルに向かって蓄積されるのを回避するために、かなりの量の酸をそのようなプロセスから排出し且つフレッシュな酸に置き換えなければならない。排出された大量の酸は蓄積され、許容レベルが著しく低いので、そのような使用済み化合物を回復させることは経済的にも生態学的にも魅力的である。
【0004】
多くの異なる精製方法が、従来技術により公知である。それらの目的は、エレクトロニクス産業以外のその他の用途に許容される値を超えて、化合物の純度レベルを上昇させることである。工業、食品、又は医薬の用途で使用される化合物に対するそのような公知の精製方法には、とりわけ溶媒抽出、化学沈殿、吸収、イオン交換法が含まれる。これらの公知の方法には、複雑であるという欠点があり、典型的には特定の不純物又は不純物のタイプに限定される。
【0005】
当技術分野では、多段階の層状晶析又は多段階のメルト懸濁晶析など、晶析(結晶化)の方法又はステップが典型的には多段階(multiple stages)で実施され得ることが公知である。本出願において、晶析ステップは、1つ又は複数の晶析段階を含むとして定義される。したがって、層状晶析(layer crystallization)ステップは1つ又は複数の層状晶析段階を含み、懸濁晶析(suspension crystallization)ステップは1つ又は複数の懸濁晶析段階を含む。
【0006】
同様に、精製装置又は晶析ユニットは、多数の層状晶析又は多数の懸濁晶析サブユニットなど、多数の晶析サブユニットを備えてもよい。本出願において、晶析ユニットは、1つ又は複数の晶析サブユニットを備えると定義される。したがって、層状晶析ユニットは1つ又は複数の層状晶析サブユニットを備え、懸濁晶析ユニットは1つ又は複数の懸濁晶析サブユニットを備える。
【0007】
晶析装置(crystallizers)及びその操作に関する追加の情報は、Handbook of Industrial Crystallizatio、第2版、Allan S.Myerson、2002年1月9日発行、Butterworth−Heinemann、Woburn、MA ISBN:978−0750670128、及びCrystallization Technology Handbook、第2版、A.Mersmann編、2001年発行、Marcel Dekker、Basel、ISBN:0−8247−0528−9に開示されている。
【0008】
懸濁晶析に関するより多くの背景は、米国特許第8,034,312号に見出すことができる。米国特許第8,034,312号は、懸濁晶析により高純度リン酸を精製するための方法について記載している。高純度リン酸は半水和物の形態として結晶化され、その後に行われるそのような結晶の洗浄カラム内での分離により、水以外の、金属、半金属、及び不純物のほとんどが除去された高純度の酸/水溶液が生成する。それによって、リン酸に富む供給液が、高純度リン酸半水和物と、供給原料中に元々存在していたほぼ全ての不純物を含有する母液とに分離される。高純度リン酸中の個々の金属及び半金属イオン濃度は、各金属又は半金属イオンが10億分の100から1000(ppb)の範囲にある。この方法では、一部の金属又は半金属イオンの濃度がさらに低減され得ることのない下限があることがわかった。さらにこの方法はまた、多数の設備を備える晶析プラントと、供給原料からのリン酸の回収率が低いことにも繋がる。それらは別々に処理しなければならない廃液流も発生させ、その結果、ひどく費用がかかる。
【0009】
さらに米国特許第8,034,312号は、リン酸の粘度に対する水の添加の影響について記載している。記載された方法の望ましくない結果は、水の添加が、洗浄カラム温度差、ΔTに対して悪影響を及ぼすことである。しかし特許第8,034,312号は、より大きい結晶及び母液のより低い粘度に起因して、洗浄に関する洗浄カラムの有効性に対して水の添加が良い影響を及ぼすことを記載している。ΔTが増加すると、洗浄カラム内の結晶床の洗浄部分に、より低い多孔度をもたらすことも事実である。この多孔度は、洗浄カラムの能力に悪影響を及ぼす。実際に、これは、増加した有効性が、より多くの設備の必要性に対してバランスをとらなければならないことを意味する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
したがって本発明の目的は、経済的に魅力があり操作が簡単な、化合物、特に高純度リン酸、を精製する方法及び装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この目的を満足させる本発明の対象は、独立した方法クレーム1及び独立した装置クレーム8の特徴によって特徴付けられる。
【0012】
従属クレームは、本発明の特に有利な実施形態に関する。
【0013】
本発明によれば、これは懸濁晶析ステップを含む化合物を精製する方法によって実現される。さらに本方法は、層状晶析ステップと、層状晶析ステップから得られた中間生成物の貯蔵ステップとを含み、その後に、懸濁晶析ステップでさらに精製される。晶析ステップと同様に、貯蔵ステップは1つ又は複数の段階を含んでいてもよい。
【0014】
本発明によれば、これらの目的は、懸濁晶析ユニットを含む、化合物を精製するための装置によって達成される。さらに本装置は、層状晶析ユニットと、この層状晶析ユニットの後にあり且つ懸濁晶析ユニットの前にある貯蔵ユニットとを含む。晶析ユニットと同様に、貯蔵ユニットは、1つ又は複数のサブユニットを含んでいてもよい。
【0015】
化合物は、層状晶析及び懸濁晶析の組合せによって精製され、層状晶析から得た中間生成物は貯蔵ステップでさらに貯蔵され、その後、懸濁晶析ステップでさらに精製される。
【0016】
本方法を実施するために、化合物を精製するための装置は、1つ又は複数の懸濁晶析サブユニット、1つ又は複数の層状晶析サブユニット、及び1つ又は複数の層状晶析サブユニットの後にあり且つ1つ又は複数の懸濁晶析サブユニットの前にある1つ又は複数の貯蔵サブユニットを含む。中間生成物は、あるユニット又はサブユニットから別のユニット又はサブユニットに、搬送器、例えばポンプ及びパイプによって搬送されてもよい。
【0017】
その結果、異なる金属又は半金属イオンの全ての濃度は、層状晶析及び懸濁晶析ステップを、それらの間に直列に貯蔵ステップを設けて組み合わせることにより、任意の所望のレベルまで低下させることができる。化合物、特に高純度リン酸を精製するための方法及び装置は、異なる金属又は半金属イオン不純物に対する分離効率が異なる結晶化技術で大きく異なるという事実を使用する。層状晶析では、ごく少数の核が形成され成長して大きな結晶になるのに対し、懸濁晶析では、層状晶析に比べ、莫大な数の核が連続的に形成され、次いでそれらが比較的小さい結晶に成長する。懸濁晶析では、どんなに多くの懸濁晶析段階が適用されたとしても、一部の特定の金属又は半金属イオンに関しては、ある特定の金属又は半金属イオン濃度よりも低くさらに低減させることができない。意外にも層状晶析は、そのような金属又は半金属イオン濃度の安定したさらなる低下をステップごとに示した。いかなる特定のメカニズムにも拘泥するつもりはないが、本発明者らは、この意外な効果が、金属イオンとの錯体を容易に形成するというリン酸などのいくつかの化合物の能力に起因し得るものであり、次いでそのような錯体は核生成源として働くものと考える。したがってその結果、懸濁晶析の場合には、融解した結晶中の最小金属イオン濃度に関してより低い閾値限界があり、それに対してこの効果は、層状晶析の場合に無視できる結果をもたらす。
【0018】
2つの技術、層状晶析及び懸濁晶析と貯蔵ステップとの組合せの主な利点は、工業生産及び精製された化合物を大量に得ることがついに可能になったことである。さらに、化合物を供給原料から回収することも可能である。それでも、晶析からの不良品(reject)は、金属又は半金属イオン濃度の点でそれほど要求が厳しくないその他の用途で使用することができるので、この回収はそれほど重要ではない。しかし晶析ステップの数を低減させるために、金属又は半金属不純物濃度が可能な限り低い供給原料を使用することに、関心が持たれている。この供給原料は、通常の供給原料よりも高い費用価格を有することになり、高い回収率は経済的な利点になる。
【0019】
さらに、貯蔵ステップ及び貯蔵ユニットの用法に起因する利点の1つは、1つのプロセスで、層状晶析の利点と懸濁晶析の利点とを組み合わせるのを可能にすることである。その上、本発明の方法及び装置は、不純供給原料から超純粋化合物を生成するのに適したものになる。
【0020】
組み合わせた層状晶析及び懸濁晶析と貯蔵ステップ及びユニットの有利な適用により、最終生成物は、本質的に超純粋化合物である。
【0021】
本発明の化合物は特に限定されず、その性質が無機、有機、又は有機金属であってもよい。特に好ましい化合物は、金属又は半金属イオンと、容易に錯体を形成するもの、例えば酸性基又は塩基性基を有するような化合物である。容易に金属錯体を形成する化合物のいくつかの例は、スルホネート、ホスホネート、アミン、シアノ、カルボキシレート、オキシレート、アセテート、チオール官能基を含有するものである。無機酸及び有機酸も、容易に金属錯体を形成する化合物である。好ましい実施形態では、化合物はリン酸である。リン酸、特に高純度リン酸又はエレクトロニクスグレードのリン酸は、必要とされるppbレベルの不純物になるように非常に特別な仕様を有していることから(例えば、SEMI C36−0301に準拠する。)、層状晶析及び懸濁晶析と貯蔵ステップを組み合わせて適用することが非常に有利である。さらに、本方法及び装置は、リン酸を生成するための供給原料流の性質及び品質においてフレキシブルであるので、特に良好である。その上、同じ供給原料に関して非常に高い回収率が可能である。
【0022】
別の好ましい実施形態によれば、精製された化合物は、1種又は複数の金属又は半金属不純物、好ましくはヒ素及び/又はホウ素を含有し、各金属又は半金属不純物の濃度は1000ppb未満、好ましくは250ppb未満、より好ましくは100ppb未満、最も好ましくは50ppb未満である。その結果、全ての異なる金属又は半金属イオン濃度を記載したレベルに低下させることができ、生成物は、高純度化合物、例えばチップをエッチングするためのエレクトロニクスグレードのリン酸である。金属及び半金属などの無機不純物を測定するための様々な方法は、当技術分野で公知である。そのような方法には、質量分析法、原子吸光分析(AAS:atomic absorption spectroscopy)、誘導結合プラズマ原子分光分析(ICP−AES:Inductively Coupled Plasma−Atomic Emission Spectrometry)、溶出ボルタンメトリー、及びイオンクロマトグラフィが含まれる。本発明によるこれらの不純物の濃度は、質量分析法によって測定される。金属及び半金属不純物を分析するための質量分析法の適用は、例えば、無機質量分析法の適用(Applications of Inorganic Mass Spectrometry)、J.R.de Laeter、Wiley発行、2001年、ISBN−13:978−0471345398に記載されるように、当技術分野で周知である。
【0023】
本発明のさらなる実施形態は、本方法が、1つの層状晶析段階と、2つ以上の、好ましくは3つの懸濁晶析段階とを含むことであり、1つの層状晶析段階が実施された後に、2つ以上の、好ましくは3つの懸濁晶析段階が実施される。化合物、特に高い純度のリン酸は、金属及び半金属イオンと錯体を形成する能力があることで知られており、そのような錯体が核生成源として働くことによって、懸濁晶析における融解した結晶中の金属及び半金属イオン濃度の下限の低下を引き起こす。層状晶析は、段階から段階へと、そのような金属及び半金属イオン濃度の安定した低下を示した。したがって、1つ又は複数の層状晶析段階を、2つ以上の、好ましくは3つの懸濁晶析段階の前に実施することが有利である。この実施形態は、実施例での金属及び半金属不純物濃度に対するこの方法の効果を示す、試験がなされた構成について記載する。
【0024】
別の好ましい実施形態によれば、1つ又は複数の層状晶析段階は、静止式(static)晶析ユニット又は薄膜降下式(falling film)晶析ユニット、好ましくは静止式晶析ユニットで実施される。本発明のさらなる好ましい実施形態では、1つ又は複数の層状晶析サブユニットは、静止式晶析サブユニット又は薄膜降下式晶析サブユニット、好ましくは静止式晶析サブユニットである。
【0025】
様々な晶析ユニット又はサブユニットには、例えば、適切な緩衝容器(単数又は複数)及び流体接続を設けることができ、その結果、追加のさらなる晶析段階を同じユニット又はサブユニット内で実施できるようになる。晶析ユニット又はサブユニットからの様々な生成物流及び副生成物流は、晶析ユニット又はサブユニットに直接接続された容器を収集する際にマスバランスを用いて都合良く制御してもよい。晶析ユニット及びサブユニットの加熱及び冷却要件は、例えば時間の関数として変化させることができ、エネルギー緩衝システムは、水蒸気及び冷蔵に対する需要の変動を最小限に抑えるために有利に使用してもよい。晶析ユニット及びサブユニットは、レベル及び温度測定機器並びにオン/オフ又は制御弁を使用するコンピュータシステムによって、都合良く制御してもよい。
【0026】
その上、層状晶析ユニットの出口は貯蔵ユニットの入口に流体連通しており、貯蔵ユニットの出口は懸濁晶析ユニットの入口に流体連通している。流体連通は、搬送器、例えばポンプ及び/又はパイプが、層状晶析ユニットの出口から懸濁晶析ユニットの入口の間まで、及び/又は貯蔵ユニットの間、流体を移送することを意味する。本出願の明細書で参照される特定の晶析ユニット又はサブユニットでの結晶化の温度は、摂氏度(℃)を単位として表し、特定の晶析ユニット又はサブユニットから除去された母液流の融点を測定することによって、測定される。化合物は高粘度であるので、静止式晶析ユニットが好ましい。したがって静止式晶析は、大型工業規模で精製する経済的な方法である。
【0027】
薄膜降下式晶析ユニット及びその操作は、例えば米国再発行特許第32,241号又は米国特許第3,621,664号に開示されるように、当技術分野で周知である。他に指示がない限り、従来の薄膜降下式晶析ユニットを、当技術分野で知られるように使用し、操作することができる。静止式晶析ユニット及びその操作は、例えばSulzer Technical Review 2/99 8〜11頁、Sulzer Technical Review 1/2006 4〜6頁、又は米国特許第6,145,340号に開示されるように、当技術分野で周知である。
【0028】
本発明の好ましい実施形態によれば、本方法中に存在する任意の懸濁晶析ステップは、固液分離及び洗浄段階を含み、この固液分離及び洗浄段階は、融解回路(melt circuit)を有する洗浄カラム内で、好ましくは充填床洗浄カラム内で実施される。その上、溶媒が融解回路に添加され、この溶媒は好ましくは水である。
【0029】
洗浄カラムは、非常に高い分離効率を有し、例えば洗浄カラムに進む結晶は生成物として回収される。遠心分離器は、ケークを洗浄し、その中の生成物の一部は、晶析ステップへとリサイクルされ(10〜15%)、したがってより高い晶析装置能力を必要とする。対照的に、洗浄カラム内の洗浄液は、この洗浄カラム内では母液と混合されない。有利には、この項の冒頭で述べた課題は、懸濁晶析ユニットと、化合物の分離デバイスとしての洗浄カラムとを組み合わせることによって解決される。さらに、本発明の方法及びここに示されるその実施例において存在するような高粘度にも関わらず、(i)結晶生成物は、融解回路に溶媒を、好ましくは水を添加することによって洗浄カラム内で処理可能なものを得ることができ、且つ(ii)高い精製比を、そのような洗浄カラムデバイスで得ることができる。
【0030】
本発明による方法は、特許第8,034,312号のように母液に水を添加するのではなく、定量ポンプを使用して融解ループ(melt loop)に添加することにより、洗浄カラムの有効性及び能力を同時に改善する。粘度低下作用は、ここでは母液に制限されず(結晶床の非洗浄部分では重要)、洗浄液でも生ずる(床の洗浄部分では重要)。洗浄カラム結晶床全体におけるこの一般的な粘度低下は、能力の増大を引き起こす。さらなる利点は、添加される水の総量を少なくすることができることである。洗浄液に添加される余分な水(例えば、洗浄液は、一実施形態において水を8.4%含有してもよい。)は、洗浄フロントで再結晶せず(水1molが、リン酸2molと一緒に洗浄フロントで結晶化して、1molの新しい半水和結晶を形成することになる。)、したがって結晶床の非洗浄部分で母液と混合される。結晶床の非洗浄部分での結晶間の母液と、バルク中の母液との混合は、ゆっくりとした過程であり、したがって平衡状態(定常状態の動作に達した後の状態)にある結晶床の結晶間の母液中の水の濃度は、晶析装置スラリー中に存在する母液中の水の濃度よりも高くなる。
【0031】
好ましい実施形態では、層状晶析ユニットは静止式晶析ユニット又は薄膜降下式晶析ユニットであり、好ましくは静止式晶析ユニットである。薄膜降下式晶析装置は、層状晶析のための1つの選択肢であるが、高粘度液体の場合は、狭い範囲の高粘度液体だけに適用は限られる。それに対して、静止式晶析装置は、その操作窓(operating window)が広いので好ましい。
【0032】
本装置はさらに、融解回路用の1つ又は複数の洗浄カラム、好ましくは充填床洗浄カラムを含む。さらに、融解回路は、溶媒を添加するための入口を有する。懸濁晶析ユニットは、固液分離器サブユニットを有することになる。好ましい実施形態では、固液分離器ユニットは、融解回路を備えた1つ又は複数の洗浄カラム、好ましくは充填床洗浄カラムを含む。上記のプロセスは、装置で、特に1つ又は複数の洗浄カラム内で実行され適用される。
【0033】
さらに別の好ましい実施形態では、1種又は複数の金属又は半金属不純物を有する、精製された化合物を形成するための供給原料流の精製であり、各金属又は半金属不純物の濃度が1000ppb未満、好ましくは250ppb未満、より好ましくは100ppb、最も好ましくは50ppbである。その上、SEMI C36−0301により指定されるエレクトロニクスグレードのリン酸を生成するための装置を使用することができる。
【0034】
本発明について、図面を参照しながら、より詳細に以下に説明する。概略図で示す。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【
図1】本発明による、層状晶析及び懸濁晶析の可能な組合せを示す、ブロック図である。
【
図2】本発明による、晶析方法の第1の実施形態のブロック図である。
【
図3】本発明による、水が添加され、結晶床を有する洗浄カラムと、隣接する装置部分との、第1の実施形態を示す図である。
【
図4】ピストン型洗浄カラムのスクレーパー側を、融解ループと一緒に詳細に示した図である。
【
図5】洗浄カラム内の結晶床と、隣接する構成要素とを詳細に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
図1は、本発明による層状晶析及び懸濁晶析のステップ及び段階の可能な組合せを示す、ブロック図を示す。Nは、晶析段階の総数を表す。n
懸濁は、懸濁晶析技術を使用する段階の数を表し、n
層状は層状晶析技術を使用する段階の数を、n
貯蔵は貯蔵技術を使用する段階の数を表す。技術の順序及び段階の数は、供給原料の組成、回収要件、及び必要な製品仕様に応じて変わる。段階は、晶析ユニット又はサブユニットの形態のハードウェアを必ずしも表さない。同じユニット内で、1つ又は複数の段階を実施することが可能である。例えば、多段階を多数のユニット内で実施してもよく、又は中間貯蔵ステップ/ユニットを利用して、多段階を同じユニット内で実施してもよい。多段階を同じユニット内で実施し、その上、本来バッチプロセスの層状晶析ステップを、本来連続プロセスの懸濁晶析ステップに接続するには、緩衝タンクが様々なステップ及び段階の間に必要である。このプロセスは、本発明による装置で実施される。
【0037】
図1において、流れ10は供給液である。供給液は、例えば、リン酸及び水の他に1重量%未満の不純物を有する。流れ12は、最終的な精製化合物、特に高純度リン酸である。典型的には、全ての金属及び半金属不純物、好ましくはヒ素及び/又はホウ素は、100ppb未満である。流れ13は、第1のステップからの不良品流(reject stream)であり、通常はプラント不良品(「プラント」は、全てのユニット及びサブユニットとそれらの動作との組合せであることを意味する。)でもあるが、いくらかの不良品が段階と段階との間にプラントから引き出されることが可能である(
図1で、流れ13aにより表される。)。最後のその選択は、全晶析操作の回収率を低下させると考えられる。これは、後に続く段階からの不良品の不純物濃度が、ある特定の段階の供給原料の不純物濃度よりも高い場合に、その特定の段階に関してのみ考慮される。特定の段階の母液において低い不純物濃度が得られることにより、その特定の段階から、より高い純度の生成物をもたらすと考えられる。これにより、最終の精製された生成物に必要な純度を実現しつつ、1つ又は複数の段階を無くすことができる。次いでこれは、回収率の損失に対してバランスをとるべきである。
【0038】
本発明の貯蔵ステップは、連続懸濁晶析ステップに、バッチ式層状晶析ステップから放出された生成物流を連続的に供給することができるように、具体化される。典型的には、貯蔵ステップは貯蔵ユニット内で行われることになり、それによりこのユニットはバッチ式層状晶析と連続懸濁晶析の間の緩衝液タンクとして作用する。貯蔵ユニットは、サイズ、容積、又は構成に関して具体的に限定されず、最適な容積は、層状晶析ステップ及びユニットと、懸濁晶析ステップ及びユニットとの詳細な性質に依存することになる。貯蔵ユニットの容積は、一般に、層状晶析ステップにより生成される中間生成物の全てを保持し得るように、且つ懸濁晶析ユニットの連続動作が維持されるよう十分な供給原料を保持し得るように、十分なものとなる。
【0039】
例えば、より小さい容積の層状晶析ユニットは、それ自体大きい容積の貯蔵ユニットを必要としなくてもよいが、より頻繁になされるバッチ式層状晶析ステップは、所与の容積の懸濁晶析ユニットに供給するのに、結果として十分な緩衝容積の生成を必要とする可能性がある。逆に、より大きい容積の層状晶析ユニットは、より大きい容積の貯蔵ユニットを必要とするが、バッチ式晶析ステップはそれほど頻繁ではない可能性がある。一方、ハイスループット懸濁晶析ユニット及び高懸濁晶析生成率は、より大きい容積の貯蔵ユニットを、さらにより頻繁になされるバッチ式層状晶析ステップ又はより大きい容積の層状晶析ユニットも必要とする傾向になる。より低いスループットの懸濁晶析ユニット又はより低い懸濁晶析生成率は、より小さい容積の貯蔵ユニットを利用できるようになる。したがって当業者なら、相対的な流量及び生成率並びに層状晶析及び懸濁晶析ユニット及びステップの能力に基づいて、貯蔵ユニット及び貯蔵ステップに適切な容積要件をどのように決定するかが理解されよう。精製プロセスの開始時に、典型的には、層状晶析ユニットをバッチごとに貯蔵ユニットまで運転し始めて、貯蔵ユニットに十分な緩衝能力を構築し、その後、懸濁晶析ユニットを始動させることになる。
【0040】
図2は、試験がなされた実施形態の1つを表す、本発明による晶析方法の第1の実施形態のブロック図を示す。実施形態は、1つの段階からなる層状晶析段階を有し、その後に、3つの等しい懸濁晶析段階からなる懸濁晶析段階が続く。層状晶析段階は、静止式晶析ユニット又は薄膜降下式晶析ユニットである層状晶析ユニット21を使用して実施される。懸濁晶析段階は、懸濁晶析ユニット22を使用して実施される。貯蔵段階は、貯蔵ユニット23を使用して実施される。
【0041】
層状晶析ユニットでの流れは下記の通りであり、流れ10が供給液、流れ11aが段階1から段階2までの中間生成物流、及び流れ18が段階1の不良品流である。段階2での貯蔵ユニット23は、中間生成物流11aを貯蔵するだけである。類似の手法で、段階3の懸濁晶析ユニット22に、段階1からの中間生成物流11aを供給し、そこから不良品流17、及び中間生成物流11bを放出して段階5の懸濁晶析ユニット22に供給するが、そこでは貯蔵ユニット23内に、段階4で中間生成物流11bを貯蔵することが可能である。続く段階5及び7の懸濁晶析ユニット22に、先のユニット22の中間生成物流11b及び11cをそれぞれ段階4及び6から供給する。次にこれらユニット22のそれぞれが、不良品流16及び15、並びに中間生成物流11c及び生成物流12を放出する。次いで生成物流12は、本実施形態のプロセスの最終的な精製生成物流になる。図には示されていないが、同じユニット内で追加のさらなるワークフロー段階を実施できるよう、様々な晶析ユニットに例えば適切な緩衝容器(単数又は複数)及び流体接続を設けることができる。
【0042】
図3は、本発明による融解ループを備えた、例えば米国特許第6,719,954号に記載されるようなピストン型洗浄カラム5の例示的な実施形態であり、定量ポンプ56が、特定量の水を融解ループにポンプ送出するのに使用される。本発明は、懸濁晶析段階でのピストン型洗浄カラムの使用に限定されない。例えば米国特許第4,734,102号に記載されるようなその他の洗浄カラムのタイプを使用することができ、これらの異なるタイプの最上部又は底部に融解ループを設置することができる。本発明は、水を融解ループに導入するのに、定量ポンプ56の使用に限定されるものではない。本発明は、制御された状態で水を融解ループに添加する、任意のその他の手段を含む。
【0043】
アイテム63は、結晶の洗浄済み充填床を備える、洗浄カラムシリンダの最上部である。結晶床は、回転スクレーパーディスク62によって、ばらばらの状態であり、掻き取られた結晶を、融解した結晶からなる液体流と混合し、導管(conduit)513を通してスクレーパーヘッド61に導入する。結晶床は、洗浄部分(結晶間に洗浄液を有する。)63及び非洗浄部分(結晶間に母液を有する。)64を有する。結晶床は、シリンダ6及びピストンフィルタ65により封入される。結晶及び液体の混合物は、導管512を経てスクレーパーヘッドを離れて熱交換器52に至り、そこで十分な熱を混合物に渡して、結晶を融解させる。導管511は、混合物を融解ループポンプ55の吸引側に導く。融解ループポンプの排出側は、導管513を介してスクレーパーヘッド61に接続され、それによりループが効果的に完了する。生成物排出弁57は、融解ループポンプの吸引側に位置する。この弁は、洗浄カラム制御システムによって動作し、生成物は、導管516を通して生成物貯蔵場所に周期的に放出される。定量ポンプ56は、導管514を通して水を融解ループ内に導入する。定量ポンプの吸引側には、ポンプを水の供給源(例えば、水供給タンク)に接続する導管515がある。水が融解ループ内に導入される場所は、生成物排出弁57への接続と、融解ループポンプ55の吸引側との間にあり、その結果、生成物排出弁57を通して生成物が融解ループから離れる前に、水と混合物との良好な混合が保証される。
【0044】
洗浄カラム操作中、洗浄液(融解半水和物)は、スクレーパー側からピストンフィルタ側に、これら2つの側の間の水圧差の影響下で結晶床内を流れる。洗浄部分63と非洗浄部分64との間の小さい結晶床ゾーンを、洗浄フロント(wash front)と呼ぶ。結晶床の非洗浄部分64内の結晶及び液体は、洗浄カラム5へのスラリー供給原料の温度を有し、洗浄部分63内の結晶及び液体は、純粋な半水和物の融点温度にある。この温度差は、非洗浄結晶の外側で洗浄液を結晶化させる。結晶化の放出熱は、純粋な半水和物の融点まで結晶を温める。本発明によれば、水が、融解ループ内の混合物に添加される。ここで洗浄液は、余分な水と、純粋な融解半水和物の粘度よりも低い粘度とを有する融解半水和物である。洗浄フロントで、半水和物は上記のとおり結晶化するが、余分な水は母液と混合されることになり、母液の粘度を低減させる。洗浄カラムの新たなストロークごとに、非洗浄床の母液の一部は、新しい供給原料結晶と一緒に洗浄カラムに入る新しい母液に置き換えられる。
【0045】
図4は、上記の融解ループと一緒に、ピストン型洗浄カラムのスクレーパー側を示す。
図5は、上記の洗浄カラム内の結晶床と、隣接する構成要素とを示す。
【実施例】
【0046】
下記の実施例は、本明細書に記載した方法及び装置がどのように評価されるかに関する詳細な説明を当業者に提供するために記述するものであり、本発明者らが自身の発明とみなす発明の範囲を限定するものではない。
【0047】
第1の例において、本発明の方法及び装置は、
図2に示される化合物を精製するための典型的な用途で、首尾良く使用された。
【0048】
表1は、2種の異なる半金属イオン不純物、すなわち、その1種が、層状晶析によってより良好に分離されるヒ素(As)であり、もう1種が、懸濁晶析によってより良好に分離されるホウ素(B)である、分析結果を示す。分離は、不良品中の不純物成分の濃度を、生成物中の同じ不純物成分の濃度で割った値として本明細書で定義される、分布係数によって定量される。分析は、層状晶析と比較した場合、懸濁晶析において段階当たり比較的高いホウ素の低減を示し、これとは反対のことがヒ素に関して言える。半金属イオンの濃度は、十億分の1(ppb)として表される。十億分の1(ppb)の濃度の金属及び半金属を測定するための、いくつかの周知の方法が、当技術分野にはある。本出願では、全ての測定は、質量分析法によって実施され、全ての濃度は、質量分析法により測定されたものとして定義される。
【表1】
【0049】
リン酸濃度84%で典型的な供給原料を晶析操作に用いて本発明の装置を使用した結果を示す。プロセス上の観点から、懸濁晶析の回収率は、洗浄フロントからの最大Δによって制限される。実際にこれは、結晶が形成される温度に等しい洗浄カラムへの供給原料の温度を、約+5から+10℃以上にすることができることを意味する。これは、80〜82重量%のリン酸を含有する母液に相当する。対照的に、層状晶析段階は−5から−10℃の結晶化温度で操作することができ、これは76〜77重量%を含有する母液に相当するものである。したがって本発明による方法は、回収率が2倍になる。この例は、ヒ素及び/又はホウ素不純物の濃度を1000ppb未満に、好ましくは250ppb未満に、より好ましくは100ppbに、最も好ましくは50ppbに低減させるのに、本発明の方法及び装置を使用してもよいことをさらに実証する。
【0050】
第2の例において、本発明の方法及び装置は、米国特許第8,034,312号の先行技術の方法に対して
図5に示されるように、融解ループ(ML)に水を添加する利点を実証するのに首尾良く使用された。有利には、融解ループに水を添加することにより、母液の非洗浄部分における水の濃度も増加する。さらに、特定の量の水を融解ループに添加することによって、粘度の低下が受ける影響は、同じ量の水を晶析で添加するよりも大きい影響がある。
【0051】
表2中の値は、結晶床の非洗浄部分の結晶間に存在する母液の水の濃度を表す。洗浄カラムに供給された母液(スラリー供給原料)中の濃度が16重量%、床の多孔度が30%と仮定する。次いで融解物への異なる水の添加、例えば1%又はそれ以上から16重量%の添加と、異なるリフレッシュメント因子に関して、マスバランスの助けを借りて値を計算する。典型的には、数重量パーセントの水を、生成された半水和物の単位質量当たり添加する。洗浄カラム内の結晶床の非洗浄部分における、結晶間の母液の水の濃度に対する影響は、単純なマスバランスの助けにより決定することができる。計算結果を、以下の表2に示す。MLリフレッシュメントは、非洗浄結晶床中の母液を、洗浄カラムへの供給原料中の母液に置き換える率の尺度である。洗浄カラムからの、生成された半水和物の重量当たり、1重量%の水の添加によって、測定された能力が20%増大したことは、MLリフレッシュメントが約10%よりも低いという仮定(正確な値は得ることができない。)を裏付ける。
【表2】