(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
詳細な説明
以下の詳細な説明は、詳細な説明の一部である添付の図面についての記載を含む。図面は、例示として、本発明が実施され得る特定の態様を示す。これらの態様は本明細書において「実施例」とも呼ばれ、当業者が本発明を実施できる程度に詳細に説明される。これらの態様は組み合わされてもよく、他の態様が用いられてもよく、本発明の範囲から逸脱することなく構造的または論理的な変更が加えられてもよい。従って、以下の詳細な説明は限定的な意味で解釈されてはならず、本発明の範囲は添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される。
【0011】
本文書において、「1つの(a)」または「1つの(an)」という用語は1つまたは複数を含んで用いられ、「または」という用語は特に定めのない限り非排他的な「または」を指すために用いられる。さらに、本明細書において用いられ、特に定義がなされていない言葉遣いまたは専門用語は説明にすぎず、限定を目的としないことが理解されるべきである。さらに、本文書において言及される全ての刊行物、特許、および特許文書は一つ一つが参照により組み入れられるように、その全体が参照により本明細書に組み入れられる。本文書と、このように参照により組み入れられる文書との間で用法が一致しない場合には、組み入れられる参考文献中の用法は本文書の用法を補うものであるとみなすべきである。相いれない不一致の場合、本文書の中の用法が優先される。
【0012】
本明細書に記載の製造方法において、時間または操作の順序が明示的に説明されている場合を除いて、本発明の原理から逸脱することなく任意の順番で工程を行うことができる。最初に、ある工程が実施され、その後に他のいくつかの工程が実施される効果についての請求項における説明は、最初の工程が他の工程のいずれよりも前に実施されるが、他の工程の中で順序がさらに説明されない限り他の工程が任意の適切な順序で実施できることを意味すると解釈されるものとする。例えば、「工程A、工程B、工程C、工程D、および工程E」と説明する請求項の構成要素(claim element)は、最初に工程Aが行われ、最後に工程Eが行われ、工程Aと工程Eとの間で任意の順序で工程B、C、およびDを行うことができ、この順序は依然として、特許請求されたプロセスの文言の範囲内にあることを意味すると解釈されるものとする。所与の工程または工程の部分集合は繰り返されてもよい。
【0013】
さらに、明示的な請求項の文言が、指定された工程が別々に行われると説明しない限り、指定された工程は同時に行われてもよい。例えば、Xを行う特許請求された工程およびYを行う特許請求された工程は1つの操作の中で同時に行われてもよく、結果として生じるプロセスは特許請求されたプロセスの文言の範囲内にある。
【0014】
定義
本明細書において使用される場合、「精製する」とは、1種類または複数種の外来物質または汚染物質からの関心対象の物質の物理的分離を意味する。対照的に、「不純物(impurities)」または「不純物(impurity)」とは、望ましくない1種類または複数種の外来物質または汚染物質を意味する。
【0015】
本明細書において使用される場合、「溶融した」または「溶融液」とは、溶融されて一緒になった1種類または複数種の物質を意味する。
【0016】
本明細書において使用される場合、「溶融する」とは、液体になる点(融点と呼ばれる)まで、またはそれより高く1種類または複数種の固形物質を加熱するプロセスを意味する。従って、「溶融する」とは、物質が十分な熱に曝露された時に固体から液体に変わることを意味する。
【0017】
本明細書において使用される場合、「アルミニウム」とは、記号Alおよび原子番号13を有する化学元素を意味する。この用語は、金属アルミニウムもしくは元素アルミニウム(Al
0)またはその合金を含む。典型的に、アルミニウムは溶媒金属として用いられる。
【0018】
本明細書において使用される場合、「溶媒金属」とは、加熱するとシリコンを効果的に溶解して溶融液を生じることができる1種類もしくは複数種の金属またはその合金を意味する。適切な例示的な溶媒金属には、例えば、アルミニウムまたはその合金、ならびに任意で、銅、スズ、亜鉛、アンチモン、銀、ビスマス、カドミウム、ガリウム、インジウム、マグネシウム、鉛、およびその合金の少なくとも1つが含まれる。
【0019】
本明細書において使用される場合、「合金」とは2種類以上の元素の均質な混合物を意味し、このうちの少なくとも1つは金属であり、結果として生じた材料は金属特性を有する。結果として生じた金属物質は、通常、その成分の特性とは異なる(時として著しく異なる)特性を有する。
【0020】
本明細書において使用される場合、「チタン」とは、記号Tiおよび原子番号22を有する化学元素を意味する。この用語は、金属チタンもしくは元素チタン(Ti
0)ならびにその合金を含む。チタンは、典型的に、ホウ素含有不純物と錯体をつくることによって溶媒金属(例えば、アルミニウム)からホウ素を除去するために用いられる。
【0021】
本明細書において使用される場合、「バナジウム」とは、記号Vおよび原子番号23を有する化学元素を意味する。この用語は、金属バナジウムもしくは元素バナジウム(V
0)ならびにその合金を含む。バナジウムは、典型的に、ホウ素含有不純物と錯体をつくるまたは反応することによって、溶媒金属(例えば、アルミニウム)からホウ素を除去するために用いられる。
【0022】
本明細書において使用される場合、「ジルコニウム」とは、記号Zrおよび原子番号40を有する化学元素を意味する。この用語は、金属ジルコニウムもしくは元素ジルコニウム(Zr
0)ならびにその合金を含む。ジルコニウムは、典型的に、ホウ素含有不純物と錯体をつくる、または反応することによって溶媒金属(例えば、アルミニウム)からホウ素を除去するために用いられる。
【0023】
本明細書において使用される場合、「クロム」とは、記号Crおよび原子番号24を有する化学元素を意味する。この用語は、金属クロムもしくは元素クロム (Cr
0)ならびにその合金を含む。クロムは、典型的に、ホウ素含有不純物と錯体をつくる、または反応することによって溶媒金属(例えば、アルミニウム)からホウ素を除去するために用いられる。
【0024】
本明細書において使用される場合、「反応産物」とは、2種類以上の物質の化学反応によって形成される化合物を意味する。チタンおよびホウ素の例示的な反応産物として二ホウ化チタン(TiB
2)が挙げられる。
【0025】
本明細書において使用される場合、「配位化合物」、「金属錯体」、または「錯体」とは、配位子または錯化剤としても知られる周囲に並んだ分子またはアニオン(例えば、ホウ素を含む)と結合した原子またはイオン(通常、金属、例えば、チタン、バナジウム、ジルコニウム、またはクロム)を意味する。多くの金属含有化合物は配位化合物からなる。
【0026】
本明細書において使用される場合、「固化する」とは、固体になる点(融点と呼ばれる)より低く1種類または複数種の液体物質(例えば、溶融液)を冷却するプロセスを意味する。従って、「固化する」とは、物質が冷却されて液体から固体に変わることを意味する。
【0027】
本明細書において使用される場合、「除去する」とは、物質を別の物質から分離する(例えば、固体もしくは液体を混合物から除去する)、または物質の一部を別の一部から分離する(例えば、固体の一部を固体の別の一部から除去する)プロセスを意味する。このプロセスは、当業者に公知の任意の技法、例えば、混合物をデカントする、混合物から1つもしくは複数の液体をすくい取る、混合物を遠心分離する、混合物から固体を濾過する、固体を切断してその一部を除去する、またはその組み合わせを使用することができる。
【0028】
本明細書において使用される場合、「ホウ素」とは、記号Bおよび原子番号5を有する化学元素を意味する。この用語は、ホウ素を含む化合物(すなわち、B
3+、B
2+、またはB
+を含むホウ素含有化合物)およびその組み合わせを含む。
【0029】
本明細書において使用される場合、「シリコン」とは、記号Siおよび原子番号14の化学元素を意味する。この用語は、金属シリコンもしくは元素シリコン(Si
0)またはその合金を含む。
【0030】
本明細書において使用される場合、「金属グレードシリコン」とは、比較的純度の高い(例えば、少なくとも約96.0重量%)のシリコンを意味する。
【0031】
本明細書において使用される場合、「結晶の」とは、固体における原子の規則正しい幾何学的配置を含む。従って、「シリコン結晶」とは、固体状態にあるシリコン原子の規則正しい幾何学的配置を有するシリコンを意味する。
【0032】
本明細書において使用される場合、「接触させる」とは、触れる、接点を作る、または物質をすぐ近くまで持っていく行為を意味する。
【0033】
本明細書において使用される場合、「デカントする」または「デカンテーション」とは、沈降物または沈殿物を残して液体を流し出し、それによって沈降物または沈殿物から液体を分離することを含む。
【0034】
本明細書において使用される場合、「濾過する」または「濾過」とは、固体を保持し、液体を通す多孔性シート、例えば、セラミック膜または金属膜に供給流を通すことによって液体から固体を分離するための機械的方法を意味する。これは重力、圧力、または真空(吸引)によって達成されてもよい。濾過によって液体から沈降物および/または沈殿物が効果的に分離される。
【0035】
図1を見ると、一部の態様によるアルミニウムを精製するための方法のブロックフロー
図100の一例が示されている。アルミニウム101および金属添加剤102の加熱104から溶融液106が形成される。精製溶融物110を提供するために、任意で、溶融液106から不純物を除去してもよい108。溶融液106または精製溶融物110のいずれかを冷却し112、固化アルミニウム114を提供する。任意で、固化アルミニウム114の一部を除去し116、精製固体アルミニウム118を提供してもよい。
【0036】
アルミニウム101および金属添加剤102の加熱104から溶融液106を形成する。アルミニウム101および金属添加剤102の加熱は、溶融液106を効果的に形成する温度に達するように行われる。例えば、温度は少なくとも約650℃でありうる。
【0037】
溶融液106から効果的に除去することができる不純物を効果的に提供する量の金属添加剤102であれば、任意の適切な量の金属添加剤102を使用することができる。例えば、アルミニウム101に対して少なくとも約200ppmwの金属添加剤102を用いうる。
【0038】
金属添加剤102は、典型的に、溶媒金属(例えば、アルミニウム101)から不純物(例えば、ホウ素含有不純物)を除去するために用いられる。従って、アルミニウム101からホウ素の少なくとも一部が除去されるように、アルミニウム101をホウ素から精製することができる。例えば、アルミニウム101は少なくとも約0.30ppmwのホウ素を含んでもよい。
【0039】
ホウ素含有不純物は、典型的に、金属添加剤102およびホウ素の反応産物、例えば、二ホウ化チタン(TiB
2)を含む。さらなる不純物としては、金属添加剤、ホウ素、および溶融液に存在するか、または溶融液と接触するさらなる物質の反応産物から形成された不純物が挙げられる。さらなる不純物としては、ホウ素、および溶融液に存在するか、または溶融液と接触するさらなる物質の反応産物から形成された不純物が挙げられ、反応産物の生成は金属添加剤102によって触媒されるか、金属添加剤102と配位結合される。溶融液に存在するか、または溶融液と接触する例示的な物質としては、例えば、酸素が挙げられる。
【0040】
アルミニウム101および金属添加剤102はアルミニウム101の中に一緒に存在してもよい。このような態様において、アルミニウム101は、かなりの、かつはっきり認められるほどの量の金属添加剤102を含む。または、アルミニウム101および金属添加剤102は別々に、同時または連続のいずれかで添加されてもよい。このような態様において、溶融液106はアルミニウム101から形成されてもよく、その後に金属添加剤102が添加されてもよい。または、溶融液106は金属添加剤102から形成されてもよく、その後にアルミニウム101が添加されてもよい。または、溶融液106はアルミニウム101および金属添加剤102から形成されてもよく、一緒に加熱されてもよい。前記の任意の適切なやり方で、溶融液106はアルミニウム101および金属添加剤102の加熱104から形成される。
【0041】
溶融液106の中で不純物を形成させる。この場合、任意で、不純物は除去されてもよい108。特定の態様において、不純物は、溶融液106を含む容器の底に移動する。このような態様において、任意で、不純物は、例えば、デカンデーションまたは濾過によって除去されてもよい108。
【0042】
溶融液106の中で不純物を形成させる。冶金化学の当業者は、溶融液106の中に不純物を形成するプロセスにおいて物質が作り出されるわけではないと理解することが認められる。その代わりに、(アルミニウム101からの)溶融液106に存在するホウ素含有不純物の少なくともの一部は溶融液106の中で錯体をつくる。これらのホウ素含有不純物は、任意で溶融液106から除去され得る新たなホウ素含有不純物(例えば、金属添加剤およびホウ素の反応産物)に変えられる。
【0043】
特定の態様において、溶融液106から不純物の少なくとも一部を除去する任意の工程108が行われる。別の特定の態様において、溶融液106から不純物の少なくとも一部を除去する任意の工程108は行われない。
【0044】
溶融液106を冷却112して、固化アルミニウム114を形成してもよい。または、精製溶融物110を冷却112して、固化アルミニウム114を形成してもよい。固化アルミニウム114が得られるのであれば、冷却112を任意の適切なやり方で行うことができる。例えば、冷却112は約室温(約20℃)で長期間、行われてもよい。
【0045】
冷却112の後、任意で、固化アルミニウム114の一部を除去してもよい116。不純物が溶融液106を含む容器の底に移動する特定の態様では、固化アルミニウム114の底部分(すなわち、かなりの量の不純物を含む固化アルミニウム114の部分)を除去してもよい。固化アルミニウム114のその部分は任意の適切な手段によって除去することができる。例えば、固化アルミニウム114のその部分は、例えば、固化アルミニウム114を切断することによって機械的に除去してもよい。
【0046】
または、溶融液106を含む容器の側面に不純物が移動する特定の態様では、固化アルミニウム114の側面部分(すなわち、かなりの量の不純物を含む固化アルミニウム114の部分)を除去してもよい。溶融液106を含む容器の側面への不純物の移動は、例えば、溶融液106を含む容器の回転または遠心分離によって達成されてもよい。
【0047】
または、溶融液106を含む容器の上部に不純物が移動する特定の態様では、固化アルミニウム114の上部部分(すなわち、かなりの量の不純物を含む固化アルミニウム114の部分)を除去してもよい。溶融液106を含む容器の上部への不純物の移動は、例えば、溶融液106の表面への不純物の浮遊または上昇をもたらす物質を溶融液106に導入することによって達成されてもよい。
【0048】
特定の態様において、固化アルミニウムの一部を除去する任意の工程116が行われる。別の特定の態様において、固化アルミニウムの一部を除去する任意の工程116は行われない。
【0049】
特定の態様において、溶融液から不純物の少なくとも一部を除去する任意の工程108が行われ、固化アルミニウムの一部を除去する任意の工程116が行われる。
【0050】
特定の態様において、アルミニウムを精製するための方法100は1回行われてもよい。別の特定の態様において、アルミニウムを精製するための方法100は2回以上(例えば、2回、3回、または4回)行われてもよい。
【0051】
アルミニウムを精製するための方法100は、出発アルミニウム101と比較して比較的純度の高い精製固体アルミニウム118を提供する。次いで、この精製固体アルミニウム118は、例えば、シリコンを精製するための溶媒金属として用いられてもよい(
図2を参照されたい)。例えば、アルミニウムを精製するための方法100は、出発アルミニウム101からホウ素の少なくとも一部が除去されるように、ホウ素から精製された精製固体アルミニウム118を提供する。従って、精製固体アルミニウム118を提供するために、出発アルミニウム101に存在する、かなりの、かつはっきり認められるほどの量のホウ素を除去することができる。
【0052】
図3を見ると、一部の態様によるアルミニウムを精製するための方法のブロックフロー
図300の一例が示されている。アルミニウム301およびチタン302の加熱304から溶融液306が形成される。精製溶融物310を提供するために、任意で、溶融液306から不純物が除去されてもよい308。固化アルミニウム314を提供するために、溶融液306または精製溶融物310のいずれかが冷却される312。精製固体アルミニウム318を提供するために、任意で、固化アルミニウム314の一部が除去されてもよい316。
【0053】
アルミニウム301およびチタン302の加熱304から溶融液306が形成される。アルミニウム301およびチタン302の加熱は、溶融液306を効果的に形成する温度に達するように行われる。例えば、温度は少なくとも約650℃でもよい。
【0054】
効果的に除去することができる不純物を溶融液306から効果的に提供する量のチタン302であれば、任意の適切な量のチタン302を使用することができる。例えば、アルミニウム301に対して少なくとも約200ppmwのチタン302が用いられてもよい。
【0055】
チタン302は、典型的に、溶媒金属(例えば、アルミニウム301)から不純物(例えば、ホウ素含有不純物)を除去するために用いられる。従って、アルミニウム301からホウ素の少なくとも一部が除去されるように、ホウ素からアルミニウム301を精製することができる。例えば、アルミニウム301は少なくとも約0.30ppmwのホウ素を含んでもよい。
【0056】
ホウ素含有不純物は、典型的に、チタン302およびホウ素の反応産物、例えば、二ホウ化チタン(TiB
2)を含む。さらなる不純物には、チタン、ホウ素、および溶融液に存在するか、または溶融液と接触するさらなる物質の反応産物から形成された不純物が含まれる。さらなる不純物には、ホウ素、および溶融液に存在するか、または溶融液と接触するさらなる物質の反応産物から形成された不純物が含まれ、反応産物の生成はチタン302によって触媒されるか、チタン302と配位結合される。溶融液に存在するか、または溶融液と接触する例示的な物質には、例えば、酸素が含まれる。
【0057】
アルミニウム301およびチタン302はアルミニウム301の中に一緒に存在してもよい。このような態様において、アルミニウム301は、かなりの、かつはっきり認められるほどの量のチタン302を含む。または、アルミニウム301およびチタン302は別々に、同時または連続のいずれかで添加されてもよい。このような態様において、溶融液306はアルミニウム301から形成されてもよく、その後にチタン302が添加されてもよい。または、溶融液306はチタン302から形成されてもよく、その後にアルミニウム301が添加されてもよい。または、溶融液306はアルミニウム301およびチタン302から形成されてもよく、一緒に加熱されてもよい。上記の任意の適切なやり方で、溶融液306はアルミニウム301およびチタン302の加熱304から形成される。
【0058】
溶融液306の中で不純物を形成させる。この場合、任意で、不純物は除去されてもよい308。特定の態様において、不純物は、溶融液306を含む容器の底に移動する。このような態様において、任意で、不純物は、例えば、デカンテーションまたは濾過によって除去されてもよい308。
【0059】
溶融液306の中で不純物を形成させる。冶金化学の当業者は、溶融液306の中に不純物を形成するプロセスにおいて物質は作り出されないと理解することが認められる。その代わりに、(アルミニウム301からの)溶融液306に存在するホウ素含有不純物の少なくともの一部が溶融液306の中で錯体をつくる。これらのホウ素含有不純物が、任意で溶融液306から除去され得る新たなホウ素含有不純物(例えば、チタンおよびホウ素の反応産物)に変えられる。
【0060】
特定の態様において、溶融液306から不純物の少なくとも一部を除去する任意の工程308が行われる。別の特定の態様において、溶融液306から不純物の少なくとも一部を除去する任意の工程308は行われない。
【0061】
固化アルミニウム314を形成するために溶融液306を冷却312してもよい。または、固化アルミニウム314を形成するために精製溶融物310を冷却312してもよい。固化アルミニウム314が得られるのであれば、冷却312は任意の適切なやり方で行うことができる。例えば、冷却312は約室温(約20℃)で長期間行われてもよい。
【0062】
冷却312の後、任意で、固化アルミニウム314の一部を除去してもよい316。不純物が溶融液306を含む容器の底に移動する特定の態様では、固化アルミニウム314の底部分(すなわち、かなりの量の不純物を含む固化アルミニウム314の部分)を除去してもよい。固化アルミニウム314のその部分は任意の適切な手段によって除去することができる。例えば、固化アルミニウム314のその部分は、例えば、固化アルミニウム314を切断することによって機械的に除去してもよい。
【0063】
または、不純物が、溶融液306を含む容器の側面に移動する特定の態様では、固化アルミニウム314の側面部分(すなわち、かなりの量の不純物を含む固化アルミニウム314の部分)を除去してもよい。溶融液306を含む容器の側面への不純物の移動は、例えば、溶融液306を含む容器の回転または遠心分離によって達成されてもよい。
【0064】
または、不純物が、溶融液306を含む容器の上部に移動する特定の態様では、固化アルミニウム314の上部部分(すなわち、かなりの量の不純物を含む固化アルミニウム314の部分)を除去してもよい。溶融液306を含む容器の上部への不純物の移動は、例えば、溶融液306の表面への不純物の浮遊または上昇をもたらす物質を溶融液306に導入することによって達成されてもよい。
【0065】
特定の態様において、固化アルミニウムの一部を除去する任意の工程316が行われる。別の特定の態様において、固化アルミニウムの一部を除去する任意の工程316は行われない。
【0066】
特定の態様において、溶融液から不純物の少なくとも一部を除去する任意の工程308が行われ、固化アルミニウムの一部を除去する任意の工程316が行われる。
【0067】
特定の態様において、アルミニウムを精製するための方法300は1回行われてもよい。別の特定の態様において、アルミニウムを精製するための方法300は2回以上(例えば、2回、3回、または4回)行われてもよい。
【0068】
アルミニウムを精製するための方法300は、出発アルミニウム301と比較して比較的純度の高い精製固体アルミニウム318を提供する。次いで、この精製固体アルミニウム318は、例えば、シリコンを精製するために溶媒金属として用いられてもよい(
図2を参照されたい)。例えば、アルミニウムを精製するための方法300は、出発アルミニウム301からホウ素の少なくとも一部が除去されるように、ホウ素から精製された精製固体アルミニウム318を提供する。従って、精製固体アルミニウム318を提供するために、出発アルミニウム301に存在する、かなりの、かつはっきり認められるほどの量のホウ素を除去することができる。
【0069】
図2を見ると、一部の態様によるシリコンを精製するための方法のブロックフロー
図200の一例が示されている。シリコン201およびアルミニウム202から溶融液206が形成される。シリコン結晶および母液210を提供するために溶融液206は冷却される208。シリコン結晶214および母液216を提供するためにシリコン結晶および母液210は分離される。
【0070】
シリコン201およびアルミニウム202から溶融液206が形成される。アルミニウム202およびシリコン201の加熱204は、溶融液206を効果的に形成する温度に達するように行われる。例えば、アルミニウム202およびシリコン201の加熱204は少なくとも約1420℃の温度に達するように行われてもよい。
【0071】
処理用のシリコン201は複数の供給源から作製されうる。シリコン201は、例えば、太陽電池パネル、半導体ウェーハの製造、またはインゴットの成型からのスクラップシリコンまたは廃棄シリコンでもよい。多くの場合、シリコン201はスラリーの一部である。スラリーには、水、ポリエチレングリコール(PEG)、炭化ケイ素、鉄、アルミニウム、カルシウム、銅および他の汚染物質が含まれ得る。シリコン201はスラリーから取り出され(例えば、分離され)、余分な水を除去するように乾燥されてもよい。遠心、沈降、または他のプロセスによってスラリーから粉末が分離されてもよい。水をスラリーに添加すると、比重が低下して、沈降または遠心分離の改善に役立ちうる。シリコン201は、汚染物質を除去するために、例えば、酸処理を経るなどさらなる処理を経てもよい。例えば、塩酸を用いて、シリコン粉末の表面から鉄などの金属を溶解除去してもよい。フッ化水素酸、塩酸、硝酸、またはその組み合わせを用いて、粉末の表面から二酸化ケイ素を溶解除去、または粉末の表面を溶解してもよい。または、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、またはその組み合わせを用いて、粉末の表面を溶解してもよい。粉末はまた、磁気分離プロセスによって処理して、鉄および他の磁性元素を除去してもよい。
【0072】
または、特定の態様において、使用されるシリコン201は、前の精製プロセスにおいて得られたシリコン結晶214でもよい。具体的には、シリコンを精製するための方法200はシリコン結晶214を提供してもよい。次いで、後続のシリコンを精製するための方法200において、これらのシリコン結晶214が(シリコン201として)用いられてもよい。これは1回または複数回(例えば、2回、3回、もしくは4回)行われてもよい。
【0073】
具体的には、シリコン201は金属グレード(MG)シリコンを含んでもよい。または、シリコン201は金属グレード(MG)シリコンより低いグレードまたは質のものでもよい。純度の低いシリコン(例えば、金属グレード(MG)シリコンより低いグレードまたは質のシリコン)を使用するとコストを削減することができ、他の場合では実行不可能であり現実的でないシリコンの使用が可能になる。
【0074】
溶融液206はシリコン201およびアルミニウム202から形成されてもよい。シリコン201は浸漬下で加熱204されてもよく、これにより、シリコン201は酸化環境と接触できないように制限または阻止される。このような酸素との接触を制限することによって、シリコン201は反応して望ましくない産物である二酸化ケイ素を形成する可能性が低くなる。溶融中にシリコン201を浸漬することによって、例えば、真空または不活性ガス雰囲気を使用しなければならないなどの高価かつ複雑な工程が不要となる。さらに、シリコン201をアルミニウムと接触させる前に、シリコン201は酸処理、磁気分離、真空融解、乾燥、またはその組み合わせによって予備処理されてもよい。これらの工程の1つまたは複数によって、鉄などの汚染物質の除去が容易になり得る。
【0075】
溶融液206は、例えば、回転デガッサー、溶融金属ポンプ、回転炉を用いてボルテックスに送り込むことによって、または誘導電流によってシリコン201およびアルミニウム202から形成されてもよい。シリコン201は実質的に乾燥され、ボルテックスに一定して送り込まれ、従って、酸素との接触が制限されてもよい。シリコン201は、例えば、ミキサー設定を高剪断に合わせることによって粒子1つ1つに剪断されてもよい。溶融は溶融浴中、浸漬下で行われてもよい。例えば、浴は液相線温度より低く、固相線温度より高くてもよく、その結果、粉末に剪断を加えることが容易になり、浴の粘度が高いために粉末を浴中に浸漬し続けることが容易になる。炉耐火物は、例えば、材料中にリンまたはホウ素がほとんどもしくは全くないことで汚染物質が少ない可能性がある。融解石英および/または溶融アルミナが、許容可能な耐火物の一例であり得る。同様に、回転デガッサーまたは溶融金属ポンプが利用されるのであれば、汚染を最小限にするようにリンまたはホウ素をほとんど用いることなく製造され得る。
【0076】
シリコン201およびアルミニウム202は溶融物の乱流を利用することによって浸漬され続けてもよい。溶融は、固相線温度より高い温度が維持される混合条件下で行われうる。溶融によって溶融液206が得られる。
【0077】
(加熱204の後に)溶融液206を効果的に形成することができれば、シリコン201および溶媒金属(例えば、アルミニウム202)はそれぞれ任意の適切な量または比で存在してよい。例えば、シリコン201は約20重量%〜約50重量%で用いられてもよく、アルミニウム202は約50重量%〜約80重量%で溶媒金属として用いられてもよい。シリコン廃棄物の流れを利用して、シリコン201は約20重量%〜約90重量%でまたはそれより多く存在してもよい。次いで、アルミニウム202は、例えば、約10重量%〜約80重量%より少ない比で溶媒金属として用いられてもよい。シリコン201は唯一のシリコン源として用いられてもよく、プロセスに添加される、ある割合のシリコンとして用いられてもよい。プロセスにおいて用いられるシリコンの量および種類を変えることによって、結果として得られる精製シリコンの化学的性質が変えられてもよく、制御されてもよい。
【0078】
アルミニウム202は、典型的に、シリコン201から不純物を除去するために溶媒金属として用いられる。(比較的安価であるが)比較的純度の高いアルミニウム202を利用することは特にソーラー産業において一般的に有利である。従って、シリコンを精製する方法において用いられるアルミニウム202は、本明細書に記載のように精製固体アルミニウム118でもよい(
図1または
図3を参照されたい)。例えば、アルミニウム202は約0.75ppmwまでのホウ素を含んでもよい。
【0079】
アルミニウム202およびシリコン201は一緒に存在してもよい。具体的には、溶融液206はアルミニウム202およびシリコン201から形成されてもよく、溶融液206を形成するためにアルミニウム202およびシリコン201は一緒に加熱されてもよい。さらに、アルミニウム202およびシリコン201は別々に、同時または連続のいずれかで添加されてもよい。または、溶融液206はアルミニウム202から形成されてもよく、その後にシリコン201が添加されてもよい。または、溶融液206はシリコン201から形成されてもよく、その後にアルミニウム202が添加されてもよい。上記の任意の適切なやり方で、溶融液206はアルミニウム202およびシリコン201の加熱204から形成される。
【0080】
シリコン結晶および母液210を形成するために溶融液206は冷却208されてもよい。シリコン結晶および母液210が得られるのであれば、冷却208を任意の適切なやり方で行うことができる。例えば、冷却208を適切な温度、例えば、約室温(20℃)で長期間行うことができる。さらに、冷却208は適切な速度、例えば、約150℃/hrまでで行うことができる。
【0081】
冷却208の後、分離されたシリコン結晶214および母液216を提供するために、シリコン結晶および母液210は分離されてもよい。分離は任意の適切な技法、例えば、デカンテーション(例えば、シリコン結晶から母液を流し出す)および/または濾過を用いて行うことができる。
【0082】
前述のように、シリコン結晶214および母液216を提供するために溶融液206は冷却208されてもよい。1つの態様において、溶融液206のかなりの、またははっきり認められるほどの撹拌を行うことなく、溶融液206は冷却208されてもよい。または、溶融液206を攪拌しながら溶融液206は冷却208されてもよい。任意の特定の理論に拘束されるものではないが、冷却208の間に、攪拌によって、比較的高い純度の、漉しにくい場合がある比較的小さなシリコン結晶を与え得ると考えられる。特定の態様では、少量の混合によって、約1mm(厚さ)x約5mm(幅)x約5mm(長さ)のシリコン結晶を得ることができる。
【0083】
さらに、母液216の中にシリコン結晶が得られるのであれば、溶融液206を任意の適切かつ適当な温度(例えば、液相線温度と固相線温度との間)まで冷却208することができる。例えば、溶融液206は約585〜1400℃の温度まで冷却208されてもよい。
【0084】
母液216の中にシリコン結晶214が得られるのであれば、溶融液206を適切な任意の適当な速度で冷却208することができる。例えば、溶融液206は約150℃/hrまでの速度で冷却208されてもよい。
【0085】
母液216の中にシリコン結晶が得られるのであれば、溶融液206を任意の適切かつ適当な期間にわたって冷却208することができる。例えば、溶融液206は少なくとも約2時間の期間にわたって冷却208されてもよい。
【0086】
シリコン結晶214および母液216は分離212されてもよい。分離212は任意の適切かつ適当なやり方で行うことができる。例えば、分離212は、シリコン結晶214から母液216を流し出すことによって行われてもよい。または、分離212は、母液216からシリコン結晶214を漉すことによって、および/または濾過することによって行われてもよい。または、分離212は遠心分離を用いて行われてもよい。
【0087】
1つの特定の態様において、得られたシリコン結晶214は後続の精製においてシリコン201として使用または再使用されてもよい。必要な純度レベルを有するシリコン結晶214を提供するために、この再使用は複数回(例えば、2回、3回、4回、または5回)行われてもよい。従って、シリコン結晶214を提供するために、シリコンを精製するための方法200は1回行われてもよい。別の態様において、シリコン結晶214を提供するために、シリコンを精製するための方法200は2回以上(例えば、2回、3回、4回、または5回)行われてもよい。
【0088】
シリコンを精製するための方法200は、シリコン201と比較して比較的純度の高いシリコン結晶214を提供する。次いで、これらのシリコン結晶214は、例えば、ソーラーパネル製造において引き続いて使用することができる太陽電池製造において、後続する精製を伴って、または後続する精製なしで用いられてもよい。シリコンを精製するための方法200は、出発シリコン201からホウ素の少なくとも一部が除去されるように、ホウ素から精製されたシリコン結晶214を提供する。例えば、シリコン結晶214は約0.55ppmwに満たないホウ素を含みうる。さらに、シリコン結晶214を提供するために、出発シリコン201に存在する約85重量%までのホウ素が除去されうる。従って、結果として生じるシリコン結晶214は比較的に純度が高い。例えば、シリコン結晶214は少なくとも約65重量%でシリコンを含みうる。
【0089】
以下で示される特定の範囲、値、および態様は例示目的にすぎず、特許請求の範囲において定義されるような開示された保護対象(subject matter)の範囲を限定しない。下記の特定の範囲、値、および態様は、開示されたそれぞれの範囲、値、および態様の全ての組み合わせおよび下位の組み合わせを、そのように明記されているか明記されていないかに関係なく含む。
【0090】
特定の範囲、値、および態様
金属添加剤102は、チタン、バナジウム、ジルコニウム、クロム、またはその組み合わせを含んでもよい。特定の態様において、金属添加剤102は、バナジウム、ジルコニウム、クロム、またはその組み合わせを含んでもよい。さらなる特定の態様において、金属添加剤102は、チタン、ジルコニウム、クロム、またはその組み合わせを含んでもよい。さらなる特定の態様において、金属添加剤102は、チタン、バナジウム、クロム、またはその組み合わせを含んでもよい。さらなる特定の態様において、金属添加剤102は、チタン、バナジウム、ジルコニウム、またはその組み合わせを含んでもよい。さらなる特定の態様において、金属添加剤102は、チタン、バナジウム、またはその組み合わせを含んでもよい。さらなる特定の態様において、金属添加剤102は、チタン、ジルコニウム、またはその組み合わせを含んでもよい。さらなる特定の態様において、金属添加剤102は、チタン、クロム、またはその組み合わせを含んでもよい。さらなる特定の態様において、金属添加剤102は、バナジウム、ジルコニウム、またはその組み合わせを含んでもよい。さらなる特定の態様において、金属添加剤102は、バナジウム、クロム、またはその組み合わせを含んでもよい。さらなる特定の態様において、金属添加剤102は、ジルコニウム、クロム、またはその組み合わせを含んでもよい。さらなる特定の態様において、金属添加剤102はチタンを含んでもよい。さらなる特定の態様において、金属添加剤102はバナジウムを含んでもよい。さらなる特定の態様において、金属添加剤102はジルコニウムを含んでもよい。さらなる特定の態様において、金属添加剤102はクロムを含んでもよい。
【0091】
特定の態様において、アルミニウム101および金属添加剤102の加熱は少なくとも約750℃の温度に達するように行われてもよい。さらなる特定の態様において、アルミニウム101および金属添加剤102の加熱は少なくとも約950℃の温度に達するように行われてもよい。さらなる特定の態様において、アルミニウム101および金属添加剤102の加熱は約650℃〜約1750℃の温度に達するように行われてもよい。さらなる特定の態様において、アルミニウム101および金属添加剤102の加熱は約700℃〜約1670℃の温度に達するように行われてもよい。
【0092】
特定の態様において、アルミニウム101に対して少なくとも約500ppmwの金属添加剤102が用いられてもよい。さらなる特定の態様において、アルミニウム101に対して少なくとも約1,000ppmwの金属添加剤102が用いられてもよい。さらなる特定の態様において、アルミニウム101に対して少なくとも約1,500ppmwの金属添加剤102が用いられてもよい。さらなる特定の態様において、アルミニウム101に対して少なくとも約2,000ppmwの金属添加剤102が用いられてもよい。さらなる特定の態様において、アルミニウム101に対して少なくとも約2,500ppmwの金属添加剤102が用いられてもよい。さらなる特定の態様において、アルミニウム101に対して少なくとも約3,000ppmwの金属添加剤102が用いられてもよい。さらなる特定の態様において、アルミニウム101に対して少なくとも約3,500ppmwの金属添加剤102が用いられてもよい。さらなる特定の態様において、アルミニウム101に対して少なくとも約4,000ppmwの金属添加剤102が用いられてもよい。さらなる特定の態様において、アルミニウム101に対して少なくとも約4,500ppmwの金属添加剤102が用いられてもよい。さらなる特定の態様において、アルミニウム101に対して少なくとも約5,000ppmwの金属添加剤102が用いられてもよい。
【0093】
特定の態様において、アルミニウム101に対して約5,000ppmwまでの金属添加剤102が用いられてもよい。さらなる特定の態様において、アルミニウム101に対して約4,500ppmwまでの金属添加剤102が用いられてもよい。さらなる特定の態様において、アルミニウム101に対して約4,000ppmwまでの金属添加剤102が用いられてもよい。さらなる特定の態様において、アルミニウム101に対して約3,500ppmwまでの金属添加剤102が用いられてもよい。さらなる特定の態様において、アルミニウム101に対して約3,000ppmwまでの金属添加剤102が用いられてもよい。さらなる特定の態様において、アルミニウム101に対して約2,500ppmwまでの金属添加剤102が用いられてもよい。さらなる特定の態様において、アルミニウム101に対して約2,000ppmwまでの金属添加剤102が用いられてもよい。さらなる特定の態様において、アルミニウム101に対して約1,500ppmwまでの金属添加剤102が用いられてもよい。さらなる特定の態様において、アルミニウム101に対して約1,000ppmwまでの金属添加剤102が用いられてもよい。
【0094】
特定の態様において、溶融液を形成するための金属添加剤としてチタンが用いられる。さらに特定の態様において、溶融液を形成するための金属添加剤としてチタンが用いられ、チタンはTiB
2を形成する。さらに特定の態様において、チタンがTiB
2を形成する時、溶融した溶融物の静止した浴の中で比較的長い沈降時間が用いられる。典型的に、長い沈降時間によって、高密度のTiB
2が容器の底に沈降(または落下)するのが容易になる。特定の態様において、少なくとも2時間の沈降時間が用いられてもよい。さらなる特定の態様において、少なくとも3時間の沈降時間が用いられてもよい。さらなる特定の態様において、少なくとも4時間の沈降時間が用いられてもよい。さらなる特定の態様において、少なくとも5時間の沈降時間が用いられてもよい。さらなる特定の態様において、少なくとも6時間の沈降時間が用いられてもよい。
【0095】
特定の態様において、沈降は、溶融した溶融物の比較的静止した浴の中で行われる。さらなる特定の態様において、溶融物は、機械的手段によって、または単純な対流によって混合されない。さらなる特定の態様において、沈降中に過度の温度が回避される。さらなる特定の態様において、金属が確実に完全に溶融したままになるよう十分に高い温度が加えられる。
【0096】
特定の態様において、アルミニウム101は少なくとも約0.35ppmwのホウ素を含んでもよい。さらなる特定の態様において、アルミニウム101は少なくとも約0.40ppmwのホウ素を含んでもよい。さらなる特定の態様において、アルミニウム101は少なくとも約0.45ppmwのホウ素を含んでもよい。さらなる特定の態様において、アルミニウム101は少なくとも約0.50ppmwのホウ素を含んでもよい。さらなる特定の態様において、アルミニウム101は少なくとも約0.55ppmwのホウ素を含んでもよい。さらなる特定の態様において、アルミニウム101は少なくとも約0.60ppmwのホウ素を含んでもよい。さらなる特定の態様において、アルミニウム101は約0.30ppmw〜約0.70ppmwのホウ素を含んでもよい。さらなる特定の態様において、アルミニウム101は約0.40ppmw〜約0.60ppmwのホウ素を含んでもよい。
【0097】
特定の態様において、冷却112は少なくとも約20℃の温度で行われてもよい。さらなる特定の態様において、冷却112は約0℃〜約60℃の温度で行われてもよい。さらなる特定の態様において、冷却112は約15℃〜約40℃の温度で行われてもよい。さらなる特定の態様において、冷却112は約500℃/hrまで、約250℃/hrまで、約125℃/hrまで、約100℃/hrまで、または約75℃/hrまでの速度で行われてもよい。
【0098】
特定の態様において、精製固体アルミニウム118は約0.55ppmw未満のホウ素を含んでもよい。さらなる特定の態様において、精製固体アルミニウム118は約0.40ppmw未満のホウ素を含んでもよい。さらなる特定の態様において、精製固体アルミニウム118は約0.25ppmw未満のホウ素を含んでもよい。さらなる特定の態様において、精製固体アルミニウム118は約0.20ppmw未満のホウ素を含んでもよい。さらなる特定の態様において、精製固体アルミニウム118は約0.15ppmw未満のホウ素を含んでもよい。さらなる特定の態様において、精製固体アルミニウム118は約0.10ppmw未満のホウ素を含んでもよい。
【0099】
特定の態様において、精製固体アルミニウム118を提供するために、出発アルミニウム101に存在する少なくとも約25重量%のホウ素が除去されてもよい。さらなる特定の態様において、精製固体アルミニウム118を提供するために、出発アルミニウム101に存在する少なくとも約35重量%のホウ素が除去されてもよい。さらなる特定の態様において、精製固体アルミニウム118を提供するために、出発アルミニウム101に存在する少なくとも約50重量%のホウ素が除去されてもよい。さらなる特定の態様において、精製固体アルミニウム118を提供するために、出発アルミニウム101に存在する少なくとも約65重量%のホウ素が除去されてもよい。
【0100】
特定の態様において、アルミニウム301およびチタン302の加熱は少なくとも約750℃の温度に達するように行われてもよい。さらなる特定の態様において、アルミニウム301およびチタン302の加熱は少なくとも約950℃の温度に達するように行われてもよい。さらなる特定の態様において、アルミニウム301およびチタン302の加熱は約650℃〜約1750℃の温度に達するように行われてもよい。さらなる特定の態様において、アルミニウム301およびチタン302の加熱は約700℃〜約1670℃の温度に達するように行われてもよい。
【0101】
特定の態様において、アルミニウム301に対して少なくとも約500ppmwのチタン302が用いられてもよい。さらなる特定の態様において、アルミニウム301に対して少なくとも約1,000ppmwのチタン302が用いられてもよい。さらなる特定の態様において、アルミニウム301に対して少なくとも約1,200ppmwのチタン302が用いられてもよい。
【0102】
特定の態様において、アルミニウム301は少なくとも約0.35ppmwのホウ素を含んでもよい。さらなる特定の態様において、アルミニウム301は少なくとも約0.40ppmwのホウ素を含んでもよい。さらなる特定の態様において、アルミニウム301は少なくとも約0.45ppmwのホウ素を含んでもよい。さらなる特定の態様において、アルミニウム301は少なくとも約0.50ppmwのホウ素を含んでもよい。さらなる特定の態様において、アルミニウム301は少なくとも約0.55ppmwのホウ素を含んでもよい。さらなる特定の態様において、アルミニウム301は少なくとも約0.60ppmwのホウ素を含んでもよい。さらなる特定の態様において、アルミニウム301は約0.30ppmw〜約0.70ppmwのホウ素を含んでもよい。さらなる特定の態様において、アルミニウム301は約0.40ppmw〜約0.60ppmwのホウ素を含んでもよい。
【0103】
特定の態様において、冷却312は少なくとも約20℃の温度で行われてもよい。さらなる特定の態様において、冷却312は約0℃〜約60℃の温度で行われてもよい。さらなる特定の態様において、冷却312は約15℃〜約40℃の温度で行われてもよい。さらなる特定の態様において、冷却312は約500℃/hrまで、約250℃/hrまで、約125℃/hrまで、約100℃/hrまで、または約75℃/hrまでの速度で行われてもよい。
【0104】
特定の態様において、精製固体アルミニウム318は約0.55ppmw未満のホウ素を含んでもよい。さらなる特定の態様において、精製固体アルミニウム318は約0.40ppmw未満のホウ素を含んでもよい。さらなる特定の態様において、精製固体アルミニウム318は約0.25ppmw未満のホウ素を含んでもよい。さらなる特定の態様において、精製固体アルミニウム318は約0.20ppmw未満のホウ素を含んでもよい。
【0105】
特定の態様において、精製固体アルミニウム318を提供するために、出発アルミニウム301に存在する少なくとも約25ppmwのホウ素が除去されてもよい。さらなる特定の態様において、精製固体アルミニウム318を提供するために、出発アルミニウム301に存在する少なくとも約35ppmwのホウ素が除去されてもよい。さらなる特定の態様において、精製固体アルミニウム318を提供するために、出発アルミニウム301に存在する少なくとも約50ppmwのホウ素が除去されてもよい。さらなる特定の態様において、精製固体アルミニウム318を提供するために、出発アルミニウム301に存在する少なくとも約65ppmwのホウ素が除去されてもよい。
【0106】
特定の態様において、シリコン201は金属グレード(MG)シリコンを含んでもよい。さらなる特定の態様において、シリコン201は金属グレード(MG)シリコンより低いグレードまたは質のものでもよい。さらなる特定の態様において、シリコン201は約98重量%より低い純度でもよい。さらなる特定の態様において、シリコン201は約95重量%より低い純度でもよい。さらなる特定の態様において、シリコン201は約90重量%より低い純度でもよい。さらなる特定の態様において、シリコン201は約85重量%より低い純度でもよい。さらなる特定の態様において、シリコン201は約80重量%より低い純度でもよい。さらなる特定の態様において、シリコン201は約75重量%より低い純度でもよい。さらなる特定の態様において、シリコン201は約70重量%より低い純度でもよい。さらなる特定の態様において、シリコン201は約65重量%より低い純度でもよい。さらなる特定の態様において、シリコン201は約60重量%より低い純度でもよい。
【0107】
特定の態様において、アルミニウム202およびシリコン201の加熱204は少なくとも約1450℃の温度に達するように行われてもよい。さらなる特定の態様において、アルミニウム202およびシリコン201の加熱204は少なくとも約1500℃の温度に達するように行われてもよい。さらなる特定の態様において、アルミニウム202およびシリコン201の加熱204は少なくとも約1550℃の温度に達するように行われてもよい。さらなる特定の態様において、アルミニウム202およびシリコン201の加熱204は少なくとも約1600℃の温度に達するように行われてもよい。さらなる特定の態様において、アルミニウム202およびシリコン201の加熱204は少なくとも約1700℃の温度に達するように行われてもよい。
【0108】
特定の態様において、アルミニウム202は数千(例えば、4,000)百万分率(重量)までのホウ素を含んでもよい。このような態様において、粗アルミニウムは、例えば、電気産業から得られた、「再生」アルミニウムでもよい。このようなアルミニウムは、アルミニウムからチタンなどの物質を除去するためにホウ素が添加されるため、比較的多量のホウ素を含む。さらなる特定の態様において、アルミニウム202は約3ppmwまでのホウ素を含んでもよい。さらなる特定の態様において、アルミニウム202は約0.60ppmwまでのホウ素を含んでもよい。さらなる特定の態様において、アルミニウム202は約0.55ppmwまでのホウ素を含んでもよい。さらなる特定の態様において、アルミニウム202は約0.50ppmwまでのホウ素を含んでもよい。さらなる特定の態様において、アルミニウム202は約0.45ppmwまでのホウ素を含んでもよい。さらなる特定の態様において、アルミニウム202は約0.40ppmwまでのホウ素を含んでもよい。さらなる特定の態様において、アルミニウム202は約0.25ppmwまでのホウ素を含んでもよい。さらなる特定の態様において、アルミニウム202は約0.20ppmwまでのホウ素を含んでもよい。
【0109】
特定の態様において、冷却208は少なくとも約10℃の温度で行われてもよい。さらなる特定の態様において、冷却208は少なくとも約15℃の温度で行われてもよい。さらなる特定の態様において、冷却208は約50℃までの温度で行われてもよい。さらなる特定の態様において、冷却208は約40℃までの温度で行われてもよい。さらなる特定の態様において、冷却208は約10℃〜約50℃の温度で行われてもよい。さらなる特定の態様において、冷却208は約15℃〜約40℃の温度で行われてもよい。
【0110】
特定の態様において、冷却208は約125℃/hrまでの速度で行われてもよい。さらなる特定の態様において、冷却208は約100℃/hrまでの速度で行われてもよい。さらなる特定の態様において、冷却208は約75℃/hrまでの速度で行われてもよい。
【0111】
特定の態様において、溶融液206は、固相線温度に近いが、固相線温度より高い温度(例えば、固相線温度より約200℃高い温度以内、固相線温度より約125℃高い温度以内、または固相線温度より約50℃高い温度以内)で冷却208されてもよい。さらなる特定の態様において、溶融液206は約700℃〜約750℃の温度まで冷却208されてもよい。さらなる特定の態様において、溶融液206は固相線温度より高く、液相線温度より低い温度まで冷却208されてもよい。さらなる特定の態様において、溶融液206は液相線温度より低い温度まで冷却208されてもよい。
【0112】
特定の態様において、溶融液206は約100℃/hrまでの速度で冷却208されてもよい。さらなる特定の態様において、溶融液206は約50℃/hrまでの速度で冷却208されてもよい。さらなる特定の態様において、溶融液206は約20℃/hrまでの速度で冷却208されてもよい。
【0113】
特定の態様において、溶融液206は少なくとも約2時間の期間にわたって冷却208されてもよい。さらなる特定の態様において、溶融液206は少なくとも約4時間の期間にわたって冷却208されてもよい。さらなる特定の態様において、溶融液206は少なくとも約8時間の期間にわたって冷却208されてもよい。さらなる特定の態様において、溶融液206は少なくとも約12時間の期間にわたって冷却208されてもよい。さらなる特定の態様において、溶融液206は少なくとも約24時間の期間にわたって冷却208されてもよい。さらなる特定の態様において、溶融液206は少なくとも約48時間の期間にわたって冷却208されてもよい。
【0114】
特定の態様において、シリコン結晶214は約0.50ppmw未満のホウ素を含んでもよい。さらなる特定の態様において、シリコン結晶214は約0.45ppmw未満のホウ素を含んでもよい。さらなる特定の態様において、シリコン結晶214は約0.40ppmw未満のホウ素を含んでもよい。さらなる特定の態様において、シリコン結晶214は約0.35ppmw未満のホウ素を含んでもよい。さらなる特定の態様において、シリコン結晶214は約0.30ppmw未満のホウ素を含んでもよい。さらなる特定の態様において、シリコン結晶214は約0.25ppmw未満のホウ素を含んでもよい。さらなる特定の態様において、シリコン結晶214は約0.20ppmw未満のホウ素を含んでもよい。
【0115】
特定の態様において、シリコン結晶214を提供するために、出発シリコン201に存在する少なくとも約25重量%のホウ素が除去されてもよい。さらなる特定の態様において、シリコン結晶214を提供するために、出発シリコン201に存在する少なくとも約30重量%のホウ素が除去されてもよい。さらなる特定の態様において、シリコン結晶214を提供するために、出発シリコン201に存在する少なくとも約35重量%のホウ素が除去されてもよい。さらなる特定の態様において、シリコン結晶214を提供するために、出発シリコン201に存在する少なくとも約40重量%のホウ素が除去されてもよい。さらなる特定の態様において、シリコン結晶214を提供するために、出発シリコン201に存在する少なくとも約45重量%のホウ素が除去されてもよい。さらなる特定の態様において、シリコン結晶214を提供するために、出発シリコン201に存在する少なくとも約50重量%のホウ素が除去されてもよい。さらなる特定の態様において、シリコン結晶214を提供するために、出発シリコン201に存在する少なくとも約55重量%のホウ素が除去されてもよい。さらなる特定の態様において、シリコン結晶214を提供するために、出発シリコン201に存在する少なくとも約60重量%のホウ素が除去されてもよい。さらなる特定の態様において、シリコン結晶214を提供するために、出発シリコン201に存在する少なくとも約65重量%のホウ素が除去されてもよい。さらなる特定の態様において、シリコン結晶214を提供するために、出発シリコン201に存在する少なくとも約70重量%のホウ素が除去されてもよい。さらなる特定の態様において、シリコン結晶214を提供するために、出発シリコン201に存在する少なくとも約75重量%のホウ素が除去されてもよい。さらなる特定の態様において、シリコン結晶214を提供するために、出発シリコン201に存在する少なくとも約80重量%のホウ素が除去されてもよい。
【0116】
特定の態様において、シリコン結晶214は少なくとも約70重量%でシリコンを含んでもよい。さらなる特定の態様において、シリコン結晶214は少なくとも約75重量%でシリコンを含んでもよい。さらなる特定の態様において、シリコン結晶214は少なくとも約80重量%でシリコンを含んでもよい。さらなる特定の態様において、シリコン結晶214は少なくとも約85重量%でシリコンを含んでもよい。さらなる特定の態様において、シリコン結晶214は少なくとも約90重量%でシリコンを含んでもよい。さらなる特定の態様において、シリコン結晶214は少なくとも約95重量%でシリコンを含んでもよい。さらなる特定の態様において、シリコン結晶214は少なくとも約96重量%でシリコンを含んでもよい。さらなる特定の態様において、シリコン結晶214は少なくとも約97重量%でシリコンを含んでもよい。さらなる特定の態様において、シリコン結晶214は少なくとも約98重量%でシリコンを含んでもよい。さらなる特定の態様において、シリコン結晶214は少なくとも約99重量%でシリコンを含んでもよい。
【0117】
以下で示される特定の列挙態様[1]〜[39]は例示目的にすぎず、特許請求の範囲において定義されるような開示された保護対象の範囲を限定しない。これらの列挙態様は、本明細書に記載の全ての組み合わせ、下位の組み合わせ、および多項引用の(例えば、多項従属の)組み合わせを含む。
【0118】
列挙態様
[1] アルミニウムを精製するための方法であって、
(a)アルミニウムと、チタン、バナジウム、ジルコニウム、およびクロムの少なくとも1つより選択される金属添加剤とから、溶融液を形成する工程;
(b)溶融液中で、金属添加剤およびホウ素の反応産物を含む不純物を形成させる工程;
(b)任意で、溶融液から不純物の少なくとも一部を除去する工程;
(d)溶融液を冷却して固化アルミニウムを形成する工程;ならびに
(e)任意で、不純物の少なくとも一部を含む固化アルミニウムの一部を除去する工程
を含み、精製アルミニウムを提供するために任意の工程の少なくとも1つが行われる、方法。
[2] 精製アルミニウムが工程(a)のアルミニウムより少ないホウ素を含有するように、少なくとも一部のホウ素を除去する、態様[1]の方法。
[3] 精製アルミニウムが約0.55ppmw未満のホウ素を含む、態様[1]〜[2]のいずれかの方法。
[4] 精製アルミニウムが約0.40ppmw未満のホウ素を含む、態様[1]〜[2]のいずれかの方法。
[5] 精製アルミニウムが約0.25ppmw未満のホウ素を含む、態様[1]〜[2]のいずれかの方法。
[6] 溶融液が少なくとも約650℃の温度で形成される、態様[1]〜[5]のいずれかの方法。
[7] アルミニウムに対して少なくとも約200ppmwの金属添加剤が用いられる、態様[1]〜[6]のいずれかの方法。
[8] アルミニウムに対して少なくとも約500ppmwの金属添加剤が用いられる、態様[1]〜[6]のいずれかの方法。
[9] アルミニウムに対して少なくとも約1,000ppmwの金属添加剤が用いられる、態様[1]〜[6]のいずれかの方法。
[10] 金属添加剤がチタンを含む、態様[1]〜[9]のいずれかの方法。
[11] 工程(a)のアルミニウムが少なくとも約0.40ppmwのホウ素を含む、態様[1]〜[10]のいずれかの方法。
[12] 工程(a)のアルミニウムが約0.40ppmw〜約0.60ppmwのホウ素を含む、態様[1]〜[10]のいずれかの方法。
[13] 金属添加剤およびホウ素の反応産物を含む不純物が二ホウ化チタン(TiB
2)を含む、態様[1]〜[12]のいずれかの方法。
[14] 固化アルミニウムの一部を除去する工程が機械的に行われる、態様[1]〜[13]のいずれかの方法。
[15] 固化アルミニウムの一部を除去する工程が固化アルミニウムを切断することによって行われる、態様[1]〜[13]のいずれかの方法。
[16] 工程(a)のアルミニウム中にアルミニウムおよび金属添加剤が一緒に存在する、態様[1]〜[15]のいずれかの方法。
[17] 金属添加剤が、工程(a)のアルミニウムに添加される、溶融液に添加される、またはその組み合わせである、態様[1]〜[15]のいずれかの方法。
[18] 金属添加剤およびホウ素の反応産物を含む不純物が、金属添加剤、ホウ素、および、溶融液に存在するかまたは溶融液と接触するさらなる物質の反応産物を含む、態様[1]〜[17]のいずれかの方法。
[19] 溶融液から不純物の少なくとも一部を除去する任意の工程が行われる、態様[1]〜[17]のいずれかの方法。
[20] 溶融液から不純物の少なくとも一部を除去する任意の工程が行われない、態様[1]〜[17]のいずれかの方法。
[21] 不純物の少なくとも一部を含む固化アルミニウムの一部を除去する任意の工程が行われる、態様[1]〜[17]のいずれかの方法。
[22] 不純物の少なくとも一部を含む固化アルミニウムの一部を除去する任意の工程が行われない、態様[1]〜[17]のいずれかの方法。
[23] 溶融液から不純物の少なくとも一部を除去する任意の工程が行われ、かつ、不純物の少なくとも一部を含む固化アルミニウムの一部を除去する任意の工程が行われる、態様[1]〜[17]のいずれかの方法。
[24] 2回以上行われる、態様[1]〜[23]のいずれかの方法。
[25] 以下の工程を含む、シリコンを精製するための方法:
(a)シリコンおよびアルミニウムから溶融液を形成する工程であって、アルミニウムが約0.55ppmw未満のホウ素を含む、工程;
(b)溶融液を冷却してシリコン結晶および母液を形成する工程;ならびに
(e)シリコン結晶および母液を分離する工程。
[26] アルミニウムが、態様[1]〜[24]のいずれかの精製アルミニウムまたは固化アルミニウムを含む、態様[25]の方法。
[27] アルミニウムが約0.25ppmw未満のホウ素を含む、態様[25]の方法。
[28] アルミニウムが約0.10ppmw未満のホウ素を含む、態様[25]の方法。
[29] シリコン結晶が約0.40ppmw未満のホウ素を含む、態様[25]〜[28]のいずれかの方法。
[30] シリコン結晶が約0.25ppmw未満のホウ素を含む、態様[25]〜[27]のいずれかの方法。
[31] シリコン結晶が約0.20ppmwのホウ素を含む、態様[25]〜[28]のいずれかの方法。
[32] 工程(a)において、シリコンが金属グレード(MG)シリコンである、態様[25]〜[31]のいずれかの方法。
[33] 工程(a)において、シリコンが約20重量%〜約50重量%で用いられる、態様[25]〜[31]のいずれかの方法。
[34] 工程(a)において、アルミニウムが約50重量%〜約80重量%で用いられる、態様[25]〜[32]のいずれかの方法。
[35] 工程(b)において、溶融液が約75℃/hr未満の速度で冷却される、態様[25]〜[34]のいずれかの方法。
[36] 工程(b)において、溶融液が少なくとも約2時間の期間にわたって冷却される、態様[25]〜[35]のいずれかの方法。
[37] シリコン結晶から母液を流し出すことによって工程(c)が行われる、態様[25]〜[36]のいずれかの方法。
[38] シリコン結晶が少なくとも約65重量%でシリコンを含む、態様[25]〜[37]のいずれかの方法。
[39] 2回以上行われる、態様[25]〜[38]のいずれかの方法。
【実施例】
【0119】
実施例1:
以下のグラフは、ある期間にわたって得られたシリコンフレークの試料について、シリコンフレークに存在するホウ素のレベルを示す。