(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
スピーカーを有するフロントカバー、前記フロントカバーの背面に配置され、水平方向に延びるメインテーブル、前記メインテーブルの上方に配置されたトップテーブル、前記メインテーブルに取り付けられ、引き出し可能なPAコントロールセクション、前記PAコントロールセクションの下方に設けられた脚部フレーム、および前記メインテーブルと前記脚部フレームを接合し、前記フロントカバーの後方に位置する斜行サイドフレームを備え、前記脚部フレームには前記斜行サイドフレームと前記フロントカバーが接合され、前記斜行サイドフレームは前記フロントカバーと前記脚部フレームとともに側面から見て直角三角形を構成し、前記トップテーブルは前記メインテーブルに対し、上げポジション、水平ポジション、下げポジションの3態様のポジションを有することを特徴とする演台。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、本発明の演台について説明する。
図1は、本発明の演台の一実施形態を示しており、トップテーブルの上げポジションのときの演台の正面図である。
図1に示すように、演台100のフロントカバー10は、上方に1個の上部スピーカー(メインスピーカー)11と上部スピーカー11の下方に多数の開口(音の通過孔)12を設けている。フロントカバー10の開口12の裏面のほぼ中央付近に1個の円形スピーカー(サブスピーカー)(図示せず)を配置している。フロントカバー10に備えられた上部スピーカー11はモノラルステレオ一体形構造のものを採用している。
【0031】
図2は、本発明の演台の一実施形態を示しており、トップテーブルの上げポジションのときの演台の平面図である。演台100のフロントカバー10の背面に、上方から下方に順に、トップテーブル20および水平方向に延びるメインテーブル(デスクトップ)30が配置されている。トップテーブル20の裏面には、必要に応じて、時刻を確認するための時計や出力された音声を確認するためのモニタースピーカーなども設置できる。また、トップテーブル20によって手指などが挟まれないようにするために、メインテーブル30の両端には挟まれ防止用突起31が溶接され、上げポジションにあるトップテーブル20が誤って落下したときや、トップテーブル20の下げポジションのときの安全な空間をトップテーブル20とメインテーブル30の間に確保している。
【0032】
図3は、本発明の演台の一実施形態を示しており、トップテーブルの上げポジションのときの演台の側面図である。演台100のトップテーブル20は、斜行サイドフレーム60に取り付けられて、メインテーブル30の上方に配置されている。トップテーブル20は、上げポジションの状態である。このトップテーブル20は、メインテーブル30に対して、上げポジション、水平固定ポジション、下げポジションの3つの異なるポジションを設定することができる。このトップテーブル20は、トップテーブル20を使用していないときは、上げたり下げたりしてそのポジションを変えることができ、上げポジションや下げポジションの場合は、水平固定ポジションに比べてメインテーブル30の有効活用面積を拡げることができる。
【0033】
図3に示すように、演台100は、フロントカバー10、このフロントカバー10の背面に、上方から下方に順に、トップテーブル20、メインテーブル30、ボトムテーブル(下部テーブル)40および脚部フレーム50が配置されている。メインテーブル30、ボトムテーブル40および脚部フレーム50は、それぞれ水平方向に延びて配置されている。トップテーブル20、メインテーブル30、ボトムテーブル40および脚部フレーム50は、一定の高さで一定の間隔をおいて順に上方から下方に配置されている。
【0034】
演台100のトップテーブル20は、水平固定ポジションのときにディスプレイを置くことができる。なお、演台100のトップテーブル20にディスプレイを置くときは専用のホルダーを使用する。
【0035】
演台100のボトムテーブル40は、PC本体やプリンター等を置くことができる。なお、ボトムテーブル40にPC本体やプリンター等を設置する際は専用のホルダーを使用する。
【0036】
図3に示すように、 演台100の三つのポジションをもつトップテーブル20、メインテーブル30、ボトムテーブル40および脚部フレーム50は、上方から下方に斜めに右下がりに延びる斜行サイドフレーム60に接合されている。この脚部フレーム50には、斜行サイドフレーム60とフロントカバー10が接合されている。
【0037】
このように、演台100の斜行サイドフレーム60は、三つのポジションを持つトップテーブル20とメインテーブル30とボトムテーブル40と脚部フレーム50とを接合している。また、脚部フレーム50に、フロントカバー10と斜行サイドフレーム60が接合されている。演台100の斜行サイドフレーム60は、フロントカバー10と脚部フレーム50ともに側面から見て直角三角形構造の構成を採用し、演台100の構成要素として強烈なインパクトを与えて演台100のデザイン性を高めている。
【0038】
また、演台100の脚部フレーム50の下方に4個の自在キャスター70を設けている。これにより、演台100は、4輪自在キャスター70によってどこでも自由に移動できる。
【0039】
図3に示すように、演台100のフロントカバー10は、左右にワイヤレスマイクロフォン用アンテナ13を設けている。演台100のメインテーブル30には、ノートPC、タブレットPC,スマートフォンなどの情報機器やドキュメントなどを置くことができる。メインテーブル30は、情報機器の無線充電ができるように工夫されている。
【0040】
図3に示すように、演台100のメインテーブル30の下方に、PAコントロールセクション(PA操作部、PA操作セクション)80が収容されて取り付けられている。このPAコントロールセクション80の内部に、収納ボックス(PAコントロールセクション付属収納ボックス)90が付属して設けられている。
【0041】
図3に示すように、PAコントロールセクション80の傾斜した前面板81に、PAコントロールセクション開閉用キー82が取り付けられている。また、収納ボックス90に傾斜して取り付けられた四角形状収納ボックス扉91に、収納ボックス開閉用キー92が取り付けられている。収納ボックス90の収納ボックス扉91は、PAコントロールセクション80の傾斜した前面板81の下方部に、前面板81と同一面に設けられている。
【0042】
図3においては、演台100の収納ボックス90を付属したPAコントロールセクション80は、メインテーブル30の下方左側に収容された収容状態にあって、PAコントロールセクション80は、引き出された状態(引き出しポジション)になっていなく、また収納ボックス90の収納ボックス扉91は閉じられている。PAコントロールセクション80の前面板81に取り付けられたPAコントロールセクション開閉用キー82は施錠されている。また、収納ボックス90の収納ボックス扉91に取り付けられた収納ボックス開閉用キー92も、施錠されている。
【0043】
図3に示すように、本発明の一実施形態の演台100は、収納ボックス90を付属したPAコントロールセクション80にPAコントロールセクション開閉用キー82を前面板81取り付け、収納ボックス90収納ボックス扉91に収納ボックス開閉用キー92を取り付けている。このように、本発明の一実施形態の演台100は、PAコントロールセクション開閉用キー82と収納ボックス開閉用キー92をそれぞれ設けて、演台100にセキュリテイ対策を施している。
【0044】
図4は、本発明の演台の一実施形態を示しており、トップテーブルの上げポジションのときの演台の背面図である。演台100のトップテーブル20は、トップテーブル20の水平固定用金具21を左右に設けている。このトップテーブル水平固定用金具21によって、トップテーブル20は、斜行サイドフレーム60に水平位置で固定できる。また、フロントカバー10の両側面にそれぞれアンテナ13が設けられている。
【0045】
図5は、本発明の演台の一実施形態を示しており、トップテーブルの水平固定ポジションまたは下げポジションのときの演台の正面図である。演台100のトップテーブル20は、トップテーブル水平固定用金具21によって斜行サイドフレーム60に水平固定されたポジションの状態であり、
図5においてはフロントカバー10の前方から見るとトップテーブル20は出現していない。
【0046】
図6は、本発明の演台の一実施形態を示しており、トップテーブルの水平固定ポジションのときの演台の平面図である。演台100のトップテーブル20は、トップテーブル水平固定用金具21によって斜行サイドフレーム60に水平固定されたポジションの状態であり、トップテーブル20はメインテーブル30の上部前方をカバーしている。
【0047】
図7は、本発明の演台の一実施形態を示しており、トップテーブルの水平固定ポジションのときの演台の側面図である。演台100のトップテーブル20は、水平固定ポジションの状態にある。PAコントロールセクション80の収納ボックス90には、マイクロフォン、アンテナ等が収納されている。
図7においては、演台100のPAコントロールセクション80と収納ボックス90とはそれぞれ、メインテーブル30の下方部に収容された収容状態にあり、引き入れられている。収納ボックス90の収納ボックス扉91は、収納ボックス開閉用キー92によって閉じられている。
【0048】
図8は、本発明の演台の一実施形態を示しており、トップテーブルの水平固定ポジションのときの演台の背面図である。演台100のトップテーブル20は、水平方向に位置しトップテーブル水平固定用金具21によって斜行サイドフレーム60に固定されている。演台100のPAコントロールセクション80の前面板81には、PAコントロールセクション開閉用キー82が備えられ、PAコントロールセクション80に付属している収納ボックス90の収納ボックス扉91には、収納ボックス開閉用キー92が備えられている。
図8においては、演台100の収納ボックス90を付属したPAコントロールセクション80は、メインテーブル30の下方部に収容状態にある。
【0049】
図9は、本発明の演台の一実施形態を示しており、トップテーブルが水平固定ポジションでかつPAコントロールセクションが引き出されて引き出しポジションのときの演台の平面図である。
図9に示すように、演台100のPAコントロールセクション80は、パワーアンプリファイヤやワイヤレスマイクチューナーを内蔵したミキサー(以下、音響装置)83を備えている。
図9に示すように、PAコントロールセクション80の音響装置83が出現している。なお、PA(パブリックアドレス)は、通常、エフェクター類、モニタースピーカー、ミキシング・コンソール、マイクロフォン、各スピーカー、各ケーブル類、アンプリファイヤ等を備えている。
【0050】
図9に示すように、演台100のPAコントロールセクション80の内部に音響装置83を備えている。収納ボックス90は、音響装置83を内部に有するPAコントロールセクション80の音響装置収納部分とは隔離して形成されている。すなわち、収納ボックス90は、PAコントロールセクション80の音響装置収納部分の下方部に設けられている。
【0051】
図9に示すように、演台100のPAコントロールセクション80にミキシング・コンソールを内蔵している。このミキシング・コンソールは、複数の音声信号をアナログ回路における電気的またはデジタル回路における演算によって音色加工やトラック音声加算して様々な音声トラック形式へ出力させるための音響機器で、ミキシングという物理的な音声制御をするための一連の機能を有する音響機器である。
【0052】
本発明の一実施形態では、
図9に示すように、PAコントロールセクション80のパワーアンプリファイヤを内蔵した音響装置83の上面が出現している。この音響装置83は、各種つまみ83a、出力信号の出力状態を表示するLED(発光ダイオード)83b等を有している。演者はPAコントロールセクション80の音響装置83を上方から確認しながら目視で容易に取り扱うことができる。このように、本発明の一実施形態の演台100では、パワーアンプリファイヤを内蔵した音響装置83をPAコントロールセクション80に収納し、音響装置83のメンテナンスも容易にできる。
【0053】
本発明の一実施形態の演台100では、PAコントロールセクション80に、ワイヤレスマイクロフォン、ワイヤードマイクロフォン、PC、ノートPC、タブレットPC、スマートフォン、楽器等の音源を入力する。ミキシング・コンソールでミキシングを行なった後、パワーアンプリファイヤを通してフロントカバー10の上部スピーカー11、中央部スピーカーから音声を直接出すことができる。
【0054】
図10は、本発明の演台の一実施形態を示しており、トップテーブルの水平固定ポジションでかつPAコントロールセクションの引き出しポジションのときの演台の側面図である。収納ボックス90を付属したPAコントロールセクション80は、PAコントロールセクション80の両側に設けられたレール84を用いて、メインテーブル30の右端部から水平方向に引き出されて出現している。
図10に示すように、収納ボックス90は、PAコントロールセクション80の下方部で右方側に位置されている。従って、収納ボックス90の収納ボックス扉91もPAコントロールセクション80の下方部の右端側に設けられている。
【0055】
図10に示すように、演台100のトップテーブル20が水平方向に固定され、メインテーブル30の下方に取り付けられた収納ボックス90を付属したPAコントロールセクション80が、メインテーブル30の右端部から水平方向に引き出されている。演台100の収納ボックス90を付属したPAコントロールセクション80は、メインテーブル30の下方部から引き出されて開かれた状態にある。また、収納ボックス90もメインテーブル30の下方部から引き出されて収納ボックス扉91が開かれた状態にある。PAコントロールセクション80の前面板81は、メインテーブルの右端部から引き出されており、収納ボックス90の収納ボックス扉91はヒンジ93を用いて開放されている。
【0056】
図10に示すように、演台100のブラケット(支持フレーム)51は、脚部フレーム50に溶接されており、またフロントカバー10の底面は、ねじ52によってブラケット51に取り付けられている。
【0057】
図10に示すように、演台100の収納ボックス90を付属したPAコントロールセクション80は、メインテーブル30から右端部から水平方向に引き出された状態を示している。PAコントロールセクション80の内部の付属されている収納ボックス90にワイヤレスマイクロフォンや外したアンテナ等を収納している。
【0058】
図10に示すように、演台100の収納ボックス90を付属したPAコントロールセクション80がメインテーブル30の右端部から水平方向に引き出された状態を示している。PAコントロールセクション80に付属した収納ボックス90の収納ボックス扉91は開かれた状態にある。すなわち、収納ボックス90の収納ボックス扉91と収納ボックス90の端部の間に設けたヒンジ93を動作させて、収納ボックス90の収納ボックス扉91を開いている。
【0059】
図10に示すように、メインテーブル30は、斜行サイドフレーム60の上方の左側部に取り付けられている。いいかえれば、斜行サイドフレーム60の上方はメインテーブル30の左側に位置されているので、メインテーブル30の上面を有効に活用できる。また、斜行サイドフレーム60の上方は、メインテーブル30の左方側に位置されているので、音響装置83を備えたPAコントロールセクション80を容易に引き出すことができる。
【0060】
このように、本発明の一実施形態では、演台100はPA(パブリックアドレス)を活用したシステムで、音響装置83にワイヤレスマイクロフォン、ワイヤードマイクロフォン、PC、ノートPC、タブレットPC、スマートフォン、楽器等の音源を、必要に応じて同時に接続入力してミキシングでき、この音響システムを演者が手元で容易に制御できる。
【0061】
本発明の一実施形態では、音響装置83から外部の録音機器に出力することができ、ミキシングされた音も容易に録音できる。
【0062】
図11は、本発明の演台の一実施形態を示しており、トップテーブルの下げポジションのときの演台の平面図である。
図12は、本発明の演台の一実施形態を示しており、トップテーブルの下げポジションのときの演台の側面図である。
図13は、本発明の演台の一実施形態を示しており、トップテーブルの下げポジションのときの演台の背面図である。
図11、
図12、
図13は、演台100のトップテーブル20の下げポジションのときの状態を示している。下げポジションにすることによって、メインテーブル30の有効使用面積を拡げることができ、ノートPCやドキュメントなどを置くスペースが広がる。
【0063】
図12においては、演台100のPAコントロールセクション80と収納ボックス90とは、メインテーブル30の下方の左側部に収容状態にあって、収納ボックス90の収納ボックス扉91は閉じられている。
【0064】
つぎに、本発明の一実施形態である演台100の使用、操作方法について説明する。演台100の使用開始前に、マイクロフォン、PC、ノートPC、タブレットPC、スマートフォン、楽器などの各音源を、必要に応じて音響装置83に接続する。つぎに、演台100の講演環境にあわせて出力条件を設定(セッティング)する。すなわち、使用する会場の大きさ、広さ、会場に流すべき音量、音質、聴衆者の人数、聴衆者の種類(子供主体か大人主体か)、または演者の音質、音量等を勘案し、これらの諸条件に合わせて事前に演台100の音声出力条件をセッティングする。このように、演台100のPAコントロールセクション80の音響装置83等を最適な講演環境にすべき事前に十分調節、調合しておく。
【0065】
演者は、講演環境に応じて既に調節、調合された演台100を使用して講演を行なう。演者は、メインテーブル30のワイヤレスマイクロフォンまたはワイヤードマイクロフォンを用いて、演説内容または説明内容等をフロントカバー10の上部スピーカー11と円形スピーカーから聴衆者に音声を出力する。
【0066】
また、演者は、必要に応じて、予め接続された音源を、講演または説明内容等の箇所に応じて、音源を操作または演奏することによって演台100のフロントカバー10の上部スピーカー11と円形スピーカーから音声出力できる。また、講演中においても、PAコントロールセクション80を引き出して音響装置83を手元で操作して音声を調節することもできる。このように、演者は、必要に応じて、演台100のメインテーブル30に載置されたノートPC・タブレットPC・スマートフォン、ボトムテーブル40に載置されたPC、演台100の近傍に設置された楽器などの音源を自由にミキシングしたり、外部録音機器に出力して録音したりすることができる。
【0067】
さらに、演者は、演台100に備えられたPAコントロールセクション80を通して、演台100に備えられたPAコントロールセクション80とは異なる外部に設置されているPA(パブリックアドレス)システムへ出力でき、外部のPA(パブリックアドレス)システムを手元で制御することもできる。
【0068】
演台100を使用した後または操作した後、使用したマイクロフォン、アンテナ等を開いている収納ボックス扉91から収納ボックス90の内部に収納する。そして、収納ボックス扉91に取り付けられた収納ボックス開閉用キー92を施錠して、収納ボックス90をPAコントロールセクション80の内部に安全に収容する。また、引き出されたPAコントロールセクション80を引き入れてメインテーブル30の下方部に収容する。そして、PAコントロールセクション80に取り付けられたPAコントロールセクション開閉用キー82を施錠して、PAコントロールセクション80を安全に収容する。このことにより、PAコントロールセクション80とPAコントロールセクション80の内部に装備された収納ボックス90のセキュリティ対策が講じられ、また、さまざまな場所に使用される際にも安全に移動することができる。