特許第6134887号(P6134887)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6134887現像装置、プロセスカートリッジ及び画像形成装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6134887
(24)【登録日】2017年5月12日
(45)【発行日】2017年5月31日
(54)【発明の名称】現像装置、プロセスカートリッジ及び画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 15/08 20060101AFI20170522BHJP
【FI】
   G03G15/08 235
   G03G15/08 226
   G03G15/08 221
【請求項の数】7
【全頁数】31
(21)【出願番号】特願2012-287545(P2012-287545)
(22)【出願日】2012年12月28日
(65)【公開番号】特開2014-130220(P2014-130220A)
(43)【公開日】2014年7月10日
【審査請求日】2015年11月30日
(73)【特許権者】
【識別番号】316018166
【氏名又は名称】エスプリンティンソリューション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】特許業務法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大野 学
(72)【発明者】
【氏名】村松 智
【審査官】 飯野 修司
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−145562(JP,A)
【文献】 特開2008−122715(JP,A)
【文献】 特開2011−237632(JP,A)
【文献】 特開2007−121947(JP,A)
【文献】 特開2010−224183(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 15/08
F16C 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
現像剤を収容する現像剤収容室と、
前記現像剤収容室に隣接して配置される現像室と、
前記現像剤収容室と前記現像室との間を区画すると共に、前記現像剤収容室と前記現像室を繋ぐ開口部を有する区画壁と、
回転可能に配設され、前記現像室内の現像剤を担持搬送する現像剤担持体と、
前記現像室における前記現像剤担持体の下方に配設され、前記開口部を介して前記現像室に供給された現像剤を貯留する現像剤貯留部と、
前記現像室内に配設され、前記現像剤貯留部に貯留されている現像剤を前記現像剤担持体に供給する現像剤供給部材と、
前記現像剤担持体の周面上に当接するように配置され、前記現像剤担持体上に供給された現像剤の層厚を規制する現像剤規制部材と、を備える現像装置において、
前記現像剤供給部材は、前記現像剤担持体の周面上に当接するように対向して回転可能に配置され、当接領域において前記現像剤担持体と逆方向に移動し、
前記現像剤担持体には、現像剤を担持する為に構成された複数の凸部及び前記複数の凸部それぞれを取り囲む凹部を有する現像剤担持面が設けられており、
前記凸部の頂面と前記凹部の底面との高低差が現像剤の重量平均粒径(D4)の0.8倍以上5.0倍未満であって、
前記現像剤担持面上に、前記凸部の頂面を軸方向と周方向に延長して得られる仮想的な全周面を定義した際に、前記全周面の面積に対する前記凸部の頂面の総面積の割合が3%以上40%未満であり、
前記現像剤担持体と前記現像剤規制部材との当接位置が、前記現像剤担持体と前記現像剤供給部材の当接位置よりも下方に設けられており、
前記現像剤担持体から前記現像剤規制部材により規制された余剰の現像剤を、前記現像剤貯留部で回収することを特徴とする現像装置。
【請求項2】
前記現像剤規制部材は、少なくとも、前記現像剤担持体の回転軸に平行な幅方向に延びる端部を有する弾性当接体を備えると共に、
前記弾性当接体の端部は、前記現像剤担持体の表面の凸部を取り囲む凹部と対向した状態において、前記端部と前記凹部の底面との間隔が現像剤の重量平均粒径(D4)よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載の現像装置。
【請求項3】
前記凸部の頂面に担持された現像剤の層厚を現像剤粒子一層以下に規制することを特徴とする請求項1又は2に記載の現像装置。
【請求項4】
前記現像剤担持体に対する前記現像剤規制部材の当接部分の表面硬度比が0.20以上1.00未満の関係を満たすことを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の現像装置。
【請求項5】
前記現像室の下方に前記現像剤収容室を配置すると共に、前記現像剤収容室内の現像剤を下方から上方に汲み上げると共に、前記開口部を介して現像剤を前記現像室に供給することが可能な撹拌部材を前記現像剤収容室内に備えることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の現像装置。
【請求項6】
静電潜像担持体と、
前記静電潜像担持体と一体的にカートリッジ化される請求項1〜5の何れか一項に記載の現像装置と、を備えたプロセスカートリッジ。
【請求項7】
請求項1〜5の何れか一項に記載の現像装置を備えた画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真方式の画像形成装置に用いられる現像装置、プロセスカートリッジ及び画像形成装置であって、特に、規則的に配置された凸部及び凹部を表面に有する現像剤担持体を備えた現像装置、プロセスカートリッジ及び画像形成装置に関する。
【0002】
ここで、画像形成装置とは、電子写真画像形成方式を用いて記録材(記録媒体)に画像を形成するもので、複写機、プリンタ、ファクシミリ装置、ワードプロセッサ及びこれ等の複合機(マルチファンクションプリンタ)等が少なくとも含まれる。現像装置とは、電子写真感光体などの像担持体上の静電像を、現像剤を用いて可視像化する為の装置である。プロセスカートリッジとは、電子写真感光体と、少なくとも、電子写真感光体に作用するプロセス手段としての現像手段とを一体的にカートリッジ化し、画像形成装置本体に対して着脱可能としたものである。
【背景技術】
【0003】
電子写真方式を利用した画像形成装置では、一般に、一様に帯電した電子写真感光体としての感光体ドラムの外周面を選択的に露光することで静電像を形成し、この静電像を現像ローラの如き現像剤担持体に担持された現像剤のトナーによってトナー像として顕像化する。そして、感光体ドラム上に形成されたトナー像を、記録材に転写し、更に記録材上に転写されたトナー像に熱や圧力を加えることでトナー像を記録材に定着させることで画像記録を行う。
【0004】
このような画像形成装置では、高精度の画像を安定的に形成する為にトナーの帯電性を向上させることが必要であり、例えば、規則的に配置された凸部及び凹部を表面に有する現像剤担持ローラを用いることにより、トナーをムラなく転動させて良好に帯電させることを可能とした現像装置が提案されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−121947号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
係る現像装置では、前記現像剤担持ローラに担持されるトナーの層厚を規制する為に現像剤規制部材が用いられ、前記現像剤担持ローラ表面に担持されたトナーは、前記現像剤規制部材が有する平面により押圧され、現像剤担持ローラの表面や現像剤規制部材と接触しながら転動することにより、良好な帯電状態を得ることが出来る。
【0007】
しかしながら、本発明者らが鋭意検討した結果、表面に凸部と凹部を配設した現像剤担持ローラを用いた場合、現像剤規制部材の当接条件の僅かな差異が、前記現像剤担持ローラ上に規制されるトナーの層厚(以下、「現像剤規制量」と称す)に大きな影響を与えるといった潜在的な問題を有していた。
【0008】
一例として、図1に現像剤規制部材の突出し量に対する現像剤担持体上の現像剤規制量の関係を示す。
【0009】
ここで、前記現像剤規制部材の突出し量(以下、「突出し量」と称す)とは、現像剤規制部材の当接条件の一つであり、本発明においては、現像剤担持体に当接させた状態と現像剤担持体を取り外した状態での現像剤規制部材の先端位置の移動距離を意味する(図3参照、詳細後述)。
【0010】
現像剤規制量は、突出し量が大きくなるに連れて増加するが、現像剤担持体の表面形状の影響を受ける為、屈曲点Aと屈曲点Bを生じる。
【0011】
突出し量が小さい領域(図1の領域(a))では、現像剤の大部分が凹部に収まっている為(図2(a)参照)、良好な帯電特性を得ることが出来るが、現像剤の担持量そのものは決して十分な量ではない。更に突出し量が大きくなると、凹部への現像剤の充満が終了し、その結果として、屈曲点Aを生じる。屈曲点A以降(図1の領域(b))は、詰め込みが進行し、一部の現像剤は凸部頂面に溢れを生じる(図2(b)参照)。屈曲点Bを過ぎると(図1の領域(c))、凹部に入り込めなかった現像剤が、凸部の頂面に一層以上の現像剤層を形成し(図2(c)参照)、現像剤の帯電特性に悪影響を及ぼす。
【0012】
即ち、屈曲点Aを生じるまでの領域(図1の領域(a))では、画像形成に要する現像剤量を確保するのが困難であり、又、屈曲点B以降の領域(図1の領域(c))では、上記の如き現像剤担持ローラの特徴が消失するだけでなく、画像形成等に種々の不都合を生じる。
【0013】
従って、表面に凸部と凹部を配設した現像剤担持体の性能を発揮させるには、屈曲点Aから屈曲点Bの領域(図1の領域(b))で前記現像剤規制部材の突出し量を調整し、且つその状態を維持することが必須だったのである。
【0014】
しかしながら、屈曲点Aから屈曲点Bの領域では、突出し量に対する現像剤規制量の変化率(図1中の直線の傾きに相当)が非常に大きい為、所望の現像剤規制量(設定量)の許容変動量(上限値から下限値の範囲)に対する突出し量(中心値)の寸法公差(上限値から下限値の範囲)が非常に狭くなる為、調整や組み立てが困難を極める。
【0015】
また、調整済の現像装置であっても、現像剤規制部材や現像剤担持体の表面が磨滅することにより、現像剤規制量が変動し易い為、画像濃度やカラーバランスの制御が困難となり、多数回の画像形成を繰り返す画像形成装置の現像装置には不向きであった。
【0016】
また、上記の如き現像装置を、比較的、画像形成機会の少ないプロセスカートリッジに搭載した場合には、画像形成時に現像装置を駆動させる為の外部動力に起因する現像装置部分の捻じれや歪みに対応することが困難で、同一ページ内での画像濃淡差や色ムラが発生する為、未だ、実用化には至っていないのである。
【0017】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、現像装置の構成を最適化することにより、上記の如き表面に凸部と凹部を配設した現像剤担持ローラへの現像剤の担持状態を制御することによって、現像剤の帯電特性を維持しつつ、更には現像剤規制部材の取り付けや調整を容易にし、量産レベルでの組み立て容易性を有する現像装置、プロセスカートリッジ及び画像形成装置を提供することを目的とする。
【0018】
また、多数回の画像形成を繰り返した場合であっても、現像剤規制部材や現像剤担持体表面の磨滅に起因する画像濃度やカラーバランスの変動を生じ難い現像装置、プロセスカートリッジ及び画像形成装置を提供することを目的とする。
【0019】
更には、外部からの変形応力を受けても、画像濃度やカラーバランスの変動を生じ難い現像装置、プロセスカートリッジ及び画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0020】
上記目的を達成する為に、本発明にあたっては、
現像剤を収容する現像剤収容室と、
前記現像剤収容室に隣接して配置される現像室と、
前記現像剤収容室と前記現像室との間を区画すると共に、前記現像剤収容室と前記現像室を繋ぐ開口部を有する区画壁と、
回転可能に配設され、前記現像室内の現像剤を担持搬送する現像剤担持体と、
前記現像室内に配設され、前記開口部を介して供給された現像剤を前記現像剤担持体に供給する現像剤供給部材と、
前記現像剤担持体の周面上に当接するように配置され、前記現像剤担持体上に供給された現像剤の層厚を規制する現像剤規制部材と、を備える現像装置において、
前記現像剤供給部材は、前記現像剤担持体の周面上に当接するように対向して回転可能に配置され、当接領域において前記現像剤担持体と逆方向に移動し、
前記現像剤担持体には、現像剤を担持する為に構成された複数の凸部及び前記複数の凸部それぞれを取り囲む凹部を有する現像剤担持面が設けられており、
前記凸部の頂面と前記凹部の底面との高低差が現像剤の重量平均粒径(D4)の0.8倍以上5.0倍未満であって、
前記現像剤担持面上に、前記凸部の頂面を軸方向と周方向に延長して得られる仮想的な全周面を定義した際に、前記全周面の面積に対する前記凸部の頂面の総面積の割合が3%以上40%未満であり、
前記現像剤担持体と前記現像剤規制部材との当接位置が、前記現像剤担持体と前記現像剤供給部材の当接位置よりも下方に設けられており、
前記現像剤担持体から前記現像剤規制部材により規制された余剰の現像剤を、前記現像室の下方に配設した現像剤貯留部で回収することを特徴とする。
【0021】
以上のように、本発明によれば、現像剤担持体表面から現像剤規制部材によって規制された余剰現像剤を現像剤収納室に直接回収せず、現像室の下方に設けられた現像剤貯留部に回収する。現像剤貯留部に回収された余剰現像剤は、既に適度に帯電している為、前記現像剤貯留部を形成する隔壁と、前記現像剤担持体と前記現像剤供給体の当接位置の間の空間で緩やかな圧縮を受けながら、前記現像剤担持体表面の凹部に容易に潜り込みながらも、現像剤同士の静電反発により、緩やかな圧密状態を維持することが可能となる。
【0022】
更に、前記現像剤担持体と前記現像剤規制部材の当接位置を、前記現像剤担持体と前記現像剤供給体の当接位置より下方(前記現像剤貯留部を形成する隔壁と前記現像剤担持体と前記現像剤供給体の当接位置の間)に配設することで、それぞれの当接位置に対する現像剤の循環圧力が均一且つ緩やかにすることが出来るので、前記現像剤担持体表面の凹部への潜り込みが一層安定化し、現像剤担持体と現像剤規制部材の当接条件(突出し量)の自由度を広げることが可能になったのではないかと本発明者等は推定している。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、現像剤の良好な帯電特性を発現/維持することで良好な画像形成を可能とする一方で、組み立てが容易であり、量産性に優れた現像装置、プロセスカートリッジ及び画像形成装置を提供することが出来る。又、多数回の画像形成を繰り返した場合であっても、現像剤量規制部材や現像剤担持体の表面の磨滅に起因する画像濃度やカラーバランスの変動を生じ難い現像装置、プロセスカートリッジ及び画像形成装置を提供することが出来る。更には、外部からの変形応力を受けても、画像濃度やカラーバランスの変動を生じ難い現像装置、プロセスカートリッジ及び画像形成装置を提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】規則的に配置された凸部及び凹部を表面に有する現像剤担持体を具備した現像装置(従来例)における現像剤規制部材の突出し量に対する現像剤担持体上の現像剤規制量の関係を示す図である。
図2】規則的に配置された凸部及び凹部を表面に有する現像剤担持体表面に担持された現像剤(トナー)の規制状態を示す一部拡大写真である。
図3】現像剤規制部材の突出し量を説明する為の図である。
図4】実施例1に係る一成分系現像ユニットの概略構成を示す図である。
図5】本発明の一実施形態に係る現像剤担持体の概略構成を示す図である。
図6】現像剤担持体上に配設された凸部の頂面を説明する為の図である。
図7】現像剤担持体上に配設された凸部の形状が異なった場合の頂面を説明する為の図である。
図8】比較例2及び3に係る一成分系現像ユニットの概略構成を示す図である。
図9】比較例4に係る一成分系現像ユニットの概略構成を示す図である。
図10】比較例5に係る一成分系現像ユニットの概略構成を示す図である。
図11】実施例1において、現像剤規制部材の突出し量に対する現像剤担持体上の現像剤規制量の関係を示す図である。
図12】比較例2において、現像剤規制部材の突出し量に対する現像剤担持体上の現像剤規制量の関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明に好適な実施例を例示的に詳しく説明する。但し、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状及びそれらの相対配置等は、本発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものであり、この発明の範囲を以下の実施の形態に限定する趣旨のものではない。尚、図面の説明において、同一又は同等の要素には、同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0026】
本発明は、電子写真方式を用いて記録材(記録媒体)に画像を形成する複写機、プリンタ、ファクシミリ装置、ワードプロセッサ及びこれ等の複合機(マルチファンクションプリンタ)等の画像形成装置に関するものである。
【0027】
まず、画像形成装置及び当該画像形成装置を用いた画像形成方法について説明する。
【0028】
<画像形成装置及び画像形成方法について>
本実施形態に係る画像形成方法は、少なくとも、外部より帯電部材に電圧を印加し、静電潜像担持体に帯電を行う帯電工程と、帯電された静電潜像担持体に静電潜像を形成する潜像形成工程と、静電荷像を現像剤であるトナーにより現像してトナー像を静電潜像担持体上に形成する現像工程と、静電潜像担持体上のトナー像を転写材に転写する転写工程と、転写材上のトナー像を加熱定着する定着工程とを有するものである。また、先に挙げた工程以外に、例えば、静電潜像担持体表面に残存したトナー等の残存物を除去するクリーニング工程等を更に備えていてもよい。
【0029】
以下、本実施形態に係る画像形成装置の一例として、一成分現像方式を用いた画像形成装置について説明する。
【0030】
画像形成装置において、電子写真感光体の周囲には、電子写真感光体の表面を帯電する帯電手段である帯電部と、帯電された電子写真感光体を露光し画像情報に応じて静電潜像を形成する潜像形成手段である露光部と、静電潜像をトナーにより現像してトナー画像を形成する現像手段である現像部と、電子写真感光体の表面に形成されたトナー画像を被転写体の表面に転写する転写手段である転写部と、転写後の電子写真感光体の表面上に残存したトナーを除去するクリーニング手段であるクリーニング部と、が、この順で配置されている。
【0031】
また、被転写体に転写されたトナー画像を定着する定着手段である定着部が、転写部の被転写体の進行方法側に配置されている。
【0032】
本実施形態に係る画像形成装置の動作について説明する。
【0033】
まず、帯電部により電子写真感光体の表面が均一に帯電される(帯電工程)。次に、露光部により電子写真感光体の表面に光が照射され、光の照射された部分の帯電電荷が除去されて、画像情報に応じて静電荷像(静電潜像)が形成される(潜像形成工程)。その後、静電荷像が現像部により現像され、電子写真感光体の表面にトナー画像が形成される(現像工程)。
【0034】
例えば、電子写真感光体として有機感光体を用い、露光部としてレーザビーム光を用いたデジタル式電子写真複写機を考える。この場合、電子写真感光体の表面は、帯電部により負電荷を付与され、レーザビーム光によりドット状にデジタル潜像が形成され、レーザビーム光の当たった部分に現像部によりトナーが付与され可視像化される。
【0035】
続いて、転写部で、用紙等の被転写体がこのトナー画像に重ねられ、被転写体の裏側からトナーとは逆極性の電荷が被転写体に与えられ、静電気力によりトナー画像が被転写体に転写される(転写工程)。転写されたトナー画像は、定着部において定着部材により熱及び圧力が加えられ、被転写体に融着されて定着される(定着工程)。
【0036】
他方、転写されずに電子写真感光体の表面に残存したトナーは、クリーニング部で除去される(クリーニング工程)。この帯電からクリーニングに至る一連のプロセスで、一回のサイクルが終了する。
【0037】
なお、トナー画像は、中間転写体等の転写体を介して、被転写体に転写されても良い。
【0038】
以下、画像形成装置における帯電手段、静電潜像担持体、露光手段、現像手段、転写手段、クリーニング手段、定着手段について説明する。
【0039】
[帯電手段]
帯電手段である帯電部としては、例えば、コロナ放電を利用した帯電器や導電性又は半導電性の帯電ロール等を用いることが出来る。導電性又は半導電性の帯電ロールを用いた接触型帯電器は、電子写真感光体に対して、直流電流を印加してもよく、交流電流を重畳させて印加してもよい。このような帯電部により、電子写真感光体との接触部近傍の微小空間で放電を発生させることで、電子写真感光体表面を帯電させる。なお、導電性又は半導電性の帯電ロールは、単層構造であってもよく、多重構造であってもよい。また、帯電ロールの表面をクリーニングする機構を更に設けてもよい。
【0040】
[静電潜像担持体]
静電潜像担持体は、少なくとも潜像(静電荷像)が形成される機能を有する。静電潜像担持体としては、電子写真感光体が好適に挙げられる。電子写真感光体は、円筒状の導電性の基体外周面に、有機感光体等を含む塗膜を有する。塗膜は、基体上に、必要に応じて下引き層と、電荷発生物質を含む電荷発生層と、電荷輸送物質を含む電荷輸送層とを含む感光層とが、この順序で形成されたものである。電荷発生層と電荷輸送層との積層順序は、逆であってもよい。これらは、電荷発生物質と電荷輸送物質とを別個の層(電荷発生層、電荷輸送層)に含有させて積層した積層型感光体であるが、電荷発生物質と電荷輸送物質との双方を同一の層に含む単層型感光体であってもよいが、好ましくは積層型感光体である。また、下引き層と感光層との間に中間層を有していてもよい。また、有機感光体に限らずアモルファスシリコン感光膜等の他の種類の感光層を使用してもよい。
【0041】
[露光手段]
露光手段である露光部としては、特に制限はなく、例えば、静電潜像担持体表面に、半導体レーザ光、LED光、液晶シャッタ光等の光源を、所望の像様に露光できる光学系機器等が挙げられる。
【0042】
[現像手段]
現像手段である現像部は、少なくとも、現像剤担持体と、現像剤(トナー)及び現像剤規制部材を有し、必要に応じて、現像剤担持体に現像剤を供給する為の現像剤供給部材や攪拌搬送部材とを有する。現像剤担持体は、電子写真感光体の周面上に形成された静電潜像に対して現像剤を供給するものであり、例えば、非磁性の金属や高分子材料からなる円柱状又は筒状部材である。現像剤担持体は、電子写真感光体と対向して回転可能に設置され、現像バイアスを印加する現像バイアス印加部が設けられている。
【0043】
また、現像剤担持体と電子写真感光体とが対向する位置を基準として現像剤担持体の回転方向上流側には、現像剤規制部材が設けられている。現像剤規制部材は、現像剤担持体の周面上に担持した現像剤の層厚に均す部材であって、例えば金属製のブレードから構成することができる。
【0044】
現像剤が非磁性一成分トナーである場合には、攪拌搬送部材等により搬送された現像剤が、直接及び/又は現像剤供給部材によって現像剤担持体表面に供給される。現像剤担持体と電子写真感光体との間には、所定の現像バイアスが印加され、現像剤担持体上の現像剤は、静電潜像に応じて電子写真感光体上に飛翔し、トナー像(可視像)となる。
【0045】
[転写手段]
転写手段である転写部としては、例えば、被転写体の裏側からトナーとは逆極性の電荷を被転写体に与え、静電気力によりトナー画像を被転写体に転写するもの、又は、被転写体の表面に被転写体を介して直接接触して転写する導電性又は半導電性のロール等を用いた転写ロール及び転写ロール押圧装置を用いることができる。転写ロールには、静電潜像担持体に付与する転写電流として、直流電流を印加してもよいし、交流電流を重畳させて印加してもよい。転写ロールは、帯電すべき画像領域幅、転写帯電器の形状、開口幅、プロセススピード等により、任意に設定することができる。また、低コスト化のため、転写ロールとして単層の発泡ロール等が好適に用いられる。転写方式としては、紙等の被転写体に直接転写する方式でも、中間転写体を介して被転写体に転写する方式でもよい。
【0046】
中間転写体としては、公知の中間転写体を用いることができる。中間転写体に用いられる材料としては、ポリカーボネート樹脂(PC)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリアルキレンフタレート、PC/ポリアルキレンテレフタレート(PAT)のブレンド材料、エチレンテトラフロロエチレン共重合体(ETFE)/PC、ETFE/PAT、PC/PATのブレンド材料等が挙げられるが、機械的強度の観点から熱硬化ポリイミド樹脂を用いた中間転写ベルトが好ましい。
【0047】
[クリーニング手段]
クリーニング手段であるクリーニング部については、静電潜像担持体上の残留トナーを清掃するものであれば、ブレードクリーニング方式、ブラシクリーニング方式、ロールクリーニング方式を採用したもの等、適宜選定して差し支えない。これらの中でも弾性を有するクリーニングブレードを用いることが好ましい。
【0048】
[定着手段]
定着手段(画像定着装置)である定着部としては、被転写体に転写されたトナー像を加熱、加圧あるいは加熱加圧により定着するものであり、ローラ状やベルト状の定着部材を備えるものである。
【0049】
上記の如き画像形成装置は、画像情報に従って、記録材(例えば、記録用紙、プラスチックシート、等)に画像を形成することが可能で、前記画像情報は、画像形成装置に接続された画像読み取り装置、或いは画像形成装置本体に通信可能に接続されたパーソナルコンピュータ等のホスト機器から入力される。
【0050】
続いて、上記の如き画像形成装置の現像手段である現像装置について、より詳細に説明する。
【0051】
[現像装置の説明]
図4は、本実施形態に係る現像装置100の概略構成を示す断面図であり、上記の如き画像形成装置に搭載される。例えば、マゼンダ、イエロー、シアン、ブラックの各色に対応する現像装置100を備えた画像形成装置は、現像装置100による現像により、マゼンダ、イエロー、シアン、ブラックの各色を用いてカラー画像を形成する。画像形成装置は、トナー像を形成する現像ローラ110(現像剤担持体)を備えた現像装置100のほかに、用紙を搬送する記録媒体搬送ユニットと、トナー像を用紙に二次転写する転写ユニットと、周面に画像が形成される静電潜像担持体である感光体ドラム30と、トナー像を用紙に付着させる定着ユニットとを備えている。
【0052】
このような画像形成装置に被記録画像の画像信号が入力されると、画像形成装置の制御部は、受信した画像信号に基づいて、帯電ローラにより感光体ドラム30の表面を所定の電位に均一に帯電させる。その後、露光ユニットにより感光体ドラム30の表面にレーザ光を照射して静電潜像を形成する。一方、各現像装置100では、現像室内にあるトナーT(現像剤)をトナー供給ローラ120(現像剤供給体)により現像ローラ110に担持させる。
【0053】
そして、現像ローラ110の回転によりトナーが感光体ドラム30と対向する領域まで搬送されると、現像ローラ110に担持されたトナーが感光体ドラム30の周面上に形成された静電潜像に移動し、静電潜像が現像される。このような現像をマゼンダ、イエロー、シアン、ブラックの各色に対して行う。こうして形成されたトナー像は、感光体ドラム30と転写ベルトとが対向する領域で、感光体ドラム30から転写ベルトへ一次転写される。そして、トナー像は、記録媒体搬送ユニットによって搬送された用紙に二次転写される。その後、トナー像が二次転写された用紙は、定着ユニットへ搬送されて定着され、画像形成装置の外部へ排出される。
【0054】
ここで、図4に示されるように、現像装置100は、前述した現像ローラ110のほかに、トナー供給ローラ120、トナー収容室130(現像剤収容室)、弾性当接体142を有する現像剤規制部材、現像室150、トナー貯留部160(現像剤貯留部)、区画壁170、搬送部材135及び撹拌部材165を備えている。なお、画像形成装置には、現像装置100が、マゼンダ、イエロー、シアン、ブラックの各色に対応して設けられるが、現像剤であるトナーの種類が異なることを除いて基本的な構成は同じであるため、以下、個別の説明は省略する。
【0055】
トナー収容室130は、トナーTを収容する室である。現像室150は、現像ローラ110によって現像を行う室であり、トナー収容室130の上方に隣接して配置されている。トナー収容室130と現像室150との間には区画壁170が設けられており、区画壁170が両室130,150を区画する。区画壁170にはその一部に開口部172が設けられており、この開口部172を介してトナー収容室130と現像室150とが繋がるようになっている。トナー収容室130、現像室150及び区画壁170は、一体に形成されている。
【0056】
トナー収容室130には、トナーTを現像室150に搬送する搬送部材135が設けられている。搬送部材135は、回転可能な搬送部材であり、回転動作を行うことにより、区画壁170の開口部172を通じて、トナー収容室130内に収容されているトナーTを所定量、現像室150内に搬送する。
【0057】
トナー供給ローラ120は、トナー収容室130から搬送部材135によって供給されたトナーTと、後述する規制部材140によって現像ローラ110から掻き落とされたトナーTとが撹拌部材165で撹拌混合されたトナーTを、現像ローラ110に供給するための供給部材である。トナー供給ローラ120は、現像ローラ110の周面上に当接するように現像ローラ110に対向して現像室150内に配置されている。トナー供給ローラ120は、例えばポリウレタンフォーム等の弾性部材からなり、弾性変形可能なように形成されており、弾性変形された状態で現像ローラ110に当接するようになっている。
【0058】
トナー供給ローラ120は、例えば反時計回りに回転し、同じく反時計回りに回転する現像ローラ110との当接領域において、現像ローラ110と逆方向に移動するように構成されている。このような構成のトナー供給ローラ120の表面には、撹拌混合されたトナーTが付着されており、トナー供給ローラ120の表面が現像ローラ110の表面(図5参照)に当接することによって、トナー供給ローラ120から現像ローラ110にトナーTが供給され、現像ローラ110にトナーを担持させる。また、トナー供給ローラ120は、トナーTの供給と同時に、感光体ドラム30との現像ニップを通過して現像に使用されなかったトナーTを現像ローラ110から剥ぎ取り、トナーTが長時間現像ローラ110上に滞留することで帯電量が過上昇することを防止する機能も持ち合わせている。
【0059】
現像ローラ110は、トナー供給ローラ120から供給されたトナーTをその表面に担持して感光体ドラム30と対向する領域までトナーTを搬送し、感光体ドラム30の周面上に形成された静電潜像にそのトナーTを移動させて、静電潜像を現像させるための部材であり、トナー供給ローラ120の周面上に当接するようにトナー供給ローラ120に対向すると共に感光体ドラム30に対向するように現像室150内に配置されている。
【0060】
[現像剤担持体の構成]
現像ローラ110は、現像剤を担持する為に構成された複数の凸部112及び複数の凸部112それぞれを取り囲む凹部114を有する表面(以下、「現像剤担持面」と称す)を有しており、例えば、アルミ合金や鉄合金等のローラ基材を、転造法やエッチング法等の公知の方法で表面加工した後、必要に応じて、研磨やめっき等の追加工を加えることによって製造される。
【0061】
図5は、本発明に好ましい実施形態の一例であって、現像ローラ110の現像剤担持体面の凸部112は、菱形若しくは正方形状を呈しており、一方の対角線が現像ローラ110の回転軸(図示X方向)と平行となるように形成されている。この場合、凸部112をC-C線に沿って断面視した際には、台形形状を呈する。
【0062】
前記現像剤担持面は、凸部112の頂面と凹部114の底面との高低差が現像剤の重量平均粒径(D4)の0.8倍以上5.0倍未満であると共に、現像剤担持面上に、頂面が同一の円筒面の一部を形成する複数の凸部112の頂面を軸方向(図5(a)のX方向)及び周方向(同Y方向)に延長して得られる仮想的な全周面を定義した際に、前記全周面の面積に対する複数の凸部112の頂面の総面積の割合(以下、「凸部頂面の面積率」と称す)が3%以上40%未満となるように設定する。
【0063】
ここで、本発明において、現像ローラ110の凸部112の頂面と凹部114の底面との高低差及び凸部112の頂面の総面積の割合は、以下のように定義される。
【0064】
図6(a)に示したように、任意の凸部の頂上付近と凸部を取り囲む凹部の底面付近の表面形状を計測し、凸部頂上付近に存在する最高地点と、前記凹部底面に存在する最低地点を特定し、両者の高低差(以下、「最大高低差」と称す)を計測する。
【0065】
同様の計測を、現像剤担持体上に存在する他の凸部でも実施し、得られた各最大高低差の平均値をもって、本発明の「凸部の頂面と前記凹部の底面との高低差」と定義する(以下、「凸部と凹部の高低差H」と称す)。
【0066】
一方、現像剤担持体の現像剤担持面の仮想的な全周面の面積に対する凸部の頂面の総面積の割合は、以下のように定義される。
【0067】
図6(b)に示したように、先ず、任意の凸部の最高地点から、高低差Hの10%分に相当する下方地点(以下、「10%下方地点」と称す)を決定し、前記凸部の最高地点から10%下方地点を結ぶ等高線の間に広がる凸部の表面を、その凸部の頂面とみなし、前記凸部112の頂面を垂直上方より平面に投影した際に出来る投影像の面積を計測する(図6(c)参照)。
【0068】
更に、現像剤担持体上に存在する他の凸部でも同様の計測を実施し、それらの平均値をもって、本発明の「凸部の頂面の面積」と定義し(以下、「頂面の面積」)、前記頂面の面積に現像剤担持面に存在する凸部の総個数を乗じ、凸部の頂面の総面積を決定する。
【0069】
具体的には、現像剤担持体が、現像ローラである場合、現像ローラの中央部及び左右端部付近の計3箇所において、其々8個の異なる凸部を選択して、最大高低差を計測した後、それらの平均値を算出し、本発明で定義される凸部と凹部の高低差Hを決定する(図6(b)参照)。その後、10%下方地点を決定し、凸部の頂面の面積を求め、最終的には凸部の頂面の総面積を決定し、現像剤担持面全体に占める凸部の頂面の総面積の割合を算出する。
【0070】
尚、凸部の形状が丸味を帯びた場合であっても、上記と同様の方法で高低差Hや頂面の総面積の割合を求めることが出来る(図7参照)。
【0071】
上記の如き現像剤担持体上の現像剤担持面の形状測定には、従来公知の方法を用いることが可能であり、例えば、非接触式の表面形状測定装置や形状測定レーザマイクロスコープ等が挙げられ、得られた表面形状情報を、上記の如き装置に付属する解析ツールで解析したり、CAD(Computer aided design)等を用いることによって、図面上で幾何学的に決定することが出来る。
【0072】
図3は、本発明に好ましい現像剤規制部材の実施形態の一例であって、基体143、弾性当接体142及弾性当接体142を基体143に支持固定する固定部材141から構成される弾性ブレード140である。
弾性当接体142は、現像ローラ110の軸方向に平行に延びる端部を有し、前記端部は、現像ローラ110の表面に設けられた現像剤担持面に存在する凹部114の底面との間隔(以下、「底面との間隔」と称す)がトナーTの重量平均粒径よりも大きくなるように配設することが好ましい。底面との間隔が、トナーTの重量平均径以下の場合、現像ローラ上のトナー担持量が十分に確保できないばかりか、縦スジ上の画像不良等が発生し易くなる。
【0073】
図3に示されるように、弾性ブレードの如き現像剤規制部材を現像剤担持体表面に圧接させると共に、現像剤規制部材の「突出し量」を変更することにより、現像剤担持体表面上に所望量の現像剤(トナー)の薄層を形成することが出来る。
本発明において、現像剤規制部材の「突出し量」とは、現像剤担持体の回転中心から現像剤規制部材の先端部を通過して該現像剤担持体の外周に達する延長線上に存在する現像剤規制部材の先端部の圧接面側との交点から現像剤担持体の外周面との交点迄の距離Jのことであり、CAD等によって、図面上で幾何学的に決定することが出来る。
【0074】
また、簡便な計測方法として、現像剤規制部材と現像剤担持体の接触跡から現像剤担持体先端部迄の長さの実測する方法等が挙げられ、代用することも可能である。
【0075】
また、弾性ブレード140は、現像ローラ110の凸部112の頂面に担持されたトナーの層厚をトナー粒子が一層以下となるように規制する。すなわち、弾性ブレード140は、現像ローラ110の凸部112の頂面に、過剰なトナー粒子を担持させないようにする。これにより、現像ローラ110の現像剤担持面に担持されたトナー粒子は、均一且つ効率的に転動することが出来るので、現像に好ましい帯電状態に迅速に移行することが可能となる。逆に、凸部112の頂面に過剰なトナー粒子が存在すると、過剰なトナー粒子自身が良好な帯電付与を受けられないだけではなく、他のトナー粒子の転動を阻害する為、トナー粒子全体の帯電状態が悪化する。
【0076】
弾性ブレード140は、前記現像剤担持体との当接位置S2が、前記現像剤担持体と前記現像剤供給部材の当接位置S2よりも下方となるように配設される(図4参照)。そして、弾性ブレード140は、現像ローラ110が感光体ドラム30へトナーを移動させる前に、トナー供給ローラ120から現像ローラ110に供給されたトナーTの層厚を調整する。この調整により、現像ローラ110で担持されているトナーTの内、余剰のトナーTが弾性ブレード140により掻き落とされてトナー貯留部160へ集められる。トナー貯留部160には、撹拌部材165が設置されており、撹拌部材165によって、この余剰のトナーTとトナー収容室130から新たに供給されるトナーTとが撹拌混合され、次の現像に用いられる。
【0077】
以上のように、本発明によれば、現像剤担持体表面から現像剤規制部材によって規制された余剰現像剤を現像剤収納室に直接回収せず、現像室の下方に設けられた現像剤貯留部に回収する。現像剤貯留部に回収された余剰現像剤は、既に適度に帯電している為、前記現像剤貯留部を形成する隔壁と、前記現像剤担持体と前記現像剤供給体の当接位置の間の空間で緩やかな圧縮を受けながら、前記現像剤担持体表面の凹部に容易に潜り込みながらも、現像剤同士の静電反発により、緩やかな圧密状態を維持することが可能となる。
【0078】
更に、現像装置100では、現像ローラ110と弾性ブレード140との当接位置S1を、現像ローラ110とトナー供給ローラ120との当接位置S2よりも下方(トナー貯留部165を形成する区画壁170と現像ローラ110及びトナー供給ローラ120の当接位置S1との間)に配設することで、それぞれの当接位置に対するトナー粒子の循環圧力を均一且つ緩やかにすることが出来るので、現像ローラ110の凹部への潜り込みが一層安定化し、現像ローラ110と現像剤規制部材140の当接条件(突出し量)の自由度を広げることが可能になったのではないかと本発明者等は推定している。
【0079】
また、現像装置100では、現像ローラ110に対する弾性ブレード140の突出し量Jの寸法公差が広いので、多数回の画像形成に起因する弾性ブレード140の当接部分の磨滅等が発生し、突出し量が変化したとしても、磨滅後の突出し量が依然として所定の寸法公差内に留めることが容易となる。更には、弾性ブレード140の当接部分を減耗するように設定することにより、セルフクリーニングを行うことが可能となるので、例えば、弾性当接体142に、現像ローラ110に対する表面硬度比が0.20以上1.00未満のリン青銅又はステンレス等によって形成された板状部材が好ましく選択される。
【0080】
これにより、トナーのフィルミング等を防止できるので、トナー粒子の帯電状態に維持だけではなく、トナー粒子の担持状態をも最良の状態に維持することが出来る。その結果、例えば、縦縞状の画像濃度ムラの発生を抑制し、画像濃度、印刷背景の相当する非画像領域のトナー汚れ、細線再現性及び色味等の悪化/変動等を最小限に留めることを可能とした優れた現像装置を提供することができる。
【0081】
なお、上記の現像装置を、外部からの変形応力の影響を受け易いプロセス・カートリッジ方式の画像形成装置に用いた場合、その効果は非常に大きく発現する。
【実施例】
【0082】
以下、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。
【0083】
〈現像剤の製造例〉
[一成分系現像剤(ブラック色)の製造例]
下記成分を乾式混合した後、二軸混練機で混練した。
・スチレン−ブチルアクリレート樹脂(Mw=5万、Tg=60℃) 100質量部
・カーボンブラック(平均粒径=40nm) 5質量部
・サリチル酸誘導体のアルミニウム化合物(オリエント化学工業社製) 1質量部
・エステルワックス(DSCの最大吸熱ピークのピーク温度=70℃) 5質量部
【0084】
得られた混練物を冷却し、大凡1mm以下に粗粉砕した後、更に機械式粉砕機を用いて微粉砕し、得られた微粉砕物を分級して、分級粒子とした。
【0085】
次いで、上記で得られた分級粒子100質量部を下記の成分と共に乾式混合装置中に投入して、低回転速度で予備混合を行った後、更に高回転速度で5分間の乾式混合を行った。
・疎水化処理シリカ微粒子(個数平均粒子径=0.1μm) 0.5質量部
・疎水化処理シリカ微粒子(個数平均粒子径=0.02μm) 1.0質量部
・疎水化処理チタニア微粒子(個数平均粒子径=0.02μm) 1.0質量部
【0086】
乾式混合の後、篩掛けにより粗大粒子を除去し、ブラック色の一成分系現像剤を得た。
【0087】
[一成分系現像剤(イエロー色)の製造例]
カーボンブラックに替えて、「C.I.Pigment Yellow 180」7質量部を用いる以外は、上記「一成分系現像剤(ブラック色)の製造例」と同様にして、イエロー色の一成分系現像剤を得た。
【0088】
[一成分系現像剤(マゼンダ色)の製造例]
カーボンブラックに替えて、「C.I.Pigment Red 180」7質量部を用いる以外は、上記「一成分系現像剤(ブラック色)の製造例」と同様にして、マゼンダ色の一成分系現像剤を得た。
【0089】
[一成分系現像剤(シアン色)の製造例]
カーボンブラックに替えて、「C.I.Pigment Blue 15:3」5質量部を用いる以外は、上記「一成分系現像剤(ブラック色)の製造例」と同様にして、シアン色の一成分系現像剤を得た。
【0090】
本発明において、一成分系現像剤の重量平均粒径(D4)や個数基準の粒径頻度分布における3μm以下のトナーの粒子数は、例えば、精密粒度分布測定装置「Multisizer 3」(ベックマン・コールター社製)を用い、前記測定装置の操作マニュアルに従い、ベックマン・コールター社のインターネットのホームページに記載されている「トナー粒子径分布の測定方法(http://www.beckmancoulter.co.jp/product/product03/toner/04.html)等を参考にして測定することが出来る。
【0091】
具体的な測定方法としては、懸濁液作成用ビーカーに電解液「ISOTONE II PC」(ベックマン・コールター社製)100mlを用意し、ここに分散剤としての界面活性剤(好ましくはLAS;直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム)0.1gを加えた後、測定試料(トナー粒子又は一成分系現像剤)5mgを加え、トナー懸濁液とする。次いで、前記トナー懸濁液中の測定試料の分散性を高める為に、超音波バス等を用いて外部からの超音波照射処理を2分間行い、測定サンプルを調製する。アパーチャーチューブには50μmの開口径を有するものを用い、測定試料の体積及び個数を、チャンネル毎に測定して、測定試料の体積分布と個数分布を算出する。算出された分布から測定試料の重量平均粒径(D4)を求める。
【0092】
上記の製造例で得られた各色の一成分系現像剤は、何れも重量平均粒径(D4)が6.5μmで、個数基準の粒径頻度分布における3μm以下の現像剤の粒子数が10個数%となるように製造した。
【0093】
〈現像剤担持体の製造例〉
[現像剤担持体の製造例1]
直径16mmの炭素鋼鋼管からなる円柱状のローラ基材の外周面(以下「円筒面」と称す)をセンターレス研磨機により研磨した後、円筒面上に交差する2本の溝(図5の(b)の矢印A,Bで示される方向の溝)を形成するために、それぞれの溝に対応する凸条が形成されている第1及び第2のダイスを具備した転造装置にローラ基材を設置した。そして、それぞれのダイスとローラ基材とを一定速度で回転させながら、ローラ基材を送り出しつつ、ダイスを押圧し、第1及び第2の溝をローラ基材に転造した。
【0094】
その結果、円筒面には、規則的に配置された複数の凸部及び前記凸部を取り囲む凹部をその表面に有し、前記凸部の表面が互いに同一の円筒面の一部を成した転造ローラを得た。
【0095】
得られた転造ローラの円筒面を再度、センターレス研磨機により研磨し、前記凸部と凹部との高低差を調整した後、加温した脱脂液に浸漬して脱脂処理を行った。
【0096】
更に、脱脂した転造ローラを加温したNi-Pめっき浴に浸漬し、円筒面に無電解めっきを施した後、これを洗浄、乾燥して、図5の(b)に示す表面構造を呈する現像剤担持面(図5の(a)参照)を有する現像ローラ「現像剤担持体T−1」を製造した。
【0097】
得られた「現像剤担持体T−1」の円筒面に形成された凸部と凹部の高低差は12μmで、凸部頂面の面積率は11%であり、現像ローラ表面のビッカース硬度は700Hvであった。
【0098】
[現像剤担持体の製造例2〜5]
転造ローラの製造条件と研磨による凸部と凹部の高低差の調整条件を変更すると共に、無電解めっき時のP成分の含有量と加熱処理条件を変更する以外は、前記「現像剤担持体の製造例1」と同様にして、凸部と凹部の高低差、凸部頂面の面積率及び表面硬度が異なる現像ローラ「現像剤担持体T−2〜5」を製造した。
【0099】
[現像剤担持体の製造例6及び7]
円筒面をエッチングにより加工すると共に、無電解めっき時のP成分の含有量と加熱処理条件を変更する以外は、前記「現像剤担持体の製造例1」と同様にして、凸部と凹部の高低差、凸部頂面の面積率及び表面硬度が異なる現像ローラ「現像剤担持体E−1及びE−2」を製造した。
【0100】
[比較用現像剤担持体の製造例1〜3]
転造ローラの製造条件と研磨による凸部と凹部の高低差の調整条件を変更すると共に、無電解めっき時のP成分の含有量と加熱処理条件を変更する以外は、前記「現像剤担持体の製造例1」と同様にして、凸部と凹部の高低差、凸部頂面の面積率及び表面硬度が異なる比較用現像ローラ「現像剤担持体t−6〜8」を製造した。
【0101】
[比較用現像剤担持体の製造例4]
円筒面をエッチングにより加工すると共に、無電解めっき時のP成分の含有量と加熱処理条件を変更する以外は、前記「現像剤担持体の製造例1」と同様にして、凸部と凹部の高低差、凸部頂面の面積率及び表面硬度が異なる比較用現像ローラ「現像剤担持体e‐3」を製造した。
【0102】
上記現像剤担持体の製造例1〜7及び比較用現像剤担持体の製造例1〜4で得られた現像ローラ及び比較用現像ローラの内容を、以下の表1にまとめて示す。
【0103】
【表1】
【0104】
〈実施例1〉
画像形成装置として、A3サイズ紙対応のカラー複合機である“SAMSUNG MultiXpress CLX-9301NA(サムスン電子社製)”の現像器ユニットを、図4に記載の「一成分系現像ユニット−A1」に交換し、画像形成が可能であるように改造/調整したものを用いた。
【0105】
上記画像形成装置のブラック色の現像ユニットの現像剤担持体には、「現像剤担持体の製造例1」で得られた「現像剤担持体T−1」を使用し、現像剤規制部材の弾性当接体には、ステンレス鋼の薄板(板厚=80μm、ビッカース硬度=350Hv)を用いた。また、上記「一成分系現像剤(ブラック色)の製造例」で得られたブラック色の一成分系現像剤を150g投入した。
【0106】
従って、この時の「現像剤担持体T−1」の凸部と凹部との高低差Hは、ブラック色の一成分系現像剤の重量平均粒径の1.9倍となり、また、現像剤担持体の表面硬度に対する現像剤規制部材の当接部分の表面硬度比は0.50であった。
【0107】
[現像剤規制部材の突出し量に対する現像担持体表面の現像剤規制量の評価]
現像剤規制部材の突出し量(以下、「突出し量」と称す)に対する現像剤担持体表面の現像剤規制量(以下「規制量」と称す)の評価を行う為に、常温常湿環境下(23℃/50%Rh)で、任意の突出し量に対する規制量を測定した。
【0108】
先ず、専用治具により突出し量を調整した現像剤量規制部材を現像ユニットに取り付け、ソリッド画像をプリントした後、現像剤を未消費の状態で15秒間、現像ユニットを稼働させ、現像剤担持体表面の現像剤規制状態を安定化させた後、規制量を測定した。尚、規制量の測定には、吸引式帯電量測定装置を用いた。
【0109】
この時の現像剤規制部材の突出し量に対する現像担持体表面の現像剤規制量の測定結果を図11に示す。
【0110】
現像剤規制部材の突出し量に対する現像剤担持体上の現像剤規制量は、突出し量の増加と共に一様に規制量が増加した後、屈曲点Aを生じる。更に突出し量を増加させると、突出し量が0.83mm時に再度、屈曲点Bを生じた。この時の現像剤担持体表面の現像剤規制量は0.34mg/cmで、現像剤担持体表面の凸部の頂面を観察すると、現像剤粒子が一層以下に規制されていたが、更に、突出し量を増加させると現像剤担持体表面の現像剤粒子が凸部を全て埋め尽くし、現像剤粒子が一層を超えて担持された状態に変化した。
【0111】
現像剤担持体表面の現像剤規制量を0.30mg/cmとした場合、現像剤量規制部材の突出し量は0.53mmであり、現像剤規制量の許容変動量を±0.02mg/cmとした際の突出し量の寸法公差は0.32mm(上限:0.69mm、下限:0.37mm)と確保されており、大量生産時でも非常に容易に対応出来る組立性を示した。
【0112】
[画質評価]
常温常湿環境下(23℃/55%Rh)において、現像剤担持体表面の現像剤規制量を0.30mg/cmに調整した後、現像剤を補給しながら、単色モードによりブラック色の画像30,000枚分をプリントアウトし、プリント開始直後と終了時に得られた画像の画質評価を実施した。なお、転写材には、富士ゼロックス社製フルカラー複写機用紙C2(70g/cm、A4サイズ)を使用した。
【0113】
その結果、得られた画像は、プリント開始直後から終了時まで、優れた画像濃度と小ポイント文字画像の再現性を維持すると共に、非画像領域のトナー汚れが抑制されており、現像剤担持体表面の現像剤の規制ムラに起因する縦縞状の画像濃淡ムラも発生しなかった。
【0114】
評価終了後、現像剤担持体表面の数か所の現像剤規制量を確認したところ、0.30mg/cm±0.02mg/cmの範囲内で保持されていた。また、現像剤担持体表面には現像剤のフィルミングや固着等は見られず、良好な状態が維持されていた。
【0115】
〈比較例1〉
現像担持体表面の現像剤規制量を0.43mg/cm(現像剤担持体表面の現像剤粒子が凸部を全て埋め尽くし、現像剤粒子が一層を超えて担持された状態)に調整した以外は、「実施例1」と同様に評価テストを実施した。
【0116】
その結果、現像剤規制量が過剰である為、現像剤の帯電状態が不十分となり、得られた画像は、プリント開始直後こそ十分な画像濃度を示したものの、小ポイント文字画像は線幅が太ることで不鮮明になり、非画像領域のトナー汚れが発生した。その状態でプリントアウトを継続すると、30,000枚終了時には、画像濃度が低下し、非画像領域のトナー汚れは更に悪化した。また、現像剤担持体表面の現像剤の規制ムラに起因する縦縞状の画像濃淡ムラも発生しており、現像剤担持体表面の現像剤規制量を確認したところ、現像剤担持体の軸方向での規制量に大きなバラつきを生じていた。
【0117】
〈比較例2〉
「一成分系現像ユニット−A1」に代えて、図8の(a)に記載の「一成分系現像ユニット−A2;現像剤供給体の回転方向を、現像剤担持体との当接位置において同方向に移動するように回転する構造を有する」を用いる以外は、「実施例1」と同様にして、評価テストを実施した。
【0118】
その結果、現像剤供給体の回転方向を当接位置において現像剤担持体と同方向に移動するように変更した為、規制部材の突出し量に対する現像剤担持体表面の現像剤規制量は、突出し量の増加と共に規制量も急激に増加し、突出し量が0.55mmとなる時点に屈曲点Bを生じた(図12参照)。
【0119】
現像剤担持体表面の現像剤規制量を0.30mg/cmとした場合、現像剤規制部材の突出し量は0.45mmであり、現像剤規制量の許容変動量を±0.02mg/cmとした際の突出し量の寸法公差は0.08mm(上限:0.49mm、下限:0.41mm)しか確保出来ず、大量生産時の組立性に問題を生じていることが判明した。
【0120】
次いで、「実施例1」と同様に画質評価を実施したところ、現像剤供給体の回転方向が現像剤担持体と同方向である為、現像剤担持体表面の新旧の現像剤の入れ替え効率が低下するだけでなく、現像剤担持体表面の凹部に現像剤粒子がパッキングされ、現像剤粒子の転動に伴う摩擦帯電を阻害するので、プリント開始直後から画像濃度が低く、非画像領域にトナー汚れが発生した。また、現像剤担持体表面の現像剤の規制ムラに起因する縦縞状の画像濃淡ムラが複数発生しており、これらの現象はプリントアウトの進行に伴い、悪化した。
【0121】
更に、評価終了後、現像剤担持体表面の現像剤規制量を確認したところ、現像剤担持体の軸方向での規制量に大きなバラつきを生じていた。
【0122】
〈比較例3〉
「一成分系現像ユニット−A1」に代えて、図8の(b)に記載の「一成分系現像ユニット−A3;現像剤収容室と現像室を区画する区画壁の一部を取り除き、現像剤規制部材により規制された余剰現像剤を直接、現像剤収容室に回収出来る構造を有するもの」を用いる以外は、「実施例1」と同様にして、評価テストを実施した。
【0123】
その結果、現像剤収容室と現像室を区画する区画壁の一部を取り除き、現像剤規制部材により規制された余剰現像剤を直接、現像剤収容室に回収出来る構造に変更した為、現像剤規制部材の突出し量に対する現像剤担持体表面の現像剤規制量は、突出し量の増加と共に規制量も急激に増加し、突出し量が1.10mm時に屈曲点Bを生じた。
【0124】
現像剤担持体表面の現像剤規制量を0.30mg/cmとした場合、現像剤規制部材の突出し量は0.81mmであり、現像剤規制量の許容変動量を±0.02mg/cmとした際の突出し量の寸法公差は0.05mmしか確保出来ず、大量生産時の組立性に問題を生じていることが判明した。
【0125】
次いで、「実施例1」と同様に画質評価を実施したところ、現像剤収容室と現像室を区画する区画壁の一部を取り除き、規制部材により規制された余剰現像剤を直接、現像剤収容室に回収する構造とした為、現像剤担持体表面への現像剤供給量が不安定となり、プリント開始直後から画像濃度が低く、小ポイント文字画像の再現性に問題を生じた。また、現像剤担持体表面の現像剤の規制ムラに起因する縦縞状の画像濃淡ムラが複数発生しており、これらの現象はプリントアウトの進行に伴い、悪化した。
【0126】
更に、評価終了後、現像剤担持体表面の現像剤規制量を確認したところ、現像剤担持体の軸方向での規制量に大きなバラつきを生じていた。
【0127】
〈比較例4〉
画像形成装置として、A3サイズ紙対応のカラープリンタである“Color Laser Jet 5550(ヒューレット・パッカード社製)”のトナーカートリッジの現像剤担持体を「現像剤担持体の製造例1」で得られた「現像剤担持体T−1」、又、現像剤規制部材の弾性当接体をステンレス鋼の薄板(板厚=80μm、ビッカース硬度=350Hv)に交換すると共に、現像剤担持体と静電潜像担持体との空隙が200μmとなる様に改造/調整し(図9に記載の「一成分系現像ユニット−B;現像剤担持体と現像剤規制部材の当接位置が、現像剤担持体と現像剤供給体の当接位置より上方に設けられており、現像剤規制部材により規制された余剰の現像剤を現像室に直接回収する構造を有するもの」に相当)、上記「一成分系の現像剤(ブラック色)の製造例」で得られたブラック色の一成分系現像剤280gを投入した以外は、「実施例1」と同様に評価テストを実施した。
【0128】
その結果、現像剤担持体と現像剤規制部材の当接位置が、現像剤担持体と現像剤供給体の当接位置より上方に設けられており、規制部材により規制された余剰の現像剤を現像室に直接回収する構造とした為、現像剤規制部材の突出し量に対する現像剤担持体表面の現像剤規制量は、突出し量の増加と共に規制量も急激に増加し、突出し量が0.90mm時に屈曲点Bを生じた。
【0129】
現像剤担持体表面の現像剤規制量を0.30mg/cmとした場合、規制部材の突出し量は0.61mmであり、現像剤規制量の許容変動量を±0.02mg/cmとした際の突出し量の寸法公差は0.04mmしか確保出来ず、大量生産時の組立性に問題を生じていることが判明した。
【0130】
次いで、「実施例1」と同様に画質評価を実施したところ、現像剤担持体と現像剤規制部材の当接位置が、現像剤担持体と現像剤供給体の当接位置より上方に設けられており、規制部材により規制された余剰現像剤を現像室に直接回収する構造とした為、得られた画像は、プリント開始直後こそ十分な画像濃度を示したものの、非画像領域にトナー汚れが発生していた。その状態でプリントを継続すると、一時的に非画像領域のトナー汚れは良化したものの、現像剤補給時に再び非画像領域のトナー汚れが悪化し、最終的には30,000枚分のプリントアウト終了時には、画像濃度も低下した。また、現像剤担持体表面の現像剤の規制ムラに起因する縦縞状の画像濃淡ムラも発生した。
【0131】
〈比較例5〉
現像ユニットとして、図10に記載の「一成分系現像ユニット−C;現像剤供給体の回転方向を現像剤担持体と同方向に移動するように回転させると共に、現像剤規制部材により規制された余剰の現像剤を、現像室の上部の現像剤貯留部に回収する構造を有するもの」が使用出来るように改造/調整した以外は、「比較例4」と同様に評価テストを実施した。
【0132】
その結果、現像剤供給体の回転方向を現像剤担持体と同方向に移動するように回転させると共に、現像剤規制部材により規制された余剰の現像剤を、現像室の上部の現像剤貯留部に回収する構造とした為、現像剤規制部材の突出し量に対する現像剤担持体表面の現像剤規制量は、突出し量の増加と共に規制量も急激に増加し、突出し量が0.88mm時に屈曲点Bを生じた。
【0133】
現像剤担持体表面の現像剤規制量を0.30mg/cmとした場合、規制部材の突出し量は0.85mmであり、現像剤規制量の許容変動量を±0.02mg/cmとした際の突出し量の寸法公差は0.04mmしか確保出来ず、大量生産時の組立性に問題を生じていることが判明した。
【0134】
次いで、「実施例1」と同様に画質評価を実施したところ、現像剤供給体の回転方向が現像剤担持体と同方向であり、規制部材により規制された余剰の現像剤を、現像室の上部の現像剤貯留部に回収する為、プリント開始直後から非画像領域にトナー汚れが発生した。又、プリントアウトの進行に伴い、画像濃度や小ポイント文字画像の再現性が著しく低下し、現像剤担持体表面の現像剤の規制ムラに起因する縦縞状の画像濃淡ムラが複数発生した。
【0135】
更に、評価終了後、現像剤担持体表面の現像剤規制量を確認したところ、現像剤担持体の軸方向での規制量に大きなバラ付きを生じていた。
【0136】
上記「実施例1及び比較例1〜5」で用いた現像ユニットの構成を表2、評価結果を表3にまとめて示す。尚、表中に記載されている各項目の評価基準は下記の通りである。
【0137】
[1.現像剤量の規制部材の組立性]
現像剤担持体表面の現像剤規制量が0.30mg/cmで、現像剤規制量の許容変動量を±0.02mg/cmとした場合の現像剤規制部材の突出し量の寸法公差を求め、以下の基準に従って評価した。
A:寸法公差が0.3mm以上 (非常に容易である)
B:寸法公差が0.2mm以上0.3mm未満 (容易である)
C:寸法公差が0.1mm以上0.2mm未満 (本発明において許容レベルである)
D:寸法公差が0.1mm未満 (非常に困難であり、本発明において不可レベルである)
【0138】
[2.画像濃度]
一辺5mmの正方形のソリッドパッチを四隅付近と中央部分に有する画像をプリントし、ソリッドパッチの反射濃度を分光光度計スペクトロアイ(グレタグマクベス社製)で計測し、得られた計測値の平均値を算出し、以下の基準に従って評価した。
A:1.30以上 (非常に良好である)
B:1.15以上1.30未満 (良好である)
C:1.00以上1.15未満 (本発明において許容レベルである)
D:1.00未満 (本発明において不可レベルである)
【0139】
[3.小ポイント文字画像の再現性]
四隅付近と中央部分に5ポイントの文字画像をプリントし、得られた文字画像の再現性を、以下の基準に従い評価した。
A:細線の線幅の変動量が10%未満 (非常に良好である)
B:細線の線幅の変動量が10%以上15%未満 (良好である)
C:細線の変化が15%以上であり、目視でも確認に出来る (本発明において許容レ
ベルである)
D:細線同士の接触や細線自身の断裂が目視でも容易に確認出来る(本発明において不
可レベルである
【0140】
[4.非画像領域(印刷背景)のトナー汚れ]
白画像形成時、現像工程後から転写工程に移行する間に感光体ドラム上に存在する現像剤をメンディングテープ(住友3M社製)の粘着面に移し取り、それを紙上に貼ったものの反射濃度を分光光度計スペクトロアイ(グレタグマクベス社製)で計測し、得られた反射濃度からメンディングテープをそのまま紙上に貼った時の反射濃度(ブランク)を差し引いた数値を求め、以下の基準に従って評価した。数値が小さい程、非画像領域のトナー汚れが抑制されていることを示す。
A:0.03未満 (非常に良好である)
B:0.03以上0.07未満 (良好である)
C:0.07以上1.00未満 (本発明において許容レベルである)
D:1.00以上 (本発明において不可レベルである)
【0141】
[5.縦縞状の画像濃度ムラ]
網点模様で構成されるハーフトーン画像を印刷し、得られたハーフトーン画像上に発生した縦縞状の画像濃淡ムラの発生箇所数を計測し、以下の基準に従って評価した。
A:未発生 (非常に良好である)
B:軽微な縦縞状の画像濃淡ムラが1箇所発生 (良好である)
C:2〜4箇所発生 (本発明において許容レベルである)
D:5箇所以上発生 (本発明において不可レベルである)
【0142】
【表2】
【0143】
【表3】
【0144】
〈実施例2〉
現像剤担持体に「現像剤担持体の製造例2」で得られた「現像剤担持体T−2」を用いる以外は、「実施例1」と同様に評価テストを行った。この時の「現像剤担持体T−2」の凸部と凹部との高低差は、ブラック色の一成分系現像剤の重量平均粒径)の3.1倍となり、また、現像剤担持体の表面硬度に対する現像剤規制部材の当接部分の表面硬度比は0.54であった。
【0145】
評価テストの結果、規制部材の組立性や得られたプリントアウト画像に問題はなく、また、現像剤担持体表面も良好な状態に維持されていた。
【0146】
〈実施例3〉
現像剤担持体に「現像剤担持体の製造例3」で得られた「現像剤担持体T−3」を用いる以外は、「実施例1」と同様に評価テストを行った。この時の「現像剤担持体T−3」の凸部と凹部との高低差は、ブラック色の一成分系現像剤の重量平均粒径の0.8倍となり、また、現像剤担持体の表面硬度に対する現像剤規制部材の当接部分の表面硬度比は0.39であった。
【0147】
評価テストの結果、規制部材の組立性や得られたプリントアウト画像に問題はなく、また、現像剤担持体表面も良好な状態に維持されていた。
【0148】
〈実施例4〉
現像剤担持体に「現像剤担持体の製造例4」で得られた「現像剤担持体T−4」を使用し、また、現像剤規制部材の弾性当接体には、リン青銅の薄板(板厚=100μm、ビッカース硬度=190Hv)を用いる以外は、「実施例1」と同様に評価テストを行った。この時の「現像剤担持体T−4」の凸部と凹部との高低差は、ブラック色の一成分系現像剤の重量平均粒径の0.9倍となり、また、現像剤担持体の表面硬度に対する現像剤規制部材の当接部分の表面硬度比は0.38であった。
【0149】
評価テストの結果、規制部材の組立性や得られたプリントアウト画像に問題はなく、また、現像ローラ表面も良好な状態に維持されていた。
【0150】
〈実施例5〉
現像剤担持体に「現像剤担持体の製造例5」で得られた「現像剤担持体T−5」を用いる以外は、「実施例1」と同様に評価テストを行った。この時の「現像剤担持体T−5」の凸部と凹部との高低差は、ブラック色の一成分系現像剤の重量平均粒径の4.8倍となり、また、現像剤担持体の表面硬度に対する規制部材の当接部分の表面硬度比は0.37であった。
【0151】
評価テストの結果、規制部材の組立性や得られたプリントアウト画像に問題はなく、また現像剤担持体表面も良好な状態に維持されていた。
【0152】
〈実施例6〉
現像剤担持体に「現像剤担持体の製造例6」で得られた「現像剤担持体E−1」を使用し、また、現像剤規制部材の弾性当接体にステンレス鋼の薄板(板厚=70μm、ビッカース硬度=450Hv)を用いる以外は、「実施例1」と同様に評価テストを行った。この時の「現像剤担持体E−1」の凸部と凹部との高低差は、ブラック色の一成分系現像剤の重量平均粒径の4.9倍となり、また現像剤担持体の表面硬度に対する規制部材の当接部分の表面硬度比は0.90であった。
【0153】
評価テストの結果、現像剤担持体表面の凸部は摩耗により変形すると共に、現像剤粒子の軽微な固着が見られたが、規制部材の組立性や得られたプリントアウト画像に問題はなかった。
【0154】
〈実施例7〉
現像剤担持体に「現像剤担持体の製造例7」で得られた「現像剤担持体E−2」を使用し、また、規制部材の弾性当接体にリン青銅の薄板(板厚=120μm、ビッカース硬度=150Hv)を用いる以外は、「実施例1」と同様に評価テストを行った。この時の「現像剤担持体E−2」の凸部と凹部との高低差は、ブラック色の一成分系現像剤の重量平均粒径の4.0倍となり、また、現像剤担持体の表面硬度に対する現像剤規制部材の当接部分の表面硬度比は0.20であった。
【0155】
評価テストの結果、現像ローラ表面には、現像剤粒子に起因する軽微なフィルミングが発生したものの、規制部材の組立性や得られた印刷画像に問題はなかった。
【0156】
〈比較例5〉
現像剤担持体に「比較用現像剤担持体の製造例1」で得られた「現像剤担持体t−6」を使用し、また、規制部材の弾性当接体にステンレス鋼の薄板(板厚=70μm、ビッカース硬度=440Hv)を用いる以外は、「実施例1」と同様に評価テストを行った。この時の「現像剤担持体t−6」の凸部と凹部との高低差は、ブラック色の一成分系現像剤の重量平均粒径の3.2倍となり、また、現像ローラの表面硬度に対する規制部材の当接部分の表面硬度比は1.02であった。
【0157】
評価テストを行う前に現像剤担持体表面の現像剤規制量を確認したところ、規制部材の組立性は満足するものの、現像剤担持体の凸部頂面の面積率が40%以上(43%)であった為、現像剤担持体の軸方向での規制量に大きなバラ付きを生じた。
【0158】
評価テストで得られたプリントアウト画像には、プリント開始時から規制ムラに起因する画像濃淡ムラや印刷背景の汚れが発生する等、十分な画質を得ることが出来なかった。また、現像剤担持体の表面硬度に対する規制部材の当接部分の表面硬度比が1.00以上であった為、現像剤担持体表面の凸部の摩耗変形は著しく、現像剤粒子の固着が発生し、印刷画像に直接的な悪影響を与えた。
【0159】
〈比較例6〉
現像剤担持体に「比較用現像剤担持体の製造例2」で得られた「現像剤担持体t−7」を用いる以外は「実施例1」と同様に評価テストを行った。この時の「現像剤担持体t−7」の凸部と凹部との高低差は、ブラック色の一成分系現像剤の重量平均粒径の0.6倍となり、また、現像剤担持体の表面硬度に対する規制部材の当接部分の表面硬度比は0.50であった。
【0160】
評価テストの結果、現像ローラの凸部と凹部との高低差が、現像剤の重量平均粒径の0.8倍未満であった為、規制部材の組立性に問題を生じると共に、得られたプリントアウト画像には、プリント開始時から非画像領域にトナー汚れが発生する等、十分な画質を得ることが出来なかった。
【0161】
〈比較例7〉
現像剤担持体に「比較用現像剤担持体の製造例3」で得られた「現像剤担持体t−8」を使用し、また、規制部材の弾性当接体にリン青銅の薄板(板厚=120μm、ビッカース硬度=150Hv)を用いる以外は「実施例1」と同様に評価テストを行った。この時の「現像剤担持体t−8」の凸部と凹部との高低差は、ブラック色の一成分系現像剤の重量平均粒径の2.8倍となり、また、現像ローラの表面硬度に対する規制部材の当接部分の表面硬度比は0.15であった。
【0162】
評価テストで得られたプリントアウト画像は、プリント開始時は良好であったものの、プリントアウトの進行に伴い、画質の悪化を生じた。また、現像ローラの表面硬度に対する規制部材の当接部分の表面硬度比が0.20未満であった為、現像ローラ表面には、現像剤粒子に起因するフィルミングが発生し、プリントアウト画像に直接的な悪影響を与えた。
【0163】
〈比較例8〉
現像剤担持体に「比較用現像剤担持体の製造例4」で得られた「現像剤担持体e―3」を用いる以外は「実施例1」と同様に評価テストを行った。この時の「現像剤担持体e―3」の凸部と凹部との高低差は、ブラック色の一成分系現像剤の重量平均粒径の5.4倍であった。
【0164】
評価テストを行う前に現像ローラ表面の現像剤規制量を確認したところ、現像剤規制部材の組立性は満足するものの、現像剤担持体の凸部と凹部との高低差が、現像剤の体積平均粒径の5.0倍以上であった為、現像剤担持体の軸方向での規制量に大きなバラ付きを生じた。
【0165】
評価テストで得られたプリントアウト画像は、プリント開始直後の画像濃度や小ポイント文字画像の再現性は良好であったものの、規制ムラに起因する画像濃淡ムラや非画像領域のトナー汚れが発生する等、十分な画質を得ることが出来なかった。
【0166】
上記「実施例2〜7及び比較例5〜8」の評価結果を、以下の表4にまとめて示す。
【0167】
【表4】
【0168】
〈実施例9〉
上記「実施例1」で用いた画像形成装置のブラック色以外の現像器ユニットも、図4に記載の「一成分系現像ユニット−A1」に交換し、画像形成が可能であるように調整/改造し、各色の現像ユニットには、上記「現像剤の製造例」で得られたブラック色、イエロー色、マゼンダ色及びシアン色の一成分系現像剤を、それぞれ対応する現像ユニットに各150gを投入した。また、「一成分系現像ユニット−A1」の現像剤担持体に「現像剤担持体の製造例1」で得られた「現像剤担持体T−1」を使用し、また、現像剤規制部材の弾性当接体にステンレス鋼の薄板(板厚=80μm、ビッカース硬度=350Hv)を用いた。
【0169】
従って、この時の「現像剤担持体T−1」の凸部と凹部との高低差は、各色の一成分系現像剤の重量平均粒径の1.9倍となり、また、現像剤担持体の表面硬度に対する現像剤規制部材の当接部分の表面硬度比は0.50であった。
【0170】
上記「実施例1」と同様にして、各色の現像剤担持体表面の現像剤規制量を調整した後、現像剤を補給しながら、フルカラーモードによりカラー画像10,000枚分をプリントし、プリント開始直後と終了時に得られたプリントアウト画像の画質評価を実施した。なお、転写材には、富士ゼロックス社製フルカラー複写機用紙C2(70g/cm、A4サイズ)を使用した。
【0171】
評価テストの結果、規制部材の組立性や得られたプリントアウト画像に問題はなく、プリント開始直後から終了時まで、優れた画像濃度と小ポイント文字画像の再現性を維持すると共に、非画像領域のトナー汚れが抑制されており、現像剤担持体表面の現像剤の規制ムラに起因する縦縞状の画像濃淡ムラのない良好なフルカラー画像を得ることが出来た。
【符号の説明】
【0172】
100…現像装置、110…現像剤担持体(現像ローラ)、112…凸部、114…凹部、120…現像剤供給体(トナー供給ローラ)、130…現像剤収容室(トナー収容室)、140…現像剤規制部材(弾性ブレード)、150…現像室、160…現像剤貯留部、170…区画壁。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12