【実施例】
【0204】
以下の実施例において本発明をより具体的に説明するが、当業者に多数の改変および変法が明らかとなることから、これらの実施例は例証のみを目的としたものである。
【0205】
実施例1:前立腺腫瘍
前立腺体液の採取または前立腺腫瘍除去のための手術の後に、形質転換している細胞または癌性の細胞を同定するために、生検材料のスライドを調製する。レーザーキャプチャーマイクロダイセクション (LCM)顕微鏡検査を使用して、組織切片から正常、良性または悪性の細胞を単離する。周囲の異種細胞の中から、対象の疾患細胞(前癌性細胞または癌細胞の侵襲グループなど)を採取することができる。
【0206】
これらの各細胞からの全DNA抽出物を、Arcturus Engineering Inc.社により概説されたプロトコルの変法にしたがい精製した。DNAは、50μl容積の、lOmM Tris pH 8.0、O.1mM EDTA pH 8.0、および0.1% Tween 20中のl mg/mlプロテイナーゼK (PK)を42℃にて一晩用いて、細胞から抽出した。一晩42℃でのインキュベーション後にチューブをインキュベーションオーブンから取り出した。これらのサンプルを、5 分、640O rpm(2000×g)にてマイクロ遠心分離した。CapSure
TM をチューブから除き廃棄した。チューブを95℃にて10分インキュベートし(PKが不活化される)、次いで室温に冷却する。サンプルの5〜50μlをPCR増幅に使用した。
【0207】
精製後に、個々のサンプルをLX-PCRにより増幅するが、これには超可変領域1 (HV1)、超可変領域2 (HV2)および12S領域全体のための適当なプライマーを用いる。次にこれらのPCR産物を、当技術分野で周知の高スループット法を用いて配列決定する。
【0208】
あるいはまた、表5に記載のプライマーを用いて全長ミトコンドリアゲノムを増幅することもできる。あらゆるグリーソンのグレードの悪性腫瘍細胞、隣接良性腺由来の細胞、および「遠位」良性腺由来の細胞に由来するDNAの特異的キャプチャーおよび増幅を行うことができる。増幅することができ増幅される他の前立腺組織としては、前立腺上皮内腫瘍(PIN)、良性前立腺肥大(BPH)、種々の過形成、ストロマ、および原因不明の変化を有する細胞が挙げられる。この研究は、前立腺癌と診断されたため前立腺切除術を受けることを選択した31人の個体由来の前立腺組織を用いて行った。各個体から、3種の組織、すなわち、悪性、隣接良性および遠位良性組織をキャプチャーした。各患者からの血液を、陽性の、非疾患性組織対照として使用した。こうしたサンプルを増幅し配列決定したところ、表4に示す新規突然変異が得られた。表4の突然変異はまた、置換を記載した配列番号102、欠失を記載した配列番号103〜109 、および挿入を記載した配列番号110〜138に提供されている。多型および突然変異の位置は改訂されたケンブリッジ参照配列(Revised Cambridge Reference Sequence)(2001)との比較により決定したが、歴史的ナンバリングは維持され、すなわち位置3106における欠失はギャップとして示され、レアな多型 750Aは保持されている。次にこのデータのサブセット(7タンパク質コード領域)を、主成分分析(当技術分野で標準的)に供したが、その結果は表1aに示すとおりである:
【表1a】
【0209】
この結果は悪性形質転換の明確なパターンを示している。正常組織 (血液)および悪性組織は高いクラスタリング頻度を示している(1.00および0.967)。興味深いことに、隣接および遠位良性(このどちらも組織学的およよび病理学的な観点からは正常に見える)は、50%を超えるサンプルが遠位良性および隣接良性切片(intercept)の外側に外れる形質転換のレベルを示す。さらに、サンプルデータを、当技術分野で標準的なニューラルネットワークにより分析したところ、表1bに示す以下の結果が得られた:
【表1b】
【0210】
この表は、腫瘍が存在する場合、全ての前立腺組織は、その組織の解剖学的な外観が「正常」であったとしても、分子レベルでは悪性と認められることを示す。
【表1c】
【0211】
クラスター分析
前立腺癌と診断された31人の個体から同定された突然変異を、Hierarchical Clustering Explorer (HCE) (www.cs.umd.edu/hcil/multi-cluster; Seoら, 2002; Seoら 2003; Zhaoら 2003; Seo and Shneiderman; Seoら; 2004a; Seoら 2004b; Seoら 2005a; Seoら 2004c; Seoら 2005b)を用いて解析した。さらに、臨床的には前立腺癌の症状があるものの、病理学的結果はその前立腺組織が悪性ではないことを示した12人の男性の前立腺針生検組織からのミトコンドリアゲノムも解析した。
図2および3は、同定された非同義的ミトコンドリア突然変異のクラスター解析を示す。
図2はクラスター解析の最初の半分であり、
図3はクラスター解析の残り半分である。Y軸に、前立腺癌を有する31人の個体(105, 208, 349, 377, 378, 380, 382, 384, 386, 416, 417, 418, 426, 449, 450, 451, 452, 455, 456, 457, 458, 460, 461, 463, 464, 466, 467, 498, 501, 504, 505)および臨床症状を示すものの病理検査からは悪性なしと判定された12人の個体 (2, 35, 51, 209, 270, 278, 375, 480, 503, 536, 560, 858)の患者番号を示す。Y軸には、組織の供給源も示した(すなわち遠位良性(db)、隣接良性(ab)、悪性(ml)および(b)血液)。12人の個体の、症状はあるものの悪性ではない組織由来の良性腺組織は「gl」と表示した。X軸は突然変異の部位を示す。
【0212】
図4は、
図3のコピーであり、陰影を付けた領域に、臨床前立腺癌と関連する一連の非同義的突然変異を示す。突然変異は特定の遺伝子に生じる: 位置4216および4217における突然変異は、いずれもND1遺伝子(NADHデヒドロゲナーゼサブユニット1)中に生じる。位置4917における突然変異はND2遺伝子(NADHデヒドロゲナーゼサブユニット2)中に生じる。位置7407における突然変異は、COXI遺伝子(シトクロムcオキシダーゼサブユニット1)中に生じる。最後に、位置15452における突然変異はCytB遺伝子(シトクロム b)中に生じる。突然変異4216および4217は同じアミノ酸における非同義的突然変異を引き起こし、4917と同様に、レーバー遺伝性視神経萎縮(LHON)に関連する二次的突然変異である (Mitochondrial Research Society; Huoponen, 2001; MitoMap)。前立腺癌との関連性を除き、7407についての関連性は証明されていないままである。15452における突然変異は、ユビキノールシトクロムcレダクターゼ(複合体III)不全を有する5/5患者中に見出された(Valnotら 1999)ものである。
【0213】
前立腺癌のため前立腺切除術を受けた31人の男性のコホートにおいて、これらの突然変異の1つ以上が、被験者の20人(64.5%)に見られた。上記のように、これらの各個人について、あらゆる周囲の組織病理を除いた3種の関連組織、すなわち悪性組織、悪性組織に隣接する良性組織および、「遠位」良性組織、からの前立腺切片組織から、全ミトコンドリアゲノム配列を得た。組織は、資格のある臨床病理学者が、レーザーキャプチャーマイクロダイセクション(LCM)を用いて切除した。配列を、患者の血液から抽出され配列決定されたミトコンドリアDNA (mtDNA)と比較した。配列決定の結果は、ミトコンドリア突然変異が、多くの場合ヘテロプラズミックな状態で、全三種の組織に出現することを示した。Alonsoら (2005)による分析に反して、患者の血液からのmtDNA配列と比較して、悪性組織、隣接良性および遠位良性組織からのミトコンドリアDNAには突然変異が見られた。ヘテロプラズミー(同じ個体中に突然変異型および正常型ミトコンドリアゲノムが存在する状態のこと)は、少し前に突然変異が生じたことの証拠と考えられている(Huoponen, 2001)。ほとんどの突然変異は、同じ個体からの3種の組織において共有されていない。それどころか、各種類の組織についての相対的突然変異量はおおよそ同じであり、このことは、腫瘍が存在する場合、前立腺組織の種類に関わりなく、mtDNA突然変異は前立腺内において活発であることを示す。その上、外観が組織学的には良性の組織も、多くの場合、ミトコンドリアゲノム中に突然変異を有することが見出された。これらの突然変異は、細胞核、またはNUMTS (核/ミトコンドリア配列)に組み込まれているミトコンドリア配列(Lopez, 1994)と関連していない。Rho
0 細胞株を用いた、ヒトNUMTSの長大なクローニングおよび配列決定研究、ならびにNCBIデータベースにアーカイブ保管されている既知NUMTSに対する比較を行ったところ、公共データベースにアーカイブ保管された既知ミトコンドリア偽遺伝子についての突然変異は検出されず、このことは、データが、偽遺伝子データ点を有しないことを保証した。
【0214】
臨床的に前立腺癌の症状のある12人の男性においては、病理学的検査結果によると前立腺組織が悪性ではないことが示されたときには、良性腺組織をLCMにより回収し、前立腺針生検組織からのミトコンドリアゲノムを増幅して配列決定した。結果は、4人の患者ではmtDNA突然変異が完全に不在であること、4人の患者では非コード制御領域にのみ突然変異があること、または4人の患者では制御領域と遺伝子コード領域の両方に突然変異があることを示す。しかしながら、突然変異の位置は悪性コホートとは著しく異なっていた(P> 0.01)。さらにこうした個体においてはコード領域突然変異は1つのみ観察され、こうした突然変異のうち1つは上記の領域内にあるものであった(すなわちNDI、ND2、COXIおよびCytB) (患者375、位置15081におけるCytB)。
【0215】
4つのタンパク質コード領域を含む、同義的および非同義的突然変異の両方を悪性疾患マーカーとして使用したところ、前立腺癌グループの30/31 (97%)が特定された。表1cに、前立腺癌を有する31人の個体からの組織サンプル中のND1、ND2、COX1、およびCytBにおいて見出され同義的および非同義的突然変異を記載する。ND1、ND2、COX1、およびCytBにおける突然変異は明らかに前立腺癌と関連している。本発明は、表1cおよび
図2〜4に記載の突然変異を同定したが、本発明にはND1、ND2、COX1およびCytB中のあらゆる突然変異が含まれる。同じ分析において、12人の良性で症状のある患者のうちの1人は悪性グループに含まれたが、しかし、この患者は、早期癌進行を示しうるCytB中の突然変異を有した。このグループの残りは、血液、または正常対照とクラスタリングされた。
【0216】
悪性被験体由来の遠位良性と、12人の症状はあるが悪性ではない患者の良性腺とを比較した統計分析を行った。悪性患者は31人であり、症状はあるが悪性ではない被験者は12人であったことから、悪性患者からの12人の6グループのランダムサンプルを、12人の症状はあるが悪性ではない被験者に対して比較した。各6グループについてのカイ二乗分析を行った。結果を表1dに示す。各事例において、相違は0.01レベルで有意であり、これは、悪性被験者における遠位良性組織からのミトコンドリア配列と、症状はあるが悪性ではない被験者からのミトコンドリア配列との相違が99%の確率で偶然ではないことを意味する。分析は、上記4つのコード領域中に見出された突然変異の数に基づいた。
【表1d】
【0217】
実施例2:日光曝露された皮膚由来のmtDNAの非コード領域における重複
DNAは、Qiagen社からのDNeasy
TMキットを用いて、実施例1に記載のように組織サンプルから抽出した。「背中合わせ」プライマー手法を用いて、日光曝露に関連した非コード領域(NCR)中のタンデム重複の発生率を調べた。32の年齢マッチングされた、日光曝露された(n=24)および日光保護された身体部位(n=10)からの分割ヒト皮膚サンプルを調べた。
【0218】
Brockingtonら 1993およびLeeら 1994からの次の重複プライマーを使用した:
C L336 AAC ACA TCT CTG CCA AAC CC 20 mer 配列番号1
D H335 TAA GTG CTG TGG CCA GAA GC 20 mer 配列番号2
E L467 CCC ATA CTA CTA ATC TCA TC 20 mer 配列番号3
F H466 AGT GGG AGG GGA AAA TAA TG 20 mer 配列番号4
【0219】
プライマーの対であるC/DおよびE/Fは、非コード領域中の2つの別のセットの直接反復の部位において「背中合わせ」である。その結果、これらのプライマーは、これらの箇所において重複が存在する場合にのみ産物を生じる。生じる産物は、260 bpおよび/またはさほど一般的ではない200bp変種である。改変PCR条件は、100ng 合計細胞性DNA、200μM dNTP、2.5 U HotStarTaqポリメラーゼおよびPCRバッファー (Qiagen, Uk)、25 pmoleのプライマー: 94℃にて4分を1サイクル、94℃×1分、55℃×1分、72℃×1分を36サイクルならびに72℃×7分を1サイクル、というものである。
【0220】
日光曝露の増大に伴い、重複の発生率の増大が観察され、このとき、日光曝露されたおよび日光保護された皮膚からのサンプルの、それぞれ10/24と0/10から重複が同定された (フィッシャーの直接確率検定、p=0.01 5) (Birch-Machin and Krishnan 2001)。最も頻繁な重複のサイズは、200および260塩基対であった。興味深いことに、これらの同じサンプルはまた、高レベル(>l %)の4977bp共通mtDNA欠失を有し、このことは実施例6に記載の確立された定量的3-プライマーPCRアッセイにより決定された。
【0221】
実施例3:ヒトNMSCおよびその前駆病巣中のmtDNAの突然変異フィンガープリント
DNAは、Qiagen社からのDNeasy
TMを用いて、実施例1に記載のようにヒト皮膚組織サンプルから抽出した。特異的プライマーを用いて、PCRによりmtDNAを増幅し、次いでDNAサンプル調製(Qiagen)の後に、突然変異を自動配列決定(PE Applied Biosystems)によりBigDye
TM Terminator Cycle配列決定を用いて同定した。この方法論はHealyら 2000; Hardingら 2000に記載されている。16,569bpヒトミトコンドリアゲノム全体を、偽遺伝子や他の核遺伝子座を増幅しないことの知られている、確立されたPCRプライマー対を用いて配列決定した。あらゆる推定上のDNA変化は、改訂された「ケンブリッジ」ヒトmtDNA参照(Andrewsら 1999) との比較により確認した。腫瘍mtDNAから得られた配列を、最初に既知の多型(Andrewsら 1999; MITOMAP)について比較し、次いで正常病変部近傍皮膚からのmtDNA配列と比較して、本物の体細胞変異を同定した。
【0222】
DHPLCは、完全自動化スクリーニング手法を提供するWAVE
TM DNA Fragment Analysis System (Transgenomic, Omaha, USA)を用いて行った。同じ技術を用いて皮膚腫瘍mtDNA中のヘテロプラズミック突然変異をスクリーニングした。
【0223】
実施例2に記載の背中合わせプライマー方法論を用いて、非コード領域 (NCR)中の超可変セグメント中のDNA長さの突然変異(すなわちタンデムな重複)のパターンを迅速にスクリーニングする。
【0224】
実施例4:ヒトNMSCおよびその前駆病変中のミトコンドリアゲノム全体の欠失スペクトル
扁平上皮細胞癌(SCCS)、基底細胞癌(BCCS)およびボーエン病や光線性角化症(As)のような推定上の前駆病巣におけるMtDNA損傷を、種々の日光曝露された身体部位から採取された隣接病変部近傍の皮膚と比較した。長型伸長PCR技術 (LX-PCR) (Rayら 1998)を用いてミトコンドリアゲノム全体を増幅することにより、mtDNAの欠失スペクトル全体を決定した。無数の具体的な欠失がミトコンドリアゲノム中に生じることが観察された。全ての欠失が非黒色腫皮膚癌と相関するわけではないが、しかし、正確な診断方法のためには、この疾患と実際に関連する欠失を知っておく必要がある。
【0225】
DNAは、製造者の指示に従い、市販のキット(Qiagen社)を用いて抽出する。ミトコンドリアゲノム全体は、Expand
TM Long Template PCR System
TM (Boehringer Manheim, Switzerland)を用いて、2つの別の反応におて増幅する。使用するPCRプライマーはKleinleら(1997)が記載したものであり、ケンブリッジ配列(Andrewsら 1999)の次の領域をカバーする: DIA(ヌクレオチド(nt) 336〜363)、DIB (nt 282〜255)、OLA (nt 5756〜5781)、およびOLB (nt 5745〜5781)。これらの巨大産物は核偽遺伝子の増幅を除外する。プライマーの配列は次のとおりである:
DIAF: (336-363) 5' AACACATCTCTGCCAAACCCCAAAAACA 3' 配列番号5
OLBR: (5745-5721) 5' CCGGCGGCGGGAGAAGTAGATTGAA 3' 配列番号6
OLAF: (5756-5781) 5' GGGAGAAGCCCCGGCAGGTTTGAAGC 3' 配列番号7
DIBR: (282-255) 5' ATGATGTCTGTGTGGAAAGTGGCTGTGC 3' 配列番号8
【0226】
増幅は、16 pmolの各プライマー、500μmol dNTP、22.5mM MgCl
2と界面活性剤を有する10×PCRバッファー(キット)、0.75μlの酵素(3.5×10
3 units/ml)および50〜200ngの全DNAを含有する50μl反応中で行った。1つの反応はゲノムの11,095bpセグメントを生成し、別の反応は5,409bp長さのセグメントを生じる (例えばKleinleら, 1997)。PCR増幅条件は、93℃にて1分30秒の変性段階、それに次ぐ10サイクルの93℃にて30秒、60℃にて30秒および68℃にて12分、それに続くさらに20サイクルの同じプロファイルに各サイクルに5秒の追加の伸長時間を追加したものから構成される。93℃にて30秒、60℃にて30秒および68℃にて26分の伸長時間という最終サイクルがある。再現性を保証するために、既知量のDNAを1%アガロースゲル上で分離し、少なくともそれと同じ量のDNAを有するサンプルのみを分析対象に加えた。
【0227】
表2に示すように、腫瘍サンプルにおけるUV曝露の増加に伴い、より大きな平均数の欠失が見られた。
【表2】
【0228】
実施例5:老化とMtDNA
時間的な母系比較(すなわちひ孫から曾祖母まで)を用いて、所定の組織から抽出されたmtDNAの配列全体を、迅速にそして正確に配列決定し、そのことにより、その具体的分子のヌクレオチド塩基対の並びおよび時間と共に生じた可能性のある変化を、断定的に記載する。こうした特徴付けを、健康状態、および老化指標について、ならびにより大きな集団中の特定の母系の間で比較する。この組み合わさった情報は、同じ突然変異/欠失をもたらす別の原因同士の極めて重要な統計的識別を可能にし、また、バイオマーカーとして使用されるmtDNA配列が、その有効性を確立するための特異性と感度の必要な指標を有することを証明する。さらに、塩基対欠失および突然変異の比率を、4代の母系世代に渡る種々の組織における整合性について比較する。最近の方法論的発展は、血液サンプルにおける老化に関係する塩基対欠失の検出を可能にし(Bassamら 1991)、mtDNAを検査するために骨格筋のかわりに血液サンプルを使用する可能性を高めた(von Wurmbら1998)。mtDNA欠失および/または突然変異を代表するものとして、筋組織の代わりに白血球を用いる有効性を確立した後に、次のステップでは白血球中のmtDNAのみを測定する。次いでMtDNA欠失/突然変異を先に記載したように決定する。
【0229】
骨格筋または白血球を患者から採取する。DNAを実施例1に記載のようにして抽出する。次のプライマーを使用した:
12ST1: (1257-1279) 5' TATACCGCCATCTTCAGCAAAC 3' 配列番号9
12ST2: (1433-1411) 5' TACTGCTAAATCCACCTTCGAC 3' 配列番号10
D1F: 5' CCTTACACTATTCCTCATCACC 3' 配列番号11
D1R: 5' TGTGGTCTTTGGAGTAGAAACC 3' 配列番号12
【0230】
増幅は、2.0μmolの各プライマー、250μmol dNTP、10×PCRバッファー(Thermopol反応バッファー)、ウシ血清アルブミン、0.5単位のDeep ventポリメラーゼおよび50〜200ngの全DNAを含む50μl反応にて行った。PCR増幅条件は、95℃にて5分の変性段階(ホットスタート)、それに続く30サイクルの94℃にて30秒、60℃にて60秒および72℃にて30秒、ならびに72℃にて10分の最終伸長からなる。ゲル電気泳動は2%アガロースゲルを用いて、125ボルトにて60分行い、臭化エチジウムを用いて染色し、UV光の元で可視化した。再現性を保証するために、既知量のDNAを2%アガロースゲル上で分離し、それと同じ量のDNAを有するサンプルのみを分析に加えた。
【0231】
実施例6:3-プライマーPCRによる4977bp共通mtDNA欠失の定量的検出
適当な場合には、共通欠失の発生率は、1〜5%より大きいレベルを検出する3-プライマーPCR法、または1 %未満から10
-4%未満のレベルを検出する希釈PCR法により定量的な様式で決定する(実施例7を参照されたい)。実施例1に記載のようにサンプルを取得し、DNAを抽出する。DNAサンプル中の欠失型および野生型(wt)mtDNAの両方を同時に検出しその比率を定量するためには、3-プライマーPCR法を用いる(Birch-Machinら1998に記載)。プライマーAおよびCは、それぞれ重鎖位置13720〜13705および9028〜9008に対応する (Andersonら, 1981);プライマーBは軽鎖位置8273〜8289に対応する。プライマーCは、共通欠失内のmtDNA領域にマッピングされ、これに対してプライマーAおよびBは欠失領域に隣接する。したがってプライマーBとCはwt-mtDNAのみを増幅し、プライマーAとBは欠失型mtDNAのみを増幅する(欠失が不在の場合の2つのプライマーの間の距離は約5.5kbであり、以下に記載のここでのPCR条件下で増幅されるには長すぎる)。
【0232】
3種のプライマーを用いることにより、2つのバンドの同時検出が可能となったが、そのうちの大きいバンド(755bp)はwt-mtDNAに対応し、小さいバンド(470bp)は「共通欠失」を保有する欠失型mtDNAに対応する。PCR反応混合物(合計容積25μl)は、100ng合計細胞性DNA、200μM dNTP、10mM Tris-HCl (pH 8.8)、50mM KCl、1.5mM Mg Cl
2、0.1% Triton X-100、2.5U Taq DNAポリメラーゼ(BioTaq, BiolineUK Limited, London)、25 pmoleのプライマーAおよびB、6.25 pmoleのプライマーCおよび3μCiの[α-
32 P]-dATPを含んでなるものであった。PCR条件は、25サイクルの、94℃にて1分、55℃にて1分、72℃にて2分、および最終伸長として72℃にて15分というものであった。次にこれらのPCR産物を、6%非変性ポリアクリルアミドゲルを通して電気泳動し、放射性PCR断片を、ImageQuant
TMソフトウエア(Molecular Dynamics, Chesham UK社)を用いた蛍光イメージ分析により定量した。
【0233】
実施例7:低レベル(<1%)の共通mtDNA欠失を定量的に検出するための連続希釈PCR法
半定量的PCR法(Corral-Debrinskiら 1991)を用いて、組織/細胞サンプルから抽出された全mtDNA中の共通欠失の割合を推算する。実施例1に記載のように、生物学的サンプルを用意しDNAを抽出する。DNAサンプルは、最初に、制限酵素Bam HI (1μl酵素および1μlの市販バッファー)を37℃にて90分用いて線状化する。連続希釈は2倍にするステップとして行い(全mtDNAについては最初の10倍希釈が行われた)、その後、各希釈物(1μl)についてPCRを次のプライマーを用いて行った:
全mtDNA用のプライマー
L3108 (nt3108-3127)
H3717 (nt3717-3701)
共通欠失用のプライマー
L8282 (nt8282〜8305)
H13851(nt13851〜13832)
【0234】
反応条件は次のとおりである:94℃にて2分を1サイクル、94℃にて45秒、51℃にて30秒 (全mtDNA)、56℃にて30秒(共通欠失)、72℃にて1分を34サイクル、および72℃にて8分の最終サイクル1つ。すべてのPCR反応は次の混合物(50μl)中で行う:サンプルDNA 1μl、0.6μMフォワードプライマー、0.6μM リバースプライマー、0.2mM dNTP、5μl GeneAmp(登録商標)10×PCRバッファー(Perkin Elmer社)、0.2μl Amplitaq(登録商標)DNAポリメラーゼ(Perkin Elmer社)、35.75μlオートクレーブ滅菌済み再蒸留水。
【0235】
電気泳動の後に、PCR産物をUVトランスイルミネーター(TMW-20, Flowgen Ltd., Lichfield, UK)上で可視化し、画像収集装置(Alpha Imager 2000, Alpha Innotech Corporation社製、Flowgen Ltd., Lichfield, UKにより供給)を用いてゲルのデジタル画像を得る。付随する画像解析ソフトウェア (Alpha Ease バージョン3.3、Alpha Innotech Corp.)は希釈系列の各PCR産物について積分光学密度(IOD)の計算を可能にする。全mtDNAおよび欠失型mtDNAの両方について、IOD値がゼロであるバンドを得て、対応する希釈値を用いてサンプル中の共通欠失のパーセンテージを計算する。したがって:
共通欠失%=
全mtDNA希釈係数(IOD Zero) × 100
共通欠失希釈係数
(IOD Zero)
【0236】
実施例8:変性高速液体クロマトグラフィー(DHPLC)
実施例1に記載のようにして、サンプルを取得しDNAを抽出する。2種類の異なるPCR条件を用いた13の重なり合う断片のPCRはvan den Boschら(2000)に記載のとおりであった。PCRには次の3つのmtDNA特異的プライマー対を用いた:
オリゴ配列
Mt3118F CCCTGTACGAAAGGACAAGAG 配列番号13
Mt3334R TGAGGAGTAGGAGGTTGG 配列番号14
Mt8207F CCCATCGTCCTAGAATTAATTCC 配列番号15
Mt8400R ATGGTGGGCCATACGGTAG 配列番号16
Mt14427F CCCATGCCTCAGGATACTCCTC 配列番号17
Mt14997R GCGTGAAGGTAGCGGATG 配列番号18
【0237】
1〜2 kb PCR産物を90〜600bpの断片に消化し、その最適融解温度にて解離させる。突然変異は2つのピークとして表され、<2%ヘテロプラズミーのようなパーセンテージの低い突然変異はピーク中の「肩」として表される。
【0238】
DHPLCは、2種類の溶離液からなる移動相を用いて行う(pH 7.0)。バッファーAは酢酸トリエチルアンモニウム(TEAA)を含有し、これはDNA上の負電荷を有するリン酸基およびカラムの表面の両方と相互作用する。バッファーBは25%の変性剤アセトニトリルを有するTEAAを含む。断片は、一定の流速で線形のアセトニトリル勾配を用いて溶出させた。アセトニトリルの濃度を増加させると断片が変性する。下の表3は、製造者の説明書に従いWAVEMAKER ソフトウェア(Transgenomics)を用いて作製した、PCR反応のDHPLCの標準的方法の例である。
【表3】
【0239】
種々のヘテロ二本鎖を上手く分離する温度を以下に詳述するが、これは表2中の該当する箇所に単純に代入することができる:
断片 融解温度(℃) バッファーB%の勾配
Mt3118F 59 51〜59
Mt8207F 58 50〜58
Mt14427F 56 60〜68
【0240】
実施例9
49の前立腺針生検患者(46人は悪性腫瘍と診断された)からのmtDNA D-ループ配列の広範囲な調査から、患者血液のミトコンドリアDNAと比較して、良性前立腺肥大(BPH)、入手可能なグリーソンのグレードおよびストロマを含む全ての前立腺組織においてmtDNA突然変異が存在することが実証された。さらに、31人の前立腺切除術を受けた患者からのミトコンドリアゲノムの拡張研究は、マッチングさせた悪性腺、隣接良性腺(悪性腺のそば)、および遠位良性腺(あらゆる悪性病理を除去した、悪性病理を含まない組織中に位置する)における、あいまいな超変異量(Chenら 2002; Chenら 2003)を実証するが、これは表4に示すとおりである。表4の突然変異はまた、置換を記載した配列番号102、欠失を記載した配列番号103〜109、および挿入を記載した配列番号110〜138において提供される。多型および突然変異位置は、改訂されたケンブリッジ参照配列(Revised Cambridge Reference Sequence)(2001)との比較により決定したが、しかしながら歴史的ナンバリングを維持し、そのため位置3106における欠失はギャップとして表され、レアな多型750Aは保持された。塩基のナンバリングは、合計16569の塩基位置を有する改訂されたケンブリッジ参照配列(Revised Cambridge Reference Sequence)に基づく。
図1に、ミトコンドリアゲノムの位置についての突然変異の数を表すヒストグラムを示す。
図1に見られるとおり、突然変異はmtDNAゲノム全体に渡り、および、全ての疾患前立腺に存在する。しかしながら、特定の「ホットスポット」も明確であり、例えばD-ループ領域および16s領域において認められた。これらのデータセットは、資格のある病理学者がルーチンな組織学的方法および等級付け標準を用いて割り当てた悪性または良性組織との指定が、早期疾患進行を同定するものではないことを示す。このことは、細胞の形態学的特性が変更される前から、細胞レベルで悪性形質転換が始まっていることを強く示唆する。重要なこととして、突然変異パターンは、個別の患者からのマッチングさせた前立腺組織について、または別の患者との比較においてまったく一貫せず、このことは悪性細胞のクローン性増殖が生じうるあり得る組織部位を示している可能性がある。その上、同じ個体からのグリーソンスコアが同じである別の針生検材料は、ほとんど必ず別のmtDNA突然変異パターンを示す。このことは、特定の突然変異部位ではなく合計突然変異量が、この疾患および疾患の進行をより表していることを示す。
【0241】
このデータは、前立腺癌を有することの知られている個体、および進行した段階にあることの知られている前立腺切除術グループの個体からから収集されたため、組織学的に良性の組織は、新形成および悪性腫瘍に向かうありうる進行と関連する何らかの細胞内形質転換を経ている可能性が高い。mtDNA突然変異を有する良性組織は、「バイオセンサー」の役割を果たし、これは、疾患進行の速度を示す、突然変異増大についてモニタリングすることができる。この速度はまた腫瘍侵襲性を示しうる。その上、ある具体的な療法の有効性もまた、この突然変異パターンの変化に基づきモニタリングすることができる。
【0242】
この技術は、良性針生検の確認検査として使用することができる。現在は、患者の前立腺に針生検が行われ、その組織が見かけ上組織学的に良性である場合、彼は帰宅を許され、通常は6カ月後に追跡針生検を行うことが予定される。上記方法を用いて、既に採取された針生検組織を検査すると、その組織が分子レベルにおいても良性であることが確認されるか、さもなくば針生検法により場所的に見逃された悪性腫瘍が実際には前立腺中に存在する、またはその組織が分子レベルでは前新生物または新生物であるとの証拠が発見される。このことは、潜在的には、多くの人間が複数の手術を受けずに済むようにするかまたは早期予防性治療を可能にする。
【表4】
【0243】
【0244】
【0245】
【0246】
【0247】
【0248】
【0249】
【0250】
【0251】
【0252】
【0253】
【0254】
【0255】
【0256】
【表5】
【0257】
【0258】
実施例10:前立腺組織のmtDNAにおける3.4 kb欠失
約3.4キロベース(kb)の欠失は、新鮮な凍結前立腺組織の完全ミトコンドリアゲノム増幅を介して同定された。線形回帰法を用いることにより、この欠失の大きさは、3000塩基対(bp)〜3500 bpと推定された。2つのありうる候補欠失、すなわち9574〜12972における3397 bp欠失、および10744〜14124における3379 bp欠失が、Mitomap (Brandon, M. C., Lott, M. T., Nguyen, K. C., Spolim, S., Navathe, S. B., Baldi, P. & Wallace, D. C. MITOMAP: a human mitochondiral genome database--2004 update. Nucleic Acid Research 33 (Database Issue):D611-613, 2005; www.mitomap.org)を用いることにより同定された。2つの欠失のうちのいずれかが正しいとすれば、そのどちらが正しいのかを決定するために、欠失接合部にまたがるフォワードプライマーを各2つの候補について作製し、それによりプライマーが欠失に隣接する反復領域よりも遠くまで伸長することを保証した。
図5は、プライマーの設計と配列を示す概略図である。10744〜14124における3379 bp欠失(3.4 kb欠失と呼ぶ)に対応する増幅産物(amplicon)についての陽性の増幅結果が得られた。
【0259】
この欠失は、次の遺伝子の全部または一部を除去する: (i) NADHデヒドロゲナーゼサブユニット4L、(ii) NADHデヒドロゲナーゼサブユニット4、(iii) NADHデヒドロゲナーゼサブユニット5、(iv) tRNAヒスチジン、(v) tRNAセリン2、および(vi) tRNAロイシン2。
【0260】
この3.4kb欠失は、33の新鮮な凍結前立腺サンプルの91%に存在することが決定された。特異的欠失プライマーを用いて、ホルマリン固定組織を検査し、n値を増加させた。
【0261】
以前に、本調査者らはLCMによりマイクロダイセクション切除された32の組織サンプルからの、および組織学的に正常な前立腺の12の針生検材料からのミトコンドリアゲノム全体を配列決定した。これらの各サンプルからのアーカイブ保管された組織切片を次の研究に用いた。1〜2の連続切片を各サンプルから切除した。DNAは、各サンプルからマイクロダイセクションとしてではなく全体として抽出した。したがって各サンプルは腺の前立腺組織ならびにストロマの前立腺組織の混合物からなるものであった。この抽出は、Qiagen社の QIAamp DNAミニキット (カタログ番号51304)を用いて行った。抽出後に、サンプルをNano-Drop分光光度計を用いて定量し、その後濃度を2ng/ulへと正規化した。各サンプルは、20ng 投入DNAおよびiQ
TM SYBR Green Supermixキット (Bio-Rad Laboratories Inc.)を用いて増幅した。反応は、Opticon(登録商標) 2 (MJ Research)を用いて行った。
【0262】
図6に示すように、悪性前立腺サンプルと症状はあるものの良性の前立腺サンプルとの間では、サイクル閾値におよび、延長により、欠失の量に、明らかな差異が観察された。悪性サンプルは、良性サンプルよりも常に早いサイクル閾値を示した。
【0263】
実施例11:3.4kb 欠失盲検検査−サイクル閾値の比較
実施例10に記載の調査の後に、追加の21サンプルを選択したが、そのうちの10は良性でありそのうちの11は悪性であった。病理学的状態は、資格のある病理学者が行う針生検により決定された。サンプルを盲検化して、本調査者らがこの検査を行うときにサンプルの病理学的状態を知らないようにした。本調査者らは、サイクル閾値を調べることにより、症例の81%において正しい病理学的状態を予測することができた。4つの正しくなかった予測のうち、2つは良性と判定された悪性サンプルであり、2つは悪性と判定された良性サンプルであった。後者の症例において臨床医が2人の個体の追跡臨床情報を要求し、それを用いてこの2人の個体がこの調査に使用された針生検結果の後に前立腺癌と診断されたかを調べた。元は良性サンプルをもたらすがこの研究により悪性腫瘍を有すると予測された個体の1人は、その後悪性サンプルをもたらした。その結果として、偽陽性のうちの1つは真の陽性となった。したがって、病理学的状態は、この調査に置いて検査された86%の症例において正しく予測された。この調査の最終的な陽性的中率(PPV、ここでPPV=真の陽性/(真の陽性+偽陽性))は91%であり、そして陰性的中率(NPV、ここでNPV=真の陰性/(真の陰性+偽陰性))は80%であった。
【0264】
実施例12:3.4kb欠失研究−方法(n=76)
アーカイブ保管サンプル
この研究では76の前立腺組織を3.4 kb欠失について検査した。すべての組織サンプルをホルマリン固定し、25が悪性、12が正常、および39が良性前立腺疾患を有すると組織学的には示された。後者の群ついては半分以上が過形成を有した。すべての標本は、調査される者の組織アーカイブから得られた針生検材料であった。
【0265】
前立腺標本
各スライドについて、テープリフトを、Arcturus Bioscience Inc.社からのPrep-Strips (カタログ番号LCM0207)を用いて行った。このことにより、DNA抽出前にスライドからあらゆる粒状物質または非付着性組織を除去することができた。組織がスライド上にある状態で、スライドをPBS (リン酸緩衝生理食塩水溶液)で洗浄して、可能な限り固定剤を除去した。スライド上の1〜2針生検切片を、個別に包装された滅菌された外科用カミソリ刃を用いて擦り取り、滅菌マイクロ遠心分離チューブに入れた。次に、製造者の説明書に従ってQIAamp(登録商標) DNA Mini Kit (Qiagen社、カタログ番号51304)を用いて、DNAを単離し精製した。品質保証チェックポイントとしての陰性抽出対照を、スライド抽出物と並行して処理した。DNAの合計濃度と各サンプルについての純度比を分光光度法(Nano-Drop ND-1000)により測定し、定量的ポリメラーゼ連鎖反応 (qPCR)のために2ng/μlの希釈物を調製した。
【0266】
プライマー(オリゴヌクレオチド)
精製オリゴヌクレオチドプライマーは、Invitrogen社(California, USA)により化学的に合成された。プライマーの配列および増幅されるPCR産物の期待される大きさを表6に列記した。さらに、mtDNA欠失のためのPCR分析には、陽性対照(突然変異mtDNAを有することの知られている供給源からのDNA)も追加された。TNFを除き、各プライマーセットをミトコンドリア非含有rho 0 細胞株に対して確認し、偽遺伝子の共増幅の不在を確認した。
【表6】
【0267】
リアルタイムポリメラーゼ連鎖反応
各サンプルに対して、3つの別のPCRを行った。各反応は、25μl合計容積であり、テンプレートDNA、1対のプライマー(12sまたは3.4欠失またはTNF用プライマー)、iQ
TM SYBR Green Supermixキット(カタログ番号170-8882, Bio-Rad Laboratories Inc.社)および蒸留脱イオン水(ddH2O)を含むものであった。TNF (腫瘍壊死因子)用は単一コピーの核遺伝子プライマーを含み、12s用は全ミトコンドリアゲノムプライマーを含むものであった。テンプレートDNA、プライマー、および反応バッファーの容積と濃度を以下に記載する。
【表7】
【0268】
各増幅産物についてのサイクリングパラメーターを表8に示す。
【表8】
【0269】
分析
熱サイクリング、リアルタイム検出および反応の分析は、Intuitive Opticon Monitor
TM ソフトウェア (MJ Research Inc.)を備えたDNA Engine Opticon(登録商標) 2 Continuous Fluorescence Detection Systemを用いて行った。DNA定量のためには、標準曲線法を利用した。本発明者らは、1セットの連続希釈 (10
6, 10
5, 10
4, 10
3, 10
2, 10
1)を、3種の精製PCR生成テンプレート(すなわち1つの産物は3.4欠失について、1つの産物は12s プライマーについて、および1つの産物はTNFについて)に対して行った。ここから、3種の異なる標準曲線が作製され、それらは、全mtDNA (12s 増幅産物−合計ミトコンドリアゲノムプライマー)、3.4欠失または全核DNA (TNF−単一コピー核遺伝子プライマー)のコピー数を示した。次にサンプルC
Tを標準のそれと比較することにより、サンプルのC
T値をDNAコピー数に変換することができる。3.4欠失は、それが37サイクル以内に検出されなかったときには、存在しないまたは低レベルであると見なされた。
【0270】
悪性腫瘍の判定は、正規化サンプル中に存在する3.4kb欠失の量に基づき、これはサイクル閾値の位置により示される。この位置は、絶対的(25サイクルより多くしかし35サイクルより少ないなど)であってもよく、またはより多くの場合には、存在する全ミトコンドリアDNA(12s増幅産物により示される)と3.4kb欠失との比であってもよい。これは合計ミトコンドリアDNAの百分率として表すことができる。細胞の数(TNF増幅産物により表される)を組み入れて、良性および悪性組織の間の差異を精緻化することもできる。
【0271】
こうしたサンプルの分析を自動化するために、バイオインフォマティックスのツールを用いた。こうした分析に考慮される3つの変動物は、腫瘍壊死因子(TNF)のサイクル閾値 C
T、その特定のプライマー部位を有するミトコンドリアの全種、および対象の欠失を有するミトコンドリアである。
【0272】
クラスター分析
データが類似しておりその範囲が小さいことから、クラスタリングは正規化せず、対数関数も使用しなかった。
【0273】
図7は、データの実際の動きと傾向を示す。X軸は患者番号であり、Y軸はリアルタイムPCRから得られたサイクル閾値である。
【0274】
サイクル閾値が高ければ高いほど、存在する変動物の量は少ないことに注目することは重要である。
【0275】
図7に示される主要な一般的傾向は、欠失、全、およびTNFという変動物の間の差異/比率に基づくものである。欠失は、良性/正常サンプルでは低い〜不在であり(右側)、異常良性および悪性サンプルでは増加する(左側)。異常良性および悪性サンプルは、欠失とTNFのサイクル閾値比に基づき、互いに識別されるようになる。
【0276】
管理学習
管理学習は、システムが既知サンプルについて結果を予測しようとすることに基づく。データの半分を用いて教育を行い、残り半分を用いてアルゴリズムを試した。管理学習は、自身の予測を標的回答と比較して、自身の間違いから「学習」する。しかし、予測された結果がデータの実際の結果よりも高いまたは低い場合には、エラーをシステムに戻して伝え、重みを適切に調節する。
データセット: 5%〜35% -良性
35%〜65% - 過形成
65%〜95% - 悪性
ANNアルゴリズム (下に図式的に示す):
データセットの半分をANNの教育に使用
残り半分を正確性を比較するために使用
正確性=期待データセットを得られたデータセットと比較→86.6%
【0277】
人工ニューラルネットワーク (ANN)を用いた欠失データの管理学習
3つの分類:
良性
過形成
悪性
リアルタイムPCR サイクル閾値 C
Tに基づいて各分類のための3つの変動物を用いる:
腫瘍壊死因子 (TNF) - 核コピー対照
全ミトコンドリア-ミトコンドリアコピー対照
欠失 −欠失状態のミトコンドリア
結果:
データセットの半分を用いてANNを教育し、残り半分を用いて正確性を比較する。
3つの分類の正確性= 86.6%
陽性的中率 (PPV);
良性から悪性= 88.2%
陰性的中率 (NPV)
良性から悪性= 76.5%
【0278】
実施例13:ヒト皮膚における日光曝露のマーカーとしての3895 bp ミトコンドリアDNA欠失の使用
Harbottleら, 2004およびDurhamら, 2003により報告された、3895bp欠失と日光曝露とのあり得る関連性の最初の発見を受けて、その後、さらなる研究からそのような関連性が存在することを確認した。その上、今回のさらなる研究は、完全に定量的な様式で欠失および配列再配置の新規検出方法を発明することにより、日光曝露または皮膚癌検出のための診断検査のためのこの欠失の使用を実施可能にした。この方法は、プライマーまたはプローブと、再配置に関連する欠失もしくは挿入により生じた新たに形成された配列とのアニーリングを提供し、そのことにより検出手段としてのリアルタイム定量PCR(qPCR)の使用を可能にする。qPCRプラットフォームの使用は、単純な存在と不在のシナリオの代わりに、欠失の定量的検出を実施可能にする。日光曝露のレベルまたは悪性腫瘍の特性を測定するのが、以前に報告された単純な存在または不在の半定量ではなく、欠失の相対量であることから、この定量は検査の基礎である。その上、qPCRプラットフォームは、検出感度が従来のPCRおよび臭化エチジウム検出よりも大幅に高いことから、見かけ上は疾患にかかっていないまたは曝露されていない組織の使用を可能にする。
【0279】
バックグラウンド:
非黒色腫皮膚癌(NMSC)の発生率は、欧州が起源の集団において増大している(Severi and English, 2004)。例えば、米国では毎年100万の新規症例が診断されており(Wesson and Silverberg, 2003)、また英国では65,000が診断されている(数はCancer Research. UKの提供)。NMSCは皮膚癌のほぼ90%を占め、基底細胞および扁平上皮細胞癌(それぞれBCCおよびSCC)からなる。BCCは、NMSCの最も一般的な形態であり、表皮の基底ケラチノサイトから主に発生するが、毛包および脂腺の細胞からも発生する。これらは局所的には浸潤性であるが転移性であることは希である。SCCもまたケラチノサイトから誘導されるが、しかしながらBCCとは対照的に、SCCは転移しうる。BCCに比べて、SCCは、年齢とともに最も大きな増加を示し、高齢者に集中している(Severi and English, 2004)。NMSCの相対的密度は、外出時に「日常的に」日光曝露される身体部位(Armstrong (2004)によって定義された頭皮、顔、首および耳など)において最も高い。しかしながらSCCは、「時折」日光曝露される身体部位、例えばArmstrong (2004)により定義された肩、背中および胸部などにおいてずっと低い密度である点において、BCCとは感知できる程度に異なる。したがって、NMSCの主要な決定因子は、DNA損傷を誘発する日光の紫外線放射(UVR)成分である。重要なこととして、NMSCの発生に影響を及ぼすのは、日光曝露のパターン(より継続的対断続的)とその累積量の両方である(Armstrong and Kricker, 2001)。ヒト皮膚における累積UVR曝露の信頼できるマーカーを決定するために、本発明者らおよび他の者達は、UV-誘発DNA損傷のバイオマーカーとして、核DNAではなく、ミトコンドリアDNA (mtDNA)を用いるとの新規な着想を検討した(Pangら, 1994; Berneburgら, 1997; Birch-Machinら, 1998; Birch-Machin, 2000;)。p53のような核DNA遺伝子の突然変異スクリーニングと比較して、日光曝露された皮膚におけるmtDNA損傷を調べることには特定の利点がある。第1に、ミトコンドリアにおける酸化損傷の塩基除去修復の証拠はあるものの、mtDNA 中のDNA光分解産物(例えばシクロブタンピリミジンダイマー)の修復のための核除去修復の証拠はない(LeDouxら, 1993; Croteau and Bohr, 1997; Pascucciら, 1997; Sawyer and Van Houten, 1999)。第2に、各細胞は最大で数千コピーものmtDNAゲノムを保有することができ、したがってミトコンドリアは、残りの野生型による相補を介して非常に高レベル(最大90%)の損傷mtDNAに耐えることができる(Chomynら, 1992; Sciaccoら, 1994)。一緒になると、こうした要因は、細胞機能が損なわれることなくmtDNA中の光損傷の蓄積をもたらす。
【0280】
ヒト皮膚における累積日光曝露のバイオマーカーとしてのmtDNA損傷の使用は、比較的新しい研究分野であり、以前の研究は、日光保護されたおよび日光曝露された皮膚を識別するために単純にmtDNA損傷を比較していた(Pangら, 1994; Berneburgら, 1997; Birch-Machinら, 1998)。この以前の方法が制限されたものであるのは、NMSCが、外出時に「時折」日光曝露される身体部位と対照的に、「日常的」に日光曝露される身体部位において主に形成される(Armstrong, 2004)ためである。この制限に対処する試みとして、本実施例は、ほとんど報告されていない3895 bp mtDNA欠失(以前に疾患筋肉において記載されたのみ (Moraesら, 1992))の発生の頻度が、「日常的に」対「時折」日光曝露される身体部位の間で有意に異なることを実証する。さらに、本実施例は、UVA+UVB光源の反復的な致死量未満の照射量を用いて3895 bp欠失をin vitroにて誘発させることにより、3895 bp欠失と日光のUVR成分との病因論の間の関連性を実証する。
【0281】
方法および材料
日光中の紫外線放射(UVR)は、白人個体における非黒色腫皮膚癌 (NMSC)の主要な原因因子として広く認識されている。本発明者らおよび他の者達による以前の研究では、ヒト皮膚における累積日光曝露のバイオマーカーとしてのミトコンドリアDNA (mtDNA)損傷の使用が検討された。こうした研究は、日光保護されたおよび日光曝露された皮膚の間でmtDNA損傷を比較した。NMSCは、外出時に「時折」日光曝露される身体部位と対照的に、「日常的」に日光曝露される身体部位において主に形成されること、およびこのためこれらはその累積UV曝露が異なることから、この手法は制限されたものである。この制限に対処する試みとして、本実施例は、104の年齢マッチングさせた、日常的に、時折、および希に日光曝露される身体部位から採取されたヒト皮膚サンプル中のほとんど報告されていない3895 bp mtDNA欠失の発生の頻度を調べた。UV曝露の増大と共に欠失頻度は有意に増大し(p<0.0001)、興味深いことに、「時折」日光曝露される身体部位と比較して、「日常的に」日光曝露される身体部位においては、著しく高い欠失頻度が、真皮(p=0.0018)および表皮(p<0.0001)の両方において見られた。4977 bp共通欠失の以前の研究に使用された同一のNMSCサンプルにおける3895 bp欠失の調査からは、比較的高い3895欠失の発生頻度が示された(それぞれ8/10 対 4/10)が、ただしこの差異は統計的に有意なものではなかった。その上、本実施例は、UVA+UVB光源の反復的な致死量未満の照射量を用いて3895 bp欠失をin vitroにて誘発させることにより、3895 bp欠失と日光のUVR成分との病因論の間の関連性を助成する。ヒト皮膚における3895 bp欠失の頻度は累積UV曝露の可能性のあるバイオマーカーを提供し、また、NMSC発生の早期検出ツールを提供すると共に、臨床UV光線療法レジメンの長期安全性をモニタリングする方法を提供する。
【0282】
患者サンプル
外出時に「日常的に」日光曝露される身体部位(頭皮、顔、首および耳など)からの臨床的に正常な病変部近傍の皮膚(表皮n=21、真皮n=21、平均年齢±SEM=69.4±2.6)ならびに「時折」日光曝露される身体部位(肩、背中および胸部)(表皮n=21、真皮n=21、平均年齢±SEM=63.1±3.6)を、Royal Victoria Infirmary, Newcastle, UKの皮膚癌切除診療所にかかっている42人のNMSC患者からインフォームドコンセントのもとで採取した。日常的におよび時折日光曝露された群の間には特に有意な年齢差はなかった (p=0.158: 両側t検定(Welch相関))。さらに、42人の患者のうち、女性:男性のパーセンテージはほぼ同じであり(すなわち、それぞれ52%: 48%)、またBCCとSCCのパーセンテージもほぼ同じであり、患者の57%がBCCを有した。希に日光曝露される身体部位からの正常皮膚サンプル(臀部やかかとなど)は、以前に得られた死体解剖サンプル(表皮n=10、真皮n=10、平均年齢=73歳)から採取された。0.25% ディスパーゼを4℃にて一晩使用して表皮と真皮を分離し(Durhamら, 2003)、DNAをQiagen社のDNeasy組織抽出キットを用いて抽出した。表皮腫瘍、BCC (n=5)、SCC (n=5)は、癌切除のために通院している患者から採取された。この調査に使用された患者はいずれもmtDNA不全を有しなかった。
【0283】
HaCaT細胞のUV照射
自然発生的に不死化されたケラチノサイト細胞株(HaCaT) (Boukampら, 1988)を、10% ウシ胎仔血清、1mL 当たり5 IUのペニシリン、および1mL 当たり5gのストレプトマイシンを含むダルベッコ改変イーグル培地中で増殖させた。細胞を、直径9 cmの組織培養処理されたペトリ皿中で70%〜90%コンフルエント状態まで増殖させ、PBSで洗浄し、その後、致死量未満の照射量(1cm
2当たり0.5 J、これは1 SEDに相当する)のUVRを、Helarium(登録商標) 40 Wランプ(Wolff B1.01、290〜400 nm、ピーク発光325 nmにて)を用いて、隔日的に照射した。適当な時点で、付着細胞から、Qiagen社のDNeasy組織抽出キットを用いて全細胞性DNAを抽出した。
【0284】
PCR分析
PCRは、200 ng ゲノムDNA、600 nMの各プライマー、250 μM dNTP、反応当たり0.6 UのAmplitaq Gold DNAポリメラーゼ(Applied Biosystems)、GeneAmpバッファー(100 mM Tris-HCl、pH 8.3、500 mM KCl、15 mM MgClおよび0.01% (wt/vol)ゼラチンを含む)を含む25 μl反応にて行った。使用したPCRプライマーは、L404 (5' CTT TTG GCG GTA TGC ACT TT 3') (404-423nt) (配列番号145)およびH4676 (5' GAT TAT GGA TGC GGT TGC TT 3') (4676-4657nt) (配列番号146)であった。プライマーL404およびH4676は、3895 bp欠失の外側にアニーリングするように設計した。DNA増幅において、短い(30秒)ポリメラーゼ伸長時間は、野生型PCR産物の増幅をもたらさず、欠失型mtDNA種を表す小さい375 bp産物の増幅のみが可能であった。PCR条件は、94℃にて10分、35サイクルの94℃にて30秒、56℃にて30秒、72℃にて30秒、および最終伸長として72℃にて7分というものであった。増幅産物は1%アガロースゲル中で臭化エチジウム(1ml 当たり0.25μg)を用いて染色して可視化した。
【0285】
DNA配列分析
375 bp PCR産物をゲルから切り出し、QIAquickゲル抽出キット(Qiagen社, Germany)を用いて精製し、pCR(登録商標)4-TOPO(登録商標)ベクター中にTOPO(登録商標)TA Cloningキット(Invitrogen社, UK)を用いてクローニングした。この375 bp PCR産物の正体を確認するために、自動化DNA配列決定 (MWG Biotech, Ebersberg, Germany)を用いてDNAを配列決定した。
【0286】
放射性PCR分析
UVRにより生じた低レベルの欠失を検出するために、PCRを上記のように行ったが、ここでは3 μCiの[α-
32P]-dCTP (Amersham, Buckinghamshire, UK)を添加した。次にPCR産物を6%非変性ポリアクリルアミドゲルに通して電気泳動し、約24時間に渡り、ホスホルイメージスクリーンに曝露した。放射性PCR断片を、PhosphorimagerによりImageQuant ソフトウェア (Molecular Dynamics, UK)を用いてスキャニングし視覚化した。
【0287】
統計分析
統計分析は、StatCalc (Epi-info. CDC, Alberta, Georgia)を使用し、χ
2、ピアソンのχ
2, フィッシャーの直接確率検定および両側t検定を用いて行った。
【0288】
結果と考察
3895 bp欠失の正体の確認
以前の研究からのNMSCおよび日光曝露された皮膚からのmtDNA欠失スペクトル(Durhamら, 2003)を、再度分析した。多くのサンプルが大きさ約4 kbの欠失を有することが見出された。MITOMAP (Mitomap, 2004) データベースの検索により、この欠失は、ヌクレオチド 547〜4443に渡るマイナーアーク中に報告された、3895 bp種であると同定された。この欠失は以前に、キーンズ・セイアー症候群および慢性進行性外眼筋麻痺症と関連する(Moraesら, 1995)とされた。この欠失の正体を確認するために、欠失特異的PCRアッセイを方法の章で説明したように設計した。このPCRからの375 bp産物を配列決定して、それが、3895 bp欠失に特徴的な欠失接合部配列、すなわち5' CTAACC
536 bp/4430 bpccataccccgaa
548 bp/4442 AATGTT 3'(配列番号147)を有することを確認した。特徴として、この配列は、野生型 mtDNA中で3895 bp欠失に隣接する2つの12 bp反復のうちの1つのみを有した(小文字)。
【0289】
日常的に日光曝露される身体部位対時折曝露される身体部位における3895 bp欠失の頻度の比較
3895 bp欠失は、そもそも、日光曝露された部位から採取されたNMSCサンプルにおいて観察されたことから、本発明者らは、この欠失の頻度が累積日光曝露の増大のマーカーであるか否かという疑問に取り組んだ。欠失特異的PCRアッセイ(材料および方法を参照)を用いて、日常的に、時折および希に日光曝露された身体部位から採取された104の年齢マッチングさせた、分割ヒト皮膚サンプルにおける発生頻度を分析した。表皮(p<0.0001、χ
2=31.36、2df; ピアソンχ
2 検定)および真皮(p<0.0001、χ
2=28.68、2df)の両方において、増加するUV曝露と共に欠失頻度は有意に増加した。
図8は、日光曝露の増加と共に観察される、3895bp欠失の発生頻度の増加を示す。
図8aに示す代表的な臭化エチジウム染色されたアガロースゲルは、外出時に日常的に日光曝露される身体部位における3895 bp欠失の頻度(上のパネル)が、時折日光曝露された身体部位のそれ(下のパネル)と比較して、より大きいことを示す(Dは真皮でありEは表皮である)。陽性対照は、配列決定により確認された3895 bp欠失を有するサンプルを表す。両方のパネル中のレーン1は分子量マーカー(Hyperladder IV- 範囲1000 〜100 bp、Bioline社、London UK) を表す。同じ量のテンプレートDNAを各PCR反応に添加した。
図8bは、種々の日光曝露された身体部位から採取された104の分割皮膚サンプル中の3895 bp欠失の頻度を示すヒストグラムである。
【0290】
重要なこととして、「時折」曝露された身体部位と比較して、「日常的に」日光曝露された身体部位における欠失頻度は、真皮(p=0.0018、χ
2=9.72、オッズ比8.5; χ
2検定)および表皮(p<0.0001、χ
2=17.53、オッズ比40)の両方において、有意に大きかった(
図8b)。この欠失は、「希に」日光曝露される身体部位では検出されなかった(
図8b)。病変部近傍の皮膚を採取した対象の、平均年齢、性別比、および腫瘍型は、日常的に日光曝露されたおよび時折曝露された群の間で非常に似ていた(材料および方法を参照のこと)ことから、前記知見がこれらの要因により混乱する可能性は低い。さらに、3895 bp欠失を保有する(すなわち平均=66.95±2.84)および保有しない(平均=65.81±3.47)サンプルの間の平均年齢値に統計的な差異はなかった(p= 0.80、t検定(Welch相関))。
【0291】
NMSC中の3895bp mtDNA欠失
以前に行われた4977 bp 共通欠失の研究(Durhamら, 2003)において使用されたのと同一のNMSCサンプル中の3895 bp欠失の調査からは、3895欠失の発生頻度が比較的大きい(それぞれ8/10対4/10)ことが示されたが、この違いは統計的に有意なものではなかった。こうした腫瘍は日常的に日光曝露される身体部位から摘出されたことから、この3895 bp欠失が共通欠失よりも累積日光曝露の高感度なマーカーでありうると推測することは興味深い。
【0292】
歴史的には、3895 bp欠失を有するミトコンドリアゲノムのマイナーアーク領域は、共通欠失を有するメジャーアークほど多くの欠失を保有しないと推測されてきた(Weiら, 1996; Mitomap, 2004)。その結果、以前の研究の大半は、傾向として、メジャーアーク領域における欠失のスペクトルに焦点を合わせてきた。3895 bp欠失が一般的文献において報告されることが少ないのは、この「研究のバイアス」ゆえかもしれない。あるいはまた、3895 bp欠失は、正常組織において現在検出不能なレベルで自然発生し、ついでそれがUVへの曝露を介して皮膚に富化される可能性がある。
【0293】
血液における3895 bp mtDNA欠失の不在
3895 bp欠失は、以前に疾患筋肉において報告された(Moraesら, 1992)のみである。皮膚についての本研究は別として、他の組織におけるその発生頻度は未知である。本発明者らは、血液におけるこの欠失の頻度を、皮膚サンプルのそれと類似する年齢群の患者から採血された16の血液サンプルに対して欠失特異的PCRを行うことにより調べた。これらの血液サンプルのいずれも、欠失の保有を示さなかった(データ未掲載)。
【0294】
反復UV照射による培養HaCaT細胞における3895 bp欠失の生成
日光曝露の累積量と3895 bp欠失の発生頻度の相関関係を評価するためには、in vitroでの日光の影響を調べる必要があった。日光は、UVAとUVBの両方を含むことから、helariumランプ (Diffey, 2002)を用いて、反復的な致死量未満のUVR照射レジメンの広範な系列を用意し、ヒト表皮由来(HaCaT)細胞株における3895 bp欠失を生成させることを試みた。最適UVR反復照射方法は、かなりの程度の細胞死を伴わずにこの欠失を生じるものであった。放射性PCRに基づくアッセイを用いて、本発明者らは、17の隔日的な1cm
2当たり0.5 J(すなわち, 1 SED)の量のUVRの照射後に、付着細胞において3895 bp欠失が誘発される最初の兆候が観察されることを実証した。
【0295】
図9は、helariumランプ(UVA/UVB)による、1cm
2当たり0.5 JのUVRの17回の照射後に、HaCaT細胞において3895 bp欠失が誘発されることを示す。HaCaT細胞に、1cm
2当たり0.5 J (すなわち1 SED)のUVA/UVBを隔日的に照射し合計19の照射を行った。全細胞性DNAを付着細胞から抽出し、100 ngをPCRに供して3895 bp欠失を増幅した。3895 bp欠失のUV誘導性の増加の最初の兆候は、UVRの17の反復照射の後に観察された。陽性対照は、3895 bp欠失を有する腫瘍サンプルからのDNAであり、これに対して陰性対照はDNAを含有しないものである。その上、致死量未満のUVR照射を用いたことから、2回のその後のUV照射の後にも欠失のレベルは細胞株において維持され、これは、3895 bpをヒト皮膚における日光曝露の推定上の累積バイオマーカーとして使用することができるとすれば重要な性質である。このことは、UVA誘発型共通欠失が照射の停止から16カ月後に存在しうることをin vivoで実証した、ごく最近のBernebergら(2004)の知見(原稿修正中に刊行された)に鑑みると興味深い。
【0296】
上記観察はいくつかの理由ゆえに重要である。第1に、本研究はUVAとUVBの両方を放射するUVR源を使用したため、UVAのみを用いて共通欠失を生成させた以前の研究(Berneburgら, 1999; Kochら, 2001)と比べて、より太陽を模倣したUVR源を表す。第2に、UVRの反復照射により4977 bp共通欠失以外の欠失が生成されたのは今回が初めてである。その上、線維芽細胞を利用したBerneburg研究とは対照的に、本実験は、ケラチノサイト由来細胞株を用いて行われたものであり、NMSCを生じるのはこの細胞種である。
【0297】
機能的有意性
3895 bp欠失において欠失される領域は、D-ループ中のmtTF1結合部位からtRNAメチオニンまでである。欠失された遺伝子としては、12s rRNA、16s rRNA、ND1ならびにHおよびL鎖の両方の転写のためのプロモーターが挙げられる。ミトコンドリアの呼吸機能不全が観察される前に、野生型:欠失型mtDNAのある特定の閾値が達成される必要がある(Sciaccoら, 1994)。タンパク質をコードするmtDNA遺伝子(3895 bp欠失により除去されたものなど)についての、ミトコンドリア呼吸鎖機能不全の閾値は、約65%以上である (Hayashiら, 1991; Chomynら, 1992)。例えば、以前の研究は、<25%の4977 bp mtDNA共通欠失を有するヒト皮膚サンプルがミトコンドリア機能の欠損を示さないことを、シトクロムオキシダーゼおよびコハク酸デヒドロゲナーゼ活性の二重組織化学的染色により決定した(Durhamら, 2002)。3895 bp欠失については組織化学的染色が存在しないことから、この欠失は、サザン分析を用いて患者サンプルにおいて定量した。適当な対照の存在下で、この分析は3895 bp欠失の存在を検出することができなかったことから、この欠失のレベルは2%〜5%未満であることが示唆された(結果は未掲載)。したがって共通欠失を用いた以前の研究に基づくと、患者サンプル中の3895 bp欠失のレベルが、真皮または表皮全体に渡る何らかの機能的効果を引き起こす可能性は低いが、ただし小さい限局的な効果は除外できない。
【0298】
推定上の機構
共通欠失の生成機構は、スリップした鎖の誤対合を介したゲノム内組換えイベントが関わっており、共通欠失に隣接する13 bp反復DNA配列において生じうると以前に提唱された(Schonら, 1989; Shoffnerら, 1989; Mitaら, 1990; Degoulら, 1001)。3895 bp欠失には12 bp反復が隣接することから、その欠失の生成は類似の機構により生じる可能性がある。共通欠失の生成機構は、前記13 bp反復がDNA屈曲され易く、そのため一本鎖DNAの小領域または「泡」が開くことができるようにする、と提唱されている(Schonら, 1989)。本実施例の結果は、3895 bp欠失の生成においてUVRが寄与因子である可能性を示唆する。この欠失の機構は、組換えイベントを促進しうる一本鎖DNAの「泡」を開くことを介して、12 bp反復中の構造的に不安定な部位に、直接または間接的に影響を及ぼすことにより生じうる。
【0299】
結論
まとめると、本実施例は、ほとんど報告されていない3895 bp-mtDNAの出現頻度が、外出時に「日常的に」日光曝露される身体部位と「時折」日光曝露される身体部位とで、有意に異なることを示した。4977 bp 共通欠失の以前の研究に使用されたのと同一のNMSCサンプルにおける3895 bp欠失の調査は、比較すると、3895 bp欠失の発生頻度がより大きいことを示した。その上、3895 bp欠失の病因と日光のUVR成分との間の関連性が、反復的な致死量未満の照射量のUVA+UVB光源を用いてin vitroにて3895 bp欠失を誘発させたことにより証明された。ヒト皮膚における3895 bp欠失の頻度は、ヒト皮膚における累積UV曝露の潜在的バイオマーカーを提供し、次いでそれがNMSC発症の早期検出ツールを提供し、また、臨床UV光線療法レジメンの長期安全性のモニタリング方法を提供しうる。
【0300】
実施例14:NMSCにおける3895ミトコンドリアDNA欠失のリアルタイムPCR分析およびヒト皮膚における日光曝露のための定量的マーカーとしてのその使用
材料および方法
ヒト皮膚サンプル
腫瘍およびマッチングさせた病変部近傍の皮膚サンプルは、Out-Patients Clinic, Royal Victoria Infirmary, Newcastle, UKにて、NMSC、すなわち基底細胞癌 (BCC) (n=5, 年齢範囲55〜89歳、平均78歳)または扁平上皮細胞癌(SCC) (n=5, 年齢範囲70〜87歳、平均78歳)の切除を受けている患者からインフォームドコンセントのもとで摘出された。日光曝露研究のためには、臨床的に正常な病変部近傍の皮膚は、外出時に「日常的に」日光曝露される身体部位(頭皮、顔、首および耳など)(表皮n=30、真皮n=30、平均年齢±SEM=70.45±2.161)、ならびに「時折」日光曝露される身体部位(肩、背中および胸部)(表皮n=22、真皮n=22、平均年齢± SEM=63.77±3.501)から採取した。日常的におよび時折日光曝露された群の間に有意の年齢差はなかった(p=0.1134):両側t検定(Welch相関)。すべての病変部近傍の皮膚サンプルについて、0.25% ディスパーゼを4℃にて一晩使用して表皮と真皮を分割し(Durhamら, 2003)、次いでDNAをQiagen社のDNeasy組織抽出キットを用いて抽出した。この研究に用いた患者はいずれもmtDNA不全を有しなかった。
【0301】
PCR分析
PCRは、200 ng ゲノムDNA、600 nMの各プライマー、250 μM dNTP、0.6 u/反応Amplitaq Gold DNAポリメラーゼ(Applied Biosystems社)、GeneAmpバッファー(100 mM Tris-HCl、pH 8.3、500 mM KCl、15mM MgClおよび0.01%(w/v)ゼラチンを含有)を含んでなる25 μl反応にて行った。PCRプライマーL404およびH4676(表9および
図10)は、3895 bp欠失の外側にアニーリングするように設計した。DNA増幅において、短い(30秒)ポリメラーゼ伸長時間からは野生型PCR産物は増幅されず、より短くかつ欠失型のmtDNA断片のみの増幅が可能であった。PCR条件は、94℃にて10分、35サイクルの94℃にて30秒、56℃にて30秒、72℃にて30秒、および最終伸長として72℃にて7分というものであった。増幅産物は、臭化エチジウム (0.25μg/ml)を用いて染色した1%アガロースゲル中で視覚化された。
【0302】
この方法を2回改良したが、最初の改良はDeep Vent (New England Biolabs)を使用し、その後Roche Faststart Taqを用いた感度のさらなる改良を行った。このことは、高齢患者の日光曝露サンプルにおける欠失を測定していた状態から、若年患者における欠失を測定することができる状態への前進をもたらした。
【0303】
リアルタイムPCR分析
3895 bp欠失の定量のための、信頼できるTaqMan-PCRアッセイを開発した。この定量的TaqMan-PCR法は、二重標識されたプローブを介するPCR蓄積として、標的投入量のリアルタイム測定を提供する。プローブはフォワードプライマーとリバースプライマーとの間にアニーリングし、PCR伸長段階中にTaqポリメラーゼの5'-3' エキソヌクレアーゼ活性により切断される。したがってプローブに結合している5'末端レポーター色素FAM(6-カルボキシフルオレセイン)またはVICと3'末端消去剤色素TAMRA (6-カルボキシ-N,N,N',N'-テトラメチルローダミン)が分離され、レポーター色素の蛍光発光をもたらす。このプローブは、3'末端側がリン酸基でブロックされていることから、それ自体ではプライマーとして機能することができない。この方法は、ゲノムのシトクロムb領域に相当する内部標準プローブ(IS-プローブ、表1および
図10)(Kochら, 2001)を使用して、mtDNAの総コピー数(すなわち欠失型および野生型)を推定する。3895 bp欠失のレベルは、欠失のブレークポイントにまたがるプローブ(3895-プローブ、表9および
図10)により測定され、これはその欠失が存在するときにのみ増幅されることを保証する。欠失レベルの定量は、内部標準と3895 bp欠失との比率の比較により測定される。
【0304】
増幅反応は、96ウェルマイクロプレート上で、三重反復して25ulとして行った。全mtDNAおよび欠失型mtDNA反応を、別々のチューブ内で増幅させたが、その各々は、100ngのDNA、1×TaqMan Universal Mastermix (ABI)、300nMの各内部標準プライマー(ISF とISR、表9および
図10)および100nMのIS-プローブ、または300nMの各3895 bp欠失プライマー(3895Fと3895R、表9)および100nMの3895-プローブ(
図10)を含むものであった。PCRおよび蛍光分析は、ABI Prism 7000 (Applied Biosystems, UK)を用いて行った。増幅条件は次のとおりであった: 50℃にて2分、95℃にて10分、その後の40サイクルに渡る95℃にて15秒および60℃にて1分。R
n値は、TaqMan反応バッファーに含まれる色素である受動的レファレンスに対して正規化された標的レポーターシグナルである。ΔR
nは、R
n+ (テンプレートを含め、全ての成分を含む反応のR
n)とR
n- (テンプレート無し対照のR
n)の差と定義される。統計的に有意なΔR
nの増大が検出される最初のサイクルのことを、閾値サイクル(Ct)と呼ぶ。蛍光強度が、閾値を定義するためのバックグラウンドR
n値の標準偏差の10倍を超える場合、蛍光シグナルを有意と見なす。
【0305】
本リアルタイムPCR法は新規であり、以前に刊行されたことのないものである。この方法は、半定量的な標準PCRと比較して、感度が高く、定量を可能にする。この種類のブレークポイント特異的検出は前立腺検出に使用したのと同じ技術であり、新規である。本発明者らは、この方法が前立腺癌および日光曝露に特異的なミトコンドリア再配置の検出に有用であることを示したが、この方法は他の再配置の検出にも使用可能である。
【0306】
図10は、PCRプライマーおよびTaqManプローブの局在性を示す、3895 bp欠失を有するmtDNAゲノムの配置図である。プライマーISF/ISRおよびISプローブは、野生型および欠失型mtDNAの両方にアニーリングする。3895 bp欠失の検出は、プライマー3895F/3895Rおよび3895プローブを用いて行った。特異的3895プローブは、欠失接合部にまたがって結合することから、欠失型mtDNAにのみアニーリングする。さらに、3895 bp欠失の発生は、所定のPCR条件下で増幅産物が生成しうるほど、欠失特異的プライマー(すなわち3895F:3895RおよびL404:H4676)同士が接近するようにする。
【0307】
TOPO TAクローニング
制御領域および3895欠失の両方のクローニングは、TOPO TA Cloningキット(Invitrogen, UK)を製造者の説明書に従い使用して行った。TOPO TAクローニングは、PCR産物の3'末端に単一のデオキシアデノシン(A)を付加するという、Taqポリメラーゼのテンプレート非依存性末端トランスフェラーゼ活性を利用する。キットに付随する線状化されたベクターは、単一のオーバーハングする3'デオキシチミジン(T)残基を有し、PCR産物とベクターの効率的なライゲーションを可能にする。ベクターpCR4-TOPO中の正しい大きさの挿入物の存在は、EcoR1制限断片分析により確認された。
【0308】
結果
3895bp欠失用の定量的リアルタイムPCRアッセイの開発
3895bp mtDNA欠失を保有するミトコンドリアゲノムを確実に検出しそのコピーのパーセンテージを定量することができることを確定させた後に、内部標準プローブ(IS-プローブ)または3895欠失プローブ(3895-プローブ)のいずれかを広い範囲のテンプレート濃度に対して使用する2つのPCR反応の線形性を検討した。いずれの事例においても、テンプレートDNAは、適当なPCR産物をクローニングベクター中にクローニングすることにより作製した(方法を参照のこと)。各テンプレートの濃度を蛍光分析により測定し(GRI, UK)、次いで各プローブについて50ng〜50pgのテンプレートDNAを用いて、リアルタイムPCR増幅を行った(
図11)。CT値とテンプレート濃度との関係は、3895bp欠失(r=0.9952)および内部標準(r=0.9941)の両方について線形であった。その上、各テンプレートの増幅の勾配も同じであった。このことから、各テンプレートが同じ程度の効率で増幅されることが確認された。したがって、結果として、CT値は、テンプレートDNAの測定指標として使用可能であり、また3895bp欠失型mtDNAの野生型mtDNAに対する相対量を定量するために使用可能である。欠失型:野生型mtDNAの比を正確に予測するこうした標準曲線の能力は、ある範囲のクローニングされた欠失型:野生型テンプレート混合物を使用することにより確認した(結果未掲載)。
【0309】
図11はテンプレートコピー数に対するリアルタイムPCRの感度を示す。減少する濃度のテンプレートDNA(希釈範囲1/10〜1/10000の1ug/ulテンプレート)の3895bp欠失(A)もしくは野生型内部標準(B)についての、閾値サイクル(すなわちCT、縦軸)を示す。いずれの増幅においても、テンプレート濃度と閾値サイクル数(CT)の間には直線関係がある。各数値は、3つの独立した観測の平均±SDを表す。
【0310】
腫瘍における3895bp欠失の定量
NMSCならびに組織学的に正常な病変部近傍の真皮と表皮の両方における3895bp欠失のレベルを、リアルタイムtaqman PCRおよび以前に確立された標準PCRアッセイの両方により測定した(
図12)。リアルタイムPCRにより定量された3895bp欠失のレベルは、標準的な非定量的PCR分析により推定されたレベルと概ね一致することが見出された。
【0311】
図12は、BCCおよびSCCの両方からの、腫瘍(T)および組織学的に正常な病変部近傍の真皮(D)および表皮(E)における、3895bp欠失の発生を示す臭化エチジウム染色されたアガロースゲルを示すことにより、腫瘍における3895欠失のリアルタイムPCR定量および標準的PCR増幅を示す。各レーンの下には、3895bp欠失のレベルを、各サンプルにおける百分率として示す(リアルタイムtaqman PCRにより定量)。「ND」と標されたサンプルは、リアルタイムPCRのCTが>36(このレベルはテンプレート無し対照について観測されたレベルである)であったことから、ゼロと判定されたものである。すべてのパネルにおけるレーン1は分子量マーカー(Hyperladder IV− 範囲1000 〜100bp、Bioline Ltd, London UK)である。各PCR反応には同じ量のテンプレートDNAを添加した。
【0312】
BCCにおける3895bp欠失の発生の単純なパターンは、SCCについて観察されたそれと概ね類似していた。BCCとSCCの両方において、この欠失は5人の患者中の3人に存在した(ただし同じ患者ではない)。病変部近傍の皮膚においては、この欠失の存在は、表皮(5人のBCC中の2人、および5人のSCC中の1人)に比べて、真皮(5人のBCC中の4人、5人のSCC中の3人)においてより頻繁に存在した。一方で、サンプルの絶対数は小さいものの、欠失の単純な発生パターンではなく、実際の欠失のレベルを考慮すると、BCCとSCCの結果の間には差異がある。例えば、欠失が腫瘍および病変部近傍の真皮の両方に存在するサンプルについては、欠失のレベルは、SCC患者については真皮において最大であり、これに対してBCC患者については逆のことが真である傾向があった。その上、顔の2つの別の領域から採取されたBCCサンプルが、大幅に異なるレベルの欠失を示す(すなわち7.14%対0.02%)との観察は興味深いものであり、これは累積日光曝露の度合いの違いを反映するものである可能性がある。種々の日光曝露された身体部位から得られた組織学的に正常な病変部近傍のサンプルの比較的大きなサブセットにおける欠失の、発生パターンではなく、発生レベルを測定することにより、この側面をさらに調べることとした。
【0313】
種々の日光曝露された身体部位から得られた組織学的に正常な病変部近傍の皮膚サンプルのより大きなサブセットにおける3895bp欠失の定量
累積日光曝露の部位以外の要因による混乱を回避するために、腫瘍サンプルではなく組織学的に正常な病変部近傍の皮膚を選択した。定量的リアルタイムtaqman PCRを用いて、外出時に日常的に曝露される(n=60)および時折曝露される(n=44)と定義される、種々の日光曝露された部位から得られた、104の年齢マッチングさせた分割ヒト皮膚サンプルにおける3895bp欠失のレベルを調べた。
図13は、3つの対についての、日常的におよび時折日光曝露されるサンプルのリアルタイムPCRにより検出された、3895bp増幅産物および対応するレベルの3895bp欠失の、臭化エチジウム染色されたアガロースゲルの典型例を示す。
図13は、日常的に日光曝露されたおよび時折日光曝露されるものにおける3895欠失のリアルタイムPCR定量および標準的PCR増幅を示しており、代表的臭化エチジウムアガロースゲルがその3895欠失の対応するレベルの典型例を示すが、これは3つの対の日常的に日光曝露されたおよび3つの対の時折日光曝露されるサンプルのリアルタイムPCRにより検出されたものである。欠失のレベルをパーセンテージとして表す。両方のパネルにおけるレーン1は分子量マーカーである(Hyperladder IV-範囲1000〜100bp, Bioline Ltd, London UK)。各PCR反応に、同じ量のテンプレートDNAを添加した。両方のパネルにおける陽性対照は、リアルタイムPCR用のテンプレートを作製するためにクローニングし配列決定したPCR産物の由来する腫瘍DNAである。リアルタイムPCRにより検出された3895bp欠失のレベルと標準PCRにより検出されたそれとの比較からも、やはりこの2つの技術の良好な相関が示された。
【0314】
したがって、すべてのサンプルを定量的リアルタイムPCRアッセイを用いて分析することとした。この分析からの結果は、増加する日光曝露と共に3895 bp欠失の発生率が増加することを明確に示した。
図14は、日常的に日光曝露されたおよび時折日光曝露される皮膚における3895bp欠失の定量を示す散布図である。3895bp欠失のレベルを、日常的に日光曝露されるおよび時折日光曝露される真皮および表皮におけるパーセンテージとして表すが、これはリアルタイムtaqman PCRにより測定されたものである。欠失の平均レベルを、各サンプルセットについて水平の線として示す。
【0315】
具体的には、定量リアルタイムPCR分析は、時折日光曝露されるサンプルと比較したときに、日常的に日光曝露されたサンプルにおいて欠失のレベルが有意に高いことを示した(真皮についてはp= 0.0009、表皮についてはp=0.008;両側t検定)。興味深いことに、真皮サンプルは表皮よりも高い頻度で欠失を保有した(p=0.0143 時折日光曝露される、p=0.0007日常的に日光曝露される)。病変部近傍の皮膚を採取した対象の平均年齢、性別比および腫瘍型は、日常的に日光曝露されたおよび時折曝露された群(方法を参照されたい)において非常に似ていたことから、これらの知見がこうした要因により混乱する可能性は低い。
【表9】
【0316】
実施例15:生検検査の確認
未使用の針コア生検サンプルを前立腺サンプルアーカイブから収集した: 62良性、49 悪性、30の腫瘍に隣接するがしかし悪性細胞を含まない生検材料。全体として、合計141のサンプル、ならびに7の追加サンプル(うち6つが標準曲線作成用であり、1つが陰性対照(試薬/反応汚染))を分析した。この完全アッセイを3回反復し、3人の別の個人がそれぞれ1回を行った。
【0317】
人工ニューラルネットワーク(ANN)に対して、盲検的に、腫瘍に隣接するまたは腫瘍の近位の良性サンプルを問い合わせた(クエリー)。さらに、腫瘍に対して遠位であると決定された複数のサンプル(前立腺切除術後にこの位置にマッピングされたもの)も追加した。結果は、隣接する悪性組織と一致して、腫瘍の近位の「正常」組織において3.4kb欠失の頻度が増大しているというものであった。しかしながら、遠位良性のサンプルは、その良性の形跡を保持した(
図15)。この検査は、腫瘍の近くの位置から得られた正常組織に基づき悪性腫瘍を確認することができるものであり、3.4kb欠失の研究に基づく。ミトコンドリアDNAにおける分子変化(すなわち欠失)は、組織における検出可能な形態学的変化に先行して生じることが示された。したがって、病理学者による視覚的観察の元では見かけ上は正常または良性であるサンプルの組織領域であっても、悪性腫瘍に至る経路にある突然変異を蓄積し始めている可能性がある。本方法の機能は、病理学者による組織学的診断および前立腺生検の既存の臨床診療に対する大きな補完である。前立腺癌をスクリーニングするためのPSA検査の使用は、多数の生検手法を必要とし、推定70%は悪性細胞を示さない。こうした生検材料は良性と診断され、2つのカテゴリーに分類することができる:真の良性、すなわち前立腺には腫瘍は存在しない;および偽良性、この場合前立腺に腫瘍は存在するが針生検法は悪性腫瘍をサンプリングすることができなかった。良性組織の分子検査により、真の良性カテゴリーに属する個体が実際に良性であることを再度保証し、そのことにより彼らが少ない追跡生検処置または追跡生検処置なしでさほど綿密ではない追跡で済むようにするか、さもなくば、症状を引き起こしているものの生検法ではまだ検出することのできない悪性腫瘍の早期検出を提供し、診断用の追加の生検の必要性をなくし、臨床医に患者への早期のおよび高確率でより効果的な治療を開始する機会を提供する。この検査は、高い数の偽陰性診断に苦しめられている現在の生検分析に対して再保証と確認の両方を提供する。
【0318】
実施例16:前立腺腫瘍マッピング
腫瘍挙動マーカー発見のために行われた研究のさらなる潜在的結果は、六ヶ所針生検標本に基づく、前立腺内の腫瘍の位置の3次元モデルを提供する能力である。隣接良性組織中の悪性腫瘍の存在を反映する3.4kb欠失の機能は、このマッピング手法に極めて重要である。このマップは、泌尿器科医および癌専門医に対して、前立腺腫瘍のバーチャルモデルを提供し、治療判断を助けうる。
【0319】
参考文献
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【0320】
本発明の範囲から逸脱することなく種々の変更および改変を行うことが可能である。本明細書の開示は例示的なものであって限定的なものではないことを意図する。本明細書の記載は当業者に多くの変法および代替法を提案する。こうした代替法および変法はいずれも、特許請求の範囲に包含されることを意図する。当業者であれば、記載された特定の実施形態と等価な別の実施形態を認識することができ、それらもまた特許請求の範囲に包含されることを意図する。