特許第6134923号(P6134923)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ビーバービジテック・インターナショナル・インコーポレイテッドの特許一覧

<>
  • 特許6134923-レーザービデオ内視鏡 図000002
  • 特許6134923-レーザービデオ内視鏡 図000003
  • 特許6134923-レーザービデオ内視鏡 図000004
  • 特許6134923-レーザービデオ内視鏡 図000005
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6134923
(24)【登録日】2017年5月12日
(45)【発行日】2017年5月31日
(54)【発明の名称】レーザービデオ内視鏡
(51)【国際特許分類】
   A61B 1/00 20060101AFI20170522BHJP
   A61B 1/04 20060101ALI20170522BHJP
【FI】
   A61B1/00 300U
   A61B1/04 370
   A61B1/00 300H
   A61B1/00 300P
【請求項の数】5
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2014-505194(P2014-505194)
(86)(22)【出願日】2012年4月6日
(65)【公表番号】特表2014-512223(P2014-512223A)
(43)【公表日】2014年5月22日
(86)【国際出願番号】US2012032483
(87)【国際公開番号】WO2012141980
(87)【国際公開日】20121018
【審査請求日】2015年3月30日
(31)【優先権主張番号】13/084,789
(32)【優先日】2011年4月12日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】517101687
【氏名又は名称】ビーバービジテック・インターナショナル・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000121
【氏名又は名称】アイアット国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】ユラム,マーティン
【審査官】 佐藤 高之
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2010/143402(WO,A1)
【文献】 特開平05−115501(JP,A)
【文献】 特開昭64−070023(JP,A)
【文献】 特開2005−237436(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2005/0033309(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0293727(US,A1)
【文献】 米国特許第07522797(US,B2)
【文献】 米国特許第06193650(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 1/00−1/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハンドピースを備える眼科手術用レーザービデオ内視鏡において、23ゲージのスリーブを通過することのできるプローブを提供する改善であり、
前記ハンドピースの先端に延びる中空で硬質なプローブを備え、
前記プローブは先端部および基部を有し、
前記プローブの前記先端部は、外径が25ミル以下、側壁の厚さが2ミル、長さが710ミルであり、
前記プローブの前記基部は、外径が31から35ミル、側壁の厚さが少なくとも5ミルであり、
前記プローブは、断面において第1面を形成するレーザー導波ファイバーと、断面において実質的に連続し前記第1の面とは重なり合うことのない第2面を形成する映像部品と、照明ファイバー束とを収容する
ことを特徴とするレーザービデオ内視鏡。
【請求項2】
請求項1記載のレーザービデオ内視鏡において、前記映像部品は6000本のファイバーを有するファイバー光学束であることを特徴とするレーザービデオ内視鏡。
【請求項3】
請求項1または2に記載のレーザービデオ内視鏡において、前記硬質プローブは金属製であることを特徴とするレーザービデオ内視鏡。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載のレーザービデオ内視鏡において、
前記レーザー導波ファイバーは、その直径が100ミクロンであり、
前記映像部品は、その直径が14ミルであり、
前記照明ファイバー束は70本から210本のファイバーを有する
ことを特徴とするレーザービデオ内視鏡。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1項に記載のレーザービデオ内視鏡において、
前記レーザー導波ファイバーは532ナノメートルのレーザーエネルギーの伝送に適するものであり、
前記映像部品にはカメラが連結され、
前記映像部品と前記カメラとの間には、前記レーザーエネルギーの波長を遮断し、他の可視光は透過する遮断フィルターを備える
ことを特徴とするレーザービデオ内視鏡。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、眼科治療で用いられるレーザービデオ内視鏡に関し、特に、手術プローブの直径が小さく、たとえば、トロカールスリーブのような23ゲージスリーブに手術プローブを通すことのできるレーザービデオ内視鏡に関する。
【背景技術】
【0002】
レーザービデオ内視鏡は公知であり、その例が、本願出願人による特許に係る特許文献1,2に記載されている。これらの二つの特許に開示の内容は、参照によりここに組み入れられる。これらの眼科治療で用いられる内視鏡は、使い捨てでもよく、高圧蒸気殺菌(オートクレーブ)または滅菌の後に、再使用されてもよい。内視鏡は高価なことから、再使用が重要である。これらの従来技術の内視鏡は、眼科手術の間、20ゲージの組織切開を通過するプローブと共に用いられる。20ゲージ切開は、この分野では標準であり、眼科手術作業中に用いられる器具を進入させるために用いられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】US5121740
【特許文献2】US6997868
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、最近は、より小さい23ゲージスリーブが用いられている。このスリーブは、トロカールスリーブなど、体壁内に埋め込まれ、体壁の組織に触れることなく手術器具の挿入および取り出しを可能にする管である。23ゲージスリーブの価値は、切開がより小さくて済み、それゆえ、回復時間をより短縮できることである。23ゲージスリーブは、開口が20ゲージ切開より小さいため、より直径が小さく23ゲージスリーブを何とか通り抜けるプローブを必要とする。ひとつの問題は、23ゲージプローブは直径が小さい(25ミル)ので、脆弱であり、破損しやすいことである。この破損の問題は、内視鏡のコストのため、これらのレーザービデオ内視鏡を使用するときに重要となる。これらのレーザービデオ内視鏡は、緑内障、網膜および硝子体茎切除の治療で使用される。
【0005】
したがって、本発明の主要な目的は、プローブを23ゲージスリーブに挿入して通すことができ、破損の量を最小にするような十分な構造安定性を維持できる構造のレーザービデオ内視鏡を提供し、器具の再使用の可能性を高めることにある。
【0006】
本発明のさらなる目的は、この小さなプローブを、手術を身近なものとする内視鏡のための構造で、かつ大きな付加コストを回避する構造で、実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の手術器具のひとつの実施形態は、先端部と基部とを有するステンレススチール製のプローブを採用する。先端部は、外径が25ミル(1000分の1インチ)未満、壁厚が2ミルである。したがって、23ゲージのスリーブに挿入して通すことができる。プローブの基部は、ハンドピースから出ており、外径が31ミル、壁厚が5ミルである。先端の外径25ミルの部分は、長さが710ミルである。この三つの設計の特徴の組み合わせは、25ミル(23ゲージ)のスリーブをなんとか通り抜けることができ、それでいてなお、破損の危険性を最小とするに十分に堅牢なプローブを提供できる。多くの破損は、ハンドピースとプローブの間の連結部で発生する。
【0008】
さらに、このレーザービデオ内視鏡は、照明源、レーザーのエネルギー源およびカメラ・アセンブリという既知の構成要素を有している。これら三つの構成要素はすべて、ハンドピースを通して、そして手術プローブを通して光ファイバーにより結合され、照明、映像転送およびレーザー手術エネルギーを提供する。
【0009】
しかしながら、この発明の器具は、照明、映像処理およびレーザーエネルギーの供給の3つの機能に用いられる光ケーブルの引き回しの寸法に関して、二律背反の関係がある。特に問題となる二律背反は、23ゲージのプローブの寸法上の制限に適合する必要があり、それでいて、上述の3つの機能を適切に提供する必要があることである。適切な機能実現と寸法制限についての本発明の妥協点は、100ミクロンのレーザーファイバーと、直径14ミルの円形構成を有する6000本のファイバー映像束と、プローブ28の先端部の内径21ミルを満たす210本のファイバーを有する照明束とによって得られる。
【0010】
直径の小さいレーザーファイバーは、レーザーエネルギーの損失が無いように、十分に平行化された低分散のレーザーエネルギーを必要とする。波長532ナノメートルのいわゆる緑色レーザーが使用される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】プローブ10から端子12,14および16に延びる従来技術システムの概略図である。
図2】本発明の実施の形態を示す図であり、ケーブル、ハンドピースおよびプローブを示す。
図3図2に示す素子のプローブの直径の小さい先端部を通る断面図である。
図4】カメラの先端部におけるレーザーフィルターの位置を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1は、従来技術における素子を示す。他の図はすべて、本発明の装置の単一の実施の形態に関するものである。
【0013】
図1に示すように、公知のビデオ内視鏡は、手術プローブ10、ハンドピース12およびケーブル14を備える。フローブ、ハンドピースおよびケーブルを通って、レーザーガイド16、照明ガイド18および映像ガイド20が延びている。これらはすべてファイバー光ガイドであり、プローブ10の先端から端子22,24および26まで延びている。
【0014】
図2から図4は、本発明の実施の形態を示し、プローブ28、ハンドピース34およびケーブル35を示す。プローブ28は、基部30および先端部32を有する。基部30は、外径が20ゲージ(35ミル)であり、壁厚が5ミルである。プローブは、ステンレス鋼製である。基部は、ハンドピース34内に延びる。したがって、ハンドピース34の先端部とプローブ28の接合部では、十分な堅固性を有する直径となっており、先端部とプローブとの間の接合部での破損の可能性を最小とすることに寄与している。
【0015】
プローブの長さ830ミルに対して、プローブの基部30の長さは120ミルであり、先端部32の長さは710ミルである。プローブ28の先端部32は、外径が25ミルであり、23ゲージのスリーブを通して伸ばすことができ、手術中の目の中を照射し、かつレーザーエネルギーを供給することができ、目から映像を転送する。先端部32は、壁厚が2ミルであり、長さが710ミルである。710ミルという長さは、多くの用途に十分に長く、破損を最小にするのに十分に短い。先端部32をこのように短くすることが、プローブ28の堅固性に寄与する。これらの寸法値は、他の小さいスリーブと共に用いることができるように、いくらか変更することができる。
【0016】
この直径25ミルのプローブは、十分な光と十分なレーザーエネルギーを提供し、その一方で、適切な映像ガイドを維持する必要性に適合しなければならない。適切な照射エネルギー、映像およびレーザーエネルギーを提供する利用可能で現実的な手術器具を得るために、執刀医により使用可能なものを提供するこれらの種々の光ファイバー機能の妥協点を求める。出願人が行ったのは、これらの光ファイバーのそれぞれに対する寸法について、特定の妥協点を提供することである。
【0017】
基本的に、妥協点は、標準的な最小サイズの映像ガイド36と、200ミクロンではなく100ミクロンの非常に制限されたレーザーガイド38と、たった210本のファイバーを有する照明光束40を含む。これは、外径が約25ミル、壁厚が2ミル、内径が21ミルのプローブ28の先端部32内に収容されるもののすべてである。
【0018】
この直径の小さいプローブ28は、壊れやすく、ハンドピース34との接合部で破損する危険性がある。(a)硬質で、望ましくは金属製のプローブ28、(b)基部30と先端部32の2つの直径設計を有するプローブ28、長さが約710ミルを超えない長さに限定された先端部32、の組み合わせにより、十分に堅固で破損を最小にするプローブが見出された。プローブ28の基部30の外径は35ミルであり、ハンドピース34を通って延び、壁厚が5ミルである。プローブ28の先端部は、外径が25ミルであり、壁3の厚さが2ミルである。
【0019】
このような設計は、90度の領域を照らすのに十分な照明を提供することが見出された。小さな直径のプローブを得るためになされた妥協案のひとつは、レーザーガイド38のファイバー径を200ミクロンから100ミクロンに縮小することであった。これは、ここに内包される妥協案の一部として、緑色レーザーとして知られている532ナノメートルのレーザーを使用する上で重要になった。この532nmレーザーは、現在使用されている810nmレーザーのような波長より可干渉性が高く、分散が小さい。したがって、532nmレーザーを、制限された寸法のレーザーファイバー36と組み合わせて使用することで、想定される眼科的な手術に対して妥当な量のレーザーエネルギーが提供される。これは、究極的に、直径の小さいプローブを可能とする。
【0020】
映像束34は6000本のファイバーである。棚状の映像束ではなく、標準的な直径14ミルの束であり、外科手術で使用するための映像に適切な解像度を有する。光ファイバー束に代えて、直径14ミルの傾斜屈折率レンズを使用することも可能である。
【0021】
一方では、照明ガイド38は、約220本のファイバーから70本に減らされており、直径のより小さいプローブに大きく寄与している。
【0022】
図4に示すように、映像コネクタ46が、公知の焦点機構48を通して、カメラに結合される。焦点機構48の内側のレンズには、レーザーフィルター44が取り付けられている。このカメラフィルター44は、執刀医に提供される映像に影響するレーザーエネルギーを遮断する。このフィルターの透明度は重要である。その理由は、ここで用いるレーザー波長が可視であり、これらの532nmレーザーの発光時間がかなり長くできるからである。パルス長は、執刀医の要求により、必要な組織切除ができるように選択できる。
【0023】
以上、23ゲージのスリーブと共に用いることができる実施の形態を例に、本発明を説明した。本発明は種々の変形が可能であり、23ゲージ以外のスリーブと共に使用する構成や、スリーブなしで使用する構成を採用することもできる。本発明は、共同して動作するように構成される多数の機能および妥協点と組み合わせて、最小の外傷で回復時間も短縮される眼科手術を利用できるようにする、小さなプローブを有する操作可能で有用なレーザービデオ内視鏡を提供する。
図1
図2
図3
図4