特許第6134927号(P6134927)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6134927画像生成方法、画像生成装置、彫刻物製造方法、プログラム、彫刻物及び印刷物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6134927
(24)【登録日】2017年5月12日
(45)【発行日】2017年5月31日
(54)【発明の名称】画像生成方法、画像生成装置、彫刻物製造方法、プログラム、彫刻物及び印刷物
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/387 20060101AFI20170522BHJP
   G06T 1/00 20060101ALI20170522BHJP
   B41M 3/06 20060101ALI20170522BHJP
   B23K 26/00 20140101ALI20170522BHJP
【FI】
   H04N1/387
   G06T1/00 300
   B41M3/06 C
   B23K26/00 B
【請求項の数】15
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2015-241301(P2015-241301)
(22)【出願日】2015年12月10日
【審査請求日】2016年10月24日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】715003800
【氏名又は名称】株式会社千年写真
(72)【発明者】
【氏名】平井 正義
【審査官】 石田 信行
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−006339(JP,A)
【文献】 特開2009−200953(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/387
B23K 26/00
B41M 3/06
G06T 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
座標平面上の複数の座標位置の画素値を含む第一の画像を取得する第一の画像取得工程と、
前記座標平面上の複数の座標位置に関連付けて、前記第一の画像とは異なる第二の画像を取得する第二の画像取得工程と、
前記第二の画像を複数の部分領域に分割する画像分割工程と、
前記複数の部分領域に万線を配置する分割万線画像生成工程と、
前記第一の画像に含まれるそれぞれの前記座標位置における画素値に基づいて、前記座標位置における前記万線の幅が変更された2値画像を生成する2値画像生成工程と、
前記2値画像に基づいて、基底材に凹部及び凸部を形成した彫刻物を製造する工程と、
を備える彫刻物製造方法。
【請求項2】
前記凹部及び凸部の少なくとも一部に着色する工程を備える
請求項1に記載の彫刻物製造方法。
【請求項3】
前記分割万線画像生成工程において、前記複数の部分領域のそれぞれに、万線画像の特徴を定める複数のパラメータのうち少なくとも一つのパラメータが異なる万線を配置する、
請求項1又は2に記載の彫刻物製造方法。
【請求項4】
前記分割万線画像生成工程において、前記複数の部分領域のそれぞれに角度の異なる万線を配置する、
請求項1から3のいずれか1項に記載の彫刻物製造方法。
【請求項5】
前記分割万線画像生成工程において、前記複数の部分領域のそれぞれにおける前記第一の画像及び前記第二の画像に応じて万線を変更する、
請求項1から4のいずれか1項に記載の彫刻物製造方法。
【請求項6】
前記分割万線画像生成工程において、前記画像分割工程で得られた前記複数の部分領域のうち、各部分領域の万線の特徴を定める複数のパラメータのうち少なくとも1つを一致させることにより、分割万線画像を生成する、
請求項1から5のいずれか1項に記載の彫刻物製造方法。
【請求項7】
前記分割万線画像生成工程において、前記第一の画像の図形的要素の大きさに基づいて万線を変更する、
請求項1から6のいずれか1項に記載の彫刻物製造方法。
【請求項8】
前記分割万線画像生成工程において、前記複数の部分領域のうち前記万線の幅の所定倍よりも狭い部分領域は、当該部分領域の輪郭に沿った万線を配置する、
請求項1から7のいずれか1項に記載の彫刻物製造方法。
【請求項9】
前記第一の画像取得工程において、すべての座標の画素値が等しい画像を取得する、
請求項1から8のいずれか1項に記載の彫刻物製造方法。
【請求項10】
座標平面上の複数の座標位置の画素値を含む第一の画像を取得する第一の画像取得と、
前記座標平面上の複数の座標位置に関連付けて、前記第一の画像とは異なる第二の画像を取得する第二の画像取得と、
前記第二の画像を複数の部分領域に分割する画像分割と、
前記複数の部分領域に万線を配置する分割万線画像生成と、
前記第一の画像に含まれるそれぞれの前記座標位置における画素値に基づいて、前記座標位置における前記万線の幅が変更された2値画像を生成する2値画像生成と、
前記2値画像に基づいて、基底材に凹部及び凸部を形成した彫刻物を製造する彫刻物製造と、
を備える彫刻物製造装置
【請求項11】
座標平面上の複数の座標位置の画素値を含む第一の画像を取得する第一の画像取得工程と、
前記座標平面上の複数の座標位置に関連付けて、前記第一の画像とは異なる第二の画像を取得する第二の画像取得工程と、
前記第二の画像を複数の部分領域に分割する画像分割工程と、
前記複数の部分領域のそれぞれにおける前記第一の画像及び前記第二の画像に応じて万線を変更し、前記万線を前記複数の部分領域に配置する分割万線画像生成工程と、
前記第一の画像に含まれるそれぞれの前記座標位置における画素値に基づいて、前記座標位置における前記万線の幅が変更された2値画像を生成する2値画像生成工程と、
を備える画像生成方法。
【請求項12】
座標平面上の複数の座標位置の画素値を含む第一の画像を取得する第一の画像取得部と、
前記座標平面上の複数の座標位置に関連付けて、前記第一の画像とは異なる第二の画像を取得する第二の画像取得部と、
前記第二の画像を複数の部分領域に分割する画像分割部と、
前記複数の部分領域のそれぞれにおける前記第一の画像及び前記第二の画像に応じて万線を変更し、前記万線を前記複数の部分領域に配置する分割万線画像生成部と、
前記第一の画像に含まれるそれぞれの前記座標位置における画素値に基づいて、前記座標位置における前記万線の幅が変更された2値画像を生成する2値画像生成部と、
を備える画像生成装置。
【請求項13】
コンピュータに、
座標平面上の複数の座標位置の画素値を含む第一の画像を取得する第一の画像取得機能と、
前記座標平面上の複数の座標位置に関連付けて、前記第一の画像とは異なる第二の画像を取得する第二の画像取得機能と、
前記第二の画像を複数の部分領域に分割する画像分割機能と、
前記複数の部分領域のそれぞれにおける前記第一の画像及び前記第二の画像に応じて万線を変更し、前記万線を前記複数の部分領域に配置する分割万線画像生成機能と、
前記第一の画像に含まれるそれぞれの前記座標位置における画素値に基づいて、前記座標位置における前記万線の幅が変更された2値画像を生成する2値画像生成機能と、
を実現させるプログラム。
【請求項14】
座標平面上の複数の座標位置の画素値を含む画像に基づいて、基底材上に凹凸によって万線が形成された彫刻物であって、
前記画像における複数の部分領域ごとに万線の角度、曲率、ピッチ、位相、平滑度、内部の図形要素、又は凹凸の形状の少なくとも一つが異なり、
かつ、前記複数の座標位置それぞれの画素値に応じて万線の幅が異なる彫刻物。
【請求項15】
座標平面上の複数の座標位置の画素値を含む画像に基づいて万線が印刷された印刷物であって、
前記画像における複数の部分領域ごとに万線の角度、曲率、ピッチ、平滑度、内部の図形要素、又は位相の少なくとも一つが異なり、
前記複数の座標位置それぞれの画素値に応じて万線の幅が異なり、
かつ、前記万線が、前記複数の部分領域のそれぞれにおける前記画像及び前記複数の部分領域に応じて調整された印刷物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像生成方法、画像生成装置、彫刻物製造方法、プログラム、彫刻物及び印刷物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、万線を用いて多階調画像を2値画像化することで、線状の特殊効果を伴った画像を生成する方法が知られている。この2値画像を印刷に用いることで、一般的な網点を用いた場合とは異なる効果を伴った印刷等を得ることができる。
【0003】
さらにこの2値画像を、通常の平面的な印刷ではなく、機械加工・厚盛ニス印刷・エッチング・レーザ加工・3Dプリンタ等で加工することにより、高さ方向の盛り上がりを伴う万線とし、金属・プラスチック等の光沢を有する基底材上に形成したり、ニスの光沢を活用したりすれば、表面の万線から得られる反射光の強度が位置によって異なることで独自の視覚的効果が得られる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2015−028752号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の文献には、ある画像を、その画像とは別の画像から生成された、またはその画像とは別の三次元画像から生成された立体形状を用いた変形万線画像によって2階調化することにより、ある画像の上に別の画像の立体形状を重ねる方法が開示されている。しかしこの方法では、万線によって立体形状を表現することはできても、万線によって平面的な画像を表現することはできなかった。
【0006】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、同一の基底材上で平面的な2種の画像を同時に再現することができる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様に係る彫刻物製造方法は、座標平面上の複数の座標位置の画素値を含む第一の画像を取得する第一の画像取得工程と、前記座標平面上の複数の座標位置に関連付けて、前記第一の画像とは異なる第二の画像を取得する第二の画像取得工程と、前記第二の画像を複数の部分領域に分割する画像分割工程と、前記複数の部分領域に万線を配置する分割万線画像生成工程と、前記第一の画像に含まれるそれぞれの前記座標位置における画素値に基づいて、前記座標位置における前記万線の幅が変更された2値画像を生成する2値画像生成工程と、前記2値画像に基づいて、基底材に凹部及び凸部を形成した彫刻物を製造する工程と、を備える。
【0008】
前記彫刻物製造方法は、前記凹部及び凸部の少なくとも一部に着色する工程を備えてもよい。
【0009】
前記分割万線画像生成工程において、前記複数の部分領域のそれぞれに、万線画像の特徴を定める複数のパラメータのうち少なくとも一つのパラメータが異なる万線を配置してもよく、角度の異なる万線を配置してもよい。
【0010】
前記分割万線画像生成工程において、前記複数の部分領域のそれぞれにおける前記第一の画像及び前記第二の画像に応じて万線を変更してもよい。
【0011】
前記分割万線画像生成工程において、前記画像分割工程で得られた前記複数の部分領域のうち、各部分領域の万線の特徴を定める複数のパラメータのうち少なくとも1つを一致させることにより、分割万線画像を生成してもよい。
【0012】
前記分割万線画像生成工程において、前記第一の画像の図形的要素の大きさに基づいて万線を変更してもよい。
【0013】
前記分割万線画像生成工程において、前記複数の部分領域のうち前記万線の幅の所定倍よりも狭い部分領域は、当該部分領域の輪郭に沿った万線を配置してもよい。また、前記第一の画像取得工程において、すべての座標の画素値が等しい画像を取得してもよい。
【0014】
本発明の第2の態様に係る彫刻物の製造装置は、座標平面上の複数の座標位置の画素値を含む第一の画像を取得する第一の画像取得部と、前記座標平面上の複数の座標位置に関連付けて、前記第一の画像とは異なる第二の画像を取得する第二の画像取得部と、前記第二の画像を複数の部分領域に分割する画像分割部と、前記複数の部分領域に万線を配置する分割万線画像生成部と、前記第一の画像に含まれるそれぞれの前記座標位置における画素値に基づいて、前記座標位置における前記万線の幅が変更された2値画像を生成する2値画像生成部と、前記2値画像に基づいて、基底材に凹部及び凸部を形成した彫刻物を製造する彫刻物製造部と、を備える
【0015】
本発明の第3の態様に係る画像生成方法は、座標平面上の複数の座標位置の画素値を含む第一の画像を取得する第一の画像取得工程と、前記座標平面上の複数の座標位置に関連付けて、前記第一の画像とは異なる第二の画像を取得する第二の画像取得工程と、前記第二の画像を複数の部分領域に分割する画像分割工程と、前記複数の部分領域のそれぞれにおける前記第一の画像及び前記第二の画像に応じて万線を変更し、前記万線を前記複数の部分領域に配置する分割万線画像生成工程と、前記第一の画像に含まれるそれぞれの前記座標位置における画素値に基づいて、前記座標位置における前記万線の幅が変更された2値画像を生成する2値画像生成工程と、を備える。
【0016】
本発明の第の態様に係る画像生成装置は、座標平面上の複数の座標位置の画素値を含む第一の画像を取得する第一の画像取得部と、前記座標平面上の複数の座標位置に関連付けて、前記第一の画像とは異なる第二の画像を取得する第二の画像取得部と、前記第二の画像を複数の部分領域に分割する画像分割部と、前記複数の部分領域のそれぞれにおける前記第一の画像及び前記第二の画像に応じて万線を変更し、前記万線を前記複数の部分領域に配置する分割万線画像生成部と、前記第一の画像に含まれるそれぞれの前記座標位置における画素値に基づいて、前記座標位置における前記万線の幅が変更された2値画像を生成する2値画像生成部と、を備える。
【0017】
本発明の第5の態様に係るプログラムは、コンピュータに、座標平面上の複数の座標位置の画素値を含む第一の画像を取得する第一の画像取得機能と、前記座標平面上の複数の座標位置に関連付けて、前記第一の画像とは異なる第二の画像を取得する第二の画像取得機能と、前記第二の画像を複数の部分領域に分割する画像分割機能と、前記複数の部分領域のそれぞれにおける前記第一の画像及び前記第二の画像に応じて万線を変更し、前記万線を前記複数の部分領域に配置する分割万線画像生成機能と、前記第一の画像に含まれるそれぞれの前記座標位置における画素値に基づいて、前記座標位置における前記万線の幅が変更された2値画像を生成する2値画像生成機能と、を実現させる。
【0018】
本発明の第の態様に係る彫刻物は、座標平面上の複数の座標位置の画素値を含む画像に基づいて、基底材上に凹凸によって万線が形成された彫刻物であって、前記画像における複数の部分領域ごとに万線の角度、曲率、ピッチ、位相、平滑度、内部の図形要素、又は凹凸の形状の少なくとも一つが異なり、かつ、前記複数の座標位置それぞれの画素値に応じて万線の幅が異なる。
【0019】
本発明の第の態様に係る印刷物は、座標平面上の複数の座標位置の画素値を含む画像に基づいて万線が印刷された印刷物であって、前記画像における複数の部分領域ごとに万線の角度、曲率、ピッチ、平滑度、内部の図形要素、又は位相の少なくとも一つが異なり、前記複数の座標位置それぞれの画素値に応じて万線の幅が異なり、かつ、前記万線が、前記複数の部分領域のそれぞれにおける前記画像及び前記複数の部分領域に応じて調整されている
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、同一の画像上で平面的な2種の画像を同時に再現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】実施の形態に係る画像生成装置の機能構成を示す図である。
図2】実施の形態に係る画像生成装置が実行する画像生成方法の処理の流れを説明するフローチャートである。
図3】第一の画像取得部が取得する画像の一例を示す図である。
図4】第二の画像取得部が取得する画像の一例を示す図である。
図5】第二の画像取得部が取得する画像の別の一例を示す図である。
図6】画像分割部が画像を分割した結果を示す図である。
図7】万線画像生成部が生成した画像の一例を示す図である。
図8】分割万線画像生成部が生成した画像を示す図である。
図9】分割万線画像生成部が生成した別の画像を示す図である。
図10】左右に隣接する部分領域間で、万線の曲率・ピッチ・位相・平滑度・万線内部の図形要素を変更した例を示す図である。
図11】2値画像生成部が、図3に示した画像の画素値に基づいて、図9に示した万線の幅を変化させて生成した画像を示す図である。
図12】分割万線画像生成部が生成した別の画像を示す図である。
図13】2値画像生成部が、図3に示した画像の画素値に基づいて、図12に示した万線の幅を変化させて生成した画像を示す図である。
図14】第二の画像取得部が取得する画像のさらに別の一例を示す図である。
図15】分割万線画像生成部が生成した、各部の幅と高さの少なくともいずれかが狭い部分領域を含む画像を示す図である。
図16】分割万線画像生成部が生成した、各部の幅と高さの少なくともいずれかが狭い部分領域を含む別の画像を示す図である。
図17】画像の階調と万線の幅との関係を示す図である。
図18】画像の階調と万線の幅との関係を示す別の図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
[実施の形態の概要]
本発明の実施の形態は、万線で表現される画像を複数の部分領域に分割し、各部分領域が明確に分断されて観察されるか、または徐々に分断されて観察される効果を有する方法、装置及びプログラムと、当該方法、装置またはプログラムを用いて生成された画像に基づいて彫刻物を製造する方法と、当該画像に基づいて製造された彫刻物等を提供することに関する。本発明の実施の形態に係る方法で生成された彫刻物では、2値画像各部の濃度変化によって表現される第一の画像と、第一の画像とは独立した、そのつどの観察条件下における、それぞれの角度の万線の反射状態の差によって表現される第二の画像パターンとを、同一の基底材上において同時に視認可能である。いいかえれば、第一の画像は万線の幅によって表現され、第二の画像は万線の角度によって表現される。
以下実施の形態の詳細について説明する。
【0023】
図1は、実施の形態に係る画像生成装置1の機能構成を示す図である。図2は、実施の形態に係る画像生成装置1が実行する画像生成方法の処理の流れを説明するフローチャートである。画像生成装置1は、第一の画像取得部10と、第二の画像取得部11と、画像分割部12と、万線画像生成部13と、分割万線画像生成部14と、2値画像生成部15とを備える。画像生成装置1は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサを備えるコンピュータを有しており、コンピュータは、メモリ等の記憶媒体に格納された画像生成用プログラムに基づいて、画像生成方法に係る第一の画像取得工程(S1)と、第二の画像取得工程(S2)と、画像分割工程(S3)と、万線画像生成工程(S4)と、分割万線画像生成工程(S5)と、2値画像生成工程(S6)とを実行することができる。
以下、図1及び図2を参照して、画像生成装置1の構成及び動作を説明する。
【0024】
[第一の画像に施す処理]
第一の画像取得部10は、X軸方向、及び前記X軸方向に直交するY軸方向からなるX−Y座標平面上の複数の座標位置の画素値を含む第一の画像を取得する(S1)。第一の画像は、たとえば256階調の画素から構成されており、それぞれの座標位置に関連付けて、0を黒色とし、255を白色とする0〜255までのいずれかの画素値が割り当てられている。
なお、本明細書における画像は、狭義の画素がドットマトリクス状に配列されたラスタ形式の画像に限定されるものではなく、ベクタ形式によって記述された画像を示すこともある。ベクタ形式によって記述された画像の場合、直交座標系で記述されていてもよく、極座標系で記述されていてもよい。また、絶対座標系で記述されていてもよく、相対座標系で記述されていてもよい。以下では説明の便宜上、画像はX軸方向及び前記X軸方向に直交するY軸方向からなるX−Y座標で記述されていることを前提に説明する。
また、本明細書における画素は、狭義の画素に限定されるものではなく、ベクタ形式によって記述された画像に含まれるオブジェクトの各部を示すこともある。本明細書における画素値は、ベクタ形式によって記述された画像に含まれるオブジェクトの色を示す値であってもよく、ベクタ形式によって記述された画像に含まれるオブジェクトの各部の色を示す値であってもよい。以下では説明の便宜上、画像はラスタ形式の画像であることを前提に説明する。
【0025】
図3は、第一の画像取得部10が取得する画像の一例を示す図である。第一の画像取得部10が取得する画像は、図3に示す画像のように多くの階調を持った画像には限られず、線画や文字のように階調数が少ない画像や、グラデーションのようにゆるやかな階調変化で構成された画像や、同じ階調で構成された画像などであってもよい。
【0026】
[第二の画像に施す処理]
第二の画像取得部11は、X軸方向、及び前記X軸方向に直交するY軸方向からなるX−Y座標平面上の複数の座標位置の画素値を含む、第一の画像とは異なる第二の画像を取得する(S2)。第二の画像には、幾何学模様・抽象的な図形・キャラクターなどの絵柄・地図・文字・ロゴマーク・紋章など多様な種類の画像を用いることができる。第二の画像としては線画のような2値画像が適しているが、多階調画像を用いることもできる。図4及び図5は、第二の画像の一例を示す図である。
なお図示はしないが、第二の画像は、第一の画像と少なくとも一部が同一の画像であってもよい。その場合、第一の画像の一部に何らかの処理が加えられていてもよい。また、第二の画像は画像に限られず、画像分割部12が動作するにあたり解釈及び実行が可能であるような数式・数列・乱数表・言語等であってもよい。
【0027】
画像分割部12は、第二の画像取得部11が取得した第二の画像から輪郭を抽出したり、あらかじめ与えられた部分領域を読み出すなどの操作を加えたりすることにより、第二の画像を複数の部分領域に分割する(S3)。第二の画像が線画でなく、多階調画像の場合、画像分割部12は、第二の画像を解析して画像中の輪郭線を検出したり、設定された閾値によって境界を塗り分けたりするなどして部分領域に分割する。図6は、図5を元に、画像分割部12によって分割された画像を示す図である。この図では部分領域の境界部分が幅のある黒い線で示されているが、これは境界の位置のみを示す線であってもよく、データ上は幅をもたない線であってもよい。また、この図は概念図であって、実際にこのように表示されるデータでなくともよい。
【0028】
万線画像生成部13は、図7に例示するような万線画像を含む複数の万線画像を生成して取得する(S4)。万線画像生成部13は、万線画像を生成することに代えて、あるいはそれに加えて、既に生成してある万線画像を図示しない記録部から読み出して取得してもよい。万線画像は、黒色で示された万線が等間隔で配置されることにより構成されている。すなわち、万線画像においては、黒色の線分と白色の線分とが交互に配置されている。図7における万線の幅をwとすると、隣接する万線どうしの間隔もwである。万線の幅と万線の間隔とは必ずしも一致していなくてもよい。また、部分により万線の幅が異なっていてもよい。ここで、本明細書における「黒色」及び「白色」は、濃度、色相及び彩度の少なくともいずれかが異なる2種類の色を便宜的に示す例であり、「黒色」及び「白色」に限定されるものではない。また、万線画像の階調数は、2以上であれば、他の階調数であってもよい。万線画像生成部13は、万線の角度ないし曲率ないしピッチないし位相ないし平滑度ないし内部の図形要素等、万線の特徴を定める複数のパラメータのうち少なくとも一つのパラメータを変更することにより、複数の万線画像を生成することができる。ここで万線の「位相」は万線パターンの開始位置を意味する。万線の「平滑度」及び「内部の図形要素」の詳細は図10を参照して後述するが、これらは万線の見た目の複雑さを表す。
【0029】
分割万線画像生成部14は、画像分割部12が第二の画像において得た部分領域のそれぞれに、万線画像生成部13が取得した複数の万線画像から、一定の基準に従って選んだ万線画像を配置していく(S5)。
【0030】
万線画像生成部13が取得した複数の万線画像が、それぞれ異なる万線の角度を有している場合、分割万線画像生成部14は、画像分割部12が得た各部分領域のうち、隣接する部分領域には、互いに万線の角度が異なるように万線画像を配置していく。図8はそのようにして得られた画像の一例である。分割万線画像生成部14は、変化させる角度の大きさを、たとえば、分割万線画像全体の中で独立した部分領域の配置の仕方から決定する。
【0031】
万線画像において万線が互いに平行な複数の直線で構成されている場合、万線が平面上でとりうる角度は、X−Y平面のX軸を基準として0°以上180°未満である。詳細は後述するが、実施の形態に係る画像生成装置1が生成する万線画像は基底材に対する彫刻工程に用いられ、基底材において対応する万線画像中の白領域又は黒領域が切削される。
【0032】
ここで、万線画像に基づいて基底材に彫刻し、ある条件下でその彫刻された基底材を観察する場合を考える。全体をn種に分割し、n種の部分領域それぞれについて、互いに隣接するか、少なくとも近傍にある他の部分領域との反射の度合の差を均等にしようとするならば、180/n°ずつそれぞれのパターンの万線の角度を変更すればよい。n=2とし、2つの部分領域の万線の角度を、たとえばX軸から時計回りに0°及び90°のように、それぞれのなす角度の差を90°とした場合が、この方法において最大の効果をもたらす。なぜなら、この万線画像を彫刻物とした場合、ある万線とX−Y平面上の角度が90°をなすような角度から光が当たった場合に、その万線に基づいて基底材を彫刻することで生成された凸部ないし凹部における反射光が最も強くなり、一方その角度が0°の場合に反射光が最も弱くなるので、90°の角度をなす万線どうしは、片方が最も反射によって輝くときには他方が最も反射しない、という関係にあるため、万線が示す反射による明暗のコントラストが最大となるからである。この効果は、万線どうしのなす角度が90°で最大となり、0°(または180°)で最小となる。分割万線画像生成部14は、万線による部分領域の分割効果を最大化するために、隣接する部分領域の万線の角度の差が90°に近くなるように、それぞれの万線画像を各部分領域に配置する。
【0033】
図8のように、「A」部分、「B」部分、「C」部分の3種をそれぞれに異なる部分領域として表現するためには、たとえば、それぞれのパターンが180/3=60で導かれる60°ずつ異なる角度になるようにすればよい。また、角度の割り振りは必ずしも均等でなくともよい。また図示はしないが、分割万線画像において「A」部分の万線を0°、「B」部分の万線を90°、「C」部分の万線を150°の角度とすれば、「A」部分と「B」部分の差がとりわけ際立ち、「B」部分と「C」部分の差は次に明瞭となり、「A」部分と「C」部分の差はそれらより目立たず、観察条件の変動の中で一瞬だけ両者がやや異なって見える、という効果を示す。
【0034】
隣接しない部分領域の万線の角度は同じであってもよいし、近似した別の角度でもよい。部分領域が隣接しない場合、それぞれの部分領域集団の中での関係により、5°や10°といった小幅で角度をぶらしてもよい。そうすれば、本発明で最終的に得られる彫刻物で、全体として反射効果が多様になり、どの角度から見た場合にもつねにどこかの部分領域の反射が最大となっている、といった効果を得られる。部分領域のパターン種が多い場合、つまりnの数値が比較的大きい場合には、隣接する部分領域どうしの角度差をなるべく大きくとり、直接隣接しない部分どうしの角度差を小さくするか、または0としてもよい。
【0035】
隣接する部分領域を反射度合の差によって区別する場合、万線の角度の差は鋭角側で少なくとも26°以上あるとよい。その理由は以下のとおりである。上記のように、本発明で最終的に得られる彫刻物では、ある万線とX−Y平面上の角度が90°をなすような角度から光が当たった場合にその万線の反射光が最も強くなるが、この場合に長さaの万線に当たる光の幅は同じくaであり、その光の量をlとする。ここで万線をb°回転させると、光の角度と強さが同じであれば、aの長さの分の万線に当たる光の幅はa cosbとなり、そこに当たる光の量はl cosbである。
【0036】
本願の発明者は、互いに隣接する部分領域を反射度合の差によって区別する場合、10%程度の光量差があれば2者を識別できることを見出した。条件を単純にするために、表面が荒く彫刻されて仕上げられた彫刻物に光が入射する場合を考える。この場合、彫刻物に入射した光は正反射せずに各方向へ均等に乱反射するので、任意の視点から見た場合の反射光の量は、入射光や万線がどのような角度であっても、一律に入射光の量に比例することになる。したがって、反射光どうしの比率を知るためには、入射光の比率を考えればよい。そこで入射光の量で比較すると、lとl cosbの差が識別されるためには、cosbは0.9未満であればよい。このようになるための角度bはb=cos^−1(0.9/1)=25.841932763167・・・であるから、隣接する部分領域の万線の角度の差は鋭角側で少なくとも26°であればよい。以下本明細書において、互いに隣接する部分領域を反射度合の差によって区別するために必要な万線の角度の下限を、便宜上「判別限界角度」と記載する。
【0037】
なお、判別限界角度の値は、近接する複数の部分領域の間における万線の角度の他に曲率・ピッチ・位相・平滑度及び内部図形等を勘案して実験により定めてもよい。さらに、判別限界角度は、後述する彫刻工程での凹部分または凸部分の形状(凹部分の深さ、彫刻部分の表面粗さを含む)、基底材の色・反射率、着色部分の色・反射率等が異なることに起因して変化する、部分領域間の区別の鮮明さに応じて実験により定めてもよい。
【0038】
第二の画像は、図4に示す画像のように、白地等の背景上に複数の図形(図4に示す例では4つの図形)が並んでいてもよい。そのような場合、分割万線画像生成部14は、図9に示すように、図形を構成する要素のそれぞれに万線を配置し、その背景に一つの角度の万線を配置してもよい。この背景となる部分領域は、他の部分領域よりも面積が広いことが多い。この場合、画像全体の再現に与える影響が特に大きいため、この部分領域の万線の角度は、画像再現上最も有利な角度とするのがよい。この角度は一般に、45°または135°である。その理由は、この角度であれば、第一の画像に含まれる水平(X軸に対して0°)に近い線と垂直(X軸に対して90°)に近い線のいずれも効果的に表現可能であり、なおかつ、斜線は視覚的に最も目立たないため、万線そのものが観察者に意識されにくいからである。
【0039】
ただし、第一の画像に45°ないし135°に近い線が多数現れているなら、万線を0°や90°等とする方がよい場合もある。また分割万線画像生成部14は、それぞれの部分領域に対応する第一の画像の部分の画像内容に応じて配置する万線の角度を調整してもよい。このように、分割万線画像生成部14は、第一の画像及び第二の画像に含まれる要素を解析し、それぞれの部分領域に適した角度の万線を配置することができる。第二の画像が図4のように比較的広い背景を含む場合だけでなく、たとえば図5に示す画像のような場合でも、分割万線画像生成部14は部分領域に対応する第一の画像の部分の画像内容に応じて万線の角度を調整することが可能である。
【0040】
第二の画像の背景の万線の角度を135°とした場合、背景に直接接する別の部分領域の万線角度は、135°の万線に対して90°の角度となる45°の万線とするのが有利である。第二の画像の部分領域が、背景及び背景にのみ接する部分領域の2種類だけであれば、万線の角度は、135°と45°のように、それぞれの角度の差が90°をなすような2つの角度でもよい。
【0041】
第二の画像の部分領域が、背景及び背景にのみ接する部分領域だけではなく、背景以外の部分領域とも接する別の部分領域がある場合、これらを反射度合の差によって区別するためには、少なくとも万線の角度が3種必要である。3種であれば、図8の場合と同様に、180/3=60で導かれる60°をそれぞれの万線の角度の差として135°、75°、15°を万線の角度とすれば、部分領域間の反射のコントラストが最大となる。たとえば図9のように背景を含めて4種の部分領域を区別するためには180/4=45で45°をそれぞれの万線の角度の差とするのがよい。
【0042】
隣接する部分領域の境界線に対してそれぞれの部分領域を満たす万線のなす角度の差が小さい場合、万線の位相が近似していると万線がつながった折れ線に見える場合がある。この場合、2つの部分領域が視覚的につながって見えてしまう。このような場合、分割万線画像生成部14は、いずれかの万線の角度または曲率またはピッチ等を変更するか、あるいは、万線の位相を変更してもよい。これにより、部分領域の境界線がより明瞭となることがある。逆に位相を揃えて境界線部分を連続的にしてもよい。
【0043】
万線画像生成部13が生成する万線は平行直線群に限られない。万線画像生成部13は、たとえば正弦曲線等の曲線を平行移動させたものの集合体、すなわち平行曲線群を万線として生成してもよい。その場合には、後述の彫刻工程の加工を施すことにより、曲線の各部に接する接線の角度の変化に伴って、各部で光の反射度合が変化する。万線画像生成部13が生成する万線は正弦曲線以外の曲線形状であってもよい。また、万線画像生成部13が生成する万線のピッチは均等でなくともよく、部分領域のそれぞれで異なるピッチであってもよいし、1つの部分領域の内部でピッチが変更されてもよい。万線画像生成部13は、万線の開始位置をずらすことによって万線の位相を変更することにより、部分領域を区別できるようにしてもよい。万線と、その地である、色が異なる部分との境界線は通常平滑な直線または曲線だが、万線画像生成部13および分割万線画像生成部14はさらに、線自体を荒くしたり複雑に曲折させ、その度合を部分領域間で変更したりすることにより、部分領域間の区別を行ってもよい。万線の内部に白または黒の図形を置くことで部分領域間の区別を行ってもよい。図10はそのような各種の別の万線の例である。
【0044】
上述した万線の「平滑度」は、万線の直線からのずれ度合、すなわち線自体の粗さや複雑に曲折した度合ともいえる。たとえば図10において、図中左側の平行直線群で構成される万線は、図中右側の複雑に曲折した万線よりも「平滑度」が高い。また万線の「内部の図形要素」とは、たとえば図10において右下に図示された円や正方形である。
【0045】
第二の画像はロゴであってもよい。ロゴなどが識別されやすいようにするためには、境界線がはっきりと塗り分けられ、それぞれの部分領域の輪郭が明確に分割されているほうが効果的である。そのために、隣接する各部分領域の境界における相互の万線がなす角度が好ましくは90°に近い角度をなしていること、またさらに好ましくは、部分領域の境界部分の相互の万線が丸くつながるのでなく、鋭くぶつかっている方がよい。逆に、部分領域の境界部分の相互の万線がなす角度を小さくしたり、部分領域の境界部分の万線を丸く滑らかに接続したりすることで、部分領域がはっきりと明確には区分されておらず、次第に移行する、という視覚的効果を得ることもできる。つまり、万線画像生成部13は、部分領域の境界近辺で万線の角度を徐々に変化させてもよい。この場合、角度変化が連続する曲線としてもよいし、複数の線分をつなげて角度変化を不連続とする多角の線としてもよい。これにより、それぞれの部分領域の万線がなす角度をより小さくし、観察者に部分領域が連続しているかのように見せることもできる。また、その反対に、それぞれの部分領域の万線がなす角度を部分領域の境界付近でより大きくし、部分領域の輪郭をさらに強調することもできる。
【0046】
第二の画像が多階調画像の場合、その階調を万線の角度の差によって表現することもできる。たとえば、画像分割部12は、画像分割工程において、多階調画像を8階調画像に変換したうえで、それぞれの階調を部分領域に分割し、さらに分割万線画像生成部14は、それぞれの部分領域に配置する万線の角度を調整する。これにより、後述する彫刻加工をすることで、ある角度から見た場合には、それぞれの部分領域が8階調画像の明るさの変化と同様の反射光の強さの変化を示し、別の角度から見た場合には、前記とは逆の反射光の変化を示す、という効果を得ることができる。この場合には、隣接する部分領域間の万線の角度の差を90°に近づけたほうがよいとは限らず、それぞれの角度を判別限界角度よりもあえて近接させた方がよい場合もある。また、8階調より少ない階調数や多い階調数でも同様の効果を実現できる。
【0047】
上記のような工程で生成された万線画像、分割万線画像、及び画像分割部12が生成した画像等を記憶媒体に記憶させておき、必要に応じてその都度読み出すことで、反復して使用してもよい。
【0048】
[2値画像生成方法]
2値画像生成部15は、第一の画像取得部10が取得した第一の画像に含まれるそれぞれの座標位置における画素値に基づいて、分割万線画像生成部14によって生成された分割万線画像の対応する座標位置における万線画像の幅が変更された2値画像を生成する(S6)。
【0049】
具体的には、2値画像生成部15は、第一の画像においてある座標位置における画素が所定のレベルよりも黒色に近い場合において、かつその画素の画素値が黒色の画素値に近ければ近いほど、その画素値に対応する画素における万線の幅を大きくする。逆に、2値画像生成部15は、画像の画素が所定のレベルよりも白色に近く、かつその画素の画素値が白色の画素値に近ければ近いほど、その画素値に対応する画素における万線の幅を小さくする。あるいは2値画像生成部15は、2値画像を生成する対象となる画素の画素値が黒色の画素値に近ければ近いほど万線の幅を小さくするとともに、2値画像を生成する対象となる画素の画素値が白色の画素値に近ければ近いほど万線の幅を大きくしてもよい。2値画像生成部15は、これらの処理を、当該画素に対してのみ個別に行ってもよいし、当該画素の周辺の画素群と併せて複合的に行ってもよい。また、2値画像生成部15は、第一の画像と第二の画像ないし分割万線画像の画像サイズが異なる場合でも、いずれかの画像のサイズを変更するなどして、この処理を行うことができる。その場合、2値画像生成部15は、これらの処理を、画像サイズの変更により当該画素が相当する範囲の画素に対して行ってもよい。
【0050】
2値画像生成部15はさらに、2値画像を生成する対象となる画素の画素値が、画像が含み得る画素値の範囲における中間値から一定の範囲にある画素に対応する万線については、その万線の幅を変化させなくてもよい。この操作を分割万線画像の全面に対して行い、白と黒の2色で構成された2値画像を生成する。2値画像生成部15は、第一の画像に分割万線画像の万線を反映させて2値画像を生成してもよいし、分割万線画像から直接に2値画像を生成してもよい。あるいは、2値画像生成部15は、第一の画像と分割万線画像を元にして新規に2値画像を生成してもよい。図11は、図3図9とを元に2値画像生成部15が生成した画像の一例である。
【0051】
なお、万線画像生成部13及び分割万線画像生成部14は、2階調よりも多くの階調を有する万線を生成できる。具体的には、万線画像生成部13及び分割万線画像生成部14は、黒色の線分と白色の線分との間に、灰色の線分を生成することもできる。万線画像において黒色の画素値が0であり、白色の画素値が255である256階調の画像の場合、灰色の線分の画素値はたとえば127である。このように、分割万線画像が2階調より多くの階調を有する場合、2値画像生成部15は、2値画像を生成する対象となる座標位置における第一の画像の画素値と、当該座標位置における万線の画素値との平均値に基づいて、万線の幅を変更してもよい。あるいは、2値画像生成部15は、2値画像を生成する対象となる座標位置における第一の画像の画素値と、当該座標位置における万線の画素値とを比較して、万線の幅を変更してもよい。
【0052】
ここで第一の画像において主要な対象が存在する領域に第二の画像の部分領域の境界部分が重なると、2値画像生成部15が生成した画像では主要な対象が分断されたかのように見える場合があり、好ましくないことがある。たとえば第一の画像に人物が写っている場合、その顔部分に第二の画像の部分領域の境界部分が重なると、2値画像生成部15が生成した画像では、図11に示すように顔が分断されているかのように見える。このような場合には、画像分割部12、分割万線画像生成部14又は2値画像生成部15において、顔等のような第一の画像で重要な部分に対応する、分割万線画像の複数の部分領域の万線の角度・曲率・ピッチ・位相・平滑度・万線内部の図形要素等の万線のパラメータを等しくする。すなわち画像分割部12、分割万線画像生成部14又は2値画像生成部15は、複数の部分領域を共通する1つの部分領域とすることで、その部分に視覚的な裂け目をなくすことができる。人物の顔等の検出は、たとえばSVM(Support Vector Machine)やAdaBoost(Adaptive Boosting)等の既知の機械学習アルゴリズムを用いて生成された顔検出器を利用することで実現できる。
【0053】
このように、人物の顔領域等の重要と考えられる所定の領域が1つの部分領域となるようにして生成された分割万線画像の例を図12に示す。また、2値画像生成部15が図3図12とから生成した2値画像が図13である。図4は、第二の画像に背景等の特に広い部分領域がある場合を例示する図であるが、第二の画像に背景等の広い部分領域がない場合であっても、画像分割部12、分割万線画像生成部14又は2値画像生成部15は、人物の顔領域等の重要と考えられる所定の領域が1つの部分領域となるようにして分割万線画像を生成してもよい。
【0054】
図14は、点や線を含む第二の画像の例を示す図である。ここで点や線は、数学上の点や線ではなく面積を持った点や幅のある線ではあるが、観察者が認識しやすい部分領域を形成するには面積や幅が足りない要素を意味する。より具体的には、要素の幅と高さの少なくともいずれか一方が万線の幅の所定倍程度(たとえば数倍、より具体的には4倍から8倍程度)よりも狭い部分領域(以下、「狭小領域」と記載する。)は、万線の角度の変更によって他の部分領域と区別することが難しくなる。これまで述べてきた方法によってそのような小さな点や細い線の部分を万線で表そうとしても、図15の分割万線画像のように、単に周囲との角度を相違させた万線では適切に表現されないことも起こり得る。
【0055】
しかしながら、この点または線部分を、黒い点または線として、つまりつねに濃度が高い部分として、またはつねに濃度が低い部分として扱うと、2値画像生成部15が生成する画像の階調再現に支障をきたす場合がある。第一の画像本来の階調情報での明るさとは関係なく黒かったり白かったりする部分があると、画像に望ましくない要素が混入してしまうからである。このような点または線部分においても、第一の画像の階調情報が反映されていなければ、第一の画像を違和感なく表現することは難しい。たとえば、顔の写真の肌をなめらかに表現したいのに、万線による地模様のヒゲ部分が第一の画像の肌の濃度とは無関係に黒いと不自然である。
この場合、少なくとも以下の3つの対処方法がある。
【0056】
第一の方法は以下である。狭小領域が線状の場合、分割万線画像生成部14は、この領域に相当する直線または曲線の万線を、白または黒の1本、または白黒1組または複数組、として当該位置に配置する。分割万線画像生成部14は、狭小領域のみ万線ピッチを大きくまたは小さくしてもよい。図16は、このようにして得られた分割万線画像の一例を示す図である。2値画像生成部15は、第一の画像の対応する画素の階調に応じて、この線を太くしたり細くしたりする。隣接する部分領域の万線の角度は、この万線各部と少なくとも判別限界角度は異なることが好ましい。また、この万線を長さ方向に線分として分断し、この線分の長さを調整することにより、当該部分の画像の明暗情報を再現することもできる。
各種の文字は、狭小領域となる線分が複数集まった図形と考えることができる。分割万線画像生成部14は、文字等の記号の各辺をこのような手段で万線化することで、比較的細い文字や小サイズの文字も2値画像として明瞭に表現することができる。
【0057】
第二の方法は以下である。狭小領域が点状の場合、分割万線画像生成部14は、この点を大きくしたり小さくしたりすることにより、第一の画像の当該箇所の階調を表すことができる。つまり部分的に網点と同様の階調再現方式を導入するということである。点の外側に、点の色に対してコントラストが大きい色(たとえば、白色に対する黒色等)のドーナツ状の同心円を置き、点とその外側の円の面積の増減によって第一の画像の階調を表現することができる。つまり、一般的な網点と同様に濃度が上がるほど白地上に黒い部分の面積を増やしてもよいし、黒い部分の外周の大きさは同じで、その内部に白い領域を置き、その大小で濃淡を表してもよい。逆に黒地上の白い領域とし、同様に面積を増減させることで濃淡を表してもよい。複数の円を用いてもよく、それらを同心円状に配置してもよい。図16は、分割万線画像生成部14が上述のようにして生成した分割万線画像の一例である。2値画像生成部15は、第一の画像の対応する画素の階調に応じて、この領域を大きくしたり小さくしたり、またはこの領域の線幅を太らせたり狭くしたりする。また、この領域は、円、楕円・多角形等であってもよいし、部分領域の大小の問題とは別に、より大きく複雑な図形要素でもよい。図形要素の輪郭を万線が縁取り、内周に向かって縮小した万線の図形が入れ子状に重なるような図形でもよい。この方法により、第二の画像でも特に強調したい部分領域を、他の部分領域とは異なる効果で表現することができる。
【0058】
また、第一の画像に含まれる図形的要素が小さいために万線では表しきれない場合、分割万線画像生成部14は分割万線画像の対応する位置に同一サイズ・同一角度の同じ図形的要素等を配置することで、2値画像生成部15が生成する2値画像においてこの図形的要素等を鮮明に表現することができる。
【0059】
第三の方法は以下である。狭小領域が点状または線状の場合、当該領域の周囲の万線と角度を変更すると万線の再現に困難が生じる場合がある。そのため、分割万線画像生成部14は、角度は周囲と同一にし、万線の曲率・ピッチ・位相・万線の平滑度・万線内部の図形要素を変更する。あるいは、後述する彫刻方法による凹凸の形状、着色の少なくとも一部を変更する。
【0060】
第一の画像内の特定の部分の輪郭を強調したいという場合、第二の画像取得部11は第二の画像の該当部分を第一の画像から取得してもよい。あるいはその場合、画像分割部12または分割万線画像生成部14または2値画像生成部15は第一の画像に基づいて該当部分の分割を行ってもよい。これにより、第一の画像内のある部分の輪郭と部分領域の境界線が一致し、第一の画像の輪郭と同じ位置において万線の角度が変更されることで、第一の画像の輪郭が特に強調されるという効果が得られる。第一の画像の全体を用いてこの処理を行ってもよい。
【0061】
2値画像生成工程で処理するために適した画像状態となるよう、2値画像生成部15は、第一の画像の階調を調整したり、ノイズを加えたり低減させたり、シャープネスを上げたり下げたり、変形するなど、画像を変更してもよい。これは画像の全体または一部に施されてもよく、各部で異なる変更を加えてもよい。
【0062】
ここで、万線の幅に差を設けることで階調を表現する2値画像に基づいて、ステンレス鋼・鉄・銅・黄銅・青銅・アルミニウム・チタン合金・プラスチック・ガラス・セラミック・石材・木材または紙等の基底材に彫刻を施す場合、彫刻方法及び基底材の材質に基づいて定められる加工限界の幅より小さな幅の線分を形成することは困難である。このため、第一の画像に含まれるハイライト部やシャドウ部の階調の表現が制約される。この理由により、たとえば第一の画像の階調が図17(a)に示すような階調の場合、理想的には図17(b)に示すような2階調画像が望ましい。しかしながら、実際には図17(c)のように階調2・階調7が表現できず、それぞれ階調1・階調8と区別できなくなる。
【0063】
このため2値画像生成部15は、加工限界よりも万線を細くしなければ表現できない階調の場合に、線を加工限界より細くすることに代えて、図17(d)に示すように万線を破線状に分断することにより、階調再現を改善する。
しかし、図17(d)では、隣接する万線どうしの間で破線の線が切れている部分の位置が万線と直行する方向に重なっているため、階調再現にムラが発生し、万線と直行する方向に黒い線または白い線があるように見えてしまう可能性がある。そこで2値画像生成部15は、図17(e)に示すように、隣接する万線に対して万線方向に破線を移動させる。このように2値画像生成部15が切れ目の位置をずらすことにより、破線をより均等に分布させることができ、濃淡のムラが緩和される。ずらす量は、破線の長さと等しくてもよいし、それ以外でもよい。
【0064】
万線を破線にすることで表現できる階調の幅は広がるものの、後述する方法で製造される彫刻物において、万線が彫刻された部分の反射の効果が低下してしまう。一方で破線をつなげて長くすると、反射効果は破線が短い場合より向上するものの、分断された線が目につきやすくなり、画像が粗く見えてしまう。そこで、たとえば、2本の万線のうち、1本を第一の画像の画素値が0−7の場合に破線とし、他方を第一の画像の画素値が8−15の場合に破線とする。図18(c)では、生成された2値画像において、このように処理された万線が交互に並んだ例が示されている。図18(c)は、図18(b)と同等に図18(a)の階調を表現しながらも、8−15の間の階調では点線になるのは一方の万線のみであり、残りの万線は連続した線のままである。これにより、この階調の場合には、反射の効果が下がるとはいえ、全体が連続した線である場合の半分は保たれているので、すべてが点線になっている場合と比較すれば、反射の効果がより残っている。なお、2値画像生成部15は、万線を分断してできる破線の最小の長さを、分断の対象となった万線の線幅以上の長さとしてもよい。
【0065】
図18(d)は、この方法と上記破線を互い違いに配置する方法を併用した例である。図のように2本単位で繰り返してもよいし、たとえば万線を4本単位とし、1番目の万線は第一の画像の画素値が0−3で破線に、次の万線は4−7で破線に、3番目の万線は8−11で破線に、4番目の万線は12−15で破線に、のように処理し、これを繰り返してもよい。この順番を変更してもよい。この場合、4本の万線のうち、第一の画像の画素値がそれぞれ12−15までは3本、8−11までは2本、4−7までは1本が、破線ではない連続した万線の形状を保っている。2値画像生成部15は、2以上の数の万線を組み合わせてこのような処理を行うことができる。また、階調によって、破線と破線ではない線分を混在させる場合と、破線のみの場合とを使い分け、一つの画像上にそれらを混在させてもよい。
【0066】
[彫刻工程]
上記の画像生成方法により生成された2値画像を用いて、機械加工・レーザ加工・エッチング・印刷・3Dプリント等の方法により、金属・プラスチック・紙・石材・セラミック・ガラス等の基底材を彫刻し、基底材に凹部及び凸部を形成してもよい。たとえば、基底材に2値画像をマッピングし、2値画像における万線の黒色部分を切削して凹部を形成する。この場合、基底材の凹部と凹部との間が凸部となる。また彫刻物の凹部又は凸部の少なくとも一部が着色されてもよい。万線画像が深さを伴う彫刻として基底材上に加工されることにより、ある角度から光を当てた状態で別のある角度からある部分領域を見たとき、当該部分領域の万線が反射光によって光って見える。光の角度または見る角度の少なくともいずれかが変更されると、逆に、周囲の万線が光って見える場合がある。この反射度合の差により、当該箇所が周囲から浮き上がって見えるという効果を示す。
また、上述した各部分領域ごとに、凹部または凸部の少なくとも一部の形状を変更してもよい。これにより、光の角度または見る角度の少なくともいずれかが変更されたときにより多彩な反射の効果を得ることができる。これらの彫刻は、図示しない凹凸形成部によって実行される。
【0067】
透明のプラスチックやガラス等の透明の基底材に彫刻した場合、反射光だけでなく、基底材の背後に光源を置き、透過光で観察することによって、基底材が、各部分領域ごとに、それぞれ多様な具合で発光しているかのような別の効果を得られる。また、基底材を通してその背後が透けて見えるような状態で設置すれば、各部分領域ごとに屈折・干渉・回折・偏光等の状態が異なることで、それぞれの部分領域の背後の景色の見え方が異なるという、さらに別の効果も得られる。
【0068】
本発明の実施の形態に係る画像生成方法は、X軸とX軸に直交するY軸とからなるX−Y座標平面上の画像において行われる。しかしながら、その後の工程により提供される彫刻物及び印刷物は曲面であってもよい。具体的には、平面的な基底材表面への彫刻及び印刷加工後に、基底材に曲げ加工を加えて立体としてもよく、X−Y座標平面上の画像から、立体物である基底材に加工してもよい。
【0069】
また、上記の実施形態においては、第一の画像取得工程、第二の画像取得工程、画像分割工程、万線画像生成工程、分割万線画像生成工程、2値画像生成工程の順に実行する例について説明したが、これらの工程を実行する順序は任意であり、工程の順序を入れ替えてもよく、ある工程が別の工程の処理を含んでもよく、ある処理を複数の工程で分担して行ってもよく、いったん進んだある工程からそれ以前の別の工程に戻っていくつかの工程をやり直してもよい。
【0070】
本発明は、基底材を加工して絵柄を形成する彫刻物において特に好適であるが、本発明を適用できる範囲は彫刻物に限定されるものではない。例えば、本発明に係る画像生成方法を用いて、紙、布、木材、プラスチック材等に画像を印刷することにより生成される印刷物にも適用できる。すなわち、X軸方向、及び前記X軸方向に直交するY軸方向からなるX−Y座標平面上の複数の座標位置の画素値を含む画像データに基づいて作成された印刷物であって、複数の各部分領域ごとに万線の角度ないし曲率ないしピッチないし位相ないし平滑度ないし内部の図形要素ないし凹凸の形状の少なくとも一つが異なり、かつ、前記画像データの前記座標位置ごとの画素値に応じて幅が異なる万線が印刷された印刷物も、本発明の技術的範囲に含まれる。この画像データは、表面形状を変化させる画像表示装置で表示されてもよい。
【0071】
以上説明したように、実施の形態に係る画像生成装置1によれば、同一の画像上で平面的な2種の画像を同時に再現することができる技術を提供できる。
特に、たとえば人物の顔を写した写真でありながら、会社ロゴ・キャラクター・校章・家紋といったさまざまなマークやパターンが埋め込まれており、観察する角度や光の当たり具合を変えることで、人物の顔を写した写真とは別のパターンが浮かび上がる、というこれまでにない視覚的効果を実現することができる。意匠性の向上のみならず、偽造防止などの用途にも使用可能である。
【符号の説明】
【0072】
1 画像生成装置
10 第一の画像取得部
11 第二の画像取得部
12 画像分割部
13 万線画像生成部
14 分割万線画像生成部
15 2値画像生成部
【要約】
【課題】同一の画像上で平面的な2種の画像を同時に再現することができる技術を提供する。
【解決手段】第一の画像取得部10は、座標平面上の複数の座標位置の画素値を含む第一の画像を取得する。第二の画像取得部11は、座標平面上の複数の座標位置に関連付けて、第一の画像とは異なる第二の画像を取得する。画像分割部12は、第二の画像を複数の部分領域に分割する。分割万線画像生成部14は、複数の部分領域に万線を配置する。2値画像生成部15は、第一の画像に含まれるそれぞれの座標位置における画素値に基づいて、座標位置における万線の幅が変更された2値画像を生成する。
【選択図】図1
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