(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6134928
(24)【登録日】2017年5月12日
(45)【発行日】2017年5月31日
(54)【発明の名称】モニター表示手段、及びこれを用いた成型装置、モニター表示方法
(51)【国際特許分類】
B22D 17/32 20060101AFI20170522BHJP
B22D 17/22 20060101ALI20170522BHJP
B22C 9/06 20060101ALI20170522BHJP
B22C 9/00 20060101ALI20170522BHJP
B22D 46/00 20060101ALI20170522BHJP
G09G 5/00 20060101ALI20170522BHJP
G09G 5/02 20060101ALI20170522BHJP
G09G 5/08 20060101ALI20170522BHJP
G09G 5/36 20060101ALI20170522BHJP
【FI】
B22D17/32 J
B22D17/22 G
B22D17/22 Z
B22C9/06 P
B22C9/00 E
B22D46/00
G09G5/00 550C
G09G5/00 510C
G09G5/02 B
G09G5/08 E
G09G5/36 510A
【請求項の数】7
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2012-218027(P2012-218027)
(22)【出願日】2012年9月28日
(65)【公開番号】特開2014-69219(P2014-69219A)
(43)【公開日】2014年4月21日
【審査請求日】2015年9月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】510095651
【氏名又は名称】株式会社ダイレクト21
(73)【特許権者】
【識別番号】000141901
【氏名又は名称】株式会社ケーヒン
(74)【代理人】
【識別番号】100091306
【弁理士】
【氏名又は名称】村上 友一
(74)【代理人】
【識別番号】100152261
【弁理士】
【氏名又は名称】出口 隆弘
(72)【発明者】
【氏名】岩本 典裕
(72)【発明者】
【氏名】加藤 俊
【審査官】
川崎 良平
(56)【参考文献】
【文献】
特開昭63−130326(JP,A)
【文献】
特開平03−114648(JP,A)
【文献】
特開平09−085418(JP,A)
【文献】
特開平09−141539(JP,A)
【文献】
特開2011−056537(JP,A)
【文献】
特開平07−295532(JP,A)
【文献】
特開2011−214868(JP,A)
【文献】
特開2008−155516(JP,A)
【文献】
欧州特許出願公開第00126174(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B22D 17/32
B29C 45/00
G09G 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
時間的に連続な連続情報を時間方向の座標を用いてモニターに表示する連続情報表示部と、
前記連続情報表示部が前記連続情報を表示している間に入力されるトリガ情報を、前記座標に直交する座標に沿って延び、且つ前記連続情報が表わす前記モニター上の曲線に交差する仕切り線として前記座標に対応して前記モニターに表示するカーソル表示部と、
前記モニター上の背景色を、前記仕切り線を境界として互いに異ならせて表示する背景色表示部と、を有することを特徴とするモニター表示手段。
【請求項2】
金型のキャビティ内のガス圧、溶湯圧力、溶湯温度のうち少なくとも一つを表す物理量の情報を連続情報として時間方向の座標を用いてモニターに表示する物理量情報表示部と、
前記キャビティにおける溶湯の充填開始情報及び充填終了情報からなるトリガ情報を第1仕切り線とし、前記キャビティのガス抜き路を遮断する弁体を動作させるための駆動信号を出力したことを表す出力情報及び前記弁体の前記ガス抜き路の遮断を検知したことを表す遮断検知情報からなるトリガ情報を第2仕切り線として、前記座標に直行する座標に沿って延び、且つ前記物理量の情報が表す前記モニター上の曲線に交差するように、前記第1、第2仕切り線をそれぞれ前記座標に対応させて前記モニターに表示するカーソル表示部と、
前記第1仕切り線に挟まれた第1領域の背景色を、前記第1領域以外の領域の背景色と異ならせて表示すると共に、前記第2仕切り線に挟まれた第2領域の背景色を、前記第2領域以外の領域の背景色と異ならせて表示する背景色表示部と、を有することを特徴とするモニター表示手段。
【請求項3】
請求項2に記載のモニター表示手段を備えた成型装置であって、
前記物理量を測定して前記物理量の情報を出力する物理量センサーと、
前記キャビティのゲートに流入した溶湯を検知して第1検知信号を出力する入口センサーと、
前記キャビティのガス抜き路の入口に流入した溶湯を検知して第2検知信号を出力する出口センサーと、が前記金型に装着され、
前記第1検知信号及び前記第2検知信号が入力され、前記第1検知信号が入力されたときの時間の情報により前記充填開始情報を生成し、前記第2検知信号が入力されたときの時間の情報により前記充填終了情報を生成し、それぞれ前記モニター表示手段に出力する制御部が設けられていることを特徴とする成型装置。
【請求項4】
請求項2に記載のモニター表示手段を備えた成型装置であって、
前記物理量を検知して前記物理量の情報を出力する物理量センサーと、
前記キャビティのゲートに流入した溶湯を検知して第1検知信号を出力する入口センサーと、
前記キャビティのガス抜き路の入口に流入した溶湯を検知して第2検知信号を出力する出口センサーと、
前記弁体の前記ガス抜き路の遮断を検知して遮断検知信号を出力する遮断検出スイッチと、が前記金型に装着され、
前記出力情報を前記モニター表示手段に出力するとともに、前記第1検知信号、前記第2検知信号、前記遮断検知信号が入力され、前記第1検知信号が入力されたときの時間の情報により前記充填開始情報を生成し、前記第2検知信号が入力されたときの時間の情報により前記充填終了情報を生成し、前記遮断検知信号が入力されたときの時間の情報により前記遮断検知情報を生成し、それぞれ前記モニター表示手段に出力する制御部が設けられていることを特徴とする成型装置。
【請求項5】
前記入口センサー及び前記出口センサーは、
前記キャビティ側に開口部が向けられた凹部を有し前記金型に装着されるホルダーと、
前記ホルダーに対して電気的に絶縁した状態で前記凹部に収容されるとともに前記凹部の底部を貫通して前記ホルダーの外部に露出した電極棒と、を有し、溶湯が前記ホルダーと前記電極棒に同時に接触したときの電気的短絡により溶湯を検知可能とされ、
前記電極棒の前記ホルダーから露出した端部からリード線が延出していることを特徴とする請求項3または4に記載の成型装置。
【請求項6】
時間的に連続な連続情報を時間方向の座標を用いてモニターに表示し、
前記連続情報を表示している間に入力されるトリガ情報を、前記座標に直交する座標に沿って延び、且つ前記連続情報が表わす前記モニター上の曲線に交差する仕切り線として
前記座標に対応して前記モニターに表示し、
前記モニター上の背景色を、前記仕切り線を境界として互いに異ならせて表示することを特徴とするモニター表示方法。
【請求項7】
金型のキャビティ内のガス圧、溶湯圧力、溶湯温度のうち少なくとも一つを表す物理量の情報を連続情報として時間方向の座標を用いてモニターに表示し、
前記キャビティにおける溶湯の充填開始情報及び充填終了情報からなるトリガ情報を第1仕切り線とし、前記キャビティのガス抜き路を遮断する弁体を動作させるための駆動信号を出力したことを表す出力情報、及び前記弁体の前記ガス抜き路の遮断を検知したことを表す遮断検知情報からなるトリガ情報を第2仕切り線として、前記座標に直行する座標に沿って延び、且つ前記物理量の情報が表す前記モニター上の曲線に交差するように、前記第1、第2仕切り線をそれぞれ前記座標に対応させて前記モニターに表示し、
前記第1仕切り線に挟まれた第1領域の背景色を、前記第1領域以外の領域の背景色と異ならせて表示すると共に、前記第2仕切り線に挟まれた第2領域の背景色を、前記第2領域以外の領域の背景色と異ならせて表示することを特徴とするモニター表示方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アルミニウム合金、マグネシュウムなどの金属材料を加圧鋳造するダイカスト装置に代表される成型装置用のモニター表示手段について、特に、キャビティ内の溶湯等の物理量の変化と溶湯の充填開始時間及び充填終了時間の関係を視覚的に容易に確認することが可能なモニター表示手段、及びこれを用いた成型装置、モニター表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ダイカスト製品を成型するダイカスト装置の動作は以下のようになっている(
図2参照)。まず、ランナーに対して開口したスリーブに金属溶湯を供給し、金属溶湯の空気の巻き込み等を避けるためにプランジャを低速の射出速度で駆動し、スリーブとランナーが満杯になるまで前進する。次いで、金属溶湯の先端が金型のゲートに達する位置までプランジャが移動したら、プランジャを高速の射出速度に切り換えて駆動し、金属溶湯を金型のキャビティに急速に充填する。次いで、金型のキャビティに金属溶湯が充填されたらプランジャの圧力を上昇させて、金属溶湯を加圧する。
【0003】
ところで、鋳造ショット毎に、ダイカスト製品が十分な強度を有するものであるか否かを判定することができれば、不良品を後段の工程に流すことが防止され、結果として歩留まりを向上させることができる。したがって、ダイカスト装置を使用して、金型に形成されるキャビティに、溶融されたアルミニウム合金等の溶湯(溶融金属)を射出してダイカスト製品を鋳造する場合、その品質管理のため、射出時における金型内の溶湯の圧力および溶湯の温度、前記キャビティ内のガスが溶湯の充填によって圧縮するガス圧を測定する必要があり、キャビティ内のガスの放出を確実に行うことは、ダイカスト製品の安定生産上重要である。
【0004】
このため、特許文献1には、キャビティ内のガス圧、溶湯の圧力及び温度が測定可能な金型内部情報計測センサーが開示されている。また、特許文献2には溶湯に接触することにより溶湯の存在を検知する溶湯検知センサーが開示されている。この溶湯検知センサーを、ゲート及びガス抜き路の入り口付近に配置することにより、溶湯のキャビティへの充填開始時間、充填終了時間が分かり、充填時間も算出することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2012−121070号公報
【特許文献2】特開2011−056537号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、キャビティ内のガス圧、溶湯の圧力及び温度等の物理量の時間的推移と、充填開始時間及び充填終了時間を同一の座標上に表示できれば、ダイカスト製品の品質管理を容易に行うことができる。しかし、物理量の時間的推移と充填開始時間及び充填終了時間との関係を視覚的に確認することは容易ではない。
【0007】
そこで、本発明は上記問題点に着目し、キャビティ内のガス圧、溶湯の圧力及び温度等の物理量の時間的推移と充填開始時間及び充填終了時間との関係を視覚的に容易に確認可能なモニター表示手段、及びこれを用いた成型装置、モニター表示方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明に係るモニター表示手段は、時間的に連続な連続情報を時間方向の座標を用いてモニターに表示する連続情報表示部と、前記連続情報表示部が前記連続情報を表示している間に入力されるトリガ情報を、前記座標に直交する座標に沿って延び、且つ前記連続情報が表わす前記モニター上の曲線に交差する仕切り線として前記座標に対応して前記モニターに表示するカーソル表示部と、前記モニター上の背景色を、前記仕切り線を境界として互いに異ならせて表示する背景色表示部と、を有することを特徴とする。
【0009】
上記構成により、トリガ情報に基づいた仕切り線を境として連続情報が表示されたモニターの背景色を変えることができるので、連続情報とトリガ情報との関係をモニターにおいて容易に視認することが可能なモニター表示手段となる。
【0010】
また本発明に係るモニター表示手段は、金型のキャビティ内のガス圧、溶湯圧力、溶湯温度のうち少なくとも一つを表す物理量の情報を時間方向の座標を用いてモニターに表示する物理量情報表示部と、前記キャビティにおける溶湯の充填開始情報及び充填終了情報を、前記座標に直交する座標に沿って延び、且つ前記物理量の情報が表わす前記モニター上の曲線に交差する第1仕切り線としてそれぞれ前記座標に対応して前記モニターに表示するカーソル表示部と、前記モニター上の前記第1仕切り線に挟まれた第1領域の背景色を、前記モニター上の前記第1領域以外の領域の背景色と異ならせて表示する背景色表示部と、を有することを特徴とする。
【0011】
上記構成により、第1仕切り線に挟まれた部分の背景色は、他の部分の背景色とは異なる色となる。したがって、物理量の情報の曲線のうち、2つの第1仕切り線に挟まれた部分を画面において容易に視認することができ、作業効率を向上させることが可能なモニター表示手段となる。
【0012】
本発明において、前記カーソル表示部は、前記キャビティのガス抜き路を遮断する弁体を動作させるための駆動信号を出力したことを表す出力情報と、前記弁体の前記ガス抜き路の遮断を検知したことを表す遮断検知情報とを、それぞれ第2仕切り線として前記座標に対応して前記モニターに表示し、前記背景色表示部は、前記モニター上の前記第2仕切り線に挟まれた第2領域の背景色を、前記モニター上の前記第2領域以外の領域と異ならせて表示することを特徴とする。
【0013】
上記構成により、2つの第2仕切り線に挟まれた部分の背景色は、他の部分の背景色とは異なる色となる。したがって、物理量の情報の曲線のうち、2つの第2仕切り線に挟まれた部分を画面において容易に視認することができ、作業効率を向上させることができる。
【0014】
一方、本発明に係る成型装置は、前述のモニター表示手段を備えた成型装置であって、前記物理量を測定して前記物理量の情報を出力する物理量センサーと、前記キャビティのゲートに流入した溶湯を検知して第1検知信号を出力する入口センサーと、前記キャビティのガス抜き路の入口に流入した溶湯を検知して第2検知信号を出力する出口センサーと、が前記金型に装着され、前記第1検知信号及び前記第2検知信号が入力され、前記第1検知信号が入力されたときの時間の情報により前記充填開始情報を生成し、前記第2検知信号が入力されたときの時間の情報により前記充填終了情報を生成し、それぞれ前記モニター表示手段に出力する制御部が設けられていることを特徴とする。
上記構成により、物理量の情報の曲線と、第1カーソルとの関係をリアルタイムで確認することができる。
【0015】
また、本発明に係る成型装置は、前述のモニター表示手段を備えた成型装置であって、前記物理量を検知して前記物理量の情報を出力する物理量センサーと、前記キャビティのゲートに流入した溶湯を検知して第1検知信号を出力する入口センサーと、前記キャビティのガス抜き路の入口に流入した溶湯を検知して第2検知信号を出力する出口センサーと、前記弁体の前記ガス抜き路の遮断を検知して遮断検知信号を出力する遮断検出スイッチと、が前記金型に装着され、前記出力情報を前記モニター表示手段に出力するとともに、前記第1検知信号、前記第2検知信号、前記遮断検知信号が入力され、前記第1検知信号が入力されたときの時間の情報により前記充填開始情報を生成し、前記第2検知信号が入力されたときの時間の情報により前記充填終了情報を生成し、前記遮断検知信号が入力されたときの時間の情報により前記遮断検知情報を生成し、それぞれ前記モニター表示手段に出力する制御部が設けられていることを特徴とする。
上記構成により、物理量の情報の曲線と、第1仕切り線及び第2仕切り線との関係をリアルタイムで確認することができる。
【0016】
本発明において、前記入口センサー及び前記出口センサーは、前記キャビティ側に開口部が向けられた凹部を有し前記金型に装着されるホルダーと、前記ホルダーに対して電気的に絶縁した状態で前記凹部に収容されるとともに前記凹部の底部を貫通して前記ホルダーの外部に露出した電極棒と、を有し、溶湯が前記ホルダーと前記電極棒に同時に接触したときの電気的短絡により溶湯を検知可能とされ、前記電極棒の前記ホルダーから露出した端部からリード線が延出していることを特徴とする。
【0017】
上記構成により、ホルダー、電極棒、リード線が同心状に配置される。よって、金型に対してまっすぐに貫通する取付孔を形成するのみで入口センサー、出口センサーを取り付けることができるので、取り付け作業を容易に行うことができる。
【0018】
一方、本発明に係るモニター表示方法は、時間的に連続な連続情報を時間方向の座標を用いてモニターに表示し、前記連続情報を表示している間に入力されるトリガ情報を、前記座標に直交する座標に沿って延び、且つ前記連続情報が表わす前記モニター上の曲線に交差する仕切り線として前記座標に対応して前記モニターに表示し、前記モニター上の背景色を、前記仕切り線を境界として互いに異ならせて表示することを特徴とする。
【0019】
上記方法により、トリガ情報に基づいた仕切り線を境として連続情報が表示されたモニターの背景色を変えることができるので、連続情報とトリガ情報との関係をモニターにおいて容易に視認することができる。
【0020】
また、本発明に係るモニター表示方法は、金型のキャビティ内のガス圧、溶湯圧力、溶湯温度のうち少なくとも一つを表す物理量の情報を時間方向の座標を用いてモニターに表示し、前記キャビティにおける溶湯の充填開始情報及び充填終了情報を、前記座標に直交する座標に沿って延び、且つ前記物理量の情報が表わす前記モニター上の曲線に交差する第1仕切り線としてそれぞれ前記座標に対応して前記モニターに表示し、前記モニター上の前記第1仕切り線に挟まれた第1領域の背景色を、前記モニター上の前記第1領域以外の領域の背景色と異ならせて表示することを特徴とする。
【0021】
上記方法により、第1仕切り線に挟まれた部分の背景色は、他の部分の背景色とは異なる色となる。したがって、物理量の情報の曲線のうち、2つの第1仕切り線に挟まれた部分を画面において容易に視認することができ、作業効率を向上させることができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明に係る、モニター表示手段及びモニター表示方法によれば、モニターにおいて溶湯の充填開始時間と充填終了時間との間となる領域の背景色が他の領域の背景色とは異なる色に変更されるので、物理量の情報の曲線のうち、溶湯の充填時間範囲に含まれる部分を容易に視認できるので作業効率を向上させることができる。また、このモニター表示手段を備えた成型装置によれば、物理量の情報と、充填時間範囲との関係をリアルタイムで確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本実施形態のモニター表示手段によりモニターに表示されるグラフを示す図である。
【
図2】本実施形態のダイカスト装置の模式図である。
【
図3】本実施形態のダイカスト装置の制御ブロック図である。
【
図4】本実施形態の溶湯検知センサーの取り付け形態の断面図である。
【
図6】本実施形態の溶湯検知センサーが取り付けられる取付孔の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明を図に示した実施形態を用いて詳細に説明する。但し、この実施形態に記載される構成要素、種類、組み合わせ、形状、その相対配置などは特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する主旨ではなく単なる説明例に過ぎない。
【0025】
図2に本実施形態のダイカスト装置の模式図を示す。
図2に示すように、ダイカスト装置10(成型装置)は、固定金型14と可動金型16とからなる金型12を有している。そして、固定金型14と可動金型16の合せ面にダイカスト成型するための鋳型となるキャビティ18が形成されている。このキャビティ18には、溶湯射出装置20から押出された溶湯22をキャビティ18に導入するゲート24が接続開口されている。溶湯射出装置20は、金型12のランナー26に接続されており、中空のスリーブ28と、スリーブ28内に配置されたプランジャ30により構成されている。スリーブ28内には図示しない溶湯供給装置から溶湯22が供給され、プランジャ30の押し出しにより溶湯22がゲート24を通じてキャビティ18に射出される。またプランジャ30は図示しない射出駆動手段により作動される。
【0026】
一方、キャビティ18の出口には、キャビティ18からガスを抜くためのガス抜き路32が配置され、ガス抜き路32にはガス抜き路32を開閉する動作が可能な弁体34が配置されている。弁体34は、固定金型14(可動金型16でもよい)に摺動可能な状態で支持されている。弁体34は、後述のように、キャビティ18内に溶湯22が充填されている最中は、ガス抜き路32を開放して溶湯22により押し出されたガスを通過させ、溶湯22がキャビティ18に充填された時間とほぼ同時にガス抜き路32を遮断する動作を行えるようになっている。また、固定金型14には弁体34を駆動させる駆動手段36が配置され、さらに弁体34がガス抜き路32を開放する配置のときに弁体34に当接して開放検知信号を出力する開放検出スイッチ38と、弁体34がガス抜き路32を遮断する配置のときに弁体34に当接して遮断検知信号を出力する遮断検出スイッチ40が設けられている。
【0027】
キャビティ18に通じるゲート24には溶湯22を検知して第1検知信号を出力する入口センサー42が配置され、ガス抜き路32の入口(後述の検出キャビティ46)にも溶湯22を検知して第2検知信号を出力する出口センサー44が配置されている。そして、検出キャビティ46内の物理量(ガス圧、溶湯圧力、溶湯温度)を測定する金型内部情報計測センサー48(物理量センサー)が可動金型16(固定金型14でもよい)に配置されている。ここで、検出キャビティ46は、キャビティ18と同様に溶湯22が充填される空洞であり、溶湯22の充填後にダイカスト製品から延出した島状部材を形成する。この島状部材は、ダイカスト製品を金型12から取り出したのち切除される。なお、上述の金型内部情報計測センサー48は従来技術(特許文献1参照)であるので説明を省略する。
【0028】
開放検出スイッチ38、遮断検出スイッチ40、金型内部情報計測センサー48、入口センサー42、出口センサー44は、本実施形態のモニター表示手段56及び制御部76を有するPC(パーソナルコンピュータ)50に接続され、駆動手段36は、ドライバー52を介してPC50に接続されている。また後述のように、入口センサー42及び出口センサー44からそれぞれ検知信号を出力するために、金型12とPC50(制御部76)がリード線126により電気的に接続されている。PC50は物理量の情報の時間推移を表示するモニター54を有するとともに本実施形態のモニター表示手段56及び制御部76を有する。
【0029】
本実施形態のダイカスト装置10は、ガス抜き路32を大気開放にして大気開放型のダイカスト装置10としてもよいし、ガス抜き路32から真空引きを行なって真空ダイカスト型のダイカスト装置10としてもよい。
【0030】
図1に本実施形態のモニター表示手段によりモニターに表示されるグラフを示す。
図1は、射出鋳造時のプランジャ30の射出速度、射出圧力、キャビティ18内のガス圧、溶湯22の圧力、溶湯22の温度の変化波形を時間軸に沿って時系列的に表示した図である。プランジャ30は、溶湯22をキャビティ18に射出する方向に移動するものであるが、プランジャ30の射出速度は、プランジャ30の繰り出しにより溶湯22がゲート24に到達する前であってランナー26に供給される間は低速の射出速度に保たれる。しかし、溶湯22の先端がゲート24を越え溶湯22がキャビティ18に供給され始めると高速の射出速度となり、溶湯22がキャビティ18に充填されるとゼロとなる。
【0031】
一方、プランジャ30の射出圧力は、プランジャ30が初期の低速の射出速度及び高速の射出速度で移動している間は、略一定の値をとる。その後、射出圧力は充填完了に伴い上昇し射出駆動手段の増圧動作により急上昇する。一方、プランジャ30が高速の射出速度で移動している間は、溶湯22の圧力が殆ど上がらない。一方、キャビティ18の溶湯22が充満すると弁体34のガス抜き路32の遮断により、溶湯22の圧力は、ほぼプランジャ30の射出圧力まで上昇するが、ゲート24の溶湯22が凝固するとともに降下を開始する。このように、ダイカスト装置10おいては、キャビティ18内のガス及び溶湯22の物理量の時間推移と溶湯22の充填開始時間及び充填終了時間とが相互に関連するため、最適化のためにはこれらの情報同士の関係を把握する必要がある。
【0032】
図1に示すように、前述の物理量の情報(プランジャ30の射出速度、及び射出圧力を含む)はモニター54に表示されるが、本実施形態では、これに重ねて溶湯22の充填開始時間を表す第1カーソル64(第1仕切り線)と、溶湯22の充填終了時間を表す第1カーソル66(第1仕切り線)が、時間軸に対して垂直な軸方向に延び、物理量の情報を表す曲線に交差する直線として表示される。さらにモニター54上において第1カーソル64と第1カーソル66との間となる領域(第1領域72)が、モニター54の他の領域と異なる色に表示される。したがって、物理量の情報の曲線のうち、第1カーソル64と第1カーソル66に挟まれた部分をモニター54の画面において容易に視認することができ、作業効率を向上させることができる。
【0033】
図3に、本実施形態のダイカスト装置の制御ブロック図を示す。本実施形態のダイカスト装置10は、制御部76とモニター表示手段56(物理量情報表示部58、カーソル表示部60、背景色表示部62)を有している。制御部76及びモニター表示手段56は、例えばPC50にインストールされたアプリケーションである。また、モニター表示手段56は、本実施形態のダイカスト装置のみならず、樹脂用の射出成型装置(成型装置)にも適用できる。制御部76は、PC50に取り付けられたインターフェース(不図示)を介して、金型内部情報計測センサー48、ドライバー52、開放検出スイッチ38、遮断検出スイッチ40、入口センサー42、出口センサー44に接続されている。
【0034】
制御部76は、金型内部情報計測センサー48から物理量の情報が入力されると、これに入力されたときの時間の情報を関連付けて物理量情報表示部58に出力する。金型内部情報計測センサー48は時間方向で連続的に物理量を測定可能であるが、制御部76においてはこれを時間方向及び物理量の大ききについて離散的なデジタルデータに変換して物理量情報表示部58に出力している。なお、金型内部情報計測センサー48は、制御部76を経由せずに初めからデジタルデータを生成して物理量情報表示部58に出力できるようにしてもよい。
【0035】
制御部76は、入口センサー42から第1検知信号が入力されると、これに第1検知信号が入力されたときの時間の情報を関連付けて充填開始情報を生成してモニター表示手段56に出力し、出口センサー44から第2検知信号が入力されると、これに第2検知信号が入力されたときの時間の情報を関連付けて充填終了情報を生成してモニター表示手段56に出力する。
【0036】
厳密に述べると、「充填開始時間」は、溶湯22がゲート24を越えてキャビティ18内に入り始めた瞬間の時間であり、「充填終了時間」は、溶湯22がキャビティ18に完全に充填しきった瞬間の時間である。一方、入口センサー42は、キャビティ18の入口(ゲート24)には配置されておらず、キャビティ18の外部(ランナー26)においてキャビティ18に隣接して配置されている。同様に、出口センサー44は、キャビティ18の出口(ガス抜き路32の入口)には配置されておらず、キャビティ18の外部(ガス抜き路32)においてキャビティ18に隣接して配置されている。
【0037】
よって、本実施形態において、「充填開始情報」とは、入口センサー42が溶湯22を検知したのち制御部76に第1検知信号が到達したときの時間の情報を、溶湯22がキャビティ18内に入り始めた瞬間の時間の情報として有する「みなし充填開始情報」を指すことになる。同様に、「充填終了情報」とは、出口センサー44が溶湯22を検知したのち制御部76に第2検知信号が到達したときの時間の情報を、溶湯22がキャビティ18に完全に充填しきった瞬間の時間の情報として有する「みなし充填終了情報」を指すことになる。これにより、後述の「溶湯充填時間」も、「みなし充填終了情報」に係る時間の情報と、「みなし充填開始情報」に係る時間の情報と、の差分の情報を有する「みなし溶湯充填時間」を指すことになる。
【0038】
しかし、厳密な意味の「充填開始(終了)時間」と、「みなし充填開始(終了)情報」に係る時間と、の差は極僅かであるので、本実施形態の「充填開始(終了)情報」が、前述の厳密な意味における「充填開始(終了)時間」の情報を有するものと考えても実用上差し支えはなく、「溶湯充填時間」も同様に扱っても差し支えはない。
【0039】
制御部76は、後述のようにドライバー52を駆動する駆動信号を出力するが、駆動信号を出力したときの時間を表す出力情報をモニター表示手段56に出力する。そして、制御部76は、遮断検出スイッチ40から遮断検知信号が入力されると、これに遮断検知信号が入力された時間の情報を関連付けて遮断検知情報をモニター表示手段56に出力する。
【0040】
なお、制御部76は、充填開始情報、充填終了情報、出力情報、遮断検知情報を互いに識別するため、例えば、互いに識別可能な2ビットのバイナリデータを各情報に足し合わせ、後述のカーソル表示部60、背景色表示部62でこれらの情報が識別できるようにしている。また制御部76には、充填開始情報、充填終了情報、出力情報、遮断検知情報を記憶する記憶部(不図示)が設けられ、外部からの操作により記憶部に記憶されたこれらの情報をモニター表示手段56に出力できるようにしてもよい。
【0041】
物理量情報表示部58は、金型12のキャビティ18内のガス圧、溶湯22の圧力、溶湯22の温度のうち少なくとも一つを表す物理量の情報を時間方向の座標を用いてモニター54に表示(出力)するものである。また物理量情報表示部58は、横軸となる時間の座標軸、縦軸となる各種物理量の大きさを示す座標軸、物理量の情報に係る曲線(グラフ)を、モニター54上の位置の情報に変換して画像として表示することができる。
【0042】
カーソル表示部60は、キャビティ18における溶湯22の充填開始情報(T1、
図1)及び充填終了情報(T2、
図1)を、座標に直交する座標に沿って延び、且つ物理量の情報が表わすモニター54上の曲線に交差する第1カーソル64、第1カーソル66として時間方向の座標に対応してモニター54上の位置の情報に変換してそれぞれ表示(出力)するものである。また、カーソル表示部60は、ガス抜き路32を遮断する弁体34を動作させるための駆動信号を出力したことを表す出力情報(T3、
図1)と、弁体34のガス抜き路32の遮断を検知したことを表す遮断検知情報(T4、
図1)とを、それぞれ第2カーソル68(第2仕切り線)、第2カーソル70(第2仕切り線)として前記座標に対応してモニター54上の位置の情報に変換して時間方向の座標に対応してモニター54に表示(出力)するものである。
【0043】
カーソル表示部60は、識別を容易にするため、各カーソル(仕切り線)の色情報を物理量の情報に係る曲線及び座標軸の色情報と異なる色情報に変更して表示(出力)することもできる。また、上述のように充填開始情報、充填終了情報、出力情報、遮断検知情報は互いに識別できるようになっているので、各カーソルに互いに異なる色情報を設定することもできる。
【0044】
背景色表示部62は、モニター54上の第1カーソル64、第1カーソル66に挟まれた第1領域72(
図1)を充填開始情報及び充填終了情報により識別するとともに、その背景色の情報を第1領域72以外のモニター54上の背景色と異なる色となる情報に変更して時間方向の座標に対応してモニター54に表示(出力)するものである。また背景色表示部62は、モニター54上の第2カーソル68、第2カーソル70に挟まれた第2領域74(
図1)を出力情報及び遮断情報により識別するとともに、その背景色の情報を第2領域74以外のモニター54上の背景色と異なる色となる情報に変更して時間方向の座標に対応してモニター54に表示(出力)するものである。
【0045】
背景色表示部62は、モニター54の全領域(モニター54上の全ての位置の情報)の背景色の色情報を変更可能であるが、上述のように充填開始情報、充填終了情報、出力情報、遮断検知情報は互いに識別できるようになっている。よって、充填開始情報に対応するモニター54上の横軸方向の位置の情報と、充填終了情報に対応するモニター54上の横軸方向の位置の情報を用いてモニター54の全領域から第1領域72を抽出することができる。これにより、第1領域72の色情報を他の領域とは異なる色情報に変更することができる。同様に、出力情報に対応するモニター54上の横軸方向の位置の情報と、遮断検知情報に対応するモニター54上の横軸方向の位置の情報を用いてモニター54の全領域から第2領域74を抽出することができる。
【0046】
上記構成により、第1カーソル64、第1カーソル66に挟まれた部分及び第2カーソル68、第2カーソル70に挟まれた部分の背景色は、他の部分の背景色とは異なる色となる。したがって、物理量の情報の曲線のうち、第1カーソル64,66に挟まれた部分と第2カーソル68,70に挟まれた部分を画面において容易に視認することができ、作業効率を向上させることができる。また、物理量の情報の曲線と、第1カーソル64,66及び第2カーソル68,70との関係をリアルタイムで確認することができる。
【0047】
次に、本実施形態のダイカスト装置10の制御について説明する。
制御部76は、キャビティ18に溶湯22が充填されると同時に弁体34がガス抜き路32を遮断するように制御するものであり、前述のように、入口センサー42、出口センサー44、ドライバー52、遮断検出スイッチ40に電気的に接続されている。
【0048】
ところで、制御部76がドライバー52に駆動信号を出力しても、弁体34が実際にガス抜き路32を遮断するまでには作動遅れ時間がある。よって、溶湯22が出口センサー44で検知されたのちに制御部76が駆動信号を出力したのでは、弁体34によるガス抜き路32の遮断が間に合わず、溶湯22がキャビティ18からあふれ出ることになる。
【0049】
そこで、制御部76には、タイマー(不図示)が内蔵され、入口センサー42から第1検出信号(充填開始情報、T1)が入力されるとタイマーがカウントアップするようになっている。また、制御部76には、入口センサー42からの第1検知信号が入力されたときから駆動信号(出力情報、T3)をドライバー52に出力するまでの待ち時間を取るための駆動カウント値が付属のメモリ(不図示)に記憶されている。そして制御部76は、カウント値が駆動カウント値と一致したときにドライバー52に駆動信号を出力するようになっている。この駆動カウント値を、溶湯充填時間(T2−T1)から作動遅れ時間(T4−T3)を差し引いた時間として算出することにより、溶湯22がキャビティ18に充填されると同時にガス抜き路32を弁体34により遮断することができる。しかし、実際にはいろいろな要因でダイカスト成型を行うたびに時間的なズレが生じる場合がある。そこで、制御部76は、演算部78とフィードバック制御部80を備えている。
【0050】
演算部78は、1回目のダイカスト成型により、入口センサー42から入力された第1検知信号(充填開始情報、T1)と出口センサー44から入力された第2検知信号(充填終了情報、T2)の時間差からキャビティ18への溶湯充填時間(T2−T1)を算出してメモリに記憶する。また、演算部78は、制御部76がドライバー52に駆動信号(出力情報、T3)を出力したのち、遮断検出スイッチ40から遮断信号(遮断情報、T4)が入力されるまでの作動遅れ時間(T4−T3)の初期値を算出してメモリに記憶する。さらに、演算部78は、溶湯検出時間と作動遅れ時間の差分から駆動カウント値の初期値を算出してメモリに記憶する。
【0051】
フィードバック制御部80は、遮断検出スイッチ40から入力された遮断信号(充填終了情報、T4)と、出口センサー44から入力された第2検知信号(充填終了情報、T2)の時間的な差分(T2−T4)を算出し、この差分をメモリに記憶された駆動カウント値に足し合わせるものである。
【0052】
演算部78及びフィードバック制御部80は2回目のダイカスト成型においても、前述の時間に関する情報を更新する。このような演算部78及びフィードバック制御部80を備えることにより、制御部76は、溶湯22がキャビティ18に充填されるとほぼ同時にガス抜き路32を弁体34により遮断できる。さらに、ダイカスト成型を繰り返し行う場合でも、その都度駆動カウント値を更新し、遮断検出スイッチ40から入力された遮断信号(遮断情報、T4)と、出口センサー44から入力された第2検知信号(充填終了情報、T2)の時間的な差分(T2−T4)を最小にすることができる。
【0053】
これらの情報は、モニター54に時系列に表示され、実際に制御が良好に行われているか否か確認することができる。すなわち、制御が良好であれば第1領域72との右側となるカーソル66と第2領域74の右側となるカーソル70が互いに重なるように(または横軸方向のずれが小さく)表示されることになる(
図1参照)。
【0054】
図4に、本実施形態の溶湯検知センサーの取り付け形態の断面図を示し、
図5に、溶湯検知センサーの分解断面図を示し、
図6に、本実施形態の溶湯検知センサーが取り付けられる取付孔の断面図を示す。本実施形態の入口センサー42及び出口センサー44は、
図4、
図5に示す溶湯検知センサー82となっている。溶湯検知センサー82は、キャビティ18側に開口部90(
図5)が向けられた凹部92(
図5)を有し金型12に装着されるホルダー88と、ホルダー88に対して電気的に絶縁した状態で凹部92に収容されるとともに凹部92の底部を貫通してホルダー88の外部に露出した電極棒96と、により全体の外形が形成されている。ホルダー88及び電極棒96はいずれも金属で形成されている。
【0055】
外形が円筒形状であるホルダー88は、凹部92の開口部90が形成されている端部が金型12内部の空洞(ゲート24、検知キャビティ46)の壁面122に露出している。電極棒96は、円柱形の部材であり、ホルダー88の凹部92の底部となる位置に形成された貫通孔94(
図5)に挿通することによりホルダー88を貫通した状態で配置される。ホルダー88と電極棒96は互いに同心状となるように配置されるが、貫通孔94の内径は電極棒96の径よりも大きいため、電極棒96がホルダー88に接触することはない。
【0056】
電極棒96の長手方向の一方の端部が前記壁面122に露出しているが、その部分には、他の部分よりも径の大きいフランジ部98が設けられている。一方、電極棒96の長手方向の反対側は雄ネジ部100となっており、さらにその先端には、PC50に接続されるリード線114(
図2参照)と、リード線114を保護する絶縁体の保護チューブ116が取り付けられている。
【0057】
ホルダー88の凹部92には、凹部92を充填するようにセラミック等の絶縁体で形成された碍子102が配置されている。碍子102は、凹部92の内壁に倣った外形を有し、電極棒96を挿通する挿通孔104(
図5)とフランジ部98を収容するザグリ106(
図5)を有する。
図4に示すように、本実施形態では、ホルダー88の前記壁面122側の端面、碍子102の前記壁面122側の端面、フランジ部98の前記壁面122側の端面、が前記壁面122と同一平面を形成するように配置されている。
【0058】
一方、電極棒96の雄ネジ部100には円筒形の碍子108及び座金110が挿通されるとともに、ナット112、ナット118が螺合され、ナット112、ナット118の螺合により、フランジ部98に当接する碍子102、ホルダー88(底部)、碍子108、座金110がフランジ部98、ナット112、ナット118に締め付けられ、ホルダー88に固定される。本実施形態の溶湯検知センサー82は、ホルダー88、電極棒96、リード線114が同心状であって一方向に延びた形状を有している。なお、リード線114及び保護チューブ116は、挿通孔104、貫通孔94に挿通され、碍子108、座金110、ナット112、ナット118において雄ネジ部100が挿通若しくは螺合するための挿通孔に挿通される。
【0059】
この溶湯検知センサー82を装着するため、固定金型14(可動金型16でもよい)には取付孔120が形成される。取付孔120は、壁面122に開口部124(
図6)を有するとともに直線状に形成され固定金型14の外部にまで貫通している(
図2参照)。また取付孔120は、開口部124からホルダー88の長さに対応する深さまではホルダー88の外形に倣った内径を有し、それより先はホルダー88の外形よりも小さな内径を有している。
【0060】
溶湯検知センサー82の取り付けは、溶湯検知センサー82を組み立て、リード線114を開口部124から挿入する態様で溶湯検知センサー82を取付孔120に挿入してホルダー88を取付孔120に嵌め込めばよい。従来のように、溶湯検知センサーが一方向に延びた形状ではない場合は、固定金型を半割にし、溶湯検知センサーを半割により露出した固定金型の凹部に嵌め込み、半割りの固定金型同士を結合させる作業を行なう必要があった。しかし、本実施形態では、固定金型14を半割にする必要はなく、一直線となる取付孔120を形成し、その取付孔120に溶湯検知センサー82を嵌め込むだけでよいので取り付け作業を容易に行うことができる。
【0061】
本実施形態の溶湯検知センサー82を取付孔120に装着すると、ホルダー88が固定金型14を介してリード線126と電気的に接続する。そして溶湯22が電極棒96、ホルダー88に同時に接触すると、電極棒96とホルダー88との間が短絡する。これによりリード線114が短絡電位となるため、この短絡電位を入口センサー42の第1検知信号、出口センサー44の第2検知信号とすることができる。
【0062】
本実施形態において、物理量情報表示部58は、時間的に連続な連続情報(物理量の情報)を時間方向の座標を用いてモニター54に表示する連続情報表示部となっている。また、充填開始情報、充填終了情報等は、連続情報表示部(物理量情報表示部58)が連続情報(物理量の情報)を表示している間にカーソル表示部60に入力されるトリガ情報である。よってカーソル表示部60は、トリガ情報を、時間方向の座標に直交する座標に沿って延び、且つ連続情報(物理量の情報)が表わすモニター54上の曲線に交差する仕切り線として時間方向の座標に対応してモニター54に表示するものとなっている。これにより、背景色表示部62は、モニター54上のカーソルの位置をトリガ情報により識別するものとなっており、仕切り線を境界としてその背景色の情報を互いに異ならせた情報に変更して時間方向の座標に対応してモニター54に表示するものとなっている。上記構成により、トリガ情報(充填開始情報、充填終了情報等)を境として連続情報(物理量の情報)が表示されたモニター54の背景色を変えることができるので、連続情報とトリガ情報との関係をモニター54において容易に視認することができる。
【産業上の利用可能性】
【0063】
キャビティ内のガス圧、溶湯の圧力及び温度等の物理量の時間的推移と充填開始時間及び充填終了時間との関係を視覚的に容易に確認可能なモニター表示手段、及びこれを用いた成型装置、モニター表示方法として利用できる。
【符号の説明】
【0064】
10………ダイカスト装置、12………金型、14………固定金型、16………可動金型、18………キャビティ、20………溶湯射出装置、22………溶湯、24………ゲート、26………ランナー、28………スリーブ、30………プランジャ、32………ガス抜き路、34………弁体、36………駆動手段、38………開放検出スイッチ、40………遮断検出スイッチ、42………入口センサー、44………出口センサー、46………検出キャビティ、48………金型内部情報計測センサー、50………PC、52………ドライバー、54………モニター、56………モニター表示手段、58………物理量情報表示部、60………カーソル表示部、62………背景色表示部、64………第1カーソル、66………第1カーソル、68………第2カーソル、70………第2カーソル、72………第1領域、74………第2領域、76………制御部、78………演算部、80………フィードバック制御部、82………溶湯検知センサー、88………ホルダー、90………開口部、92………凹部、94………貫通孔、96………電極棒、98………フランジ部、100………雄ネジ部、102………碍子、104………挿通孔、106………ザグリ、108………碍子、110………座金、112………ナット、114………リード線、116………保護チューブ、118………ナット、120………取付孔、122………壁面、124………開口部、126………リード線。