特許第6134965号(P6134965)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6134965
(24)【登録日】2017年5月12日
(45)【発行日】2017年5月31日
(54)【発明の名称】タッチパネル装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/041 20060101AFI20170522BHJP
   G06F 3/044 20060101ALI20170522BHJP
【FI】
   G06F3/041 430
   G06F3/044 120
【請求項の数】2
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2013-59534(P2013-59534)
(22)【出願日】2013年3月22日
(65)【公開番号】特開2014-186428(P2014-186428A)
(43)【公開日】2014年10月2日
【審査請求日】2016年2月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001339
【氏名又は名称】グンゼ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100143085
【弁理士】
【氏名又は名称】藤飯 章弘
(72)【発明者】
【氏名】山田 勉
(72)【発明者】
【氏名】西山 孝司
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 隆
(72)【発明者】
【氏名】洞出 直樹
(72)【発明者】
【氏名】高屋 麻奈美
【審査官】 酒井 優一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−210176(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3179322(JP,U)
【文献】 特開平09−074258(JP,A)
【文献】 特開2013−050781(JP,A)
【文献】 特開2011−221938(JP,A)
【文献】 特開2007−083707(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0026659(US,A1)
【文献】 特開2012−190087(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/041
G06F 3/044
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
誘電体層の一方面側に配置される第1導電体層、及び、前記誘電体層の他方面側に配置される第2導電体層を有するタッチパネルと、前記第1導電体層及び前記第2導電体層に接続するフレキシブル配線板とを備えるタッチパネル装置であって、
前記第1導電体層は、間隔をあけて配置される複数の第1電極部と、前記各第1電極部に一方端が個別に接続する複数の第1引き出し配線とを備え、
前記第2導電体層は、間隔をあけて配置される複数の第2電極部と、前記各第2電極部に一方端が個別に接続する複数の第2引き出し配線とを備え、
平面視において、前記タッチパネルの一の側縁部には、前記複数の第1引き出し配線の他方端が一纏まりに集積された第1配線集積部と、前記複数の第2引き出し配線の他方端が一纏まりに集積された第2配線集積部とが、互いに隣接して配置されており、
前記フレキシブル配線板は、前記第1配線集積部及び前記第2配線集積部に電気的に接続する端子と、前記タッチパネルの側方から外部へ引き出されるフレキシブル配線本体とを備えており、
前記端子は、前記フレキシブル配線本体の一方端において前記フレキシブル配線本体に一体的に連結し、前記第1配線集積部に重ね合わせて配置される第1端子部と、前記第1端子部の側方に接続し前記フレキシブル配線本体の側縁よりも外方に張り出して、前記第2配線集積部に重ね合わせて配置される第2端子部とを備え、
前記第2端子部は、前記フレキシブル配線本体の側縁に接続し、前記第2配線集積部が配置される前記タッチパネルの一の側縁部における側縁と略面一となる面一側縁と、前記面一側縁に対向配置され、前記第2端子部の張り出し方向に向かうにつれて前記面一側縁との間隔が狭くなるように傾斜する傾斜側縁とを備えており、
前記各第2引き出し配線の他方端は、それぞれ所定間隔をあけて配置されており、
前記第2端子部には、前記各第2引き出し配線の他方端のそれぞれに対応して該他方端に重ね合わせられる先端部を有する複数の導体線が形成されており、
前記第2引き出し配線の他方端、及び、前記導体線の先端部は、前記第2配線集積部が形成される前記タッチパネルの一の側縁部における側縁に対して、傾斜するように構成されているタッチパネル装置。
【請求項2】
前記各第2引き出し配線の他方端、及び、当該各他方端に対応する前記各導体線の先端部との各組み合わせにおいて、前記各組み合わせは、前記第2端子部の張り出し方向に沿って配置されると共に、前記第2端子部における傾斜側縁に対して略垂直となるように形成されている請求項1に記載のタッチパネル装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチパネル装置に関する。
【背景技術】
【0002】
入力位置を検出するためのタッチパネル装置の構成は、従来から種々検討されているが、一例として静電容量式のタッチパネル装置が知られている。例えば、特許文献1や特許文献2に開示されたタッチパネル装置は、それぞれ所定のパターン形状を有する複数の導電体を備えた一対の基板の間に誘電体層が介在されて構成されるタッチパネルを有している。また、タッチパネルにおいては、各基板に形成される複数の導電体の端部のそれぞれに、一方端が接続する引き回し配線が基板の周縁部に形成されており、図10のタッチパネル分解斜視図に示すように、これら各引き出し配線の他方端101,102は、各基板の側縁部103,104の所定個所に一纏まりとなるように配置されている。各引き出し配線の他方端101,102は、タッチパネル平面視において、図11のタッチパネル要部拡大平面図に示すように、一纏まりに集められて配置されるタッチパネルの側縁105に対して垂直となるように形成されている。このようなタッチパネル装置は、一纏まりに配置される引き出し配線の各他方端101,102に、フレキシブル配線板の端子を電気的に接続することにより、タッチ信号を外部のタッチ位置判別用回路に導いてタッチ位置を検出できるように構成されている。
【0003】
このようなタッチパネル装置においては、タッチパネル全域に対するタッチ領域の割合を大きく設定するために、引き出し配線が配置されるタッチパネルの周縁部領域を極力狭くすること(狭額縁化)が望まれている。かかる要望を実現するためには、フレキシブル配線板の端子と各引き出し配線の他方端との接続領域(重ね合わせ領域)を減じる必要があり、これに伴いタッチパネルの側縁部に配置されるフレキシブル配線板の端子も小型化する必要が生じる。また、フレキシブル配線板の本体部分(タッチパネルの側方に引き出される部分;フレキシブル配線本体)のスリム化も望まれている。
【0004】
そこで、従来においては、フレキシブル配線本体の一方端において接続される端子のタッチパネルへの差し込み長さを極力小さくしてタッチパネルの狭額縁化を図りつつ、フレキシブル配線本体も幅狭とするために、図11に示すように、幅狭に形成されたフレキシブル配線本体111の一方端において接続される端子112を、該本体111の側方に張り出す形状となるように形成している。端子112は、その先端縁が、取り付けられるタッチパネルの側縁部における側縁と平行となるように形成されている。また、フレキシブル配線板110の端子近傍部分には、図13に示すようにフレキシブル配線板110をタッチパネル100に設置した場合において、タッチパネル100の外側にはみ出す略三角形状のはみ出し部113(図中、一点鎖線で囲っている部分)が形成され、当該はみ出し部113に、端子112の張り出し部112aに導かれる導体線115を配置するように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−173238号公報(図1図5
【特許文献2】国際公開番号WO2011/111748号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述したタッチパネル装置は、タッチパネルを液晶表示装置やCRTなどの表面に装着して用いられるが、その際に、フレキシブル配線板は屈曲されてタッチ位置判別用回路に接続される。フレキシブル配線板の屈曲に伴って、フレキシブル配線板の端子とタッチパネルとの接続箇所において、端子が剥離されるような力が生じ、引き出し配線上に固定したフレキシブル配線板の端子が剥離し易いという問題があった。このような場合、フレキシブル配線板と引き出し配線との安定的な導通状態を維持することが困難になってしまい、タッチ位置の検出を行うことが困難となる。
【0007】
また、フレキシブル配線板の端子近傍部分には、タッチパネルの外側にはみ出す略三角形状のはみ出し部が形成されているため、コンパクト性に欠け、また、タッチパネル装置を液晶表示装置やCRTなどの表面に装着する際、当該はみ出し部が邪魔となり、製品設計上の制約となったり、装着作業の作業性を低下させるという問題もあった。
【0008】
本発明は、かかる問題を解決すべくなされたものであって、引き出し配線上に固定されるフレキシブル配線板が剥離しにくく、かつ、コンパクト性を向上させることができるタッチパネル装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の上記目的は、誘電体層の一方面側に配置される第1導電体層、及び、前記誘電体層の他方面側に配置される第2導電体層を有するタッチパネルと、前記第1導電体層及び前記第2導電体層に接続するフレキシブル配線板とを備えるタッチパネル装置であって、前記第1導電体層は、間隔をあけて配置される複数の第1電極部と、前記各第1電極部に一方端が個別に接続する複数の第1引き出し配線とを備え、前記第2導電体層は、間隔をあけて配置される複数の第2電極部と、前記各第2電極部に一方端が個別に接続する複数の第2引き出し配線とを備え、平面視において、前記タッチパネルの一の側縁部には、前記複数の第1引き出し配線の他方端が一纏まりに集積された第1配線集積部と、前記複数の第2引き出し配線の他方端が一纏まりに集積された第2配線集積部とが、互いに隣接して配置されており、前記フレキシブル配線板は、前記第1配線集積部及び前記第2配線集積部に電気的に接続する端子と、前記タッチパネルの側方から外部へ引き出されるフレキシブル配線本体とを備えており、前記端子は、前記フレキシブル配線本体の一方端において前記フレキシブル配線本体に一体的に連結し、前記第1配線集積部に重ね合わせて配置される第1端子部と、前記第1端子部の側方に接続し前記フレキシブル配線本体の側縁よりも外方に張り出して、前記第2配線集積部に重ね合わせて配置される第2端子部とを備え、前記第2端子部は、前記フレキシブル配線本体の側縁に接続し、前記第2配線集積部が配置される前記タッチパネルの一の側縁部における側縁と略面一となる面一側縁と、前記面一側縁に対向配置され、前記第2端子部の張り出し方向に向かうにつれて前記面一側縁との間隔が狭くなるように傾斜する傾斜側縁とを備えており、前記各第2引き出し配線の他方端は、それぞれ所定間隔をあけて配置されており、前記第2端子部には、前記各第2引き出し配線の他方端のそれぞれに対応して該他方端に重ね合わせられる先端部を有する複数の導体線が形成されており、前記第2引き出し配線の他方端、及び、前記導体線の先端部は、前記第2配線集積部が形成される前記タッチパネルの一の側縁部における側縁に対して、傾斜するように構成されているタッチパネル装置により達成される。
【0011】
また、前記各第2引き出し配線の他方端、及び、当該各他方端に対応する前記各導体線の先端部との各組み合わせにおいて、前記各組み合わせは、前記第2端子部の張り出し方向に沿って配置されると共に、前記第2端子部における傾斜側縁に対して略垂直となるように形成されていることが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、引き出し配線上に固定されるフレキシブル配線板が剥離しにくく、かつ、コンパクト性を向上させることができるタッチパネル装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の一実施形態に係る静電容量式のタッチパネル装置の概略断面模式図である。
図2】(a)は図1に示す静電容量式のタッチパネルの一部を示す平面図であり、(b)は、図1に示す静電容量式のタッチパネルの他の一部を示す平面図である。
図3】(a)(b)は、図1の変形例を示す概略断面模式図である。
図4】(a)は、図2(a)の変形例を示す平面図であり、(b)は図2(b)の変形例を示す平面図である。
図5】タッチパネルの要部拡大平面図である。
図6】本発明に係るタッチパネル装置が有するフレキシブル配線板を示す平面図である。
図7】フレキシブル配線板の端子をタッチパネルに設置した状態を示す要部拡大平面図である。
図8】第2端子部における傾斜側縁の傾斜角度算出例を説明するための模式図である。
図9】本発明に係るタッチパネル装置が有するフレキシブル配線板の変形例を示す平面図である。
図10】従来のタッチパネル構成を説明する分解斜視図である。
図11】従来のタッチパネルの要部拡大平面図である。
図12】タッチパネルに接続する従来のフレキシブル配線板の平面図である。
図13】フレキシブル配線板をタッチパネルに設置した状態を示す要部拡大平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実態形態について添付図面を参照して説明する。尚、各図面は、構成の理解を容易にするため、各構成要素を実寸比ではなく部分的に拡大又は縮小している。
【0015】
図1は、本発明の一実施形態に係るタッチパネル装置の概略断面模式図である。このタッチパネル装置100は、例えば、パソコン、銀行端末(キャッシュディスペンサー)、券売機、OA機器、電子手帳、PDA、携帯電話等の表示装置に取り付けられて使用される静電容量式のタッチパネル装置であり、誘電体層3の一方面側に配置される第1導電体層1、及び、誘電体層3の他方面側に配置される第2導電体層2を有するタッチパネル10と、第1導電体層1及び第2導電体層2に接続するフレキシブル配線板9とを備えている。
【0016】
本実施形態におけるタッチパネル装置100の構成においては、第1導電体層1は、図1の断面図や図2(a)の平面図に示すように、第1基板Z1の一方面側に、所定の間隔をあけて並列に複数配置される帯状の第1電極部11と、各第1電極部11に一方端が個別に電気的に接続する複数の第1引き出し配線12とを備えている。また、第2導電体層2は、図1の断面図や図2(b)の平面図に示すように、第2基板Z2の一方面側に、所定の間隔をあけて並列に複数配置される帯状の第2電極部21と、各第2電極部に一方端が個別に電気的に接続する複数の第2引き出し配線22とを備えている。
【0017】
第1導電体層1と第2導電体層2とは、第1電極部11及び第2電極部21の各長手方向が、平面視において交差するように配設して積層されている(本実施形態においては、第1電極部11及び第2電極部21の各長手方向が、平面視において互いに直交するように積層されている)。また、第1導電体層1と第2導電体層2とは、図1に示すように第2電極部21及び第1基板Z1の他方面側(第1電極部11が形成されていない面側)が互いに離間して対向するようにして、粘着層4を介して貼着されている。ここで、図1に示すタッチパネル装置100においては、粘着層4と第1基板Z1との積層構造物が、誘電体層3を形成するように構成されている。なお、粘着層4は、エポキシ系やアクリル系など、一般的な透明接着剤を用いることができ、ポリエステル系樹脂の透明性フィルムからなる芯材を含むものであってもよい。また、シート状粘着材を複数枚重ね合わせることにより粘着層4を形成してもよく、更に、複数種類のシート状粘着材を重ね合わせて形成してもよい。粘着層4の厚みは、特に指定はないが、実用上では20μmから500μmであることが好ましい。
【0018】
また、図1におけるタッチパネル装置100の構成においては、第1導電体層1及び第2導電体層2は、第2電極部21及び第1基板Z1の他方面側(第1電極部11が形成されていない面側)が互いに対向するようにして貼着されているが、このような形態に限定されず、例えば、図3(a)に示すように、第1電極部11及び第2電極部21が、互いに対向するようにして粘着層4aを介して貼着してもよい。このような構成の場合、粘着層4aが、誘電体層3を構成することとなる。また、図3(b)に示すように、透明基板Zの一方面側に第1導電体層1を形成すると共に、他方面側に第2導電体層2を形成するように構成してもよい。このような構成の場合には、透明基板Zが誘電体層3を構成することとなる。
【0019】
銀行端末や券売機、パソコン等の表示装置へのタッチパネル装置100の取り付けに際しては、例えば、図1に示すように、第1基板Z1の一方面側(第1電極部11が形成されている面側)に防汚シート等のフィルム体5を透明な粘着層6を介して重ね合わせた上、当該フィルム体5の露出面がタッチ面となるように、透明な粘着層7を介して表示装置8に取り付けられる。
【0020】
第1基板Z1及び第2基板Z2は、高い誘電率を有し、透明性が高い材料からなることが好ましく、具体的には、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリイミド(PI)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリカーボネート(PC)、ポリプロピレン(PP)、ポリアミド(PA)、ポリアクリル(PAC)、アクリル、非晶質ポリオリフィン系樹脂、環状ポリオリフィン系樹脂、脂肪族環状ポリオレフィン、ノルボルネン系の熱可塑性透明樹脂などの可撓性フィルムやこれら2種以上の積層体、或いは、ソーダガラス、無アルカリガラス、ホウケイ酸ガラス、石英ガラスなどのガラス板などを挙げることができる。第1基板Z1及び第2基板Z2の厚みは、20〜500μm程度が好ましい。また、第1基板Z1及び第2基板Z2の片面又は両面には、ペンや指が前記表面に接触することがある場合には、透明性、耐擦傷性、耐摩耗性、ノングレア性等向上のため、ハードコート加工を施してもよい。
【0021】
また、可撓性を有する材料から第1基板Z1及び第2基板Z2を形成する場合、当該第1基板Z1及び第2基板Z2に剛性を付与するために支持体やカバー体を貼着してもよい。支持体やカバー体としては、ガラス板や、ガラスに準ずる硬度を有する樹脂材料を例示することができ、その厚さは100μm以上であることが好ましく、0.2mm〜2.0mmであることがより好ましい。
【0022】
また、第1基板Z1及び第2基板Z2を形成する場合、予め表面(一方面側;第1導電体層1や第2導電体層2が形成される面側)に透明性や密着性等を向上させる為のアンダーコート層を設けるようにして第1基板Z1及び第2基板Z2を構成してもよい。アンダーコート層の材料としては、酸化珪素、酸化チタン、酸化錫などの金属酸化物を例示することできる。このような金属酸化物からなる薄膜層を、スパッタリング法、抵抗蒸着法、或いは、電子ビーム蒸着法などにより、第1基板Z1及び第2基板Z2の表面に形成することによりアンダーコート層を構成することができる。また、アンダーコート層は、光屈折率が異なる2以上の薄膜層を積層することにより構成することもできる。特に、特開2010-208169等に記載されるようなインデックスマッチング機能を有するアンダーコート層とした場合、透明導電膜のある部分(電極部11、21)と無い部分との光学特性の差が小さくなるため、視認性がより改善される。
【0023】
第1基板Z1及び第2基板Z2の一方の主面上にそれぞれ形成される第1電極部11及び第2電極部21は、図2(a)(b)に示すように、それぞれ所定間隔をあけて互いに平行に延びるように帯状に形成されているが、第1電極部11及び第2電極部21のパターン形状は、本実施形態のものに限定されず、指などの接触ポイントを検出可能である限り任意の形状とすることが可能である。例えば、第1電極部11及び第2電極部21の形状として、図4(a)(b)に示すように、複数の菱形状電極体が直線状に連結された構成とすることができる。このような構成を採用する場合、第1電極部11及び第2電極部21における菱形状電極部の連結方向が互いに直交し、且つ、平面視において上下の菱形状電極部が重なり合わないように配置する。タッチパネルの分解能などの動作性能については、第1導電体層1と第2導電体層2とを重ね合わせた場合に、第1電極部11及び第2電極部21が存在しない領域を少なくする構成を採用する方が優れている。このような観点から、第1電極部11及び第2電極部21のパターン形状として、矩形状の構成よりも、複数の菱形状電極体が直線状に連結された構成の方が望ましい。但し、本実施形態のものに限定されず、適切なパターン形状が選択されうる。
【0024】
第1電極部11及び第2電極部21の材料としては、インジウム錫酸化物(ITO)、酸化インジウム、アンチモン添加酸化錫、フッ素添加酸化錫、アルミニウム添加酸化亜鉛、ガリウム添加酸化亜鉛、シリコン添加酸化亜鉛や、酸化亜鉛−酸化錫系、酸化インジウム−酸化錫系、酸化亜鉛−酸化インジウム−酸化マグネシウム系、酸化亜鉛、スズ酸化膜等の透明導電材料、或いは、スズ、銅、アルミニウム、ニッケル、クロムなどの金属材料、金属酸化物材料を例示することができ、これら2種以上を複合して形成してもよい。また、酸やアルカリに弱い金属単体でも導電材料として使用できる。
【0025】
また、カーボンナノチューブやカーボンナノホーン、カーボンナノワイヤ、カーボンナノファイバー、グラファイトフィブリルなどの極細導電炭素繊維や銀素材からなる極細導電繊維をバインダーとして機能するポリマー材料に分散させた複合材を第1電極部11及び第2電極部21の材料として用いることもできる。ここでポリマー材料としては、ポリアニリン、ポリピロール、ポリアセチレン、ポリチオフェン、ポリフェニレンビニレン、ポリフェニレンスルフィド、ポリp−フェニレン、ポリ複素環ビニレン、PEDOT:poly(3,4-ethylenedioxythiophene)などの導電性ポリマーを採用することができる。また、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリカーボネート(PC)、ポリプロピレン(PP)、ポリアミド(PA)、アクリル、ポリイミド、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、脂肪族環状ポリオレフィン、ノルボルネン系の熱可塑性透明樹脂などの非導電性ポリマーを採用することができる。
【0026】
第1電極部11及び第2電極部21の形成方法は、スパッタリング法、真空蒸着法、イオンプレーティング法などのPVD法や、CVD法、塗工法、印刷法などを例示することができる。また、第1電極部11及び第2電極部21の厚みは、例えばスパッタリング法でITO膜を成膜する場合は、5nm以上が好ましく、60nm以下であることが好ましく、また視認性の観点からは40nm以下であることがより好ましい。なお、膜厚が5nm以下では連続した膜になり難く、安定な導電層を形成することは困難である。
【0027】
第1電極部11及び第2電極部21のパターニングは、第1基板Z1及び第2基板Z2上に形成されたITO膜等の表面に、所望のパターン形状を有するマスク部を形成して露出部分を酸液などでエッチング除去した後、アルカリ液などによりマスク部を溶解させて行うことができる。
【0028】
第1電極部11に電気的に接続する第1引き出し配線12や、第2電極部21に電気的に接続する第2引き出し配線22は、第1電極部11及び第2電極部21が検出したタッチ信号を、フレキシブル配線板9を介して、外部に配置されるタッチ位置判別用回路(図示せず)に導くためのものである。図2(a)の平面図に示すように、各第1引き出し配線12の一方端121は、各第1電極部11の端部に個別に接続し、他方端122は、第1基板Z1の一の側縁部に配置されている。各第1引き出し配線12の一方端121と他方端122との間の領域部分123は、第1基板Z1の周縁に沿うように引き回されて形成されている。第1基板Z1の一の側縁部に配置される各第1引き出し配線12の他方端122は、所定間隔をあけて一纏まりに集積されて、後述のフレキシブル配線板9の端子91における第1端子部91aが接続する第1配線集積部12aを構成する。なお、各第1引き出し配線12は、互いに所定間隔をあけて平行となるように形成されている。
【0029】
同様に、図2(b)の平面図に示すように、各第2引き出し配線22の一方端221は、各第2電極部21の端部に個別に接続し、他方端222は、第2基板Z2の一の側縁部に配置されている。各第2引き出し配線22の一方端221と他方端222との間の領域部分223は、第2基板Z2の周縁に沿うように引き回されて形成されている。第2基板Z2の一の側縁部に配置される各第2引き出し配線22の他方端222は、所定間隔をあけて一纏まりに集積されて、後述のフレキシブル配線板9の端子91における第2端子部91bが接続する第2配線集積部22aを構成する。なお、各第2引き出し配線22は、互いに所定間隔をあけて平行となるように形成されている。
【0030】
これら第1配線集積部12a及び第2配線集積部22aは、第1導電体層11が形成される第1基板Z1と、第2導電体層21が形成される第2基板Z2とを重ね合わせてタッチパネル10を形成する際に、図5の要部拡大図に示すように、当該タッチパネルの平面視において、タッチパネルの同一の一の側縁部Tにて、互いに隣接して配置されるように構成されている。
【0031】
第1引き出し配線12及び第2引き出し配線22の形成方法は、(A)銀などの金属の導電性粒子を含む導電性ペーストを第1及び第2基板Z1,Z2上にスクリーン印刷する方法、(B)銅などの金属箔を第1及び第2基板Z1,Z2上に積層し、金属箔の上にレジストパターンを形成し、金属箔をエッチングする方法(特開2008−32884等参照)が挙げられる。また、第1及び第2引き出し配線12,22を上述の第1電極部11及び第2電極部21と同様の材料(インジウム錫酸化物(ITO)や導電性ポリマー等)により形成してもよい。第1及び第2引き出し配線12,22を第1電極部11及び第2電極部21と同じ材料で形成する場合、第1電極部11及び第2電極部21のパターニング手法と同手法や、上記(B)の形成方法、レーザー照射により不要な領域を除去する方法等を採用することができる。
【0032】
上記(A)の形成方法における導電性粒子としては、銀を主成分とする微粒子を挙げることができる。また、例えば、金、銀、銅、金と銀の合金、金と銅の合金、銀と銅の合金、金と銀と銅の合金のいずれか一を主成分とする微粒子でもよい。また、インジウム錫酸化物(ITO)、酸化インジウムに酸化亜鉛を混合した導電性酸化物(IZO[indium
zinc oxide])、または酸化インジウムに酸化珪素を混合した導電性酸化物(ITSO)を主成分とする微粒子でもよい。
【0033】
また、第1及び第2引き出し配線12,22の形成方法は、上記(A)(B)の形成方法に限定されることはなく、上記(A)以外のグラビア印刷などの印刷方法や上記(B)以外のフォトリソグラフィやインクジェットなどを使用してもよい。
【0034】
フレキシブル配線板9は、フィルム状で柔軟性があり、自由に曲げることのできる配線板であり、タッチパネルにおける第1導電体層1及び第2導電体層2に電気的に接続し、第1電極部11及び第2電極部21が検出したタッチ信号を外部に配置されるタッチ位置判別用回路(図示せず)に導くためのものである。本実施形態におけるフレキシブル配線板9は、図6に示すように、第1配線集積部12a及び第2配線集積部22aに電気的に接続する端子91と、タッチパネルの側方から外部へ引き出される長尺状のフレキシブル配線本体92とを備えている。
【0035】
端子91は、フレキシブル配線本体92の一方端において当該フレキシブル配線本体92に一体的に連結し、第1配線集積部12aに重ね合わせて配置される第1端子部91aと、第1端子部91aの側方に接続してフレキシブル配線本体92の側縁よりも外方に張り出して、第2配線集積部22aに重ね合わせて配置される第2端子部91bとを備えている。第2端子部91bとの境界近傍の第1端子部91aにおける先端部には、所定形状のスリット91cが形成されており、当該スリット91cにて第1基板Z1を挟み込むようにして、第1端子部91aと第1配線集積部12aとが重なるように、また、第2端子部91bと第2配線集積部22aとが重なるように取り付けられる。なお、第1端子部91a及び第2端子部91bは、絶縁性の高い接着剤中に導電粒子を均一分散させた異方性導電接着剤を介して、それぞれ第1配線集積部12a及び第2配線集積部22aに接続される。異方性導電接着剤としては、例えば、液体状であってもよく、或いは、シート状に構成したものであってもよい。
【0036】
ここで、図6や、フレキシブル配線板9の端子91をタッチパネルに設置した状態を示す図7の要部拡大平面図に示すように、第1端子部91aの先端縁は、当該第1端子部91aが設置されるタッチパネルの一の側縁部における側縁Tと略平行となるように構成されている。また、第1端子部91aには、各第1引き出し配線12の他方端122のそれぞれに対応して該他方端122に重ね合わせられる複数の導体線93の先端部93aが配置されている第1端子部91aにおける導体線93の先端部93aは、第1配線集積部12aが形成されるタッチパネルの一の側縁部における側縁Tに対して、略垂直となるように構成されている。なお、各第1引き出し配線12の他方端122は、対応する第1端子部91aにおける各導体線93の先端部93aと重ね合わされるものであるため、対応する第1端子部91aにおける各導体線93の先端部と平行となるように構成されている。
【0037】
また、第2端子部91bの形状について説明すると、図6や、フレキシブル配線板9の端子91をタッチパネルに設置した状態を示す図7の要部拡大図に示すように、面一側縁94と、当該面一側縁94に対向配置される傾斜側縁95とを備えている。面一側縁94は、フレキシブル配線本体92の側縁92aに接続し、第2配線集積部22aが配置されるタッチパネルの一の側縁部における側縁Tと略面一となるように構成されている。傾斜側縁95は、タッチパネル10の内側に配置されており、第2端子部91bの張り出し方向(図6及び図7における右側方向)に向かうにつれて面一側縁94との間隔が狭くなるように傾斜している。
【0038】
また、第2端子部91bには、各第2引き出し配線22の他方端222のそれぞれに対応して該他方端222に重ね合わせられる先端部96aを有する複数の導体線96が形成されている。第2端子部91bにおける導体線96の先端部96aは、第2配線集積部22aが形成されるタッチパネルの一の側縁部における側縁Tに対して、傾斜するように構成されている。なお、各第2引き出し配線22の他方端222は、対応する第2端子部91bにおける各導体線96の先端部96aと重ね合わされるものであるため、対応する第2端子部91bにおける各導体線96の先端部96aと平行となるように構成されている。また、本実施形態においては、各第2引き出し配線22の他方端222、及び、当該各他方端222に対応する第2端子部91bにおける各導体線96の先端部96aとの各組み合わせにおいて、当該各組み合わせは、第2端子部91bの張り出し方向(図6及び図7における右側方向)に沿って配置されると共に、第2端子部91bにおける傾斜側縁95に対して略垂直となるように形成されている。第2端子部91bにおける傾斜側縁95に対して垂直となる場合、各第2引き出し配線22の他方端222と、各導体線96の先端部96aとを重ね合わせて接合するための幅を最も広くとれるため好ましい。
【0039】
また、第2端子部91bの張り出し方向(図6及び図7における右側方向)に向かうにつれて面一側縁94との間隔が狭くなるように傾斜して形成される傾斜側縁95の、タッチパネルの一の側縁部における側縁Tに対する傾斜角度は、適宜設定することが可能であるが、例えば、第2端子部91bにおける導体線96の配線ピッチと、各導体線96の先端部96aのピッチとの関係から決定することが好ましい。つまり、図8の模式図に示すように、第2端子部91bにおける導体線96の配線ピッチをAμmとし、各導体線96の先端部96aのピッチをBmmとした場合、傾斜側縁95の傾斜角度(図8におけるθに相当)が、sin(θ)=A/Bという関係式を満たすように、傾斜角度θを設定することが好ましい。なお、第2端子部91bにおける導体線96の配線ピッチは、例えば、80μm〜300μmの範囲に設定することが好ましい。また、各導体線96の先端部96aのピッチは、例えば、0.3mm〜2.0mmの範囲に設定することが好ましい。
【0040】
以上の構成を備えるタッチパネル装置100において、タッチ位置の検出方法は、従来の静電容量式のタッチパネル装置と同様であり、第1基板Z1の表面側(露出面側)における任意の位置を指などで触れると、第1電極部11及び第2電極部21は接触位置において人体の静電容量を介して接地され、第1電極部11及び第2電極部21を流れる電流値を検出することにより、接触位置の座標が演算される。
【0041】
本発明に係るタッチパネル装置100は、タッチパネル10と接続するフレキシブル配線板9の端子91が、フレキシブル配線本体92の側縁92aに接続し、第2配線集積部22aが配置されるタッチパネル10の一の側縁部における側縁Tと略面一となる面一側縁94と、面一側縁94に対向配置され、第2端子部91bの張り出し方向に向かうにつれて面一側縁94との間隔が狭くなるように傾斜する傾斜側縁95とを備える第2端子部91bを有するように構成されている。このような構成により、タッチパネルにおいて引き出し配線12,22が配置される周縁部領域を拡大することなく、タッチパネルに対する第2端子部91bの差し込み長さを大きくすることができる。つまり、第2端子部91bとタッチパネル10との接合面積を増加させることができることとなり、その結果、第2端子部91bとタッチパネル10との接合状態を良好なものとすることができ、フレキシブル配線板9を屈曲させることにより、端子91を剥離するような力が第2端子部91bとタッチパネル10との接合部分に生じたとしても、端子91が剥離することを効果的に防止することができる。
【0042】
また、タッチパネルに対する第2端子部91bの差し込み長さを大きくすることができる結果、例えば、第2端子部91bとタッチパネル10との接合面積を従来と同程度の面積とする場合であっても、第2端子部91bとタッチパネル10との接合個所を、従来のフレキシブル配線板を用いた場合よりも、より一層タッチパネル10の内部側に配置することができる。すなわち、第2端子91bとタッチパネル10との接合個所とフレキシブル配線板9を屈曲箇所との距離を離すことができる。これにより、第2端子部91bとタッチパネル10との接合個所に対するフレキシブル配線板9の屈曲による影響(端子91を剥離するような力の影響)を小さくすることができ、端子91が剥離することを効果的に防止することができる。
【0043】
また、第2配線集積部22aにおける第2引き出し配線22の他方端222に重ねるために第2端子部91b(張り出し部)に設けられる導体線96に関し、図6図7に示すように、その先端部96aとフレキシブル配線本体92に配置される本体部96bとの間に配置される中間部96cを、第2端子部91bの内部に配置することができるため、従来のフレキシブル配線板9が有していた三角形状のはみ出し部が形成されないように構成でき、フレキシブル配線板9のスリム化を図ることが可能となる。また、三角形状のはみ出し部が形成されないように構成できることにより、フレキシブル配線板9を屈曲させる際の屈曲の影響が三角形状のはみ出し部を介して第2端子部91b(張り出し部)に伝播することがなくなるため、第2端子部91bがタッチパネルから剥離することをより一層効果的に防止することができる。
【0044】
また、三角形状のはみ出し部が形成されないように構成できることにより、タッチパネルの側方から引き出されるフレキシブル配線本体92の根元部分の両側において、タッチパネルの表裏面に亘って貼着されるテープ状の粘着剤等の補強テープを設けることが可能となる。かかる補強テープは、第1端子部91aの側方から張り出す第2端子部91bの基部近傍位置に設けられるため、タッチパネルに対する端子91の浮き上がりを効果的に抑制し、端子91がタッチパネルから剥離することを効果的に防止することができる。
【0045】
また、本実施形態においては、各第2引き出し配線22の他方端222は、それぞれ所定間隔をあけて配置されており、第2端子部91bには、各第2引き出し配線22の他方端222のそれぞれに対応して該他方端222に重ね合わせられる先端部96aを有する複数の導体線96が形成されており、第2引き出し配線22の他方端222、及び、第2引き出し配線22の他方端222に重ねられる導体線96の先端部96aは、第2配線集積部22aが形成されるタッチパネル10の一の側縁部における側縁Tに対して、傾斜するように構成されている。このような構成を採用する場合、例えば、第2引き出し配線22の他方端222、及び、各第2引き出し配線22の他方端222のそれぞれに対応して該他方端222に重ね合わせられる導体線96の先端部96aとが、第2配線集積部22aが形成されるタッチパネルの一の側縁部における側縁Tに対して、略垂直となるように構成する場合と比べて、重なり合う寸法を長く設定することが可能となり、第2引き出し配線22の他方端222、及び、当該他方端222のそれぞれに対応する導体線96の先端部96aとの接合領域を広くすることができ、両者の接合をより確実なものとすることができる。なお、本発明において、第2引き出し配線22の他方端222、及び、各第2引き出し配線22の他方端222のそれぞれに対応して該他方端222に重ね合わせられる導体線96の先端部96aとが、第2配線集積部22aが形成されるタッチパネル10の一の側縁部における側縁Tに対して、略垂直となるように構成する形態を除外するものではなく、かかる形態を採用してもよい。
【0046】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明の具体的な態様は上記実施形態に限定されない。上記実施形態においては、端子91が、フレキシブル配線本体92の一方端において当該フレキシブル配線本体92に一体的に連結する第1端子部91aと、当該第1端子部91aの一方の側方に接続しフレキシブル配線本体92の側縁よりも外方に張り出す第2端子部91bとを備える構成であるが、例えば、図9に示すように、フレキシブル配線本体92の側縁92aよりも外方に張り出す第2端子部91bを第1端子部91aの両側に設けるように構成してもよい。
【0047】
また、本実施形態においては、第1導電体層1および第2導電体層2を粘着層を介して貼着することにより、静電容量式のタッチパネル装置100を構成しているが、以下のようにして抵抗膜式のタッチパネルを構成することもできる。すなわち、スペーサーを介して所定間隔をあけて第1導電体層1及び第2導電体を対向配置することにより抵抗膜式のタッチパネルを構成することもできる。
【0048】
この抵抗膜式のタッチパネルにおけるタッチ位置の検出方法は、従来の抵抗膜式のタッチパネルと同様であり、第1基板Z1の表面側における任意の位置を指などで押圧することで、第1電極部11及び第2電極部21は接触し、その接点の抵抗値を横方向と縦方向に時分割的測定をすることで接触位置の座標が演算される。
【符号の説明】
【0049】
100 タッチパネル装置
10 タッチパネル
T タッチパネルの一の側縁部における側縁
Z1 第1透明基板
1 第1導電体層
11 第1電極部
12 第1引き出し配線
12a 第1配線集積部
122 第1引き出し配線の他方端
Z2 第2透明基板
2 第2導電体層
21 第2電極部
22 第2引き出し配線
22a 第2配線集積部
222 第2引き出し配線の他方端
3 誘電体層
4 粘着層
9 フレキシブル配線板
91 端子
91a 第1端子部
91b 第2端子部
92 フレキシブル配線本体
図1
図2
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図5
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