特許第6134987号(P6134987)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6134987
(24)【登録日】2017年5月12日
(45)【発行日】2017年5月31日
(54)【発明の名称】血栓摘出器具
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/22 20060101AFI20170522BHJP
【FI】
   A61B17/22 528
【請求項の数】13
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-510686(P2014-510686)
(86)(22)【出願日】2012年5月14日
(65)【公表番号】特表2014-519377(P2014-519377A)
(43)【公表日】2014年8月14日
(86)【国際出願番号】EP2012002060
(87)【国際公開番号】WO2012156069
(87)【国際公開日】20121122
【審査請求日】2015年5月8日
(31)【優先権主張番号】102011101522.5
(32)【優先日】2011年5月13日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】508140512
【氏名又は名称】フェノックス ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】PHENOX GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100073184
【弁理士】
【氏名又は名称】柳田 征史
(74)【代理人】
【識別番号】100090468
【弁理士】
【氏名又は名称】佐久間 剛
(72)【発明者】
【氏名】モンシュタット,ヘルマン
(72)【発明者】
【氏名】ハネス,ラルフ
(72)【発明者】
【氏名】アッシャーフェルド,ヨルグ
【審査官】 木村 立人
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2011/006013(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/22 ― 17/221
A61B 17/3207
A61F 2/01
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基本的に円筒形のステント構造(1)であって、複数のメッシュ(3,4)を有し、さらに該ステント構造(1)の近端において異なるメッシュ(3)に配された2つのコネクタ(5,5')も有するステント構造(1)、
及び
前記コネクタ(5,5')が取り付けられる結合素子(11)が備えられた誘導ワイア(2)、
を有する血栓摘出器具において、
前記ステント構造(1)の外側面(8)にわたって螺旋状またはコイル状の態様で延びるスロット(7)、及び
前記ステント構造(1)の近端において波様態様で前記スロット(7)にかかる張力印加クリップ(9)、
を特徴とする血栓摘出器具。
【請求項2】
形状記憶材料からなることを特徴とする請求項1に記載の血栓摘出器具。
【請求項3】
前記張力印加クリップ(9)の湾曲が、前記ステント構造(1)の遠端に向かう方向を指すことを特徴とする請求項1または2に記載の血栓摘出器具。
【請求項4】
前記張力印加クリップ(9)及び前記コネクタ(5,5')が、前記結合素子(11)で終端するループを形成することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の血栓摘出器具。
【請求項5】
前記ステント構造(1)の中央領域及び/または遠位領域に配された1つまたはいくつかの追加の張力印加クリップ(9)が前記血栓摘出器具に備えられることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の血栓摘出器具。
【請求項6】
前記ステント構造(1)長方形または台形の断面を有するストランドが備えられることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の血栓摘出器具。
【請求項7】
前記ステント構造(1)の前記外側面(8)が前記ストランド断面の狭いかまたは小さい辺面によって形成されることを特徴とする請求項6に記載の血栓摘出器具。
【請求項8】
前記ステント構造(1)が前記誘導ワイア(12)から、機械的、水力的、または電気化学的に、切り離され得ることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の血栓摘出器具。
【請求項9】
前記結合素子(11)が分離素子または切断素子として設計されることを特徴とする請求項8に記載の血栓摘出器具。
【請求項10】
2つの切離し場所を特徴とする請求項8に記載の血栓摘出器具。
【請求項11】
前記結合素子(11)が前記ステント構造(1)の縁部に配されることを特徴とする請求項1から10のいずれかに記載の血栓摘出器具。
【請求項12】
前記ステント構造(1)の遠端が円錐形またはトランペット形の広がりを有することを特徴とする請求項1から11のいずれかに記載の血栓摘出器具。
【請求項13】
マーカー素子を特徴とする請求項1から12のいずれかに記載の血栓摘出器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基本的に円筒形のステント構造−ステント構造は複数のメッシュ及びステント構造の近端において様々なメッシュに配された2つのコネクタのいずれをも有する−、及びコネクタが取り付けられた結合素子を備えるガイドワイアを有する、血栓摘出器具に関する。特に、血栓摘出器具は、多くは卒中発作中に患者に執行されるような、大脳領域に生じる血塊/血栓を患者に対して優しく確実な態様で取り除くことが目的とされる。
【背景技術】
【0002】
心筋梗塞、肺動脈塞栓症、末梢塞栓症、臓器塞栓症等のような血栓塞栓症は一般に閉塞血栓(以降、手短に、血塊または血栓)、すなわち、血管内に形成されてその血管を完全にまたは部分的に閉塞する、血小板、フィブリノーゲン、凝固因子等を含む粘弾性血塊によって生じる。臓器動脈の閉塞は関連組織への酸素及び栄養素の供給の遮断も生じさせる。機能喪失に関連付けられる機能代謝の障害に相接して該当組織の破壊(梗塞)をひき起こす組織代謝の不全が続く。この態様で影響を最も多く受ける臓器は心臓及び脳である。それだけではなく、四肢の動脈及び肺動脈も損なわれる。静脈の血栓及び血栓閉塞が脚及び骨盤の静脈におこることも多い。頭蓋内静脈洞の血栓閉塞症の症状進行パターンは脳組織の静脈還流の不全による深刻な大脳内出血をもたらし得る。
【0003】
血栓閉塞症にともなう症状進行パターンの深刻さ及びそのような症状の有病割合の故に、血塊/血栓の溶解または除去を目指した様々な手法が知られている。
【0004】
この状況において、血栓崩壊の達成または血塊の成長の制限が目的とされるストレプトキナーゼまたはウロキナーゼまたは抗血液凝固薬のような血栓崩壊性薬剤によりそのような患者を処置することが知られている。この種の処置方法は通常、非常に時間がかかるから、機械的な血塊または塞栓の縮小または除去を目的とする侵襲性手法と組み合わされることが多い。
【0005】
開放手術は別にして、従来手法では、侵襲性が弱いことから、経腔または血管内のカテーテル誘導介入治療の使用が益々受け容れられている。すなわち、真空発生カテーテルを用いて、または捕捉用のケージ、コイル、フックまたは同様の素子を備えるカテーテルを用いて機械的に、患者の身体から血塊を除去することが知られている。特許文献1,2及び非特許文献1を参照されたい。
【0006】
血栓処置法にともなう欠点は、妥当な所要時間枠の経過後にほとんど成功が見られないことである。既知の経腔器具は血塊の完全除去に失敗することが多く、さらに、血塊または血塊の断片が血流内に放出され、よって、アクセスまたは処置が困難でしかない、より細い血管まで進む危険がある、さらに、従来技術で既知の器具は、それらの寸法及び/または低い可撓性により、大きく屈曲している血管または脳内血管のような特に内腔が細い血管からの血塊の除去に適するには不十分でしかない。
【0007】
特許文献3により、オープンステントの形態に設計され、動脈瘤及びその他の血管奇形の処置が目的とされた、医用インプラントが知られている。誘導ワイアにより、このインプラントは適用部位に運ばれ、そこで切り放される。血塊の摘出のためにこのインプラントと誘導ワイアの組合せの、ただし、誘導ワイアからのインプラント素子の切離しは行わないことが必要とされる、使用が提案されている。しかし、この構成の欠点は、印加張力またはばね力が比較的弱いことである。血管の壁にある血塊にかかるこの器具の剪断効果は必ずしも十分ではなく、よって血塊残渣が血管内に残される。テーパ付構造(涙滴形)を介する誘導ワイアへの取付け方法の結果、特に構造の近位領域において、一層ほっそりとまたはきゃしゃになり、これは器具の効率を損なう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許第6245089B1号明細書
【特許文献2】米国特許第5171233A1号明細書
【特許文献3】国際公開2004/008991号パンフレット
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】トーマス・イー・メイヤー(Thomas E. Mayer)等,Stroke,2002年,第9巻,p.2232
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の課題は、従来技術の欠点に鑑みて、血管からの異物または血塊の摘出のための、特に、内腔が細い血管からの血塊の除去を可能にし、大きく屈曲した血管内で十分に操作可能であって、大きな有効領域を有する、器具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明にしたがえば、この課題は、ステント構造の外側面にわたって螺旋状に延びるスロットが備えられ、張力印加クリップがステント構造の近端においてスロットにかかる、初めに上述した種類の器具を提案することにより、達成される。
【0012】
本発明にしたがう器具は、ステントとして用いられる間は円筒構造をとり、この構造は複数のメッシュを有する。この構造は、2つのコネクタを介して、構造の正確な配置を可能にする誘導ワイアに取り付けられる。近端において。コネクタはメッシュ構造内に配され、誘導ワイアの遠端をなす結合素子で終端する。
【0013】
語「近位」は、本明細書に用いられるように、例えばステント構造または誘導ワイアの、処置を施している医師に最も近い側の末端または側面を表し、「遠位」は医師から離れた側の末端または側面を表す。
【0014】
ステントのメッシュ構造は、編組構造の形態で与える、すなわち個々のワイアから構成される、ことができるが、好ましくは、レーザを用いて切り出されてメッシュ構造にされる、適する直径のチューブが用いられる、切出し構造とすべきである。材料には通常金属が用いられるが、プラスチック材料も用いることができる。材料の弾性は通例のカテーテルの直径に合わせるための収縮を可能にするに十分でなければならず、さらに、カテーテルから解放されたときには、所望の規定された直径を確保するための拡張をおこさなければならない。
【0015】
鉄合金(ステンレス鋼、ばね鋼)及びコバルト−クロム合金の他に、特に形状記憶合金、例えば二元チタン−ニッケル合金(ニチノール)及び三元ニッケル−チタン−クロム合金(クロム添加合金)が、ステント材料としての使用に適している。特にニチノールは神経血管分野での自己拡張性ステント構造における適用のために知られている。
【0016】
本発明の器具は基本的に、巻き上げられて、コイル状または螺旋状の態様でステント構造の外側面にわたって延びるスロットが備えられたチューブ状物体を形成する、平坦/平面構造である。このスロットは360°の完全なコイル/螺旋を形成するように延びることができるが、例えば180°または120°の部分的コイル/螺旋をちょうど形成するように配置することもできる。ステント構造の外側面は、カテーテルから放出されたときにステントの構造は血管腔が許容するような程度にまでしか拡がることができないから、適用場所におけるスロットの幅も血管腔によって決定されているスロットの領域において広げられる。
【0017】
ステント構造を所定の位置に固定するため及びいくらかの大きさの張力を構造にかけるためにも、張力印加クリップがステント構造の近端においてスロットにかかるように用いられる。この張力印加クリップは自己拡張性構造の半径方向力を高め、さらに、スロットに沿う対向して配されたステント構造の横縁を相互に所定の位置に維持するためにはたらく。
【0018】
近端に配された張力印加クリップに加えて、本発明の血栓摘出器具には中央領域及び遠位領域に配置されるべき多くの追加の張力印加クリップも備えることができる。しかし、十分な形状回復効果を示すことができる形状記憶材料が用いられる場合には、張力印加クリップは全く無しで済ませることができる。
【0019】
本発明の血栓摘出器具の適用には、血塊自体内または血塊から離れた場所において血栓摘出器具がカテーテルから放出される適用部位まで、カテーテルを用いて運ばれる必要がある。血栓摘出器具は血管内で拡張し、血管腔に適合する。血栓摘出器具が拡がるとすぐに、あるいは血栓摘出器具が引き込まれるときに、血塊材料がメッシュ構造に捕らえられて、血栓摘出器具がカテーテル内に引き戻されるときに随伴される。まだ血管壁に付着している血管の断片はメッシュがはたらかせる剪断作用により、スロットの縁端に沿って、除去されて引きずられる。血塊はカテーテルに引き込まれ、カテーテルが取り出されるときに身体から摘出される。
【0020】
血塊の摘出のため、外側面にわたるスロットの螺旋形状は、スロットに沿うステント構造の横縁が血管壁の周に沿って接線方向に移動するという特別な利点を提供する。これは剪断効果を高める。さらに、螺旋状またはコイル状のスロットの広がりも、曲がりくねる血管パターンに血栓摘出器具が一層良く適合し得るように曲げ剛性を改善する(低める)。これは血管摘出器具の配置を容易にするだけでなく、複雑な血管構造からの血塊の摘出も容易にする。
【0021】
近位に配されたクリップは、ステント構造が近位領域においてかける半径方向力を強める。特に、クリップを備えることで、血栓摘出器具がカテーテルに引き込まれるときにおこるような、ステント構造の細りが抑えられるだけでなく、引張応力も弱められる。同時に、ステント構造のメッシュ及び遠端によって達成されるのと同じ、剥ぎ取り効果がさらにもたらされる。
【0022】
しかし、ステント構造の血管腔への最適適合を可能にする近位区域における広がり力が改善されることが特に重要である。同時に、この構成はスロットで隔てられたステント領域の相互間の変位を防止する。
【0023】
クリップ付ステント構造のカテーテルへの容易な引込みを可能にするため、張力印加クリップはステント構造の遠端の方向を指すように配される。これは、クリップの湾曲部が遠位で閉じられ、近端においてはコネクタとともに、捕捉バスケットの開口と同様の、結合素子で終端するループを形成することを意味する。
【0024】
あるいは、張力印加クリップは波様態様で、例えば、スロットの一方の側から他方の側にメッシュ構造遠端の輪郭をスロットの一方の側から他方の側にクリップがとってなぞる態様で、ステント構造のスロットにかかる。
【0025】
本発明の別形にしたがえば、本発明のステント構造は、捕捉バスケットを用いるかのように血栓材料を集める目的で、メッシュ構造を用いて遠端において閉じることができる。
【0026】
先に述べたように、本発明にしたがうステント構造はレーザを用いて円筒チューブから切り出されることが好ましい。この方法を用いれば、個々のメッシュに特別な断面、例えば、正方形、長方形または台形の断面を与えることができる。長方形及び台形の場合、断面の狭いかまたは小さい辺面を外面側または長い側に配することができる。しかし、長方形及び、特に、台形のいずれについても狭い辺面を血管壁に向けることが好ましく、そうすれば、ステント構造が拡張したときの、血塊のメッシュ構造への一層容易な侵入が可能になり、凝血塊を効率的に排除することが可能になる。
【0027】
ステント構造の近端に配されたコネクタはスロットに隣接する近位ハニカムから、ハニカムが取り付けられてハニカムが終端する、結合素子まで達する。コネクタはステント構造の一部であり、この理由のため、同じ材料からなる。
【0028】
本発明にしたがう血栓摘出器具の誘導ワイアは、血管内用途のために、特に神経放射線分野において、普通に用いられているから、通常通りにつくられる。遠位において、誘導ワイアは、コネクタの近端が取り付けられた、結合素子で終端する。
【0029】
結合素子自体は、誘導ワイア及びコネクタが収斂及び終端する、単純なスポット溶接点とすることができる。しかし、結合素子は、必要であれば必ず、特に回収が患者を傷つける結果になるであろうから医学的理由のために回収が望ましくないかまたは不適切であれば、円筒形ステント構造の解放を可能にする通常の設計とすることもできる。そのような場合、ステント構造はステントとして体内にとどまることができ、メッシュ構造が血塊を血管壁に押し付けている、血塊内のダクトまたはチャネルの形成に有効にもちいることができる。
【0030】
後者の場合、例えば、結合素子は、カテーテルを出るときにコネクタの切離しを可能にするに適するように設計された機械的結合素子である。数多くのこの種のシステムが、水力切離しシステムと同様に、技術文献に説明されている。電解腐食性部分が電気エネルギーの印加によって溶解され、その結果、ステント構造と誘導ワイアの間の接続が切り離される、電解切離しシステムが特に適している。第1の別形にしたがえば結合素子はそのような電解溶解性部品として設計することができ、第2の別形は電流が印加されると溶解する切離し点または別個の切離し素子を備えるコネクタを提供する。適する切離し素子は、あらかじめ腐蝕させた、ステンレス鋼素子、マグネシウム素子またはコバルト−クロム合金素子である。そのようなシステムは文献に説明されている。
【0031】
円筒形ステント構造の近位領域の設計については、好ましくは、短いコネクタが備えられるべきである。メッシュ構造の遠端と結合素子との間隔は、一方では、使用されない器具長を減じ、さらに構造の近端において張力印加クリップにより形成される捕捉スリングの張力を高めるために短いままにされるであろう。本発明の特定の実施形態によって提案されるように、円筒形ステント構造の遠位領域は、器具のこの領域の血管腔への十分な適合を可能にするため、円錐形またはトランペット形の態様で広がらせることができる。血管から血塊/血栓を効率的に除去するため、器具の表面の血管壁との最適な接触が得られるように、器具の有効領域は可能な限り大きくなければならない。接触面が大きくなるほど、血塊を完全に排除する機会が大きくなる。
【0032】
誘導ワイア及び/またはステント構造に、通常の態様で、例えば螺状線またはスリーブの形態の、X線不透マーカーを備えることができる。
【0033】
本発明の説明は例として添付された図面により与えられる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1図1は本発明のステント構造の第1の別形の平面表示である。
図2図2図1に示されるステント構造の空間表示である。
図3図3は本発明の第2の別形の平面表示である。
図4図4は、誘導ワイアが取り付けられている、図3に示されるステント構造の空間表示である。
図5図5は2つのコネクタをもつ本発明のステント構造の斜視図である。
図6図6はステント構造のストランドの断面図である。
図7図7は本発明の血栓摘出器具の略図である。
図8図8は別の実施形態の平面図である。
図9図9図8に示されるステント構造の空間表示である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
図1及び3は本発明の円筒形ステント構造1の2つの別形を示し、個々のメッシュ3及び4とコネクタ5及び5'を示す。メッシュ3及び4は異なる形状を有し,メッシュタイプ(3)は波様形状を有し、メッシュタイプ(4)は、2つの先端をもつ、より丸められた形状をとっている。これらの2つの相互に影響し合うメッシュタイプ/形状は器具構造全体に安定性を、また可撓性も、与える。
【0036】
図1及び3の平面表示において、スロットまたはダクト7がステント構造にわたって延び、構造の近端において張力印加クリップ9がスロットにかかっている。スロット7はメッシュ構造の遠端10及び10'によって境界が定められる。スロット7は構造の軸線に平行には進まず、軸線に対して斜行し、よって空間表示においてスロットは器具の外側面に沿って螺旋形状で進む(図2/4を見よ)。
【0037】
図1及び3は切り開かれたステント構造1の平面表示を示し、空間表示は図2及び4に示される。平面表示から分かるように、メッシュ3は、大体において円筒形物体が外側面8のほぼ半分を巡って延びるスロットまたはダクト7を有して形成されるような態様で、メッシュ3'に直に接する。
【0038】
図1及び3に示される別形はコネクタ5及び5'の形状に関する限り異なり、図3の場合、コネクタはより長く、結合素子11に取り付けられている(図4を見よ)。結合素子11は、例えば、電解腐蝕タイプの結合素子、すなわちステント構造1の誘導ワイア2からの切り離しを可能にするシステムとすることができる(図4を見よ)。図2に示される別形においては、器具を電解態様で切り放す目的のために、2つの分離素子または切断素子6,6'が備えられている。
【0039】
スロット7に張力印加クリップ9がかかっていることはいずれの実施形態にも共通である。張力印加クリップ9は、クリップの湾曲がステント構造の遠位側を指して、メッシュ構造のハニカムの縁端10,10'に取り付けられる。これにより、ステント構造をカテーテルに問題なく引き込むことが可能になる。隣接するコネクタ5及び5'と合わせて、張力印加クリップ9が、結合素子11で終端する、捕捉ループまたは捕捉バスケットの開口を形成する(図4を見よ)。さらに、ステント構造の遠端はメッシュ構造のメッシュによって閉じることができる。
【0040】
図1及び3のステント構造を空間表示の形態で示す図2及び4において、背面側に配されたステント構造のストランドが薄色で示される。構造の近端においてスロット7が張力印加クリップ9の下を通って、ステント構造の外側面8を右回りに螺旋態様で延びていることが図から容易に分かる。遠位において、スロット7はステント構造1の下側で終端し、したがってほぼ180°の回転を行っている。
【0041】
図5は、誘導ワイア2の結合素子11の適する態様で設計された受け部分と嵌合する目的で配された内向きのフックが備えられているコネクタ5及び5'を有する、本発明のステント構造の空間表示である。コネクタ5及び5'の近端を収めている結合素子がカテーテル内部にある限り、ステント構造1は誘導ワイアに連結されたままである。器具がカテーテルから押し出されると、コネクタ5,5'と結合素子11の間の連結が解かれ、よって構造が解放されて血管系内にとどまるステントとして機能する。しかし、そのような切離しは特別な(緊急の)場合、例えば器具を容易にまたは問題をおこさずにカテーテルに引き込むことができない場合、にしかおこらないであろう。
【0042】
張力印加クリップ9及びコネクタ5,5'により、さらに外側面8にわたるステント構造のストランド12の配置により、形成されるループを図5にはっきりと見ることができ、ストランドの縁辺は、除去されるべき血塊材料に、血管壁から血塊を刈り取ることで作用するようにはたらく。
【0043】
図6は長方形及び台形の断面を有するストランド12の2つの好ましい実施形態を示し、いずれの場合も、ストランドの狭いかまたは細い辺面が血管壁13を向いている。これらの設計異体は、メッシュ構造が所望の安定性を有するだけでなく、良好な剪断及び排除の効果も血塊に与えることを保証する。
【0044】
図7は、誘導ワイア2,結合素子11,コネクタ5,5'との近位取付け領域及び外側面8による有効領域を、またトランペット形の広がりを有する遠位領域13も、含む本発明の血栓摘出器具の構成を略図で示す。
【0045】
図8は本発明にしたがう血栓摘出器具の、図1による各器具と本質的に一致する、別の実施形態を示す。図1の器具と比較すると、近位でスロット7にかかるかまたはスロット7をわたる張力印加クリップ9の設計が異なっている。この場合の張力印加クリップ9は波様形状を有し、メッシュ構造の横面または縁端10に取り付けられて、縁端10から対向して配されている縁端10'までわたり、よって波様のメッシュ輪郭をとり続ける。隣接するメッシュ縁端を有するコネクタ5,5'及び張力印加クリップ9は合わせて、血栓摘出器具のカテーテルの引込みを容易にし、さらに血管壁に付着している血塊または血塊残渣を刈り取るに適する、捕捉バスケットの開口と同様の、一種のループを形成する。
【0046】
図8が、図1及び2と同じく、切り開かれた本発明の器具を示す、すなわち平面表示であることは当然である。それにもかかわらず、装置が実際は、チューブに仕上られている装置を示す図9に示されるように、空間的チューブ形状を有することはもちろんである。
【0047】
図9図8に示される血栓摘出器具の空間図であり、前面側に配されたストランド及びメッシュは実線で示され、背面側に配されたストランド及びメッシュは破線で示されている。2つのコネクタ5及び5'は結合素子11において会合して終端し、隣接するメッシュ縁端及び張力印加クリップ9とともに、本明細書で前述したように、「捕捉バスケット」を形成する。図はスロット7の螺旋形状及び延び広がりを示す。スロット7はメッシュ縁端10及び10'によって境界が定められ、張力印加クリップ9がかけられる。
【0048】
図面において、同様の参照数字は同じ主題を指していることを意味する。
【符号の説明】
【0049】
1 ステント構造
3,3',4 メッシュ
5,5' コネクタ
6,6' 分離素子(切断素子)
7 スロット(ダクト)
外側面
張力印加クリップ
10,10' メッシュ構造縁端
11 結合素子
12 誘導ワイア
13 血管壁
14 ストランド
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9