(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記圧縮機加熱用ヒータは、前記飽和温度と外気温及び室内温度のうちの低い温度との差が前記所定温度差を下回りかつその状態が第1所定時間以上続いたときに前記圧縮機の加熱を再開する、
請求項2に記載の冷凍装置。
前記圧縮機加熱用ヒータは、前記第1状態において、前記圧縮機のドーム内圧力と吸入側圧力との圧力差が第2所定圧力差より小さくなったとき又は前記圧縮機のドーム内圧力と吐出側圧力との圧力差が第3所定圧力差より大きくなったときに前記圧縮機の加熱を停止する、
請求項1から5のいずれか一項に記載の冷凍装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、圧縮機を温めるためにヒータに通電すると一定の電力(待機電力)を消費してしまい、冷凍装置で消費される電力量が増加するという問題を生じる。
【0006】
このような圧縮機の待機電力を削減するために、例えば特許文献1(特開2001-73952号公報)や特許文献2(特許第4111246号公報)には、冷媒温度や外気温に基づいて圧縮機のヒータの加熱が不要な時期を判断し、ヒータを制御して待機電力を削減する技術が記載されている。
【0007】
特許文献1や特許文献2の技術では待機電力が削減できるものの、ヒータによる加熱の不要な期間を積極的につくり出しているわけではないため、待機電力の削減には限りがある。
【0008】
本発明の課題は、圧縮機内の潤滑油について適切な油濃度又は油粘度の維持が容易でかつ待機電力を削減できる冷凍装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1観点に係る冷凍装置は、冷凍回路に冷媒を循環させる圧縮機と、冷凍回路の圧縮機の後段に設置されている放熱器と、冷凍回路の放熱器と圧縮機の間に設置されている蒸発器と、圧縮機の吐出側に接続されている高圧配管と、圧縮機の吸入側に接続されている低圧配管と、高圧配管から低圧配管に冷媒をバイパスするバイパス管と、バイパス管に設けられている開閉機構と、圧縮機を加熱する圧縮機加熱用ヒータと、を備え、開閉機構は、圧縮機の停止時にバイパス管を開通させる第1状態とバイパス管を閉鎖する第2状態を切り換えられるように構成され、圧縮機加熱用ヒータは、開閉機構の第1状態のときに圧縮機の加熱を停止するものである。
【0010】
第1観点の冷凍装置によれば、開閉機構を第1状態にして圧縮機の停止時にバイパス管によって圧縮機を均圧することができるので、開閉機構の第1状態のときに圧縮機加熱用ヒータを止めても、圧縮機内の圧力が低圧化しかつ油温が高い状態がバイパス管を設け
ない場合に比べて長く続くので、冷媒の蒸発が促進されて油濃度を上昇させることができる。
【0011】
また、本発明の
第1観点に係る冷凍装
置は、圧縮機加熱用ヒータは、第1状態において、圧縮機のドーム内圧力と吸入側圧力との圧力差が第1所定圧力差より小さくなったときに圧縮機の加熱を再開する。
【0012】
また、第1観点の冷凍装置によれば、圧縮機のドーム内圧力と吸入側圧力との圧力差によって圧縮機加熱用ヒータの加熱再開のタイミングを判断することができ、加熱再開のタイミングを容易に判断できる。
【0013】
本発明の第2観点に係る冷凍装置は、冷凍回路に冷媒を循環させる圧縮機と、冷凍回路の圧縮機の後段に設置されている放熱器と、冷凍回路の放熱器と圧縮機の間に設置されている蒸発器と、圧縮機の吐出側に接続されている高圧配管と、圧縮機の吸入側に接続されている低圧配管と、高圧配管から低圧配管に冷媒をバイパスするバイパス管と、バイパス管に設けられている開閉機構と、圧縮機を加熱する圧縮機加熱用ヒータと、を備え、開閉機構は、圧縮機の停止時にバイパス管を開通させる第1状態とバイパス管を閉鎖する第2状態を切り換えられるように構成され、圧縮機加熱用ヒータは、開閉機構の第1状態のときに圧縮機の加熱を停止するものである。
【0014】
第2観点の冷凍装置によれば、開閉機構を第1状態にして圧縮機の停止時にバイパス管によって圧縮機を均圧することができるので、開閉機構の第1状態のときに圧縮機加熱用ヒータを止めても、圧縮機内の圧力が低圧化しかつ油温が高い状態がバイパス管を設けない場合に比べて長く続くので、冷媒の蒸発が促進されて油濃度を上昇させることができる。
【0015】
また、本発明の
第2観点に係る冷凍装
置は、圧縮機加熱用ヒータは、第1状態において、ドーム内圧を換算して得られる飽和温度と外気温及び室内温度のうちの低い温度との差が所定温度差を下回ったときに圧縮機の加熱を再開する。
【0016】
また、第
2観点の冷凍装置によれば、均圧後にドーム内圧力が外気温又は室内温度のうちの低い温度に相当する飽和圧力に達するまでオフ状態を続けることができる。
【0017】
本発明の第
3観点に係る冷凍装置は、第
2観点の冷凍装置であって、圧縮機加熱用ヒータは、第1状態において、ドーム内圧を換算して得られる飽和温度と外気温及び室内温度のうちの低い温度との差が所定温度差を下回りかつその状態が第1所定時間以上続いたときに圧縮機の加熱を再開する。
【0018】
第
3観点の冷凍装置によれば、均圧に至る前に上述の飽和圧力が一時的に下がるようなことがあっても適切な時期に加熱を再開することができる。
【0019】
本発明の第4観点に係る冷凍装置は、冷凍回路に冷媒を循環させる圧縮機と、冷凍回路の圧縮機の後段に設置されている放熱器と、冷凍回路の放熱器と圧縮機の間に設置されている蒸発器と、圧縮機の吐出側に接続されている高圧配管と、圧縮機の吸入側に接続されている低圧配管と、高圧配管から低圧配管に冷媒をバイパスするバイパス管と、バイパス管に設けられている開閉機構と、圧縮機を加熱する圧縮機加熱用ヒータと、を備え、開閉機構は、圧縮機の停止時にバイパス管を開通させる第1状態とバイパス管を閉鎖する第2状態を切り換えられるように構成され、圧縮機加熱用ヒータは、開閉機構の第1状態のときに圧縮機の加熱を停止するものである。
【0020】
第4観点の冷凍装置によれば、開閉機構を第1状態にして圧縮機の停止時にバイパス管によって圧縮機を均圧することができるので、開閉機構の第1状態のときに圧縮機加熱用ヒータを止めても、圧縮機内の圧力が低圧化しかつ油温が高い状態がバイパス管を設けない場合に比べて長く続くので、冷媒の蒸発が促進されて油濃度を上昇させることができる。
【0021】
また、本発明の第
4観点に係る冷凍
装置は、圧縮機加熱用ヒータは、第1状態において、圧縮機の停止後に第2所定時間が経過したときに圧縮機の加熱を再開する。
【0022】
また、第
4観点の冷凍装置によれば、時間経過によって圧縮機加熱用ヒータの加熱再開のタイミングを判断することができるので、確実に加熱を再開させることができる。
【0023】
本発明の第5観点に係る冷凍装置は、冷凍回路に冷媒を循環させる圧縮機と、冷凍回路の圧縮機の後段に設置されている放熱器と、冷凍回路の放熱器と圧縮機の間に設置されている蒸発器と、圧縮機の吐出側に接続されている高圧配管と、圧縮機の吸入側に接続されている低圧配管と、高圧配管から低圧配管に冷媒をバイパスするバイパス管と、バイパス管に設けられている開閉機構と、圧縮機を加熱する圧縮機加熱用ヒータと、を備え、開閉機構は、圧縮機の停止時にバイパス管を開通させる第1状態とバイパス管を閉鎖する第2状態を切り換えられるように構成され、圧縮機加熱用ヒータは、開閉機構の第1状態のときに圧縮機の加熱を停止するものである。
【0024】
第5観点の冷凍装置によれば、開閉機構を第1状態にして圧縮機の停止時にバイパス管によって圧縮機を均圧することができるので、開閉機構の第1状態のときに圧縮機加熱用ヒータを止めても、圧縮機内の圧力が低圧化しかつ油温が高い状態がバイパス管を設けない場合に比べて長く続くので、冷媒の蒸発が促進されて油濃度を上昇させることができる。
【0025】
また、本発明の第
5観点に係る冷凍装
置は、圧縮機加熱用ヒータは、第1状態において、油温オフセット値が第1目標オフセット値より大きくなったときに圧縮機の加熱を再開する。
【0026】
また、第
5観点の冷凍装置によれば、開閉機構の第1状態のときに、温度に関する情報も含めて圧縮機加熱用ヒータの加熱の再開が判断されるため再開の判断が正確になる。
【0027】
本発明の第
6観点に係る冷凍装置は、第1観点かから第
5観点のいずれかの冷凍装置であって、圧縮機加熱用ヒータは、第1状態において、圧縮機のドーム内圧力と吸入側圧力との圧力差が第2所定圧力差より小さくなったとき又は圧縮機のドーム内圧力と吐出側圧力との圧力差が第3所定圧力差より大きくなったときに圧縮機の加熱を停止する。
【0028】
第
6観点の冷凍装置によれば、油濃度又は油粘度が低下する区間で生じる圧力差よりも小さい第2所定圧力差を用い、ドーム内圧力と吸入側圧力との圧力差が第2所定圧力差より小さくなったとき又は圧縮機のドーム内圧力と吐出側圧力との圧力差が第3所定圧力差より小さくなったときに圧縮機の加熱を停止することで、油濃度又は油粘度が低下する区間に圧縮機加熱用ヒータの加熱を停止するのを避けることができる。
【0029】
本発明の第
7観点に係る冷凍装置は、第1観点から第
5観点のいずれかの冷凍装置であって、圧縮機加熱用ヒータは、第1状態において、圧縮機の停止後に第3所定時間が経過したときに圧縮機の加熱を停止する。
【0030】
第
7観点の冷凍装置によれば、圧縮機の停止後に第3所定時間が経過したときに圧縮機の加熱を停止することから、この第3所定時間を油濃度又は油粘度が低下する期間より長く設定することで、油濃度又は油粘度が低下する区間を避けて圧縮機加熱用ヒータをオフできる。
【0031】
本発明の第
8観点に係る冷凍装置は、第1観点から第
5観点のいずれかの冷凍装置であって、圧縮機加熱用ヒータは、第1状態において、油温オフセット値が第2目標オフセット値より大きくなったときに圧縮機の加熱を停止する。
【0032】
第
8観点の冷凍装置によれば、油濃度又は油粘度が低下する区間の油温オフセット値よりも小さい第2目標オフセット値を設定することで、油濃度又は油粘度が低下する区間を避けて圧縮機加熱用ヒータをオフできる。
【発明の効果】
【0033】
本発明の第1観点
、第2観点、第4観点又は第5観点に係る冷凍装置では、圧縮機停止時でかつ開閉機構の第1状態のときに圧縮機加熱用ヒータをオフして圧縮機加熱用ヒータの電力消費を削減することができ、圧縮機内の潤滑油について適切な油濃度又は油粘度の維持が容易でかつ待機電力を削減できる冷凍装置を提供することができ
る。
【0034】
また、本発明の第
1観点に係る冷凍装置では、圧縮機加熱用ヒータの加熱を再開するタイミングを容易に判断できる。
【0035】
また、本発明の第
2観点に係る冷凍装置では、均圧後にドーム内圧力が外気温又は室内温度のうちの低い温度に相当する飽和圧力に達するまでの期間が長いときには待機電力の削減効果が大きくなる。
【0036】
本発明の第
3観点に係る冷凍装置では、上述の飽和圧力を用いて圧縮機加熱用ヒータの再開のタイミングを判断する場合の動作の確実性を向上させることができる。
【0037】
本発明の第
4観点に係る冷凍装置では、時間経過によって確実に加熱を再開させることができ、高い信頼性を保ちながら待機電力を削減することができる。
【0038】
本発明の第
5観点に係る冷凍装置では、均圧から平衡圧力に達した後もしばらくは油温が高いので、圧力と油温の両方で判断した方が圧力のみで判断する場合に比べて長く加熱停止期間を確保することができる。
【0039】
本発明の第
6観点に係る冷凍装置では、ドーム内圧力と吸入側圧力との圧力差又は圧縮機のドーム内圧力と吐出側圧力との圧力差を用いて油濃度又は油粘度が低下する区間を避けて圧縮機加熱用ヒータをオフでき、このような区間で圧縮機加熱用ヒータをオフすることによる不具合を防止することができる。
【0040】
本発明の第
7観点に係る冷凍装置では、圧縮機の停止後の第3所定時間が経過を用いて油濃度又は油粘度が低下する区間を避けて圧縮機加熱用ヒータをオフでき、油濃度又は油粘度が低下する区間で圧縮機加熱用ヒータをオフすることによる不具合を防止することができる。
【0041】
本発明の第
8観点に係る冷凍装置では、油温オフセット値を用いて油濃度又は油粘度が低下する区間を避けて圧縮機加熱用ヒータをオフでき、油濃度又は油粘度が低下する区間で圧縮機加熱用ヒータをオフすることによる不具合を防止することができる。
【発明を実施するための形態】
【0043】
〈第1実施形態〉
以下、図面を参照しながら、本発明の第1実施形態について説明する。なお、本発明に係る冷凍装置の実施形態は、以下に説明する第1実施形態に限られるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
【0044】
(1)冷凍装置の構成
(1−1)冷凍回路
図1は、本発明の第1実施形態に係る冷凍装置が採用された空気調和機が備える冷凍回路の回路図である。空気調和機10は、室内に設置される利用側ユニット20と室外に設置される熱源側ユニット30とを備える。利用側ユニット20には、室内熱交換器21と室内ファン22とが配置されている。熱源側ユニット30には、室外熱交換器31と室外ファン32と電動弁33とアキュムレータ34と四路切換弁35と圧縮機40とが配置されている。このように、圧縮機40、四路切換弁35、室内熱交換器21、室外熱交換器31、電動弁33及びアキュムレータ34が冷媒配管で接続され、冷媒が循環する冷凍回路12が形成されている。
【0045】
図1の空気調和機10は、四路切換弁35を備えており、この四路切換弁35によって室内を冷房する冷房運転と室内を暖房する暖房運転の切換を行なうことができる。冷房運転の場合には、室内熱交換器21が蒸発器として機能し、室外熱交換器31が放熱器として機能する。暖房運転の場合には、逆に、室内熱交換器21が放熱器として機能し、室外熱交換器31が蒸発器として機能する。
【0046】
この四路切換弁35は、第1ポートから第4ポートまでの4つのポートを有している。四路切換弁35の第1ポートには逆止弁36を介して圧縮機40の吐出管42が接続され、第2ポートには室外熱交換器31の一端が接続され、第3ポートには室内熱交換器21の一端が接続され、第4ポートにはアキュムレータ34の吸入管34aが接続されている。四路切換弁35は、冷房時には第1ポートと第2ポートが接続されるとともに第3ポートと第4ポートが接続され、暖房時には第1ポートと第3ポートが接続されるとともに第2ポートと第4ポートが接続される。
【0047】
空気調和機10における四路切換弁35以外の部分の利用側ユニット20及び熱源側ユニット30の各部の接続は、次のようになっている。すなわち、室外熱交換器31の他端に電動弁33の一端が接続され、電動弁33の他端に室内熱交換器21の他端が接続され、アキュムレータ34の吐出管は圧縮機40の吸入管43に接続されている。また、圧縮機40の吐出管42とアキュムレータ34の吸入管34aとの間にバイパス管47が接続され、バイパス管47にはバイパス管47を開閉する電磁弁48が接続されている。
【0048】
(1−2)圧縮機の構成
図2は、圧縮機40の部分破断斜視図である。圧縮機40には、円筒状のケーシング41の側部に吐出管42が取り付けられており、上部に吸入管43が取り付けられている。吸入管43の下方には、スクロール44が設けられており、スクロール44を駆動するモータ45がスクロール44の下方に設けられている。潤滑油70は、円筒状のケーシング41の底部41aに溜まるように構成されており、ケーシング41の底部41aに巻付けられるようにクランクケースヒータ46が取り付けられている。また、潤滑油70が溜まる底部41aには、油温検出器62が取り付けられている。
【0049】
(1−3)制御装置及び計測機器
空気調和機10は、また、
図1に示されているように、空気調和機10の動作の制御のための制御装置50及び各種の計測機器を備えている。ここでは、計測機器について、圧縮機40のクランクケースヒータ46の制御に関連するものを示し、他の多くの計測機器については記載を省略している。制御装置50は、例えばCPU(中央演算処理装置)50a及びメモリ50bなどを備えるマイクロコンピュータで構成される。
【0050】
制御装置50は、室内ファン22のファンモータ22a、室外ファン32のファンモータ32a、電動弁33、四路切換弁35、及び圧縮機40のモータ45及びクランクケースヒータ46に接続されている。また、制御装置50には、圧縮機40の吸入管43の圧力を測定する冷媒圧力検出器61、圧縮機40内の潤滑油70の温度を検出する油温検出器62、外気温を検出する外気温検出器63、圧縮機40の吐出管42の圧力を測定する冷媒圧力検出器64、室内熱交換器21の温度を検出する熱交温度検出器65及び室内温度を検出する室内温度検出器66が接続されている。
【0051】
(2)クランクヒータの制御
図3は、第1実施形態によるクランクケースヒータの制御の概要を示すフローチャートである。
図3には、圧縮機40が停止した後のクランクケースヒータ46に関する制御の概要が示されている。まず、制御装置50により圧縮機40が停止される(ステップS1)。この時点では、クランクケースヒータ46は、オン状態にある。圧縮機40の停止は制御装置50からの指示によって行われるために制御装置50では圧縮機40の停止を検知できるので、バイパス管47を用いて圧縮機40の均圧を行なうために、制御装置50により電磁弁48が開かれる(ステップS3)。この電磁弁48が開かれることによって圧縮機40の吐出管42とアキュムレータ34の吸入管34aの圧力が等しくなり、圧縮機40の均圧が行なわれる。
図4(a)には、圧縮機40の停止後において、電磁弁48が開かれる前の圧力の状態が示されており、
図4(b)には、電磁弁48が開かれた後の圧力の状態が示されている。
図4(a)と
図4(b)を比較して分かるように、電磁弁48が開かれる前と後とで、逆止弁36から室外熱交換器31を通って電動弁33に至るまでの配管内の冷媒の圧力は高圧を維持している。一方、圧縮機40から逆止弁36までの配管内の圧力は、電磁弁48が開かれることにより、高圧から低圧に変化する。
【0052】
このように、電磁弁48が開かれた後に、制御装置50によりクランクケースヒータ46の電源がオフされる。そして、ドーム内圧力と吸入側圧力との圧力差ΔPが第1所定圧力差Yよりも小さくなるか否かが制御装置50によってモニターされる。ドーム内圧力と吸入側圧力との圧力差は、圧縮機40の吐出管42に取り付けられている冷媒圧力検出器64の測定値から吸入管43に取り付けられている冷媒圧力検出器61の測定値を差し引くことによって求められる。この圧力差ΔPが第1所定圧力差Yよりも小さくなったと制御装置50において判断されると(ステップS4)、クランクケースヒータ46が再びオンされる(ステップS5)。この圧力差ΔPが第1所定圧力差Yよりも小さくなっていないと判断されると(ステップS4)、クランクケースヒータ46がオフの状態を継続して、圧力差ΔPのモニターが続けられる。
【0053】
なお、電磁弁48は、圧縮機40の運転が再開されるときには閉じられる。
【0054】
(3)特徴
(3−1)
以上説明したように、第1実施形態の冷凍回路12において、外気温が低くなることに起因する潤滑油への冷媒の溶け込みを抑制するのは暖房運転が行なわれているときであり、圧縮機40の後段に設置されている室内熱交換器21が放熱器として機能し、室内熱交換器21と圧縮機40との間に設置されている室外熱交換器31が蒸発器として機能しているときである。このような冷凍回路12において圧縮機40が停止されるとき、電磁弁48(開閉機構の一例)が開放されている(第1状態の一例)と、バイパス管47によって圧縮機40の吐出管42(高圧配管の一例)と吸入管43(低圧配管の一例)とを通じさせて圧縮機40を均圧することができる。
【0055】
電磁弁48を開けて圧縮機40の停止時にバイパス管47によって圧縮機40を均圧することができるので、電磁弁48を開けているときにクランクケースヒータ46(圧縮機加熱用ヒータの一例)を止めても、圧縮機40内の圧力が低圧化して冷媒の蒸発が促進されて油濃度を上昇させ、圧縮機40内の潤滑油について適切な油濃度又は油粘度の維持ができる。
【0056】
この点について
図5を用いて説明する。
図5において、曲線φ1は、圧縮機40の吸入管43の冷媒の圧力を示しており、曲線φ2は圧縮機40の吐出管42の冷媒の圧力を示しており、曲線φ3は、逆止弁36以降の配管の圧力を示しており、曲線φ4は、油濃度を示している。
【0057】
図5の経過時間tm0の時点で圧縮機40が停止する。曲線φ1を見ると、圧縮機40の停止にともなって、吸入管43の圧力には、多少の圧力変動が発生しているが、低い圧力で安定していることが分かる。一方、曲線φ3を見ると、圧縮機40の停止にともなって、逆止弁36以降の冷媒の圧力が徐々に低下して、例えば2時間とか3時間とか比較的長い時間を経過すると、一定の圧力に収束している。これは、圧縮機40の停止から十分な時間が経過すると、冷凍回路12全体が一定の圧力に収束するからである。
【0058】
曲線φ1及び曲線φ3と比較して、曲線φ2を見ると、経過時間tm0の時点では吸入管43の圧力よりも高いが、曲線φ3に比べて急激に曲線φ1に近づいていることが分かる。これは、圧縮機40の停止にともなって電磁弁48が開放され(ステップS2)、バイパス管47によって圧縮機40の均圧が始まるからである。
【0059】
空気調和機10のこのような動作にともなって、油濃度は、曲線φ4に示されているように、経過時間tm0から少しの期間低下し、経過時間tm1から上昇を始める。そして、圧縮機40の均圧が進むにつれて油濃度も上昇を続け、圧縮機40の停止から十分な時間の経過にともなって一定の値に収束する。なお、
図5に示されている曲線φ4は、クランクケースヒータ46をオフに下状態で測定されている。
【0060】
曲線φ4に示されているように、バイパス管47による均圧にともなって圧縮機40内の油濃度が急激に上昇するため、クランクケースヒータ46をオフしていても必要な油濃度を確保することができる。このようにバイパス管47を設けると、圧縮機40内の圧力が低圧化しかつ油温が高い状態をバイパス管47を設けない場合に比べて長く続かせることができるので、冷媒の蒸発が促進されて油濃度を上昇させることができ、圧縮機40内の潤滑油について適切な油濃度又は油粘度の維持が容易になりかつ待機電力を削減できる。
【0061】
(3−2)
上述のように、バイパス管47よりも下流に備えられた逆止弁36により、圧縮機40を均圧する際に室外熱交換器31からバイパス管47へ逆流するのを防ぐことができる。その結果、
図5に示されているように圧縮機40の停止持に急激に圧縮機40内の圧力を低下させることができるので、圧縮機内の圧力が低圧化しかつ油温が高い状態をさらに長く続かせることができる。
【0062】
(3−3)
クランクケースヒータ46がオフされてから(ステップS3)、そのままクランクケースヒータ46をオフした状態を続けると、長時間経過するとまた寝込みが発生して、潤滑油中に多くの冷媒が溶け込む。このような状態を防ぐためには、適当な時期に再びクランクケースヒータ46をオンすることが好ましい。上記第1実施形態では、クランクケースヒータ46は、圧縮機40の停止時に電磁弁48が開いている状態において、圧縮機40のドーム内圧力と吸入側圧力との圧力差ΔPが第1所定圧力差Yより小さくなったときに圧縮機40の加熱を再開するように構成されている。このように、ドーム内圧力と吸入側圧力との圧力差ΔPによってクランクケースヒータ46の加熱再開のタイミングを判断すると、容易に加熱再開のタイミングが判断できる。
【0063】
(4)変形例
(4−1)
上記第1実施形態では、空気調和機10が圧縮機40の停止後にクランクケースヒータ46をオフして、再びクランクケースヒータ46をオンするタイミングをドーム内圧力と吸入側圧力との圧力差ΔPによって判断している(ステップS4)。しかし、再びクランクケースヒータ46をオンするタイミングは、ドーム内圧力と吸入側圧力との圧力差ΔPに代えて、例えば、タイマーの時間経過によって判断することもできる。
【0064】
図6は、
図3のステップS4に代えて、タイマーによってクランクケースヒータ46を再度オンするタイミングを判断するステップS4Aを行なっているフローチャートである。従って、空気調和機10が
図6のステップS1,S2,S3,S5で行なう動作は
図3の同一符号のステップで行なっている動作と同じであるから、ここでは
図6のステップS1,S2,S3,S5の説明を省略する。
【0065】
図6のステップS4Aでは、制御装置50において、圧縮機40の停止(ステップS1)と同時にスタートするタイマーの計測値からクランクケースヒータ46を再びオンするか否かを判断する。つまり、予め制御装置50に設定されている第2所定時間td2を、圧縮機40の停止時にスタートしたタイマーの計測値が上回った時点でクランクケースヒータ46を再びオンする(ステップS6)。第2所定時間td2を、圧縮機40の停止時にスタートしたタイマーの計測値が上回るまでは、クランクケースヒータ46のオフ状態を維持する。このように、時間経過によってクランクケースヒータ46の加熱再開のタイミングを判断することができると、時間経過によって確実に加熱を再開させることができ、高い信頼性を保ちながら待機電力を削減することができる。
【0066】
(4−2)
上記第1実施形態では、空気調和機10が圧縮機40の停止後にクランクケースヒータ46をオフして、再びクランクケースヒータ46をオンするタイミングをドーム内圧力と吸入側圧力との圧力差ΔPによって判断している(ステップS4)。しかし、再びクランクケースヒータ46をオンするタイミングは、ドーム内圧力と吸入側圧力との圧力差ΔPに代えて、例えば、油温オフセット値(油温度Toil−飽和ガス温度Tcg)によって判断することもできる。
【0067】
図7は、
図3のステップS4に代えて、油温オフセット値によってクランクケースヒータ46を再度オンするタイミングを判断するステップS4Bを行なっているフローチャートである。従って、空気調和機10が
図6のステップS1,S2,S3,S5で行なう動作は
図3の同一符号のステップで行なっている動作と同じであるから、ここでは
図6のステップS1,S2,S3,S5の説明を省略する。
【0068】
図7のステップS4Bでは、制御装置50において、油温オフセット値からクランクケースヒータ46を再びオンするか否かを判断する。つまり、圧縮機40の停止後、油温オフセット値が予め制御装置50に設定されている第1目標オフセット値SH1を下回った時点でクランクケースヒータ46を再びオンする(ステップS6)。油温オフセット値が第1目標オフセット値SH1を下回るまでは、クランクケースヒータ46のオフ状態を維持する。なお、油温オフセット値については、後ほど詳しく説明する。
【0069】
圧縮機40の停止時に、電磁弁48が開いているときに、油温オフセット値(油温度Toil−飽和ガス温度Tcg)からクランクケースヒータ46を再びオンするか否かを制御装置50が判断するため、温度に関する情報も含めてクランクケースヒータ46の加熱の再開が判断され、再開の判断が正確になる。均圧から平衡圧力に達した後もしばらくは油温が高いので、圧力と油温の両方で判断した方が圧力のみで判断する場合に比べて長く加熱停止期間を確保することができる。
【0070】
(4−3)
また、再びクランクケースヒータ46をオンするタイミングは、ドーム内圧力と吸入側圧力との圧力差ΔPに代えて、例えば、ドーム内圧力と外気温か室内温度のうちのいずれか低い温度(Tx)に相当する飽和圧力との関係、換言すればドーム内圧力を飽和温度(Tref)に変換して外気温か室内温度のうちのいずれか低い温度(Tx)とを比較すること(Tref-Tx)によって判断することもできる。
【0071】
図8は、
図3のステップS4に代えて、ドーム内圧力から変換された飽和温度(Tref)と上述の温度(Tx)とを比較することによってクランクケースヒータ46を再度オンするタイミングを判断するステップS4Cを行なっているフローチャートである。従って、空気調和機10が
図8のステップS1,S2,S3,S5で行なう動作は
図3の同一符号のステップで行なっている動作と同じであるから、ここでは
図6のステップS1,S2,S3,S5の説明を省略する。
【0072】
図8のステップS4Cでは、制御装置50において、|Tref−Tx|の値からクランクケースヒータ46を再びオンするか否かを判断する。つまり、圧縮機40の停止後、ドーム内圧力から変換された飽和温度(Tref)と上述の温度(Tx)との差が予め制御装置50に設定されている温度差Tdを下回った時点よりその状態がtd1以上継続されればクランクケースヒータ46を再びオンする(ステップS5)。油温オフセット値が第1目標オフセット値SH1を下回るまでは、クランクケースヒータ46のオフ状態を維持する。
【0073】
例えば、停止時の制御の方法によっては、
図9に示されているような挙動を示すことがある。
図9に示されているように、圧縮機40の吸入側圧力が大きく下がるような場合には、均圧した経過時間tm2の圧力はまだ十分低く、それ以降も吸入管43の圧力を示す曲線φ1と吐出管43の圧力を示す曲線φ2は上昇して、最終的に外気温相当の圧力に落ち着く(経過時間tm3)。ステップS4Cの判断を行なうことにより、この経過時間tm2から経過時間tm3までの間もクランクケースヒータ46をオフさせておくことができ、待機電力の削減効果が向上する。
【0074】
なお、(Tref−Tx)の値が示す曲線としては、
図10に示されている曲線φ5,φ6が典型的な例である。曲線φ5では、一方の温度(Tref)が他方の温度(Tx)に徐々に近づいていくため一方の温度が他方の温度より大きい状態から逆転して一方の温度が他方の温度より小さい状態になるということがない。そのため、|Tref−Tx|が温度差Tdを下回った時点でクランクケースヒータ46をオンしても十分に待機電力の削減効果が向上する。しかし、曲線φ6のように、均圧する前に一度飽和温度(Tref)が温度Txを下回るので(経過時間tm4)、このときにクランクケースヒータ46がオンすることを避ける必要が生じる。このような場合には、経過時間tm4の近傍で|Tref−Tx|<Tdとなっている時間が短いことから、その時間よりも長い第1所定時間td1以上|Tref−Tx|<Tdになっている状態が続けばクランクケースヒータ46をオンしてやればよい。
【0075】
〈第2実施形態〉
(5)空気調和機の構成とクランクヒータの制御
上記第1実施形態では、
図3のフローチャートに示されているように、制御装置50において、圧縮機40の停止のみを条件に、電磁弁48を開く圧縮機40の均圧動作を行なうように構成されている。
【0076】
しかし、
図5の曲線φ4を見ると、圧縮機40を停止した経過時間tm0から経過時間tm1にかけて油濃度が低下する傾向が見られる。このような油濃度低下の傾向がないか、又は低下傾向があったとしても小さい場合には、第1実施形態のような制御を制御装置50が行なっていても問題が生じることはない。
【0077】
このような傾向が顕著な場合には、以下に説明する第2実施形態による制御装置50の制御を適用することが好ましい。制御装置50における制御以外は、第1実施形態の空気調和機10と構成が同じであるので、第2実施形態による空気調和機10の構成についての説明を省略する。
【0078】
図11は、第2実施形態によるクランクケースヒータに関する制御の概要を示すフローチャートである。まず、制御装置50により圧縮機40が停止される(ステップS11)。圧縮機40が停止されると、クランクケースヒータ46がオン状態を維持するように指示する(ステップS12)。圧縮機40の停止は制御装置50からの指示によって行われるために制御装置50では圧縮機40の停止を検知できるので、バイパス管47を用いて圧縮機40の均圧を行なうために、制御装置50により電磁弁48が開かれる(ステップS13)。この電磁弁48が開かれることによって圧縮機40の吐出管42とアキュムレータ34の吸入管34aの圧力が等しくなり、圧縮機40の均圧が行なわれる。
【0079】
圧縮機40の均圧が行なわれた直後に
図5の曲線φ4の油濃度の下降が大きくなる空気調和機10のクランクケースヒータ46をオフするか否かの判断が行なわれる(ステップS14)。具体的には、ステップS14において、ドーム内圧力と吸入側圧力との圧力差ΔPが第2所定圧力差Xよりも小さくなるか否かが制御装置50によって判断される。圧力差ΔPの求め方は第1実施形態のステップS4と同様である。
【0080】
圧縮機40が停止して電磁弁48が開かれているという条件の下で、ドーム内圧力と吸入側圧力との圧力差ΔPが第2所定圧力差Xよりも小さくなるまで制御装置50によってモニターされる。そして、ドーム内圧力と吸入側圧力との圧力差ΔPが第2所定圧力差Xよりも小さくなると、制御装置50によりクランクケースヒータ46の電源がオフされる(ステップS15)。
【0081】
電磁弁48が開かれた後に、制御装置50によりクランクケースヒータ46の電源がオフされると(ステップS15),次に、再度クランクケースヒータをオンするか否かが判断される(ステップS16)。第1所定圧力差Yよりも圧力差ΔPが小さくなると(ステップS16)、クランクケースヒータ46の電源が再びオンされる(ステップS17)。この圧力差ΔPが第1所定圧力差Yよりも小さくなっていないと判断されると(ステップS16)、クランクケースヒータ46がオフの状態を継続して、圧力差ΔPのモニターが続けられる。これら、第2実施形態のステップS16及びステップS17での動作は、第1実施形態のステップS4及びステップS5の動作と同じである。なお、電磁弁48は、圧縮機40の運転が再開されるときには閉じられる。
【0082】
(6)特徴
(6−1)
以上説明したように、クランクケースヒータ46(圧縮機加熱用ヒータの一例)は、圧縮機40が停止して電磁弁48が開いているとき(第1状態の一例)において、圧縮機40のドーム内圧力と吸入側圧力との圧力差ΔPが第2所定圧力差Xより小さくなったときに圧縮機40の加熱を停止する。例えば、
図5における経過時間tm1よりも時間が経過してドーム内圧力と吸入側圧力との圧力差ΔPが経過時間tm1の圧力差ΔPよりも小さくなった時点でクランクケースヒータ46をオフすることができる。
図5において、圧縮機40が停止する経過時間tm0から経過時間tm1までは油濃度が低下しているが、このような油濃度又は油粘度が低下する区間で生じる圧力差よりも小さい第2所定圧力差Xを用いることで、油濃度又は油粘度が低下する区間にクランクケースヒータ46の加熱停止を避けることができる。油濃度又は油粘度が低下する区間(例えば
図5の経過時間tm0から経過時間tm1の区間)を避けてクランクケースヒータ46をオフでき、このような区間でクランクケースヒータ46をオフすることによる不具合の発生を未然に防止することができる。
【0083】
(7)変形例
(7−1)
上記第2実施形態では、空気調和機10が圧縮機40の停止後にクランクケースヒータ46をオフするタイミングをドーム内圧力と吸入側圧力との圧力差ΔPによって判断している(ステップS14)、しかし、この判断は、圧縮機40のドーム内圧力と吐出側圧力との圧力差によって行なってもよい。
図1に示されている空気調和機10では、逆止弁36が取り付けられているので、この吐出側圧力は、逆止弁36よりも下流側の圧力になる。この場合、圧縮機40のドーム内圧力と吐出側圧力が第3所定圧力差よりも大きくなるまでクランクケースヒータ46をオンしておく。このように、ドーム内圧力と吐出側圧力との圧力差によって判断する場合には、例えば、逆止弁36よりも下流側に圧力計をさらに設けるか、逆止弁36の両端に微差圧計を取り付ければよい。
【0084】
(7−2)
上記第2実施形態では、空気調和機10が圧縮機40の停止後にクランクケースヒータ46をオフするタイミングをドーム内圧力と吸入側圧力との圧力差ΔPによって判断し(ステップS14)、再びクランクケースヒータ46をオンするタイミングもドーム内圧力と吸入側圧力との圧力差ΔPによって判断している(ステップS16)。しかし、圧縮機40の停止後クランクケースヒータ46をオフするタイミング及び再びクランクケースヒータ46をオンするタイミングは、ドーム内圧力と吸入側圧力との圧力差ΔPに代えて、例えば、タイマーの時間経過によって判断することもできる。
【0085】
図12は、
図11のステップS14に代えてタイマーによってクランクケースヒータ46をオフするタイミングを判断するステップS14Aを行い、及び
図11のステップS16に代えてタイマーによってクランクケースヒータ46を再度オンするタイミングを判断するステップS16Aを行なっているフローチャートである。従って、空気調和機10が
図12のステップS11,S12,S13,S15,S17で行なう動作は
図11の同一符号のステップで行なっている動作と同じであるから、ここでは
図12のステップS11,S12,S13,S15,S17の説明を省略する。
【0086】
図12のステップS14Aでは、制御装置50において、圧縮機40の停止(ステップS11)と同時にスタートするタイマーの計測値からクランクケースヒータ46をオフするか否かを判断する。つまり、予め制御装置50に設定されている第3所定時間td3を、圧縮機40の停止時にスタートしたタイマーの計測値が上回った時点でクランクケースヒータ46をオフする(ステップS15)。第3所定時間td3を、圧縮機40の停止時にスタートしたタイマーの計測値が上回るまでは、クランクケースヒータ46のオン状態を維持する。このように、時間経過によってクランクケースヒータ46のオフのタイミングを判断することができると、圧縮機40の停止後に第3所定時間td3が経過したときに圧縮機40の加熱を停止すると油濃度又は油粘度が低下する期間(tm0からtm1)より長く設定されているので、油濃度又は油粘度が低下する区間の間はクランクケースヒータ46をオンしておくことができる。油濃度又は油粘度が低下する区間(tm0からtm1)を避けてクランクケースヒータ46をオフでき、このような区間でクランクケースヒータ46をオフすることにより不具合が発生するのを未然に防止することができる。
【0087】
図12のステップS16Aでは、制御装置50において、圧縮機40の停止(ステップS11)と同時にスタートするタイマーの計測値からクランクケースヒータ46を再びオンするか否かを判断する。つまり、予め制御装置50に設定されている第2所定時間td2を、圧縮機40の停止時にスタートしたタイマーの計測値が上回った時点でクランクケースヒータ46を再びオンする(ステップS17)。第2所定時間td2を、圧縮機40の停止時にスタートしたタイマーの計測値が上回るまでは、クランクケースヒータ46のオフ状態を維持する(ステップS16A)。この第2所定時間td2の値は、予め行なわれる試験などに基づいて決定される。時間経過によってクランクケースヒータ46の加熱再開のタイミングを判断することができるので、確実に加熱を再開させることができる。
【0088】
(7−3)
上記第2実施形態では、空気調和機10が圧縮機40の停止後にクランクケースヒータ46をオフするタイミングをドーム内圧力と吸入側圧力との圧力差ΔPによって判断し(ステップS14)、再びクランクケースヒータ46をオンするタイミングもドーム内圧力と吸入側圧力との圧力差ΔPによって判断している(ステップS16)。しかし、圧縮機40の停止後にクランクケースヒータ46をオフするタイミング及び再びクランクケースヒータ46をオンするタイミングは、ドーム内圧力と吸入側圧力との圧力差ΔPに代えて、例えば、油温オフセット値(油温度Toil−飽和ガス温度Tcg)によって判断することもできる。
【0089】
図13は、
図11のステップS14に代えて、油温オフセット値によってクランクケースヒータ46を再度オンするタイミングを判断するステップS14Bを行なっているフローチャートである。従って、空気調和機10が
図13のステップS11,S12,S13,S15,S17で行なう動作は
図11の同一符号のステップで行なっている動作と同じであるから、ここでは
図13のステップS11,S12,S13,S15,S17の説明を省略する。
【0090】
図13のステップS14Bでは、制御装置50において、圧縮機40の停止(ステップS11)の後、油温オフセット値からクランクケースヒータ46をオフするか否かを判断する。つまり、圧縮機40の停止後、油温オフセット値が予め制御装置50に設定されている第2目標オフセット値SH2を上回った時点でクランクケースヒータ46をオフする(ステップS15)。油温オフセット値が第2目標オフセット値SH2を下回るまでは、クランクケースヒータ46のオン状態を維持する。
【0091】
圧縮機40の停止時に、制御装置50は、電磁弁48が開いているときに、圧縮機加熱用ヒータは、油温オフセット値が第2目標オフセット値SH2より大きくなったときにクランクケースヒータ46をオフし、圧縮機40の加熱を停止する。
【0092】
油濃度又は油粘度が低下する区間の油温オフセット値よりも小さい第2目標オフセット値SH2を設定することで、油濃度又は油粘度が低下する区間(tm0からtm1)を避けてクランクケースヒータ46をオフできる。油温オフセット値を用いて油濃度又は油粘度が低下する区間を避けてクランクケースヒータ46をオフでき、このような区間でクランクケースヒータ46をオフすることにより不具合が発生するのを未然に防止することができる。
【0093】
図13のステップS16Bでは、制御装置50において、制御装置50において、油温オフセット値からクランクケースヒータ46を再びオンするか否かを判断する。つまり、圧縮機40の停止後、油温オフセット値が予め制御装置50に設定されている第1目標オフセット値SH1を下回った時点でクランクケースヒータ46を再びオンする(ステップS17)。油温オフセット値が第1目標オフセット値SH1を下回るまでは、クランクケースヒータ46のオフ状態を維持する(ステップS16B)。
【0094】
圧縮機40の停止時に、電磁弁48が開いているときに、油温オフセット値からクランクケースヒータ46を再びオンするか否かを制御装置50が判断するため、温度に関する情報も含めてクランクケースヒータ46の加熱の再開が判断され、バイパス管47による均圧後に圧縮機40の加熱を再開するまでの期間の判断をきめ細かく行える。バイパス管47による均圧後に圧縮機の加熱を再開するまでの期間の判断をきめ細かく行えるので、待機電力の削減効果を十分に引き出すことができる。なお、油温オフセット値については、後ほど詳しく説明する。
【0095】
(8)油温オフセット値を用いる一般的な制御
例えば、油温オフセット値を用いる制御装置50による一般的なクランクケースヒータ46の制御について
図14のフローチャートに沿って説明する。ここで、一般的なクランクケースヒータ46の制御とは、上述の変形例4−2及び5−2の場合のような圧縮機40の停止直後の制御以外の時点での制御である。この制御装置50は、圧縮機40のモータ45を制御しているので、圧縮機40の動作と停止の状態に関する情報を有している。制御装置50は、圧縮機40が停止している状態において、まず、冷媒圧力検出器61の検出結果を受けて、圧縮機40内の飽和ガス温度Tcgを算出する(ステップS20)。冷媒の飽和ガス温度Tcgは、冷媒の圧力LPが分かれば、従来からよく知られた方法を用いて、冷媒の圧力と飽和温度との関係から簡単に算出される。例えば、制御装置50は、冷媒の圧力LPと飽和ガス温度Tcgの関係を示す関係式faを記憶しており、その関係式faを用いて飽和ガス温度Tcgを算出する。
【0096】
次に、制御装置50は、ステップS20で得られる飽和ガス温度Tcgに所定温度(以下油温オフセット値という)を加えて油温目標値T
soを算出する。油温オフセット値は、制御装置50のメモリ50bに記憶されているデータに基づいて決定される(ステップS21)。
【0097】
図15は、飽和ガス温度Tcgと油温オフセット値との関係を示すグラフである。
図15に示されているグラフは、油濃度C
soによって異なったものになる。
図15には、油濃度C
soが60%(冷媒濃度が40%)の場合と油濃度C
soが70%(冷媒濃度が30%)の場合の2つのグラフが示されている。例えば、その空気調和機10の冷凍装置の油濃度C
soが60%に決められている場合、
図15の下側の60%のデータを用い、それ以外のデータは用いない。ステップS20で求まった飽和ガス温度Tcgが5℃であれば、点P1から油温オフセット値がTos1℃に決まる。従って、油温目標値T
soは、5℃+Tos1℃(飽和ガス温度Tcg+油温オフセット値)に決まる。
図15に示されているグラフは、例えば簡単な2次式fbで近似されており、制御装置50は、油濃度C
soと飽和ガス温度Tcgの値から油温目標値T
soを計算する。式fb(Tcg)は、油濃度C
so毎にその式が用意されている。そして、油濃度C
soの値によって式を選択して、選択された式fb(T
r)を使って飽和ガス温度Tcgの値から油温目標値T
soが算出される。
【0098】
制御装置50は、油温検出器62を用いて、圧縮機40内の潤滑油70の油温を検出する(ステップS22)。油温検出器62は、潤滑油70の油温を直接検出するように設置されていてもよいが、ここではケーシング41の底部41aに取り付けられている。なお、油温検出器62の設置場所は、油溜まり周辺であれば例えば圧縮機40の側部でもよい。そのため、制御装置50は、油温検出器62の検出結果を簡単な補正式fcに代入して油温T
oを検出する。この補正式fcは、例えば、油温検出器62の検出結果と潤滑油70の中に直接温度センサを入れて検出した値とについて行った実測などから定めることができる。
【0099】
ステップS23において、制御装置50は、油温目標値T
soと油温T
oとを比較して、油温T
oが油温目標値T
soに達していなければステップS24に進み、クランクケースヒータ46をオンにしてステップS20に戻る。もし、ステップS23で、油温目標値T
soと油温T
oとを比較して、油温T
oが油温目標値T
soに達していれば、制御装置50は、ステップS25に進み、クランクケースヒータ46をオフにしてステップS20に戻る。
【0100】
制御装置50は、このような制御を行うことにより、圧縮機40の停止時において、油温T
oが油温目標値T
soを満たすようにクランクケースヒータ46を制御することができる。
【0101】
(9)油温オフセット値
このように空気調和機10の冷凍装置は、制御装置50の制御によって、圧縮機40の停止中に潤滑油70の油温T
oが油温目標値T
soに達する状態を維持できるように構成されている。そして、油温目標値T
soは、飽和ガス温度Tcg+油温オフセット値によって定まる。
【0102】
この油温オフセット値は、油温目標値T
soが冷媒の圧力LPにおける溶解平衡時の油濃度が所定の設定値になる潤滑油70と冷媒の混合液の温度に設定されている。
【0103】
この点について、
図16を用いて説明する。
図16は、平衡状態にある冷媒の圧力LPと潤滑油70と冷媒の混合液の温度(以下液温という)と冷媒の溶解度との関係を示すグラフである。
図16に示されている点Ps1,Ps2,Ps3,Ps4は、それぞれ
図15の点P1,P2、P3,P4に対応する。
【0104】
図16のグラフにおいて、点Ps1は、溶解平衡時に圧力がα1、液温がβ1の状態で油濃度が60%(冷媒の溶解度が40%)になる点である。そして、
図17に示されているように、点Ps1の状態ST1でクランクケースヒータ46をオンせずに放置すると、液温は、現在の液温β1から圧力α1で平衡状態ST2を保つ冷媒の飽和ガス温度Tcgα
1に変化する。このとき、冷媒はさらに潤滑油中に溶解して、油濃度は60%から低下する。つまり、油濃度を60%に保つには、液温をβ1に保てばよい。
【0105】
従って、油温オフセット値は、(溶解平衡時に圧力がα1で油濃度が60%になる液温)−(圧力α1の冷媒の飽和温度)、即ちβ1−T
rα
1で与えられる。
【0106】
冷媒の飽和温度毎の油温オフセット値の決定の仕方を
図15及び
図16を用いて説明する。油濃度については、その所望の設定値が信頼性と待機電力削減の観点から冷凍装置毎に決定される。従って、油濃度が例えば60%に設定される冷凍装置であれば、溶解度が40%になる縦軸に平行な直線(以下40%ラインという)と各曲線L1,L2,L3,L4…との関係を見ればよい。そうすると、40%ラインが圧力α2の点Ps2で交わる溶解度曲線はL2であり、40%ラインが圧力α3の点Ps3で交わる曲線はL3であり、40%ラインが圧力α4の点Ps4で交わる曲線はL4である。一方、圧力α2で油温と飽和温度が等しくなる点P
th2を通る二点鎖線で示されている仮想の溶解度曲線の温度はT
rα
2になる。同様に、圧力α3の点P
th3を通る仮想の溶解度曲線の温度はT
rα
3になり、圧力α4の点P
th4を通る仮想の溶解度曲線の温度はT
rα
4になる。従って、圧力α2のときの油温オフセット値は、曲線L2の示す温度β2から温度T
rα
2を引いた値になる。同様に、油温オフセット値は、圧力α3のときは曲線L3の示す温度β3から温度T
rα
3を引いた値になり、圧力α4のときは曲線L4の示す温度β4から温度T
rα
4を引いた値になる。
【0107】
以上説明したように、油温オフセット値は、圧縮機40内の冷媒の圧力が決まれば一つに決まる値である。そして、油温オフセット値は、
図16のグラフが分かっていれば、予め求めておける値でもある。
【0108】
このようにして
図16のグラフから求められる4つの飽和温度の油温オフセット値をプロットしたものが
図15に示されているグラフの点P1,P2,P3,P4である。例えば、求められた各点P1,P2,P3,P4…について最小二乗法などを適用して、各点の間を補完することで飽和温度と油温オフセット値との関係を示すグラフが完成する。
図15に示されているグラフの曲線を示す近似式が、データとして制御装置50のメモリ50bに記憶されている。
【0109】
(10)油温オフセット値を用いる一般的な制御の特徴
(10−1)
以上説明したように、空気調和機10の冷凍装置は、室内熱交換器21(放熱器又は蒸発器)と室外熱交換器31(蒸発器又は放熱器)と圧縮機40とクランクケースヒータ46と制御装置50と冷媒圧力検出器61と油温検出器62を備えて構成されている。そして、制御装置50は、圧縮機40内の冷媒の飽和ガス温度Tcgに対して油温オフセット値(所定温度)を加えて得られる油温目標値T
soに圧縮機40内の潤滑油の油温T
oが達するようにヒータを制御する。
【0110】
従来の技術では、例えば、
図18に示されているように、高油濃度区間でもクランクケースヒータがオンすることがある。つまり、外気の温度がクランクケースヒータをオンさせなくてはならない低い状態から高くなっていくときには、クランクケースヒータをオンしなくてもよい程高い油濃度になっていても、外気の温度がオフになる条件まではその状況を維持するため油濃度に係わらずオンの状態を維持する場合がある。
【0111】
一方、油温オフセット値を用いる制御装置50では、油温目標値T
soは、油温オフセット値(所定温度)によって、圧縮機40内の冷媒の圧力における溶解平衡時の油濃度が所定の設定値(例えば60%)になる潤滑油70と冷媒の混合液の温度(例えばβ1〜β4など)に設定されている。そのため、外気の温度によってヒータ制御が左右されずに制御装置50が油濃度でクランクケースヒータ46の制御を行うことができ、高油濃度区間でクランクケースヒータ46をオンすることがなく、待機電力の削減を行うことができる。そして、制御装置50は、一定の油濃度を維持させる油温になるようにクランクケースヒータ46の制御を行うことができる。
【0112】
油温オフセット値を用いてクランクケースヒータ46の制御を行なう冷凍装置では、
図15に示されているように、クランクケースヒータ46のオンオフによって潤滑油70の温度と冷媒の圧力が変化しても、そこから求められる飽和ガス温度Tcgから
図15の曲線を表す同一の簡単な式を用いて油温オフセット値が求まる。つまり、制御装置50は、溶解度曲線の情報を持たなくても済み、かつヒータ制御に伴う計算を簡略化することができる。また、潤滑油と冷媒の種類が変わって、新たに制御装置50に保持させるための
図15に示されているようなデータを得なければならなくなっても、油濃度の所定の設定値(例えば60%)についての飽和温度と油温オフセット値が分かればよいので、溶解度曲線をデータ化する必要がなく、設計工数も短縮される。また、上記実施形態ではオンオフ制御を行う場合について説明したが、本実施形態の空気調和機10では、制御装置50がクランクケースヒータ46を制御するためのパラメータが温度だけであるため、比例制御などを使って油温目標値T
soに達するまでの時間を短縮させるような構成とすることも容易である。
【0113】
(10−2)
また、制御装置50のメモリ50bが記憶するデータも少なく、
図15に示されている飽和温度毎に油温オフセット値(所定温度)をデータとして保持していれば、制御装置50における計算などに必要な記憶容量や計算負荷を省くことができる。それにより、制御装置50におけるクランクケースヒータ46の制御を高速に行なわせることができ、圧縮機40の状況変化への応答が速くなる。
【0114】
(11)油温オフセット値を用いる一般的な制御の変形例
(11−1)
上記変形例4−2及び5−2に記載の制御装置50が保持する飽和温度と油温オフセット値の関係は、油濃度が60%になる曲線を示すものではなく、所定の設定範囲、例えば60〜65%の間に入る曲線や直線で示されていてもよい。例えば、
図15の直線LNは、油濃度の設定範囲60〜65%の間に入る直線である。直線LNは、飽和温度が比較的低い側では、油濃度設定値が65%の飽和温度と油温オフセット値の関係を示す曲線に近く、飽和温度が比較的高い側では、油濃度設定値が60%の飽和温度と油温オフセット値の関係を示す曲線に近くなるように設定されている。
【0115】
このような直線LNを用いて制御装置50が制御を行うと、油濃度の制御範囲に多少の幅(例えば60〜65%)ができるが、その範囲内での制御で十分である場合や他の理由から所定の設定範囲内で油濃度の設定値が変化するような設定をすることもできる。直線LNを用いる場合には、飽和温度から比例計算で油温オフセット値が求まり、制御が簡単になる。
【0116】
(11−2)
上記変形例4−2及び5−2に記載の空気調和機10では、油濃度を設定値として用いて、
図15に示されているように、油濃度が所定の設定範囲あるいは所定の設定値になる飽和温度と油温オフセット値の関係を求め、その関係を用いて制御装置50がクランクケースヒータ46を制御している。
【0117】
しかし、飽和温度と油温オフセット値の関係を求める際の所定の設定範囲あるいは所定の設定値に用いるのは、油濃度の値ではなく、油粘度の値を用いてもよい。元々、油濃度を所定の設定範囲あるいは所定の設定値にすべく、クランクケースヒータ46の制御を行うのは、油粘度が低下することを防ぐ目的があるので、直接その目的を達成することができるようなヒータ制御を行ってもよい。そのため、油粘度を用いる場合でも油濃度の場合と同様に油温オフセット値を定めることができる。
【0118】
(11−3)
上記変形例4−2及び5−2に記載の空気調和機10では、油温検出器62によって、圧縮機40内の潤滑油70の油温を検出する場合について説明したが、他の測定装置の検出結果から潤滑油70の油温を推定するようにしてもよい。例えば、油温検出器62の検出結果に対して、圧縮機40の周辺の外気温や室内熱交換器21の温度などを用いて補正を加えてさらに精度を高めるような推定を行ってもよい。あるいは、油温検出器62を用いないで、潤滑油70の油温を推定するためのパラメータに関する測定を行う他の計測器の計測結果から圧縮機40内の潤滑油70の油温を推定するようにしてもよい。
【0119】
(11−4)
上記変形例4−2及び5−2に記載の空気調和機10では、制御装置50は、クランクケースヒータ46のオンオフ制御を行っているが、油温オフセット値の値に応じて加熱量を変化させるような制御を行ってもよい。例えば、圧縮機40内の圧力変化が急峻な場合に油温オフセット値の値が負の値になることがある。そのような場合には、油温オフセット値が正の値をとる場合よりも加熱量を増加させるような変更を行ってもよい。
【0120】
(11−5)
上記変形例4−2及び5−2に記載の空気調和機10では、冷媒圧力検出器61を吸入管43に取り付けて、吸入管43の側で圧縮機40内の冷媒の圧力を測定している。しかし、圧縮機40内の冷媒の圧力を吸入管43の側よりも吐出管42の側の方がよりよく測定できる場合には、吐出管42に冷媒圧力検出器61を吸入管43に取り付けて圧力を検出してもよい。
【0121】
(11−6)
上記変形例4−2及び5−2に記載の空気調和機10では、飽和温度として飽和ガス温度を用いたが、飽和温度として飽和液温度を用いてもよい。
【0122】
(11−7)
上記変形例4−2及び5−2に記載の空気調和機10では、潤滑油70を温めるためにクランクケースヒータ46を用いたが、潤滑油70を温めるためのヒータはクランクケースヒータ46に限られない。例えば潤滑油70を温める方法として欠相通電によるモータ巻き線加熱方法を用いることもでき、この場合には潤滑油70を温めるヒータとしてモータ巻き線が用いられる。この場合、制御装置50は、ヒータの制御として、欠相通電によるモータ巻き線加熱のオンオフ制御を行う。