(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6135150
(24)【登録日】2017年5月12日
(45)【発行日】2017年5月31日
(54)【発明の名称】電子部品の脱離方法
(51)【国際特許分類】
H01G 13/00 20130101AFI20170522BHJP
H01G 4/30 20060101ALI20170522BHJP
【FI】
H01G13/00 351A
H01G13/00 331E
H01G4/30 311Z
【請求項の数】5
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-12258(P2013-12258)
(22)【出願日】2013年1月25日
(65)【公開番号】特開2014-143362(P2014-143362A)
(43)【公開日】2014年8月7日
【審査請求日】2015年12月1日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003067
【氏名又は名称】TDK株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100124062
【弁理士】
【氏名又は名称】三上 敬史
(74)【代理人】
【識別番号】100145012
【弁理士】
【氏名又は名称】石坂 泰紀
(72)【発明者】
【氏名】作左部 博朋
【審査官】
多田 幸司
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2012/063405(WO,A1)
【文献】
特開2003−077772(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01G 4/00−4/015
H01G 4/02−4/10
H01G 4/14−4/22
H01G 4/224
H01G 4/255−4/40
H01G 13/00−17/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
保持具が有する粘着層に電子部品を配置して、前記電子部品を前記保持具に保持させる保持工程と、
前記粘着層が受け具と対向すると共に、前記受け具が前記保持具の下方に位置するように、前記保持具及び前記受け具を設置する設置工程と、
柔軟性を有すると共に張力が付与された状態にある糸状部材を前記保持具に対して相対的に移動させることにより、前記電子部品と前記粘着層との間に前記糸状部材を通過させて、前記電子部品を前記保持具から前記受け具へと脱離させる脱離工程とを有し、
前記電子部品は、前記保持具に対向する第1の面と、前記第1の面と隣り合うと共に前記第1の面に交差する第2の面と、前記第1及び第2の面を接続する曲面状の稜部とを有し、
前記糸状部材の径は前記稜部の曲率半径の1/2倍〜1倍である、電子部品の脱離方法。
【請求項2】
前記糸状部材の硬度は前記電子部品の硬度よりも低い、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記糸状部材は樹脂により構成されている、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記脱離工程では、前記保持具と前記受け具との直線距離が、前記保持具と前記受け具との対向方向における前記電子部品の高さの2倍以下である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記保持工程では、複数の前記電子部品が一列に並ぶように複数の前記電子部品を前記粘着層に配置し、
前記脱離工程では、複数の前記電子部品が並ぶ方向に対して前記糸状部材が斜めとなるように延びた状態で、前記保持具に対して前記糸状部材を相対的に移動させる、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子部品を保持する保持具から電子部品を脱離させるための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
製造後の電子部品の不良(例えば、傷、クラック、割れ)を検査するために、粘着層を介して複数の電子部品を保持具に保持させる工程と、その状態で各電子部品の内部又は外部における探傷検査を行う工程と、検査後の電子部品を保持具から脱離させる工程とを実施することがある。検査後の電子部品を保持具から脱離させる方法として、例えば、特許文献1〜4に記載の技術が知られている。
【0003】
特許文献1,2は、先端が鋭角状の掻き取りブレードを用いて、電子部品と粘着層との間に当該先端が挿入するように掻き取りブレードを移動させて電子部品を粘着層から掻き取ることで、電子部品を粘着層から脱離させる方法を開示している。特許文献3,4は、電子部品の側面を脱離具によって押し出すことで、電子部品を粘着層から脱離させる方法を開示している。これらの方法において、電子部品は保持具よりも下側に位置した状態で粘着層から脱離されるため、粘着層から脱離した電子部品は下方に落下する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−077772号公報
【特許文献2】特開2004−193366号公報
【特許文献3】特開2009−054675号公報
【特許文献4】特開2011−142273号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1〜4に記載された方法では、電子部品が掻き取りブレード又は脱離具によって押されることにより、電子部品が保持具から離れる方向のみならず、掻き取りブレード又は脱離具の進行方向にも、電子部品に対して力が加わっていた。そのため、粘着層から脱離された電子部品は、横方向に移動しつつ下方に落下する。従って、落下中に電子部品同士が衝突してしまい、電子部品に傷などが発生する虞があった。
【0006】
そのため、本発明の目的は、保持具から電子部品を脱離する際に、電子部品が損傷してしまうことを防止できる電子部品の脱離方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一側面に係る電子部品の脱離方法は、保持具が有する粘着層に電子部品を配置して、電子部品を保持具に保持させる保持工程と、粘着層が受け具と対向すると共に、受け具が保持具の下方に位置するように、保持具及び受け具を設置する設置工程と、柔軟性を有すると共に張力が付与された状態にある糸状部材を保持具に対して相対的に移動させることにより、電子部品と粘着層との間に糸状部材を通過させて、電子部品を保持具から受け具へと脱離させる脱離工程とを有する。
【0008】
本発明の一側面に係る電子部品の脱離方法では、電子部品と粘着層との間に糸状部材を通過させて、電子部品を保持具から受け具へと脱離させている。そのため、掻き取りブレード又は脱離具を用いている従来の方法と比較して、電子部品に対して保持具又は糸状部材の移動方向に加わる力が極めて小さくなる。従って、保持具に保持されていた電子部品の配列がほぼ維持されたまま、電子部品が受け具に移載される。その結果、落下中に電子部品同士が衝突し難くなるので、保持具から電子部品を脱離する際に、電子部品が損傷してしまうことを防止できる。また、糸状部材は、掻き取りブレード又は脱離具と比較して表面積が極めて小さい。そのため、糸状部材が粘着層に付着して移動が妨げられることを防止できる。
【0009】
電子部品は、保持具に対向する第1の面と、第1の面と隣り合うと共に第1の面に交差する第2の面と、第1及び第2の面を接続する曲面状の稜部とを有し、糸状部材の径は稜部の曲率半径の1/2倍〜1倍であってもよい。この場合、糸状部材が電子部品と粘着層との間により確実に進入できる。
【0010】
糸状部材の硬度は電子部品の硬度よりも低くてもよい。この場合、糸状部材が電子部品に接触しても電子部品に傷等の損傷が生じ難くなる。
【0011】
糸状部材は樹脂により構成されていてもよい。
【0012】
脱離工程では、保持具と受け具との直線距離が、保持具と受け具との対向方向における電子部品の高さの2倍以下であってもよい。この場合、保持具から脱離して落下した電子部品が受け具に到達するまでの距離が極めて小さい。そのため、電子部品の姿勢が変化することなく電子部品を保持具から受け具に移載できると共に、電子部品が受け具に達した際に電子部品に加わる衝撃を極めて小さくできる。
【0013】
保持工程では、複数の電子部品が一列に並ぶように複数の電子部品を粘着層に配置し、脱離工程では、複数の電子部品が並ぶ方向に対して糸状部材が斜めとなるように延びた状態で、保持具に対して糸状部材を相対的に移動させてもよい。複数の電子部品が並ぶ方向に対して糸状部材が平行となる場合には、糸状部材が複数の電子部品に同時に作用するため、糸状部材から電子部品に作用する力が分散し得る。しかしながら、複数の電子部品が並ぶ方向に対して糸状部材が斜めとなる場合には、当該列の電子部品に個々に糸状部材が作用する。そのため、糸状部材からの力が電子部品に対してより集中するので、より大きな力を糸状部材から電子部品に作用させることができる。従って、電子部品の保持具からの脱離を促進できる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、保持具から電子部品を脱離する際に、電子部品が損傷してしまうことを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】
図1は、電子部品の脱離方法の一工程を示す図であり、
図1(a)は、保持具を上方から見た図であり、
図1(b)は、保持具を側方から見た図であり、
図1(c)は、保持具を下方から見た図である。
【
図5】
図5は、
図4の後続の様子を示す図であり、
図5(a)は、保持具を上方から見た図であり、
図5(b)は、保持具を側方から見た図であり、
図5(c)は、保持具を下方から見た図である。
【
図6】
図6は、
図5の後続の工程を示す図であり、
図6(a)は、保持具を上方から見た図であり、
図6(b)は、保持具を側方から見た図であり、
図6(c)は、保持具を下方から見た図である。
【
図7】
図7は、他の例に係る電子部品の脱離方法の一工程を示す図であり、
図7(a)は、保持具を下方から見た図であり、
図7(b)は、
図7(a)の部分拡大図であって、糸状部材が移動する様子を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の実施形態に係る電子部品の脱離方法について図面を参照して説明するが、以下の本実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明を以下の内容に限定する趣旨ではない。説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。
【0017】
まず、粘着層10aを有する保持具10を用意する。保持具10は、矩形状を呈する平板である。保持具10は、一対の主面S1,S2を有する。保持具10は、例えば、金属板(ステンレス鋼板など)や、樹脂板によって構成される。
【0018】
粘着層10aは、保持具10の主面S1に配置されている。粘着層10aは、後述する電子部品1を保持具10に保持しうる程度の粘着力を有する。粘着層10aは、例えば、シリコーンゴムによって構成される。
【0019】
続いて、保持具10の粘着層10a上に、複数の電子部品1を配置する。本実施形態に係る方法に用いられる電子部品1は、
図2等に詳しく示されるように、直方体形状を呈する素体1aと、素体1aの両端に設けられた一対の外部電極1bとを備える。そのため、電子部品1は、全体として直方体形状を呈する。電子部品1の大きさとしては、例えば、いわゆる0402サイズ(長手方向の長さが例えば0.4mm程度、幅及び高さが例えばそれぞれ0.2mm程度)や、0603サイズ(長手方向の長さが例えば0.6mm程度、幅及び高さが例えばそれぞれ0.3mm程度)を採用してもよい。
【0020】
電子部品1は、互いに対向する一対の主面と、互い対向する一対の側面と、互いに対向する一対の端面とを有する。一対の主面は、一対の側面及び一対の端面と隣り合っている。一対の側面は、一対の主面及び一対の端面と隣り合っている。一対の端面は、一対の主面及び一対の側面と隣り合っている。これらの隣り合う面同士は、曲面状を呈する稜部によってそれぞれ接続されている。稜部の曲率半径は、例えば0.2mm程度である。
【0021】
素体1aは、例えばセラミック材料を焼成することによって得られる。外部電極1bは、例えば金属材料をめっきすることによって得られる。素体1a内には、例えば内部電極や内部導体が配置される。これらの内部電極や内部導体が外部電極1bに電気的に接続されることにより、電子部品1がコンデンサやインダクタ等として機能する。しかしながら、電子部品1が素体1aのみの場合でも本実施形態に係る方法を採用することができる。
【0022】
本実施形態では、電子部品1は、保持具10の短辺方向(
図1(c)のX方向)と、保持具10の長辺方向(
図1(c)のY方向)との2方向にそれぞれ沿うように、保持具10上に配列されている。
図1(c)においては、X方向に並ぶ電子部品1の数が列によって異なっているが、X方向に並ぶ電子部品1が全ての列において同じ数であってもよい。この場合、複数の電子部品1が格子状に並ぶこととなる。複数の電子部品1は、保持具10上において、X方向又はY方向に沿って並んでおらず、不規則に点在していてもよい。
【0023】
本実施形態では、
図1(c)に示されるように、一対の外部電極1bの対向方向がY方向に沿うように、電子部品1の一対の主面のうち一方が粘着層10aに付着している。しかしながら、一対の外部電極1bの対向方向がX方向に沿っていてもよいし、一対の外部電極1bの対向方向がX方向又はY方向に対して斜めとなっていてもよい。電子部品1のうち側面や端面(外部電極1b)が粘着層10aに付着していてもよい。
【0024】
続いて、複数の電子部品1が保持具10に保持された状態で、探傷検査装置に保持具10をセットする。次に、探傷検査装置において各電子部品1の探傷検査を行う。次に、探傷検査装置から保持具10を取り出し、探傷検査が完了する。
【0025】
続いて、
図1(b)に示されるように、電子部品1が保持具10よりも下側となるように、保持具10を受け具12上に位置させる。すなわち、保持具10の下方に受け具12上が位置し、且つ、保持具10の主面S1が受け具12に向かうようにする。受け具12は、矩形状を呈する平板である。受け具12は、例えば、樹脂板(PET板など)によって構成される。あるいは、受け具12は、例えば、表面に帯電防止処理が施されているものや、帯電防止材料によって構成されているものであると、好ましい。保持具10と受け具12との直線距離は、保持具10と受け具12との対向方向における電子部品1の高さの2倍以下であると好ましい。
【0026】
続いて、
図1及び
図2に示されるように、保持具10の粘着層10aの下側で且つ保持具10の一方の短辺寄りに糸状部材14を配置する。糸状部材14は、両端側から張力が付与され、X方向に延びるように直線状を呈している。糸状部材14は、柔軟性を有しており、電子部品1を保持具10から脱離させる際にかかる外力に応じて変形しうるが、当該外力によって破断しない程度の強度も有する。糸状部材14の径は、電子部品1の稜部の曲率半径の1/2倍〜1倍であると好ましく、例えば0.1mm〜0.2mm程度に設定することができる。
【0027】
糸状部材14は、1本の繊維で構成されていても良いし、複数の繊維を撚って1本の糸としたものであってもよい。糸状部材14の材質としては、例えば樹脂やカーボンが挙げられる。所定の引っ張り強度を有していれば、糸状部材14として木綿などの天然繊維を用いることができる。電子部品1に損傷を与えなければ、糸状部材14として金属ワイヤを用いることもできる。樹脂としては、例えばナイロン、ポリエステル、ポリエチレン、ポリ(パラフェニレンベンゾビスオキサゾール)、ポリパラフェニレンテレフタルアミドが挙げられる。特に、ポリ(パラフェニレンベンゾビスオキサゾール)及びポリパラフェニレンテレフタルアミドは、比較的大きな引っ張り強度を有するため、糸状部材14を構成する樹脂として好ましい。糸状部材14の硬度は、電子部品1(素体1a又は外部電極1b)の硬度よりも低いと好ましい。この場合、糸状部材14が電子部品1に接触しても電子部品1に傷等の損傷が生じ難くなる。糸状部材14及び電子部品1の硬度は、例えばビッカース硬さにより評価することができる。
【0028】
続いて、
図1及び
図2に示されるように、糸状部材14が粘着層10aに付着した状態を維持したまま、糸状部材14を保持具10の一方の短辺側から他方の短辺側へと移動させる。糸状部材14は保持具10に対して相対的に移動すればよい。そのため、糸状部材14が移動し且つ保持具10が静止してもよいし、糸状部材14が静止し且つ保持具10を移動してもよいし、糸状部材14及び保持具10が共に移動してもよい。糸状部材14が保持具10に対して相対的に移動する際に、糸状部材14が粘着層10a側に向けて押されていてもよい。この場合、粘着層10aが保持具10に向けて窪み、粘着層10aと電子部品1との間に間隙が生ずるので、糸状部材14を粘着層10aと電子部品1との間に挿入しやすくなる。
【0029】
続いて、
図3に示されるように、糸状部材14を粘着層10aと電子部品1との間に滑り込ませつつ、糸状部材14を保持具10の他方の短辺側へとさらに移動させる。これにより、電子部品1は、電子部品1のうち保持具10の一方の短辺側の部分から徐々に、粘着層10aから引き離される。糸状部材14が電子部品1の全幅にわたって移動すると、
図4に示されるように、電子部品1が、粘着層10aから完全に引き離され、保持具10から脱離する。保持具10から脱離した電子部品1は、ほぼ真下に落下し、受け具12に移載される。
【0030】
続いて、糸状部材14を保持具10の他方の短辺側へとさらに移動させる。これにより、
図5に示されるように、X方向に一列に並ぶ複数の電子部品1が、各列ごとに順次保持具10から脱離する。糸状部材14が保持具10の他方の短辺側に達すると、
図6に示されるように、全ての電子部品1が保持具10から脱離し、受け具12に移載される。このとき、保持具10と受け具12との直線距離を、保持具10と受け具12との対向方向における電子部品1の高さの2倍以下に設定していると、電子部品1の姿勢が変化することなく電子部品1が受け具12に移載できると共に、電子部品1が受け具12に達した際に電子部品1に加わる衝撃を極めて小さくできる。
【0031】
以上のような本実施形態では、電子部品1と粘着層10aとの間に糸状部材14を通過させて、電子部品1を保持具10から脱離させている。そのため、掻き取りブレード又は脱離具を用いている従来の方法と比較して、電子部品1に対して保持具10又は糸状部材14の移動方向に加わる力が極めて小さくなる。従って、保持具10に保持されていた電子部品1の配列状態がほぼ維持されたまま、電子部品1が受け具12に移載される。その結果、落下中に電子部品1同士が衝突し難くなるので、保持具10から電子部品1を脱離する際に、電子部品1が損傷してしまうことを防止できる。また、糸状部材14は、掻き取りブレード又は脱離具と比較して表面積が極めて小さい。そのため、糸状部材14が粘着層10aに付着して移動が妨げられてしまうことを防止できる。
【0032】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記した実施形態に限定されるものではない。例えば、本実施形態では、糸状部材14が保持具10に対して相対的に移動する際に、糸状部材14がX方向に延びるように直線状を呈していた。すなわち、電子部品1の配列方向と、糸状部材14が延びる方向とが、共にX方向で平行となっていた。しかしながら、
図7(a)に示されるように、電子部品1の配列方向(X方向又はY方向)に対して糸状部材14が斜めとなるように延びた状態で、糸状部材14を保持具10に対して相対的に移動させてもよい。電子部品1の配列方向(X方向又はY方向)に対して糸状部材14が平行となる場合には、糸状部材14が複数の電子部品1に同時に作用するため、糸状部材14から電子部品1に作用する力が分散し得る。しかしながら、電子部品1の配列方向(X方向又はY方向)に対して糸状部材14が斜めとなる場合には、
図7(b)に示されるように、糸状部材14が保持具10に対して相対的に移動する際に、当該列の電子部品1に個々に糸状部材14が作用する。そのため、糸状部材14からの力が電子部品1に対してより集中するので、より大きな力を糸状部材14から電子部品1に作用させることができる。従って、電子部品1の保持具10からの脱離を促進できる。
【符号の説明】
【0033】
1…電子部品、10…保持具、10a…粘着層、12…受け具、14…糸状部材。