(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、複数のネットワークに接続されている場合において、設定により予め特定された特定情報の各ネットワークへの重複した送信を回避することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る画像形成装置は、異なるネットワークがそれぞれ接続される複数のネットワークインタフェースと、いずれかの前記ネットワークインタフェースを介して受信した管理情報の送信要求に応じて、設定により予め特定された特定情報及び特定情報以外の不特定情報を含む管理情報の中から、前記各ネットワークインタフェースそれぞれから送出する情報及び特定情報の送出先とするただ1つの前記ネットワークインタフェースが設定された設定情報に従って、送信要求を受信した前記ネットワークインタフェースから送出すべき情報を抽出して送出用の管理情報を作成する管理情報作成手段と、前記管理情報作成手段により作成された送出用の管理情報を、送信要求を受信した前記ネットワークインタフェースから送出する送出手段と、を有
し、前記送出手段は、送信要求を受信した前記ネットワークインタフェースが特定情報の送出先とするただ1つの前記ネットワークインタフェース以外の場合でも、継続して利用できなくなる可能性のある状態を示している特定情報を、継続して利用可能な値に変更し、その変更後の情報を含む情報を送出することを特徴とする。
【0006】
前記
送出手段は、送信要求を受信した前記ネットワークインタフェースが特定情報の送出先とするただ1つの前記ネットワークインタフェースの場合、特定情報を少なくとも含む
情報を送出することを特徴とする。
【0007】
また、
前記設定情報には、書き替え対象とする特定情報及び当該特定情報を書き替える前記継続して利用可能な値が設定されていることを特徴とする。
【0008】
また、ユーザによる設定操作に応じて前記設定情報を作成する設定情報作成手段を有することを特徴とする。
【0009】
また、前記特定情報には、前記画像形成装置の継続した利用を可能とするために参照される情報が含まれることを特徴とする。
【0010】
また、前記画像形成装置の継続した利用を可能とするために参照される情報には、消耗品に関する情報が含まれることを特徴とする。
【0011】
本発明に係るプログラムは、異なるネットワークがそれぞれ接続される複数のネットワークインタフェースを有する画像形成装置に搭載されたコンピュータを、いずれかの前記ネットワークインタフェースを介して受信した管理情報の送信要求に応じて、設定により予め特定された特定情報及び特定情報以外の不特定情報を含む管理情報の中から、前記各ネットワークインタフェースそれぞれから送出する情報及び特定情報の送出先とするただ1つの前記ネットワークインタフェースが設定された設定情報に従って、送信要求を受信した前記ネットワークインタフェースから送出すべき情報を抽出して送出用の管理情報を作成する管理情報作成手段、前記管理情報作成手段により作成された送出用の管理情報を、送信要求を受信した前記ネットワークインタフェースから送出する送出手段、として機能させ
、前記送出手段は、送信要求を受信した前記ネットワークインタフェースが特定情報の送出先とするただ1つの前記ネットワークインタフェース以外の場合でも、継続して利用できなくなる可能性のある状態を示している特定情報を、継続して利用可能な値に変更し、その変更後の情報を含む情報を送出することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に記載の発明によれば、複数のネットワークに接続されている場合において、設定により予め特定された特定情報の各ネットワークへの重複した送信を回避することができる。
【0013】
請求項2に記載の発明によれば、特定情報の送出先とするただ1つのネットワークインタフェースから受信された送信要求に応じて送信すべき、特定情報を少なくとも含む送出用の管理情報を作成することができる。
【0014】
請求項3に記載の発明によれば、特定情報の送出先とするただ1つのネットワークインタフェース以外のネットワークインタフェースから受信された送信要求に応じて送信すべき送出用の管理情報を、特定情報を含めずに作成することができる。
【0015】
請求項4に記載の発明によれば、設定情報の作成に必要な情報をユーザに指定させることができる。
【0016】
請求項5に記載の発明によれば、管理情報のうち画像形成装置の継続した利用を可能とするために参照される情報を複数のネットワークへ重複して送信することから回避することができる。
【0017】
請求項6に記載の発明によれば、管理情報のうち消耗品に関する情報を複数のネットワークへ重複して送信することから回避することができる。
【0018】
請求項7に記載の発明によれば、複数のネットワークに接続されている場合において、設定により予め特定された特定情報の各ネットワークへの重複した送信を回避することができる。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面に基づいて、本発明の好適な実施の形態について説明する。
【0021】
図1は、本発明に係る画像形成装置の一実施の形態を含むネットワークシステムを示した構成図である。
図1には、ネットワークA,Bで示される2つのネットワークシステム(以下、単に「ネットワーク」)10a,10bと画像形成装置12cとが示されている。ネットワークAは、LAN等で形成されたネットワーク14aに、ユーザ端末11a、画像形成装置12a、管理装置13aとが接続されて構成される。ネットワークBは、LAN等で形成されたネットワーク14bに、ユーザ端末11b、画像形成装置12b、管理装置13bとが接続されて構成される。そして、画像形成装置12cは、双方のネットワーク14a,14bに接続される。
【0022】
ネットワークAにおけるユーザ端末11aは、画像形成装置12a及び画像形成装置12cを利用可能なパーソナルコンピュータ(PC)等で実現される。管理装置13aは、同じネットワーク14aに接続された画像形成装置12a及び画像形成装置12cの管理を行う。具体的には、画像形成装置12a,12cの稼動状況やリソース(例えば、消耗品)の監視等を行うために、画像形成装置12a,12cに問合せ(MIB情報の送信要求)を行うことで、問合せをした画像形成装置12からMIB情報を受信し、参照する。本実施の形態では、管理装置13における画像形成装置12の監視にSNMP(Simple Network Management Protocol)を用いて行うものとする。つまり、本実施の形態では、管理装置13がSNMPマネージャとして機能し、画像形成装置12がSNMPエージェントとして機能する。ネットワークBにおいてもネットワークAと同じでよいので説明を省略する。ただ、詳細は後述するように、本実施の形態においては、管理装置13aが複数のネットワークに接続された画像形成装置12cの管理を行うので、管理装置13bは、画像形成装置12bの管理は行うものの画像形成装置12cに対しては管理を行わない。なお、
図1においては、説明の便宜上、双方のネットワーク14a,14bに接続する画像形成装置12c以外の各ネットワークA,Bに含めるユーザ端末11及び画像形成装置12の台数をそれぞれ1台ずつとしたが、これらの台数は1台に限定するものではなく、また、各ネットワークA,Bに含める台数を同じにする必要はない。
【0023】
図2は、本実施の形態における画像形成装置30のハードウェア構成図である。画像形成装置30は、
図1における、複数(
図1においては2つ)のネットワークに接続された画像形成装置12cに相当し、プリント機能、コピー機能、スキャナ機能等各種機能を搭載した複合機であり、コンピュータを内蔵した装置である。
図2において、CPU21は、ROM29に格納されたプログラムにしたがってスキャナ24やプリンタエンジン26等本装置に搭載された各種機構の動作制御を行う。アドレスデータバス22は、CPU21の制御対象となる各種機構と接続してデータの通信を行う。操作パネル23は、ユーザからの指示の受け付け、情報の表示を行う。本実施の形態においては、設定情報の設定に用いられる。スキャナ24は、ユーザがセットした原稿を読み取り、電子データとしてHDD(Hard Disk Drive)25等に蓄積する。HDD25は、スキャナ24を使用して読み取った電子文書などを格納する。プリンタエンジン26は、CPU21で実行される制御プログラムからの指示に従い出力用紙上に画像を印字する。RAM28は、プログラム実行時のワークメモリや電子データ送受信時の通信バッファとして利用される。ROM29は、本装置の制御やSNMPエージェント等の各種プログラムが格納されている。各種プログラムが実行されることで後述する各構成要素が所定の処理機能を発揮する。
【0024】
そして、本実施の形態における画像形成装置30には、複数のネットワークインタフェース(I/F)27が搭載されている。ネットワークインタフェース(I/F)27は、ネットワーク14を接続し、ネットワーク14を介して送られてくるジョブの受信、SNMPメッセージの送受信等に利用される。
図2には、
図1に示したように異なる2つのネットワーク14a,14bそれぞれに接続するために2つのネットワークインタフェース(I/F)27a,27bがアドレスデータバス22に接続された例が示されている。
【0025】
なお、
図1に示した画像形成装置12a,12bは、基本的には画像形成装置30と同じ構成でよいが、それぞれ1つのネットワーク14a,14bのみに接続されているので1つのネットワークインタフェース27を有していればよい。
【0026】
本実施の形態における管理装置13は、従前からある汎用的なサーバコンピュータのハードウェア構成で実現してよい。すなわち、管理装置13は、CPU、ROM、RAM、ハードディスクドライブ(HDD)、ネットワークインタフェース及び入出力手段等を有している。
【0027】
図3は、本実施の形態における画像形成装置30のブロック構成図である。画像形成装置30は、SNMPエージェント機能処理部31、設定情報設定処理部32、設定情報記憶部33及びMIB(Management Information Base)記憶部34を有している。その他にも画像形成装置30として提供する印刷等の各種機能を発揮するための手段も当然ながら有しているが、本実施の形態の説明に用いない構成要素については省略している。
【0028】
SNMPエージェント機能処理部31は、本装置をSNMPエージェントとして機能させるための手段であり、要求応答部311及びMIB情報作成部312を含んでいる。要求応答部311は、MIB情報の送信要求をいずれかのネットワークインタフェース27を介して受信することで問合せを受け付ける。要求応答部311はまた、送出手段として設けられ、その問合せに応じてMIB情報作成部312により作成されたMIB情報を、送信要求を受信したネットワークインタフェース27から送出する。MIB情報作成部312は、管理情報作成手段として設けられ、要求応答部311によりいずれかのネットワークインタフェース27を介して受信されたMIB情報の送信要求に応じて、MIB情報の中から設定情報に従って送信要求を受信したネットワークインタフェース27から送出すべき情報を抽出して送出用のMIB情報を作成する。
【0029】
MIB記憶部34に記憶されるMIBには、本装置の状態を外部に知らせるために公開するMIB情報が定義されている。本実施の形態では、RFC3805(Ptrinter MIB V2)に従ってMIBを用いることにする。MIBに基づき取得されたMIB情報は、前述した管理情報に相当する。設定情報設定処理部32は、設定情報作成手段として設けられ、ユーザによる設定操作に応じて設定情報を作成して設定情報記憶部33に登録する。
【0030】
画像形成装置30における各構成要素31,32は、画像形成装置30に搭載されたコンピュータと、コンピュータに搭載されたCPU21で動作するプログラムとの協調動作により実現される。また、各記憶部33,34は、画像形成装置30に搭載されたHDD25にて実現される。
【0031】
また、本実施の形態で用いるプログラムは、通信手段により提供することはもちろん、USBやDVD−ROM等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して提供することも可能である。通信手段や記録媒体から提供されたプログラムはコンピュータにインストールされ、コンピュータのCPUがプログラムを順次実行することで各種処理が実現される。
【0032】
本実施の形態では、問合せに応じてMIB情報を返信する際、問い合わせされたMIB情報の全てを必ずしも送信するとは限らず、MIB情報の中から設定情報に従って抽出された情報を送出用のMIB情報として、問合せを受信したネットワークインタフェース27から送出することを特徴としている。本実施の形態においては、ネットワーク側からの送信要求に応じて、画像形成装置30がMIB情報を送信する処理を実施する前に設定情報を設定しておく必要があるが、設定情報について説明する前に、本実施の形態における基本動作について
図4に示したフローチャートを用いて先に説明することにする。なお、ここでは、本実施の形態における特徴的な構成である画像形成装置30が
図1に例示したシステム構成上の画像形成装置Cに相当するものとして説明する。そして、ネットワークインタフェース27aに接続されたネットワークAを管理対象側のネットワークとし、ネットワークAに含まれる管理装置Aが画像形成装置Cの管理を行う管理装置として動作するものとする。また、管理対象側のネットワークAを接続するネットワークインタフェース27aを管理対象側のネットワークインタフェースとする。一方、管理対象側でない非管理対象側のネットワークインタフェース27bに接続されたネットワークBを非管理対象側のネットワークとし、非管理対象側のネットワークBに含まれる管理装置Bは画像形成装置Cの管理を行わないものとする。各ネットワークインタフェース27a,27bが管理対象であるか非管理対象であるかの別は、設定情報記憶部33に設定されている。
【0033】
画像形成装置CにおけるSNMPエージェント機能処理部31の要求応答部311は、いずれかのネットワークインタフェース27を介して問合せ(MIB情報の送信要求)を受信すると(ステップ110)、その受信したネットワークインタフェース27を特定する(ステップ120)。
【0034】
問合せを受信したネットワークインタフェース27が管理対象のネットワークインタフェース27aの場合(ステップ130でY)、MIB情報作成部312は、管理対象用のMIB情報を送出用のMIB情報として作成する(ステップ140)。問合せを受信したネットワークインタフェース27が管理対象側の場合に作成されるMIB情報は、画像形成装置にネットワークインタフェース27が1つの場合に作成されるMIB情報と同じでよい。
【0035】
一方、問合せを受信したネットワークインタフェース27が非管理対象のネットワークインタフェース27bの場合(ステップ130でN)、MIB情報作成部312は、非管理対象用のMIB情報を送出用のMIB情報として作成する(ステップ150)。
【0036】
以上のようにして送出用のMIB情報が作成されると、要求応答部311は、作成されたMIB情報を、問合せを受信したネットワークインタフェース27から送出する(ステップ160)。具体的には、管理装置Aが問合せをした場合、管理装置Aは、画像形成装置Cから管理対象用のMIB情報を受信する。一方、管理装置Bが問合せをした場合、管理装置Bは、画像形成装置Cから非管理対象用のMIB情報を受信する。
【0037】
図5には、管理装置Aが画像形成装置Cから受信するMIB情報と、参考までに画像形成装置Aから受信するMIB情報が、それぞれ示されている。
図6には管理装置Bが画像形成装置Cから受信するMIB情報と、参考までに画像形成装置Bから受信するMIB情報が、それぞれ示されている。
図5に示した画像形成装置Aと画像形成装置Cの各MIB情報を比較してみると明らかなように、画像形成装置Cが送出する管理対象用のMIB情報のデータ構成は、1つのネットワークインタフェースを有する画像形成装置Aと同様である。
【0038】
これに対し、
図5及び
図6に示した画像形成装置CがネットワークA,Bにそれぞれ送出する管理対象用及び非管理対象用の各MIB情報を比較してみると明らかなように、画像形成装置CがネットワークBへ送出する非管理対象用のMIB情報には、
図5に示した消耗品のAlert(警告)に関する情報41が含まれていない。管理装置Bから消耗品のAlertに関する情報の送信が要求されたとしても含まれない。また、非管理対象用のMIB情報に含まれる最終行のトナー残量を示す“prtMarkerSuppliesLevel.1.3”の値は、
図5に示したように5%であるはずのところを、印刷が可能な状態である“−3”と書き替えられている。
【0039】
例えば、画像形成装置Cが異常により動作できない状態であることなどを示すエラーに関する情報であれば、画像形成装置Cを利用するユーザ端末Aのみならずユーザ端末Bにも知らせるべきである。従って、エラーに関する情報は、全てのネットワークA,Bへ通知すべき情報である。これに対し、例えば、トナーが不足しているなどのAlert情報を含むMIB情報を全てのネットワークA,Bに送出すると、そのMIB情報を受けた管理装置A,Bの管理者は、それぞれ受け取ったMIB情報に含まれるAlert情報を参照して、各管理者がそれぞれトナーを発注してしまうかもしれない。つまり、重複して発注してしまう可能性が生じてくる。
【0040】
そこで、本実施の形態においては、複数のネットワークに接続されている場合、そのうち1つのネットワーク(を接続したネットワークインタフェース27)を管理対象と設定すると共に、それ以外のネットワーク(を接続したネットワークインタフェース27)を非管理対象と設定し、管理対象のネットワークに対してのみ従前と同様に消耗品に関する情報を含むMIB情報を作成し、その一方、非管理対象のネットワークに対しては消耗品に関する情報を含まないMIB情報を強制的に作成するようにした。これにより、非管理対象のネットワーク側における管理装置13bは、消耗品に関する情報を検知できない。よって、消耗品を発注することはしない。また、上記例示したようにトナー残量が不足しているところを正常(印刷可能)を示す値に書き替えることで、非管理対象のネットワーク側におけるユーザ端末11bは、消耗品の不足等により画像形成装置12cが継続して利用できなくなる可能性のある状態であることを知らないまま、画像形成装置12cを継続して利用することになる。消耗品に関しては、ネットワークA側で発注され、補充されることになるので、画像形成装置12cの利用に関して支障はない。
【0041】
本実施の形態では、上記処理の説明においても一部説明したように、非管理対象のMIB情報を作成する際、MIB情報のprtAlertGroupがmarkerSupplies(11)又はfinSupply(31)のときでも非管理対象側にはこの情報を提供しない。なお、MIBシンボルの付加した数字は、OID(Object IDentifier)の最後尾の数字である。また、消耗品の残量、残寿命を示すprtMarkerSuppliesLevelを、印刷可能であることを示し、残量を取得できない消耗品で利用される値である“−3”に変更する。また、フィニッシャーの消耗品残量を示すfinSupplyCurrentLevelも同様に“−3”に変更する。
【0042】
これらのMIB情報は、消耗品に関する情報を示すMIB情報である。消耗品に関する情報は、画像形成装置Cの継続した利用を可能とするために参照される情報に含まれる。MIB記憶部34に記憶されたMIBにより規定された全てのMIB情報のうち、前述した消耗品に関する情報のように管理対象側のネットワークのみに送出するために特定される特定情報は、追って説明する設定情報に含まれ予め設定される。なお、特定情報以外の不特定情報は、管理対象側、非管理対象側のいずれのネットワークに送出してもよい。
【0043】
以上のように、管理対象側のネットワークかそうでないかで、送出するMIB情報の内容が異なってくることについて説明した。ここで、本実施の形態において前述したMIB情報を送出する処理を実施する前に設定しておくべき設定情報について説明する。
【0044】
本実施の形態では、ネットワークインタフェース27を介して送出するMIB情報の設定のために簡単設定とカスタム設定という2つの設定モードを設けた。簡単設定というのは、管理対象及び非管理対象それぞれに対して、どのMIB情報を送信対象とするか、あるいは送信時に値を変更するかなどが予め設定されている内容を採用するモードである。いわゆる初期設定に従うモードである。
【0045】
図7は、本実施の形態における設定情報記憶部33に記憶される設定情報のデータ構成例を示した図である。また、
図8は、ユーザが設定モードとして簡単設定を選択した場合に操作パネル23に表示される設定画面の例を示した図である。なお、
図8〜
図13に示した表示画面を用いた設定情報の設定は、操作パネル23からでなくリモートから行うようにしてもよい。
【0046】
図1及び
図2では、2つのネットワークインタフェースが搭載された画像形成装置を例にして説明したが、
図8には、3つのネットワークインタフェースが搭載された画像形成装置に対して設定情報を設定するため設定画面であって、特に簡単設定の設定画面の例が示されている。簡単設定においては、ユーザはどのネットワークインタフェースを管理対象とするかを選択すればよい。
図8では、172.16.123.1のアドレスが設定されたネットワークインタフェースが管理対象として選択された例が示されている。管理対象はただ1つなので、172.16.123.2及び172.16.123.3のネットワークインタフェースは、無条件に非管理対象として選択されたことになる。
【0047】
設定画面から設定された内容は、設定情報に含まれる設定モード情報に保存される。設定モード情報は、
図7に示したようにユーザにより選択されたモード(簡単設定あるいはカスタム設定)と、管理対象及び非管理対象として指定された各ネットワークインタフェースの識別情報(アドレス)を含む。
【0048】
また、設定情報に含まれる簡単設定情報には、管理対象及び非管理対象に対し、どのMIB情報を送信対象とするかが予め設定されている。本実施の形態では、
図7に示したようにMIB情報をアラート、消耗品残量、カウンタ及びその他に分類しているが、この分類方法に限定する必要はないし、必ずしも分類して管理する必要はない。管理対象に関しては、従前と同様に全てのMIB情報を送信対象とするので、その旨を示す“○”が各分類項目に設定されている。非管理対象に関しては、非通知としたり、値を変更する内容が設定される。また、分類されたMIB情報の全てを非通知とする場合には、「カウンタ設定情報」に例示したように“×”を設定する。
【0049】
この非管理対象において送信の制限や値の変更が設定されたMIB情報が、設定により予め特定された特定情報に相当し、これらの特定情報に関しては、設定情報に従い画像形成装置の各ユニット(トナー、トレイ等の各制御手段)から取得した値が管理対象のネットワークインタフェースのみに送出され、非管理対象のネットワークインタフェースには送出されないか、値が変更されて送出されることになる。特定情報以外の不特定情報に相当するMIB情報に関しては、簡単設定情報の設定内容(“○”や“×”等)に従って送出の是非が決定される。
【0050】
なお、
図8に示した設定画面は、簡単設定の設定画面としてだけでなく、簡単設定又はカスタム設定の各ボタン51,52のいずれかを選択することで現在の設定モードを選択するモード選択画面として用いてもよい。
【0051】
次に、カスタム設定について説明する。簡単設定というのが管理対象用及び非管理対象用それぞれに初期設定された内容をそのまま適用するのに対し、カスタム設定というのは、管理対象及び非管理対象それぞれに対して、どのMIB情報を送信対象とするか、あるいは送信時に値を変更するかなどをユーザが個々に設定するためのモードである。
【0052】
図9には、3つのネットワークインタフェースが搭載された画像形成装置に対して設定情報を設定するための設定画面であって、特にカスタム設定の設定画面の例が示されている。カスタム設定においては、ユーザが設定対象とするネットワークインタフェースを選択して、以下のように設定することになる。
【0053】
図10には、
図9において172.16.123.2のネットワークインタフェースを設定対象として選択した後、アラート設定のためのボタン44が選択されたときに表示される設定画面の例が示されている。この画面には、アラートに関するMIB情報に相当するMIBシンボルが表示される。従って、ユーザは、この画面から送出対象とするMIBシンボル(あるいは“指定無し”)に対応する選択ボタン48を選択することで送出対象とするMIB情報を選択する。なお、設定画面からは、送出対象とするMIB情報を選択するようにしてもよいし、送出しないMIB情報を選択するようにしてもよい。
【0054】
図11には、
図9において172.16.123.2のネットワークインタフェースを設定対象として選択した後、消耗品残量の設定のためのボタン45が選択されたときに表示される設定画面の例が示されている。この画面からは、残量が不足した場合に、実際に残量を示す値を通知するか(「通常」を選択)、あるいは常に印刷可能という内容を通知するか(「印刷可」を選択)、を設定する。
【0055】
図12には、
図9において172.16.123.2のネットワークインタフェースを設定対象として選択した後、カウンタの設定のためのボタン46が選択されたときに表示される設定画面の例が示されている。この画面からは、実際のカウンタ値を通知するか(「通常」を選択)、あるいは通知しないか(「0」を選択)、を設定する。
【0056】
図13には、
図9において172.16.123.2のネットワークインタフェースを設定対象として選択した後、その他の設定のためのボタン47が選択されたときに表示される設定画面の例が示されている。この画面では、その他の設定として、示されたOIDの値として常に0を通知することを設定する。
図13に示した設定画面は一例であり、その他の設定には、種々のMIB情報に対する設定を行えるようにしてもよい。
【0057】
以上説明した設定画面からの設定は、全てのネットワークインタフェースに対して行われ、各ネットワークインタフェースに対する設定内容は、
図7に示したカスタム設定情報に対応する各項目領域に保存される。
【0058】
なお、本実施の形態においては、ただ1つのネットワークインタフェースを管理対象とし、それ以外のネットワークインタフェースを非管理対象とするので、カスタム設定の場合には、特定情報を通知するよう設定されたネットワークインタフェースを管理対象として自動認定するようにしてもよいし、簡単設定と同様に、管理対象のネットワークインタフェースをユーザに明示的に指定させるようにしてもよい。いずれにしても、特定情報はただ1つのネットワークインタフェースのみに通知されるように設定される必要があるので、特定情報が複数のネットワークインタフェースに通知されるように設定されることを阻止するための処理を設定情報設定処理部32に組み込むようにしてもよい。
【0059】
ここで、簡単設定及びカスタム設定を考慮した本実施の形態におけるMIB情報の送出処理について
図14に示したフローチャートを用いて説明する。なお、
図4と同じ処理には同じ符号を付け説明を適宜省略する。
【0060】
要求応答部311は、いずれかのネットワークインタフェース27を介して問合せを受信すると(ステップ110)、その受信したネットワークインタフェース27を特定する(ステップ120)。
【0061】
続いて、MIB情報作成部312は、設定情報記憶部33に記憶されている設定モード情報を参照して、現在選択されている設定モードが簡単設定と判断すると(ステップ210でY)、問合せを受信したネットワークインタフェース27が管理対象のネットワークインタフェースの場合(ステップ130でY)、簡単設定情報の管理対象用の設定を参照し、該当するMIB情報を抽出して管理対象用のMIB情報を作成する(ステップ140)。一方、問合せを受信したネットワークインタフェース27が非管理対象のネットワークインタフェースの場合(ステップ130でN)、MIB情報作成部312は、簡単設定情報の非管理対象用の設定を参照して、該当するMIB情報を抽出する一方、非通知の特定情報を抽出せず、また、該当するMIB情報の値を変更することで非管理対象用のMIB情報を作成する(ステップ150)。
【0062】
また、MIB情報作成部312は、設定情報記憶部33に記憶されている設定モード情報を参照して、現在選択されている設定モードがカスタム設定と判断すると(ステップ210でN)、カスタム設定情報の、問合せを受信したネットワークインタフェースに対応する情報を参照して、該当するMIB情報を抽出して送出用のMIB情報を作成する(ステップ220)。
【0063】
以上のようにしてMIB情報作成部312が送出用のMIB情報を作成すると、要求応答部311は、作成されたMIB情報を、問合せを受信したネットワークインタフェース27から送出する(ステップ160)。
【0064】
本実施の形態では、以上のようにして消耗品に関する情報等一の管理装置13のみに通知すべき情報は当該一の管理装置13にのみ送信されるようになるので、消耗品の重複した発注等が回避される。
【0065】
図15は、本実施の形態におけるネットワークシステムの他の構成を示した図である。
図1に示したネットワーク構成図と比較すると明らかなように、このシステムでは、ネットワークBから管理装置13bを外し、ネットワーク14aとネットワーク14bとをルータ5で接続することで、管理装置13aにて、ネットワークA,Bに含まれる全ての画像形成装置12a,12b,12cを監視させる。この場合、画像形成装置12cのネットワークインタフェース27aから送出されるMIB情報はもちろんのこと、ネットワークインタフェース27bから送出されるMIB情報もルータ5を介して管理装置13aに受信されることになる。ただ、本実施の形態においては、このようなシステム構成の場合も、管理装置13aは、画像形成装置12cにおける消耗品に関する情報を重複して受信することはない。
【0066】
なお、本実施の形態においては、消耗品に関する情報を特定情報とし、一の管理装置にのみ送信されるMIB情報の例として説明したが、その他のMIB情報を特定情報に含めるようにしてもよい。本実施の形態では、カスタム設定によりどのMIB情報を送信対象にするかどうかを任意に設定できるようにしているので、ネットワークシステムの運用に応じた設定とすることは容易である。
【0067】
また、本実施の形態では、ネットワークの監視のプロトコルとしてSNMPを用いた場合を例にしたが、他のプロトコルやアプリケーションにおいて適用してもよい。