【実施例】
【0050】
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されない。以下、評価方法について説明する。
【0051】
1.酸素ガス透過度
包装材料の酸素ガス透過度は、Modern Control社製酸素透過試験器OXTRAN
TM2/20により、20℃、80%相対湿度(RH)の条件で、ASTM F1927−98(2004)の規定に従って測定された。測定値は、単位cm
3(STP)/m
2・24hr・atmで表記される。ここで(STP)は酸素の体積を規定するための標準状態(0℃、1気圧)を意味する。
【0052】
2.かまぼこの臭い評価
かまぼこ原料(配合:魚すり身55質量%、卵白2.0質量%、水35.3質量%、食塩1.4質量%、ポリリン酸ナトリウム0.3質量%、コーンスターチ6.0質量%)30gが、実施例1
、3〜5、参考例1〜3、及び比較例1〜3のそれぞれで作製された多層フィルムのポリプロピレンフィルムがヒートシールされて得られた袋に充填され、内寸8cm×10cmになるように密封包装が行われた。包装体は、120℃、缶内圧力2kg/cm
2で40分間、(株)日阪製作所製貯湯式レトルト殺菌装置(フレーバーエース)を用いてレトルト加熱処理された。5人のパネラーが包装体を開封して臭いの評価を行った。5人のパネラーから得られた評点の平均点が求められ、4点以上であれば問題なしとされた。評価基準は以下のとおりである。
5:わずかに臭い(レトルト臭または酸化臭)が感じられるが問題なし、4:やや臭いが感じられるが問題なし、3:臭いがやや強く問題あり、2:臭いがかなり強く問題あり、1:臭いが非常に強く問題あり。
【0053】
3.L−システイン水溶液が加熱処理されたときの硫化水素濃度
濃度0.3g/LのL−システイン水溶液30ml(和光純薬工業(株)製 L−システイン使用)が、実施例1
、3〜5、参考例1〜3、及び比較例1〜3のそれぞれで作製された多層フィルムのポリプロピレンフィルムがヒートシールされて得られた袋に充填され、内寸8cm×10cmになるように密封包装が行われた。包装体は、120℃、缶内圧力2kg/cm
2で60分間、レトルト加熱処理された。包装体が開封され、L−システイン水溶液中の硫化水素濃度がメチレンブルー法で定量された。メチレンブルー法は、硫化水素とp−アミノジメチルアニリンが塩化第二鉄の存在下で定量的にメチレンブルーを生成する反応を利用する。メチレンブルーの量は吸光光度計による検量線法で測定された(矢野美穂、「メチレンブルー吸光光度法を用いた温泉水中硫化水素の定量」、兵庫県立健康環境科学研究センター水質環境部参照)。
【0054】
4.レトルトツナのレトルト後色調
冷凍キハダマグロロイン背肉が(株)クレハ製クレハロンVS−20パウチに入れられ、真空包装された後、80℃で20時間ボイル処理された。ボイル処理された背肉は、十分冷却され、皮及び血合いが除かれ、普通肉部分が分離されてフレーク状にされた。フレーク状普通肉20gが、実施例1
、3〜5、参考例1〜3、及び比較例1〜3のそれぞれで作製された多層フィルムのポリプロピレンフィルムがヒートシールされて得られた袋に充填され、内寸8cm×8cmになるように真空包装が行われた。包装体は、120℃、缶内圧力2kg/cm
2で30分間、レトルト加熱処理された。包装体が開封され、レトルト処理されたツナの赤みの指標であるa値が日本電色工業(株)製Spectro Color Meter SE2000(測定色孔直径;10mm)により測定された。評価基準は以下のとおりである。
a値が9以上:良好、7以上9未満:問題なし、7未満:変色が認められる(問題あり)。
【0055】
5.含硫アミノ酸比率が異なる各種食品の臭いの評価
実施例8〜16に示した食品のそれぞれ20gずつが、実施例5及び比較例1のそれぞれで作製された多層フィルムのポリプロピレンフィルムがヒートシールされて得られた袋に充填され、内寸8cm×8cmになるようにドイツムルチバック社製真空包装機を用いて真空包装された。また、実施例17はうずら卵3個が、実施例18は皮付きえだ豆4個が、上記と同様の方法で真空包装された。包装体は、(株)日阪製作所製貯湯式レトルト殺菌装置(フレーバーエース)にて、120℃、缶内圧力2kg/cm
2で30分間レトルト加熱処理され、常温で一晩保管された。その後、5人のパネラーがサンプルを開封して臭いの評価を行った。臭いの評価は、比較例1の包装材料を用いた包装体に対して、実施例5の包装材料を用いた包装体がレトルト臭の強さにおいてどのような位置付けにあるかを採点することによって行われた。すなわち、実施例5の包装体は比較例1の包装体に対して、−2:レトルト臭が大変強い(非常に劣る)、−1:強い(劣る)、0:同等、+1:弱い(優れる)、+2:大変弱い(非常に優れる)という点数基準によって評価が行われた。5人のパネラーから得られた評点の平均点が求められ、+1以上の場合に、比較例1に代表される従来の包装体よりもレトルト臭が効果的に抑制され優れていると判断した。なお、実施例8〜19の各内容物における含硫アミノ酸比率は、女子栄養大学出版部発行の「五訂増補 食品成分表2007」p276−293より引用した。
【0056】
実施例1
ポリアクリル酸(東亞合成(株)製アロンA−10H、分子量 200,000)5質量部が水100質量部にて希釈された。希釈液が、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ(株)製ルミラーP60、厚さ12μm)のコロナ処理面にメイヤーバーにより塗工され、次いで、90℃で30秒間乾燥され、約0.3μmの厚みのポリアクリル酸膜がポリエチレンテレフタレートフィルム上に形成された。
【0057】
その後、酸化亜鉛微粒子のトルエン分散液(住友大阪セメント(株)製酸化亜鉛分散塗料ZR133)が、ポリアクリル酸膜上にメイヤーバーにより塗工され、90℃で30秒間乾燥され、約0.5μmの厚みのコーティング膜が形成された。この際、酸化亜鉛としてのコーティング量は、基材1m
2あたり約280mgとなるように調整された。
【0058】
その後、ポリエステル系接着剤(三井化学ポリウレタン(株)製タケラックA−620、硬化剤:三井化学ポリウレタン(株)製タケネートA−65)が、酸化亜鉛が塗工されたフィルム表面に塗工された後、厚さ15μmの二軸延伸ナイロンフィルム(ユニチカ(株)製エンブレムONUM−RT)がラミネートされ、さらに、厚さ60μmの未延伸ポリプロピレンフィルム(東レフィルム加工(株)製トレファンZK93KM)が、上記ポリエステル系接着剤を介してナイロンフィルム上にラミネートされ、多層フィルムが作製された。
【0059】
参考例1
ポリアクリル酸(東亞合成(株)製アロンA−10H、分子量200,000)5質量部が、水100質量部で希釈された。その後、ポリアクリル酸のカルボキシル基の量に対してアルカリ金属化合物として0.10化学当量の水酸化ナトリウム(粒子状、粒子径5mm)と、0.30化学当量の酸化亜鉛(粒子状、平均粒子径5μm以下)が、ポリアクリル酸水溶液に加えられた。水酸化ナトリウム及び酸化亜鉛が加えられたポリアクリル酸水溶液は、室温で2日間攪拌され、コーティング液が調製された。当該コーティング液が、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ(株)製ルミラーP60、厚さ12μm)のコロナ処理面にメイヤーバーにて塗工され、90℃で30秒間乾燥され、約0.3μmの厚みのポリアクリル酸膜が形成された。
【0060】
その後、ポリエステル系接着剤(三井化学ポリウレタン(株)製タケラックA−620、硬化剤:三井化学ポリウレタン(株)製タケネートA−65)が、水酸化ナトリウム及び酸化亜鉛が加えられたポリアクリル酸膜上に塗工された後、厚さ15μmの二軸延伸ナイロンフィルム(ユニチカ(株)製エンブレムONUM−RT)がラミネートされ、さらに、厚さ60μmの未延伸ポリプロピレンフィルム(東レフィルム加工(株)製トレファンZK93KM)が、上記ポリエステル系接着剤を介してナイロンフィルム上にラミネートされ、多層フィルムが作製された。
【0061】
実施例3
ポリアクリル酸(東亞合成(株)製アロンA−10H、分子量200,000)
5質量部が、水100質量部で希釈された。その後、ポリアクリル酸のカルボキシル基の量に対してアルカリ金属化合物として0.10化学当量の水酸化ナトリウム(粒子状、粒子径5mm)と、0.30化学当量の酸化亜鉛(粒子状、平均粒子径5μm以下)が、ポリアクリル酸水溶液に加えられた。水酸化ナトリウム及び酸化亜鉛が加えられたポリアクリル酸水溶液は、室温で2日間攪拌され、コーティング液が調製された。当該コーティング液が、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ(株)製ルミラーP60、厚さ12μm)のコロナ処理面にメイヤーバーにて塗工され、90℃で30秒間乾燥され、約0.3μmの厚みのポリアクリル酸膜が形成された。 その後、実施例1と同様の方法により、酸化亜鉛微粒子のトルエン分散液が塗工され、多層フィルムが作製された。
【0062】
実施例4
ポリアクリル酸(東亞合成(株)製アロンA−10H、分子量200,000)
5質量部が、水100質量部で希釈された。その後、ポリアクリル酸のカルボキシル基の量に対してアルカリ金属化合物として0.10化学当量の水酸化ナトリウム(粒子状、粒子径5mm)と、0.30化学当量の酸化亜鉛(粒子状、平均粒子径5μm以下)が、ポリアクリル酸水溶液に加えられた。水酸化ナトリウム及び酸化亜鉛が加えられたポリアクリル酸水溶液は、室温で2日間攪拌され、コーティング液が調製された。
【0063】
ポリエステル系接着剤(三井化学ポリウレタン(株)製タケラックA−620、硬化剤:三井化学ポリウレタン(株)製タケネートA−65)が、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ(株)製ルミラーP60、厚さ12μm)のコロナ処理面に、厚み約0.1μmとなるようにメイヤーバーにて塗工され、90℃で30秒間乾燥され、アンカーコート層が形成された。そして、上記コーティング液が、上該アンカーコート層の表面に塗工され、90℃で30秒間乾燥され、約0.3μmの厚みのポリアクリル酸膜が形成された。その後、実施例1と同様の方法により、酸化亜鉛微粒子のトルエン分散液が塗工され、多層フィルムが作製された。なお、試作した該多層フィルムの厚み方向の断面切片を調製し、透過型電子顕微鏡(TEM)により観察したところ、ポリアクリル酸膜上に塗工された酸化亜鉛微粒子およびその凝集物が認められ、それらの粒径は0.1μm以下であった。
【0064】
実施例5
ポリアクリル酸(東亞合成(株)製アロンA−10H、分子量200,000)
5質量部が、水100質量部で希釈された。その後、ポリアクリル酸のカルボキシル基の量に対してアルカリ金属化合物として0.10化学当量の水酸化ナトリウム(粒子状、粒子径5mm)と、0.30化学当量の酸化亜鉛(粒子状、平均粒子径5μm以下)が、ポリアクリル酸水溶液に加えられた。水酸化ナトリウム及び酸化亜鉛が加えられたポリアクリル酸水溶液は、室温で2日間攪拌され、コーティング液が調製された。
【0065】
ポリエステル系接着剤(三井化学ポリウレタン(株)製タケラックA−620、硬化剤:三井化学ポリウレタン(株)製タケネートA−65)が、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ(株)製ルミラーP60、厚さ12μm)のコロナ処理面に、厚み約0.1μmとなるようにグラビアコーターにて塗工され、90℃で30秒間乾燥され、アンカーコート層が形成された。そして、上記コーティング液が、上該アンカーコート層の表面に塗工され、90℃で30秒間乾燥され、約0.4μmの厚みのポリアクリル酸膜が形成された。その後、酸化亜鉛微粒子のトルエン分散液(住友大阪セメント(株)製酸化亜鉛分散塗料K035A)がポリアクリル酸膜上に塗工され、乾燥されて、約0.5μmの厚みのコーティング膜が形成された。得られた積層体は、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム/アンカーコート層(0.1g/m
2)/ポリアクリル酸層(0.5g/m
2)/酸化亜鉛層(酸化亜鉛として0.5g/m
2)という構造を有していた。なお、各層の乾燥塗布量が( )に示されている。
【0066】
その後、ポリエステル系接着剤(三井化学ポリウレタン(株)製タケラックA−620、硬化剤:三井化学ポリウレタン(株)製タケネートA−65)が、酸化亜鉛が塗工されたフィルム表面に塗工された後、厚さ15μmの二軸延伸ナイロンフィルム(ユニチカ(株)製エンブレムONUM−RT)がラミネートされ、さらに、厚さ60μmの未延伸ポリプロピレンフィルム(東レフィルム加工(株)製トレファンZK93KM)が、上記ポリエステル系接着剤を介してナイロンフィルム上にラミネートされ、多層フィルムが作製された。なお、試作した該多層フィルムの厚み方向の断面切片を調製し、透過型電子顕微鏡(TEM)により観察したところ、ポリアクリル酸膜上に塗工された酸化亜鉛微粒子およびその凝集物が認められ、それらの粒径は0.3μm以下であった。
【0067】
参考例
2
ポリエステル系接着剤(三井化学ポリウレタン(株)製、タケラックA−620、硬化剤:タケネートA−65)が、厚さ7μmのレトルトパウチラミネート用アルミニウム(Al)箔膜の表面に、厚み約0.1μmとなるようにメイヤーバーにより塗工され、90℃で30秒間乾燥されて、アンカーコート層が形成された。酸化亜鉛微粒子トルエン分散液(住友大阪セメント(株)製酸化亜鉛分散塗料ZR133)が、アンカーコート層の表面にメイヤーバーにより塗工され、90℃で30秒間乾燥されて、約0.5μmの厚みのコーティング膜が形成された。酸化亜鉛微粒子トルエン分散液のコーティング量は、基材1m
2あたり酸化亜鉛として約280mgとなるように調整された。
【0068】
その後、ポリエステル系接着剤(三井化学ポリウレタン(株)製タケラックA−620、硬化剤:三井化学ポリウレタン(株)製タケネートA−65)が、酸化亜鉛が塗工されたフィルム表面に塗工された後、厚さ15μmの二軸延伸ナイロンフィルム(ユニチカ(株)製エンブレムONUM−RT)がラミネートされ、さらに、厚さ60μmの未延伸ポリプロピレンフィルム(東レフィルム加工(株)製トレファンZK93KM)が、上記ポリエステル系接着剤を介してナイロンフィルム上にラミネートされ、多層フィルムが作製された。
【0069】
参考例
3
AlOx蒸着PET(凸版印刷(株)製GL−AEH)が、Al箔膜に代わって使用される以外、実施例6と同じ操作が行われ、多層フィルムが作製された。なお、ポリエステル系接着剤の塗工、酸化亜鉛微粒子トルエン分散液のコーティングはAlOx蒸着面に対して施された。
【0070】
比較例1
二軸延伸ナイロンフィルム(ユニチカ(株)製エンブレムONUM−RT、厚さ15μm)が、厚さ7μmのレトルトパウチラミネート用Al箔膜の表面にラミネートされ、さらに、ポリエステル系接着剤(三井化学ポリウレタン(株)製タケラックA−620、硬化剤:三井化学ポリウレタン(株)製タケネートA−65)を介して、厚さ60μmの未延伸ポリプロピレンフィルム(東レフィルム加工(株)製トレファンZK93KM)がナイロンフィルム上にラミネートされ、多層フィルムが作製された。
【0071】
比較例2
AlOx蒸着PET(凸版印刷(株)製GL−AEH)が、レトルトパウチラミネート用Al箔膜に代わって使用される以外、比較例1と同じ操作が行われ、多層フィルムが作製された。
【0072】
比較例3
二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ(株)製ルミラーP60、厚さ12μm)が、レトルトパウチラミネート用Al箔膜に代わって使用される以外、実施例6と同じ操作が行われ、多層フィルムが作製された。
【0073】
実施例1、
3〜5、参考例1〜3、及び比較例1〜3で作製された多層フィルムからなる包装材料の評価が表1に示されている。
【0074】
【表1】
【0075】
表1に示されるとおり、亜鉛化合物を含有する酸素ガスバリア性材料から構成され、かつ20℃、80%相対湿度(RH)で測定される酸素ガス透過度が3cm
3(STP)/m
2・24hr・atm以下である包装材料(実施例1、3〜
5、参考例1〜3)は、かまぼこの臭い(レトルト臭または酸化臭)を問題ないレベルに抑え、レトルトツナの赤みを良好に保持できた。一方、上記の要件を満たしていない包装材料(比較例1〜比較例3)は、かまぼこの臭いを問題ないレベルに抑えられなかった、またはレトルトツナの赤みを良好に保持できなかったという問題を有していた。
【0076】
比較例1及び2の包装材料に充填されたL−システイン溶液中の硫化水素濃度は、実施例1
、3〜5、参考例1〜3の包装材料に充填されたL−システイン溶液中の硫化水素濃度の3倍以上であり、上記かまぼこの官能評価結果が裏付けられた。比較例5の包装材料に充填されたL−システイン溶液中の硫化水素濃度は、亜鉛化合物コーティングの効果により、実施例1
、3〜5、参考例1〜3の包装材料に充填されたL−システイン溶液中の硫化水素濃度と同等レベルであった。しかし、比較例5の包装材料の酸素ガス透過度が大きいため、酸化に由来すると考えられる異臭及びレトルトツナの変色が認められ、比較例5の包装材料は実用上問題を有していた。
【0077】
実施例8
実施例5の多層フィルムで「米飯」(含硫アミノ酸比率 可食部100gあたり330mg)を包装した。すなわち、精白米10gと水10cc(一袋あたり)を試料とした。
【0078】
実施例9
実施例5の多層フィルムで「油揚げ」(含硫アミノ酸比率 可食部100gあたり550mg)を包装した。すなわち、市販の油揚げを1cm角に細切りしたものを試料とした。
【0079】
実施例10
実施例5の多層フィルムで「生さけ」(含硫アミノ酸比率 可食部100gあたり860mg)を包装した。すなわち、市販の生鮭フィレーの背肉をミートチョッパー(3mm目)で挽いたものを試料とした。
【0080】
実施例11
実施例5の多層フィルムで「キハダ(マグロ)」(含硫アミノ酸比率 可食部100gあたり950mg)を包装した。すなわち、市販のキハダのサクをミートチョッパー(3mm目)で挽いたものを試料とした。
【0081】
実施例12
実施例5の多層フィルムで「あさり剥き身」(含硫アミノ酸比率 可食部100gあたり290mg)を包装した。すなわち、市販の活あさりの殻を外して身を取り出し試料とした。
【0082】
実施例13
実施例5の多層フィルムで「ずわいがに足剥き身」(含硫アミノ酸比率 可食部100gあたり460mg)を包装した。すなわち、市販の冷凍ズワイガニポーション(未加熱)の足から身を取り出し試料とした。
【0083】
実施例14
実施例5の多層フィルムで「牛挽き肉」(含硫アミノ酸比率 可食部100gあたり660mg)を包装した。すなわち、市販の牛挽き肉をそのまま試料とした。
【0084】
実施例15
実施例5の多層フィルムで「とり挽き肉」(含硫アミノ酸比率 可食部100gあたり700mg)を包装した。すなわち、市販のとり挽き肉をそのまま試料とした。
【0085】
実施例16
実施例5の多層フィルムで「豚挽き肉」(含硫アミノ酸比率 可食部100gあたり680mg)を包装した。すなわち、市販の豚挽き肉をそのまま試料とした。
【0086】
実施例17
実施例5の多層フィルムで「うずら卵」(含硫アミノ酸比率 可食部100gあたり770mg)を包装した。すなわち、市販のうずら卵をボイルして殻を剥いだもの3個(一袋あたり)を試料とした。
【0087】
実施例18
実施例5の多層フィルムで「えだ豆」(含硫アミノ酸比率 可食部100gあたり370mg)を包装した。すなわち、市販の皮付きえだ豆(未加工)4個(一袋あたり)を試料とした。
【0088】
実施例8〜18の結果が表2に示されている。
【0089】
【表2】
【0090】
硫黄化合物を含有し、含硫アミノ酸比率が食品の可食部100gあたり200mg以上である食品が、本発明の包装材料で包装された実施例8〜18の包装体は、比較例1に代表される従来の包装体よりもレトルト臭が効果的に抑制され優れていることがわかった。