特許第6135723号(P6135723)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6135723建設機械及びこれを備えたプログラム書き換えシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6135723
(24)【登録日】2017年5月12日
(45)【発行日】2017年5月31日
(54)【発明の名称】建設機械及びこれを備えたプログラム書き換えシステム
(51)【国際特許分類】
   G06F 11/00 20060101AFI20170522BHJP
   E02F 9/20 20060101ALI20170522BHJP
   B60R 16/02 20060101ALI20170522BHJP
【FI】
   G06F9/06 630A
   E02F9/20 N
   B60R16/02 660U
【請求項の数】5
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2015-162519(P2015-162519)
(22)【出願日】2015年8月20日
(65)【公開番号】特開2017-41114(P2017-41114A)
(43)【公開日】2017年2月23日
【審査請求日】2016年7月22日
(73)【特許権者】
【識別番号】000246273
【氏名又は名称】コベルコ建機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100067828
【弁理士】
【氏名又は名称】小谷 悦司
(74)【代理人】
【識別番号】100115381
【弁理士】
【氏名又は名称】小谷 昌崇
(74)【代理人】
【識別番号】100168321
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 敦
(72)【発明者】
【氏名】森 尚暢
【審査官】 坂庭 剛史
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−101229(JP,A)
【文献】 特開2012−103181(JP,A)
【文献】 特開2004−021680(JP,A)
【文献】 特開2010−176246(JP,A)
【文献】 特開2000−076505(JP,A)
【文献】 特開平08−055068(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 11/00
B60R 16/02
E02F 9/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
建設機械であって、
現在利用されているプログラムを記憶するとともに前記プログラムを更新プログラムで書き換える書換処理を実行する車両コントローラと、前記更新プログラムを有するサーバに対して通信手段を介して通信可能でかつ前記サーバから受信した前記更新プログラムを記憶する通信コントローラと、を有する制御手段と、
前記建設機械に設けられた電装品に対する電力供給が行われている電力供給状態にあるか否かを検出する電力供給状態検出手段と、を備え、
前記制御手段は、前記電力供給状態検出手段により電力供給状態にないことが検出されたときに前記通信コントローラから前記車両コントローラへの前記更新プログラムの転送を開始し、前記転送の開始後でかつ前記転送の完了前に前記電力供給状態検出手段により電力供給状態にあることが検出されたときに前記更新プログラムの転送を中断する、建設機械。
【請求項2】
請求項1に記載の建設機械であって、
前記制御手段は、前記転送の中断後に前記電力供給状態検出手段により電力供給状態にないことが検出されたときに前記転送を再開する、建設機械。
【請求項3】
請求項2に記載の建設機械であって、
前記通信コントローラは、前記転送の中断後に前記転送を再開するときに、前記更新プログラムの転送済みの部分以外の部分を前記車両コントローラに転送する、建設機械。
【請求項4】
請求項1〜3の何れか1項に記載の建設機械は、前記電装品に対する電力供給を禁止する禁止状態と前記電力供給を許容する許容状態との間で切換可能な電力供給禁止手段をさらに備え、
前記制御手段は、前記転送の完了後でかつ前記書換処理の実行中に前記電力禁止手段に対して前記禁止状態に切り換えるための指令を出力する、建設機械。
【請求項5】
プログラム書き換えシステムであって、
更新プログラムを有するサーバと、
請求項1〜4の何れか1項に記載の建設機械と、を備え、
前記建設機械の制御手段は、前記電力供給状態検出手段により電力供給状態にないことが検出されたときに前記通信コントローラから前記車両コントローラへの前記更新プログラムの転送を開始し、前記転送の開始後でかつ前記転送の完了前に前記電力供給状態検出手段により電力供給状態にあることが検出されたときに前記更新プログラムの転送を中断する、プログラム書き換えシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ショベル等の建設機械において、作業時の各種制御、累積稼働時間等の車両情報の収集、外部とのデータ授受、及びその他の制御を実行するプログラムを書き換えるための技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1に記載のプログラム書き換え制御システムは、書き換え専用サーバと、書き換え専用サーバと通信可能な建設機械と、を備えている。
【0003】
建設機械は、書き換え専用サーバに対して携帯電話基地局等の通信手段を介して通信可能な通信コントローラと、通信コントローラと車体内通信回線を介して接続されているとともに現在利用されているプログラムを記憶する情報収集コントローラと、を備えている。
【0004】
書き換え専用サーバは、情報収集コントローラに収集された車両状態データを通信コントローラを通じて受信するとともに、この車両状態データに基づいてプログラムを書き換え可能な条件(以下、単に書換条件という)を満たすか否かを判定する。また、書き換え専用サーバは、書換条件を満たすと判定されると、建設機械に対して更新プログラムを送信する。
【0005】
情報収集コントローラは、書き換え専用サーバから通信コントローラを介して更新プログラムを受信すると、当該更新プログラムによって現在利用されているプログラムを書き換える。
【0006】
書換条件は、建設機械が稼働中でないこと、つまり、キースイッチがオフに操作されていること(建設機械に設けられた電装品への電力供給が停止している状態)を含んでいる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特許第4487007号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1に記載の建設機械では、キースイッチがオフに操作された状態でプログラムの書き換えが開始されると、その後にキースイッチがオンに操作されてもプログラムの書き換えが継続される。
【0009】
しかしながら、この状態において、情報収集コントローラは、建設機械の情報収集を行うための処理とプログラムの書換処理とを並行して実行しなければならないため、当該情報収集コントローラに高い処理能力が要求されるという問題がある。
【0010】
本発明の目的は、プログラムの書換処理を実行するコントローラに要求される処理能力を低く抑えることができる建設機械及びこれを備えたプログラム書き換えシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、本発明は、建設機械であって、現在利用されているプログラムを記憶するとともに前記プログラムを更新プログラムで書き換える書換処理を実行する車両コントローラと、前記更新プログラムを有するサーバに対して通信手段を介して通信可能でかつ前記サーバから受信した前記更新プログラムを記憶する通信コントローラと、を有する制御手段と、前記建設機械に設けられた電装品に対する電力供給が行われている電力供給状態にあるか否かを検出する電力供給状態検出手段と、を備え、前記制御手段は、前記電力供給状態検出手段により電力供給状態にないことが検出されたときに前記通信コントローラから前記車両コントローラへの前記更新プログラムの転送を開始し、前記転送の開始後でかつ前記転送の完了前に前記電力供給状態検出手段により電力供給状態にあることが検出されたときに前記更新プログラムの転送を中断する、建設機械を提供する。
【0012】
本発明によれば、現在利用されているプログラムを記憶する車両コントローラとは別に、サーバから受信した更新プログラムを記憶する通信コントローラが設けられている。
【0013】
これにより、現在利用されているプログラムの利用を維持しつつサーバから更新プログラムを受信して通信コントローラに記憶させることができるため、建設機械の作業を継続しつつ通信コントローラがサーバから新たなプログラムを受信することができる。
【0014】
さらに、本発明によれば、通信コントローラから車両コントローラへの更新プログラムの転送開始後、電力供給状態であることが検出されたときに、転送を中断することができる。
【0015】
これにより、電力供給状態において車両コントローラが書換処理を実行するのを事前に防ぐことができるため、車両コントローラが書換処理に加えて他の処理を並行して行うのを防止することができる。
【0016】
したがって、本発明によれば、車両コントローラの処理能力を低く抑えることができる。
【0017】
なお、本発明において『電力供給状態にない』とは、建設機械に設けられた電装品に対する電力供給が行われていない状態であって、かつ、制御手段に対しては電力が供給されている状態を意味する。
【0018】
ここで、転送中断後に電力供給状態となっている状況であっても建設機械による作業が休止されている状況においては車両コントローラにより実行される処理は多くなく、この状況において転送を再開させても車両コントローラへの負担は比較的に小さい。
【0019】
そのため、転送中断後、電力供給状態にあり、かつ、建設機械による作業が休止されている状況において転送再開を許可するための操作がオペレータにより行われたときに転送を再開してもよい。
【0020】
一方、前記建設機械において、前記制御手段は、前記転送の中断後に前記電力供給状態検出手段により電力供給状態にないことが検出されたときに前記転送を再開することがより好ましい。
【0021】
この態様によれば、電力供給状態でない状態、つまり、車両コントローラの負荷を可及的に低減した状態で更新プログラムの転送を再開することができる。
【0022】
ここで、転送の再開時に更新プログラムの全体の転送をやり直してもよいが、この場合には、更新プログラムの転送済みの部分を再度転送する時間を要するため、更新プログラムの転送時間が長くなるという問題がある。
【0023】
そこで、前記建設機械において、前記通信コントローラは、前記転送の中断後に前記転送を再開するときに、前記更新プログラムの転送済みの部分以外の部分を前記車両コントローラに転送することが好ましい。
【0024】
この態様によれば、転送再開時において更新プログラムの転送済みの部分の再転送を省略することにより、更新プログラムの全体の再転送を行う場合と比べて転送時間を短縮することができる。
【0025】
ここで、書換処理の実行中は現在利用されているプログラムにより実現される制御手段の機能が制限される。そのため、現在利用されているプログラムによる機能を維持しつつ書換処理を実行するために、現在利用されているプログラムを実行可能な状態で記憶する第1の領域と更新プログラムを後に実行可能な状態で記憶する第2の領域とを別々に車両コントローラに設けることも考えられる。
【0026】
しかし、この場合には、プログラムを実行可能な状態で記憶する領域を2系統準備しなければならず、当該車両コントローラの構造が複雑となりコストが増加する。
【0027】
そこで、前記建設機械は、前記電装品に対する電力供給を禁止する禁止状態と前記電力供給を許容する許容状態との間で切換可能な電力供給禁止手段をさらに備え、前記制御手段は、前記転送の完了後でかつ前記書換処理の実行中に前記電力禁止手段に対して前記禁止状態に切り換えるための指令を出力することが好ましい。
【0028】
この態様によれば、書換処理の実行開始時に当該書換処理の実行に適した環境(電装品に電力供給が行われていない環境)を自動的に作り出すことができるため、車両コントローラの構成を簡素化しかつコストを抑えながら書換処理を適切に行うことができる。
【0029】
また、本発明は、プログラム書き換えシステムであって、更新プログラムを有するサーバと、前記建設機械と、を備え、前記建設機械の制御手段は、前記電力供給状態検出手段により電力供給状態にないことが検出されたときに前記通信コントローラから前記車両コントローラへの前記更新プログラムの転送を開始し、前記転送の開始後でかつ前記転送の完了前に前記電力供給状態検出手段により電力供給状態にあることが検出されたときに前記更新プログラムの転送を中断する、プログラム書き換えシステムを提供する。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、プログラムの書換処理を実行するコントローラに要求される処理能力を低く抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】本発明の第1実施形態に係る油圧ショベルの全体構成を示す側面図である。
図2図1の油圧ショベルを含むプログラム書き換えシステムの電気的構成を示すブロック図である。
図3図2の通信コントローラにより実行される処理を示すフローチャートである。
図4図2の車両コントローラにより実行される処理を示すフローチャートである。
図5図4に示す転送更新処理の内容を示すフローチャートである。
図6】本発明の第2実施形態に係る油圧ショベルの車両コントローラにより実行される処理の一部を示すフローチャートである。
図7】本発明の第3実施形態に係る油圧ショベルの車両コントローラにより実行される処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下添付図面を参照しながら、本発明の実施の形態について説明する。なお、以下の実施の形態は、本発明を具体化した例であって、本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。
【0033】
<第1実施形態>
図1を参照して、本発明の第1実施形態に係る建設機械の一例としての油圧ショベル1は、クローラ2aを有する下部走行体2と、下部走行体2上に旋回可能に設けられた上部旋回体3と、上部旋回体3に取り付けられたアタッチメント4と、を備えている。
【0034】
アタッチメント4は、上部旋回体3に対して回転可能に取り付けられた基端部を有するブーム5と、ブーム5の先端部に回転可能に取り付けられた基端部を有するアーム6と、アーム6の先端部に回転可能に取り付けられたバケット7と、を有する。
【0035】
また、アタッチメント4は、上部旋回体3に対してブーム5を回転駆動するブームシリンダ8と、ブーム5に対してアーム6を回転駆動するアームシリンダ9と、アーム6に対してバケット7を回転駆動するバケットシリンダ10と、を備えている。
【0036】
図2は、油圧ショベル1を含むプログラム書き換えシステムの電気的構成を示すブロック図である。
【0037】
図2を参照して、プログラム書き換えシステムは、油圧ショベル1と、この油圧ショベル1と通信手段(例えば、携帯電話通信網)19を介して通信可能に設けられたサーバ11と、を備えている。
【0038】
サーバ11は、油圧ショベル1に記憶された後述のプログラムを書き換えるための更新プログラムを有する。また、サーバ11は、更新プログラムを通信手段19を介して油圧ショベル1に転送するプログラム送信部11aを備えている。
【0039】
一方、油圧ショベル1は、原動機13と、原動機13を始動させるためのスタータモータ13aと、原動機13の動力を用いて発電するオルタネータ14と、オルタネータ14により発電された電力を蓄える蓄電装置15と、原動機13の動力を用いて作動油を吐出する可変容量式の油圧ポンプ17と、油圧ポンプ17の傾転を調整するためのレギュレータ17aと、を備えている。
【0040】
また、油圧ショベル1は、所定の情報を表示する表示装置(油圧ショベル1に設けられた電装品の一例)16と、後述する制御手段12に対して所定の指令を入力するための入力装置19と、表示装置16を含む電装品に対する電力の供給状態を切り換え操作するためのキースイッチ(電力供給状態検出手段)18と、キースイッチ18と後述の制御手段12との間に設けられたリレー(電力供給禁止手段)19と、を備えている。キースイッチ18は、表示装置16を含む電装品に対する電力供給を停止するためのOFF位置と、表示装置16を含む電装品に対して蓄電装置19及びオルタネータ14の少なくとも一方から電力を供給するためのON位置と、スタータモータ13aに電力を供給して原動機13を始動するための始動位置と、の間で切換可能である。なお、始動位置は、ON位置に含まれる操作位置である。また、キースイッチ18がOFF位置に切り換えられた状態において、後述する制御手段12に対しては蓄電装置15から電力が供給されている。
【0041】
さらに、油圧ショベル1は、現在利用されているプログラムを記憶するとともに、原動機13が停止している状態で蓄電装置15からの電力を用いてプログラムを更新プログラムで書き換える書換処理を実行する制御手段12を備えている。
【0042】
ここで、プログラムは、CPU、RAM及びROMを含むハードウェアと協働して、油圧ショベル1における作業時の各種制御、累積稼働時間等の車両情報の収集、外部とのデータの授受、及びその他の制御を実行するためのものである。
【0043】
具体的に、制御手段12は、サーバ11に対して通信手段19を介して通信可能な通信コントローラ20と、CAN(Controller Area Network)通信を用いて通信コントローラ20との間でデータの授受を行う車両コントローラ21と、を備えている。
【0044】
通信コントローラ20は、サーバ11から転送された更新プログラムを記憶するデータ記憶部20aと、データ記憶部20aに記憶された更新プログラムを車両コントローラ21からの要求に応じて車両コントローラ21に転送するプログラム転送部20bと、を備えている。
【0045】
また、通信コントローラ20は、データ記憶部20aに更新プログラムが記憶されたときに車両コントローラ21に対して更新プログラムが存在することを通知する。
【0046】
車両コントローラ21は、現在利用されているプログラムを記憶するとともにプログラムを更新プログラムで書き換える書き換え処理を実行する。
【0047】
具体的に、車両コントローラ21は、通常制御部21aと、転送要求部21bと、書き換え部21cと、検査部21dと、書換可否判定部21eと、禁止指令出力部21fと、データ記憶部21gと、を備えている。
【0048】
通常制御部21aは、油圧ショベル1の通常制御を実行する。例えば、通常制御部21aは、シリンダ8〜10(図1参照)に作動油を供給するための油圧ポンプ17の傾転(流量)を調整するためにレギュレータに対して指令を出力する。また、通常制御部21aは、表示装置16に対してオペレータに必要な情報(例えば、アタッチメントの姿勢、燃料の残量、冷却水温度等に関する情報)を表示するための指令を出力する。
【0049】
転送要求部21bは、通信コントローラ20に更新プログラムの転送を要求する。また、転送要求部21bは、後述の書換可否判定部21eにより更新プログラムの転送を中断すべきであると判断されたときに、通信コントローラ20に更新プログラムの転送の中断を要求する。さらに、転送要求部21bは、後述の書換可否判定部21eにより更新プログラムの転送を再開すべきであると判断されたときに、通信コントローラ20に更新プログラムの転送の再開を要求する。
【0050】
転送要求部21bからの要求に応じて、通信コントローラ20のプログラム転送部20bは、車両コントローラ21に対する更新プログラムの転送の開始(再開を含む)し、又は転送を中断する。通信コントローラ20から車両コントローラ21に転送された更新プログラムは、データ記憶部21gに記憶される。
【0051】
書き換え部21cは、通信コントローラ20から転送された更新プログラムを用いて現在利用されているプログラムを書き換える。なお、通信コントローラ20から更新プログラムが転送された後、プログラムの書き換え前の段階において、現在利用されているプログラム、及び、通信コントローラ20から転送された更新プログラムは、データ記憶部21gの別々の領域に記憶されている。また、プログラムの書き換え後の段階においても、現在利用されているプログラムは、データ記憶部21gにおいて更新プログラム(書き換え後のプログラム)が記憶されている領域とは別の一次記憶領域に記憶されている。そのため、プログラムの書き換え後、後述する検査部21dにより書き換え後のプログラムに誤りが検出された場合には、一時記憶領域に記憶されたプログラムを用いてプログラムを更新前の状態に戻すことができる。なお、一時記憶領域に記憶された、現在利用されているプログラムは、検査部21dにより書き換え後のプログラムに誤りが検出されなかったときに削除される。
【0052】
検査部21dは、プログラムの検査を実行する。具体的に、検査部21dは、通信コントローラ20から車両コントローラ21に転送されてデータ記憶部21gに記憶された更新プログラムに誤りがないか否かを検査する。さらに、検査部21dは、上述のようにデータ記憶部21gに記憶された、書き換え後のプログラムに誤りがないか否かを検査する。検査部21dは、例えば、予め数値化されたデータ合計値を照合するチェックサムを実行する。
【0053】
書換可否判定部21eは、キースイッチ18の切換状態に基づいて更新プログラムの転送の可否(つまり、書き換えの可否)を判定する。具体的に、書換可否判定部21eは、キースイッチ18がON位置に切り換えられていることを示す電気信号を受けたときに電力供給状態にあり、前記電気信号を受けていないときに電力供給状態にないと判定する。つまり、キースイッチ18は、油圧ショベル1に設けられた電装品(例えば、表示装置16)に電力供給が行われている電力供給状態にあるか否かを検出する電力供給状態検出手段に相当する。
【0054】
ここで、キースイッチ18と車両コントローラ21との間に設けられたリレー18aは、キースイッチ18に接続された回路を切断して電装品に対する電力供給を禁止する禁止状態と前記回路を接続して電装品に対する電力供給を許容する許容状態との間で切換可能な電力供給禁止手段に相当する。
【0055】
禁止指令出力部21fは、リレー18aを禁止位置に切り換えるための電気指令を当該リレー18aに出力する。一方、リレー18aは、禁止指令出力部21fからの電気指令を受けていない状態において許容位置に切り換えられている。
【0056】
また、禁止指令出力部21fは、通信コントローラ20から車両コントローラ21への更新プログラムの転送の完了後でかつ書換処理の実行中にリレー18aに対して禁止状態に切り換えるための指令を出力する。これにより、電装品に対する電力供給を停止することができるので、現在利用されているプログラムにより実現される機能が働くのを抑えた状態で更新プログラムを用いた書き換えを行うことができる。
【0057】
以下、図3を参照して、通信コントローラ20により実行される処理を説明する。
【0058】
まず、車両コントローラ21から現在のプログラムのバージョン情報を取得し(ステップR1)、サーバ11から更新プログラムのバージョン情報を受信したか否かを判定する(ステップR2)。
【0059】
ここで、更新プログラムのバージョン情報を受信していないと判定すると(ステップR2でNO)、当該処理を終了する。
【0060】
一方、更新プログラムのバージョン情報を受信したと判定すると(ステップR2でYES)、更新プログラムのバージョンが現在のプログラムのバージョンよりも新しいか否かを判定する(ステップR3)。
【0061】
ここで、更新プログラムのバージョンが現在のプログラムのバージョンと同じ又はそれよりも古いと判定すると(ステップR3でNO)、当該処理を終了する。
【0062】
一方、更新プログラムのバージョンが現在のプログラムのバージョンよりも新しいと判定すると、サーバ11から更新プログラムを受信し(ステップR4)、当該更新プログラムをデータ記憶部20a(図2参照)に記憶する(ステップR5)。
【0063】
次いで、新しいバージョンの更新プログラムが存在することを示す更新通知を車両コントローラ21に送信し(ステップR6)、更新プログラムの転送の開始を要求する転送開始要求を車両コントローラ21から受信したか否かを判定する(ステップR7)。
【0064】
ここで、転送開始要求を受信したと判定すると(ステップR7でYES)、車両コントローラ21への更新プログラムの転送を開始する(ステップR8)。
【0065】
一方、転送開始要求を受信していないと判定すると(ステップR7でNO)、車両コントローラ21への更新プログラムの転送の中断を要求する転送中断要求を車両コントローラ21から受信したか否かを判定する(ステップR9)。
【0066】
ここで、転送中断要求を受信したと判定すると(ステップR9でYES)、車両コントローラ21に対する更新プログラムの転送を中断する(ステップR10)。
【0067】
一方、転送中断要求を受信していないと判定したとき(ステップR9でNO)、及び、前記ステップR10を実行したとき、次いで、更新プログラムの転送の再開を要求する転送再開要求を車両コントローラ21から受信したか否かを判定する(ステップR11)。
【0068】
ここで、転送再開要求を受信したと判定すると(ステップR11でYES)、更新プログラムの転送を再開する一方、転送再開要求を受信していないと判定すると前記ステップR7を繰り返し実行する。
【0069】
前記ステップS8及びS12において、更新プログラムの転送を開始(再開)すると、次いで、更新プログラムの転送が終了したか否かを判定する(ステップR13)。
【0070】
ステップR13において更新プログラムの転送が終了していないと判定すると、前記ステップR7を繰り返し実行する。
【0071】
一方、更新プログラムの転送が終了したと判定すると(ステップR13でYES)、前記ステップR5でデータ記憶部20aに記憶された更新プログラムを消去すべき旨の消去指令を車両コントローラ21から受信したか否かを判定する(ステップR14)。
【0072】
ここで、消去指令を受信していないと判定すると(ステップR14でNO)、当該ステップR14を繰り返し実行する一方、消去指令を受信したと判定すると(ステップR14でYES)、データ記憶部20aから更新プログラムを消去して(ステップR15)、当該処理を終了する。
【0073】
次に、図2及び図4を参照して、車両コントローラ21により実行される処理を説明する。
【0074】
まず、電力供給状態にあるか否かが判定され(ステップS1)、ここで電力供給状態にあると判定されると、ステップS2が実行される。
【0075】
ステップS2では、通信コントローラ20から更新プログラムが存在することを示す更新通知を受信したか否かが判定され、通知があると判定されると(ステップS2でYES)、表示装置16に更新確認画面を表示する(ステップS3)。
【0076】
更新確認画面には、プログラムの更新が必要な点、プログラムの更新のためにキースイッチ18をOFF位置に切り換える必要がある点、及び更新を行うか否かの回答を入力すべき点が表示される。
【0077】
次いで、オペレータが入力装置19を用いてプログラムの更新を認める旨の回答を入力したか否かを判定する(ステップS4)。
【0078】
ここで、オペレータからの回答が入力されていないと判定されると繰り返しステップS4を実行する一方、オペレータからの回答が入力されたと判定されると、通信コントローラ20から車両コントローラ21への更新プログラムの転送及び書換処理を含む転送更新処理Uが実行される。
【0079】
図5は、図4の転送更新処理Uの処理を示すフローチャートである。
【0080】
図2及び図5を参照して、まず、転送更新処理Uにおいて更新プログラムの転送が中断されることなく、更新プログラムの転送処理と書換処理とが一連の処理として行われる場合について説明する。
【0081】
転送更新処理Uが開始されると、まず、更新プログラムが転送中であるか否かが判定される(ステップU1)。
【0082】
ここで、更新プログラムが転送中でないと判定されると(ステップU1でNO)、電力供給状態にないかどうか、つまり、キースイッチ18がOFF位置に切り換えられているか否かを判定する(ステップU2)。
【0083】
ステップU2において電力供給状態にあると判定されると前記ステップU1を繰り返し実行する一方、電力供給状態にないと判定されると更新プログラムの転送が中断した状態にあるか否かが判定される(ステップU3)。
【0084】
ここで、更新プログラムの転送が中断した状態にないと判定されると(ステップU3でNO)、通信コントローラ20に対して更新プログラムの転送開始要求を出力する(ステップU4)。これにより、図3のステップR7及びR8に示すように、通信コントローラ20から車両コントローラ21への更新プログラムの転送が開始される(車両コントローラ21における更新プログラムの受信を開始する:ステップU5)。
【0085】
次いで、更新プログラムの転送が終了したか否かが判定され(ステップU6)、転送が終了したと判定されると(ステップU6でYES)、リレー18aを禁止位置に切り換えるための信号を当該リレー18aに出力する(ステップU7)。
【0086】
これにより、電装品(表示装置16等)に対する電力供給が停止され、現在利用されているプログラムにより実現される制御手段12の機能の実行を抑制して、書換処理の実行に適した環境を作り出すことができる。
【0087】
このような環境下において、書換処理が実行され(ステップU8)、この書換処理が終了するとリレー18aを禁止位置に切り換えるための信号の出力を停止して、つまり、リレー18aを許容位置に切り換える(ステップU9)。
【0088】
次いで、更新プログラムを消去すべき旨の消去指令を通信コントローラ20に出力し(ステップU10)、当該処理は終了する。
【0089】
以下、上述した転送更新処理Uにおいて転送が中断される場合、及び中断が再開される場合について説明する。
【0090】
具体的に、ステップU6において更新プログラムの転送が終了していないと判定されると(ステップU6でNO)、前記ステップU1において更新プログラムの転送中であると判定される(ステップU1でYES)。
【0091】
次いで、電力供給状態にあるか否かが判定され(ステップU11)、ここで、電力供給状態にないと判定されると(ステップU11でNO)、前記ステップU5に戻って更新プログラムの転送(受信)を継続する。
【0092】
一方、ステップU11において更新プログラムの転送中であるにもかかわらず電力供給状態にあると判定されたとき(ステップU11でYES)、このまま更新プログラムの転送を継続するためには制御手段12に高い処理能力が要求される。具体的に、車両コントローラ21は、通常制御部21aによる油圧ショベル1の通常制御とともに更新プログラムの書換処理(ステップU8)とを並行して実行しなければならず、当該車両コントローラ21に高い処理能力が要求される。
【0093】
そこで、ステップU11においてYESと判定されると、更新プログラムの転送中断要求を通信コントローラ20に出力する(ステップU12)。これにより、図3のステップR9及びR10に示されるように通信コントローラ20から車両コントローラ21への更新プログラムの転送が中断される。その結果、書換処理が実行されるのを防止することができるため、車両コントローラ21に要求される処理能力を低く抑えることができる。
【0094】
また、ステップU12では、更新プログラムのどの部分までの転送が完了したかについての情報を記憶する。
【0095】
このように転送が中断すると(ステップU12)、続くステップU1において更新プログラムの転送中ではない(ステップU1でNO)と判定され、ステップU2において電力供給状態にないか否かが判定される。
【0096】
ここで、電力供給状態にないと判定されると(ステップU2でYES)、更新プログラムの転送が中断されていると判定され(ステップU3でYES)、更新プログラムの転送の再開を要求する(ステップU13)。
【0097】
これにより更新プログラムの転送が再開される。なお、ステップU13では、ステップU12で記憶された情報(更新プログラムの転送済み部分に関する情報)に基づいて、更新プログラムの未転送部分の転送の再開を要求する。これにより、転送の中断後に更新プログラムの全体の転送をやり直す場合と比較して、更新プログラムの転送時間の短縮を図ることができる。
【0098】
上記のように更新プログラムの転送の再開後、ステップU6において転送が終了したと判定されると、上述したステップU7〜U10が実行されて、プログラムが書き換えられる。
【0099】
以上説明したように、現在利用されているプログラムを記憶する車両コントローラ21とは別に、サーバ11から受信した更新プログラムを記憶する通信コントローラ20が設けられている。
【0100】
これにより、現在利用されているプログラムの利用を維持しつつサーバ11から更新プログラムを受信して通信コントローラ20に記憶させることができるため、油圧ショベル1の作業を継続しつつ通信コントローラ20がサーバ11から新たなプログラムを受信することができる。
【0101】
さらに、通信コントローラ20から車両コントローラ21への更新プログラムの転送開始後、電力供給状態であることが検出されたときに、転送を中断することができる。
【0102】
これにより、電力供給状態において車両コントローラ21が書換処理を実行するのを事前に防ぐことができるため、車両コントローラ21が書換処理に加えて他の処理を並行して行うのを防止することができる。
【0103】
したがって、車両コントローラ21の処理能力を低く抑えることができる。
【0104】
また、第1実施形態によれば、以下の効果を奏することができる。
【0105】
電力供給状態でない状態、つまり、車両コントローラ21の負荷を可及的に低減した状態で更新プログラムの転送を再開することができる。
【0106】
転送再開時において更新プログラムの転送済みの部分の再転送を省略することにより、更新プログラムの全体の再転送を行う場合と比べて転送時間を短縮することができる。
【0107】
書換処理(ステップU8)の実行開始時に当該書換処理の実行に適した環境(電装品に電力供給が行われていない環境)を自動的に作り出すことができるため、車両コントローラ21の構成を簡素化しかつコストを抑えながら書換処理を適切に行うことができる。
【0108】
<第2実施形態>
第1実施形態では、更新プログラムの中断後、電力供給状態にないと判定されたとき(ステップU2でYESのとき)に更新プログラムの再開を実行している(ステップU12)。
【0109】
しかし、転送中断後に電力供給状態となっている状況であっても油圧ショベル1による作業が休止されている状況においては車両コントローラ21により実行される処理は多くなく、この状況において転送を再開させても車両コントローラ21への負担は比較的に小さい。第1実施形態のように、転送の再開時に更新プログラムの更新済みの部分の転送を省略する場合には車両コントローラ21の負荷は特に小さくなる。
【0110】
そこで、第2実施形態に係る油圧ショベル1の車両コントローラ21は、図に示すような処理を実行する。
【0111】
具体的に、更新プログラムの転送の中断後、上述のステップU2において電力供給状態にある(ステップU2でNO)と判定されると、ステップU14において更新プログラムの転送が中断していると判定される。
【0112】
次いで、『作業休止中であることを条件として更新プログラムの転送の再開操作が可能である』旨を表示装置16に表示する(ステップU15)。
【0113】
ここで、オペレータは、油圧ショベル1を用いた作業予定を考慮した上で、入力装置19を用いた転送再開のための操作を行うか否かを決定する。
【0114】
次いで、入力装置19(図2参照)によりオペレータから再開を許可するための操作が行われているか否かが判定される(ステップU16)。
【0115】
ここで、オペレータの操作があったと判定されると(ステップU16でYES)、更新プログラムの転送の中断後、油圧ショベル1による作業が休止されている状況において転送を再開することができる(ステップU13)。
【0116】
一方、ステップU14及びU16においてNOと判定された場合には、それぞれ上述したステップU1(図5参照)が実行される。なお、ステップU16においてNOと判定される場合としては、例えば、転送の再開を許可しないことを示す入力装置19の操作が行われた場合や、ステップU16の開始後所定時間が経過しても再開を許可する操作が行われない場合が挙げられる。
【0117】
<第3実施形態>
第1実施形態では、図3のステップR3及びR4に示すように、通信コントローラ20が、プログラムのバージョン情報に基づいて更新プログラムの受信の要否を判断している。
【0118】
しかし、サーバ11からの更新プログラムの受信の要否の判断は、通信コントローラ20が行うことに限定されず、以下の第3実施形態に示すように車両コントローラ21が行うこともできる。以下、第3実施形態において第1実施形態と異なる部分について主に説明する。
【0119】
第3実施形態における通信コントローラ20は、図3においてステップR3を省略した処理を実行する。
【0120】
具体的に、通信コントローラ20は、ステップR2においてバージョン情報を受信した後、続いてステップR4及びR5において更新プログラムを受信及び保存し、ステップR6において車両コントローラ21に更新通知を送信する。なお、ステップR6では、更新通知とともに更新プログラムのバージョン情報も送信する。
【0121】
一方、第3実施形態における車両コントローラ21は、図7に示すように、ステップS2において更新通知を受信したと判定すると(ステップS2でYES)、更新プログラムのバージョンが現在のプログラムのバージョンよりも新しいか否かを判定する(ステップS21)。
【0122】
このステップS21において、更新プログラムのバージョンが現在のプログラムのバージョンと同じ又はこれよりも古いと判定すると(ステップS21でNO)、当該処理を終了する。
【0123】
一方、ステップS21において、更新プログラムのバージョンが現在のプログラムのバージョンよりも新しいと判定すると(ステップS21でYES)、前記ステップS3を実行する。
【0124】
第3実施形態によれば、バージョンに基づく更新プログラムの転送の要否(書き換えの要否)を車両コントローラ21によって判断することができる。
【0125】
なお、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下の態様を採用することもできる。
【0126】
図2では、通信コントローラ20と車両コントローラ21とが別々に示されているが、両コントローラ20、21は、別々に構成されたものでも、1つの制御盤上の要素としてそれぞれ設けられたものでもよい。
【0127】
前記実施形態では、更新プログラムの転送中に、車両コントローラ21が電力供給状態にあると判定したときに、当該車両コントローラ21が更新プログラムの転送の中断を要求している。
【0128】
しかし、更新プログラムの転送中に電力供給状態にあるか否かを判定すること、及び、更新プログラムの転送を中断することは、通信コントローラ20が行ってもよい。この場合、キースイッチ18がON位置に切り換えられているか否かを判定することができるように当該キースイッチ18が通信コントローラ20に電気的に接続されていることが必要である。
【0129】
同様に、転送の中断後に電力供給状態にないことが検出されたときに通信コントローラ20が更新プログラムの再開を行ってもよい。
【0130】
また、リレー18aを禁止位置に切り換えるための指令が車両コントローラ21から出力されているが、前記指令は通信コントローラ20から出力してもよい。この場合、リレー18aと通信コントローラ20とが電気的に接続されている必要がある。
【0131】
前記実施形態では、電力供給状態検出手段としてキースイッチ18を例示したが、電力供給状態検出手段は、キースイッチ18に限定されない。例えば、電力供給状態検出手段として、エンジンの回転数を検出する回転数センサ及びオルタネータの端子間電圧を検出する電圧センサを採用することもできる。
【0132】
前記実施形態では、更新プログラムの転送の再開時に更新プログラムの転送済み部分の再転送を省略しているが、転送の再開時に更新プログラムの全体の転送をやり直してもよい。
【0133】
前記実施形態では、書換処理の実行中にリレー18aによって電装品への電力の供給を禁止しているが、これを省略することもできる。この場合、例えば、現在利用されているプログラムを実行可能な状態で記憶する第1の領域と更新プログラムを後に実行可能な状態で記憶する第2の領域とを別々に車両コントローラ21に設けることができる。このようにすれば、現在利用されているプログラムによる機能を維持しつつ書換処理を実行することができる。
【0134】
プログラム(更新プログラム)は、それ自体で1以上の機能を実現するものでもよいが、他のプログラムと連携して1以上の機能を実現するものでもよい。つまり、制御手段12(車両コントローラ21)は、所定の機能を実現するプログラム(複数のプログラム)の全体を更新するものでもいが、所定の機能を実現する複数のプログラムのうちの1つのプログラムのみを更新するものであってもよい。
【0135】
建設機械は、ショベルに限定されず、クレーン及び解体機でもよく、油圧式の建設機械に限らず、ハイブリッド式又は電気式のものでもよい。
【符号の説明】
【0136】
1 油圧ショベル(建設機械の一例)
11 サーバ
12 制御手段
16 表示装置(電装品の一例)
18 キースイッチ(電力供給状態検出手段)
18a リレー(電力供給禁止手段)
19 通信手段
20 通信コントローラ
21 車両コントローラ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7