(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態を図面に従って説明する。
【0019】
図1から
図3は、本発明に係る実施形態の薬剤計数装置を示す。この薬剤計数装置は、多数の薬剤を供給可能なホッパー14と、ホッパー14内の薬剤を外部へ供給する供給部材32と、供給された薬剤を移動させる回転容器38と、回転容器38により移動される薬剤を案内するガイド部材54と、ガイド部材54に接していない薬剤を中心部側へ戻す規制部63を有する容器上部材62と、回転容器38の外側に配設されたカウンタ68とを備えている。
【0020】
各部材を配設する基台10は、一対の側面部11,11と、これらの上端を連続する水平な上面部12とを備えている。側面部11の下部は、連結板13によって連結されている。そして、上面部12の上方には、回転容器38、ガイド部材54、供給部材32およびホッパー14が順番に配設され、ガイド部材54の外側端部にカウンタ68が配設される。
【0021】
ホッパー14は、回転容器38の中心部に多数の薬剤を供給するためのものである。本実施形態のホッパー14は、
図4に示すように、支持棒15および支持基板16を介して基台10に固定される下ホッパー部材17と、この下ホッパー部材17の上側に配設される調整部材22と、調整部材22上に位置するように下ホッパー部材17の上側に固定される上ホッパー部材28とを備えている。
【0022】
下ホッパー部材17は長円形状をなし、その中心には回転容器38の中心部上に位置するように配設される円錐筒状の供給部18を備えている。この供給部18には、薬剤をホッパー14の外部へ供給するための供給口19が設けられている。この供給口19は、回転容器38の回転方向である薬剤移動方向に対して、上流側から下流側へ向けて開口面積が徐々に大きくなるように構成されている。また、下ホッパー部材17の4隅には上ホッパー部材28を固定するための取付部20が上向きに突設されている。これら取付部20の内側は、調整部材22を回転可能に配設する調整部材配設部21とされている。
【0023】
調整部材22は、供給口19の開口面積を調整することにより薬剤の供給量を調整するものである。この調整部材22は円板状をなし、その中心部に供給部18内に配置される円錐筒状の中筒部23を備えている。この中筒部23には、供給口19の内側に位置する調整口24が設けられている。また、調整部材22の外周部には、回転駆動力を受けるギア部25が設けられている。
【0024】
図2に示すように、調整部材22のギア部25には、調整部材駆動手段である電動モータ26の出力軸に連結した歯車27が噛み合わされている。これにより、調整部材22は、電動モータ26の駆動により、中筒部23の軸線を中心として周方向に回転される。この調整部材22の回転により、下ホッパー部材17の供給口19に対する調整口24の位置が変更され、中筒部23によって供給口19の一部を閉塞できる。その結果、ホッパー14の供給口19の開口面積を調整できる。
【0025】
図2および
図4に示すように、上ホッパー部材28は、取付部20にネジ止めされるボス29を備えている。そして、下ホッパー部材17の上部に固定されることにより、下ホッパー部材17との間に調整部材22を回転可能に保持する。この上ホッパー部材28には、調整部材22の中筒部23内に連通する円形状の連通孔30が設けられている。この上ホッパー部材28は、連通孔30から上方外向き傾斜する漏斗状をなし、その外周部には平面視矩形状をなすように立設する外周壁部31が設けられている。
【0026】
図1、
図5および
図6に示すように、供給部材32は、ホッパー14の供給部18の下部に位置するように回転容器38の中心部に配設されるものである。本実施形態の供給部材32は、回転容器38の中心部にガイド部材54の中心円部55が配設され、この中心円部55上に配設される。供給部材32は、下端の直径がホッパー14の供給部18の外径より大きい円錐形状に形成されている。そして、ホッパー14内に位置する部分には、薬剤を撹拌するように移動させて、ホッパー14の供給口19から外部へ供給する供給用段部33が設けられている。
【0027】
図1および
図7に示すように、供給部材32は、ホッパー14の軸線に沿って基台10から垂直上向きに突出する回転軸34の上端に連結されている。この回転軸34の下端には受動歯車35が連結されている。この受動歯車35は、供給部材駆動手段である電動モータ36の出力軸に連結した駆動歯車37が噛み合わされている。これにより、供給部材32は、電動モータ36の駆動により、所定の回転速度で回転される。
【0028】
図1、
図5および
図6に示すように、回転容器38は、上方に向けて徐々に拡径する受皿形状をなす。この回転容器38は、中心部の傾斜角度より外周部の傾斜角度が大きくなるように形成されている。即ち、中心部は水平に近い小さな傾斜角度であり、外周部は垂直に近い大きな傾斜角度である。なお、本実施形態の中心部は、前述した供給部材32によって塞がれている。回転容器38の上面の外周部には、上向きに膨出する抵抗部39が周方向に等間隔で多数設けられている。また、回転容器38の中心部には、ガイド部材54の中心円部55を配設する円形状の貫通孔部40が設けられている。さらに、回転容器38の下側には、軸線を中心として回転駆動させるためのギア部41が突設されている。
【0029】
図7に示すように、回転容器38のギア部41には、回転容器駆動手段である電動モータ42の出力軸に連結した歯車43が噛み合わされている。これにより、回転容器38は、電動モータ42の駆動により、軸線を中心として所定の回転速度で回転される。
【0030】
本実施形態では、回転容器38の下部に、回転容器38とガイド部材54との間隔を調整するための昇降機構が設けられている。この昇降機構は、回転容器38を軸線に沿って昇降させることにより、上側に位置するガイド部材54との間隔を調整するもので、カム部材44とベース基板49とを備えている。
【0031】
カム部材44は円筒状をなし、連結部材45によって、回転容器38に対して相対的に回転可能かつ軸線に沿って移動不可能に連結されている。カム部材44の外周部には、下側から上側に向けて延びる3本のカム溝46が設けられている。また、カム部材44の外周部には、カム溝46,46間に位置するように、上下方向に延びる回転防止溝47が設けられている。この回転防止溝47には、基台10の上面部12に配設した係着部材48の回転防止ピン48a(
図3参照)が挿通されている。
【0032】
図5および
図8に示すように、ベース基板49は、回転容器38の軸線と同一軸線上に位置するように、基台10の上面部12に回転可能に配設されている。このベース基板49には、カム部材44のカム溝46に嵌る嵌合凸部50aを有する係着部材50が配設されている。また、ベース基板49の外周部には回転駆動力を受けるギア部51が設けられている。
【0033】
ベース基板49のギア部51には、昇降機構駆動手段である電動モータ52の出力軸に連結した歯車53が噛み合わされている。これにより、昇降機構は、電動モータ52の駆動によりベース基板49が回転されると、ベース基板49と一緒に係着部材50が回転する。この際、カム部材44は、基台10に連結した係着部材48に係着されているため、軸線を中心として回転することはできない。そのため、ベース基板49が回転すると、係着部材50の係合凸部50aがカム部材44のカム溝46に沿って摺動する。その結果、係合凸部50aがカム溝46を押圧し、カム部材44が軸線に沿って上方または下方へ昇降する。よって、連結部材45を介して回動可能に連結された回転容器38が、カム部材44に連動して上方または下方へ昇降する。
【0034】
図5および
図6に示すように、ガイド部材54は、回転容器38の上面側に所定間隔をもって位置するように、支持基板16に配設したブラケットに固定されている。このガイド部材54は、回転容器38の貫通孔部40内に配設される(好ましくは、僅かなクリアランスをもって配設される)中心円部55を備えている。この中心円部55の中心には、供給部材32の回転軸34を貫通させる貫通孔56が設けられている。ガイド部材54には、回転容器38の中心部である中心円部55から、回転容器38の外周にかけて螺旋状に延び、回転容器38の回転により移動される薬剤を中心部から回転容器38の外側へ向けて案内するガイド部57が設けられている。本実施形態のガイド部57は、
図6において、中心円部55の右側頂部から反時計回りに延び、略360度延びた状態をなす。そして、その始点部には平面視L字形状をなすアーム部58を突設し、このアーム部58の先端にガイド部57の外側端部を連続させている。そして、ガイド部57の始点部から略半分の領域を内側ガイド部57a、残りの領域を外側ガイド部57bとして、中心部側に位置する内側ガイド部57aの全高が、外周部側に位置する外側ガイド部57bの全高より高くなるように形成されている。しかも、内側ガイド部57aは、中心円部55と一体的に連続するように設けられている。外側ガイド部57bは、内側ガイド部57aの端部から、回転容器38の上面部12に沿う肉厚が薄い円弧面状に形成されている。また、内側ガイド部57aの薬剤移動方向上流側端部である始点部には、円板状の薬剤の径方向が略垂直方向から略水平方向となるように横転させる横転作用部59が設けられている。この横転作用部59は、内側ガイド部57aの全高の略中央から中心円部55の上面に接するように延びている。本実施形態の横転作用部59は、
図9に示すように、中心側から径方向外側へ向けて、薬剤移動方向下流側へ傾斜する第1面59aと、この第1面59aの径方向外側の端部から薬剤移動方向下流側に延び、上側外向きに傾斜する(上側ほど、径方向外側に位置するように傾斜する)第2面59bとを有する。なお、組付状態では、ホッパー14の供給口19は、中心円部55において内側ガイド部57aと反対側の領域に位置する。
【0035】
容器上部材62は、
図5および
図6に示すように、支持棒15に固定されたガイドレール60上に配設されるとともに、薬剤移動方向上流側の端部が円弧状の支持枠61により支持されている。この容器上部材62は、回転容器38の外周部上方に配設されている。容器錠部材62は、上側ほど回転容器38の径方向外側に位置するように傾斜した案内面を有している。案内面は、回転容器38の上面に連続して延び、平面視C字形状である。この容器上部材62の案内面は、回転容器38の外周部の傾斜角度より大きな傾斜角度で形成してもよい。この容器上部材62の薬剤移動方向下流側の端部に、カウンタ68へ向けて移動される薬剤(回転容器38の外側へ案内されている薬剤)のうち、ガイド部材54に接していない2列目以上の薬剤を、ガイド部材54に接している1列目の薬剤及びガイド部材54を越えて回転容器38の中心部側へ戻す規制部63が設けられている。この規制部63は、回転容器38の中心側へ向けて湾曲した形状をなす。また、規制部63の下端縁は、
図10に示すように、上向きに湾曲した円弧縁部64とされている。これにより、この円弧縁部64と下方と回転容器38の外周縁の上方との間には、薬剤が通過可能な出口が形成される。さらに、容器上部材62の外周部には、回転駆動力を受けるギア部65が設けられている。
【0036】
容器上部材62のギア部65には、規制部調整手段である電動モータ66の出力軸に連結した歯車67が噛み合わされている。これにより、容器上部材62は、電動モータ66の駆動により、回転容器38の軸線を中心として回転される。回転により規制部63がガイド部材54の外側端部に近づけられると、薬剤が通過可能な出口の横幅が小さくなり、直径が大きい薬剤は通過不可能となる。また、回転により規制部63がガイド部材54から遠くなると、薬剤が通過可能な出口の横幅が大きくなり、直径が大きい薬剤が通過可能となる。
【0037】
図5および
図12に示すように、カウンタ68は、回転容器38の外側に設けられている。このカウンタ68は、発光部69と受光部70とを備えた光センサからなる検出手段を備えている。カウンタ68は、発光部69から受光部70への光が遮断され、再び受光部70が発光部69からの光を受光することにより、1個の薬剤の通過を検出する。
【0038】
この薬剤計数装置は、
図11に示すように、中央制御部71の指令によって各電動モータ26,36,42,52,66が制御される。具体的には、オペレータが操作パネル72を操作することによって計数する薬剤を設定する。これにより中央制御部71は、予め記憶された薬剤の縦寸法、横寸法および高さ寸法などの形状および大きさの情報に基づいて、昇降機構駆動手段の電動モータ52を駆動させ、回転容器38とガイド部材54の間隔を調整するとともに、規制部調整手段の電動モータ66を動作させ、薬剤出口の幅であるガイド部材54と規制部63との間隔を調整する。このようにして薬剤出口の開口面積を調整し、設定された薬剤が1個ずつ通過できるように調整する。
【0039】
そして、薬剤を計数する際には、回転容器38の中心部上に配設したホッパー14に多数の薬剤を供給する。この計数時には、供給部材駆動手段の電動モータ36および回転容器駆動手段の電動モータ42を駆動させて、カウンタ68によって検出して計数する。なお、回転容器38を回転させる電動モータ42は、ガイド部材54に接していない2列目以上の薬剤を、1列目の薬剤及びガイド部材54を越えて中心部側へ戻すために、1秒間に20個以上の薬剤を送り出しできる回転速度に設定している。
【0040】
この際、内側ガイド部57aの外周部に位置するように配設した供給量検出手段である薬剤検出センサ72(
図5参照)により、内側ガイド部57aの外側に溜まった薬剤量を検出する。そして、中央制御部71は、
図13Aに示すように、供給量が少ない場合には、調整部材駆動手段の電動モータ26を駆動させてホッパー14の供給口19の開口面積を大きくし、ホッパー14内から外部へ供給する薬剤の量を多くする。一方、
図13Bに示すように、供給量が多い場合には、ホッパー14の供給口19の開口面積を小さくし、ホッパー14内から外部へ供給する薬剤の量を少なくする。そして、略全ての薬剤が回転容器38に接するように調整する。また、薬剤の供給量の調整は、ホッパー14の供給口19の開口面積の調整と並行して、供給部材駆動手段の電動モータ36の回転速度を制御し、速くすることにより多くする一方、遅くすることにより少なくする。
【0041】
このように、本実施形態では、ホッパー14の供給口19の開口面積を調整部材22の移動により調整可能としているため、回転容器38へ供給する薬剤の供給量を調整できる。よって、供給量が少ないことによる計数速度の遅延を防止できるとともに、供給量が多いことによる薬剤の引っ掛かりや積み重なりを防止できる。また、回転容器38の中心部に電動モータ36によって回転駆動する供給部材32を配設しているため、ホッパー14内の薬剤を確実に回転容器38上に供給することができる。また、この供給部材32は、回転容器38の電動モータ42とは異なる電動モータ36によって回転駆動されるため、回転容器38上の薬剤供給量に応じて回転数を調整することにより、薬剤供給量を効率的に調整できる。また、回転容器38の回転による2列目以上の薬剤列の戻し作用に影響が及ぶことを防止できる。
【0042】
次に、薬剤計数装置によって薬剤の1つである略円板状をなす錠剤を計数する場合の作用について説明する。まず、ホッパー14から円板状錠剤を回転容器38に供給すると共に、回転容器38を回転させる。
【0043】
図14Aに示すように、円板状錠剤は、ホッパー14から回転容器38上に供給されると、回転容器38の傾斜によって中心に向けて滑動する。この際、ホッパー14から回転容器38上に供給された円板状錠剤は、回転容器38の中心部の傾斜角度が小さいため、直径方向が垂直方向に延びるように立った状態をなす場合がある(
図14Aの錠剤X参照)。この場合、回転容器38が回転しても、円板状錠剤Xが自転して下流側へ移動しない。しかし、本実施形態では、内側ガイド部57aの上流側端部に横転作用部59を設けているため、特に外向きに傾斜した第2面59bによって円板状錠剤を水平方向に横転させることができる。よって、円板状錠剤Xの横転により回転容器38との接触面積を増やし、摩擦抵抗を増大することにより下流側へ移動しない状態を防止できる。その結果、確実に全ての円板状錠剤を下流側へ移動させて計数することができる。
【0044】
また、内側ガイド部57aの外側は、回転容器38の傾斜角度が小さいため、回転容器38上の円板状錠剤の上に他の円板状錠剤が載った状態になる場合がある。しかし、本実施形態では、内側ガイド部57aの全高を外側ガイド部57bの全高より高くしているため、積み重なった上側の円板状錠剤がガイド部材54上に載ることを防止できる。その結果、確実に全ての薬剤を計数することができる。
【0045】
内側ガイド部57aの領域を通過して外側ガイド部57bの領域に円板状錠剤が移動しても、回転容器38上の円板状錠剤の上方に他の円板状錠剤が載った状態になる場合がある。しかし、本実施形態では、この外側ガイド部57bの配設領域の回転容器38の傾斜角度を大きくしているため、その傾斜によって、上側の円板状錠剤は外側ガイド部57bを越えて中心部側へ滑り落とすことができる。よって、2個の円板状錠剤が重なった状態で同時にカウンタ68へ排出されることを防止できる。
【0046】
そして、外側ガイド部57bの配設領域では、回転容器38の傾斜角度が大きいが、外側ガイド部57bに接している1列目の円板状錠剤は、外側ガイド部57bの縁に載った状態で移動する。また、1列目の円板状錠剤列の径方向外側には、この1列目の円板状錠剤の縁に載った状態で、外側ガイド部57bに接しない状態で移動する2列目の円板状錠剤列が形成される。なお、円板状錠剤の直径によっては、この2列目の円板状錠剤列の径方向外側に、更に3列目の円板状錠剤列が形成されることがある。1列目の円板状錠剤は、ガイド部材54に沿って徐々に回転容器38の外周部側へと移動し、2列目の円板状錠剤は、1列目の円板状錠剤によって案内面に押し出され、案内面を移動して規制部63へと移動する。
【0047】
このように多数列でカウンタ68へ向けて移動される円板状錠剤は、回転容器38とガイド部材54との間隔調整、および、容器上部材62による出口幅調整により、ガイド部材に接している1列目の円板状錠剤列しか薬剤出口を通過してカウンタ68へ送り出すことはできない。そして、本実施形態では、案内面の薬剤移動方向下流側の端部に回転容器38の中心側へ向けて湾曲する規制部63を設けているため、ガイド部材54に接していない2列目以上の円板状錠剤列を、ガイド部材54を越えて中心部側へ戻すことができる。即ち、本実施形態では、ガイド部材54に接触している円板状錠剤と、ガイド部材54に接触していない円板状錠剤とは、各々異なる空間を通る。このため、ガイド部材54に接触している円板状錠剤とガイド部材54に接触していない円板状錠剤とが衝突することが無い。その結果、円板状錠剤が詰まったり、円板状錠剤を高速に送り出すことができなかったりするという不都合が発生しない。また、特許文献2のように、薬剤の移動方向を変える規制部材が無く、更に、1列目と2列目の薬剤が衝突することが無いので、回転容器38の回転速度を高めて薬剤の送出速度を高めても、薬剤に割れ欠けが発生するという不都合が生じにくい。また、回転容器38の外周部の上方に位置する案内面に押し出された2列目の薬剤が規制部63によって回転容器38の中心側に戻される。つまり、規制部材63によって回転容器38の中心側へ戻される薬剤Bは、ガイド部材54に接触している薬剤Aよりも高い位置にある。このため、ガイド部材54に接触していない薬剤Bを高く浮かせなくても、ガイド部材54に接触している薬剤A及びガイド部材54を越えて回転容器38の中心側に戻すことができる。
【0048】
次に、円板状錠剤とは形状や大きさが異なるカプセル剤を計数する場合の作用について説明する。
【0049】
図14Bに示すように、平面視長円形状をなすカプセル剤は、ホッパー14から回転容器38上に供給されると、円板状錠剤と同様に、回転容器38の傾斜によって中心に向けて滑動して、薬剤供給方向が長手方向となるように整列する。そして、円板状錠剤の場合と同様にして、内側ガイド部57aを通過して外側ガイド部57bへ移動し、この外側ガイド部57bの端部の薬剤出口からは、1列目のカプセル剤列だけがカウンタ68へ供給されて計数される。また、ガイド部材54に接していない2列目以上のカプセル剤列は、規制部63によって中心部側へ戻される。
【0050】
このように、本発明の薬剤計数装置は、回転容器38の回転によってガイド部材54に沿って薬剤を移動させるものであるため、縦寸法、横寸法および高さ寸法などの形状が異なる薬剤であっても、確実に移動させて計数することができる。また、横幅が略同一の薬剤であれば、形状が異なっても、回転容器38とガイド部材54との間隔や、規制部63による出口幅を調整することなく計数できる。よって、薬剤の高速計数に関する汎用性を高めることができる。
【0051】
なお、本発明の薬剤計数装置は、前記実施形態の構成に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。
【0052】
例えば、前記実施形態では、円板状の錠剤と長円形状のカプセル剤を計数対象物として説明したが、楕円形状の錠剤などでも確実に移動させて計数することができる。また、球状の薬剤の場合、回転容器38に放射状に突出する凸条部を設けたり、凹状溝を設けることにより、確実に移動させて計数することができる。
【0053】
また、前記実施形態では、回転容器38の中心部に別体の供給部材32を配設し、この供給部材32を専用の電動モータ36で回転駆動するようにしたが、この供給部材32は設けることなく、また、回転容器38には貫通孔部40を設けない構成とし、回転容器38の中心部が一体的に回転する構成としてもよい。この場合、ガイド部材54には中心円部55を設けることなく、内側ガイド部57aおよび外側ガイド部57bを有するガイド部57およびアーム部58のみの構成とする。