(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6135746
(24)【登録日】2017年5月12日
(45)【発行日】2017年5月31日
(54)【発明の名称】電気ケトル
(51)【国際特許分類】
A47J 27/21 20060101AFI20170522BHJP
【FI】
A47J27/21 101S
【請求項の数】1
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2015-231692(P2015-231692)
(22)【出願日】2015年11月27日
(62)【分割の表示】特願2012-3943(P2012-3943)の分割
【原出願日】2012年1月12日
(65)【公開番号】特開2016-27934(P2016-27934A)
(43)【公開日】2016年2月25日
【審査請求日】2015年11月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003702
【氏名又は名称】タイガー魔法瓶株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092875
【弁理士】
【氏名又は名称】白川 孝治
(72)【発明者】
【氏名】藤原 健二
【審査官】
豊島 ひろみ
(56)【参考文献】
【文献】
特開平11−197022(JP,A)
【文献】
特開2011−250952(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 27/00 − 36/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体を収容する内容器と、該内容器を収納一体化した容器本体と、前記容器本体の上部にあって前記内容器上部の開口を閉蓋する蓋体と、前記容器本体の前部に設けられた注出口と、前記内容器内の液体を加熱する加熱手段と、前記蓋体内にあって、前記内容器内において発生する蒸気を導入し、前記蓋体内において冷却して結露させる蒸気冷却手段と、前記蓋体外にあって、前記内容器内において発生する蒸気を導入し、前記内容器内の液体の沸騰を検知する沸騰検知手段とを備えてなる電気ケトルであって、前記蒸気冷却手段は、前記内容器内において発生する蒸気を導入し、前記蓋体外の沸騰検知手段に供給する沸騰検知通路と、該沸騰検知通路を介して前記蓋体外の沸騰検知手段に供給された蒸気を再び蓋体内に導入し、該導入された蒸気を冷却する蒸気冷却部と、該蒸気冷却部を通して冷却した蒸気を導入し、前記蓋体内を周方向に迂回させることによって冷却する環状の蒸気通路と、該環状の蒸気通路を通して冷却した蒸気を導入し、前記内容器からの蒸気導入通路付近を通して蓋体外に導く蒸気導出通路とからなり、前記蒸気冷却部、蒸気導出通路が隔壁により区画された通路により構成されている一方、前記環状の蒸気通路が筒体の通路により構成されていることを特徴とする電気ケトル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、電気ケトルに関し、さらに詳しくは、蒸気が外部へ出ないようにした電気ケトルに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、電気ケトルにおいては、液体(例えば、水)を収納した内容器および内容器内の液体(例えば、水)を加熱する加熱手段を備えた容器本体と、該容器本体上部の開口を覆蓋する蓋体とを備え、該蓋体の上面には、加熱沸騰時等に外部(例えば、室内空間)に蒸気を排出する蒸気排出口が設けられている。
【0003】
この種の電気ケトルにおいては、蓋体の内面側(即ち、内容器の上部開口側)に形成された蒸気導入口から内容器内の蒸気を導入し、転倒止水弁を介して蓋体の厚さ方向に形成された距離の短かい蒸気排出通路を通して、上記蓋体の上面に形成された蒸気排出口から外部(例えば、室内空間)に向けて、蒸気がそのまま放出されるようになっている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−172109号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、上記のような蒸気排出口から蒸気が排出される構成の電気ケトルの場合、子供等が蒸気排出口から放出される蒸気に触れるおそれがある。また、多量の蒸気が室内空間に放出されると、ふすまや壁紙等が湿るし、必要以上に沸騰状態を続けると、消費電力も大きくなる等の問題がある。
【0006】
したがって、何らかの方法で、蒸気自体を外部に出さなくすることが好ましい。
【0007】
しかるに、上述のような電気ケトルにおいて、これまで、そのような対策を取ったものは見られず、有効な対策が求められている。
【0008】
本願発明は、このような事情に基づいてなされたもので、内容器内で発生した蒸気が外部へ出ないようにした電気ケトルを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本願発明は、上記の目的を達成するために、次のような課題解決手段を備えて構成されている。
【0010】
(1)請求項1の発明
の課題解決手段
この発明
の課題解決手段は、液体を収容する内容器と、該内容器を収納一体化した容器本体と、前記容器本体の上部にあって前記内容器上部の開口を閉蓋する蓋体と、前記容器本体の前部に設けられた注出口と、前記内容器内の液体を加熱する加熱手段と、前記蓋体内にあって、前記内容器内において発生する蒸気を導入し、
前記蓋体内において冷却して結露させる蒸気冷却手段と
、前記蓋体外にあって、前記内容器内において発生する蒸気を導入し、前記内容器内の液体の沸騰を検知する沸騰検知手段とを備えてなる電気ケトルであって、前記蒸気冷却手段は、前記内容器内において発生する蒸気を導入し、
前記蓋体外の沸騰検知手段に供給する沸騰検知通路と、該沸騰検知通路を介して前記蓋体外の沸騰検知手段に供給された蒸気を再び蓋体内に導入し、該導入された蒸気を冷却する蒸気冷却部と、該蒸気冷却部を通して冷却した蒸気を導入し、前記蓋体内を周方向に迂回させることによって冷却する
環状の蒸気通路
と、該環状の蒸気通路を通して冷却した蒸気を導入し、前記内容器からの蒸気導入通路付近を通して蓋体外に導く蒸気導出通路とからなり、前記蒸気冷却部、蒸気導出通路が隔壁により区画された通路により構成されている一方、前記環状の蒸気通路が筒体の通路により構成されていることを特徴としている。
【0011】
このような構成によると、
蓋体内にあって、内容器内において発生する蒸気を導入し、蓋体内において冷却して結露させる蒸気冷却手段の蒸気経路が、内容器内において発生する蒸気を導入し、蓋体外の沸騰検知手段に供給する沸騰検知通路と、該沸騰検知通路を介して前記蓋体外の沸騰検知手段に供給された蒸気を再び蓋体内に導入し、該導入された蒸気を冷却する蒸気冷却部と、該蒸気冷却部を通して冷却した蒸気を導入し、蓋体内を周方向に迂回させることによって冷却する環状の蒸気通路と、該環状の蒸気通路を通して冷却した蒸気を導入し、内容器からの蒸気導入通路付近を通して蓋体外に導く蒸気導出通路とから形成されることになり、蒸気を冷却して結露させる蒸気経路の
長さを全体として十分に長く形成できることになり、その経路長を
十分に長く形成することが可能となり、蒸気冷却による結露効率を有効に向上させることができる。
【0012】
そして、その場合において、前記蒸気冷却部、蒸気導出通路は隔壁により区画された通路により構成され、また、前記環状の蒸気通路は独立した筒体の通路により構成されている。
【0013】
以上の結果、蒸気導出通路から蓋体外に導出される蒸気の量は大きく減少し、実質的に蒸気レス構造を実現することができる。
【0014】
したがって、同構成によれば、子供等が放出される蒸気に触れることもなく、室内の湿度が高くなって、ふすまや壁紙等が湿る等の問題も確実に解消される。また、蒸気の発生量を可及的最小限に抑制することができるとともに、消費電力を必要最小限に抑えることができる。
【発明の効果】
【0015】
以上の結果、本願発明によれば、蒸気レス構造で、省エネ性の高い電気ケトルを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本願発明
の実施の形態にかかる電気ケトルの全体的な構成を示す縦断面図である。
【
図2】
図1の電気ケトルの上板を取り外した蓋体内における蒸気経路の構成を示す平面図である。
【
図4】
図2のIV−IV線断面図(下部を省略)である。
【
図6】同
図1の電気ケトルにおける把手部の上端部の構成を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、添付の図面を参照して、本願発明の好適な実施の形態について説明する。
【0018】
図1ないし
図6には、本願発明の実施の形態にかかる電気ケトルが示されている。
【0019】
この電気ケトルは、
図1に示すように、内側に貯湯用の内容器3を備えた容器本体1と、該容器本体1の上部側開口部を開閉する蓋体2と、前記内容器3を湯沸かし時に加熱する加熱手段である湯沸かしヒータ4と、前記内容器3内の湯を外部へ給湯するための注出口5と、前記容器本体1の背面部(即ち、前記注出口5の反対側)において上端側から下端側に延びる状態で取り付けられた側面視コ字形状の把手部6とを備えて構成されている。なお、本実施の形態においては、前記注出口5は、前記把手部6を把持して容器本体1を注出口5側に傾けることにより内容器3内の液体を注出口5から注出し得るように斜め上向きに形成されている。
【0020】
前記容器本体1は、板金製の円筒形状の本体ケース1aと、該本体ケース1aの下端開口に対して係合配置された合成樹脂製の皿状の底部材1bと、前記本体ケース1aの上端開口に対して係合配置された合成樹脂製の環状の肩部材1cとからなっており、該肩部材1cを介して前記内容器3を支持一体化している。
【0021】
前記内容器3は、例えば1枚板構造のステンレス製の有底円筒形状の筒体からなっており、その底部には、前記湯沸かしヒータ4が配設されている。
【0022】
そして、本実施の形態においては、前記容器本体1は、卓上型の電源台20に対して着脱可能とされており、給湯時には容器本体1を電源台20から取り外した状態で、前記把手部6を把持して容器本体1を注出口5側に傾けることにより内容器3内の液体を注出口5から注出し得るようになっている。
【0023】
前記湯沸かしヒータ4の下面側には、受電カプラ20bが設けられており、該受電カプラ20bに対して前記電源台20に設けられた給電カプラ20aを嵌合することにより、AC電源が供給され、前記湯沸かしヒータ4、空焚き検知用のバイメタル(図示省略)、後述する沸騰検知センサ10などに電源が供給されるようになっている。
【0024】
前記蓋体2は、合成樹脂製の上板2aと、該上板2aに対して外周縁が結合された合成樹脂製の下板2bと、該下板2bの下方に位置する金属製の内カバー2cとからなっており、前記肩部材1c内側の開口部に対して上下方向に着脱自在に嵌合されている。前記内カバー2cの適所には、前記内容器3内と連通する連通孔(図示省略)が形成されている。
【0025】
前記上板2aと下板2bとの間の空間は、前記内容器3内において発生した蒸気Sの通路となる蒸気経路11
(特許請求の範囲の請求項1の記載における蒸気冷却手段に該当する)を配設するための空間とされている。
【0026】
本実施の形態の場合、前記蒸気経路11は、例えば
図2に示すように、前記上板2aと前記下板2bとの間において内外2枚の平行な隔壁12a,12b,12c,12d(外側の隔壁12a,12cは相互に連続)によって円弧状に区画された第1、第2の蒸気冷却部
(蒸気冷却通路)11a,11cと、第1の蒸気冷却部11aの出口部分に連通し且つ前記蓋体2の前方側へ向かった後に同蓋体2の外周部内側に沿って略半周した後に
、蓋体外への蒸気の導出通路でもある第2の蒸気冷却部11c
(特許請求の範囲の請求項1の記載における蒸気導出通路に該当する)の入口部分に連通するパイプ形状の
環状の蒸気通路11b
(特許請求の範囲の請求項1の記載における筒体の通路に該当する)によって構成されている。前記第1の蒸気冷却部11aの出口部分と前記第2の蒸気冷却部11cの入口部分とは相互に開放されて連通可能に対向されており、同対向部分は、内側の隔壁12b,12dの内側に連通した開放部分11dとされている。
【0027】
また、前記第1の蒸気冷却部11aは、前記内容器3側の蒸気導入口21aと連通する蒸気導入通路21b部分に転倒止水弁17(これは無くても良い)を備え、且つ次に述べる前記把手部6の上端部に配設された沸騰検知用の沸騰検知手段(温度検知センサ)10が臨む位置にまで延びる沸騰検知通路11eが設けられている。
【0028】
他方、蓋体2よりも外側に位置する把手部6上端側の肩部材1c部分への取付部6b部分の内側には、前記内容器3内の水が沸騰を始めたことを検知して、前述した加熱手段である湯沸かしヒータ4に対する電源の供給をOFFにする沸騰検知手段(この場合は、上述のように温度検知センサよりなる)10が設けられている。
【0029】
このように構成したことにより、
この実施の形態では、前記内容器3内から発生した蒸気を冷却する蒸気経路11
が、前記内容器3内において発生する蒸気を導入し、前記蓋体2外の沸騰検知手段に供給する沸騰検知通路11eと、該沸騰検知通路11eを介して前記沸騰検知手段10に供給された蒸気を当該沸騰検知通路11eを介して再び導入し、該導入された蒸気を冷却する第1の蒸気冷却部11aと、該第1の蒸気冷却部11aを通して冷却した蒸気を導入し、前記蓋体2内を周方向に迂回させることによって冷却する環状の蒸気通路11bと、該環状の蒸気通路11bを通して冷却した蒸気を導入し、前記内容器3からの蒸気導入通路21b付近を通して蓋体2外に導く蒸気導出通路でもある第2の蒸気冷却部11cとから形成されることになり、その経路長を可及的に長く形成することが可能とな
る。その結果、蒸気の冷却性能が向上し、蒸気経路11内を流通する蒸気Sの殆どを結露させることが可能となる。
【0030】
なお、前記蒸気通路11bは、本実施の形態においては、前記蓋体2の外周部内側に沿った形状とされているが、前記蓋体2の外周部外側に沿った形状とすることもできる。このように構成した場合、蒸気通路11bの経路長をさらに長くできることになる結果、蒸気経路11の経路長をさらに長くすることが可能となる。
【0031】
そして、前記開放部分11dの下方側には、内容器3と注出口5とを連通する湯注出用の連通路13を開閉する開閉弁14の上部に連通する連通空間が臨まされている。なお、第1の蒸気冷却部11aの出口部分と第2の蒸気冷却部11cの入口部分とが連通されている開放部分11dの下面は、
図2に示すように、第1、第2の蒸気冷却部11a,11cを仕切る浅い仕切壁11fが設けられているとともに、当該部分において生ずる結露水を前記開閉弁14の上部に導き易くするために同開閉弁14の上部側に向かって所定の角度の下り傾斜面とされている。
【0032】
符号15は前記開閉弁14を開作動させる際に押圧操作される注出操作部、16は前記注出操作部15を開閉弁14の閉方向(上昇方向)に付勢する付勢手段(コイルスプリング)である。
【0033】
前記注出口5は、前記蓋体2の前端側中央に位置し、上向きに延びて延設されており、前記容器本体1の肩部材1cに設けられた注出口支持部1e部分に支持されている。また、この注出口5の内端は、前記内容器3内に連通した前述の湯注出用連通路13を介して上述した第1、第2の蒸気冷却部11a,11cが合流する開放部分11dに前記開閉弁14を介して開閉される結露水流出口Dを介して連通するようになっている。
【0034】
すなわち、前記注出操作部15が押圧された開閉弁14の下降時(開弁時)に、当該結露水流出口Dが内容器3内に連通せしめられて、結露水が内容器3内に戻される。
【0035】
また、
前述のように、前記第1の蒸気冷却部11aは、前記内容器3側の蒸気導入口21aと連通する蒸気導入通路21b部分に転倒止水弁17(これは無くても良い)を備え、且つ次に述べる前記把手部6の上端部に配設された沸騰検知用の沸騰検知手段(温度検知センサ)10が臨む位置にまで延びる沸騰検知通路11eが設けられている。
【0036】
他方、蓋体2よりも外側に位置する把手部6上端側の肩部材1c部分への取付部6b部分の内側には、上記内容器3内の水が沸騰を始めたことを検知して、前述した加熱手段である湯沸かしヒータ4に対する電源の供給をOFFにする沸騰検知手段(この場合は、上述のように温度検知センサよりなる)が設けられている。
【0037】
すなわち、把手取付部6bの内側には、肩部材1c側の開口32aを介して、前述した沸騰検知通路11eとパッキンP1を介して連通する沸騰検知手段設置部38が設けられており、この沸騰検知手段設置部38の上流側が前述の内容器3側からの蒸気が供給される沸騰検知通路11eに臨まされている。
【0038】
このように構成したことにより、内容器3内で発生した蒸気Sの温度を沸騰検知通路11eに続く沸騰検知手段設置部38の部分において応答性良く検知することが可能となる。
【0039】
さらに、前記第2の蒸気冷却部11cの出口部分は、パッキンP2および開口32bを介して前記把手取付部6bの上部空間部分Aに開放されており、当該空間部分Aに置いて、前記容器本体1の側面側と前記把手部6との間に形成された下向きの側面側蒸気通路18に連通されている。そして、該側面側蒸気通路18の下端18aは、前記把手部6の下端部6aにおいて外部に向かって開口されている。
【0040】
このように構成したことにより、上記蒸気経路11において未凝縮の蒸気および蒸気経路11において結露した結露水は、前記容器本体1の側面側と前記把手部6との間に形成された下向きの側面側蒸気通路18を介して把手部6の下端部から外部へ排出されることとなる。したがって、蓋体2の上板2aには、蒸気排出口を形成する必要がなくなる。
【0041】
そして、上記のように構成された電気ケトルにおいては、上記蓋体2内に形成された蒸気経路11の第1の蒸気冷却部11aが、上記沸騰検知手段(温度検知センサ)10の先端部分を経由して上記開放部11d部分に供給され、同開放部11dから前方に延びる連通空間を介して内容器3内と注出口5とを連通する湯注出用連通路13を開閉する開閉弁14の上部付近に開放され、前記蒸気経路11内において生ずる結露水が、当該開閉弁14上に滴下するように構成されている。そのため、蒸気経路11の第1、第2の蒸気冷却部11a,11cを通る蒸気Sのうち、結露したものは、開閉弁14を開操作したときに開放される結露水流出口Dを介して内容器3内へ還流される。また、未凝縮の蒸気があったとしても、開閉弁14の上部付近に注がれることから、同部分で殆ど冷却凝縮されて液滴化される。その結果、蓋体2の上面に蒸気排出口を設ける必要がなくなる。
【0042】
したがって、内容器3内で発生した蒸気Sが蓋体2の外部へ出ないようにすることができる。その結果、子供等が放出される蒸気に触れることもなく、室内の湿度が高くなって、ふすまや壁紙等が湿る等の問題も解消されることとなる。しかも、蒸気経路11が、その上流側で沸騰検知手段(即ち、温度検知センサ)10を経由することとなっているので、沸騰検知が確実かつ速やかに行えることとなり、消費電力を必要最小限に抑えることが可能となる。
【0043】
(変形例)
この出願の発明は、決して上記各実施の形態の構成に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲において、適宜変更可能なことはもちろんである。
【符号の説明】
【0044】
1は容器本体、2は蓋体、3は内容器、4は加熱手段(湯沸かしヒータ)、5は注出口、6は把手部、10は沸騰検知手段、11,21は蒸気経路、14は開閉弁である。