【実施例】
【0060】
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、以下の実施例は本発明の権利範囲を何ら制限するものではない。なお、実施例において、「部」および「%」は特に明記しない限り、それぞれ「質量部」、「質量%」を表す。Mwは質量平均分子量を表す。
【0061】
<樹脂合成例1>
撹拌機、還流冷却管、窒素導入管、導入管、温度計を備えた4口フラスコに、多塩基酸化合物としてプリポール1009(クローダジャパン社製)を86.8質量部、5−ヒドロキシイソフタル酸を27.3質量部、ポリアミン化合物としてプリアミン1074(クローダジャパン社製)を146.4質量部、イオン交換水を100質量部仕込み、発熱の温度が一定になるまで撹拌した。温度が安定したら110℃まで昇温し、水の流出を確認してから、30分後に温度を120℃に昇温し、その後、30分後とに10℃ずつ昇温しながら脱水反応を続けた。温度が230℃になったら、そのままの温度で3時間反応を続け、約2kPaの真空下で、1時間保持し、温度を低下させた。
最後に、酸化防止剤を添加し、温度が100℃以下になったらトルエンと2−プロパノールの質量比1/1の混合溶剤で固形分40%に希釈し、Mw=19,000、酸価=14.5mgKOH/g、フェノール性水酸基価=32.3mgKOH/gのフェノール性水酸基含有ポリアミド樹脂(樹脂1)の溶液を得た。
【0062】
<樹脂合成例2>
攪拌機、温度計、還流冷却器、滴下装置、および窒素導入管を備えた反応容器に、テレフタル酸とアジピン酸と3−メチル−1,5−ペンタンジオールとから得られたポリエステルポリオール((株)クラレ製「クラレポリオールP−1011」、Mn=1006)401.9質量部、ジメチロールブタン酸12.7質量部、イソホロンジイソシアネート151.0質量部、およびトルエン40質量部を仕込み、窒素雰囲気下90℃3時間反応させ、これにトルエン300質量部を加えてイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー溶液を得た。
次に、イソホロンジアミン27.8質量部、ジ−n−ブチルアミン3.2質量部、2−プロパノール342.0質量部、トルエン396.0質量部を混合したものに、得られたイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー溶液815.1質量部を添加し、70℃3時間反応させ、トルエン144.0質量部および2−プロパノール72.0質量部で希釈し、固形分30%、Mw=54,000、酸価=8mgKOH/gのポリウレタンポリウレア樹脂(樹脂2)の溶液を得た。
【0063】
<硬化剤>
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン(株)製エピコート1001)の50%トルエン溶液を、以下硬化剤とする。
【0064】
<溶剤>
トルエンと2−プロパノールをあらかじめ質量比で1対1で混合したものを、以下混合溶剤とする。
【0065】
<平均粒子径>
熱伝導性球状フィラーの平均粒子径は、Malvern Instruments社製粒度分布計マスターサイザー2000を用いて測定した。測定の際には乾式ユニットを用い、空気圧は2.5バールとした。フィード速度はサンプルにより最適化した。
【0066】
<円形度>
熱伝導性球状フィラーの円形度は、東亜医用電子(株)製フロー式粒子像分析装置FPIA−1000を用いて平均円形度を測定した。トルエン10mlに測定したい粒子約5mgを分散させて分散液を調製し、超音波(20kHz、50W)を分散液に5分間照射し、分散液濃度を5,000〜2万個/μlとした。この分散液を用い、上記装置により測定を行い、円相当径粒子群の円形度を測定し、平均円形度を求めた。
【0067】
<圧縮変形率10%に要する平均圧縮力>
易変形性凝集体の圧縮変形率10%に要する平均圧縮力は微小圧縮試験機(株式会社島津製作所製、MCT−210)を用い、測定領域内で無作為に選んだ10個の粒子について、粒子を10%変形させるための荷重を測定した。その平均値を圧縮変形率10%に要する平均圧縮力とした。
【0068】
<シート1A’>製造例
樹脂合成例1で得られた樹脂1の溶液を8.6質量部、硬化剤2.7質量部、混合溶剤13.5質量部を混ぜ合わせた中に、
平均円形度0.99、平均粒子径10μmである球状アルミナ((株)アドマテックス製アドマファインAO−509、以下「熱伝導性球状フィラー1」という)21質量部と、圧縮変形率10%に要する平均圧縮力が1.32mNであり、平均粒子径が65〜85μmである造粒窒化ホウ素(スリーエムジャパン株式会社製、Agglomerates100、以下、「窒化ホウ素1」という)4.2質量部を加え、
ディスパー撹拌したのち、超音波攪拌機に2分かけて脱泡して得られた塗液を、6MILのブレードコーターを用いて、剥離性シート(厚さ75μmの離型処理ポリエチレンテレフタレートフィルム)に塗布し、100℃で2分間、乾燥して、単位面積当たりの塗布量と下記で計算した理論密度から導かれる理論膜厚が34μmのシート1A’の一方の面が剥離性シートで覆われた中間積層体1A’を得た。
【0069】
組成から計算したシート1A’に含まれる、球状アルミナの質量%、窒化ホウ素の質量%は以下の通り。
球状アルミナの質量%=(球状アルミナの質量/シート1A’各成分の乾燥質量の和)×100
=[21.0/(8.6×0.4+2.7×0.5+21.0+4.2)]×100
=70
窒化ホウ素の質量%=(窒化ホウ素の質量/シート1A’各成分の乾燥質量の和)×100
=[4.2/(8.6×0.4+2.7×0.5+21.0+4.2)]×100
=14
【0070】
組成から計算したシート1A’の理論密度は
(シート1A’各成分の乾燥質量の和)/(シート1A’各成分の乾燥体積の和)
=(樹脂1の乾燥質量+硬化剤の乾燥質量+球状アルミナの質量+窒化ホウ素の質量)/[(樹脂1の乾燥質量/樹脂1の密度)+(硬化剤の乾燥質量/硬化剤の密度)+(球状アルミナの質量/球状アルミナの密度)+(窒化ホウ素の質量/窒化ホウ素の密度)]
=(8.6×0.4+2.7×0.5+21.0+4.2)/[(8.6×0.4/1)+(2.7×0.5/1)+(21.0/3.9)+(4.2/2.3)]
=2.50である。
【0071】
組成から計算したシート1A’中の熱伝導性球状フィラー(窒化ホウ素を除く)と窒化ホウ素を合わせた占有体積率は、
(1)熱伝導性球状フィラーの重量(g)÷フィラー比重(g/cm
3)
=21/3.9
=5.38(cm
3)
(2)窒化ホウ素の重量(g)÷窒化ホウ素比重(g/cm
3)
=4.2/2.3
=1.83(cm
3)
(3)シート中の不揮発性成分(g)÷1(g/cm
3)
=((8.6×0.4)+(2.7×0.5))+(21.0/3.9)+(4.2/2.3))/1
=(3.44+1.35+5.38+1.83)/1
=12
体積%=100×{((1)+(2))/((1)+(2)+(3))
=100×{(5.38+1.83)/(3.44+1.35+5.83+1.83+4.79)}
=60(vol%)
【0072】
<シート3A’>製造例
樹脂合成例2で得られた樹脂2の溶液を15質量部、硬化剤0.6質量部、混合溶剤9.2質量部を混ぜ合わせた中に、
熱伝導性球状フィラー1:21質量部と窒化ホウ素1:4.2質量部を加え、
ディスパー撹拌したのち超音波攪拌機に2分かけて脱泡して得られた塗液を用い、シート1A’と同様にして、シート3’Aの一方の面が剥離性シートで覆われた中間積層体3A’を得た。
【0073】
<シート4A’>製造例
熱伝導性球状フィラー1の代わりに、平均円形度0.97、平均粒子径が1μmである球状窒化アルミニウム(株式会社トクヤマ製Hグレード、以下、「熱伝導性球状フィラー2」という)21質量部を用いた以外は、シート1A’と同様にして、シート4A’の一方の面が剥離性シートで覆われた中間積層体4A’を得た。
【0074】
<シート5A’>製造例
樹脂合成例1で得られた樹脂1の溶液を6.5質量部、硬化剤を2質量部、混合溶剤を15.1質量部とし、熱伝導性球状フィラー1を26.4質量部とし、窒化ホウ素1を用いなかった以外は、シート1A’と同様にして、シート5A’の一方の面が剥離性シートで覆われた中間積層体5A’を得た。
【0075】
<シート6A’>製造例
樹脂合成例1で得られた樹脂1の溶液を12.4質量部、硬化剤3.9質量部、混合溶剤10.6質量部を混ぜ合わせた中に、
平均円形度0.98、平均粒子径が21μmである球状アルミナ(昭和電光株式会社製CB−A20S、以下、「熱伝導性球状フィラー3」という)16.5質量部と、窒化ホウ素1:6.6質量部を加え、
ディスパー撹拌したのち超音波攪拌機に2分かけて脱泡して得られた塗液を用い、シート1A’と同様にして、シート6A’の一方の面が剥離性シートで覆われた中間積層体6A’を得た。
【0076】
<シート7A’>製造例
窒化ホウ素1の代わりに、圧縮変形率10%に要する平均圧縮力が3.6mNであり、平均粒子径が55〜65μmである造粒窒化ホウ素(モメンティブ製PTX−60、以下、「窒化ホウ素2」という)4.2質量部を用いた以外は、シート1A’と同様にして、シート7A’の一方の面が剥離性シートで覆われた中間積層体7A’を得た。
【0077】
<シート9A’>製造例
樹脂合成例1で得られた樹脂1の溶液を4.5質量部、硬化剤1.4質量部、混合溶剤21.6質量部、熱伝導性球状フィラー1を17.5質量部、窒化ホウ素1を5質量部とした以外は、シート1A’と同様にして、シート9A’の一方の面が剥離性シートで覆われた中間積層体9A’を得た。
【0078】
<シート10A’>製造例
樹脂合成例1で得られた樹脂1の溶液を8.6質量部、硬化剤2.7質量部、混合溶剤13.5質量部、平均円形度0.98であり、平均粒子径が41μmである球状アルミナ(デンカ株式会社製DAW−45、以下、「熱伝導性球状フィラー4」という)を21質量部、窒化ホウ素2を4.2質量部とした以外は、シート1A’と同様にして、シート10A’の 一方の面が剥離性シートで覆われた中間積層体10A’を得た。
【0079】
<シート11A’>製造例
樹脂合成例1で得られた樹脂1の溶液を8.6質量部、硬化剤2.7質量部、混合溶剤13.5質量部、熱伝導性球状フィラー3を21質量部、平均粒子径が13〜16μmの鱗片状窒化ホウ素(スリーエムジャパン株式会社製「Platelets015」、以下、「窒化ホウ素3」という)を4.2質量部とした以外は、シート1A’と同様にして、シート11A’の 一方の面が剥離性シートで覆われた中間積層体11A’を得た。
【0080】
<シート1B’>製造例
樹脂合成例1で得られた樹脂1の溶液を8.1質量部、硬化剤2.5質量部、混合溶剤21.4質量部、熱伝導性球状アルミナ1を6.5質量部、窒化ホウ素1を11.5質量部とした以外は、シート1A’と同様にして、理論膜厚51μmのシート1B’の一方の面が剥離性シートで覆われた中間積層体1B’を得た。
シート1A’と同様の計算をして得たシート1B’の理論密度は2.02であった。
【0081】
<シート3B’>製造例
樹脂合成例2で得られた樹脂2の溶液を14.1質量部、硬化剤0.6質量部、混合溶剤17.4質量部、熱伝導性球状フィラー1を6.5質量部、窒化ホウ素1を11.5質量部とした以外は、シート1B’と同様にして、シート3B’の一方の面が剥離性シートで覆われた中間積層体3B’を得た。
【0082】
<シート4B’>製造例
熱伝導性球状フィラー1の代わりに、熱伝導性球状フィラー2:6.5質量部と造粒窒化ホウ素1を11.5質量部を用いた以外は、シート1B’と同様にして、シート4B’の一方の面が剥離性シートで覆われた中間積層体4B’を得た。
【0083】
<シート5B’>製造例
樹脂合成例1で得られた樹脂1の溶液を9.3質量部、硬化剤2.9質量部、混合溶剤22.9質量部、窒化ホウ素1を14.8質量部とし、球状フィラー1を用いなかった以外は、シート1B’と同様にして、シート5B’の一方の面が剥離性シートで覆われた中間積層体5B’を得た。
【0084】
<シート6B’>製造例
樹脂合成例1で得られた樹脂1の溶液を8.1質量部、硬化剤2.5質量部、混合溶剤21.4質量部、熱伝導性球状フィラー3:6.5質量部、窒化ホウ素1を11.5質量部とした以外は、シート1B’と同様にして、シート6B’の一方の面が剥離性シートで覆われた中間積層体6Bを得た。
【0085】
<シート7B’>製造例
樹脂合成例1で得られた樹脂1の溶液を12.9質量部、硬化剤4.1質量部、混合溶剤17.7質量部、熱伝導性球状フィラー1を5質量部、窒化ホウ素2を10.4質量部用いた以外は、シート1B’と同様にして、シート7B’の一方の面が剥離性シートで覆われた中間積層体7B’を得た。
【0086】
<シート8B’>製造例
樹脂合成例1で得られた樹脂1の溶液を5.7質量部、硬化剤1.8質量部、混合溶剤23.2質量部、熱伝導性球状フィラー1を6.1質量部、粒子径が8〜11μmの鱗片状窒化ホウ素(スリーエムジャパン株式会社製Platelets009、以下、「窒化ホウ素4」という)を13.3質量部用いた以外は、シート1B’と同様にして、シート8B’の一方の面が剥離性シートで覆われた中間積層体8Bを得た。
【0087】
<シート9B’>製造例
樹脂合成例1で得られた樹脂1の溶液を22.9質量部、硬化剤7.2質量部、混合溶剤7.7質量部、熱伝導性球状フィラー1を6.5質量部、窒化ホウ素1を5.8質量部とした以外は、シート1B’と同様にして、シート9B’の一方の面が剥離性シートで覆われた中間積層体9B’を得た。
【0088】
<シート10B’>製造例
樹脂合成例1で得られた樹脂1の溶液を8.1質量部、硬化剤2.5質量部、混合溶剤21.4質量部、熱伝導性球状フィラー4を6.5質量部、窒化ホウ素2を11.5質量部とした以外は、シート1B’と同様にして、シート10B’の一方の面が剥離性シートで覆われた中間積層体10B'を得た。
【0089】
<シート11B’>製造例
樹脂合成例1で得られた樹脂1の溶液を8.1質量部、硬化剤2.5質量部、混合溶剤21.4質量部、熱伝導性球状フィラー3を6.5質量部、窒化ホウ素3を11.5質量部とした以外は、シート1B’と同様にして、シート11B’の一方の面が剥離性シートで覆われた中間積層体11B’を得た。
【0090】
[実施例1]
中間積層体1A’から10cm×10cmの大きさで2枚、中間積層体1B’から10cm×10cmの大きさで1枚を切出した。剥離性シートを除いた、シート1A’の質量は0.876gと0.849g、シート1B’の質量は1.039gであった。
【0091】
中間積層体1A’の剥離性シートとは反対側と、中間積層体1B’の剥離性シートとは反対側とを合わせ、ロールラミネーターにて貼り合せた。
次に中間積層体1B’側の剥離性シートを剥離し、露出したシート1B’の表面に、他の中間積層体1A’の剥離性シートとは反対側を同様に貼り合せ、熱伝導性絶縁シート1の両面が剥離性シートで覆われた積層体を得た。
なお、ラミネート条件は、ロール温度上下80℃、ラミネート圧0.6MPa、速度0.5m/分とした。
【0092】
熱伝導性絶縁シート1の理論密度は、以下の通り。
理論密度=シート(A’)およびシート(B’)の質量の和(g)/同体積の和(cm
3)
=(シート1A’の質量(g)+シート1B’の質量(g))/(シート1A’の体積(cm
3)+シート1B’の体積(cm
3))
=(シート1A’の質量(g)+シート1B’の質量(g))/[(シート1A’の質量/シート1Aの理論密度)+(シート1Bの質量/シート1Bの理論密度)]
=((0.876+0.849)+1.039)/((0.876+0.849)/2.50+1.039/2.02)
=2.29となる。
【0093】
次いで、10cm×10cmの大きさの熱伝導性絶縁シート1の両面が剥離性シートで覆われた積層体を5cm×5cmの大きさに4分割する。
そのうちの1片の積層体を剥離性シートのついた状態で1MPaの圧力で180℃、1時間熱プレスを行った後、両面の基材を剥離し4隅および中央の膜厚を株式不会社ニコン製DIGIMICROSTANDMS−5Cで測定した平均値は138μmであった。
また、前記積層体から、両面を覆っていた剥離性シートを除いた熱伝導性絶縁シート1の質量は0.688gであった。
【0094】
熱プレス後の熱伝導性絶縁シート1の実測密度は以下の通り。
実測密度=熱伝導性絶縁シート質量(g)/熱伝導性絶縁シート体積(cm
3)
=熱プレス後の熱伝導性絶縁シート1の単位面積当たりの質量(g/cm
2)/熱プレス後の熱伝導性絶縁シート1の厚さ(cm)
=[0.688/(5×5)]/(138/10000)=1.99となる。
【0095】
ここから熱プレス後の熱伝導性絶縁シート1の空隙率は、
空隙率=1−(実測密度/理論密度)
=1−1.99/2.29=0.13となる。
【0096】
<熱伝導率>
次に、熱プレス後の熱伝導性絶縁シート1を15mm角に切り出し、サンプル表面に金を蒸着し、カーボンスプレーによりカーボンを被覆した後、キセノンフラッシュアナライザーLFA447NanoFlash(NETZSCH社製)にて、試料環境25℃での熱拡散率を測定した。比熱容量はエスアイアイ・ナノテクノロジー株式会社製の高感度型示差走査熱量計DSC220Cを用いて測定した。密度は組成からの計算値を用いた。これらパラメータから、熱伝導率を求めた。
熱プレス後の熱伝導性絶縁シート1の熱伝導率を求めたところ、5.1W/m・Kであった。
【0097】
<耐電圧>
また、残りの前記積層体3枚について、片側の剥離性シートを剥離し、アルミウム板と重ね合わせ、1MPaの圧力で180℃1時間熱プレスを行った後、残った剥離性シートを剥がし、25℃、50%RHで一晩放置後、同条件下でTM650耐電圧試験器(鶴賀電気株式会社製)を用いて、耐電圧を測定した。3枚の平均は9.5kVであった。
【0098】
<実施例2>
中間積層体1A’から10cm×10cmの大きさで3枚、中間積層体1B’から10cm×10cmの大きさで2枚を切出し、実施例1と同様にして5層構成の熱伝導性絶縁シート2の両面が剥離性シートで覆われた積層体を得た。
熱伝導性絶縁シート2の理論密度は、2.31、プレス後の実測密度は1.96であった。空隙率、熱伝導率、耐電圧を表1に示す。
【0099】
<実施例3〜10>
中間積層体1A’、中間積層体1B’の代わりに、それぞれ中間積層体3A’〜
7A ’、10A’、11A’、中間積層体3B’
〜8B ’、10B’、11B’を用いた以外は、実施例1と同様にして、3層構成の熱伝導性絶縁シートの両面が剥離性シートで覆われた積層体を得た。熱伝導性絶縁シート2の理論密度、プレス後の実測密度、空隙率、熱伝導率、耐電圧を表1に示す。
【0100】
<比較例1>
樹脂合成例1で得られた樹脂1の溶液を6.5質量部、硬化剤2質量部、混合溶剤15.1質量部、熱伝導性球状フィラー1を26.4質量部用いた以外は、シート1A’と同様にして、比較シート1A’の一方の面が剥離性シートで覆われた比較中間積層体1A’を得た。
比較中間積層体1A’から10cm×10cmの大きさで2枚を切出し、剥離性シートの反対側どうしを合わせ、実施例1と同条件でロールラミネーターにて貼り合せて、熱伝導性絶縁シートの両面が剥離性シートで覆われた積層体を得、同様にして、プレス前の熱伝導性絶縁シートの理論密度、プレス後の実測密度、空隙率、熱伝導率、耐電圧を表1に示す。
【0101】
<比較例2>
樹脂合成例1で得られた樹脂1の溶液を9.2質量部、硬化剤2.9質量部、混合溶剤13.1質量部、熱伝導性球状フィラー1を15.6質量部、窒化ホウ素1を9.3質量部とした以外は、比較例1と同様にして比較シート2A’、比較中間積層体2A’を得、同様に評価した。
【0102】
<比較例3>
樹脂合成例1で得られた樹脂1の溶液を15.8質量部、硬化剤4.9質量部、混合溶剤15.6質量部、窒化ホウ素1を13.7質量部とした以外は、比較例1と同様にして比較シート3B’、比較中間積層体3B’を得、同様に評価した。
【0103】
<比較例4>
樹脂合成例1で得られた樹脂の溶液1を12.1質量部、硬化剤3.8質量部、混合溶剤18.3質量部、窒化ホウ素1を15.8質量部とした以外は、比較例1と同様にして比較シート4B’、比較中間積層体4B’を得、同様に評価した。
【0104】
<比較例5>
樹脂合成例1で得られた樹脂1の溶液を8.9質量部、硬化剤2.8質量部、混合溶剤20.8質量部、窒化ホウ素1を17.6質量部とした以外は、比較例1と同様にして比較シート5B’、比較中間積層体5B’を得、同様に評価した。
【0105】
<比較例6>
樹脂合成例1で得られた樹脂1の溶液を35.9質量部、硬化剤11.3質量部、混合溶剤2.8質量部とし、いずれの熱伝導性球状フィラーも窒化ホウ素も用いず、1MILのブレードコーターを用いて、剥離性シートに塗布した以外は、シート1A’と同様にして比較シート6A’の一方の面が剥離性シートで覆われた比較中間積層体6A’を得た。
また、樹脂合成例1で得られた樹脂の溶液1を4.4質量部、硬化剤1.4質量部、混合溶剤24.1質量部、平均粒子径が2μmの球状アルミナ(昭和電工株式会社製 アルナビーズCB−P02、以下、「熱伝導性球状フィラー5」という)を6.8部、平均粒径0.7μm球状アルミナ((株)アドマテックス製アドマファインAO−502、以下、「熱伝導性球状フィラー6」という)2.3部、平均粒子径25μmの造粒窒化ホウ素(モメンティブ製PTX−25、以下、「窒化ホウ素5」という)を11質量部とした以外は、比較例1と同様にして比較シート6B’、比較中間積層体6B’を得た。
比較中間積層体6B’の剥離性シートを取り除き、両面に比較中間積層体6A’を貼り合せて比較中間積層体6を得、比較例1と同様に評価した。
【0106】
<比較例7>
樹脂合成例1で得られた樹脂1の溶液を17.2質量部、硬化剤5.4質量部、混合溶剤7質量部とし、熱伝導性球状フィラー6を20.4質量部用いた以外は、比較シート6A’と同様にして比較シート6A’の一方の面が剥離性シートで覆われた比較中間積層体7A’を得た。
比較中間積層体6B’の剥離性シートを取り除き、両面に比較中間積層体7A’を貼り合せて比較中間積層体7を得、比較例1と同様に評価した。
【0107】
<比較例9>
中間積層体1A’、中間積層体1B’の代わりに、それぞれ中間積層体9A’、中間積層体9B’を用いた以外は、実施例1と同様にして、3層構成の熱伝導性絶縁シートの両面が剥離性シートで覆われた積層体を得た。熱伝導性絶縁シート2の理論密度、プレス後の実測密度、空隙率、熱伝導率、耐電圧を表1に示す。
【0108】
【表1】