【実施例1】
【0021】
まず、実施例1の撥水性薄膜の製造に用いる撥水処理装置1について説明する。
【0022】
撥水処理装置1は、
図1に示すように、大気圧プラズマ発生装置10と、ミスト供給装置20と、被処理体である基板30を配置するステージ40と、大気圧プラズマ発生装置10、基板30およびステージ40が内部に配置される筐体50と、を有している。以下、各構成について詳しく説明する。
【0023】
まず、大気圧プラズマ発生装置10の構成について、
図2〜4を参照に説明する。
図2は、大気圧プラズマ発生装置10の構成を示した断面図、
図3は、大気圧プラズマ発生装置10のプラズマ化領域Pの長手方向に垂直な断面図である。
【0024】
大気圧プラズマ発生装置10は、
図2のように、アルミナ(Al
2 O
3 )を原料とする焼結体からなる筐体100を有する。アルミナの他にも、内部で発生する大気圧プラズマに対して耐性の強い材料を用いることができ、たとえば焼結窒化ホウ素(PBN)などを用いることができる。
【0025】
筐体100の内部には、長手方向に直線状に伸びた(以下、この方向をx軸方向という)プラズマ化領域Pが設けられている。筐体100は、直径8mmの孔105と、直径5mmの2つの孔103と、その孔103の形成された拡散板104と、案内部106と、を含むガス導入口102を有している。孔103は、x軸方向に長辺を有する長方形状、スリット状であってもよい。ガス導入口102は供給管101に接続されていて、供給管101からガス導入口102へと大気圧プラズマを生成するためのガスが導入される。
【0026】
大気圧プラズマを生成するためのガスは、ヘリウム、ネオン、アルゴン等の希ガスや窒素等の不活性ガスを用いることができ、それらの不活性ガスに水素、酸素、空気などの撥水性薄膜の原料ガス以外のガスを混合したガスなどを用いることができる。特に水素を混合したガスを用いると、水素の還元作用により、後述の電極120a、120bの酸化を抑制することができる。
【0027】
ガス導入口102へと導入されたガスは、孔105から拡散板104へ流れ、拡散板104によってx軸方向に2分されて、孔103からプラズマ化領域Pの方に案内される。
【0028】
案内部106は、プラズマ化領域Pのx軸方向に一様に、x軸方向に垂直な方向(以下、この方向でガスが流れる方向をy軸方向という)にガスを流すための直径1.5mmの多数の孔を有する。案内部106は、多数の孔が形成された筐体100のプラズマ化領域P上流側壁面であり、多数の孔と、この壁面とで、拡散部108が構成される。筐体100のプラズマ化領域Pの下流側壁面には、排出部121が形成されている。排出部121には、y軸方向に軸を有する孔123が、x軸方向に沿って多数配設されている。孔123の直径は0.5mm、孔123のx軸方向の間隔は2.5mmで、合計16個設けられている。
【0029】
プラズマ化領域Pは、x軸方向に垂直な断面の短辺を2mm、長辺(y軸方向に平行)を5mmの長方形とし、x軸方向の長さを2cmとした。
【0030】
プラズマ化領域Pのx軸方向両端には、電極120a、120bが離間、対向して設けられている。電極120a、120bは、
図4のように、互いに対向する面が深さ0.5mm程度の凹部(ホロー)Hを多数有した凹凸面となっている。電極120a、120bの材料としては、ステンレス、モリブデン、タンタル、ニッケル、銅、タングステン、白金、またはこれらの合金などを使用することができる。電源は、100V、60Hzの商用交流電源を用い、これを9kVに昇圧して電極120a、120bに印加する。なお、印加する電圧はこれに限るものではなく、直流、交流、パルス、その他任意であり、周波数も制限はない。
【0031】
常温(1〜30℃)、常圧(大気圧、ただし0.5〜2気圧程度も大気圧とする)において、ガス導入口102から大気圧プラズマを生成するためのガスを導入し、電極120a、120b間に電圧を印加すると、プラズマ化領域Pに大気圧プラズマが生成される。その大気圧プラズマは、ガス流に乗って孔123を通って筐体100の外部へy軸方向に伸びる。
【0032】
次に、ミスト供給装置20の構成について説明する。ミスト供給装置20は、
図1のように、T字型の継手201と、継手201の一方の開口にその開口201aを塞ぐように張られたアルミ膜202と、水203を保持する容器204と、水203の中であって容器204の底面に配置された超音波振動子205と、によって構成されている。継手201の開口201aは、容器204の水203の中に配置されている。また、アルミ膜202と継手201の壁面とで囲まれる凹部には、液体の撥水性薄膜原料であるヘキサメチルジシロキサン206が保持されている。
【0033】
撥水性薄膜の原料には、ヘキサメチルジシロキサン206以外の液体の有機ケイ素化合物を用いることができ、溶媒に固体または気体の有機ケイ素化合物を溶解させたものを用いることもできる。複数種の有機ケイ素化合物を混合して用いてもよい。有機ケイ素化合物には、メチル基、エチル基などのアルキル基を有し、かつSi−O結合を持つ化合物を用いることができ、たとえば、ヘキサメチルジシラザン、ヘキサメチルジシラン、テトラメチルジシロキサン、などを用いることができる。
【0034】
このミスト供給装置20は、超音波振動子205による超音波振動によって水203を振動させることでアルミ膜202を振動させ、さらにアルミ膜202の振動によってヘキサメチルジシロキサン206を振動させて、ヘキサメチルジシロキサン206をミスト化する。ミスト化した撥水性薄膜の原料206は、継手201のアルミ膜202が張られていない側の2つの開口のうち、一方の開口201bから導入されるキャリアガスであるArに混合されて搬送され、他方の開口201cに接続するミスト供給管207によって、大気圧プラズマ発生装置10の大気圧プラズマ照射部近傍まで搬送される。ミスト供給管207のミスト導入口207a(大気圧プラズマにミストが導入される側の開口)近傍は、その軸方向が、大気圧プラズマの流れる方向に対して垂直となっており、その大気圧プラズマの流れる方向に沿ってミスト供給管207のミスト導入口207a近傍が移動することにより、ミスト導入口207aの位置は、大気圧プラズマの流れる方向に沿って可変となっている。これにより、大気圧プラズマへのミスト導入位置を制御することができるよう構成されている。ミスト供給管207の直径は6.4mmである。また、Arの流速、流量等によって容易に大気圧プラズマへのミストの供給量等を制御することができる。
【0035】
キャリアガスには、Arの他にも、ヘリウム、ネオン、アルゴン等の希ガスや窒素等の不活性ガスを用いることができる。
【0036】
このミスト供給装置20によると、超音波振動子によって液体をミスト化しているため、液滴の直径が数μmで直径のばらつきが少ないミストを発生させることができる。また、液滴の初速が小さく空間に滞留するため、キャリアガスであるArによって容易にミストの流速、流量を制御することができる。
【0037】
ステージ40は、被処理体であるSi基板30を保持するものであり、筐体50の内部に配置されている。このステージ40は移動可能となっており、大気圧プラズマとSi基板30との距離を調整したり、Si基板30を移動させながら処理を行って連続的な撥水処理が可能となっている。
【0038】
筐体50は、供給管501、排気管502が取り付けられていて、供給管501から筐体50内部に窒素が導入される。これにより、筐体50内部は窒素で満たされている。また、排気管502によって筐体50内部の気体の排出量が制御され、筐体50内部の圧力が一定に保たれる。これにより、筐体50内部において大気圧プラズマ発生装置10により大気圧プラズマを発生させた場合に、大気圧プラズマを安定させることができる。
【0039】
次に、実施例1の撥水性薄膜の製造方法について説明する。
【0040】
まず、ステージ40上に、被処理体であるSi基板30を配置した(
図10(a)参照)。次に、大気圧プラズマ発生装置10により、ArとH
2 の混合ガス(H
2 の割合は1vol%)を用いて大気圧プラズマを発生させた。大気圧プラズマは、ガス流に乗って孔123の開口からy軸方向に照射され、発光領域はy軸方向に9mm伸びた。混合ガスの流量は5slmとした。そして、ミスト供給装置20を用いて、ヘキサメチルジシロキサンをミスト化し、ミスト供給管207を介して大気圧プラズマに混合した。ミストはミスト供給管207の軸方向に、つまり、大気圧プラズマのガスの流れる方向に垂直な方向に、ミスト供給管207のミスト導入口207aから排出され、大気圧プラズマに混合された。また、筐体50の内部に筐体501より窒素を5slmで供給し、排気管502からのガス排出量を調整して、筐体50内部の圧力を常圧で一定に調整した。ステージ40上のSi基板30は、特に加熱・冷却はせず、常温とした。
【0041】
これにより、基板30表面に撥水性薄膜60を堆積した(
図10(b)参照)。従来の大気圧プラズマCVD法では、撥水性薄膜60の原料として気体を用いたり、固体、液体の材料を揮発させて気体としたりし、その原料の気体をAr等の不活性ガスに混合し、混合ガスを用いて大気圧プラズマを生成していた。一方、実施例1では、撥水性薄膜60の原料ガスを不活性ガスに混合させずに大気圧プラズマを発生させ、その大気圧プラズマに、ミスト状の撥水性薄膜原料を別途混合している。このように、撥水性薄膜の原料を混合させずに大気圧プラズマを生成しているため、大気圧プラズマを安定して生成することができ、その結果、撥水性薄膜60を安定して生成することができ、撥水性薄膜60の厚さや組成等のばらつきを低減することができる。また、大気圧プラズマの生成と、ミストの混合に分離したことで、撥水性薄膜60の撥水性、成膜速度、処理面積などの制御性も向上する。
【0042】
また、この製造方法によって製造された撥水性薄膜60表面は、雪の結晶のような多数の枝状の分岐を有した微細な凹凸構造61を有した形状となる。この撥水性薄膜60の材料による表面自由エネルギーと、撥水性薄膜60表面の微細な凹凸構造61により、高い撥水性を得ることができる。
【0043】
撥水性は、大気圧プラズマとSi基板30との距離と、ヘキサメチルジシロキサンのミストの導入位置によって制御することができる。特に、Si基板30が大気圧プラズマの発光領域内となるようにし、ミスト導入位置を大気圧プラズマ発生部近傍(プラズマ化領域Pの近傍)とすることで超撥水性を得ることができる。実施例1の撥水処理装置1では、大気圧プラズマ発生装置10のプラズマ照射口(孔123のSi基板30側開口)から、y軸方向にSi基板30表面までの距離Dを、ステージ40の移動によって可変とすることができるので、これによって大気圧プラズマとSi基板30との距離を制御可能である。また、大気圧プラズマ発生装置10のプラズマ照射口(孔123のSi基板30側開口)から、y軸方向にミスト導入口207aまでの距離Lを、ミスト供給管207を移動させることで可変とすることができるので、ミストの導入位置を制御することができる。また、撥水性を制御は、大気圧プラズマへ導入するミストの流速、流量などによってもすることができる。また、撥水性薄膜60の成膜速度も、同様に距離Dや距離Lの制御、ミストの流速や流量などによって制御することができる。また、処理面積は、プラズマ化領域Pの面積によって制御することができる。
【0044】
撥水性薄膜60は、Si−O結合やSi−C結合を含む有機ケイ素化合物、または無機ケイ素化合物(つまり、Si−O結合を含み、Si−C結合は含まないもの)である。撥水性薄膜60におけるこれら結合の割合は、撥水性薄膜60の材料を変更したり、大気圧プラズマとSi基板30との距離を調整したり、ミストの導入位置を調整したりすることによって制御可能である。
【0045】
なお、撥水性薄膜60の厚さ(平均の厚さ)は、10nm以上とすることが望ましい。撥水性を十分に発揮させるため、あるいは撥水性薄膜の密着性・耐久性を十分とするためである。より望ましくは10〜10000nmである。
【0046】
上記以上に説明した実施例1の撥水性薄膜60の製造方法によれば、常温、常圧でSi基板30の撥水処理を行うことができるので、低コスト、高回転率、高速処理が可能である。また、撥水性薄膜60の原料を混合させずに大気圧プラズマを生成するため、撥水性薄膜60を安定して生成することができる。また、実施例1の撥水性薄膜60の製造方法は、撥水性を容易に制御することができる。
【0047】
[実験例]
図5は、プラズマ照射口からSi基板30表面までの距離Dと、実施例1の撥水性薄膜の製造方法によって撥水処理された撥水性薄膜60の撥水性との関係を調べた結果である。撥水性は接触角接線法によって評価し、距離Dは7、9、11、13mmと変化させた。また、プラズマ照射口からミスト導入口207aまでの距離Lは0mm、つまり大気圧プラズマの根元部にミストを導入した。
【0048】
まず、撥水性薄膜60を形成していないSi基板30については、接触角が36.5°であった。これに対し、D=7、9mmとして撥水性薄膜60を形成して撥水処理した場合は、
図5のように、接触角が150°を越えて超撥水性が得られた。また、D=11mmとして撥水処理した場合は接触角125°、D=13mmとして撥水処理した場合は接触角117°となり、強い撥水性が得られた。また、
図5から、距離Dが大きくなるほど撥水性が低下する傾向にあることがわかった。
【0049】
また、ミスト導入位置と撥水性との関係を調べるため、距離Lを2mmとし、距離Dを、9、11、13mmとした場合についても、上記と同様にして撥水性を評価した。その結果、
図5のように、距離Lを2mmとすると、距離Lを0mmとした場合よりも撥水性が低下することがわかった。このことから、距離Lを大きくするほど撥水性が低下するものと考えられる。
【0050】
図6は、撥水性薄膜60の化学結合について、FT−IR(フーリエ変換赤外分光)によって評価したグラフである。波数1070cm
-1付近のピークはSi−O−Si結合によるピークであり、波数1270cm
-1付近のピークはSi−CH
3 結合によるピークである。距離Dは、7、9、11、13と変化させて撥水性薄膜60を形成した。また、距離Lは0mmとした。
図6より、いずれの場合にも、撥水性薄膜60はSi−O−Si結合とSi−CH
3 結合を有した構造であることがわかった。
【0051】
また、
図7は、
図6の測定結果から、撥水性薄膜60におけるSi−O−Si結合に対するSi−CH
3 結合のピーク面積比を算出して、その比の距離D依存性を調べた結果である。
図7から、距離Dが7mmの場合は、距離Dが9、11、13mmの場合に比べて、Si−CH
3 結合の割合が低いことがわかった。一方、
図1に示したように、距離Dが7mmの場合は超撥水性が得られている。疎水性であるSi−CH
3 結合の割合が、距離D=11、13mmの場合よりも低いにも係わらず、撥水性は距離D=11、13mmの場合よりも高いという結果から、距離Dが7mmにおける撥水性は、化学結合に依存する表面自由エネルギーの寄与のみによるのではなく、他の要因が存在していることを示唆している。つまり、撥水性薄膜60表面の微細構造が、撥水性に寄与していることを示唆している。
【0052】
そこで発明者らは、撥水性薄膜60の表面および断面をSEMによって解析した。
図8はそのSEM像を示している。距離Lを0mm、距離Dを7、9、11、13mmと変化させて撥水性薄膜60の表面と断面について撮影した。
図8のように、上記予想通り、撥水性薄膜60表面には微細な凹凸構造61が形成されていることがわかった。微細な凹凸構造61は、距離Dが大きいほど凹凸の起伏が小さく平坦となり、距離Dが小さいほど凸部の枝分かれが多くて凹凸の起伏が激しくなっていた。そして、
図5の結果と比較すると、微細な凹凸構造61の起伏が大きく、枝分かれした構造が多いことが、撥水性薄膜60の撥水性が高い要因であるとわかった。
【0053】
また、
図9は、距離Lを2mm、距離Dを9、11、13mmと変化させて撥水性薄膜60の表面について撮影したSEM像である。
図8と
図9を比較すると、距離Lが大きくなるほど撥水性薄膜60表面の凹凸の起伏が小さくなり、平坦となることがわかった。
【0054】
上記実験結果から、距離Dと距離Lによって撥水性が変化するのは、次のような機構によるためであると推察される。
【0055】
距離Dが小さいと、Si基板30表面は大気圧プラズマの発光領域内に含まれ、Si基板30表面に未結合手が多数形成される。この未結合手に大気圧プラズマによって発生したラジカルが結合し、枝状に堆積していくため、撥水性薄膜60表面に微細な凹凸構造61が形成される。そのため凹凸構造61による撥水性向上の寄与が大きくなり、高い撥水性が得られる。
【0056】
距離Dが大きいと、Si基板30表面は大気圧プラズマの発光領域外となり、Si基板30表面の未結合手が少なくなる。大気圧プラズマによって発生したラジカルはSi基板30表面で拡散するため、Si基板30表面に均等に堆積していき、撥水性薄膜60表面は平坦となる。そのため撥水性は撥水性薄膜60の材料による表面自由エネルギーの寄与が大きくなり、距離Dが小さい場合に比べて撥水性が低くなる。
【0057】
距離Lが小さいと、大気圧プラズマにより発生した高い反応性を有したラジカル同士が空中で重合し、微粒子を形成する。この微粒子がSi基板30表面に堆積するため、その体積によって形成される撥水性薄膜60表面は荒くなり、撥水性薄膜60表面に微細な凹凸構造61が形成されることとなる。そのため、高い撥水性が得られる。
【0058】
距離Lが大きいと、空中で重合するラジカルが少なくなり、微粒子はあまり形成されない。Si基板30表面に堆積する微粒子も少なくなる。そのため、撥水性薄膜60表面は平坦になる。よって、距離Lが小さい場合に比べて撥水性が低くなる。
【0059】
なお、実施例1の撥水性薄膜の製造方法における大気圧プラズマの生成には、
図2〜4に示した構成の大気圧プラズマ発生装置10に限らず、従来知られている任意の構成の大気圧プラズマ発生装置を用いることができる。
【0060】
また、撥水性薄膜60の原料のミスト化は、実施例1のような超音波振動に限るものではなく、他の方法によってミスト化してもよい。たとえば、加圧方式、回転ディスク方式、インクジェット方式、などの方法を用いることができる。
【0061】
また、実施例1では被処理体としてSi基板を用いているが、本発明はSi基以外の様々な材料に撥水性薄膜を形成することができる。たとえば、PET(ポリエチレンテレフタラート)などのプラスチック材料を被処理体として用いることが可能である。また、実施例1では被処理体として平板状のSi基板30を用いているが、本発明は平板状の基材に限るものではなく、様々な立体的形状に対して、その一部または全部の領域を撥水処理することができる。
【0062】
また、実施例1では、大気圧プラズマを安定して生成するために、筐体50内部で撥水処理を行うようにしているが、筐体50なしで、通常の大気下で撥水処理を行うようにしてもよい。
【0063】
また、実施例1では、大気圧プラズマへのミストの混合は一ヶ所のみから行っているが、複数箇所から混合するようにしてもよい。また実施例1では、ミストは、大気圧プラズマの流れる方向に対して垂直な方向に噴霧して大気圧プラズマに混合しているが、必ずしもそのような方向に混合する必要はない。ただし、実施例1のような方向にミストを混合すると、撥水性薄膜60をより均質にすることができる。