(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記注入補助部材を前記注出口部の軸方向の先端側に張り出させた状態で、前記注出口部の開口部が前記嵌合穴または前記注入口部の内側に位置するようになっている請求項2に記載のパウチ容器。
前記注入補助部材は、前記嵌合穴を特定容器の口部に外嵌した状態または前記注入口部を特定容器の口部に嵌入した状態で、特定容器に押さえ付ける押え部を有している請求項2または3に記載のパウチ容器。
【背景技術】
【0002】
例えば、専用ボトルに詰め替えるための洗剤等の液体商品を充填するパウチ容器としては、
図11に示すようなものがある。このパウチ容器50は、同図(a)、(b)に示すように、柔軟性シートによって袋状に形成されたボトムガセットタイプのパウチ51と、注出口部として、このパウチ51の上縁部に装着された、口部52aをスクリューキャップ52bによって開閉することができるスパウト52とを備えており、こういったパウチ容器50に充填された詰替用の液体商品を専用ボトル等に移し替える際は、同図(b)に示すように、スパウト52の口部52aを閉塞しているスクリューキャップ52bを外し、
図12に示すように、容器全体を徐々に傾けながら、スパウト52の口部52aを専用ボトル60の口部61の上端縁に沿わせるようにして、液体商品をスパウト52の口部52aから専用ボトル60の口部61に注ぎ入れることになる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、こういった詰替用の液体商品を充填するパウチ容器50は、当然のことながら保形性がなく、所定の姿勢を維持することが難しいので、内容物の詰替作業中に内容物をパウチ容器から専用ボトル等にうまく注ぎ入れることができず、内容物をこぼしてしまう場合があり、内容物の詰替作業を安定した状態で確実に行うことが困難であるといった問題がある。
【0005】
特に、手に震えがある高齢者や障害者等の場合は、パウチ容器50のスパウト52の口部52aを専用ボトル60の口部61の上端縁に上手く沿わせることができなかったり、パウチ容器50のスパウト52の口部52aを専用ボトル60の口部61の上端縁に一旦沿わせることができたとしても、内容物の詰替作業中にその状態を保持することが難しかったりするといった問題もある。
【0006】
そこで、この発明の課題は、内容物の詰替作業を安定した状態で確実に行うことができるパウチ容器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するため、請求項1に係る発明は、特定容器に移し替えるための内容物を充填するパウチ容器であって、柔軟性シートによって形成されたパウチと、前記パウチに設けられた注出口部と、前記パウチまたは前記注出口部に連設された、特定容器の口部に係合して特定容器への注入動作を補助する注入補助部材とを備えて
おり、前記注入補助部材を特定容器の口部に係合させた状態では、前記注出口部が特定容器の口部の上端縁に載置した状態に位置決めされるようになっていることを特徴とするパウチ容器を提供するものである。
【0008】
また、請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明のパウチ容器において、前記注入補助部材は、特定容器の口部に外嵌される嵌合穴または特定容器の口部に嵌入される管状の注入口部を備えていることを特徴としている。
【0009】
また、請求項3に係る発明は、請求項2に係る発明のパウチ容器において、前記注入補助部材を前記注出口部の軸方向の先端側に張り出させた状態で、前記注出口部の開口部が前記嵌合穴または前記注入口部の内側に位置するようになっていることを特徴としている。
【0010】
また、請求項4に係る発明は、請求項2または3に係る発明のパウチ容器において、前記注入補助部材は、前記嵌合穴を特定容器の口部に外嵌した状態または前記注入口部を特定容器の口部に嵌入した状態で、特定容器に押さえ付ける押え部を有していることを特徴としている。
【発明の効果】
【0011】
以上のように、請求項1に係る発明のパウチ容器は、
注入補助部材を特定容器の口部に係合させた状態では、注出口部が特定容器の口部の上端縁に載置した状態に位置決めされるので、手に震えがある高齢者や障害者等であっても、
注出口部を特定容器の口部の上端縁に容易に沿わせることができると共に、内容物の詰替作業中に注出口部が特定容器の口部から脱落することがなく、内容物の詰替作業を安定した状態で確実に行うことができる。
【0012】
また、請求項2に係る発明のパウチ容器は、注入補助部材の嵌合穴を特定容器の口部に外嵌または注入補助部材の注入口部を特定容器の口部に嵌入することによって、特定容器の口部に連結した状態で内容物の詰替作業を行うことができるので、手に震えがある高齢者や障害者等であっても、一方の手でパウチ容器を、もう一方の手で特定容器をそれぞれ支えた状態で内容物の詰替作業を行うことが可能となり、作業性が向上する。
【0013】
また、請求項3に係る発明のパウチ容器は、注入補助部材をスパウトの軸方向の先端側に張り出させた状態で、注出口部の開口部が嵌合穴または注入口部の内側に位置するようになっているので、注入補助部材の嵌合穴を特定容器の口部に外嵌または注入補助部材の注入口部を特定容器の口部に嵌入することによって、注出口部の開口部を特定容器の口部に位置決めすることができる。従って、内容物の詰替作業を行う際、手に震えがある高齢者や障害者等であっても、注出口部の開口部を特定容器の口部の上端縁に容易に沿わせることができると共に、内容物の詰替作業中に注出口部の開口部が特定容器の口部から脱落し難く、内容物をこぼさずに特定容器にうまく注ぎ入れることができる。
【0014】
また、請求項4に係る発明のパウチ容器は、内容物の詰替作業を行う際、注入補助部材の嵌合穴を特定容器の口部に外嵌した状態または注入口部を特定容器の口部に嵌入した状態で押え部を特定容器に押さえ付けることによって、特定容器の口部に対する注入補助部材の連結が解除されることがなく、内容物の詰替作業をさらに安定した状態で確実に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】この発明に係るパウチ容器(内容物が充填された状態)の一実施形態を背面側から視た斜視図である。
【
図2】(a)は同上のパウチ容器を示す背面図、(b)は同上のパウチ容器を示す側面図である。
【
図3】内容物を充填する前の同上のパウチ容器を扁平に折り畳んで注入補助部材を上方側に折り返した状態を示す背面図である。
【
図4】(a)は同上のパウチ容器の注入補助部材を専用ボトルの口部に取り付けた状態を示す平面図、(b)は同上の状態を示す側面図である。
【
図5】同上のパウチ容器から専用ボトルへの内容物の詰替作業を説明するための側面図である。
【
図6】(a)は注入補助部材の他の実施形態を示す平面図、(b)は(a)のX−X線に沿った断面図である。
【
図7】同上の注入補助部材を構成している注入口部を専用ボトルの口部に嵌入した状態を示す部分断面図である。
【
図8】同上のパウチ容器の変形例を示す背面図である。
【
図9】他の実施形態であるパウチ容器を示す背面図である。
【
図10】同上のパウチ容器から専用ボトルへの内容物の詰替作業を説明するための側面図である。
【
図11】(a)は注出口部としてスパウトが装着された一般的なパウチ容器を示す斜視図、(b)は同上のパウチ容器におけるスクリューキャップを外した状態を示す斜視図である。
【
図12】同上のパウチ容器から専用ボトルへの内容物の詰替作業を説明するための斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、実施の形態について図面を参照して説明する。
図1〜
図3は、専用ボトルに詰め替えるための洗剤、調味料等の紛体、固体又は液体の内容物が充填されるパウチ容器1を示している。このパウチ容器1は、同図に示すように、ポリエチレンやポリプロピレン等の熱接着性を有する合成樹脂フィルムの外面に、ガスバリア性シート等を積層した二軸延伸ポリアミドフィルムや二軸延伸ポリエステルフィルム等をラミネートした厚さ80〜200μm程度の柔軟性シートによって形成された、扁平状態に折り畳み可能なパウチ10と、注出口部としてこのパウチ10に装着される熱接着性樹脂によって形成されたスパウト20と、パウチ10に接着された、専用ボトルの口部に嵌合して専用ボトルへの注入動作を補助する注入補助部材30とから構成されており、注入補助部材30は、パウチ10を形成している柔軟性シートと同一の柔軟性シートによって形成されている。
【0017】
前記パウチ10は、
図1〜
図3に示すように、正面部及び背面部を形成する外装シート11、12及び両外装シート11、12の間に下部から内側に折り込まれてボトムガセット部を形成するガセットシート13から構成されており、折り込まれたガセットシート13の周縁部が外装シート11、12の下部周縁にヒートシールされると共に、外装シート11、12におけるガセットシート13にヒートシールされない両側縁部同士が相互にヒートシールされることで袋状に形成されている。また、ガセットシート13の両側縁には、二つ折りした状態で相互に一致する切欠部13aがそれぞれ形成されており、この切欠部13aを介して、外装シート11、12の両側縁における下端部同士が部分的にヒートシールされている。なお、
図1〜
図3における網掛け表示部分が、パウチ10のヒートシール部分を示している。
【0018】
前記スパウト20は、ポリエチレンやポリプロピレン等の熱接着性樹脂の成形物からなり、
図3に示すように、外装シート11、12の上端縁に挟み込まれた状態で外装シート11、12にヒートシールされる平面舟形状の装着部22及びこの装着部22に連設された、パウチ10の外側に突出する口部23を有する本体部21と、この本体部21における口部23を開閉するスクリューキャップ24とを備えている。そして、口部23の先端が開口部として機能し、そこから内容物が抽出される。
【0019】
前記注入補助部材30は、
図1〜
図3に示すように、専用ボトルの口部に外嵌される嵌合穴31aを有する本体部31と、この本体部31の上端から上方側にそれぞれ張り出す左右一対の接続部32、32と、本体部31の下端中央部から下方側に張り出す押え部33とを備えており、本体部31の嵌合穴31aを専用ボトルの口部に外嵌した状態で、押え部33を専用ボトルの肩部に押さえ付けて保持することができるようになっている。
【0020】
前記接続部32、32は、
図1及び
図2に示すように、その先端部が外装シート12のヒートシールされた上縁部の外面にホットメルト接着剤等を用いて接着されており、
図3に二点鎖線で示すように、外装シート12の外面側で垂下している注入補助部材30を、同図に実線で示すように、接着部分の下端位置で上方側に折り返すと、スパウト20の口部23の先端(開口部)が、嵌合穴31a内の中心位置よりも下方側(接続部32側)の半円領域(同図に一点鎖線で囲まれた領域)内に位置するように、嵌合穴31aの形成位置が設定されている。なお、
図1及び
図2の交斜線表示部分が接続部32、32の接着部分を示している。
【0021】
以上のように構成されたパウチ容器1は、
図4(a)、(b)に示すように、スパウト20の口部23からスクリューキャップ24を外した状態で、注入補助部材30を起こして、その嵌合穴31aを専用ボトルBの口部mに外嵌すると、スパウト20の口部23が専用ボトルBの口部mの上端縁に載置した状態に位置決めされるので、
図5に示すように、注入補助部材30の押え部33を専用ボトルBの肩部に押さえ付けるようにして専用ボトルBを一方の手で保持した状態で、他方の手でパウチ容器1の胴部を持ち上げて内容物を専用ボトルBに移し替えればよい。
【0022】
なお、注入補助部材30の嵌合穴31aは、キャップが装着される専用ボトルBの口部mの先端側の小径部分mdに遊嵌できるが、その下の一回り大きい大径部分ldには嵌合できないような穴径を有しているので、押え部33を専用ボトルBの肩部に押さえ付けても、注入補助部材30の本体部31が小径部分mdの下方側に位置ずれすることはない。
【0023】
以上のように、このパウチ容器1は、注入補助部材30をスパウト20の軸方向の先端側に張り出させた状態、即ち、外装シート12の外面側で垂下している注入補助部材30を、接着部分の下端位置で上方側に折り返した状態で、スパウト20の口部23の先端が嵌合穴31aにおける中心位置よりも接続部32側の半円領域内に位置するようになっているので、注入補助部材30の嵌合穴31aを専用ボトルBの口部mに外嵌することによって、スパウト20の口部23を、その先端が専用ボトルBの口部mの中心位置よりも手前(パウチ10側)の半円領域内に位置するように、専用ボトルBの口部mの上端縁に載置した状態で位置決めすることができる。
【0024】
従って、内容物の詰替作業を行う際、手に震えがある高齢者や障害者等であっても、スパウト20の口部23を専用ボトルBの口部mの上端縁の適正位置に容易に沿わせることができると共に、内容物の詰替作業中にスパウト20の口部23が専用ボトルBの口部mから脱落することがなく、内容物をこぼさずに専用ボトルB内にうまく注ぎ入れることができる。
【0025】
また、このパウチ容器1は、注入補助部材30の嵌合穴31aを専用ボトルBの口部mに外嵌することによって、専用ボトルBの口部mに連結した状態で内容物の詰替作業を行うことができるので、手に震えがある高齢者や障害者等であっても、一方の手でパウチ容器を、もう一方の手で専用ボトルBをそれぞれ支えた状態で内容物の詰替作業を行うことが可能となり、作業性が向上する。
【0026】
また、内容物の詰替作業を行う際、注入補助部材30の嵌合穴31aを専用ボトルBの口部mに外嵌した状態で押え部33を専用ボトルBの肩部に押さえ付けるようにして専用ボトルBを一方の手で保持すると、専用ボトルBの口部mに対する注入補助部材30の連結が解除されることがないので、内容物の詰替作業を安定した状態で確実に行うことができる。
【0027】
なお、上述した実施形態では、専用ボトルBの口部mに嵌合可能な嵌合穴31aが形成された注入補助部材30を採用しているが、これに限定されるものではなく、例えば、
図6(a)、(b)に示すように、本体部31Aに注入穴31Aaを形成すると共に、裏面側における注入穴31Aaの周縁に注入口部34を接着固定した注入補助部材30Aを採用することも可能である。
【0028】
前記注入口部34は、専用ボトルBの口部mに嵌入可能な管状の本体部34aと、この本体部34aの一端に連設された鍔部34bとから構成された樹脂成形品であり、鍔部34bが本体部31Aにおける注入穴31Aaの周縁に接着固定されている。
【0029】
また、図には示していないが、この注入補助部材30Aを採用したパウチ容器は、外装シート12の外面側で垂下している注入補助部材30Aを、接着部分の下端位置で上方側に折り返すと、スパウト20の口部23の先端が、管状の本体部34a内の中心位置よりも下方側(接続部32側)の半円領域内に位置するように、注入穴31Aaの形成位置及び注入口部34の取付位置が設定されている。
【0030】
この注入補助部材30Aを採用する場合は、
図7に示すように、注入口部34の本体部34aを専用ボトルBの口部mに嵌入することによって、上述した注入補助部材30を採用したパウチ容器1と同様に、注入補助部材30Aを介して、パウチ容器が専用ボトルBの口部mに連結されると共に、そのスパウトの口部が専用ボトルBの口部mの上端縁の適正位置に位置決めされるので、注入補助部材30Aの押え部33を専用ボトルBの肩部に押さえ付けるようにして専用ボトルBを一方の手で保持した状態で、パウチ内に充填された内容物を注入口部34を介して専用ボトルB内に注入すればよい。
【0031】
また、上述した各実施形態では、注入補助部材30や、注入補助部材30Aにおける注入口部34以外の部分を柔軟性シートによって形成しているが、これに限定されるものではなく、注入補助部材全体を樹脂成形品によって形成することも可能である。特に、樹脂成形品によって形成された注入補助部材は保形性が高くなるので、専用ボトルの口部に対するスパウトの位置決め精度がさらに向上するという効果がある。
【0032】
また、上述した各実施形態では、注入補助部材30、30Aをパウチ10に接着固定しているが、これに限定されるものではなく、接続部を改変することによって、スパウト20に接着固定することも可能である。
【0033】
また、上述した各実施形態では、パウチ10とは個別に形成された注入補助部材30、30Aを接着剤を用いてパウチ10に接着固定しているが、これに限定されるものではなく、注入補助部材30、30Aをパウチ10に一体的に形成することも可能である。具体的には、
図8に示すように、外装シート11の上端縁に注入補助部材30の接続部32が繋がるように、外装シート11と注入補助部材30とを一体的に形成すると共に、外装シート12の上端縁における注入補助部材30の接続部32に対応する部分に切欠部12aを形成しておき、パウチ10を製袋する際、注入補助部材30部分を外装シート12側に折り返して、この切欠部12aを介して、外装シート11の上縁部と注入補助部材30の接続部32とをヒートシールすればよい。
【0034】
また、上述した各実施形態では、外装シート12の外面側で垂下している注入補助部材30、30Aを、接着部分の下端位置で上方側に折り返した状態で、スパウト20の口部23の先端が嵌合穴31aや注入口部34の管状の本体部34aにおける中心位置よりも接続部32側の半円領域内に位置するように嵌合穴31aや注入穴31Aa及び注入口部34の位置を設定しているが、これに限定されるものではなく、少なくとも、スパウト20の口部23の先端が嵌合穴31aや注入口部34の管状の本体部34a内に位置していればよい。
【0035】
図9は他の実施形態を示している。このパウチ容器2も、上述したパウチ容器1と基本的には同一構成を有しているので、同一構成要素には同一符号を付してその説明を省略し、異なる構成要素である注入補助部材30Bについて詳細に説明する。
【0036】
前記注入補助部材30Bは、同図に示すように、内側シートISと外側シートOSとを重ね合わせた状態で傾斜した両側縁部同士を接着することによって漏斗状に形成された本体部31Bと、この本体部31Bを形成している内側シートISの上端から上方側にそれぞれ張り出す左右一対の接続部32、32と、本体部31Bを形成している外側シートOSの上端中央部から上方側に張り出す開口操作部35とを備えており、接続部32、32は、その先端部が外装シート12のヒートシールされた上縁部の外面にホットメルト接着剤等を用いて接着されている。なお、
図9の交斜線表示部分が接続部32、32の接着部分を示している。
【0037】
前記本体部31Bを構成している外側シートOSは、その上端から下端に向かって先細テーパ状に形成されているのに対して、本体部31Bを構成している内側シートISは、その下半部が外側シートOSと同一形状を有していると共に、その上半部が外側シートOSの上端位置からパウチ10の上縁シール部の下端縁付近まで張り出しており、その張り出した上半部は上端に向かって先細テーパ状に形成されている。
【0038】
以上のように構成されたパウチ容器2に充填された内容物の詰替作業を行う際は、
図10に示すように、一方の手で注入補助部材30Bの開口操作部35を摘んで外側に引っ張ることによって、注入補助部材30Bの本体部31Bを漏斗状に開口させた状態で、その本体部31Bにおける小径の下端開口部を専用ボトルBの口部mに挿入し、他方の手でパウチ容器2の胴部を持ち上げて内容物を、漏斗状の本体部31B内に注ぎ入れることで、専用ボトルBに移し替えればよい。
【0039】
以上のように、このパウチ容器2の注入補助部材30Bは、本体部31Bが漏斗状に形成されており、その本体部31Bにおける大径の上端開口部に内容物を注ぎ入れればよいので、手に震えがある高齢者や障害者等であっても、内容物をこぼさずに専用ボトルBに確実に詰め替えることができる。
【0040】
また、上述した各実施形態では、パウチ10がボトムガセットタイプのパウチ容器について説明したが、これに限定されるものではなく、サイドガセットタイプのパウチや、ガセットを有さない所謂平パウチの上縁シール部に上述した注入補助部材30、30A、30Bを接着固定することも可能である。
【0041】
また、上述した各実施形態では、パウチの上縁シール部にスパウトが装着されたパウチ容器について説明したが、これに限定されるものではなく、上縁コーナ部を切除することによって形成された傾斜縁にスパウトが装着されたパウチ容器や、側縁にスパウトが装着されたパウチ容器についても本発明を適用することができる。こういったパウチ容器の場合は、スパウトが装着されている傾斜縁シール部や側縁シール部に上述した注入補助部材30、30A、30Bを接着固定すればよい。
【0042】
また、上述した各実施形態では、注出口部としてスクリューキャップを備えた開閉可能なスパウトが装着されたパウチ容器について説明したが、これに限定されるものではなく、破断線の位置で先端部を切除することにより開封して開口部を形成する所謂ワンピーススパウトが装着されたパウチ容器や、これらスパウトのような別途の部材を装着せず、パウチ自体の形状やパウチのシール形状を変形して形成した注出口部を有するパウチ容器についても本発明を適用することができる。こういったパウチ容器の場合は、ワンピーススパウトが装着されているシール部や、注出口部として機能する部位の基端位置に上述した注入補助部材30、30A、30Bを接着固定すればよい。
【0043】
ただし、注出口部としてワンピーススパウトが装着されたパウチ容器やパウチ自体が注出口部を有しているパウチ容器に上述した注入補助部材30、30Aを接着固定する場合は、上述したように、注入補助部材30、30Aを上方側に折り返した状態で、それぞれの注出口部の先端部を切除することによって形成された開口部が、嵌合穴31aや管状の本体部34a内または嵌合穴31aや管状の本体部34a内の中心位置よりも接続部32側の半円領域内に位置するように、嵌合穴31aや注入穴31Aaの形成位置及び注入口部34の取付位置を設定しておく必要があることは言うまでもない。