特許第6135852号(P6135852)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6135852
(24)【登録日】2017年5月12日
(45)【発行日】2017年5月31日
(54)【発明の名称】矩形形状品整列方法とその整列装置
(51)【国際特許分類】
   B65B 35/30 20060101AFI20170522BHJP
   B65B 35/32 20060101ALI20170522BHJP
【FI】
   B65B35/30
   B65B35/32
【請求項の数】4
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2013-80556(P2013-80556)
(22)【出願日】2013年4月8日
(65)【公開番号】特開2014-201349(P2014-201349A)
(43)【公開日】2014年10月27日
【審査請求日】2016年3月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】313005282
【氏名又は名称】東洋製罐株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092200
【弁理士】
【氏名又は名称】大城 重信
(74)【代理人】
【識別番号】100110515
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 益男
(74)【代理人】
【識別番号】100153497
【弁理士】
【氏名又は名称】藤本 信男
(72)【発明者】
【氏名】永田 功児
(72)【発明者】
【氏名】根本 悟
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 敏郎
【審査官】 新田 亮二
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−290432(JP,A)
【文献】 特開平09−169444(JP,A)
【文献】 特開2005−075472(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 35/30
B65B 35/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
各角部が枢軸となっている矩形枠と、該矩形枠を平行四辺形に変形駆動する手段を備え、前記矩形枠に矩形形状品の束を装填し、装填後、平行四辺形に変形駆動することにより、複数の矩形形状品の端辺位置を順次ずらして、該複数の矩形形状品を整列するものであって、前記矩形枠の対向する辺間にシャフトが掛け渡され、該シャフトは、前記矩形形状品の1辺に形成された凹部内にあって貫通させることにより、前記平行四辺形への変形駆動に伴う矩形形状品のずらし動作を行うことを特徴とする矩形形状品の整列装置。
【請求項2】
前記矩形形状品が注出部付き包装袋であって、前記端辺位置をずらして注出部が重ならない変位位置とする請求項1に記載の矩形形状品の整列装置。
【請求項3】
前記矩形枠の内側領域にエアーを吹付ける手段を備え、整列する前記矩形形状品間に間隙を作る機能を備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の矩形形状品の整列装置。
【請求項4】
整列する前記矩形形状品の製造ラインが併設され、そのライン数に対応して前記矩形枠が併設されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の矩形形状品の整列装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、束ねられた複数の注出部付き包装袋等の矩形形状品を、一方向に所定量位置をずらせて整列させる矩形形状品の整列方法およびそれを実施する整列装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液体洗浄剤等が充填される詰め替え用の注出部付き包装袋等の矩形形状品においては、内容物の注出性能を向上させるため、注出部に山谷成形を組み合わせた張り出し加工を行ったり、パイプ形状の部品を組み合わせるなどの方法により、注出部を膨らませた製品が求められている。このような注出部付き包装袋は製袋工場から箱詰めにされて出荷されるが、製造ライン(製袋工程)で製造された複数枚の包装袋が束ねられて順次箱体に梱包される。
【0003】
本出願人が提案した特許文献1の「袋箱詰め方法及び装置」に示された技術は、包装袋の箱詰めに関するもので、既に収められた袋束が倒れないような状態で新たな袋束を当該箱体内に詰めることができる袋箱詰め方法及び装置を提供することを目的としたものである。この袋箱詰め方法は、製袋工程にて製造され排出機構から排出される包装袋を所定枚数(例えば、50枚)束として受け、その袋束をロボットの把持部310で掴み、図6に示すように箱体支持機構により傾斜した姿勢で支持したカートン箱(箱体)100内に搬送する。袋束10はその袋面が重ね合わされるように当該箱体100内に順次積み上げられて梱包される。注出部内にパイプ状のものを取り付けた包装袋は、梱包時の積み重ねによって注出部が潰れてしまうことは比較的少ないが、前述したフィルムを張り出し加工した注出部を備えた注出部付き包装袋は、図7Aに示すように注出部11が重なり合った状態で梱包されるので、この注出部11部分に負荷が集中し、特に、運搬時に注出部11が潰れる現象が起こる。また、注出部の膨らみにより梱包された包装袋同士に隙間が形成されて、反りが発生し、不良品となる恐れもある。
【0004】
このような問題に対し、図3に示すように注出部11が重ならないように包装袋10をずらして束ね、張り出し加工された注出部11部分の膨らみを潰さないようにすることが想到される。しかしながら、「注口部をずらして束ねる」工程は複雑な工程で自動化の阻害要因となると共に作業効率の低下要因となる。このため、通常の梱包形態よりも多くの人員を配置する必要があり、製品コストを上昇させる要因でもあった。これに対して、箱詰めしても注出部の潰れがなく、しかも他の包装袋部分に反り癖も付かず、充填口の開口ミスや底部の開き不良が発生することのない、注出部付き包装袋の整列方法、整列装置ならびに箱への収納方法として特許文献2の技術を本出願人は提案した。この注出部付き包装袋の整列は、注出部付き包装袋の整列装置により、膨らんでいる注出部分を順次ずらして複数の注出部付き包装袋を整列するものである。その構成は、機体に設けたズラシスライダーに向けて傾斜する傾斜面、この傾斜面の一側に位置させて機体に設けた固定アーム、及び機体の他側に揺動自在に設けたスイングアームから成るものである。そして、前記傾斜面における整列ゾーン上の複数重ね合わせた注出口付包装袋の束を、スイングアームを揺動させると共に傾斜面を利用してズラシスライダーに当接させ、前記ズラシスライダーを回動させて複数重ね合わせた注出口付包装袋の束をずらし、注出部分同士が重ならないように整列するものである。
【0005】
しかしながら、前記した張り出し加工された注出部分を備える注出部付き包装袋の整列は、その構成が複雑であり、また、束ねられた複数の注出部付き包装袋を順次ずらす構成であるため作業効率の向上、整列動作、整列状態の安定性に欠け、注出部付き包装袋の整列方法、整列装置の更なる改良が望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−302962号公報 「袋箱詰め方法及び装置」 平成20年12月18日公開
【特許文献2】特開2006−290432号公報 「注出口付包装袋の整列方法・整列装置ならびに収納方法」 平成18年10月26日公開
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の課題は、前記の問題を解決すること、すなわち、矩形形状品の注出部付き包装袋等の張り出し加工を行った注出部を潰さないように、束ねられた複数の注出部付き包装袋等の矩形形状品の束を所望量ずらして整列する際に、簡単な機構・動作で、確実なずらし、整列を実現できる矩形形状品の整列方法及びその装置を提供することある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の矩形形状品の整列装置は、各角部が枢軸となっている矩形枠と、該矩形枠を平行四辺形に変形駆動する手段を備え、前記矩形枠に矩形形状品の束を装填し、装填後、平行四辺形に変形駆動することにより、複数の矩形形状品の端辺位置を順次ずらして、該複数の矩形形状品を整列するものであって、前記矩形枠の対向する辺間にシャフトが掛け渡され、該シャフトは、前記矩形形状品の1辺に形成された凹部内にあって貫通させることにより、前記平行四辺形への変形駆動に伴う矩形形状品のずらし動作を行うことを特徴とする矩形形状品の整列装置。
【0010】
本発明の矩形形状品の整列装置の1形態は、前記矩形形状品が注出部付き包装袋であって、前記端辺位置をずらして注出部が重ならない変位位置とすることを特徴とする。
また、本発明の矩形形状品の整列装置の1形態は、前記矩形枠の内側領域にエアーを吹付ける手段を備え、整列する前記矩形形状品間に間隙を形成する機能を備えたことを特徴とする。
さらに、本発明の矩形形状品の整列装置の1形態は、整列する前記矩形形状品の製造ラインが併設され、そのライン数に対応して前記矩形枠が併設されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明の矩形形状品の整列方法によれば、各角部が枢軸の矩形枠を用いるものであり、その矩形枠内に矩形形状品の束を装填し、装填後、該矩形枠を平行四辺形に変形駆動する簡単な機構、単純な動作で、複数の矩形形状品の端辺位置を安定して、順次確実にずらし、作業効率を向上させて整列することができる。
【0012】
また、本発明の矩形形状品の整列装置は、各角部が枢軸の矩形枠と、該矩形枠を矩形から平行四辺形に変形駆動する手段から成り、前記矩形枠内に矩形形状品の束を装填し、装填後、平行四辺形に変形駆動する簡単な機構、単純な動作により、複数の矩形形状品の端辺位置を安定して、順次確実にずらし、作業効率を向上させて整列することができる。
【0013】
また、前記本発明の矩形形状品の整列装置を、注出部付き包装袋に適用することにより、張り出し加工された潰れやすい注出部の重なりがなくなり、注出口付包装袋を箱詰め梱包した際に、包装袋の注出部の潰れが防止される。
また、本発明の矩形形状品の整列装置は、前記矩形枠の対向する上下枠間にシャフトが梁渡され、該シャフトは、前記矩形形状品の凹部内にあって貫通せることにより、前記平行四辺形への変形駆動に伴う矩形形状品のずらし動作をより確実に安定して行うことができる。
また、本発明の矩形形状品の整列装置は、前記矩形枠の内側領域にエアーを吹付ける手段を備えることにより、整列する前記矩形形品間に間隙を形成する機能を備え、位置ずらし動作をよりスムーズに安定して行うことが出来る。
さらに、本発明の矩形形状品の整列装置は、整列する前記矩形形状品の製造ラインが併設され、そのライン数に対応して前記矩形枠を併設することにより、ライン毎に生産される矩形形状品をストックさせることなく、並列処理できるので、生産速度を落とすことなく、効率的に矩形形状品の端辺の位置ずらしを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の矩形形状品の整列方法を説明する図である。
図2】本発明の矩形形状品の代表例である注出部付き包装袋の形状を説明する図である。
図3】本発明の矩形形状品の整列の形態を説明する図である。
図4】本発明の矩形形状品の代表例である注出口付包装袋の整列装置の1実施形態を示す図である。
図5】本発明の矩形形状品の整列装置を併設した状態を示す図である。
図6】従来の注出部付き包装袋の束を自動箱詰めする装置を説明する図である。
図7】従来と本発明による注出部付き包装袋の箱詰め形態を比較して示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1を参照しながら、本発明の矩形形状品の整列方法を説明する。1は矩形枠であり、対向する長辺1a,1cと短辺1b,1dが各端部において枢軸2でジョイントされ、常に矩形、好ましくは長方形を形成する。本発明の矩形形状品の位置ずらし整列方法は、この矩形枠1が長方形状の状態の時に、図1のAに示すように被整列部材となる矩形形状品10の束を矩形枠1内に装填する。次に、装填後、該矩形枠1を平行四辺形に変形駆動することにより、複数の矩形形状品の端辺位置を順次ずらすようにした。要するに、矩形枠1の短辺1bが長辺1aに対し鋭角となるように傾斜駆動され、該短辺1bが矩形形状品10の端部を順次押圧してスライドさせる。結果、図1のBに示されるように一方向に所定量変位させられ、整列される。各角部が枢軸となっている矩形枠1から成る単純な構造の冶具を用い、長方形状から平行四辺形に変形駆動するだけの簡単な動作で整列を行うことが出来る。
【0016】
本発明の矩形形状体の整列装置は、各角部が枢軸2となっている矩形枠1と、該矩形枠1を矩形、好ましくは長方形から平行四辺形に変形駆動する手段を備えたもので構成される。この駆動手段は後述するように、例えば、エアーシリンダ等のような適宜の機構でよい。前記矩形枠1が長方形状の状態にある時に矩形形状品10の束を枠内に装填し、装填後、平行四辺形に変形駆動することにより、矩形枠1の1辺例えば1bが矩形形状品10の端辺位置を順次ずらして、複数の矩形形状品を整列させる。
【0017】
図2に示す矩形形状品の代表例である注出部付き包装袋10の束を重ね、図3に示すその注出部11を潰さずに注出部付き包装袋を一方向にずらして整列させる装置の1実施形態を図4に示す。この注出部付き包装袋10には、長辺の一方の端部近傍に張り出し加工された注出部11が形成され、その下方に内容物のボトル等への詰め替え時に、ボトルの口部に係合させる凹部12が形成されている。内容物の詰め替え時には、注出部11の先端部分をカットして内容物を注出する。本発明の矩形形状品の整列方法、整列装置によって位置をずらして整列された注出部付き包装袋10の束は、箱詰めされたとき、図7のBに示される形態となり、注出部付き包装袋10の注出部12が潰されることがない。図4は、本発明の矩形形状品の代表例である注出部付き包装袋の整列装置の1実施形態を示す図であり、前述したように1は矩形枠であり対向する長辺1a,1cと短辺1b,1dが各端部において枢軸2でジョイントされている。そして、この矩形枠1が矩形、好ましくは長方形の状態の時に、図4のAに示すように被整列品の注出部付き包装袋10の束を前工程の製袋工程側から矩形枠1内に装填する。前記矩形枠1には、後述するようにエアーシリンダ等の駆動装置が取付けられている。次いで、注出部付き包装袋10の束を矩形枠1内に装填後、矩形枠1を次工程の箱詰め工程側に回動させると共に前記駆動装置を駆動させ、矩形枠1を平行四辺形に変形駆動することにより、複数の注出部付き包装袋10の端辺位置を順次ずらす。図中、3はシャフト、4はエアー噴射ノズルである。
【0018】
シャフト3は、矩形枠1の対向する長辺1aと1c間にされ、前述した注出部付き包装袋10の凹部12内にあって貫通するように設置される。このシャフト3は長辺1a側を支点として一端が固定され、対向長辺1cに設けられた長穴を挿通させて掛け渡されており、あるいはシャフト3の両端をフリージョイントで位置固定して掛け渡しても良く、矩形枠1の変形に支障をきたさない機構とする。そして、図4のAに示すように、被整列品の注出部付き包装袋10の束を矩形枠1内に装填したとき、前記シャフト3は注出部付き包装袋10の凹部12内にあって、その束を貫通する形態(図中Aの下段参照)を採る。続いて装填後、駆動装置を駆動させ、矩形枠1を平行四辺形に変形駆動することにより、複数の注出部付き包装袋10の端辺位置を順次ずらす動作となるが、その際、前記シャフト3は矩形枠1の短辺1bと平行に変位して傾斜する。このように、注出部付き包装袋10の凹部12内にあって、その束を貫通しているシャフト3が揺動することにより、注出部付き包装袋10の凹部12の内周面にも、複数の注出部付き包装袋10の端辺に作用する矩形枠1の短辺1bの作用力に同期して、同様の作用力が作用する。この作用力により、複数の注出部付き包装袋10の端辺位置を順次ずらす動作をより確実、正確に行い、図中Bの下段に示されるようにきれいにずらすことができる。
【0019】
また、エアー噴射ノズル4は、矩形枠1の枠内に向けて設置される。図4のAに示すように、被整列部材の注出部付き包装袋10の束を矩形枠1内に装填したとき、このエアー噴射ノズル4からエアーを噴射し、束となっている複数の注出部付き包装袋10間にエアーを吹き込んで間隙を形成する。その後、矩形枠1が図4のBに示す平行四辺形に変形駆動し、この間隙の形成により、重なり合っている注出部付き包装袋10の付着が解除され、位置ずらし動作をよりスムーズに安定して行うことができる。
この矩形枠1の変形駆動時のエアー吹付け動作は、1回乃至数回繰り返すことにより、位置ずらし動作をより確実、正確に行うことができる。そして、この動作は、矩形枠1の平行四辺形への変形駆動に際して繰り返し行われる。
【0020】
図5は、矩形形状品の製造ラインが併設されている場合、そのライン数に応じて前述した矩形枠が併設された矩形形状品の整列装置の1実施形態を示す図である。そして、矩形形状品が注出部付き包装袋である場合、その製造ラインは対称配置で一対に2つの包装袋が製造され、一般的に並行に供給搬送されるので、前述した矩形枠1を2つ併設した実施形態を示したものである。図中、7は基板であり、この基板7上に左右一対に2つの矩形枠1,1’が併設され、この基板7は鉛直状態で設置される。左側の矩形枠1は、上側の長辺が基板7に固定され、右側の矩形枠1’は下側の長辺が基板7に固定されている。5はレバー、6,6’は駆動装置であって、左側の矩形枠1は駆動装置6によって、破線で示すように上方に押し上げられて平行四辺形に変形駆動され、一方、右側の矩形枠1’は駆動装置6’によって、破線で示すように下方に押し下げられて平行四辺形に変形駆動される。そして、前述したシャフト3,3’の位置から判るように、左側の矩形枠1内に装填される注出部付き包装袋10は右側に注出部11が、右側の矩形枠1’内に搬入される注出部付き包装袋10は左側に注出部11が位置するように、製造ラインに準じて対称配置される。また、左側及び右側の矩形枠1、1’内に装填された注出部付き包装袋10の束は、いずれも重力によって下側の固定辺上に装填された後、基板7を次工程の箱詰め工程側に回動し、併設した矩形枠1、1’を回動して上方に向けた後、平行四辺形への変形駆動を行う。この際、左側の矩形枠1内の注出部付き包装袋10の束は、駆動装置6によって平行四辺形に変形駆動されると破線で示すように右側に押し付けられる。このため、矩形枠1内の注出部付き包装袋10の束は変位量が大きく、この押し付けの移動過程で注出部付き包装袋10の幅方向に整列の乱れが生じやすい。この整列の乱れを防止するため、左側の矩形枠1にはレバー5が取り付けられ、矩形枠1の平行四辺形への変形駆動の際に、前記矩形枠1内の注出部付き包装袋の束を左側から押さえている。このレバー5は、図に実線で書かれた基点位置から破線で示した位置まで回動する。そして、矩形枠1内に注出部付き包装袋の束が装填される際は基点位置にあり、矩形枠1の平行四辺形への変形駆動が開始される前に、前記矩形枠1の左側短辺の開口通過して破線位置に回動され、平行四辺形への変形駆動が開始されると矩形枠1の平行四辺形への変形に追従して回動し、平行四辺形への変形が終わると基点位置に復帰する。
次いで、図示しないピックアップ装置により、整列された包装袋束が排出された後、基板7を前工程の製袋工程側へ回動し、併設した矩形枠1、1’を平行四辺形から矩形に変形駆動しながら回動させて製袋工程側に向け、次の注出部付き包装体10の束の装填に備える。
このように、整列装置を併設することにより、製袋ライン毎に生産される注出部付き包装袋をストックさせることなく並列処理できるので、生産速度を落とすことなく注出部を潰さずに、注出部付き包装袋の端辺の位置をずらすことができる。
【産業上の利用可能性】
【0021】
本明細書では、矩形形状品が注出部付き包装体を例として説明してきたが、本発明はこれに限られるものではなく、定型封筒の郵便番号の読み取りや包装体の中身等の識別コード読み取り、製造ラインにおける矩形形状のパーツの扱いなど広く適用することが出来る。
【符号の説明】
【0022】
1 矩形枠 1a,1b,1c,1d 矩形枠の各辺
2 枢軸 3 シャフト
4 エアー噴射ノズル 5 レバー
6 駆動装置 7 基板
10 矩形形状体(注出部付き包装袋) 11 注出部
12 凹部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7