(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
反射層の反射面の上方に万線層を有する装飾材であって、万線層は一対の万線模様を上下に重ねて形成されており、両万線模様は互いに対応するように配置された複数の区画に区分けされていると共に各区画に複数の線画を交差させないように並べてなる単位万線模様が形成されており、少なくともいずれかの万線模様を構成する各線画が透過性を有しており、両万線模様の単位万線模様は傾きの違いによって複数種類に種別できると共に各種類の万線模様が所定パターンで配列されており、両万線模様の互いに対応する区画に形成された単位万線模様は一方の単位万線模様を構成する各線画が他方の単位万線模様を構成する少なくとも一つの線画に対して交差するように重なっており、万線層の上面又は下面のいずれか一方を構成する各線画の面が平坦状に形成されていると共に他方を構成する各線画の面が突起状に形成されており、反射層の反射面が万線層の下面を構成する各線画の面形状に沿った形状に形成されていると共に装飾材の最上面が万線層の上面を構成する各線画の面形状に沿った形状に形成されていることを特徴とする装飾材。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
【0019】
本実施の形態に係る装飾材1は、
図1に示すように、基材層2と、基材層2に積層される万線層3と、万線層3に積層される反射層4とから構成されている。なお、装飾材1は、観者が基材層2側から目視するものであり、観者が上方から目視する場合には、反射層4の上方に万線層3が積層された状態となる。
【0020】
基材層2は、万線層3が積層させる面が平坦状に形成されたフィルム状のものを使用すればよい。また、基材層2越しに万線層3及び反射層4を視認できる必要があるため、透過性を有するものを使用すればよい。なお、基材層2越しに各層3,4を視認できるのであれば、有色・無色のいずれであってもよい。具体的には、PET、ポリカーボネート又は塩化ビニルなどの合成樹脂からなるフィルムを使用すればよい。
【0021】
万線層3は、上側万線模様5と下側万線模様6とを上下に重ねて積層することによって形成されている。そして、上側万線模様5は、
図2に示すように、四枚斜文織(両面)の織物の表面に現れる織組織に対応する複数の区画7(
図2中、点線にて示す。)に区分けされていると共に、下側万線模様6は、
図3に示すように、四枚斜文織(両面)の織物の表面に現れる織組織に対応する複数の区画8(
図3中、点線にて示す。)に区分けされている。また、
図4に示すように、両万線模様5,6は、互いに上下で対応するように区分けされており、両万線模様5,6を上下に重ねて積層することによって両万線模様5,6の複数の区画7,8(
図4中、点線にて示す。)が上下で一致するように重なる。なお、
図2乃至
図4において複数の区画を示す点線は、複数の区画7,8の境界を示すための仮想線であって万線層3を構成するものではない。
【0022】
上側万線模様5の各区画7には、
図2に示すように、それぞれ6本の直線状の線画9を所定ピッチで平行に並べてなる単位万線模様10が形成されており、いずれの単位万線模様10も同一の態様になっている。
【0023】
上側万線模様5の各単位万線模様10は、単位万線模様10を構成する線画9の内で基準となる一つの線画9´に対して所定方向に伸びる基準線αの傾きの違いによって複数の種類に種別することができる。具体的には、上側万線模様5の各単位万線模様10は、単位万線模様10を構成する6本の線画9の内で中央左寄りに位置する基準となる線画9´に対して平行方向に伸びる基準線αの傾きの違いによって2種類に種別することができ、上側万線模様5に対して横方向に伸びる線を標準線X
1とすると、標準線X
1に対して基準線αの傾きが90度である単位万線模様10aと標準線X
1に対して基準線αの傾きが0度である単位万線模様10bとに種別することができる。
【0024】
そして、単位万線模様10aは、上側万線模様5における複数の区画7の内で織物の表面に現れる織組織の経糸が位置付けられる区画7に配置され、単位万線模様10bは、上側万線模様5における複数の区画7の内で織物の表面に現れる織組織の緯糸が位置付けられる区画7に配置され、単位万線模様10が織物の表面に現れる織組織を表現するパターンで配列された状態となる。これにより、単位万線模様10aを構成する各線画9によって織物の表面に現れる織組織の経糸が表現されると共に、単位万線模様10bを構成する各線画9によって織物の表面に現れる織組織の緯糸が表現される。
【0025】
下側万線模様6の各区画8には、
図3に示すように、それぞれ7本の直線状の線画11を所定ピッチで平行に並べてなる単位万線模様12が形成されており、いずれの単位万線模様12も同一の態様になっている。
【0026】
下側万線模様6の各単位万線模様12は、単位万線模様12を構成する線画11の内で基準となる一つの線画11´に対して所定方向に伸びる基準線βの傾きの違いによって複数の種類に種別することができる。具体的には、下側万線模様6の各単位万線模様12は、単位万線模様12を構成する7本の線画11の内で中央に位置する基準となる線画11´に対して平行方向に伸びる基準線βの傾きの違いによって2種類に種別することができ、下側万線模様6に対して横方向に伸びる線を標準線X
2とすると、標準線X
2に対する基準線βの傾きが反時計回りに約95度である単位万線模様12aと標準線X
2に対する基準線βの傾きが反とけ回りに約5度である単位万線模様12bとに種別することができる。
【0027】
そして、単位万線模様12aは、下側万線模様6における複数の区画8の内で織物の表面に現れる織組織の経糸が位置付けられる区画8に配置され、単位万線模様12bは、下側万線模様6における複数の区画8の内で織物の表面に現れる織組織の緯糸が位置付けられる区画8に配置され、単位万線模様12が織物の表面に現れる織組織を表現するパターンで配列された状態となる。これにより、単位万線模様12aを構成する各線画11によって織物の表面に現れる織組織の経糸が表現されると共に、単位万線模様12bを構成する各線画11によって織物の表面に現れる織組織の緯糸が表現される。
【0028】
そして、
図4に示すように、両万線模様5,6を複数の区画7,8が一致するように重ねた状態において、両万線模様5,6の互いに対応する区画7,8に形成された単位万線模様10,12は、
図5に示すように、単位万線模様10を構成する各線画9が単位万線模様12を構成する二つの線画11に対して傾斜するように交差して重なった状態になっている。なお、単位万線模様10aの傾きと単位万線模様12aの傾きの差と単位万線模様10bの傾きと単位万線模様12bの傾きの差とが同一であるため、いずれの線画10も線画11に対して同一角度で傾斜するように交差して重なった状態となる。
【0029】
また、両単位万線模様10,12が重なった状態において、単位万線模様10を構成する一つの線画9は、単位万線模様12を構成する隣接する二つの線画11の間に跨るように配置されている。即ち、線画9の一端が隣接する二つの線画11の内で一方の線画11の一端と重なり合うと共に、線画9の他端が隣接する二つの線画11の内で他方の線画11の他端と重なり合っている。これにより、
図6の(a)及び
図6の(c)に示すように、両単位万線模様10,12を構成する線画9,11の両端に向かうに伴って両単位万線模様10,13を構成する線画9,11の重なり度合いが増加し、
図6の(b)に示すように、両単位万線模様10,13を構成する線画9,11の中央に向かうに伴って両単位万線模様10,13を構成する線画9,11の重なり度合いが減少する。
【0030】
両万線模様5,6を構成する各線画9,11は、スクリーン印刷等の印刷方法を用いてインクによって形成すればよい。また、少なくともいずれかの万線模様を構成する線画が透過性を有するものであればよい。さらに、両万線模様を構成する線画は、有色・無色のいずれであってもよい。なお、一方の万線模様を構成する線画が無色透明であり、かつ、他方の万線模様を構成する線画が有色透明であることがより好ましい。
【0031】
なお、両万線模様5,6は、基材層2にインクを印刷することによって形成されているため、
図6に示すように、両万線模様5,6を構成する各線画9,11の基材層2と対向する面は平坦状に形成されていると共に同一平面状に並んでおり、また、基材層2と対向する面と反対側の面は突起状に形成されている。これにより、万線層3の下面を構成する各線画9,11の面が突起状に形成されると共に、万線層3の上面を構成する各線画9,11の面が平坦状に形成される。なお、装飾材1の最上面となる基材層2の上面は、万線層3の上面を構成する各線画9,11の面に沿った平坦状に形成されている。
【0032】
反射層4は、万線層3の下面を被覆するように積層されており、万線層3と対向する下面が鏡面光沢を有する反射面13となっている。よって、反射層4の反射面13は、万線層3の下面を構成する各線画9,11の面形状に沿うように凹凸形状に形成されている。なお、反射層4は、アルミニウムなどの金属粉末を含有する高輝度インクを使用し、スクリーン印刷等の印刷方法によって形成してもよく、また、金属を蒸着させることによって形成してもよい。
【0033】
また、両万線模様5,6を構成する線画9,11を形成するインクとしては、溶剤インクや紫外線硬化インクを使用すればよい。また、溶剤インクとしては、1液型のものであってもよく、2液型のものであってもよい。但し、反射層5を高輝度インクによって形成する場合には、一方又は双方の万線模様を構成する線画を形成するインクとして1液型の溶剤インクを使用すると、両万線模様を被覆するように高輝度インクを積層した際に、高輝度インクによって1液型の溶剤インクが溶解して両インクが混合し、これにより、反射層の反射面の反射率が低下する可能性があるため、高輝度インクによって溶解されない2液型の溶剤インクや紫外線硬化インクを使用することが好ましい。
【0034】
なお、本実施の形態によれば、両万線模様の互いに対応する区画に形成された単位万線模様を一方の単位万線模様を構成する各線画が他方の単位万線模様を構成する少なくとも一つの線画に対して交差するように重ねることにより、両万線模様を構成する各線画を傾斜するように交差させて重ねることにより、反射層の反射面の上方に両万線模様が積層された部分、いずれか一方の万線模様が積層された部分及びいずれの万線模様も積層されていない部分の三つの部分を形成し、かつ、万線層の上面又は下面のいずれか一方側を構成する各線画の面を平坦状に形成すると共に他方側を構成する各線画の面を突起状に形成し、反射層の反射面を万線層の下面を構成する各線画の面形状に沿った形状に形成すると共に装飾材の最上面を万線層の上面を構成する各線画の面形状に沿った形状に形成したので、前記各部分において反射層の反射面によって反射される光の輝度に違いが生じて織組織を構成する繊維の光沢を再現することができ、かつ、観者が目視する方向を移動させることで各部分の反射光が両万線模様に沿って移動して織組織を構成する繊維の立体感を再現することができる。
【0035】
なお、本実施の形態に係る装飾材1の変形例として、反射層の上方に透過性を有する着色層を積層することによって装飾材を着色してもよい。
【0037】
本実施の形態は前記実施の形態に係る装飾材の変形例であり、
図7において、
図1〜
図6と同一符号は同一又は相当部分を示している。
【0038】
本実施の形態に係る装飾材14は、
図7に示すように、基材層2と、基材層2に積層される万線層3と、万線層3に積層される着色層15と、着色層15に積層される反射層4とから構成されている。なお、装飾材14は、観者が基材層2側から目視するものであり、観者が上方から目視する場合には、反射層4の上方に万線層3が積層された状態となる。そして、着色層15は、万線層3の下面を構成する各線画9,11の面形状に沿った薄膜状に形成されているため、万線層3の下面に対して着色層15を介して積層される反射層4の反射面13は、万線層3の下面を構成する各線画9,11の面形状に沿った凹凸形状に形成される。なお、基材層2、万線層3の万線模様5,6を構成する各線画9,11及び着色層15は、いずれも透過性を有している。また、上側万線模様5を構成する各線画9は、着色層15と同系色に着色されており、下側万線模様6を構成する各線画11は、無色になっている。
【0039】
本実施の形態によれば、反射層の上方に着色層を積層し、かつ、万線層を構成する一方の万線模様を構成する各線画を着色層と同系色に着色したので、着色層と一方の万線模様を構成する各線画が重なった部分と重なっていない部分において色彩の濃淡が生じて織組織を構成する繊維の立体感を強調することができる。
【0040】
なお、本実施の形態においては、反射層と万線層との間に着色層が積層されているが、反射層の上方に積層されていればよく、両万線模様の間又は万線層と基材層の間或いは基材層の上面に積層してもよい。
【0042】
本実施の形態に係る装飾材16は、
図8に示すように、基材層17に積層された反射層18と、反射層18に積層される万線層19と、万線層19に積層される保護層20とから構成されている。なお、装飾材16は、観者が保護層20側から目視するものであり、観者が上方から目視する場合には、反射層18の上方に万線層19が積層された状態となる。
【0043】
基材層17は、反射層18が積層させる面が平坦状に形成されたものを使用すればよい。具体的には、基材層17としてフィルム状のものを使用する場合には、PET、ポリカーボネート又は塩化ビニルなどの合成樹脂からなるフィルムを使用すればよい。また、基材層17は、フィルム状のものに限定されず、例えば、平坦状の表面を有する容器の外壁であってもよい。
【0044】
反射層18は、基材層17の平坦状に形成された面に積層されており、反射層18の上面が鏡面光沢を有する反射面29となっている。よって、反射層18の反射面29は、平坦状に形成されている。なお、反射層18は、アルミニウムなどの金属粉末を含有する高輝度インクを使用し、スクリーン印刷等の印刷方法によって形成してもよく、また、金属を蒸着させることによって形成してもよい。
【0045】
万線層19は、上側万線模様21と下側万線模様22とを上下に重ねて積層することによって形成されている。そして、上側万線模様21は、
図9に示すように、平織の織物の表面に現れる織組織に対応する複数の区画23(
図9中、点線にて示す。)に区分けされていると共に、下側万線模様22は、
図10に示すように、平織の織物の表面に現れる織組織に対応する複数の区画24(
図10中、点線にて示す。)に区分けされている。また、
図11に示すように、両万線模様21,22は、互いに上下で対応するように区分けされており、両万線模様21,22を上下に重ねて積層することによって両万線模様21,22の複数の区画23,24(
図11中、点線にて示す。)が上下で一致するように重なる。なお、
図9乃至
図11において複数の区画を示す点線は、複数の区画23,24の境界を示すための仮想線であって万線層19を構成するものではない。
【0046】
上側万線模様21の各区画23には、
図9に示すように、それぞれ5本の直線状の線画23を所定ピッチで平行に並べてなる単位万線模様26が形成されており、いずれの単位万線模様26も同一の態様になっている。
【0047】
上側万線模様21の各単位万線模様26は、単位万線模様26を構成する線画25の内で基準となる一つの線画25´に対して所定方向に伸びる基準線αの傾きの違いによって複数の種類に種別することができる。具体的には、上側万線模様21の各単位万線模様26は、単位万線模様26を構成する5本の線画25の内で中央に位置する基準となる線画25´に対して平行方向に伸びる基準線αの傾きの違いによって2種類に種別することができ、上側万線模様21に対して横方向に伸びる線を標準線X
1とすると、標準線X
1に対して基準線αの傾きが90度である単位万線模様26aと標準線X
1に対して基準線αの傾きが0度である単位万線模様26bとに種別することができる。
【0048】
そして、単位万線模様26aは、上側万線模様21における複数の区画23の内で織物の表面に現れる織組織の経糸が位置付けられる区画23に配置され、単位万線模様26bは、上側万線模様21における複数の区画23の内で織物の表面に現れる織組織の緯糸が位置付けられる区画23に配置され、各単位万線模様26が織物の表面に現れる織組織を表現するパターンで配列された状態となる。これにより、単位万線模様26aを構成する各線画23によって織物の表面に現れる織組織の経糸が表現されると共に、単位万線模様26bを構成する各線画23によって織物の表面に現れる織組織の緯糸が表現される。
【0049】
下側万線模様22の各区画24には、
図10に示すように、それぞれ5本の直線状の線画27を所定ピッチで平行に並べてなる単位万線模様28が形成されており、いずれの単位万線模様28も同一の態様になっている。
【0050】
下側万線模様22の各単位万線模様28は、単位万線模様28を構成する線画27の内で基準となる一つの線画27´に対して所定方向に伸びる基準線βの傾きの違いによって複数の種類に種別することができる。具体的には、下側万線模様22の各単位万線模様28は、単位万線模様28を構成する5本の線画28の内で中央に位置する基準となる線画28´に対して平行方向に伸びる基準線βの傾きの違いによって2種類に種別することができ、下側万線模様22に対して横方向に伸びる線を標準線X
2とすると、標準線X
2に対する基準線βの傾きが反時計回りに約99度である単位万線模様28aと標準線X
2に対する基準線βの傾きが反とけ回りに約9度である単位万線模様28bとに種別することができる。
【0051】
そして、単位万線模様28aは、下側万線模様22における複数の区画24の内で織物の表面に現れる織組織の経糸が位置付けられる区画24に配置され、単位万線模様28bは、下側万線模様22における複数の区画24の内で織物の表面に現れる織組織の緯糸が位置付けられる区画24に配置され、各単位万線模様28が織物の表面に現れる織組織を表現するパターンで配列された状態となる。これにより、単位万線模様28aを構成する各線画27によって織物の表面に現れる織組織の経糸が表現されると共に、単位万線模様28bを構成する各線画27によって織物の表面に現れる織組織の緯糸が表現される。
【0052】
そして、
図11に示すように、両万線模様21,22を複数の区画23,24が一致するように重ねた状態において、両万線模様21,22の互いに対応する区画23,24に形成された単位万線模様26,28は、
図12に示すように、単位万線模様26を構成する各線画25が単位万線模様28を構成する一つの線画27に対して傾斜するように交差して重なった状態になっている。なお、単位万線模様26aの傾きと単位万線模様28aの傾きの差と単位万線模様26bの傾きと単位万線模様28bの傾きの差とが同一であるため、いずれの線画25も線画27に対して同一角度で傾斜するように交差して重なった状態となる。
【0053】
また、両単位万線模様26,28が重なった状態において、単位万線模様26を構成する一つの線画25は、単位万線模様28を構成する一つの線画27と中央で交差するように配置されている。これにより、
図13の(a)及び
図13の(c)に示すように、両単位万線模様26,28を構成する線画25,27の両端に向かうに伴って両単位万線模様26,28を構成する線画25,27の重なり度合いが減少し、
図13の(b)に示すように、両単位万線模様26,28を構成する線画25,27の中央に向かうに伴って両単位万線模様26,28を構成する線画25,27の重なり度合いが増加する。
【0054】
両万線模様21,22を構成する各線画25,27は、スクリーン印刷等の印刷方法を用いてインクによって形成すればよい。また、少なくともいずれかの万線模様を構成する線画が透過性を有するものであればよい。さらに、両万線模様を構成する線画は、有色・無色のいずれであってもよい。なお、一方の万線模様を構成する線画が無色透明であり、かつ、他方の万線模様を構成する線画が有色透明であることがより好ましい。
【0055】
なお、両万線模様21,22は、反射層18にインクを印刷することによって形成されているため、
図13に示すように、両万線模様21,22を構成する各線画25,27の反射層18と対向する面は平坦状に形成されていると共に同一平面状に並んでおり、また、反射層18と対向する面と反対側の面は突起状に形成されている。これにより、万線層19の上面を構成する各線画25,27の面が突起状に形成されると共に、万線層19の下面を構成する各線画25,27の面が平坦状に形成される。
【0056】
また、両万線模様21,22を構成する線画25,27を形成するインクとしては、溶剤インクや紫外線硬化インクを使用すればよい。また、溶剤インクとしては、1液型のものであってもよく、2液型のものであってもよい。但し、反射層5を高輝度インクによって形成する場合には、一方又は双方の万線模様を構成する線画を形成するインクとして1液型の溶剤インクを使用すると、両万線模様を被覆するように高輝度インクを積層した際に、高輝度インクによって1液型の溶剤インクが溶解して両インクが混合し、これにより、反射層の反射面の反射率が低下する可能性があるため、高輝度インクによって溶解されない2液型の溶剤インクや紫外線硬化インクを使用することが好ましい。
【0057】
本実施の形態においても、前記実施の形態1と同様の作用効果を得ることができる。
【0058】
なお、本実施の形態に係る装飾材の変形例として、反射層の上方に透過性を有する着色層を積層することによって装飾材を着色してもよい。
【0060】
本実施の形態は前記実施の形態3に係る装飾材の変形例であり、
図14において、
図8〜
図13と同一符号は同一又は相当部分を示している。
【0061】
本実施の形態に係る装飾材30は、
図14に示すように、基材層17に積層された反射層18と、反射層18に積層される着色層31と、着色層31に積層される万線層19と、万線層19に積層される保護層20とから構成されている。なお、装飾材30は、観者が保護層20側から目視するものであり、観者が上方から目視する場合には、反射層18の上方に万線層19が積層された状態となる。そして、着色層31は、万線層3の上面を構成する各線画25,27の面形状に沿った薄膜状に形成されているため、万線層19の上方に対して着色層31を介して積層される保護層20の上面、即ち、装飾材30の最上面32は、万線層19の上面を構成する各線画25,27に沿った凹凸形状に形成される。また、万線層19の万線模様21,22を構成する各線画25,27、着色層31及び保護層20は、いずれも透過性を有している。そして、上側万線模様21を構成する各線画25は、無色になっており、下側万線模様22を構成する各線画27は、着色層31と同系色になっている。
【0062】
本実施の形態においても前記実施の形態2と同様の作用効果を得ることができる。
【0063】
なお、本実施の形態においては、万線層と保護層の間に着色層が積層されているが、反射層の上方に積層されていればよく、万線層と反射層の間又は両万線模様の間或いは保護層の上面に積層してもよい。
【0065】
本実施の形態は前記実施の形態1における両万線模様を構成する線画の変形例であり、
図15において、
図1〜
図6と同一符号は同一又は相当部分を示している。
【0066】
本実施の形態に係る上側万線模様5の単位万線模様10は、
図15の(a)に示すように、5本の円弧状の線画33を所定ピッチで平行に並べて形成されており、各線画33は、円弧の半径が同一になっている。また、上側万線模様5の各単位万線模様10は、単位万線模様10を構成する各線画33の内で中央に位置する基準となる線画33´に対して長手方向中央に位置する頂点を通るように直交方向に伸びる基準線αの傾きの違いによって2種類に種別でき、各種類の単位万線模様10が四枚斜文織(両面)の織物の表面に現れる織組織を表現するパターンで配列されている。
【0067】
本実施の形態に係る下側万線模様6の単位万線模様12も、
図15の(b)に示すように、5本の円弧状の線画34を所定ピッチで平行に並べて形成されており、各線画34は、円弧の半径が同一になっている。また、下側万線模様5の各単位万線模様12は、単位万線模様12を構成する各線画34の内で中央に位置する基準となる線画34´に対して長手方向中央に位置する頂点を通るように直交方向に伸びる基準線βの傾きの違いによって2種類に種別でき、各種類の単位万線模様12が四枚斜文織(両面)の織物の表面に現れる織組織を表現するパターンで配列されている。
【0068】
そして、本実施の形態に係る両万線模様の互いに対向する区画7,8に形成された単位万線模様10,12は、
図15の(c)に示すように、単位万線模様10を構成する各線画33が単位万線模様12を構成する一つの線画34に対して一箇所で傾斜するように交差して重なった状態となっている。
【0069】
本実施の形態においても前記実施の形態1と同様の作用効果を得ることができる。また、本実施の形態に係る線画33,34は、いずれも曲線状であるため、織物の表面に現れる糸の湾曲をリアルに表現することができる。
【0070】
なお、本実施の形態に係る両万線模様を構成する線画を前記実施の形態2乃至4に係る両万線模様に適用してもよい。
【0072】
本実施の形態は前記実施の形態1における両万線模様を構成する線画の変形例であり、
図16において、
図1〜
図6と同一符号は同一又は相当部分を示している。
【0073】
本実施の形態に係る上側万線模様5の単位万線模様10は、
図16の(a)に示すように、5本の直線状の線画9を所定ピッチで平行に並べて形成されている。また、上側万線模様5の各単位万線模様10は、単位万線模様10を構成する各線画9の内で中央に位置する基準となる線画9´に対して直交方向に伸びる基準線αの傾きの違いによって2種類に種別でき、各種類の単位万線模様10が四枚斜文織(両面)の織物の表面に現れる織組織を表現するパターンで配列されている。
【0074】
本実施の形態に係る下側万線模様6の単位万線模様12も、
図16の(b)に示すように、5本の円弧状の線画35を所定ピッチで並べて形成されており、各線画35は、円弧の半径が異なっており、一方(
図16の(b)中、左方向)から他方(
図16の(b)中、右方向)に向かって徐々に円弧の半径が小さくなるように並べられている。また、下側万線模様5の各単位万線模様12は、単位万線模様12を構成する各線画35の内で中央に位置する基準となる線画35´に対して長手方向中央に位置する頂点を通るように直交方向に伸びる基準線βの傾きの違いによって2種類に種別でき、各種類の単位万線模様12が四枚斜文織(両面)の織物の表面に現れる織組織を表現するパターンで配列されている。
【0075】
そして、本実施の形態に係る両万線模様の互いに対向する区画7,8に形成された単位万線模様10,12は、
図16の(c)に示すように、単位万線模様10を構成する各線画9が単位万線模様12を構成する少なくとも一つの線画35に対して二箇所で交差して重なった状態となっている。
【0076】
本実施の形態においても前記実施の形態1と同様の作用効果を得ることができる。また、本実施の形態に係る線画35は、曲線状であるため、織物の表面に現れる糸の湾曲をリアルに表現することができる。
【0077】
なお、本実施の形態に係る両万線模様を構成する線画を前記実施の形態2乃至4に係る両万線模様に適用してもよい。
【0079】
本実施の形態は前記実施の形態1における両万線模様を構成する線画の変形例であり、
図17において、
図1〜
図6と同一符号は同一又は相当部分を示している。
【0080】
本実施の形態に係る上側万線模様5の単位万線模様10は、
図17の(a)に示すように、5本の直線状の線画9を所定ピッチで平行に並べて形成されている。また、上側万線模様5の各単位万線模様10は、単位万線模様10を構成する各線画9の内で中央に位置する基準となる線画9´に対して直交方向に伸びる基準線αの傾きの違いによって2種類に種別でき、各種類の単位万線模様10が四枚斜文織(両面)の織物の表面に現れる織組織を表現するパターンで配列されている。
【0081】
本実施の形態に係る下側万線模様6の単位万線模様12も、
図17の(b)に示すように、5本の円弧状の線画36を所定ピッチで並べて形成されており、各線画36は、円弧の半径が同一になっている。また、下側万線模様5の各単位万線模様12は、単位万線模様12を構成する各線画36の内で中央に位置する基準となる線画36´に対して長手方向中央に位置する頂点を通るように直交方向に伸びる基準線βの傾きの違いによって2種類に種別でき、各種類の単位万線模様12が四枚斜文織(両面)の織物の表面に現れる織組織を表現するパターンで配列されている。
【0082】
そして、本実施の形態に係る両万線模様の互いに対向する区画7,8に形成された単位万線模様10,12は、
図17の(c)に示すように、単位万線模様10を構成する各線画9が単位万線模様12を構成する二つの線画36に対して二箇所で交差して重なった状態となっている。
【0083】
本実施の形態においても前記実施の形態1と同様の作用効果を得ることができる。また、本実施の形態に係る線画36は、曲線状であるため、織物の表面に現れる糸の湾曲をリアルに表現することができる。
【0084】
なお、本実施の形態に係る両万線模様を構成する線画を前記実施の形態2乃至4に係る両万線模様に適用してもよい。
【0085】
本発明において再現できる織物の織組織は特に限定されず、例えば、平織、斜文織(四枚斜文織(両面)を含む)又は朱子織からなる三原組織の織物の織組織やその他の組織からなる織物の織組織であってもよい。さらに、本発明に係る装飾材は、印刷によって形成することが可能であるため、織物の織組織として存在しない組織からなる図柄を表現することもできる。
【0086】
また、本発明においては、両万線模様を構成する各線画の交差箇所の数は、一箇所以上であればよく、二箇所以上であってもよい。
【0087】
また、本発明における線画は、直線状及び円弧状のものに限定されず、波線状やその他の形状のものであってもよい。