(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記オブジェクティブの集合は、前記通信ネットワークの運営者によって制御可能な、前記通信ネットワークの運営レベル指標と関連付けられた少なくとも1つのタクティカルインプルーブメント(TI)オブジェクティブを含み、前記少なくとも1つのTIオブジェクティブの各々を計量するために使用されるKPIの集合は、タクティカルKPIの集合を含む、請求項1に記載の方法。
前記オブジェクティブの集合は、前記通信ネットワークのビジネス指標と関連付けられた少なくとも1つのビジネスオブジェクティブ(BO)を含み、前記少なくとも1つのBOの各々を計量するために使用されるKPIの集合は、キーバリュー指標(KVI)の集合を含む、請求項1または2に記載の方法。
前記少なくとも1つのBOの各々は、前記通信ネットワークの運営者によって制御可能な、前記通信ネットワークの運営レベル指標と関連付けられた少なくとも1つの記憶されたタクティカルインプルーブメント(TI)オブジェクティブに対応し、前記少なくとも1つのBOの各々は、タクティカルKPIの集合を用いて計量可能であり、
前記第1の最適化されたユースケースの組合せを出力する前記ステップの前、かつ前記提示されたオブジェクティブの集合への選択を受け取る前記ステップの後に、前記方法は、
前記ディスプレイ上に前記選択されたBOに対応するTIオブジェクティブの集合を提示するステップと、
前記入力デバイスを通じて、前記提示されたTIからの1つまたは複数のTIオブジェクティブへの選択を受け取るステップとをさらに含み、
前記第1の最適化されたユースケースの組合せを出力する前記ステップは、
前記選択されたBOおよび前記選択されたTIオブジェクティブ、前記記憶されたユースケースの集合、ならびに前記記憶された評価情報に従って、前記選択されたBOのKVIに最も肯定的な影響を有する、前記第1の最適化されたユースケースの組合せを出力するステップを含み、前記記憶された評価情報は、前記記憶されたユースケースの各々の、前記選択されたTIオブジェクティブのKPIの各々への影響、および前記選択されたTIオブジェクティブのタクティカルKPIの各々の、前記選択されたBOのKVIの各々への影響を具体的に示す、請求項3に記載の方法。
前記オブジェクティブの集合は、前記コンピュータ、または前記コンピュータと通信する他のコンピュータに記憶された、更新可能なオブジェクティブデータベースに由来し、
前記記憶されたユースケースの集合は、前記コンピュータ、または前記コンピュータと通信する他のコンピュータに記憶された、更新可能なユースケースデータベースに由来し、
前記記憶された評価情報は、前記コンピュータ、または前記コンピュータと通信する他のコンピュータに記憶された、更新可能な評価情報データベースに由来する、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
前記ディスプレイ上に前記最適化されたユースケースの組合せに対応するイネーブラの集合を提示するステップをさらに含み、前記イネーブラの集合の中のイネーブラは、前記最適化されたユースケースの組合せのユースケースを実施するための、運営上または技術
上の能力を示す、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
前記選択されたオブジェクティブの集合、前記記憶されたユースケース、前記選択または選択解除によって影響を受けるユースケース、および前記記憶された評価情報に従って、前記選択されたオブジェクティブの集合のKPIに最も肯定的な影響を有する、第2の最適化されたユースケースの組合せを出力するステップと、
前記ディスプレイ上に前記第2の最適化されたユースケースの組合せを提示するステップとをさらに含む、請求項12に記載の方法。
通信ネットワークのための最適化されたユースケースの組合せを取得するためのコードを含むコンピュータプログラムであって、前記コードがコンピュータにより実行されるとき、
ディスプレイ上にオブジェクティブデータベースからのオブジェクティブの集合を提示
するステップであって、前記オブジェクティブの集合は、前記通信ネットワークに関する少なくとも1つの通信ネットワーク指標と関連付けられ、前記オブジェクティブの集合の各々は、キーパフォーマンス指標(KPI)の集合を用いて計量可能である、ステップと、
入力デバイスを通じて、前記提示されたオブジェクティブの集合からの1つまたは複数のオブジェクティブへの選択を受け取るステップと、
前記選択されたオブジェクティブの集合、ユースケースデータベース、および評価情報データベースに従って、前記選択されたオブジェクティブの集合のKPIに最も肯定的な影響を有する、前記ユースケースデータベースからの第1の最適化されたユースケースの組合せを出力するステップであって、前記評価情報データベースの中の評価情報は、各ユースケースの、前記選択されたオブジェクティブの集合のKPIの各々への影響を示す、ステップと、
前記ディスプレイ上に前記最適化されたユースケースの組合せを提示するステップと
を実行するコンピュータプログラム。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本願の上述の目的、技術上の解決策および利点をよりわかりやすくするために、図が添付された実施形態が以下で詳細に説明される。
【0018】
この開示は、以下のものの詳細を提供する。
・この処理がサポートされる(オブジェクティブ、KPI、イネーブラ、ユースケース、VGP、およびTIの間の関係を管理する規則の形態で実現される)ことが可能なフレームワーク。
・絶えず更新されることが可能であり、迅速な分析および比較をサポートするフレームワークへ構造化された、知識、経験、および模範事例のライブラリ。
【0019】
以下の実施形態で提供される解決策の価値は、後により詳細に説明する4つのことからもたらされる。
【0020】
データベース構造 - ビジネスユースケースの選択を促進するために、リレーショナルデータベースが構造化された方法。それは、反復可能な分析のフレームワークを表す。
【0021】
知識ライブラリ - ユースケース、タクティカルインプルーブメント、オブジェクティブ、VGP、および構成要素のライブラリに含まれる、広範囲にわたる知識。このようにして、解決策は、また、ソリューションプロバイダの収集された専門的技術および経験を表す知的財産の蓄積である。
【0022】
継続的に更新される - 新しい顧客展開およびケーススタディが、ユースケースの集合および各ユースケースの市場への影響の理解を改善するにつれて、ソリューションプロバイダは、ユースケース、タクティカルインプルーブメント、VGPなどを、経時的に追加、削除、更新することができる。
【0023】
迅速な洞察 - 従来、VGPを技術的な解決策にリンクする処理は、ユーザに、ほとんどまたはまったく存在しない基準点から始めることを要求する。ユーザは、要素のすべてを最初から作り出し、属性を割り当て、互いにリンクさせなければならない。この解決策は、事前定義された要素のライブラリをすでに含み、したがって、典型的なコンサルティングプロジェクトに由来するたくさんの事前作業を排除する。
【0024】
図1は、本解決策による方法が実施され得るコンピュータシステムのブロック図である。コンピュータシステム100は、RAM(Random Access Memory, ランダムアクセスメモリ)104に結合された少なくとも1つのプロセッサ101、出力デバイス102(たとえば、LCD(Liquid Crystal Display, 液晶表示装置)、CRT(Cathod Ray Tube, 陰極線管)、またはプロジェクタのような表示デバイス)、および入力デバイス103(たとえば、マウス、キーボード、タッチスクリーン、またはユーザの指示を検出するセンサを有する他の入力デバイス)を含む。出力デバイス102は、グラフィック対話インターフェースをユーザに表示するために、プロセッサにより制御される。RAM104は、プロセッサ101が実行するためのコードを記憶するように構成される。任意選択で、コンピュータシステムは、他のデバイスとデータを交換するための通信インターフェース105、およびプロセッサ101が実行するための様々なコードをRAM104の中に記憶するための記憶媒体106(たとえば、ROM(Read Only Memeory, リードオンリメモリ)、ハードディスク、またはフラッシュメモリなど)を含み得る。
【0025】
RAM104は、コンピュータが本解決策の方法を実行するためのプログラム1042およびデータベース1043を記憶するように構成される。任意選択で、RAM104は、コンピュータを動作させるためのオペレーティングシステムアプリケーション、他のデバイスと通信するための通信アプリケーション、サーバ-クライアントのシナリオで動作するときにサーバにアクセスするためのクライアントアプリケーション、またはクラウドコンピューティングのシナリオで動作するときにデータセンタにアクセスするためのクライアントアプリケーションのような他のアプリケーション1041を記憶するように構成される。
【0026】
図2に示すように、プログラム1042は、フロントエンドモジュール201および最適化エンジン202を含む。データベース1043は、オブジェクティブデータベース203、ユースケースデータベース204、および評価情報データベース205を含む。フロントエンドモジュール201は、プロセッサに、出力デバイス102上にユーザのためにオブジェクティブデータベース203からのオブジェクティブの集合を提示するステップであって、オブジェクティブの集合は、通信ネットワークに関する少なくとも1つの通信ネットワーク指標と関連付けられ、オブジェクティブの集合の各々は、キーパフォーマンス指標(KPI)の集合を用いて計量可能である、ステップと、入力デバイスを通じて、ユーザから、提示されたオブジェクティブの集合への選択を受け取るステップとを実行させるように構成される。最適化エンジン202は、プロセッサ101に、フロントエンドモジュール201からの選択されたオブジェクティブの集合、ユースケースデータベース204、および評価情報データベース205に従って、選択されたオブジェクティブの集合のKPIに最も肯定的な影響を有する、ユースケースデータベース204からの第1の最適化されたユースケースの組合せを出力するステップを実行させるように構成され、評価情報データベース205の中の評価情報は、各ユースケースの、選択されたオブジェクティブの集合のKPIの各々への影響を示す。フロントエンドモジュール201は、プロセッサ101に、出力デバイス102上に、ユーザのために、最適化エンジン202から出力された最適化されたユースケースの組合せを提示するステップを実行させるようにさらに構成される。
【0027】
たとえば、オブジェクティブの集合は、通信ネットワークの運営者によって制御可能な、通信ネットワークの運営レベル指標と関連付けられた少なくとも1つのタクティカルインプルーブメント(TI)を含み得るとともに、少なくとも1つのTIの各々を計量するために使用されるKPIの集合は、タクティカルKPIの集合を含む。
【0028】
その代わりに、オブジェクティブの集合は、通信ネットワークのビジネス指標と関連付けられた少なくとも1つのビジネスオブジェクティブ(BO)を含み得るとともに、少なくとも1つのBOの各々を計量するために使用されるKPIの集合は、キーバリュー指標(KVI)の集合を含む。任意選択で、少なくとも1つのBOの各々は、少なくとも1つの記憶されたTIに対応する。フロントエンドモジュール201は、プロセッサ101に、出力デバイス102上に、選択されたBOに対応するTIを提示するステップと、入力デバイス103を通じて、ユーザから、提示されたTIへの選択を受け取るステップとを実行させるようにさらに構成される。第1の最適化されたユースケースの組合せを出力するステップは、フロントエンドモジュールからの選択されたBOおよび選択されたTI、ユースケースデータベース、ならびに評価情報データベースに従って、選択されたBOのKVIに最も肯定的な影響を有する第1の最適化されたユースケースの組合せを出力することを含み、評価情報データベースの中の評価情報は、各ユースケースの、選択されたTIのKPIの各々への影響、および選択されたTIのタクティカルKPIの各々の、選択されたBOのKVIの各々への影響を具体的に示す。
【0029】
任意選択で、フロントエンドモジュール201は、プロセッサに、出力デバイス上に少なくとも1つのバリューグロースポイント(VGP)を提示するステップであって、少なくとも1つのVGPの各々は、少なくとも1つの記憶されたオブジェクティブに対応する、ステップと、入力デバイスを通じて、ユーザから、提示された少なくとも1つのVGPへの選択を受け取るステップとを実行させるようにさらに構成される。出力デバイス上にオブジェクティブデータベースからのオブジェクティブの集合を提示するステップは、出力デバイス上に、ユーザのために、選択されたVGPに対応するオブジェクティブを提示することを含む。
【0030】
任意選択で、第1の最適化されたユースケースの組合せを出力するステップは、評価情報データベースに従って、選択されたBOのKVIを根レベルに、選択されたTIのタクティカルKPIを枝レベルに有するデータツリーを生成することであって、KVIの改善の程度がKPIの改善の程度の関数となるような式によって、KVIの各々は構成要素であるKPIにリンクされる、ことと、データツリーおよび評価情報データベースに従って、ユースケースの組合せの、選択されたBOのKVIへの影響を計算することと、計算されたユースケースの組合せから、選択されたBOのKVIに最も肯定的な影響を有するユースケースの組合せを出力することとを含む。
【0031】
任意選択で、フロントエンドモジュール201は、プロセッサ101に、入力デバイスを通じて、ユーザから、選択されたオブジェクティブの集合への順位付けを受け取るステップを実行させるようにさらに構成される。第1の最適化されたユースケースの組合せを出力するステップは、フロントエンドモジュールからの選択されたオブジェクティブの集合、選択されたオブジェクティブの集合への順位付け、ユースケースデータベース、および評価情報データベースに従って、選択されたオブジェクティブの集合のKPIに最も肯定的な影響を有する第1の最適化されたユースケースの組合せを出力することを含む。
【0032】
任意選択で、第1の最適化されたユースケースの組合せを出力するステップは、評価情報データベースに従って、各ユースケースの、選択されたオブジェクティブの集合のKPIへの影響を計算することと、選択されたオブジェクティブの集合のKPIへの肯定的な影響を有するすべてのユースケースを出力することとを含む。
【0033】
任意選択で、プログラム1042は、
図2に示されないオブジェクティブフィルタリングモジュールをさらに含む。オブジェクティブフィルタリングモジュールは、プロセッサに、通信インターフェース105を通じて通信ネットワークの情報収集デバイス(たとえば、ISOP)から通信ネットワークの情報を受け取るステップと、受け取った通信ネットワークの情報に対応するオブジェクティブの集合を出力するステップとを実行させるように構成される。出力デバイス上にユーザのためにオブジェクティブデータベースからのオブジェクティブの集合を提示するステップは、出力デバイス上に、ユーザのために、オブジェクティブフィルタリングモジュールにより出力されたオブジェクティブの集合を提示することを含む。
【0034】
任意選択で、フロントエンドモジュールは、プロセッサに、最適化されたユースケースの組合せに対応するイネーブラの集合を提示するステップを実行させるようにさらに構成され、イネーブラの集合の中のイネーブラは、最適化されたユースケースの組合せのユースケースを実施するための、運営上または技術上の能力を示す。
【0035】
任意選択で、フロントエンドモジュールは、プロセッサに、入力デバイスを通じて、ユーザから、提示されたイネーブラの集合への選択または選択解除を受け取るステップと、イネーブラの選択または選択解除によって影響を受ける、選択されたオブジェクティブの集合の中のすべてのオブジェクティブ、および/または、出力デバイス上に、最適化されたユースケースの組合せの中のすべてのユースケースを強調表示するステップとを実行させるように、さらに構成される。
【0036】
任意選択で、最適化エンジンは、プロセッサに、フロントエンドモジュールからの選択されたオブジェクティブの集合、ユースケースデータベース、イネーブラの選択または選択解除によって影響を受けるユースケース、および評価情報データベースに従って、選択されたオブジェクティブの集合のKPIに最も肯定的な影響を有する第2の最適化されたユースケースの組合せを出力するステップを実行させるようにさらに構成される。フロントエンドモジュールは、プロセッサに、フロントエンドモジュールにより、ディスプレイ上に、ユーザのために、最適化エンジンから出力された第2の最適化されたユースケースの組合せを提示するステップを実行させるようにさらに構成される。
【0037】
通信ネットワーク指標、KPI、ユースケース、TI、タクティカルKPI、BO、KVI、ISOPイネーブラのような上述の専門用語は、以下の具体的な実施形態で詳細に述べられる。
【0038】
任意選択で、オブジェクティブ、ユースケース、および評価情報のような要素のためのデータベースに加えて、RAM104に記憶される、他の要素のためのデータベース、たとえば、VGPのためのデータベース、KPI(タクティカルKPIおよび/またはKVI)のためのデータベース、TIのためのデータベース、またはイネーブラのためのデータベースが存在し得る。RAM104に記憶されるデータベースは、それぞれが上述の要素のうちの1つを含む互いに関連したいくつかの別個のデータベースの形態、または上述の要素のうちの少なくとも2つを含むデータベースの形態とすることが可能であることが理解できる。
【0039】
図3に示すように、この解決策は、また、サーバクライアントシステム300で実施されることが可能である。サーバクライアントシステムは、ネットワーク303を通じてクライアント302と通信するサーバ301を含む。上述の実施形態と異なり、
図3に示すシナリオでは、サーバ301は、最適化エンジンを実行し、データベースを記憶する。クライアント302は、フロントエンドモジュール、最適化エンジンおよびデータベースの間でデータを交換するためサーバにアクセスするために、フロントエンドモジュールおよびクライアントアプリケーションを実行する。サーバ301は、
図1に示すのと類似の構造を有し、しかしながら、出力デバイスおよび入力デバイスがサーバ301の中に必要でなくてもよいことが理解できる。
【0040】
図4に示すように、この解決策は、また、クラウドコンピューティングシステム400で実施されることが可能である。クラウドコンピューティングシステム400は、ネットワーク303を通じてクライアント402と通信するデータセンタ401を含む。上述の実施形態と異なり、
図4に示すシナリオでは、データセンタ401は、最適化エンジンおよびフロントエンドモジュールを実行し、データベースを記憶する。クライアント402は、データセンタ401にアクセスし、ユーザのためにグラフィック対話インターフェースを提示するための情報を受け取り、ユーザにより入力された情報をデータセンタ401へ送るためのクライアントアプリケーションを実行する。データセンタ401は、
図1に示すのと類似の構造を有し、しかしながら、出力デバイスおよび入力デバイスがデータセンタ401の中に必要でなくてもよいことが理解できる。
【0041】
図5に示すように、それは、ユースケースを通信ネットワークに提供するためのコンピュータ実施される方法を示す流れ図である。
【0042】
ブロック501:コンピュータ上で実行されているフロントエンドモジュールにより、コンピュータに結合されたディスプレイ上に、ユーザのために、オブジェクティブの集合を提示し、オブジェクティブの集合は、通信ネットワークに関する少なくとも1つの通信ネットワーク指標と関連付けられ、オブジェクティブの集合の各々は、キーパフォーマンス指標(KPI)の集合を用いて計量可能である。
【0043】
ブロック502: フロントエンドモジュールにより、コンピュータに結合された入力デバイスを通じて、ユーザから、提示されたオブジェクティブの集合への選択を受け取る。
【0044】
ブロック503:コンピュータ上またはコンピュータと通信する他のコンピュータ上で実行されている最適化エンジンにより、フロントエンドモジュールからの選択されたオブジェクティブの集合、記憶されたユースケースの集合、および記憶された評価情報に従って、選択されたオブジェクティブの集合のKPIに最も肯定的な影響を有する第1の最適化されたユースケースの組合せを出力し、評価情報は、記憶されたユースケースの各々の、選択されたオブジェクティブの集合のKPIの各々への影響を示す。
【0045】
ブロック504: フロントエンドモジュールにより、ディスプレイ上に、ユーザのために、最適化エンジンから出力される最適化されたユースケースの組合せを提示する。
【0046】
具体的なソフトウェアアプリケーションが、この実施形態で開示される。表1は、述べたソフトウェアアプリケーションで使用されるアプリケーションエンティティの説明である。
【0049】
広範な条件において、アプリケーションは、以下のタスクのうちの一部または全部を遂行し得る。
1.ユーザ(たとえば、運営者に代わって作業するコンサルタント)は、運営者が焦点を合わせたい(「バリューグロースポイント」と呼ばれる)ビジネスの優先順位を入力する。
a.アプリケーションは、バリューグロースポイント(VGP)のリストをユーザに提示する。
b.ユーザは、適用するVGPを選ぶ。
c.ユーザは、重要度の順に順位付けをすることによって、VGPに優先順位を付ける。
2.ユーザは、運営者のビジネスオブジェクティブを入力する。
a.アプリケーションは、オブジェクティブのリストをユーザに提示する。
b.ユーザは、適用するオブジェクティブを選ぶ。
c.ユーザは、重要度の順に順位付けをすることによって、オブジェクティブに優先順位を付ける。
3.アプリケーションは、各オブジェクティブに対するKPIの集合をユーザに提示し、オブジェクティブを達成するための運営者の成果は、KPIの集合に対して計量されることが可能である。
4.アプリケーションは、タクティカルインプルーブメント(KPIパフォーマンスをもたらすために求められる改善)の集合をユーザに提示する。
a.ユーザは、適用するタクティカルインプルーブメントを選択する。
b.ユーザは、重要度に従ってタクティカルインプルーブメントを順位付けする。
5.アプリケーションは、推奨されるユースケースのリストをユーザに提示する。
a.各ユースケースに対して、実現されることが可能な潜在的なKPIの改善のプロファイルが存在する。
b.ユースケースは、ユーザにより選択され優先順位を付けられたビジネスオブジェクティブへの影響のレベルに従って、アプリケーションにより自動的に順位付けされる。
6.アプリケーションは、ユースケースをもたらすために求められるトラフィック管理機能(「イネーブラ」と呼ばれる)をユーザに提示する。
7.ユーザは、これらのイネーブラの全部、または部分集合を選ぶ(予算および現在の機能に応じて)。
8.アプリケーションは、ユーザのイネーブラ選択の技術的制約に基づいて、推奨されるユースケースのリストを更新する(適用できれば)。
【0050】
アプリケーションは、出力をユーザに提供するために、以下の構成要素を含み得る。
1.ユースケース、ビジネスのKPI、オブジェクティブ、タクティカルインプルーブメント、およびバリューグロースポイント(VGP)のライブラリ。ライブラリの項目は、エンドユーザにより容易に追加、削除、および更新されることが可能である。
2.ライブラリの間の関連付け(たとえば、VGPと関連付けられたビジネスオブジェクティブ、およびオブジェクティブと関連付けられたKPI)を詳述する、リレーショナルデータベース。
3.優先順位を付けられたユーザの選択に基づいて、運営者への潜在的な利益を最大にする最適化エンジン。
4.上で略述した選択処理を通じてユーザを手引きする、プレゼンテーションのGUI。
【0051】
図6から
図11は、入力、動作、および出力の観点からの、アプリケーションの全体的な処理フローを示す。
1.
図6に示すように、ユーザ(たとえば、運営者に代わって作業するコンサルタント)は、運営者が焦点を合わせたい(「バリューグロースポイント」と呼ばれる)ビジネスの優先順位を、選択により入力する。任意選択で、ユーザは、選択されたバリューグロースポイントに優先順位を付け得る。
2.
図7に示すように、ユーザは、運営者のビジネスオブジェクティブを、選択により入力する。任意選択で、ユーザは、選択されたビジネスオブジェクティブに優先順位を付け得る。
3.
図8に示すように、アプリケーションは、各オブジェクティブに対するKVIの集合をユーザに提示し、オブジェクティブを達成するための運営者の成果は、KVIの集合に対して計量されることが可能である。
4.
図9に示すように、アプリケーションは、タクティカルインプルーブメントの集合(KPIパフォーマンスをもたらすために求められる改善)をユーザに提示する。ユーザは、タクティカルインプルーブメントの選択を入力する。任意選択で、ユーザは、選択されたタクティカルインプルーブメントに優先順位を付け得る。
5.
図10に示すように、アプリケーションは、推奨されるユースケースのリストをユーザに提示する。
6.
図11に示すように、アプリケーションは、ユースケースをもたらすために求められるイネーブラをユーザに提示する。
【0052】
このアプリケーションによりサポートされるやり方が、関連するユースケースを運営者が特定する助けとなるために、どのように使用されることが可能であるかについて、やり方の例がここで提供される。
【0053】
運営者は、まず、そのVGPが何であるのかを考察し、次いで、VGPの領域内のビジネスオブジェクティブを選択しなければならないであろう。コンサルティングの観点から、このことは、運営者がその難点を明瞭に評価/決定するべきであることを意味する。ここで、KVIはビジネスオブジェクティブとの関連付けにより見えてくる(ビジネスオブジェクティブが達成されているか否かは、関連付けられたKVIのパフォーマンスにより計量されるであろう。ここで、KVIは、ビジネスの全体的なパフォーマンスの指示を与える)。
【0054】
提案されたアプリケーションは、まず、難点の特徴について、顧客のネットワークを分析し得る。このことは、通信ネットワーク内のサーバシステム(たとえば、インターネッタイズド・スマート・オペレーション・プラットフォーム(ISOP)の構成要素)を使用することによってなされ得る。これに基づいて、アプリケーションは、VGPの集合および対応するオブジェクティブをユーザに推奨するであろう。
【0055】
一実施形態として、通信ネットワーク内のサーバシステムは、運営者のネットワーク(CRM、CBS、プローブ、DPI、DWNなど)から情報を集め、次いで、VGPの集合および対応するオブジェクティブを取得するために分析し得る。
【0056】
その代わりに、ユーザは、彼らの具体的なビジネスのシナリオにとって関連すると彼らが考えるVGPおよびオブジェクティブを、手作業で選択し得る。
【0057】
図12に示すように、ユーザがVGPおよびオブジェクティブを選択するためのユーザインターフェースが提供される。緑色の箱はオブジェクティブを表し、緑色のひし形はこれらのオブジェクティブと関連付けられたKVIを表す(ここで、KVIは、KVIライブラリで指定される事前定義された関係を通じて、アプリケーションにより自動的に特定される)。灰色の箱はVGPを表す。課題/難点は、この例では、VGPおよびオブジェクティブからの選択をユーザに明らかにするように導く、背景情報の項目である。
【0058】
運営者は、次いで、肯定的な影響をそのオブジェクティブに有するために実施することが必要な、タクティカルインプルーブメントを選択するであろう。アプリケーションは、タクティカルインプルーブメントの事前に埋められたライブラリを通じ、オブジェクティブとの事前定義された関係を用いて、この処理を部分的に自動化し得る。アプリケーションは、選択されたオブジェクティブに肯定的な影響を有する任意のTIを、ユーザに見せるであろう。アプリケーションは、また、そのタクティカルインプルーブメントを実現することでの運営者の成果を計量するために使用される、対応するKPIを見せるであろう。アプリケーションは、また、関連付けの強さを-10から10までの尺度で見せるであろう。これは、また、関係するデータベースで事前設定され得る。
【0059】
図13に示すように、ユーザがTIを選択するためのユーザインターフェースが提供される。緑色の箱はオブジェクティブを表し、緑色のひし形はこれらのオブジェクティブと関連付けられたKVIを表す(ここで、KVIは、KVIライブラリで指定される事前定義された関係を通じて、アプリケーションにより自動的に特定される)。黄色の箱はタクティカルインプルーブメントを表し、緑色の円はKPIを表す(ここで、KPIは、KPIライブラリで指定される事前定義された関係を通じて、アプリケーションにより自動的に特定される)。本明細書で後に説明するように、TIとオブジェクティブとの間の関係は、肯定的または否定的な方向で0(関連性なし)から10(強い関連性)まで変動するスカラーである。実際上、ユーザは、オブジェクティブおよびTIを選択しなければならないだけであり、他のすべては、管理者により事前指定され、様々なライブラリに記憶されていてもよい。
【0060】
ユーザにユースケースの組合せを提供するための最適化ステップは、アプリケーションによって完全に自動化されることが可能である。アプリケーションは、ユーザによって指定された選択および優先順位付けに基づいて、運営者にとっての彼らのKPIパフォーマンスレベルの改善を、最大にするであろうユースケースの組合せを、計算するであろう。このために利用できる多数の最適化技法がある。この開示は、いかなる具体的な最適化技法を保護することも求めない(線形最適化または二次最適化が、そのような手順をサポートできる多くのアプリケーションを有する、学問的な研究の主流分野である)。
【0061】
計算処理の一般的な概要として、アプリケーションは以下の計算ステップを遂行するであろう。
a.KVIを根に、KPIを枝レベルに有するKPIツリーを作り出す(選択されたオブジェクティブおよびTIと関連付けられたKVIおよびKPIに基づいて)。
b.KVIパフォーマンスの改善の程度がKPIパフォーマンスの改善の程度の関数となるような式によって、KVIを構成要素であるKPIにリンクする。
c.各KVIに対する式を、関連するオブジェクティブおよびTIの関係について事前に埋められたスコア(-10から10まで)で埋める。
d.組み合わされたKVIの改善を最大にするための、ユーザにより設定された優先順位に対して調整された、最適化の問題/目標を定義する(すなわち、より高い優先順位のKVIの改善は、より低い優先順位のKVIの改善よりも、組み合わされたスコアにより高い影響を有し、同じことがKPIにも適用される)。
e.最適化の問題/目標に基づいて、可能な最大の組み合わされた改善を、結果的にもたらすユースケースの組合せを特定する。
【0062】
図14に示すように、ユースケースの組合せをユーザに提示するためのユーザインターフェースが提供される。ユースケースの各々は、書式フィールドのフレームワーク内で定義され、これはこの開示において後述される。
【0063】
アプリケーションは、次いで、推奨されるユースケースの各々を実現するために必要となるイネーブラの集合を表示するであろう。これは、自動化されたステップであることが可能である。アプリケーションは、ユースケースの詳細、およびユースケースとタクティカルインプルーブメントとの間の関連付けを含むユースケースに対して、データベースのテーブル上に描写することによって、このことを行う。
図15に示すように、イネーブラをユーザに提示するためのユーザインターフェースが提供される。
【0064】
本実施形態では、アプリケーションは、いくつかのモジュールによって実現することが可能である。たとえば、アプリケーションは、VGP、オブジェクティブ、KPI、ユースケース、イネーブラ、およびそれらの間の関係を記憶するためのいくつかのライブラリ、優先順位のユースケースのリストを生成するための最適化エンジン、ならびにユーザインターフェースをユーザに提示するためのフロントエンドを含み得る。
【0065】
図16に示すように、ライブラリは、VGPライブラリ、KPIライブラリ、ユースケースライブラリ、ベネフィットライブラリ、オブジェクティブライブラリ、イネーブラライブラリを含み得る。ライブラリの各々は、アプリケーションプロバイダにより継続的に更新されることが可能である。各ライブラリの内容は、アプリケーションプロバイダの経験、知識、および知的財産を表す。ライブラリは、一緒にリレーショナルデータベースを含み、これは、異なるエンティティ間の関係、およびエンティティ自体を詳述するテーブルを記憶する。
【0066】
フロントエンドは、VGPを選択することからユースケースを選択することまで、選択処理を通してユーザを導くグラフィカルユーザインターフェース(GUI)である。
【0067】
最適化エンジンは、ユーザにより優先順位を付けられるように、KPIの改善の組合せを最大にすることによって、優先順位のユースケースのリストを生成する。
【0068】
引き続くページでは、これらの要素の各々が、より詳細に説明される。
【0069】
図17に示すように、ユースケース選択処理のためのアプリケーションの流れ図が提供される。
【0070】
処理における順位付けするステップおよびVGP選択ステップは、任意選択であり得るとともに、最適化の結果にとって本質的でないことが可能であり、ユーザの選択処理を拡張かつ改善するためのしかるべき所にある。選択処理の一部としてのVGP、オブジェクティブ、およびTIの順位付けは、ユーザにとって最も高い重要度であるそれらVGP、オブジェクティブ、およびユースケースに優先順位を付けることによって、最適化をより正確にすることを可能にする。しかし、ユーザがこれらの項目を順位付けしないならば、最適化エンジンは、各選択が等しく重要であるという仮定のもとで作業することができる。VGPの選択は、関連しないオブジェクティブおよびTIをアプリケーションが排除することを可能にする。それは、順位付けする動作を通じて、追加の優先順位付け層を加えること以外に、最適化の結果に影響しない。このことが作業の流れから排除されるべきだとすると、選択されるVGPに関連するもののみの代わりに、すべての可能なオブジェクティブがユーザに提示されるであろう。
【0071】
図17に示すように、アプリケーションが開始された後、処理のステップ1では、アプリケーションは、ユーザが選択するとともに任意選択で順位付けするために、バリューグロースポイントのリストを提示し、次いで、ユーザの入力を記録し得る。ステップ1では、ユーザは、このステップにおける分析の高いレベルの「範囲」を選ぶ。バリューグロースポイントは、戦略上の焦点の一般的なカテゴリ、たとえば、効率性の改善、収益の成長、およびブランド価値の改善を含む。ユーザは、利用できるVGPのうちの1つ、全部、または部分集合を選択することができる。彼らが1つを越えて選択するならば、優先順位の順に選択を順位付けし得る。これは、1つのVGPは改善されることが可能であるが、別のVGPを犠牲にすることがあり得るためであり、それゆえ、後のオブジェクティブ、タクティカルインプルーブメント、およびユースケースは、最高の優先順位のVGPに対して最初に最適化されるであろう。最適化エンジンは、この時点で、いかなる計算もしないことが可能である。それは、フロントエンドモジュールからのユーザの選択および順位付けを取得し、後の計算のためにそれらを記録するのみでよい。
【0072】
図18に示すように、ステップ1では、ユーザがVGPを選択するために、フロントエンドモジュールにより描画されるユーザインターフェースのブロック図が提供される。
【0073】
フロントエンドモジュールは、VGPライブラリを呼び出し、ユーザがスクロールアップおよびスクロールダウンすることを可能にする読みやすい構造にVGPを配置し、彼らがVGPのタイトル上でホバー(hover)するならばVGPの説明をユーザに見せ、チェックボックスおよび優先順位付けフィールドをユーザに見せ、ユーザの入力を誤り検査し得る(たとえば、2つのVGPを同一に順位付けできない、チェック印が付けられたVGPがなければならない、など)。
【0074】
図17に示すように、処理のステップ2では、前段階でのユーザのVGPの選択に基づいて、アプリケーションは、適用できるオブジェクティブのリストを提示する。このステップでは、ユーザは、潜在的なビジネスオブジェクティブのうちのどれが、彼らの全体的な戦略に整合するかを検討し、彼らがさらに探求したいものを選択している。彼らは、まさに前段階で彼らが行ったように、オブジェクティブを選択かつ順位付けし得る。オブジェクティブは高いレベルであり、CxOは、1つまたは複数のKPI(これはビジネスオブジェクティブに言及するときにはKVIと呼ばれる)と関連付けられたビジネスオブジェクティブに直面する。最適化エンジンは、VGPのユーザの選択を記憶することによって、この段階で関係する。それは、選択されたKVIと肯定的な関係を有するオブジェクティブを提示するのみでよい(以下で述べるように、1つのオブジェクティブが、1つを越えるVGPに貢献することが可能である)。
【0075】
例として、オブジェクティブは以下のものを含むことが可能である。
- 過剰な利用および不十分な利用の容量を低減させる。
○KVIにより計量される「95%を越えて利用されるセルのパーセンテージ+40%未満で利用されるセルのパーセンテージ」。
- アドオンサービスからの収益を増大させる。
○KVIにより計量される「ARPUにおけるアドオンの構成比」。
- スマートフォンデバイスの市場浸透を増大させる。
○KVIにより計量される「スマートフォンの市場浸透の%の変化」。
【0076】
図19に示すように、ステップ2では、ユーザがオブジェクティブを選択するために、フロントエンドモジュールにより描画されるユーザインターフェースのブロック図が提供される。フロントエンドモジュールは、前段階からの選択を見せることによって、選択処理の進捗をユーザに見せる。
図20に示すように、フロントエンドモジュールにより提示されるGUIウィンドウのオブジェクティブをクリックすることによって、ユーザは、オブジェクティブが満たされているか否かを計量するために使用されることが可能であるKVIの詳細を見ることができる。
【0077】
処理のステップ2では、オブジェクティブライブラリは、最適化エンジンにより呼び出される。最適化エンジンは、前段階での選択を検査し、適用できる候補オブジェクティブの選択候補リストを作り出し、内容をフロントエンドモジュールへ送り得る。Front Endフロントエンドモジュールは、VGPおよびオブジェクティブをツリー構造の中に配置し、前段階で選択されなかったVGPを削除し、関係を有するVGPとオブジェクティブとの間に線を描画し得る。Front Endフロントエンドモジュールは、さらに、彼らがVGPのタイトルまたはオブジェクティブのタイトル上でホバーするならば、VGPまたはオブジェクティブの説明をユーザに見せ、チェックボックスおよび優先順位付けフィールドをユーザに見せ、ユーザの入力を誤り検査してもよい(たとえば、2つのオブジェクティブを同一に順位付けできない、任意の単一のVGPに対してチェック印が付けられたオブジェクティブがなければならない、など)。ユーザの選択および任意選択の順位付けの後、最適化エンジンは、ユーザの選択および順位付けをフロントエンドモジュールから取得し、それらを後のために記録する。
【0078】
図17に示すように、処理のステップ3では、前段階でのユーザのVGPおよびオブジェクティブの選択に基づいて、アプリケーションは、適用できるタクティカルインプルーブメントのリストを提示する。このステップでは、ユーザは、潜在的なタクティカルインプルーブメントのうちのどれを、彼らのビジネス組織がサポートすることができるか、および/または、それらのうちのどれを、彼らが将来サポートできるようにしたいかを検討している。多くの場合、タクティカルインプルーブメントをもたらすことは、ある程度の組織変更(たとえば、新しい責務、ビジネスプロセス、訓練課程を追加することなど)を必要とし、それゆえ、組織は、彼らが任意の技術展開(後述する「イネーブラ」)を一緒に実現しなければならない変化の第一歩を、注意深く検討しなければならない。これは、現実主義のユーザが、リストからTIのうちのいくつかを削除するかもしれないことの理由である(最後の2つの段階でカバーされた、彼らの全体的なビジネス戦略への整合を有する任意の問題のためでない)。
【0079】
以下は、例示的なタクティカルインプルーブメントおよびKPIの集合である。
- ホットスポットでより少ないデータを消費する顧客にインセンティブを与えることによって低減される混雑。
○KPIにより計量される「使用行動のインセンティブに反応する顧客のパーセンテージ」。
- 的確な販売促進および関連する提案を通じた、アドオンのより大きな市場浸透。
○KPIにより計量される「アドオンを購入する顧客のパーセンテージの変化」。
○KPIにより計量される「市場で成功したアドオンの提案の数」。
- アドオンの提案に対するより迅速なTTM。
○KPIにより計量される「アドオンに対する平均TTMでの%の減少」。
【0080】
最適化エンジンは、前のステップからのオブジェクティブのユーザの選択を記憶することによって、この段階で関係する。それは、選択されたオブジェクティブに肯定的な関係を有するタクティカルインプルーブメントを提示するのみでよい(以下で述べるように、1つのタクティカルインプルーブメントが、1つを越えるオブジェクティブに貢献することが可能である)。それは、いったんユーザがすべての選択を行ったときに、実際の計算を実行して、選択された出力を最適化し得る。
【0081】
図21に示すように、ステップ3では、ユーザがTIを選択するために、フロントエンドモジュールにより描画されるユーザインターフェースのブロック図が提供される。本質的に、このステップと前のステップ(オブジェクティブの選択)との間には技術的に差がほとんどなく、ユーザは、基本的に、関連する選択肢のうちの選択から選択し、順位付けしている。フロントエンドモジュールは、前段階からの選択を見せることによって、選択処理の進捗をユーザに見せる。前のステップにおけるように、ユーザは、オブジェクティブまたはTIをクリックして、オブジェクティブ/TIが達成されているか否かを計量するために使用されるKVIおよびKPIを見ることができる。ユーザは、また、マウスポインタを項目の上でホバーすることによって(前のステップにおけるように)、オブジェクティブ、VGP、またはTIの説明を見ることができる。
【0082】
処理のステップ3では、TIライブラリは最適化エンジンにより呼び出される。最適化エンジンは、前段階でのオブジェクティブの選択を検査し、適用できる候補の選択候補リストを作り出し、これらをフロントエンドモジュールへ送り得る。フロントエンドモジュールは、以下を行い得る。
- 肯定的な関係を有する要素を線が接続する、ユーザに便利な方法で配置された、前段階からの選択をユーザに見せる。
- ユーザがそこから選ぶための可能なTIのリストを見せる。
- 彼らがその上でマウスをホバーする任意の項目の説明をユーザに見せる。
- チェックボックスおよび優先順位付けフィールドを見せる。
- より前の段階でのユーザの入力の誤り検査を行う。
最適化エンジンは、TIのユーザの選択および順位付けをGUIから取得し、それらを後のために記録し得る。
【0083】
ユーザの選択は、2つの理由のために優先順位を付けられて得る。たとえば、TIの順位付けを取得する。ユースケースとTIとの間の関係が常に肯定的であったならば、任意の影響をTIのすべてに有するユースケースのすべてを単に選ぶ簡単なケースであろう。あるいは、ユースケースとTIとの間の関係が排他的であった(すなわち、同じユースケースがいかなる他のTIにも影響を有しない)ならば、肯定的な影響を問題のTIに有するユースケースのすべてを単に選ぶ簡単なケースであろう。しかし、あいにく、これはそのケースではない。以下の特性が、ユースケースに当てはまる。
- 1つのユースケースが、1つのTIには肯定的な影響を有するが、別のTIには否定的な影響を有し得る(たとえば、「フェイスブックゼロ(Facebook Zero)」は、顧客基盤には肯定的な影響を有するが、顧客価値には否定的な影響を有する。というのも、それは新しい顧客を引きつけるが、顧客へのMBあたりの実効的なコストを押し下げるからである)。
○したがって、ユーザにより選択された優先順位によること以外では、最適化エンジンは、場合によっては、TIへの正味の影響の観点からの明瞭な勝者なしに、ユースケースの複数の組合せの間で選ばなければならない。
【0084】
たとえば、
図22に示すシナリオを引用すると、ユースケースUC1は、TI1に+5の影響、およびTI2に-5の影響を有する。ユースケースUC2は、TI1に-5の影響、およびTI2に+5の影響を有する。TI1およびTI2の順位を考慮することなしでは、UC1またはUC2のTIへの合計の影響が0であるために、具体的なユースケースを選ぶことは困難である。TI1およびTI2の順位が与えられるならば、たとえば、TI1が1番目の順位を占め、TI2が2番目の順位を占めるならば、UC1が選ばれるべきである。
【0085】
ユーザからのTIの選択が、ユーザの範囲決定の主な入力動作の最後であり得る。ユーザにとって、後の段階は、選択を洗練し、および/またはイネーブラの制約を加えることである。ユーザが、選択および優先順位の入力を終了した後の、処理の次のフェーズは、ユースケースの最適なリストを計算することである。これは、
図17、すなわち処理のステップ4に示すように、主に最適化エンジンの責務である。
【0086】
最適化エンジンは、
図23に表わされているように、ユーザの選択および優先順位のすべてを記録した。
【0087】
実際には、最適化アルゴリズムは、確立された数学的技法の広い選択肢の中から選ぶことができ、そのために、線形計画技法およびMSエクセルのソルバアドインのような、すでに商業的に入手できる無償および高価な製品がある。最適化エンジンは、まさに最適化のエンジンであって、単なる選択のエンジンではない。たとえば、任意のユースケースは、依存関係/イネーブラの集合を有する。したがって、ユーザが、彼らが検討したいイネーブラの範囲を限定することを選んだならば、最適化エンジンは、計算の結果として実現可能でない任意のユースケースを排除し得る。
【0088】
最適化エンジンは、この段階で、ユースケースライブラリの中のすべてのユースケースを、選択されたTIの各々に対して評価しており、次いで、以下を行い得る。
○各ユースケースの各TIへの正味の影響を計算し、次いで、これをKPIパフォーマンスの改善に変換する。
○否定的な正味の影響を有するいかなるユースケースも排除する(優先順位付けが考慮された後でさえも)。
○ユーザにより設定された優先順位に対して調整された、TIへの正味の影響に従って、肯定的影響を有するユースケースを順位付けする。
この手順は、前の段落でも、より技術的な用語で述べられている。
【0089】
ステップ4では、フロントエンドモジュールは、前段階からの選択を見せることによって、選択処理の進捗をユーザに見せ得る。ここで、ユーザにとって利用できる多数のビューがある。
【0090】
図24に示すように、ここで、バリュー・ツリー・ビューが提供される。緑色の線は、ユースケースの、TIへの全体的な肯定的な効果を示す。オレンジ色の線は、ユースケースの、TIへの全体的な中立なまたは無視できる効果を示す。赤色の線は、ユースケースの、TIへの全体的な否定的な効果を示す。
図25に示すように、ユーザは、ユースケース上でホバーして概要レベルの説明を見ることができ、または、
図26に示すように、それをクリックしてユースケースの説明ビューに入ることができる(この開示で後に表わされる4CPフレームワークにおけるように)。
【0091】
図27に示すように、ここで、優先順位を付けられたユースケースの概要ビューが提供される。ユーザは、ユーザの優先順位および選択に基づいてアプリケーションにより最適化された、全体的な影響により順位付けされたユースケースを見ることを選択することができる。
【0092】
図28に示すように、ここで、イネーブラの依存関係ビューが提供される。ユーザは、ユースケースを、それらを可能にするために必要なイネーブラと一緒に見ることができる。
【0093】
図29に示すように、ユーザは、イネーブラのうちの1つをクリックし、それを求めるユースケース、ならびに少なくとも部分的にそれに依存するTI、オブジェクティブ、およびVGPを見ることができる。この図に対する色分けは、次の通りである。
オレンジ色 - オレンジ色の箱は、いくつかのイネーブラのユーザによる削除によって、VGP、オブジェクティブ、またはTIへ改善をもたらすためのユーザの能力が、否定的に影響されることを示す。
青色 - 青色の箱は、いくつかのイネーブラのユーザの削除によって、TI、オブジェクティブ、またはVGPが影響されないことを示す。
赤色 - 赤色の箱は、いくつかのイネーブラのユーザによる削除の結果、TI、オブジェクティブ、またはユースケースが実現されることが可能でないことを示す。同様に、赤色のユースケースは、いくつかのイネーブラのユーザによる削除の結果、ユースケースが実現されることが可能でないことを示す。
【0094】
処理のステップ4では、ユースケースライブラリは、最適化エンジンにより呼び出される。最適化エンジンは、
- ユーザによって選ばれた選択および優先順位に基づいて、ユースケースの最適な選択を計算する。それは、以下の理由によりこれを行うことができる。
○ユースケースライブラリは、各ユースケースに対して、否定的から肯定的まで変動する、各TIに対する影響のスコアを含む。
○ユーザは、前段階で、重要度の順にTIを順位付けした。
- 各ユースケースを実現するために必要なイネーブラを特定する。
フロントエンドモジュールは、
-
図24から
図29に示す、最終的なVGPとユースケースとの間の関係、ユースケースの順位付け、詳細ページなどを与える様々なビューを、ユーザに見せる。
【0095】
図17のステップ5に示すように、ユーザは、イネーブラの制約を、出力されるユースケースに加えることができる。前段階(ユースケースの最適化および優先順位付け)から出力されたものは、各ユースケースを実現するために必要とされるイネーブラの構成要素のリストである。ユースケースを選ぶために重要な考慮事項は、各ユースケースを実現するために求められる投資および変更のスケールを理解することである。他方、技術投資を選ぶために重要な考慮事項は、技術製品が可能にするユースケースの能力の広がり(各製品の市場潜在性)を理解することである。本明細書で述べるアプリケーションは、ユーザがこれらの事項の両方(技術製品の市場潜在性、ならびに各ユースケースと関連した投資および変更の高レベルのスケール)を、高レベルで見ることを可能にする。
【0096】
図30に示すように、前のステップから特定されるユースケースを実現するために必要とされる技術のイネーブラのリストが、ユーザに提示される。彼らは、項目を選択または選択解除するとともに、これがオブジェクティブを満たしタクティカルインプルーブメントを達成するための能力に有する効果を、図式的に見ることができる。
図30の色分けは、次の通りである。
オレンジ色 - オレンジ色の箱は、いくつかのイネーブラのユーザによる削除によって、VGP、オブジェクティブ、またはTIへ改善をもたらすためのユーザの能力が、否定的に影響されることを示す。
青色 - 青色の箱は、いくつかのイネーブラのユーザの削除によって、TI、オブジェクティブ、またはVGPが影響されないことを示す。
灰色 - 灰色の箱は、いくつかのイネーブラのユーザによる削除の結果、TIが実現されることが可能でないことを示す。同様に、灰色のユースケースは、いくつかのイネーブラのユーザによる削除の結果、ユースケースが実現されることが可能でないことを示す。
【0097】
ステップ5では、ユースケースライブラリは、最適化エンジンから呼び出される。最適化エンジンは、
- 最適化の問題/目標にイネーブラの制約を加え、それによって、
○どのユースケースも、除外されたイネーブラのうちの任意のものに依存し得ない。
- イネーブラの除外により実現可能でないが、いかなる除外もしかるべき所に存在しないことが推奨されていたであろうユースケースを特定する。
- これらをGUIへ伝える。
- すべての推奨されるユースケースを有することに対する、KPIパフォーマンスおよびKVIパフォーマンスの差を計算する。
フロントエンドモジュールは、
- すべての潜在的なユースケースを表示する(前のステップにおけるように)。
- しかるべき所でのイネーブラの制約によって、もはや実現可能でないユースケースを一目でわかるように見せるために、ユースケースを色分けする。
【0098】
一般的な注記として、ユーザは、処理の間の任意の時点で、より前の選択に戻り、またはこれを更新することを選択し得る。
【0099】
以下は、アプリケーションのリレーショナルデータベースの要素内で構造化される、ライブラリ(データベース)の各々の説明である。
図31は、ライブラリおよびそれらの互いとの関係の図式的なビューである。
【0100】
バリューグロースポイントは、ユーザ(たとえば、移動体運営者)にとっての焦点の領域である。バリューグロースポイントは、いかなる1つのKVIによっても直接計量されず、代わりに、それらは、適用できるビジネスオブジェクティブの集合を、階層の中でそれらの下に「含む」。
【0101】
VGPとオブジェクティブとの間の関係は、1対多数、1対1、または多数対1とすることが可能である。すなわち、1つのVGPが1つまたはいくつかのオブジェクティブを含むことが可能であり、1つのオブジェクティブが1つまたはいくつかのVGP内に含まれることが可能である。VGPとオブジェクティブとの間の関係は、肯定的または否定的とすることが可能である。すなわち、オブジェクティブに対して提供することは、肯定的または否定的な影響をVGPに対するビジネスのパフォーマンスに有し得る。顧客基盤を最大にするオブジェクティブについて考える。これは、議論の余地があるが、料金の低減を通じて顧客価値を低減することによってのみ達成可能であり、そして、顧客のARPUに損害を与えるであろう。そのため、それは、VGP「顧客価値」への否定的な影響、しかしVGP「市場構成比」への肯定的な影響を有するであろう。
【0102】
VGPとオブジェクティブとの間の影響の関係は一方向性であり、すなわち、VGPは、いかなるオブジェクティブを達成することにも影響を有さないが、オブジェクティブは、VGPに対するビジネスパフォーマンスに影響を有し得る。
【0103】
表2に示すように、VGPは以下の特性を含む。
【0105】
ライブラリの中のVGPは、以下の2つのものを含み得る。
・定義文。
・関連付けられたオブジェクティブの、それらの影響と一緒のリスト。影響は、範囲内(たとえば、-10から+10まで)の整数のスコアである。
【0106】
VGPとオブジェクティブとの間の関係は、
図32に示すような例で示される。この図では、青色のヘッダを有する列はVGPを表し、緑色のヘッダを有する行はビジネスオブジェクティブを表す。スコアは、肯定的(緑色)または否定的(赤色)な影響のレベルを示し、ここで、空のセルはゼロの影響を表す。
【0107】
ビジネスオブジェクティブは、ユーザに関連するビジネスの目標/目的である。オブジェクティブは、否定的または肯定的な方法で、VGPに関するビジネスパフォーマンスに貢献するという点で、少なくとも1つのVGPに関連付けられる。オブジェクティブは、ビジネス用語(フリーテキスト)、かつ、統計用語で定義される(すなわち、オブジェクティブが満たされている否かは、KPIパフォーマンスに関して計量される)。VGPと同様に、アプリケーションは、VGPおよびKVIへの事前設定されたリンクを有する事前定義されたビジネスオブジェクティブの集合を含み、これは、管理者により追加、削除、または更新されることが可能である。
【0108】
オブジェクティブとタクティカルインプルーブメントとの間の関係は、1対多数、1対1、または多数対1とすることが可能である。すなわち、1つのオブジェクティブが1つまたはいくつかのタクティカルインプルーブメントによって影響されることが可能であり、1つのタクティカルインプルーブメントが1つまたはいくつかのビジネスオブジェクティブに影響することが可能である。ビジネスオブジェクティブとタクティカルインプルーブメントとの間の関係は、肯定的または否定的とすることが可能である。すなわち、タクティカルインプルーブメントを実施することは、肯定的または否定的な影響をオブジェクティブに対するビジネスのパフォーマンスに有することが可能である。
【0109】
VGPとオブジェクティブとの間の影響の関係は一方向性であり、すなわち、ビジネスオブジェクティブは、いかなるタクティカルインプルーブメントを達成することにも影響を有しないが、タクティカルインプルーブメントは、ビジネスオブジェクティブに対するビジネスパフォーマンスに影響を有し得る。
【0110】
表3に示すように、ビジネスオブジェクティブは以下の特性を有する。
【0112】
ライブラリの中のビジネスオブジェクティブは、以下の3つのものを含み得る。
・定義文。
・関連付けられたTIの、それらの影響と一緒のリスト。影響は、範囲内(たとえば、-10から+10まで)の整数のスコアである。
・関連付けられたKVIのリスト。
【0113】
ビジネスオブジェクティブとタクティカルインプルーブメントとの間の関係は、
図33に示すような例で示される。この図では、青色のヘッダを有する列はビジネスオブジェクティブを表し、緑色のヘッダを有する行はタクティカルインプルーブメントを表す。スコアは、肯定的(緑色)または否定的(赤色)な影響のレベルを示し、ここで、空のセルはゼロの影響を表す。
【0114】
タクティカルインプルーブメントは、運営者が運営上のレベルにおいて行動するやり方における変化である。タクティカルインプルーブメントは、必要なリソース、財源、および能力が与えられると運営者により完全に制御できるという点で、ビジネスオブジェクティブと異なる。タクティカルインプルーブメントは、KPIを通じて(ビジネスオブジェクティブの場合のように)、ビジネス用語および統計用語で定義される。タクティカルインプルーブメントは、肯定的または否定的な方法で、ビジネスオブジェクティブに関する計量可能なパフォーマンスに貢献するという点で、少なくとも1つのビジネスオブジェクティブに関連付けられる。ビジネスオブジェクティブおよびVGPと同様に、アプリケーションは、管理者により追加、削除、または更新されることが可能であり、事前定義されたタクティカルインプルーブメントの集合を含む。
【0115】
タクティカルインプルーブメントとユースケースとの間の関係は、1対多数、1対1、または多数対1とすることが可能である。すなわち、1つのタクティカルインプルーブメントが1つまたはいくつかのユースケースによりサポートされることが可能であり、1つのユースケースが1つまたはいくつかのタクティカルインプルーブメントに影響することが可能である。
【0116】
タクティカルインプルーブメントとユースケースとの間の関係は、肯定的または否定的とすることが可能である。すなわち、ユースケースを実施することは、肯定的または否定的な影響をタクティカルインプルーブメントに対するビジネスのパフォーマンスに有し得る。
【0117】
タクティカルインプルーブメントとユースケースとの間の影響の関係は一方向性であり、すなわち、タクティカルインプルーブメントは、いかなるユースケースを達成することにも影響を有さないが、ユースケースは、タクティカルインプルーブメントに対するビジネスパフォーマンスに影響を有し得る。
【0118】
表4に示すように、ビジネスオブジェクティブは以下の特性を有する。
【0120】
ライブラリの中のタクティカルインプルーブメントは、以下の3つのものを含み得る。
・定義文。
・関連付けられたユースケースの、それらの影響と一緒のリスト。影響は、範囲内(たとえば、-10から+10まで)の整数のスコアである。
・関連付けられたKPIのリスト。
【0121】
タクティカルインプルーブメントとユースケースとの間の関係は、
図34に示すような例で示される。この図では、青色のヘッダを有する列はタクティカルインプルーブメントを表し、緑色のヘッダを有する行はビジネスのユースケースを表す。スコアは、肯定的(緑色)または否定的(赤色)な影響のレベルを示し、ここで、空のセルはゼロの影響を表す。
【0122】
ユースケースは、ユーザの組織により実行されることが可能である、具体的な実施である。ユースケースは、実現するために、マーケティング、技術上の実施、および組織上の実施の、具体的な組合せを必要とする。ユースケースは、常に、少なくとも1つのタクティカルインプルーブメントと関連付けられる。タクティカルインプルーブメント、ビジネスオブジェクティブ、およびVGPと同様に、ユースケースは、管理者により追加、削除、または更新されることが可能である。ユースケースは、製品または能力(ビジネスまたは技術上の)を構成する特性の集合から成る。ユースケース以外では、ユーザの求められる唯一の追加の決定は、具体的な料金、サービス品質の設定、顧客セグメントの基準のような構成項目に関係する。この特許出願は、ユースケースの共通フレームワークの詳細を含む。
【0123】
ユースケースとイネーブラとの間の関係は、1対多数、1対1、または多数対1とすることが可能である。すなわち、1つのユースケースが1つまたはいくつかのイネーブラにより可能にされることができ、1つのイネーブラが1つまたはいくつかのユースケースを可能にすることができる。
【0124】
ユースケースとイネーブラとの間の関係は二元である。すなわち、ユースケースを実施することは、任意の具体的なイネーブラを必要とするかしないかのどちらかである。
【0125】
表5に示すように、ユースケースは以下の特性を有する。
【0127】
ユースケースは、具体的なフィールドおよび情報のカテゴリを含む形態として構造化されている。このフレームワークは、本明細書で後述される。
【0128】
ユースケースとイネーブラとの間の関係は、
図35に示すような例で示される。この図では、青色のヘッダを有する列はユースケースを表し、緑色のヘッダを有する行はイネーブラを表す。セルは、イネーブラがユースケースにとって必要であるか否かを示す。
【0129】
以下は、ユースケース定義のフレームワークの説明である。このアプリケーションについてのユースケースとデータベースの他の要素との間の関係は、前の段落で述べられた。これに加えて、ユースケースが、主としてフリーテキストおよび構造化されない方法で、単に記述されていないという点で、ユースケースに特別な注意が払われる。ユースケースの推奨はこのアプリケーションの主要な出力のうちの1つであり、アプリケーションのユーザによるユースケースの同種の比較を可能にするために、それらは、共通のフレームワークの中で構造化されることが可能であり、フレームワークは、各ユースケースとタクティカルインプルーブメントとの間の関係を指定してもよい。
【0130】
ユースケースは、いくつかのビジネスの改善、新しい能力、または新しい市場製品をもたらす1つまたは複数のイネーブラのうちの任意の実施である。それは、技術、組織変更、および営業活動の組合せを表す。ユースケースは、実現するための新しい技術の構成要素を、必要としてもしなくてもよい(ユーザの既存の技術の構成要素が、必要な技術のイネーブラをすでに提供しているかもしれないので)。
【0131】
本明細書で述べられるアプリケーションの目的のために、ユースケースは、以下のカテゴリのうちの1つに配置され得る。これらは、以下の表6で定義される。
【0133】
ユースケースの説明テンプレートは、以下の2つの部分を含み得る。
・ユースケースの説明。
・ユースケースと各タクティカルインプルーブメントとの間の関係のリスト。
【0134】
テンプレートにおける説明のための書式は、(上の表でリストに記載される3つのタイプの)ユースケースのタイプに応じて変化する。しかし、関係のリストのための書式は、3つのすべてのユースケースのタイプに対して同一である。以下の段落は、各タイプの完全な書式を詳述する。
【0135】
図36および
図37は、市場提案タイプのユースケースのための、ユースケーステンプレートを示す。それは、以下の3つの領域の定義を有する。
1.基本プロファイル。
2.4CP変数。
3.TI関係の表(TIを追加または削除することは、各ユースケースにおけるTIのリストを自動的に更新する。TIへの更新は、TIライブラリの中で管理者によって直接なされる)。
【0136】
基本プロファイルは、ユースケースの「一目でわかる」ビューである。それは、本質的に、非技術的で構造化されない用語でユースケースを記述し、以下を含む。
1.マーケティング概要 - 提案の概要:
a.説明 - 市場提案をビジネス用語で記述する短い文。
b.販売ポイント - 顧客が提案を購入するであろう理由の概要。
c.基本またはアドオン - 提案が基本料金プラン(顧客が彼らのサービスを使用するために必須)の一部であるか、それともアドオン(これは基本プランに加えて購入かつ使用されることが可能である)であるか。
2.行動的要因 - 市場提案がもたらすと予想される行動的反応の概要。
a.行動的要因 - 予想される行動的反応をビジネス用語で記述する短い文。
b.KVI/KPIの焦点 - 市場での提案の展開が影響すると予想される、予想されるKPIの領域を要約する短い文。
c.否定的な副作用 - ARPUへの重圧を悪化させるような、提案が市場に有し得る、いくつかの潜在的な否定的影響を要約する短い文。
3.ケーススタディ - 類似の提案がすでに世界中で展開された例のリスト(付属物を伴う)。
4.リソース要件 - 提案を市場へ提供するためのリソース/イネーブラの概要。
a.技術上の構成要素 - この市場提案を展開するために求められる技術上のイネーブラの概要(注記として、イネーブラの依存関係は、上述された、ユースケースのイネーブラへの行列において、形式的に定義される。このリストは、「一目でわかる」ビューをユーザに提供することが意図される。
b.ビジネス上の構成要素 - 技術上のイネーブラとほぼ同一のビジネス上のイネーブラの概要であり、ここで、ビジネス上のイネーブラは、単にイネーブラのカテゴリである。
c.強化するイネーブラ - 必須でない任意選択のイネーブラを用いて市場提案をさらに強化するために、ユーザにとって利用できるいくつかの選択肢の概要。TTMを加速するための処理の外部委託、または顧客の注文処理を簡単にするためのデバイス上のポータル製品のようなものを含む。
【0137】
フレームワークは、移動体電気通信業界における任意の市場提案を形式的に定義するために開発される。これは一般的な定義であるので、フレームワークで求められるいくつかのフレキシビリティがある。しかし、この5つのディスクリプタフィールドの集合は、異なるユースケースの定義のさらに粒状の分析および比較を可能にする。4CPフレームワークを
図38に示す。この5つのディスクリプタのフレームワーク内で、さらにサブディスクリプタが、より複雑なフレームワークおよびより大きい構造を作り出すために追加されることが可能であり、従って、その上さらに細かい粒状の分析および比較を可能にする。これらの4CP変数が以下に説明される。
1.コンテンツ - 市場提案を含む製品/サービスの概要。
a.サービス - ウェブサイト、VASサービス、音楽ダウンロードなどのようなサービス。
b.量 - 最大量の任意の仕様。
c.プロトコル - P2Pのようなプロトコルのタイプの任意の仕様。
2.条件 - もしあれば、提案が顧客にとって有効である条件。
a.時間範囲 - 午後7時〜午前7時、日曜日などのような適用できる任意の時間帯。
b.場所 - モスクワの中心部のみなどのような場所の除外の任意の仕様(移動体電気通信の文脈では、これは顧客が接続するセルサイトに関連する)。
c.デバイス - スマートフォン、サムスンの電話など、任意の具体的な含まれるデバイスのタイプ(移動体電気通信の文脈では、これはネットワークにより検出されることが可能であるデバイスのタイプに関連する)。
d.ネットワーク - 3G、LTEなどのような任意の具体的なネットワーク標準。
e.混雑のレベル - ネットワークの現在の混雑状態の任意の限度。
3.対応 - 提案に含まれる任意のサービスレベルの誓約の概要。
a.帯域幅 - 適用可能ならば、任意の帯域幅の誓約(最小256KB、最大1MBなどのような)。
b.優先順位 - 混雑の状況において、他の顧客を越えて顧客に与えられる任意の具体的な優先順位。
4.顧客 - もしあれば、提案が制限される顧客のタイプの概要。
a.セグメント - 履歴的な顧客の行動または人口統計の関数である顧客の任意のセグメント。
b.行動的トリガ - 顧客が提案を受け入れるため、および/または、提案が有効となるために有効化されなければならない、顧客の使用パターンにおける任意のトリガ。
5.料金 - 提案の料金設定仕様の概要。注記として、これは、料金構成にさらに深く関連し、実際の料金レベルに関連しない。しかし、管理者は、ここで彼らが選ぶ任意の具体的な詳細を自由に追加する。
a.定率型 - 任意の量を基にした定率型料金設定(たとえば、ダウンロードごと、分ごと、MBごとなどの定率型)。
b.固定型 - 任意の期間を基にした料金設定(たとえば、月ごと、週ごとの固定型、1回限りの固定型の料金)。
【0138】
TIの関係の表は、ユーザに、ユースケースの各TIへの影響の予想される強さを見せる1つより多くの行列を提供する。それは、平易なビジネス言語で、このことと共に根拠を提供する。
【0139】
図37に示すように、このTIの関係の表には4つのヘッダがある。この表をユースケースの説明において埋めるための情報のすべては、スコア自体を除いて、ユースケースの説明において指定されるTIライブラリから取得され、そしてTIのライブラリを埋める。管理者が新しいTIをTIのライブラリに追加するとき、すべてのユースケースの説明は、新しいTIを含めるために自動的に更新される。4つのヘッダは以下の通りである。
1.TIカテゴリ - 任意のカテゴリがTIに割り当てられてることが可能であり、カテゴリ化の目的は、異なるTIを比較および対比するのを簡単にすることである。TIライブラリから取得される。
2.TI名 - TIの名前であり、TIライブラリから取得される。
3.ユースケースのTIの概要 - TIを実現するための能力への、ユースケースが有する影響の説明であり、簡単なビジネス用語で表現される。TIライブラリから取得される。
4.スコア - ユースケースがTIに有する影響の範囲を見せるための、-10から10までのスコア。
【0140】
市場拡張タイプのユースケーステンプレートは、それらが4CPフレームワーク部分を含まないこと、およびそれらが基本プロファイル部分にいくつかの変更を含むことを除いて、市場提案タイプと類似の方法で構造化されている。市場拡張タイプは、多くの方法で展開されることが可能であり、したがって、市場拡張は、市場提案のケースにおけるような、構造化された変数のフレームワークに向いていない。
【0141】
図39は、市場拡張タイプのユースケースのためのユースケーステンプレートを示す。それは、2つの領域の定義を有する。
1.基本プロファイル
2.TI関係の表
【0142】
基本プロファイルは、ユースケースの「一目でわかる」ビューである。それは、本質的に、非技術的で構造化されない用語でユースケースを記述し、以下を含む。
1.拡張の概要 - 提案の概要。
a.説明 - 市場拡張をビジネス用語で記述する短い文。
b.利点 - このユースケースを展開することの、それを展開しないことに対する主な利点を記述する短い文。
2.対象の問題点 - このユースケースが主に対処することを意図する既存の問題、非効率性、または問題点の短い概要。
3.行動的要因 - このユースケースを展開することの結果として予想される、顧客の行動の変化のタイプの概要(もしあれば)。下位の見出しの詳細については、上述の市場提案の説明を参照のこと。
4.運営上の要因 - ユースケースの展開から結果として生じる、ビジネスにおける主な運営上の変化、改善、または効率性の変化の概要。
a.運営上の要因 - ユースケースの展開から結果として生じる、ビジネスにおける主な運営上の変化、改善、または効率性の変化の概要。
b.KVI/KPIの焦点 - 営業活動の領域において、ユースケースを展開することが影響すると予想される、予想されるKPIの領域を要約する短い文。
5.ケーススタディ - 類似の拡張がすでに世界中で展開された例のリスト(付属物を伴う)。
6.リソース要件 - 拡張を展開するために求められるリソース/イネーブラの概要。
詳細については、上述の市場提案の説明を参照されたい。
【0143】
市場拡張のためのユースケーステンプレートのTI関係の表は、市場提案のためのユースケーステンプレートと、全く同じように機能する。詳細については、市場提案の説明を参照されたい。
【0144】
図40は、営業活動改善タイプのユースケースのためのユースケーステンプレートを示す。それは、2つの領域の定義を有する。
1.基本プロファイル
2.TI関係の表
【0145】
基本プロファイルは、ユースケースの「一目でわかる」ビューである。それは、本質的に、非技術的で構造化されない用語でユースケースを記述し、以下を含む。
1.改善の概要 - 営業活動改善の概要。
a.説明 - 改善の短い説明。
b.利点 - 改善を展開することの、何もしないことに対する主な利点の概要。
2.ケーススタディ - 展開がすでに世界中で遂行された例のリスト(付属物を伴う)。
3.リソース要件 - 拡張を展開するために求められるリソース/イネーブラの概要。詳細については、上述の市場提案の説明を参照されたい。
【0146】
営業活動改善のためのユースケーステンプレートのTI関係の表は、市場提案のためのユースケーステンプレートと、全く同じように機能する。詳細については、市場提案の説明を参照されたい。
【0147】
ここで説明される内容の全部または一部が、ハードウェアおよび/またはファームウェアと組み合わせて、ソフトウェアで実施されることが可能であることを、当業者は理解するべきである。たとえば、ここで説明される内容は、1つまたは複数のプロセッサにより実行されるソフトウェアで実施され得る。1つの例示的な実施において、ここで説明される内容は、コンピュータのプロセッサによって実行されるときにステップを実行するようにコンピュータを制御するコンピュータで実行可能な命令が記憶された非一時的なコンピュータ可読媒体を使用して実施され得ることをこの技術分野の当業者は理解すべきである。ここで説明される内容を実施するために適した例示的なコンピュータ可読媒体は、ディスクメモリデバイス、チップメモリデバイス、プログラム可能な論理デバイス、および特定用途向け集積回路のような非一時的なコンピュータ可読媒体を含む。加えて、ここで説明される内容を実施するコンピュータ可読媒体は、単一のデバイスもしくはコンピューティングプラットフォームに配置され得るか、または、複数のデバイスもしくはコンピューティングプラットフォームにわたって分散され得る。
【0148】
最後に、上述の諸実施形態は、説明するためのみに使用され、本願の技術上の解決策を限定するために使用されないことが、理解されるべきである。上述の好ましい実施形態に関する本願の詳細な説明にかかわらず、様々な修正、変更または等価な置換が、本願の範囲から逸脱することなく、本願の請求項に包含され、この技術分野の当業者によってなされることが可能であることが理解されるべきである。