(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記制御部は、 前記印刷パターン記憶部に記憶された前記印刷パターンのうちの最初に格納された第1のパターンを前記印刷部により印刷を実行させると、 前記印刷パターン記憶部に記憶されていた前記第1のパターンを消去させる、ことを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
前記制御部は、 前記認識パターン記憶部に記憶された前記認識パターン記憶数が認識パターン最大記憶数に達した場合には、 前記認識パターン記憶部に記憶されている前記認識パターンのうちの最初に格納された所定の数の第2のパターンを前記印刷パターン記憶部に移行させて記憶させ、 前記認識パターン記憶部に記憶されていた前記所定の数の前記第2のパターンを消去させる、ことを特徴とする請求項2に記載の印刷装置。
前記制御部は、 前記認識パターン記憶部の前記認識パターン最大記憶数に基づいて、0よりも大きい第1の値及び当該第1の値よりも大きく前記認識パターン最大記憶数よりも小さい第2の値を設定し、 前記印刷パターン記憶部の印刷パターン最大記憶数に基づいて、0よりも大きい第3の値及び当該第3の値よりも大きく前記印刷パターン最大記憶数よりも小さい第4の値を設定する、ことを特徴とする請求項3に記載の印刷装置。
前記第1の値は前記認識パターン最大記憶数の1/3を整数化した数であり、 前記第2の値は前記認識パターン最大記憶数の2/3を整数化した数であり、 前記第3の値は前記印刷パターン最大記憶数の1/3を整数化した数であり、 前記第4の値は前記印刷パターン最大記憶数の2/3を整数化した数である、ことを特徴とする請求項4に記載の印刷装置。
前記制御部は、 前記認識パターン記憶数が0以上前記第1の値以下の範囲であり且つ前記印刷パターン記憶数が0以上前記第3の値以下の範囲である場合、又は、 前記認識パターン記憶数が0以上前記第1の値以下の範囲であり且つ前記印刷パターン記憶数が前記第3の値よりも大きく前記第4の値よりも小さい範囲である場合、又は、 前記認識パターン記憶数が前記第1の値よりも大きく前記第2の値よりも小さい範囲であり且つ前記印刷パターン記憶数が0以上前記第3の値以下の範囲である場合、において、 前記認識調整時間設定部に前記認識調整時間を基準値よりも短く調整させる、ことを特徴とする請求項4又は5に記載の印刷装置。
前記制御部は、 前記認識パターン記憶数が前記第1の値よりも大きく前記第2の値よりも小さい範囲であり且つ前記印刷パターン記憶数が前記第3の値よりも大きく前記第4の値よりも小さい範囲である場合、又は、 前記認識パターン記憶数が0以上前記第1の値以下の範囲であり且つ前記印刷パターン記憶数が前記第4の値以上前記印刷パターン最大記憶数以下の範囲である場合、又は、 前記認識パターン記憶数が前記第2の値以上前記認識パターン最大記憶数以下の範囲であり且つ前記印刷パターン記憶数が0以上前記第3の値以下の範囲である場合、において、 前記認識調整時間設定部に前記認識調整時間を基準値に等しく調整させる、ことを特徴とする請求項4又は5に記載の印刷装置。
前記制御部は、 前記認識パターン記憶数が前記第2の値以上前記認識パターン最大記憶数以下の範囲であり且つ前記印刷パターン記憶数が前記第4の値以上前記印刷パターン最大記憶数以下の範囲である場合、又は、 前記認識パターン記憶数が前記第2の値以上前記認識パターン最大記憶数以下の範囲であり且つ前記印刷パターン記憶数が前記第3の値よりも大きく前記第4の値よりも小さい範囲である場合、又は、 前記認識パターン記憶数が前記第1の値よりも大きく前記第2の値よりも小さい範囲であり且つ前記印刷パターン記憶数が前記第4の値以上前記印刷パターン最大記憶数以下の範囲である場合、において、 前記認識調整時間設定部に前記認識調整時間を基準値よりも長く調整させる、ことを特徴とする請求項4又は5に記載の印刷装置。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態を図に基づいて詳説する。なお、本発明の印刷装置については、ラベル作成等に用いるテープ印刷装置を適用して説明する。
図1は、本発明の実施例に係るテープ印刷装置1の平面図であり、
図2は、このテープ印刷装置1に使用するテープカセット21の外観及びテープ印刷装置1の内部構造の一部を示す斜視図である。テープ印刷装置1は、表面に印刷面を備え裏面が粘着面とされた印刷テープと、粘着面に貼付される剥離テープと、が積層されて形成されたテープ部材31に文字等を印刷する装置である。
【0018】
このテープ印刷装置1は、
図1に示すように、筐体2の上面に入力部3、表示部4及びカセット装填部8を開閉可能に覆う開閉蓋5が設けられている。また、図示しないが、筐体2には、パーソナルコンピュータ等の外部機器と接続するための入力端子、電源コードが接続される電源端子、メモリーカード等の記憶媒体が挿入される挿入口等も形成されている。
【0019】
入力部3は、文字データを入力する文字入力キー、印刷開始を指示する印刷キー、入力文字を確認するために表示部4にプレビュー表示させるための印刷プレビューキー、表示部4の表示画面上のカーソルを移動操作するカーソルキー、印刷モードの設定や各種設定処理を行なう種々の制御キーによって構成されている。表示部4は、液晶表示装置であり、入力された文字や記号などのキャラクタのデータを表示したり、各種の設定のための選択メニュー、各種の処理に関するメッセージ等を表示する。
【0020】
また、このテープ印刷装置1は、手書き認識用のタッチパネル60と、表示部4と、を備える。そして、テープ印刷装置1は、タッチパネル60への入力操作のためにタッチペン64を有する。
【0021】
図1に示すように、表示部4は表示範囲の小さい小型の液晶パネルであるため、入力編集画面では、入力された文字や記号などのキャラクタの数が画面内に表示可能な数を超えると、入力順に画面外にオーバーフローするようになっている。また、ラベルに印刷すべきキャラクタのデータの入力編集後、そのラベルの印刷イメージをプレビュー表示する場合には、テープ長方向にラベルの印刷イメージをスクロール表示して画面の表示範囲を超えるラベルの印刷イメージを表示可能にしている。
【0022】
開閉蓋5の内側には、
図2に示すように、テープ部材31及びインクリボン35を収容したテープカセット21を装填するためのカセット装填部8が形成されている。また、カセット装填部8内には、テープ印刷機構45と、テープカセット21を所定の位置に支持するためのカセット受部15と、が形成されている。このテープ印刷機構45は、縦方向に配列された印刷素子と、印刷ヘッドとされるサーマルヘッド11と、サーマルヘッド11との間でテープ部材31及びインクリボン35を挟み込んでこれを搬送するプラテンローラ12と、印刷に使用したインクリボン35をテープカセット21内に巻取るリボン巻取軸13と、を備える。
【0023】
また、カセット装填部8の一端部に筐体2の外に通じるテープ繰出部7が形成されており、このテープ繰出部7には、テープ部材31の印刷テープ及び剥離テープを幅方向に切断するフルカット部としてのフルカット機構17と、テープ部材31の印刷テープのみを切断するハーフカット部としてのハーフカット機構18と、が組み込まれている。
【0024】
更に、テープカセット21は、カセットケース22を備え、このカセットケース22の内部には、テープ部材31が巻装されたテープコア23、未使用のインクリボン35が巻装されたリボン供給コア24、使用済みのインクリボン35を巻取るリボン巻取コア25が夫々収納されている。また、テープカセット21のカセットケース22には、カセット装填部8内にテープカセット21を装填した場合にサーマルヘッド11が位置するヘッド配置部27が形成されている。
【0025】
また、カセットケース22の隅部には、カセット装填部8のカセット受部15と係合し、このカセット受部15によって支持される被係合部29が形成されている。そして、このカセットケース22の被係合部29には、図示しないがテープカセット21の種類に応じた所定の凹凸が形成されており、カセット装填部8のカセット受部15には、テープカセット21が装填された場合にカセットケース22の被係合部29に形成された凹凸を判別する所定のテープ種別検出スイッチ16が形成されている。
【0026】
このため、テープ印刷装置1は、カセットケース22がカセット装填部8に装填されると、カセットケース22の被係合部29とカセット装填部8のカセット受部15に形成されたテープ種別検出スイッチ16の幾つかとが、或いは、被係合部29とテープ種別検出スイッチ16の全部とが係合し、係合したテープ種別検出スイッチ16が押下されて、このオン状態となったテープ種別検出スイッチ16の組み合わせによってテープカセット21のテープ幅、テープ色等の種類を判別できるようになっている。
【0027】
つまり、このテープ印刷装置1は、テープカセット21の種類が内蔵するテープ部材31の種類やテープ部材31の幅によって異なるため、このテープカセット21の種類を判別することによって、印刷対象物であるテープの幅、テープ色等を識別することができ、制御部40がテープ幅に適合した印刷データを作成することができるようになっている。
【0028】
このテープ印刷装置1は、印刷の指示がされると、テープ部材31及びインクリボン35をテープカセット21から繰り出し、プラテンローラ12とサーマルヘッド11との間にこれらのテープ部材31及びインクリボン35が重ね合わされた状態で挟み込ませて、搬送させる。そして、サーマルヘッド11が印刷データに基づいて発熱駆動され、インクリボン35のインクが印刷テープに熱転写されて印刷テープに印刷が行われる。
【0029】
そして、印刷済のラベル領域をテープ部材31から切り離すとともに、テープ部材31の剥離テープからの剥離を容易にするべく、印刷テープへの印刷の途中、或いは印刷終了後に、テープ部材31に設定される切断位置がフルカット機構17又はハーフカット機構18の位置まで搬送されると、切断種類の設定に応じて何れかのカット機構が作動してテープ部材31が幅方向に切断されてハーフカット又はフルカットの切断処理が行われ、1枚のテープ状のラベルが作成される。
【0030】
図3は、このテープ印刷装置1の回路構成を示すブロック図である。このテープ印刷装置1には、
図3に示すように、装置全体を司る制御部40を有しており、制御部40には、記憶部としてのROM41、RAM42及び補助記憶装置44、入力部としての入力部3及びタッチパネル60が接続されている。更に、制御部40には、表示部4を駆動させる表示部駆動回路63が接続されている。
【0031】
制御部40は、CPUであって、入力部3からのキー操作信号に応じて、又は、自動でROM41に予め記憶されているシステムプログラム、メモリーカードに記憶された制御プログラム、外部機器から読み込まれた制御プログラム等を起動させ、限られた容量のRAM42をワークメモリ等のバッファーとして使用して回路各部の動作を制御する。
【0032】
そして、制御部40は、入力部3やタッチパネル60によって入力された文字やキャラクタのデータから印刷データを生成する印刷データ生成部として作動する。また、制御部40は、タッチパネル60でタッチペン64による文字入力として手書き文字が描画され又は任意のパターンとして記号や図形等が描画されると、パネル上に描画された位置を検出し、表示制御部である表示部駆動回路63を駆動してタッチパネル60に入力された文字や線をタッチパネル60に表示するとともに、表示部4にも表示させる。
【0033】
また、制御部40は、後述するパターン認識部として、描画された手書き文字等の線の形を解析して、候補となる文字やキャラクタ等のパターンをパターン記憶部から抽出させる。
【0034】
更に、制御部40は、認識調整時間設定部として、後述するように認識動作調整時間を基本として、手書き入力に際しての認識調整時間を調整する。
【0035】
また、制御部40には、各種の機構を駆動させるためのヘッド駆動回路51とステップモータ駆動回路52とカッターモータ駆動回路53とが接続されている。
【0036】
ROM41は、入力部3から入力された文字等を印刷するためのプログラム等が記憶され、制御部40で読み取り可能なプログラムが記憶された記憶媒体として機能する。また、このROM41としては、EPROM等の書込みが可能なROMが使用される場合もあり、書込み可能なROMが使用される場合には、ROM41が補助記憶装置44としても機能する。
【0037】
また、ROM41には、漢字、平仮名、片仮名、アルファベット文字の他、絵文字や記号、図形等のキャラクタを記憶するパターン記憶部が設けられている。
【0038】
RAM42は、キー入力された文字や文字間隔等の印刷情報を記憶する入力データメモリ、入力された印刷情報が展開された印刷パターンデータが記憶される印刷データメモリ、表示部4に表示されるパターンデータが記憶される表示データメモリ等の各領域が確保され、印刷処理等に必要なデータを一時的に記憶するレジスタやカウンタ等が設けられている。
【0039】
また、RAM42は、手書き文字入力されてパターン認識部により文字認識された文字やキャラクタを格納させる認識パターン記憶部と、文字列の印刷可能な文字やキャラクタを格納させる印刷パターン記憶部と、を有している。また、RAM42は、タッチオフ時間として、基準値及び基準値を基礎として調整される認識調整時間を記憶する認識調整時間記憶部を有している。
【0040】
補助記憶装置44は、テープ印刷装置1に内蔵されたハードディスクやテープ印刷装置1に接続されるメモリーカード等によって構成されている。
【0041】
ヘッド駆動回路51は、印刷情報や書式設定の情報に従って印刷部であるサーマルヘッド11を制御し、テープ部材31に印刷する。ステップモータ駆動回路52は、搬送部を駆動させる回路であって、プラテンローラ12やリボン巻取軸13を回転させるステップモータ46を制御し、所定の速度で長手方向にテープ部材31を搬送する。カッターモータ駆動回路53は、フルカット部及びハーフカット部等を制御する駆動回路であり、フルカット機構17及びハーフカット機構18で使用されるカッターモータ48を制御する。
【0042】
そして、本発明のテープ印刷装置1は、手書き文字の入力と印刷機構による入力文字の印刷とを同時処理可能な印刷装置であって、制御部40が、印刷パターン記憶部に記憶された文字等を印刷機構により印刷制御し、認識パターン記憶部の認識パターン記憶数と印刷パターン記憶部の印刷パターン記憶数とにより認識調整時間を基準値から調整させるものである。
【0043】
この制御部40は、ユーザーによるタッチパネル60へのタッチオン及びタッチオンからのタッチオフ等のタッチ操作を検知するタッチ検知部として機能する。また、制御部40は、タッチオンによる手書き文字の一画毎の書き始めのタッチオンイベント、又は、タッチオンからのタッチオフによる手書き文字の一画毎の書き終わりのタッチオフイベントからなる手書き文字入力イベントを発生させる手書き文字入力イベント発生部としても機能する。
【0044】
さらに、制御部40は、タッチオンからのタッチオフによる一画が書き終わってタッチオフ時間をカウントすべく、自動手書き文字認識タイマーの制御を行い、タッチオフ時間として、基準となる時間を基準値として手書き入力の処理速度に応じて変化する認識パターン記憶部の記憶文字数と印刷処理速度に応じて変化する印刷パターン記憶部の記憶文字数とに基づいて調整される認識調整時間とした所定時間が経過すると、タイマー割り込みにより自動手書き文字認識イベントを発生させて、文字認識を開始させる自動手書き文字認識イベント発生部としても機能する。
【0045】
なお、制御部40は、既に文字認識された文字列の中の文字等がタッチオンされたことを検出すると、後述する認識済の文字等を修正可能とする修正イベントを発生させる。
【0046】
さらに、制御部40は、表示部4に表示された終了ボタンのタッチオンなどを検出すると、現在行っている処理を終了させる終了イベントを発生させる。
【0047】
そして、制御部40は、各イベントを受信して、手書き文字の継続入力中であるか否かの判定を行い、手書き文字の文字認識を開始させる等のイベント毎の処理を行うイベント判定部としても機能する。
【0048】
また、制御部40は、イベント判定部として、タッチオンされた手書き文字入力と判定すると、表示部駆動回路63を制御して、ストロークデータを生成して手書き文字の線(パターン)を表示部4に表示させる手書き描画部としても機能する。
【0049】
さらに、制御部40は、イベント判定部として、タイマー割り込みによる自動手書き文字認識イベントの発生を検知すると、完成された一文字の手書き文字のストロークデータを基に文字認識を行うパターン認識部としても機能する。
【0050】
なお、パターン認識部は、手書き文字入力後の未操作時間に発動するタイマー割り込みによる自動手書き文字認識イベントの発生を検知して実行することに限定されず、例えば、タッチパネル60に手書き文字入力用の二つのタッチエリアを有し、一方のエリアに手書き文字であるストロークデータが存在するときに、他方のエリアにタッチ操作による手書き入力を開始させると連続入力と判断する連続入力判定部を有し、連続入力判定部の判定によりパターン認識部が一方のストロークデータの手書き文字認識を開始させるようにしても構わない。
【0051】
そして、制御部40は、パターン認識部として手書き文字やキャラクタのパターンをパターン記憶部に記憶された所定の文字やキャラクタのデータに変換して、表示制御部を制御してタッチパネル60への表示を更新させる表示更新部としても機能する。
【0052】
また、制御部40は、印刷処理の制御において印刷処理中であるか否かを判定する印刷監視部としても機能し、印刷監視部として未だ印刷処理中でないと判定したときに、印刷処理を開始させるか否かを判定する印刷開始判定部としても機能するものであって、印刷開始判定部として印刷開始可能と判定したときに、印刷処理を開始させる印刷処理制御部としても機能する。
【0053】
また、制御部40は、パターン認識部として、文字認識されて認識パターン記憶部に格納された文字の記憶文字数と、認識パターン記憶部に格納された文字を印刷開始させる文字として印刷パターン記憶部に移行するようにして格納させた文字の記憶文字数と、により手書き文字入力進行度と印刷処理進行度との進行度を判定する進行度判定部としても機能する。
【0054】
そして、制御部40は、印刷パターン記憶部に記憶された一文字又は1個のキャラクタを印刷機構により印刷制御を実行すると印刷パターン記憶部に記憶されていた当該一文字又は1個のキャラクタを消去させる。
【0055】
また、制御部40は、認識パターン記憶部に記憶された文字又はキャラクタの数が認識パターン記憶部の最大格納数に達した場合には、認識パターン記憶部に記憶されている文字又はキャラクタのうちの最初に記憶された所定の数の文字又はキャラクタを印刷パターン記憶部に移行させて記憶させ、認識パターン記憶部に記憶されていた文字又はキャラクタのうちの移行させた所定の数の文字又はキャラクタを消去させる。
【0056】
さらに、制御部40は、自動手書き文字認識イベントを発生するまでの時間として基準時間とする基準値を基本とし、手書き入力の処理速度に応じて変化する認識パターン記憶部の記憶文字数と印刷処理速度に応じて変化する印刷パターン記憶部の記憶文字数とに基づいて変更されて認識調整時間記憶部に格納される認識調整時間とする所定のタッチオフ時間を導出する認識調整時間設定部としても機能する。
【0057】
即ち、制御部40は進行度判定部として認識パターン記憶部の記憶文字数と印刷パターン記憶部の記憶文字数とを閾値と比較して各記憶部の格納状況を格付けすることにより、手書き文字入力進行度と印刷処理進行度との進行度を判定し、認識調整時間設定部として、認識調整時間を調整するものである。
【0058】
この認識調整時間設定部としては、制御部40は手書き文字入力進行度が印刷処理進行度よりも進んでいれば、自動手書き文字認識イベントを発生するまでの時間を基準時間に対して長めの時間とし、印刷処理進行度が手書き文字入力進行度よりも進んでいれば、自動手書き文字認識イベントを発生するまでの時間を基準時間に対して短かめの時間とする処理を行う。
【0059】
ここで、本発明の印刷装置であるテープ印刷装置1において、手書き入力している間に入力し終わった文字の印刷を同時に行う手書き入力印刷モードの流れに関してフローチャートを用いて説明する。
図4及び
図5は、本発明の実施形態に係るテープ印刷装置の手書き文字入力と印刷処理との流れを示すフローチャートである。
【0060】
テープ印刷装置1は電源投入されると、先ず、制御部40がRAM42の初期化(ステップS105)を行う。そして、ユーザーにより、ラベル作成モードにおいて手書き入力及び印刷同時進行とする設定をされるとテープ印刷装置1は手書き入力印刷モードのスタンバイ状態となる。
【0061】
次に、制御部40は、タッチ検知部としてユーザーによるタッチパネル60上のタッチオン又はタッチオンからのタッチオフ等のタッチ操作を検知することによる手書き文字入力、タッチオフ時間が所定時間経過して自動文字認識の開始、自動認識済の文字をあらためて修正すべく認識済文字のタッチ選択、又は、終了ボタン等の操作による手書き入力印刷モードの終了、等の各種イベント入力を受信(ステップS110)する。
【0062】
制御部40は、各種のイベント受信(ステップS110)において、受信したイベントが何れのイベントかを判定するイベント判定(ステップS115)を行う。
【0063】
このイベント判定(ステップS115)の対象とされるイベントとしては、例えば、タッチペン64によるタッチパネル60へのタッチオン、タッチオフ等があり、イベント判定(ステップS115)では、タッチオンされた場所によって文字やキャラクタの入力か、モード切り換えか、終了等の処理命令か、等の判定を行う。
【0064】
そして、イベント判定(ステップS115)において、手書き文字入力の文字の一部をなす一画を入力されてタッチオン状態からタッチオフ状態とされると制御部40はタッチオフイベントと判定して、手書き文字入力により一文字の入力が完成された後のタッチオフ時間をカウントする。
【0065】
このタッチオフイベントの処理としては、自動手書き認識開始までのコア時間と認識動作調整時間とによる基準値及び基準値を調整変更した認識調整時間をタイマー割り込みによりカウントするべくタイマーをスタートさせるタイマースタート(ステップS120)を行い、所要時間としての認識調整時間が経過したか否かの判断である時間経過判断(ステップS125)を行い、認識調整時間が経過していないときはイベント受信(ステップS110)に戻る。
【0066】
そして、イベント判定(ステップS115)において、タッチオンイベントが認識調整時間の経過前に再度行われて手書き文字の入力中であると判定されると、自動手書き認識タイマーをリセットして停止させるタイマーストップ(ステップS130)を行い、タッチオンイベントにより描かれる線画を表示部4に書き加えて表示する表示更新(ステップS135)を行い、タッチオフイベントが発生すると、イベント受信(ステップS110)及びイベント判定(ステップS115)によりタイマースタート(ステップS120)及び時間経過判断(ステップS125)を行う。
【0067】
そして、タッチオフイベントから認識調整時間が経過すると、時間経過判断(ステップS125)により自動手書き文字認識イベントと判断して手書き文字認識の処理(ステップS140)を行う。
【0068】
尚、イベント判定(ステップS115)において、手書き文字の入力中に、認識済みの入力文字の修正のために、その文字をタッチされると、修正イベントと判断し、後述する文字の修正を行う。
【0069】
そして、自動手書き文字認識イベントでは、手書き文字認識の処理(ステップS140)により入力部とされるタッチパネル60に入力された文字等のパターンに相当するパターンをパターン記憶部から検索抽出し、更に、制御部40は、表示更新部として表示駆動制御回路63を制御する。
【0070】
この表示更新部としての制御により、
図6及び
図7に示すようにパターン認識部によりパターン記憶部から抽出された対応文字等の候補データによる文字等をタッチパネル60上の認識済文字の表示エリアに移行させる表示更新(ステップS145)行うと共に、認識パターン記憶部に認識済文字のデータを記憶させる。
【0071】
さらに、制御部40は、印刷監視部として、ラベル作成用の手書き文字入力中であって、既に印刷処理中か否かの判定(ステップS150)を行い、印刷中であればバッファーの更新(ステップS170)を行い、印刷中でなければ印刷開始設定準備を行う。
【0072】
この印刷開始設定準備は、先ず、認識パターン記憶部に格納された認識済の文字数が、所定数PN(例えば、5文字として、語句の修正が発生しにくい文字数、又は、印刷速度安定化のための調整時間用等の文字数)を越えたか否かの判定(ステップS155)を行い、手書き入力文字の自動認識された認識済の文字数が所定数PNを越えていれば、印刷開始フラグをONとするフラグセット(ステップS160)を行い、所定数PNを越えていなければ、フラグセット(ステップS160)を行うことなく、印刷開始設定準備を終了するものである。
【0073】
そして、印刷開始を行うか否かの判定である印刷開始判定(ステップS165)を行い、印刷開始判定(ステップS165)において、フラグセットが行われて印刷開始フラグがONとされていると印刷タスクスタート(ステップS170)を行い、フラグセットが行われておらず印刷開始フラグがOFFであれば、イベント受信(ステップS110)に戻る。
【0074】
そして、制御部40は、印刷処理制御部として、印刷タスクスタート(ステップS170)を行うと、パターン認識部として、手書き文字を所定の文字と認識して認識パターン記憶部に格納した文字を印刷開始させる文字として印刷パターン記憶部に移行させるバッファー更新(ステップS175)を行う。
【0075】
このバッファー更新(ステップS175)では、認識パターン記憶部に記憶した認識済みの文字等のパターンの内、先頭の1個のパターンを印刷パターン記憶部に移動させ、以後、認識パターン記憶部に記憶された各パターンを所要時間だけ認識パターン記憶部に記憶した後、所要時間の経過により認識パターン記憶部から印刷パターン記憶部へ、記憶したパターンデータの先頭から順次移動させるものである。
【0076】
更に、認識パターン記憶部のバッファーに記憶可能な最大個数のパターンが記憶されたときは、先頭から所定とされた複数個のパターンを印刷パターン記憶部に移動させるものである。尚、印刷パターン記憶部に記憶可能な個数が所定の複数個未満の場合は、印刷パターン記憶部に記憶可能な個数を認識パターン記憶部から移動させるものである。
【0077】
また、印刷パターン記憶部に記憶された文字等のパターンは、先頭のパターンから順次テープ印刷機構45によりテープ部材31の印刷テープに印刷され、印刷テープに印刷されたパターンのパターンデータは印刷パターン記憶部から消去される。
【0078】
このように、制御部40は、入力部であるタッチパネル60に手書きによって文字や記号等のパターンが入力されると、パターン認識を行って表示部4に表示すると共に、入力されたパターンのデータを認識パターン記憶部に記憶した後、印刷パターン記憶部に移動させて印刷を行いつつ手書き入力を検出して認識を継続するものである。
【0079】
そして制御部40は、後述する進行度判定部として手書き文字入力進行度と印刷処理進行度との進行度を判定し、認識調整時間設定部として、自動手書き文字認識イベントを発生するまでの認識調整時間の調整(ステップS180)を実行し、次のイベント待機とするイベント受信(ステップS110)に戻る。
【0080】
また、イベント判定(ステップS115)において、手書き文字の入力中に、認識済みの入力文字の修正のために、その文字をタッチされると、制御部40は修正イベントとして、タッチされた文字の入力データに基づいて入力文字と近似する文字等をパターン記憶部から検出して変換候補文字とし、変換候補文字の一覧を表示する候補文字表示(ステップS190)を行う。
【0081】
即ち、例えば
図8に示すように、既に手書き文字入力で文字認識された文字列「千書き認識」の「千」の文字がタッチされると、「千」の文字をハイライト表示するとともに、表示部4の下方に近似文字である変換候補文字群を一覧表示させる候補文字表示(ステップS190)を行うものである。
【0082】
そして、一覧表示した複数の文字の内の何れかがタッチされて文字選択が行われたか否かの判断(ステップS195)により、例えば「手」をタッチして選択すると、修正文字とする文字を確定する文字確定(ステップS200)を行ってイベント受信(ステップS110)に戻る。また、
図8に示したように「書き直しボタン70」がタッチされると、あらためて、手書き文字入力状態とされる。
【0083】
次に、自動手書き文字認識イベントを発生するまでの認識調整時間の調整(ステップS180)について説明する。
【0084】
制御部40は、この認識調整時間の調整(ステップS180)では、先述のとおり、進行度判定部として手書き文字入力進行度ProgHと印刷処理進行度ProgPとの進行度を判定し、認識調整時間設定部として、自動手書き文字認識イベントを発生するまでの認識調整時間を調整する。
【0085】
そして、制御部40は、閾値導出部として、予め、進行度判定部で用いるRAM42が備える認識パターン記憶部の文字数PHと、印刷パターン記憶部の文字数PPと、の夫々の閾値を導出する。
【0086】
具体的には、
図9に示すように、認識パターン記憶部の文字数PHの格納状態に対して、手書き文字入力進行度ProgHの進み具合としてA(手書き入力の入力速度が速い)>B(手書き入力の入力速度が普通)>C(手書き入力の入力速度が遅い)の各ランクを設定するために、PH1(デフォルトとして認識パターン記憶部の最大格納数の1/3を整数化した数)やPH2(デフォルトとして認識パターン記憶部の最大格納数の2/3を整数化した数)を閾値導出部として設定する。
【0087】
また、閾値導出部は、印刷パターン記憶部の文字数PPの格納状態に対して、印刷処理進行度ProgPの進み具合としてA(印刷処理速度が速い)>B(印刷処理速度が普通)>C(印刷処理速度が遅い)の各ランクを設定するために、PP1(デフォルトとして印刷パターン記憶部の最大格納数の1/3を整数化した数)やPP2(デフォルトとして印刷パターン記憶部の最大格納数の2/3を整数化した数)を設定する。
【0088】
そして、進行度判定部である制御部40は、閾値導出部で導出した認識パターン記憶部の文字数PHと印刷パターン記憶部の文字数PPの夫々の閾値に対して、各記憶部の格納状況を把握して手書き文字入力進行度ProgHと印刷処理進行度ProgPとの進行度を判定し、認識調整時間設定部として、自動手書き文字認識イベントを発生するまでの認識調整時間を調整する。
【0089】
ここで、自動手書き文字認識イベントを発生するまでの認識調整時間を調整する処理について、フローチャートを用いて詳細に説明する。
図5は、自動手書き文字認識イベントを発生するまでの認識調整時間を調整する流れに関するフローチャートである。
【0090】
自動手書き文字認識イベントを発生するまでの認識調整時間を調整する処理では、制御部40は、先ず認識パターン記憶部の文字数PHの格納状態を判定する。
【0091】
認識パターン記憶部に格納された文字数PHがPH1(デフォルトとして認識パターン記憶部の最大格納数の1/3を整数化した数)以下であるか否かを判定(ステップS301)する。
【0092】
文字数PHがPH1以下であるか否かの判定(ステップS301)において、文字数PHがPH1以下であれば、手書き入力の入力速度が遅いとして手書き文字入力進行度ProgHにCランクを設定(ステップS305)し、ステップS335に進む。
【0093】
また、文字数PHがPH1以下であるか否かの判定(ステップS301)において、文字数PHがPH1以下でなければ、次に、認識パターン記憶部に格納された文字数PHがPH2(デフォルトとして認識パターン記憶部の最大格納数の2/3を整数化した数)以上であるか否かを判定(ステップS310)する。
【0094】
文字数PHがPH2以上であるか否かの判定(ステップS310)において、文字数PHがPH2以上であれば、手書き入力の入力速度が速いとして手書き文字入力進行度ProgHにAランクを設定(ステップS315)し、ステップS335に進む。
【0095】
また、文字数PHがPH2以上であるか否かの判定(ステップS310)において、文字数PHがPH2以上でなければ、手書き入力の入力速度が中間速度であるとして手書き文字入力進行度ProgHにBランクを設定(ステップS320)し、ステップS335に進む。
【0096】
次に、制御部40は、印刷処理の状況を把握するべく、印刷パターン記憶部の文字数PPの格納状態について判定する。
【0097】
印刷パターン記憶部の文字数PPがPP1(デフォルトとして印刷パターン記憶部の最大格納数の1/3を整数化した数)以下であるか否かを判定(ステップS335)する。
【0098】
文字数PPがPP1以下であるか否かの判定(ステップS335)において、文字数PPがPP1以下であれば、印刷処理速度が速いとして印刷処理進行度ProgPにAランクを設定(ステップS340)し、ステップS360に進む。
【0099】
また、文字数PPがPP1以下であるか否かの判定(ステップS335)において、文字数PPがPP1以下でなければ、次に、印刷パターン記憶部に格納された文字数PPがPP2(デフォルトとして印刷パターン記憶部の最大格納数の2/3を整数化した数)以上であるか否かを判定(ステップS345)する。
【0100】
文字数PPがPP2以上であるか否かの判定(ステップS345)において、文字数PPがPP2以上であれば、印刷処理速度が遅いとして印刷処理進行度ProgPにCランクを設定(ステップS350)し、ステップS360に進む。
【0101】
また、文字数PPがPP2以上であるか否かの判定(ステップS345)において、文字数PPがPP2以上でなければ、印刷処理速度が中間速度であるとして印刷処理進行度ProgPにBランクを設定(ステップS355)し、ステップS360に進む。
【0102】
次に、制御部40は、手書き文字入力進行度ProgHと印刷処理進行度ProgPとの進行度を判定して、自動手書き文字認識イベントを発生するまでの認識調整時間を調整する。具体的には、手書き文字入力進行度ProgHと印刷処理進行度ProgPとの進行度の判定として、既に設定された進行度の各ランクを比較する。
【0103】
手書き文字入力進行度ProgHと印刷処理進行度ProgPとの進行度のランクの比較判定として、先ず、ProgHがProgPよりも進行が遅れているか否かを判定(ステップS360)する。
【0104】
ProgHがProgPよりも進行が遅れているか否かの判定(ステップS360)において、
図9に示すように、ProgHがProgPよりも進行が遅れていれば、自動手書き文字認識イベントを発生するまでの認識調整時間Tを基準値とされる基準時間Taより短い時間とされるTsに調整(ステップS365)する。
【0105】
また、ProgHがProgPよりも進行が遅れているか否かの判定(ステップS360)において、ProgHがProgPよりも進行が遅れていなければ、次に、ProgHとProgPとの進行が同じであるか否かを判定(ステップS370)する。
【0106】
ProgHとProgPとの進行が同じであるか否かの判定(ステップS360)において、
図10に示すように、ProgHとProgPとの進行が同じであれば、自動手書き文字認識イベントを発生するまでの認識調整時間Tを基準時間Taに調整(ステップS375)する。
【0107】
また、ProgHとProgPとの進行が同じであるか否かの判定(ステップS360)において、ProgHとProgPとの進行が同じでなく、ProgHが速いとされる状態であれば、
図11に示すように、自動手書き文字認識イベントを発生するまでの認識調整時間Tを基準時間Taよりも長い時間とされるTlに調整(ステップS380)する。
【0108】
このようにして、ユーザーの操作レベルに合わせつつ、認識調整時間を調整して一文字毎の入力時間を調整し、印刷速度に合わせた速度で文字等の入力を可能とし、手書き入力中に印刷を同時進行で行うに際し、記憶容量の小さな認識パターン記憶部や印刷パターン記憶部であっても効率よく並行処理を行うことができる。
【0109】
尚、PH1とする認識パターン記憶部に記憶する認識パターンの個数である第1の値は、認識パターン記憶部の最大格納数の1/3に限るものではなく、PH2とする認識パターン記憶部に記憶する認識パターンの個数である第2の値は、認識パターン記憶部の最大格納数の2/3に限るものではない。
【0110】
例えば、中間速度とする第1の値と第2の値との幅を認識パターン記憶部の最大格納数の1/3よりも狭い範囲とすることもあり、認識パターン記憶部に記憶できるパターンの個数が多ければ最大格納数の1/3よりも広い幅の個数とすることもある。
【0111】
また、同様に、PP1とする印刷パターン記憶部に記憶する認識パターンの個数である第3の値は、印刷パターン記憶部の最大格納数の1/3に限るものではなく、PP2とする印刷パターン記憶部に記憶する印刷パターンの個数である第4の値も、印刷パターン記憶部の最大格納数の2/3に限るものではなく、第3の値と第4の値の幅を狭く又は広くすることがある。
【0112】
以上のように本実施形態によれば、手書き入力している間に入力し終わった文字の印刷を同時に行う印刷装置、この印刷装置の文字認識方法、及び、この印刷装置で文字認識方法を実現させるための文字認識制御プログラムを提供し、限られたバッファー容量であっても、印刷速度に合わせた速度で文字認識を行い、且つ、書き込み速度に合わせて一文字づつ文字認識を行うことにより、ユーザーに書き込みを円滑に行わせることができる。
【0113】
そして、本実施形態によれば、印刷制御を実行するごとに印刷パターン記憶部に記憶された文字の中から最初に格納された一文字など、第1のパターンを印刷パターン記憶部から削除させることにより限られた容量のバッファーを有効活用することができる。
【0114】
また、認識パターン記憶部のパターン記憶個数が記憶最大個数となったとき、所定個数の第2のパターンを印刷パターン記憶部に移行させることにより、認識パターン記憶部へ新たに手書き入力されたパターンの記憶を可能として、手書き入力を中断させることなく継続することができる。
【0115】
さらに、本実施形態によれば、認識パターン記憶部の文字数と印刷パターン記憶部の文字数との夫々の閾値を設けることにより、手書き文字入力進行度と印刷処理進行度とにランクを設けることができ、手書き入力と印刷処理との夫々の進行度の比較を簡略的に行うことができる。
【0116】
そして、閾値により速度ランクを設けるに際し、パターン記憶部の容量を三等分して処理速度を調整するため、調整が容易であり、且つ、効率よく書き込み速度と印刷速度とを合わせることができる。
【0117】
また、書き込み速度が遅く認識パターン記憶部のパターン記憶数のランクが印刷処理進行度による印刷パターン記憶部に記憶されるパターン記憶数のランクよりも小さいとき、認識調整時間を短くすることにより手書き入力の1つのパターンの認識処理を速くして手書きによる書き込みをスムーズに行わせることができる。
【0118】
そして、書き込み速度が普通とされ認識パターン記憶部のパターン記憶数のランクが印刷処理進行度による印刷パターン記憶部に記憶されるパターン記憶数のランクと等しいとき、認識調整時間を基準値とすることにより手書き入力の1つのパターンの認識処理速度を基準速度として認識パターン記憶部と印刷パターン記憶部とするバッファーメモリを効率よく使用しつつスムーズな書き込みを行わせることができる。
【0119】
更に、書き込み速度が速く認識パターン記憶部のパターン記憶数のランクが印刷処理進行度による印刷パターン記憶部に記憶されるパターン記憶数のランクよりも大きいとき、認識調整時間を長くすることにより手書き入力の1つのパターンの認識処理を遅くして小さな容量のバッファーメモリであっても、書き込みが中断される可能性を少なくして、手書きによる書き込みを比較的スムーズに行わせることができる。
【0120】
更に、本実施例におけるフローチャートに示した処理は、コンピュータに実現させることのできるパターン認識制御プログラムとして、例えば磁気ディスク、光ディスク、半導体メモリ等の記憶媒体に書き込んだ状態で各種装置に適用する、或いは通信媒体により伝送して各種装置に適用することも可能である。このように所望の記憶媒体に本実施例で述べた各処理を記憶させ、他のコンピュータ等でパターン認識制御プログラムを実行させることにより、本実施例の装置を用いた場合と同様の作用効果が得られる。なお、コンピュータは、本実施例で述べた装置に内蔵されたコンピュータに限定されるわけではなく、記憶媒体に記憶されたパターン認識制御プログラムを読み取り可能であって、読み取ったパターン認識制御プログラムに従って制御動作を行うCPU等の演算装置を備えているあらゆるコンピュータを含む。
【0121】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0122】
以下に、本願出願の最初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1]
任意の形状を有するパターンの入力を可能とする入力部と、
前記パターンを表示する表示部と、
被印刷媒体に印刷を行う印刷部と、
前記入力部から入力された入力パターンを認識するパターン認識部と、
前記パターン認識部で認識した認識パターンを記憶する認識パターン記憶部と、
前記印刷部で印刷を行う印刷パターンを記憶する印刷パターン記憶部と、
前記パターン認識部の認識開始までの調整時間である、認識調整時間を設定する認識調整時間設定部と、
前記印刷パターン記憶部に記憶された前記印刷パターンを前記印刷部に印刷させるとともに、前記認識パターン記憶部に記憶された認識パターン記憶数と前記印刷パターン記憶部に記憶された印刷パターン記憶数とに基づいて前記認識調整時間設定部に前記認識調整時間を調整させる、制御部と、
を備える、
ことを特徴とする印刷装置。
[2]
前記制御部は、
前記印刷パターン記憶部に記憶された前記印刷パターンのうちの最初に格納された第1のパターンを前記印刷部により印刷を実行させると、
前記印刷パターン記憶部に記憶されていた前記第1のパターンを消去させる、
ことを特徴とする上記[1]に記載の印刷装置。
[3]
前記制御部は、
前記認識パターン記憶部に記憶された前記認識パターン記憶数が認識パターン最大記憶数に達した場合には、
前記認識パターン記憶部に記憶されている前記認識パターンのうちの最初に格納された所定の数の第2のパターンを前記印刷パターン記憶部に移行させて記憶させ、
前記認識パターン記憶部に記憶されていた前記所定の数の前記第2のパターンを消去させる、
ことを特徴とする上記[2]に記載の印刷装置。
[4]
前記制御部は、
前記認識パターン記憶部の前記認識パターン最大記憶数に基づいて、0よりも大きい第1の値及び当該第1の値よりも大きく前記認識パターン最大記憶数よりも小さい第2の値を設定し、
前記印刷パターン記憶部の印刷パターン最大記憶数に基づいて、0よりも大きい第3の値及び当該第3の値よりも大きく前記印刷パターン最大記憶数よりも小さい第4の値を設定する、
ことを特徴とする上記[3]に記載の印刷装置。
[5]
前記第1の値は前記認識パターン最大記憶数の1/3を整数化した数であり、
前記第2の値は前記認識パターン最大記憶数の2/3を整数化した数であり、
前記第3の値は前記印刷パターン最大記憶数の1/3を整数化した数であり、
前記第4の値は前記印刷パターン最大記憶数の2/3を整数化した数である、
ことを特徴とする上記[4]に記載の印刷装置。
[6]
前記制御部は、
前記認識パターン記憶数が0以上前記第1の値以下の範囲であり且つ前記印刷パターン記憶数が0以上前記第3の値以下の範囲である場合、
又は、
前記認識パターン記憶数が0以上前記第1の値以下の範囲であり且つ前記印刷パターン記憶数が前記第3の値よりも大きく前記第4の値よりも小さい範囲である場合、
又は、
前記認識パターン記憶数が前記第1の値よりも大きく前記第2の値よりも小さい範囲であり且つ前記印刷パターン記憶数が0以上前記第3の値以下の範囲である場合、
において、
前記認識調整時間設定部に前記認識調整時間を基準値よりも短く調整させる、
ことを特徴とする上記[4]又は[5]に記載の印刷装置。
[7]
前記制御部は、
前記認識パターン記憶数が前記第1の値よりも大きく前記第2の値よりも小さい範囲であり且つ前記印刷パターン記憶数が前記第3の値よりも大きく前記第4の値よりも小さい範囲である場合、
又は、
前記認識パターン記憶数が0以上前記第1の値以下の範囲であり且つ前記印刷パターン記憶数が前記第4の値以上前記印刷パターン最大記憶数以下の範囲である場合、
又は、
前記認識パターン記憶数が前記第2の値以上前記認識パターン最大記憶数以下の範囲であり且つ前記印刷パターン記憶数が0以上前記第3の値以下の範囲である場合、
において、
前記認識調整時間設定部に前記認識調整時間を基準値に等しく調整させる、
ことを特徴とする上記[4]又は[5]に記載の印刷装置。
[8]
前記制御部は、
前記認識パターン記憶数が前記第2の値以上前記認識パターン最大記憶数以下の範囲であり且つ前記印刷パターン記憶数が前記第4の値以上前記印刷パターン最大記憶数以下の範囲である場合、
又は、
前記認識パターン記憶数が前記第2の値以上前記認識パターン最大記憶数以下の範囲であり且つ前記印刷パターン記憶数が前記第3の値よりも大きく前記第4の値よりも小さい範囲である場合、
又は、
前記認識パターン記憶数が前記第1の値よりも大きく前記第2の値よりも小さい範囲であり且つ前記印刷パターン記憶数が前記第4の値以上前記印刷パターン最大記憶数以下の範囲である場合、
において、
前記認識調整時間設定部に前記認識調整時間を基準値よりも長く調整させる、
ことを特徴とする上記[4]又は[5]に記載の印刷装置。
[9]
任意の形状を有するパターンの入力を可能とする入力部と、
前記パターンを表示する表示部と、
被印刷媒体に印刷を行う印刷部と、
を備え、
前記入力部から入力された入力パターンをパターン認識部により認識し、
前記パターン認識部で認識した認識パターンを認識パターン記憶部により記憶し、
前記印刷部で印刷を行う印刷パターンを印刷パターン記憶部により記憶し、
前記パターン認識部の認識開始までの調整時間である、認識調整時間を認識調整時間設定部により設定し、
前記印刷パターン記憶部に記憶された前記印刷パターンを前記印刷部により印刷するとともに、前記認識パターン記憶部に記憶された認識パターン記憶数と前記印刷パターン記憶部に記憶された印刷パターン記憶数とに基づいて前記認識調整時間を前記認識調整時間設定部により調整する、
処理を実行する、
ことを特徴とする印刷装置のパターン認識方法。
[10]
任意の形状を有するパターンの入力を可能とする入力部と、
前記パターンを表示する表示部と、
被印刷媒体に印刷を行う印刷部と、
を備え、
前記入力部から入力された入力パターンをパターン認識部により認識し、
前記パターン認識部で認識した認識パターンを認識パターン記憶部により記憶し、
前記印刷部で印刷を行う印刷パターンを印刷パターン記憶部により記憶し、
前記パターン認識部の認識開始までの調整時間である、認識調整時間を認識調整時間設定部により設定し、
前記印刷パターン記憶部に記憶された前記印刷パターンを前記印刷部により印刷するとともに、前記認識パターン記憶部に記憶された認識パターン記憶数と前記印刷パターン記憶部に記憶された印刷パターン記憶数とに基づいて前記認識調整時間を前記認識調整時間設定部により調整する、
処理をコンピュータに実行させる、
ことを特徴とする印刷装置のパターン認識制御プログラム。