【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によると、上記課題は、以下で開示される方策によって達成される。本発明の開示は、以下で説明する方策を組み合わせることを排除しない。
【0009】
1つの可能な方策では、本発明の磁気装置は、当該磁気装置の動作時にステータとトランスレータとの間に発生する力に関して、トランスレータとステータとの間の距離r>0(換言すると:rはゼロよりも大きい)を制御する制御装置を含むことができる。
【0010】
別の方策では、本発明の磁気装置は、距離r>0を規定することによって上記力を制御する制御装置も含むことができる。
【0011】
作用する力に依存する最小の距離rの制御、及び/又は距離rに依存する力の制御も、本発明の磁気装置に作用する外力に依存するものとすることができる。
【0012】
本発明の磁気装置は、トランスレータ及びステータが、使用時ではなくでも距離rを有し、それによってトランスレータ及びステータが1つの磁石として働かず、したがって
一対の磁石として働くことに基づいて優れているものとすることができる。磁気装置は、このために停止装置を有することができ、停止装置によって、磁気装置が用いられていないときのステータに対するトランスレータの移動を防止することができる。
【0013】
トランスレータは、トランスレータ移動方向に、多角形のトランスレータ移動経路に沿ってステータに対して、本質的にステータを通過して移動可能である。トランスレータ移動経路の延長経路は、ステータを通っては延びないが、ステータを越えて延びる。
【0014】
ステータ及びトランスレータは、磁気部分、並びに、磁気部分を覆う層又はステータ及びトランスレータの磁気部分間の接触を防止するスペーサを含むことができるため
、ステータ及びトランスレータが接触する場合でも、ステータ及びトランスレータの磁気部分は接触しない。
【0015】
距離rは、磁石の一時的な特性に依存して更に配置することができる。磁石の一時的な特性は、一方では、熱応力のような外部からの影響によって変化することができ、他方では、付加的な制御装置によって制御することができる。例えば、磁場の磁場強度及び磁石の向きは従来技術の方法によって制御することができる。また、現在の教示を参照すると、材料の選択及び材料の組み合わせが磁石の特性に影響を与える。
【0016】
本発明の磁気装置に含まれる制御装置は、上記影響、及び少なくとも1つのステータ又は少なくとも1つのトランスレータの磁石の特性に関して距離rを制御することができる。
【0017】
多角形のトランスレータ移動経路は、トランスレータの移動が、変化可能な、任意選択的には絶えず変化可能なトランスレータ移動方向を有することを特徴とすることができる。多角形のトランスレータ移動経路の可能な形態は円形の形状、楕円形の形状であり、多角形の線は始点及び終点を有する。トランスレータの移動経路は、多角形又は直線的な延長部を有するガイドユニット等の機械的な強制システムによって画定することができる。トランスレータは、他の移動可能な、特に回転可能又はシフト可能に支持される要素に連結することができ、この要素はそのような機械的な強制システムを形成し、したがってトランスレータの移動を決める。例えばトランスレータはレバー又はクランク軸に連結することができる。
【0018】
本発明の磁気装置は、制御装置が、トランスレータ移動経路の部分的なエリアにおいてステータとトランスレータとの間に第1の相互作用を形成し、トランスレータ移動経路の他の、例えば第2の部分的なエリアにおいてステータとトランスレータとの間に他の及び/又は第2の相互作用を形成するようなものとすることができる。これによって、それぞれのエリアにおいてステータとトランスレータとの間で第1の引力又は反発力及び第2の引力又は反発力が生じる。
【0019】
従来技術によると、トランスレータ及びステータは、電磁石及び/又は永久磁石のような磁気装置によって形成される。本発明の磁気装置は、同じ磁場強度を有する双方の磁石、並びに、双方のステータ及びトランスレータとは異なる磁場強度を有する磁石を含むことができる。異なる磁場強度を有する磁石の使用は、ステータ又はトランスレータそれぞれの磁場強度よりも高い磁場強度を有する磁石を有するトランスレータ及びステータの双方を含む。
【0020】
ステータ及びトランスレータの互いに対する分極は、ステータ及びトランスレータの、異なるか又は同一の分極によって、引力及び/又は反発力をそれぞれ含む力が形成され、それによって、引力及び/又は反発力の結果としてトランスレータの移動が行われるようなものでなければならない。引力及び反発力を発生させるステータ及びトランスレータの分極は本質的に従来技術によるものである。
【0021】
加えて、本発明は、ステータ及びトランスレータの分極が、ステータとトランスレータとの間の距離、特にステータとトランスレータとの間の距離rに依存することを含む。
【0022】
本明細書において開示される本発明の可能な用途は、特に高い有効性を有する磁気装置を提供することに加えて、従来技術の磁気装置を制御することを含む。避けられない誤差に起因して、ステータとトランスレータとの間の距離は可変要因である。距離の変化は、製造、又は変化する材料特性に起因する可能性がある。
【0023】
本明細書において記載される制御装置によって円滑さの中の乱れを相殺することが、本明細書において開示される本発明の課題であるものとすることができる。
【0024】
本明細書において開示される本発明は本質的に、距離rと、本発明の磁気装置又は従来技術の磁気装置の性能とのつながりを示す。本発明の用途は、磁気装置が規定の性能を提供するように、測定される距離に依存して磁気装置を制御することである。
【0025】
トランスレータは、トランスレータ移動方向に多角形のトランスレータ移動経路に沿ってステータに対して、本質的にステータを通過して移動可能であるものとすることができる。延長したトランスレータ移動経路はステータを通っては延びないが、ステータを越えて延びる。
【0026】
距離rと、磁気装置が提供する性能とのつながりの数学的説明は、2つのステータ間を移動するトランスレータのトランスレータ移動経路が、ステータの直線状の接続線に一致して平行な向きになる、トランスレータの多角形の移動経路の特定の場合に限定される。
【0027】
上記から逸脱するトランスレータの一時的な移動の数学的説明の場合は、それぞれの因子を、三角法の法則に従って変えなければならない。
【0028】
距離r、特に最小の距離rは、トランスレータの位置X
tにおいてトランスレータに作用する力が最大の力であるように、ステータとトランスレータとの間に形成される力に基づいて制御ユニットによって規定することができ、トランスレータに作用するこの力は以下の関係によって規定される:
【0029】
【数1】
【0030】
式中、
【0031】
【数2】
【0032】
はステータ(1)の磁極強度であり、
【0033】
【数3】
【0034】
はトランスレータ(2)の磁極強度であり、
【0035】
【数4】
【0036】
は
ステータに対するトランスレータの位置であり、
【0037】
【数5】
【0038】
は
【0039】
【数6】
【0040】
の方向へのステータ(1)の延長
長さであり、
【0041】
【数7】
【0042】
は
【0043】
【数8】
【0044】
の方向へのトランスレータ(2)の延長
長さであり、
トランスレータに作用する作動力は
ステータの中心点とトランスレータの中心点を結んだ直線に平行な向きである力
【0045】
【数9】
【0046】
に相当する。トランスレータに作用する力
【0047】
【数10】
【0048】
は、適切な角関数(sin、cos)を用いて数学の法則に従って評価されるべきである。
【0049】
上記の式、及び本開示の
請求項1に示されている式では、
【0050】
【数11】
【0051】
がrの代わりに与えられている。上記式は以下のように導出することができるが、簡便にするために、上記式及び
請求項1に示されている式では、1つのステータと1つのトランスレータとの相互作用が考慮され、一方で、式の以下の導出は、1つのトランスレータと2つのステータとの相互作用を含む。
【0052】
体積磁化率は以下の関係によって規定される:
【0053】
【数12】
【0054】
磁場強度によって増加する磁化の結果として生じる磁気誘導は:
【0055】
【数13】
【0056】
又は
【0057】
【数14】
【0058】
となり、式中、
【0059】
【数15】
【0060】
H/m(ヘンリー毎メートル)は空間の透磁率であり、
【0061】
【数16】
【0062】
は材料の体積磁化率であり、
【0063】
【数17】
【0064】
は材料の相対透磁率であり、
【0065】
【数18】
【0066】
は材料の絶対透磁率であり、
【0067】
【数19】
【0068】
は磁気誘導(テスラ(T))であり、
【0069】
【数20】
【0070】
は磁場(アンペア毎メートル(A/m))であり、
【0071】
【数21】
【0072】
は磁化(テスラ(T))であり、
【0073】
【数22】
【0074】
は、1体積単位あたりの磁気双極子モーメント(アンペア毎メートル(A/m))である。
【0075】
以下では、磁気コアを有する円筒形の撚線コイルが意図され、円筒形の幾何学的形状の結果としてビオ・サバールの法則に従って単純化が生じる。
【0076】
【数23】
【0077】
が、円筒コイルの中心であり、
【0078】
【数24】
【0079】
が軸である場合、軸
【0080】
【数25】
【0081】
上の地点
【0082】
【数26】
【0083】
における磁気誘導は、以下が当てはまる:
【0084】
【数27】
【0085】
【数28】
【0086】
は軸
【0087】
【数29】
【0088】
の単位ベクトルであり、
【0089】
【数30】
【0090】
は強磁性コアの絶対透磁率であり、
【0091】
【数31】
【0092】
は完全な巻回数であり、
【0093】
【数32】
【0094】
はコイルの長さ(メートル(m))であり、
【0095】
【数33】
【0096】
はコイルの内径(メートル(m))であり、
【0097】
【数34】
【0098】
はコイル内のアンペア(A)単位の電流の強さである。
【0099】
磁極端部(
【0100】
【数35】
【0101】
及び
【0102】
【数36】
【0103】
)において、テスラに従った誘導磁場強度は以下のように規定される:
【0104】
【数37】
【0105】
式(1.6)に基づいて、アンペア毎メートル単位の電磁極における磁場強度を導出することが可能である:
【0106】
【数38】
【0107】
磁気双極子モーメント(A/m)が式(1.4.)及び(1.6.)からもたらされる:
【0108】
【数39】
【0109】
最後に、磁気双極子モーメントは以下のように表すことができる:
【0110】
【数40】
【0111】
【数41】
【0112】
は電磁石コアの体積として知られている。
【0113】
既知のギルバートモデルによると、磁気双極子は、2つの磁荷
【0114】
【数42】
【0115】
及び
【0116】
【数43】
【0117】
に相当し、上記双極子は距離
【0118】
【数44】
【0119】
だけ分離されている。正の磁荷はN極に関連し、一方で負の磁荷はS極に関連する。
【0120】
磁気双極子モーメントはS極からN極に向かう向きである。
【0121】
【数45】
【0122】
式中、
【0123】
【数46】
【0124】
は、電流計(A.m)における電磁石の磁極のサイズであり、
【0125】
【数47】
【0126】
は2つの磁極間の距離(メートル(m))である。
【0127】
式(2.5)及び(2.6)を組み合わせることによって、以下の式が得られる
【0128】
【数48】
【0129】
式中、
【0130】
【数49】
【0131】
は、電流計(A.m)における電磁石の磁極のサイズであり、
【0132】
【数50】
【0133】
は材料の体積磁化率であり、
【0134】
【数51】
【0135】
は完全な巻回数であり、
【0136】
【数52】
【0137】
はコイルの長さ(メートル(m))であり、
【0138】
【数53】
【0139】
はコイルの内径(メートル(m))であり、
【0140】
【数54】
【0141】
はコイル内の電流の強さ(アンペア(A))である。
【0142】
以下、1つの軸上に配置される3つの電磁石を含み、第1の電磁石及び第2の電磁石は移動不能であり、以下ではステータと称される、本発明の磁気駆動装置の一実施形態を説明する。ステータは軸上に配置され、互いから距離dだけ離間している。本開示を考慮して、ステータは以下のパラメータによって十分に特徴付けられる。
【0143】
【数55】
【0144】
はステータを形成するコイルの巻回数であり;
【0145】
【数56】
【0146】
はステータの長さ(メートル(m))であり;
【0147】
【数57】
【0148】
はステータを形成するコイルの半径(メートル(m))であり;
【0149】
【数58】
【0150】
はステータを形成するコイル内の電流の強さ(アンペア(A))であり;
【0151】
【数59】
【0152】
はステータの強磁性コアの体積磁化率であり;
【0153】
【数60】
【0154】
は2つのステータ間の距離である。
【0155】
第3の磁石は、2つのステータによって画定される軸上に、かつ2つのステータ間に移動可能に配置される。以下では第3の磁石はトランスレータと称され、以下のパラメータによって十分に特徴付けられる。
【0156】
【数61】
【0157】
はトランスレータを形成するコイルの巻回数であり;
【0158】
【数62】
【0159】
はトランスレータの長さ(メートル(m))であり;
【0160】
【数63】
【0161】
はトランスレータを形成するコイルの半径(メートル(m))であり;
【0162】
【数64】
【0163】
はトランスレータを形成するコイル内の電流の強さ(アンペア(A))であり;
【0164】
【数65】
【0165】
はトランスレータの強磁性コアの体積磁化率であり;
【0166】
【数66】
【0167】
は2つのステータ間を移動するときにトランスレータがカバーする距離である。
【0168】
ステータは、直流源
【0169】
【数67】
【0170】
及び
【0171】
【数68】
【0172】
に電気的に接続されており、この結果、磁極の絶対値が同じになるが、発生する誘導磁場は反対方向の向きとなる。
【0173】
ステータ及びトランスレータの分極は、以下の、結果として生じる力条件によって記載される引力及び反発力に基づくトランスレータの移動を達成するために、当業者が
図1及び
図2において識別することができるように選択されるべきである。
【0174】
図1による、ステータ及びトランスレータの分極の結果生じる力条件を以下で計算する。
図1に示されているトランスレータの分極は「負の」分極とも称され、これは、磁気双極子モーメント
【0175】
【数69】
【0176】
が、方向
【0177】
【数70】
【0178】
の向きであることを意味する。
【0179】
式(2.5)に基づいて、以下が当てはまる:
【0180】
【数71】
【0181】
及び
【0182】
【数72】
【0183】
ギルバートモデルを参照すると、磁荷の相互作用に起因して、磁石間で発生する磁力は磁気双極子の極の近くで発達すると推測される。磁極間の相互作用する力は式(3.3)によって規定される。
【0184】
【数73】
【0185】
式中、
【0186】
【数74】
【0187】
は磁極の強度であり、
【0188】
【数75】
【0189】
は磁極間の距離である。
【0190】
ステータとトランスレータとの間の相互作用の結果、トランスレータに作用する力が生じる。この結果として生じる力は
【0191】
【数76】
【0192】
軸に平行な、方向
【0193】
【数77】
【0194】
(
図1では左から右)への向きである。
【0195】
ステータ間でトランスレータの移動がカバーする距離について
【0196】
【数78】
【0197】
を考慮すると、
【0198】
【数79】
【0199】
となり、式中、
【0200】
【数80】
【0201】
は、軸
【0202】
【数81】
【0203】
上のトランスレータ中心の位置である。既知のギルバートモデルを用いると、結果として生じる力は磁極間の8回の相互作用を加えることによって計算することができる。
【0204】
【数82】
【0205】
である場合、距離
【0206】
【数83】
【0207】
にわたる左側ステータとトランスレータとの間の引き付け合う相互作用は以下によって規定される:
【0208】
【数84】
【0209】
【数85】
【0210】
:相殺する相互作用力、距離は
【0211】
【数86】
【0212】
である場合、
【0213】
【数87】
【0214】
となる。
【0215】
【数88】
【0216】
:相殺する相互作用力、距離は
【0217】
【数89】
【0218】
である場合:
【0219】
【数90】
【0220】
となる。
【0221】
【数91】
【0222】
:引力、距離は
【0223】
【数92】
【0224】
である場合:
【0225】
【数93】
【0226】
となる。
【0227】
【数94】
【0228】
である場合、距離
【0229】
【数95】
【0230】
にわたる右側ステータとトランスレータとの間の反発の相互作用は以下によって規定される:
【0231】
【数96】
【0232】
【数97】
【0233】
:引力、距離は
【0234】
【数98】
【0235】
である場合:
【0236】
【数99】
【0237】
となる。
【0238】
【数100】
【0239】
:引力、距離は
【0240】
【数101】
【0241】
である場合:
【0242】
【数102】
【0243】
となる。
【0244】
【数103】
【0245】
:反発力、距離は
【0246】
【数104】
【0247】
である場合:
【0248】
【数105】
【0249】
となる。
【0250】
トランスレータに作用する結果として生じる力は全ての相互作用のベクトル和として規定される:
【0251】
【数106】
【0252】
【数107】
【0253】
式中:
【0254】
【数108】
【0255】
はトランスレータの位置を規定し、
【0256】
【数109】
【0257】
はトランスレータがカバーする距離を規定し、
【0258】
【数110】
【0259】
である。
【0260】
さらに、
図2に示されているようなステータ及びトランスレータの分極の結果生じる力を計算する。
図2に示されているトランスレータの分極は「正の」分極とも称され、これは、磁気双極子モーメント
【0261】
【数111】
【0262】
が、方向
【0263】
【数112】
【0264】
の向きであることを意味する。
【0265】
式(3.1)及び(3.2)の組み合わせの結果、式(3.2’)となる:
【0266】
【数113】
【0267】
及び
【0268】
【数114】
【0269】
トランスレータが
図1に従って分極される場合、
【0270】
【数115】
【0271】
がステータとトランスレータとの相互作用から生じる力であり、トランスレータが
図2に従って分極される場合、
【0272】
【数116】
【0273】
が同様の力であるとすると、2つの極間の相互作用に関して以下の関係が規定される:
【0274】
【数117】
【0275】
及び
【0276】
【数118】
【0277】
これは、
【0278】
【数119】
【0279】
であることを意味する。
【0280】
【数120】
【0281】
がトランスレータ又はステータを形成するコイルの巻回数であり、
【0282】
【数121】
【0283】
がステータ又はトランスレータの長さ(メートル(m))であり、
【0284】
【数122】
【0285】
がステータ又はトランスレータの半径(メートル(m))であり、
【0286】
【数123】
【0287】
がトランスレータ又はステータを形成するコイル内の電流の強さ(アンペア(A))であり、
【0288】
【数124】
【0289】
がステータ又はトランスレータの強磁性コアの磁化率であり、
【0290】
【数125】
【0291】
が当てはまるようにステータ♯1が分極され、
【0292】
【数126】
【0293】
が当てはまるようにステータ♯2が分極される場合、
図1に示されている条件に関して以下が当てはまる。
【0294】
【数127】
【0295】
式中、
【0296】
【数128】
【0297】
はトランスレータの磁気双極子モーメント(
【0298】
【数129】
【0299】
)の方向である。この方向はトランスレータ内の交流電圧
【0300】
【数130】
【0301】
によって決まる。
【0302】
【数131】
【0303】
は磁極強度であり、
【0304】
【数132】
【0305】
はトランスレータの位置であり、
【0306】
【数133】
【0307】
はトランスレータがカバーする距離であり、
【0308】
【数134】
【0309】
はステータ間の予め設定された距離である。
【0310】
電磁石が同じ長さを有する場合、すなわち
【0311】
【数135】
【0312】
である場合、式(3.6)を以下のように単純化することができる:
【0313】
【数136】
【0314】
以下の説明に関して、簡単にするために、磁石の極強度は一定であるが、実際には、トランスレータがステータ間を移動するときに、磁気誘導場
【0315】
【数137】
【0316】
が発達すると推測する。
【0317】
式(4.1a)が当てはまる。
【0318】
【数138】
【0319】
式中、
【0320】
【数139】
【0321】
はトランスレータが位置
【0322】
【数140】
【0323】
に到達したときの位置
【0324】
【数141】
【0325】
における
【0326】
【数142】
【0327】
軸上の総誘導磁場であり、
【0328】
【数143】
【0329】
は、位置
【0330】
【数144】
【0331】
における
【0332】
【数145】
【0333】
軸上の第1のステータの誘導磁場であり、
【0334】
【数146】
【0335】
は、位置
【0336】
【数147】
【0337】
における
【0338】
【数148】
【0339】
軸上の第2のステータの誘導磁場であり、
【0340】
【数149】
【0341】
は、位置
【0342】
【数150】
【0343】
における
【0344】
【数151】
【0345】
軸上のトランスレータの誘導磁場である。
【0346】
磁気誘導場のサイズは式(2.1)によって規定したが、このサイズから、第1のステータとトランスレータとの間の磁気誘導場のサイズを導出することができる。
【0347】
【数152】
【0348】
式中、
【0349】
【数153】
【0350】
は、
【0351】
【数154】
【0352】
が計算される軸
【0353】
【数155】
【0354】
上の位置であり、
【0355】
【数156】
【0356】
は、
【0357】
【数157】
【0358】
が計算される軸
【0359】
【数158】
【0360】
上の位置であり、
【0361】
【数159】
【0362】
は、
【0363】
【数160】
【0364】
が計算される軸
【0365】
【数161】
【0366】
上の位置である。
【0367】
【数162】
【0368】
であり、可変の変化として
【0369】
【数163】
【0370】
を用いる場合、
【0371】
【数164】
【0372】
及び
【0373】
【数165】
【0374】
を以下のように表すことができる:
【0375】
【数166】
【0376】
【数167】
【0377】
軸上では、誘導磁場は磁気双極子モーメントと同じ方向を向く。
【0378】
【数168】
【0379】
式中、
【0380】
【数169】
【0381】
は軸
【0382】
【数170】
【0383】
の方向の単位ベクトルであり、
【0384】
【数171】
【0385】
はトランスレータの磁気双極子モーメントの方向であることを考慮すると:以下のようになる:
【0386】
【数172】
【0387】
方向は、トランスレータ内の交流電圧
【0388】
【数173】
【0389】
の方向によって決まる。式(1.4)、(1.6)及び(2.5)を組み合わせると:
【0390】
【数174】
【0391】
となる。
【0392】
以下が当てはまる:
ステータ♯1:
【0393】
【数175】
【0394】
ステータ♯2:
【0395】
【数176】
【0396】
トランスレータ:
【0397】
【数177】
【0398】
式(3.6)は:
【0399】
【数178】
【0400】
に変換され、式中:
【0401】
【数179】
【0402】
はトランスレータの位置であり、
【0403】
【数180】
【0404】
はトランスレータの移動がカバーする距離であり、
【0405】
【数181】
【0406】
はステータの中心間の距離である。
【0407】
磁極強度は、第1のステータに関しては式(4.4a)、第2のステータに関しては式(4.4b)、トランスレータに関しては式(4.4c)を用いて計算する。磁極強度の計算は、式(4.2a)及び(4.2b)を用いた極における総磁気誘導場の計算を含む。
【0408】
式(4.5)はステータ間のトランスレータの位置に依存する。トランスレータに作用する結果として生じる力は、第1のステータとトランスレータとの間の反発力、及び第2のステータとトランスレータとの間の引力からなる。
【0409】
上記の数学的な説明は、ステータに対するトランスレータの特定の位置において、引力、並びに、ステータ及びトランスレータの極が逆になった後の反発力が異なる大きさであることも示している。
【0410】
トランスレータは、ステータに対して回転点の周りで回転可能に支持されることができる。
【0411】
本発明の磁気装置は、トランスレータがステータに対して移動し、さらに、トランスレータ及びステータが別の固定点に対して移動することに基づいて優れているものとすることができる。トランスレータ及びステータが固定点に対して移動すると、トランスレータ及びステータは相互に位置合わせされた移動方向又は反対の移動方向を有することができる。
【0412】
トランスレータ移動経路等の移動経路に沿う回転点の移動も可能であるため、トランスレータはステータに対する移動及び回転を受ける。
【0413】
制御装置は、ステータを移動可能に支持する装置、及び/又は、トランスレータとステータとの間の距離に関してトランスレータを移動可能に支持する装置であるものとすることができる。
【0414】
トランスレータとステータとの間の距離は、ステータ又はトランスレータをシフトさせることによって規定することができる。この文脈では、以下の図面及び添付の図面の説明を参照して、本発明の磁気装置は、活動範囲内に存在する全てのトランスレータ及びステータの相互作用を考慮することを特徴とすることができることを明確に留意されたい。
【0415】
制御装置は、ステータを移動不能に支持する装置、及び/又はトランスレータとステータとの間の距離に関してトランスレータを移動不能に支持する装置であるものとすることができる。
【0416】
相互にシフト不能に支持されるトランスレータ及びステータを含む磁気装置は、ステータとトランスレータとの間で作用する力を制御する制御装置を含む。力を制御することは、個々のステータとトランスレータとの間の相互作用を制御することを含むことができる。
【0417】
ステータは、トランスレータ移動経路に対して一定の距離を有する形状を有することができ、その距離によってトランスレータとステータとの間の距離が規定される。
【0418】
ステータは、トランスレータ移動経路に対して可変の距離を有する形状を有することもでき、その距離によってトランスレータとステータとの間の距離が規定される。
【0419】
ステータ及びトランスレータの互いに向かうシフトに加えて、ステータとトランスレータとの間の距離は、トランスレータ及びステータの互いに対する形状によって規定することができる。示される組み合わせは、距離rが専らステータ及びトランスレータの形状によって規定されることを排除しない。
【0420】
例えば、ステータ及びトランスレータが、ステータ及びトランスレータが平行に配置された状態で合致する形状を有する場合、トランスレータとステータとの間の距離は一定である。
【0421】
ステータ及びトランスレータが互いに対して非平行に配置される場合、トランスレータとステータとの間の距離は一定ではなく、すなわち、トランスレータ移動経路の進路に従って可変であるものとすることができる。
【0422】
ステータ及びトランスレータの形状が合致しない場合、トランスレータとステータとの間の距離は一定ではなく、すなわち、トランスレータ移動経路の進路に従って可変であるものとすることができる。
【0423】
回転点、並びに幾何学的なステータの中心点及び/又は幾何学的なトランスレータの中心点は単一の点に配置することができる。
【0424】
回転点、並びに幾何学的なステータの中心点及び幾何学的なトランスレータの中心点の配置は、特に円形のトランスレータ移動経路及びステータに対するトランスレータの回転運動によって本発明の磁気装置のコンパクトさに起因して有利であり得る。
【0425】
上述したようなステータ及びトランスレータの回転点の周りの互いに対する反対への移動は、本発明の磁気装置の円滑さに関して有利であり得る。
【0426】
ステータ又はトランスレータは電磁石として形成することができ、この場合、電磁石の磁場強度は制御装置によって制御することができる。本明細書において開示される本発明は、双方のステータ及びトランスレータが電磁石として形成されることを排除しない。
【0427】
本発明の磁気装置の制御装置は、電磁石を制御する手段を含むことができる。
【0428】
別の方策は、ステータ及び/又はトランスレータの磁場強度が、トランスレータとステータとの間の距離に依存して制御装置によって規定され、それによって磁気装置が特定の有効性を有することに基づく。ステータ及び/又はトランスレータの磁場強度は、ステータに対するトランスレータの一時的な位置、特に一時的な距離rに関して更に制御することができる。
【0429】
図面に示されるような本発明の磁気装置の実施形態は限定するものとしては決して解釈されるべきではない。