(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6135950
(24)【登録日】2017年5月12日
(45)【発行日】2017年5月31日
(54)【発明の名称】ごみステーション管理システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/26 20120101AFI20170522BHJP
【FI】
G06Q50/26ZIT
【請求項の数】2
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2015-106657(P2015-106657)
(22)【出願日】2015年5月26日
(65)【公開番号】特開2016-218971(P2016-218971A)
(43)【公開日】2016年12月22日
【審査請求日】2015年7月8日
(73)【特許権者】
【識別番号】515142259
【氏名又は名称】鎌ケ谷市清掃事業協同組合
(74)【代理人】
【識別番号】100174805
【弁理士】
【氏名又は名称】亀山 夏樹
(72)【発明者】
【氏名】石井 栄
(72)【発明者】
【氏名】勝又 勝
【審査官】
岸 健司
(56)【参考文献】
【文献】
特開2004−342028(JP,A)
【文献】
特開2015−035009(JP,A)
【文献】
特開2006−178940(JP,A)
【文献】
特開2003−026336(JP,A)
【文献】
特開2004−145737(JP,A)
【文献】
足利市ごみステーション管理地図システム開発業務委託仕様書,[online],足利市役所,2014年 5月26日,p.1-7,[平成28年8月2日検索], インターネット,URL,http://warp.da.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/8702399/www.city.ashikaga.tochigi.jp/uploaded/attachment/25381.pdf
【文献】
Salesforce - セールスフォース : ごみステーション管理,[online],コムチュアマーケティング株式会社,2015年 1月 3日,[平成29年2月22日検索], インターネット,URL,https://web.archive.org/web/20150103193348/http://www.comture-mkt.com/hc/ja/articles/203446154-Salesforce-セールスフォース-ごみステーション管理
【文献】
足利市ごみステーション管理地図システム開発業務委託仕様書,[online],足利市役所,2014年 5月26日,p.1-7,[平成28年8月2日検索],URL,http://warp.da.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/8702399/www.city.ashikaga.tochigi.jp/uploaded/attachment/25381.pdf
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のごみステーションを管理するためのごみステーション管理システムであって、
前記ごみステーションの設定に関する情報を表す設定情報と、前記ごみステーションの変更に関する情報を表す変更情報と、前記ごみステーションの廃止に関する情報を表す廃止情報と、を記憶可能な記憶手段において、前記設定情報、前記変更情報、及び前記廃止情報のうち少なくとも1つが記憶された旨の通知を、前記ごみステーションに出されたごみを収集する収集業者、及び前記収集業者によって収集された前記ごみを受け取るクリーンセンターへ行う通知手段を備え、
前記通知手段は、
複数のごみステーションを管理するステーション管理者の操作によって、前記設定情報、前記変更情報、及び前記廃止情報のうち少なくとも1つが前記記憶手段に記憶されたことを条件に、前記クリーンセンターへは前記通知を行う一方、
前記収集業者へは、前記通知を行う前に、通知先候補の前記収集業者の情報を前記ステーション管理者へ表示することを特徴とするごみステーション管理システム。
【請求項2】
前記通知手段は、前記通知先候補の表示後、前記ステーション管理者から受け付けた選択結果に基づいて、前記収集業者へ前記通知を行うことを特徴とする請求項1記載のごみステーション管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ごみステーション管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
家庭から出たごみは、ごみステーションに出され、収集業者によって、クリーンセンターへ集約される。そして、クリーンセンターでは、集約されたゴミをその種類に応じて、所定の処分を行う。ごみステーションは、市や町などの自治体によって、所定のエリアごとに予め設定される。したがって、当該エリアの住民に対して、当該エリアのごみステーションの位置や、ごみの収集スケジュールを案内するシステムが知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−125479号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、ごみステーションを利用したごみ収集を運用する中で、利用者の要望や、行政側や収集業者の都合により、ごみステーションの変更、分割や廃止などがある。ごみステーションの変更、分割や廃止は、通常、自治体側が行うものである。このため、ごみステーションの変更等が起こった場合、収集業者やクリーンセンターへの情報共有が困難であった。
【0005】
本発明は、斯かる実情に鑑み、収集業者やクリーンセンターとの情報共有を可能にするごみステーション管理システムを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、複数のごみステーションを管理するためのごみステーション管理システムであって、前記ごみステーションの設定に関する情報を表す設定情報と、前記ごみステーションの変更に関する情報を表す変更情報と、前記ごみステーションの廃止に関する情報を表す廃止情報と、を記憶可能な記憶手段において、前記設定情報、前記変更情報、及び前記廃止情報のうち少なくとも1つが記憶された旨の通知を、前記ごみステーションに出されたごみを収集する収集業者、及び前記収集業者によって収集された前記
ごみを受け取るクリーンセンターへ行う通知手段を備え、前記通知手段は、複数のごみステーションを管理するステーション管理者の操作によって、前記設定情報、前記変更情報、及び前記廃止情報のうち少なくとも1つが前記記憶手段に記憶されたことを条件に、前記クリーンセンターへは前記通知を行う一方、前記収集業者へは、前記通知を行う前に、通知先候補の前記収集業者の情報を前記ステーション管理者へ表示することを特徴とする。
【0009】
前記通知手段は、前記通知先候補の表示後、前記ステーション管理者から受け付けた選択結果に基づいて、前記収集業者へ前記通知を行うことが好ましい。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、収集業者やクリーンセンターとの情報共有を可能にするごみステーション管理システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】ごみステーション管理システムの概要を示す説明図である。
【
図4】(A)は、設定情報の概要を示す説明図である。(B)〜(D)は、それぞれ、変更情報、廃止情報、特別収集指示情報の概要を示す説明図である。
【
図5】(A)は、問い合わせ情報の概要を示す説明図である。(B)は、履歴情報の概要を示す説明図である。
【
図6】設定情報が記憶された場合の管理サーバの動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1に示すように、ごみステーション管理システム2は、複数のごみステーションを管理するための管理サーバ10を備える。管理サーバ10は、複数のごみステーションの管理者である市役所20の端末、ごみステーションに出されたごみを収集する収集業者30の端末、及び収集業者30によって収集されたゴミを受け取るクリーンセンター40の端末に対し、通信回線50によって接続されている。
【0013】
図2に示すように、管理サーバ10は、CPU11と、RAM12と、ROM13と、外部記憶装置14と、入力装置15と、表示装置16と、入出力インターフェース18と、バス19と、を備えている。
【0014】
CPU11は、いわゆる中央演算処理装置であり、各種プログラムが実行されて管理サーバ10の各種サービスを実現する。RAM12は、いわゆるRAM(ランダム・アクセス・メモリ)であり、CPU11の作業領域として使用される。ROM13は、いわゆるROM(リード・オンリー・メモリ)であり、CPU11で実行される基本OSや各種プログラム(例えば、ごみステーション管理プログラム)を記憶する。
【0015】
外部記憶装置14は、各種プログラムの演算結果などを記憶するものであり、内蔵型の記憶装置(例えば、ハードディスクドライブ)、着脱可能な記憶装置(例えば、メモリーカード等)がある。なお、外部記憶装置14としては、NAS(ネットワークアタッチストレージ)のように、通信回線50経由で接続されるものでもよい。
【0016】
入力装置15は、入力キーやキーボード、マウスであり、各種情報を入力する。表示装置16は、ディスプレイであり、各種動作状態を表示する。
【0017】
入出力インターフェース18は、通信回線50(
図1)における通信を可能にするものである。バス19は、CPU11、RAM12、ROM13、入力装置15、表示装置16、入出力インターフェース18などを一体的に接続して通信を行う配線となる。
【0018】
ROM13に記憶された基本OSや各種プログラムがCPU11によって実行されると、
図3に示すように、管理サーバ10は、各種情報を記憶できる記憶部61と、管理サーバ10へのログインを管理するログイン管理部62と、記憶部61への各種情報の入力を管理する入力管理部63と、記憶部61の更新を通知する通知部64と、記憶部61への閲覧を管理する閲覧管理部65と、履歴情報の生成や更新を行う履歴部68と、を備える。
【0019】
記憶部61に記憶される各種情報としては、ごみステーションの設定に関する情報を表す設定情報61A、設定されたごみステーションの変更に関する情報を表す変更情報61B、ごみステーションの廃止に関する情報を表す廃止情報61C、個別の収集を行う指示内容に関する情報を表す特別収集指示情報61D、ごみステーションに関する問い合わせ内容に関する情報を表す問い合わせ情報61Xや、履歴情報61Y等がある。
【0020】
図4に示すように、設定情報61Aには、1つごみステーションごとに割り与えられる固有のステーションNo(図では、「ST0001」)、ごみステーションが設定された日時や、設定作業者の氏名、ステーションを担当する収集業者の名称、ごみステーションに関する静止画像データや動画データなどの各種情報が含まれる。変更情報61Bには、ステーションNo、変更日時や、変更作業者の氏名、ステーションを担当する収集業者の名称、ごみステーションに関する静止画像データや動画データなどの各種情報が含まれる。ここで、設定情報61Aや変更情報61Bにおける収集業者の名称としては、1つの業者のものに限られず、複数の収集業者のものであってもよい。廃止情報61Cには、ステーションNo、廃止日時や、廃止作業者の氏名などの各種情報が含まれる。特別収集指示情報61Dには、1件の特別収集指示ごとに割り当てられる固有のID、ステーションNo、ステーションNoに関する収集日時、収集結果、当該特別収集に関する静止画像データや動画データなどの各種情報が含まれる。各情報61A〜61Dの入力は、市役所20の市役所職員20Z、クリーンセンター40のクリーンセンター職員40Zのみ入力が可能である。
【0021】
図5に示すように、問い合わせ情報61Xには、1件の問い合わせごとに割り当てられる固有のID、ステーションNo、ステーションNoに関する問い合わせ日時、問い合わせ者の氏名、問い合わせ内容や、対応結果などの各種情報が含まれる。問い合わせ情報61Xの入力は、市役所20の市役所職員20Z、及びクリーンセンター40のクリーンセンター職員40Zが可能である。
【0022】
履歴情報61Yには、ステーションNo、設定情報61A、変更情報61B、廃止情報61Cの他、特別収集指示情報61Dや問い合わせ情報61Xが含まれる。これらの各種情報は、ステーションNoによって関連付けられ、時系列に表示される。履歴情報61Yは、各種情報61A〜61Xが記憶部61に記憶されたことを条件に、履歴部68によって自動的に生成、更新される。
【0023】
図3に戻って、ログイン管理部62は、システムへのログイン要求を受け付けるとともに、要求元に応じて、ログインを許可するか否かを判定する。本実施形態では、市役所20の市役所職員20Z、クリーンセンター40のクリーンセンター職員40Z、収集業者31の収集担当者31Zと、収集業者32の収集担当者32ZBのログインを許可し、それ以外の者のログインを禁止する設定となっている。
【0024】
入力管理部63は、各種情報の入力操作者をログイン管理部62から入手する。さらに、入力管理部63は、各種情報の入力操作者に基づいて、当該操作に基づく各種情報の入力を許可するか否かを判定し、入力を許可する場合には当該操作による基づく各種情報を記憶部61へ記憶する。本実施形態において、設定情報61A、変更情報61B、廃止情報61C、特別収集指示情報61Dや問い合わせ情報61Xに関して、入力管理部63は、市役所職員20Z及びクリーンセンター職員40Zによる入力操作を許可し、収集担当者31Z〜32Zによる入力操作を禁止する。
【0025】
通知部64は、市役所職員20Zの操作によって、設定情報61A、変更情報61B、及び廃止情報61Cのいずれかが記憶部61に記憶されたことを条件に、前述の情報が記憶部61に記憶されたことをクリーンセンター40へ通知する。さらに、通知部64は、市役所職員20Zの操作によって、設定情報61A、変更情報61B、及び廃止情報61Cが記憶部61に記憶されたことを条件に、収集業者30の候補を市役所職員20Zの端末へ表示する。市役所職員20Zの端末へ表示される収集業者30の候補としては、当該情報に定義された収集業者を用いてもよいし、別の情報(例えば、ステーションNoと、収集業者名とが関連付けられた情報)を利用してもよい。そして、通知部64は、市役所職員20Zの操作によって選択された収集業者に対し、前述の情報が記憶部61に記憶されたことを通知する。
【0026】
閲覧管理部65は、記憶部61に記憶された各種情報の閲覧を管理するものであり、市役所職員20Z及びクリーンセンター職員40Zに対しては、すべての情報の閲覧を許可する一方、収集業者31Z〜32Zに対しては、設定情報61A、変更情報61B、廃止情報61C、及び特別収集指示情報61Dの閲覧を許可し、問い合わせ情報61X及び履歴情報61Yの閲覧を禁止する設定となっている。
【0027】
履歴部68は、各種情報61A〜61Xを、ステーションNoによって関連付けて、履歴情報61Yを生成するものである。
【0028】
次に、ごみステーション管理システム2の利用方法について説明する。
【0029】
市役所職員20Zは、所定の端末を通して、管理サーバ10へのログイン要求を行う。ログイン管理部62は、市役所職員20Zに対し、システムへのログインを許可する(
図6のS100)。
【0030】
ここで、ごみステーションを新規に設定する場合、市役所職員20Zは、所定の操作によって、新規のごみステーションに関する情報を入力する。これにより、記憶部61には、入力情報に基づいた新たな設定情報61Aが記憶される。通知部64は、設定情報61A等が記憶部61に記憶されたか否かを判定する(
図6のS110)。
【0031】
設定情報61A等が記憶部61に記憶されたと判定された場合には、通知部64は、設定情報61Aが記憶部61に記憶されたことを、クリーンセンター40へ通知する(
図6のS120)。
【0032】
さらに、通知部64は、収集業者30の候補を表示する(
図6のS130)。例えば、新たに設定したごみステーションの場所が、複数の収集業者の管轄エリアに含まれる場合には、当該複数の収集業者の名前が市役所職員20Zの端末へ表示される。例えば、当該ごみステーションに関し、可燃ごみ担当が収集業者31で、不燃ごみ担当が収集業者32の場合には、両方を表示するとともに、収集業者31〜32の選択を受け付ける(
図6のS140)。このとき、市役所職員20Zは、表示された当該複数の収集業者の中から、いずれか一方または両方を選択することができる(
図6のS150)。その後、通知部64は、市役所職員20Zの操作によって選択された収集業者に対し、前述の情報が記憶部61に記憶されたことを通知する(
図6のS160)。
【0033】
通知を受けた収集業者30は、所定の端末を通して、管理サーバ10へのログイン要求を行う。ログイン管理部62は、収集業者30に対し、システムへのログインを許可する。
【0034】
その後、閲覧管理部65は、収集業者30に対し、記憶部30に記憶された情報のうち、設定情報61A、変更情報61B、廃止情報61C、及び特別収集指示情報61Dの閲覧を許可し、それ以外の情報(例えば、問い合わせ情報61Xや、履歴情報61Y)の閲覧を禁止する。
【0035】
こうして、ごみステーションを新規に設定する場合、設定された情報は、クリーンセンター職員40Zのみならず、関連する収集業者の担当者にも通知され、閲覧可能となる。したがって、ごみステーションの最新情報について、三者の情報共有を図りながらも、不要な情報の配信を抑えることができる。
【0036】
上記実施形態では、ごみステーションを新規に設定する場合について説明したが、ごみステーションの変更や廃止、そして、特別収集の指示を行う場合も、ごみステーションを新規に設定する場合と同様の処理を行うことができる。したがって、本発明によれば、あらゆる場合においても、三者の情報共有を図りながらも、不要な情報の配信を抑えることができる。
【0037】
上記実施形態では、収集業者31Z〜32Zに対する履歴情報61Yの閲覧規制については、履歴情報61Y全体の閲覧を禁止したが、本発明はこれに限られず、履歴情報61Yのうち、問い合わせ情報61Xの部分のみを閲覧禁止としてもよい。
【0038】
尚、本発明は、上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【符号の説明】
【0039】
2 ごみステーション管理システム
10 管理サーバ
61 記憶部
62 ログイン管理部
63 通知部
64 閲覧管理部
68 履歴部