特許第6135983号(P6135983)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6135983
(24)【登録日】2017年5月12日
(45)【発行日】2017年5月31日
(54)【発明の名称】樹脂の積層成形体及び積層成形品
(51)【国際特許分類】
   B32B 7/02 20060101AFI20170522BHJP
   B32B 27/00 20060101ALN20170522BHJP
【FI】
   B32B7/02 103
   !B32B27/00 A
【請求項の数】5
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-10866(P2013-10866)
(22)【出願日】2013年1月24日
(65)【公開番号】特開2014-141016(P2014-141016A)
(43)【公開日】2014年8月7日
【審査請求日】2015年11月11日
(73)【特許権者】
【識別番号】300041192
【氏名又は名称】宇部興産機械株式会社
(72)【発明者】
【氏名】岡本 昭男
(72)【発明者】
【氏名】宮本 和明
(72)【発明者】
【氏名】福田 裕一郎
【審査官】 相田 元
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−068123(JP,A)
【文献】 特開2006−305809(JP,A)
【文献】 特開2011−158503(JP,A)
【文献】 特開2002−113803(JP,A)
【文献】 特開2002−059513(JP,A)
【文献】 特開平06−190999(JP,A)
【文献】 欧州特許出願公開第01312472(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B32B 1/00−43/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光透過性を有する光透過層と、前記光透過層に対して光透過性の低い、又は、光透過性を有しない基材層とが連続する積層成形体であって、前記光透過層と前記基材層との接触面に意匠が形成されていると共に、前記光透過層及び前記基材層の少なくとも一方を照らすように配置された光源と組み合わされ、
前記意匠が前記光透過層を介して視認可能で、前記光透過層に光輝剤を添加した樹脂材料を採用し、
前記光源からの光線の照射の有無、又は、相違による、前記光輝剤の反射光の有無、又は、相違により、前記意匠の視認性を変化させる積層成形体。
【請求項2】
光透過性を有する光透過層と、前記光透過層に対して光透過性の低い、又は、光透過性を有しない基材層とが連続する積層成形体であって、前記光透過層と前記基材層との接触面に意匠が形成されていると共に、前記光透過層及び前記基材層の少なくとも一方を照らすように配置された光源と組み合わされ、
前記意匠が前記光透過層を介して視認不可能で、前記光透過層に光輝剤を添加した樹脂材料を採用し、
前記光源からの光線の照射により、前記意匠が視認可能となると共に、前記光源からの光線の相違による、前記光輝剤の反射光の相違により、前記意匠の視認性を変化させる積層成形体。
【請求項3】
前記基材層に光輝剤を添加した樹脂材料を採用する、請求項1又は請求項2に記載の積層成形体。
【請求項4】
前記光源が、前記積層成形体の光透過層側、側面側及び前記基材層側の少なくとも1つの層側に配置される請求項乃至請求項のいずれか1項に記載の積層成形体。
【請求項5】
請求項1乃至請求項のいずれか1項に記載の積層成形体を含む積層成形品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂の積層成形体及び積層成形品に関する。
【背景技術】
【0002】
意匠性や機能性を高めた樹脂成形品の一つとして積層成形品が知られている。具体的には、意匠面が複数色で加飾される多色成形品や、手に触れる部位等にすべり止め機能やソフト感を有する樹脂材料が採用された機能性成形品である。近年、自動車等の内外装部品や、家電・OA機器、携帯電子機器等に採用されるこのような積層成形品において、更なる高意匠化の要望が高まり、様々な積層成形品が考案されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、染料、顔料または光拡散剤を含有し且つシート面の一方向に対して単調な厚みの変化を有し、シート面に沿って連続した色調の変化(グラデーション)が認められる層と、該層に積層される透明な層との2つの層より構成されたシート状積層構造体と、該シート状積層構造体の側面端部に配置された光源部とから構成され、該光源部の光照射により色調のグラデーション効果が強調される装飾有機ガラス成形体が開示されている。
【0004】
そして、特許文献2には、成形樹脂層の表面に透光性の加飾層が形成され、その成形樹脂層の裏面に凹凸が設けられている成形同時加飾成形品であって、裏面からの照光時のみ、加飾層から一定意匠のパターンが視認される成形同時加飾成形品が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−113803号公報
【特許文献2】特開2006−069132号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1の装飾有機ガラス成形体においては、シート面の一方向に連続するグラデーション効果の強調、すなわち、意匠面全体の意匠性の向上が目的であるため、背景に対して、文字や記号を効果的に視認させる必要がある樹脂成形品、例えば、メーカーロゴやメーカーマーク、車名やグレード名等を表示させる自動車等のエンブレムや、自動車の内装部品にそれらを表示させるための樹脂成形品、あるいは、家電・OA機器、携帯電子機器等の躯体にそれらを表示させるための樹脂成形品等には適さないという問題がある。
【0007】
一方、特許文献2の成形同時加飾成形品においては、透光性の加飾層が薄いシート、あるいは、樹脂層(厚み0.5〜5μm:段落0024)であり、この加飾層に接着層を介して連続する成形樹脂層の裏面に凹凸(意匠)が設けられている。そのため、裏面からの照光時のみに、透光性の加飾層を介して視認される一定意匠のパターンに、立体感を十分に演出することが難しいという問題がある。
【0008】
本発明は、上記したような問題点に鑑みてなされたもので、具体的には、光透過性を有する光透過層を介する意匠の視認性を変化させ、背景に対して、文字や記号を効果的に視認させることができる積層成形体及び積層成形品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を達成するため、本発明に係る積層成形体は、光透過性を有する光透過層と、前記光透過層に対して光透過性の低い、又は、光透過性を有しない基材層とが連続する積層成形体であって、前記光透過層と前記基材層との接触面に意匠が形成されていると共に、前記光透過層及び前記基材層の少なくとも一方を照らすように配置された光源と組み合わされ、前記意匠が前記光透過層を介して視認可能で、前記光透過層に光輝剤を添加した樹脂材料を採用し、前記光源からの光線の照射の有無、又は、相違による、前記光輝剤の反射光の有無、又は、相違により、前記意匠の視認性を変化させ
【0011】
次に、上記の目的を達成するため、本発明に係る積層成形体は、光透過性を有する光透過層と、前記光透過層に対して光透過性の低い、又は、光透過性を有しない基材層とが連続する積層成形体であって、前記光透過層と前記基材層との接触面に意匠が形成されていると共に、前記光透過層及び前記基材層の少なくとも一方を照らすように配置された光源と組み合わされ、
前記意匠が前記光透過層を介して視認不可能で、前記光透過層に光輝剤を添加した樹脂材料を採用し、
前記光源からの光線の照射により、前記意匠が視認可能となると共に、前記光源からの光線の相違による、前記光輝剤の反射光の相違により、前記意匠の視認性を変化させる
【0012】
また、本発明に係る積層成形体は、前記基材層に光輝剤を添加した樹脂材料を採用しても良い。
【0013】
更に、本発明に係る積層成形体は、前記光源が、前記積層成形体の光透過層側、側面側及び前記基材層側の少なくとも1つの層側に配置されることが好ましい。
【0014】
本発明に係る積層成形品は、このような積層成形体を含む積層成形品である。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、光透過性を有する光透過層と、前記光透過層に対して光透過性の低い、又は、光透過性を有しない基材層とが連続する積層成形体であって、前記光透過層と前記基材層との接触面に意匠が形成されていると共に、前記光透過層及び前記基材層の少なくとも一方を照らすように配置された光源と組み合わされ、前記意匠が前記光透過層を介して視認可能で、前記光透過層に光輝剤を添加した樹脂材料を採用し、前記光源からの光線の照射の有無、又は、相違による、前記光輝剤の反射光の有無、又は、相違により、前記意匠の視認性を変化させたり、
前記意匠が前記光透過層を介して視認不可能で、前記光透過層に光輝剤を添加した樹脂材料を採用し、前記光源からの光線の照射により、前記意匠が視認可能となると共に、前記光源からの光線の相違による、前記光輝剤の反射光の相違により、前記意匠の視認性を変化させたりするため、光透過性を有する光透過層を介する、意匠の視認性を変化させ、背景に対して、文字や記号を効果的に視認させることができる積層成形体及び積層成形品を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】実施例1に係る積層成形体及び光源の配置を示す概略平面図である。
図2図1の要部Xの拡大図である。
図3図2のA−A断面における、積層成形体の意匠の視認性の変化を示す図である。
図4】実施例2に係る積層成形体及び光源の配置を示す概略平面図である。
図5図4の要部Yの拡大図である。
図6図5のB−B断面における、積層成形体の意匠の視認性の変化を示す図である。
図7】光源の別の配置を示す概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明を実施するための形態について、添付図面を参照しながら詳細に説明する。
【実施例1】
【0018】
図1乃至図3を参照しながら、本発明の実施例1に係る積層成形体を説明する。図1(a)及び図1(b)は、積層成形体及び光源の配置を示す概略平面図である。図1(a)が自然光もしくは室内光のみで、光源から光線を照射していない状態、図1(b)が同光源から光線を照射している状態を示す。図2は、図1(a)の要部Xの拡大図である。図3(a)乃至図3(c)は、図2のA−A断面における、積層成形体の意匠の視認性の変化を示す図である。図3(a)が自然光もしくは室内光のみで、光源から光線を照射していない状態、図3(b)が同光源から光線を照射している状態、図3(c)が光透過層に光輝剤を添加した樹脂材料を採用する場合の状態を示す。
【0019】
実施例1に係る積層成形体10は、図1及び図3に示すように、光透過性を有する光透過層11と、光透過層11に対して光透過性の低い、又は、光透過性を有しない基材層12とが連続する平板状の積層成形体であって、光透過層11と基材層12との接触面に意匠13が形成されていると共に、光透過層11及び基材層12の少なくとも一方を照らすように光源14が積層成形体10の側面側2箇所に対向するように配置されている。本実施例1においては、説明を簡単にするため、基材層12は光透過性を有しないものとし、意匠13は「UBE」のアルファベット3文字とする。また、光源14が光透過層11を照らすように光透過層11の側面側に配置されているものとする。
【0020】
積層成形体10は、図1(a)に示すように、自然光もしくは室内光のみで、光源14から光線を照射していない状態において、光透過層11を介して意匠13が視認可能である。具体的には、図3(a)に示すように、光透過層11側からの積層成形体10への自然光もしくは室内光は、光透過層11に反射する反射光α(アルファ)、光透過層11を透過し、基材層12に反射する反射光β(ベータ)及び意匠13に反射する反射光γ(ガンマ)となり、それぞれの反射状態の相違により、光透過層11側からの意匠13の視認性を確保する。意匠13の断面形状は、説明を簡単にするため、基材層12からの三角状の凸形状の組み合わせとしたが、これに限定されるものではなく、自然光もしくは室内光のみで意匠13の視認性が確保できれば、基材層12の凹形状(光透過層11の凸形状)であっても、2つの層に連続する凹凸形状であっても良い。
【0021】
そして、図3(b)に示すように、積層成形体10の側面側2箇所に対向するように配置されている光源14から光透過層11へ光線を照射させれば、照射された光線は光透過層11をそのまま透過し、光透過層全体を発光させると共に、意匠13において反射光γ’となり、自然光もしくは室内光のみの状態から意匠13の視認性を変化させる。光源14は、方向性を有しない可視光線を照射可能な光源であれば特に制約は無い。また、光源数及び光源の配置や、光源色や照度、あるいは、方向性を有するレーザー光線等、複数種類の光源を組み合わせることにより、光透過層11を介する意匠13の視認性を様々に変化させることができる。
【0022】
一方、図3(c)に示すように、光透過層11に、蛍光染料、無機系、高分子及び金属微粒子等の、光反射性や光拡散性を有する光輝剤を添加した樹脂材料を採用することにより、光源14から光透過層11へ照射された光線は、意匠13だけでなく、光透過層11に点在するこれら光輝剤の粒子15に反射する反射光β’となり、光透過層11を介する意匠13の視認性を更に変化させることができる。本実施例1においては、説明を簡単にするため、基材層12は光透過性を有せず、光源14が光透過層11を照らすように配置されているとしたが、基材層12を光透過層11に対して光透過性の低い層とし、光源14が基材層12も照らすように配置されれば、光源14から光線を照射していない状態における意匠13の視認性を確保しつつ、光透過層11と同様に、光源14から照射される光線により、基材層12の発光効果を得ることができ、基材層12にも光輝剤を添加した樹脂材料を採用すれば、基材層12に点在する光輝剤における反射効果を得ることができる。
【0023】
以上説明したように、本実施例1に係る積層成形体10は、自然光もしくは室内光のみで、光源14から光線を照射していない状態において、光透過層11を介する意匠13の視認性を確保しつつ、光源14から照射される光線により、自然光もしくは室内光のみの状態から意匠13の視認性を変化させ、背景に対して、文字や記号を効果的に視認させることができる。また、複数種類の光源を組み合わせることにより、その変化のバリエーションは多種多様である。更に、本実施例1に係る積層成形体10は、それ自体をインサート部品として、更に別の機能性樹脂やフィルムを積層成形した積層成形品としても利用可能である。
【0024】
このような積層成形体10もしくは積層成形体10を含む積層成形品には、様々な用途が考えられる。例えば、自動車等のエンブレムや自動車等の内装部品に採用すれば、表面に適度な厚みを有する光透過層を有するため、通常においても高級感のある意匠の視認性が、夜間のヘッドライトの点灯に伴い、ほのかに発光した背景に車名やグレード名が立体的に浮かび上がるように変化させるような、通常とは異なる高級感を演出したり、運転モードに応じて、それらの表示色を変化させたりするような機能性を演出することができる。一方、家電・OA機器、携帯電子機器等の躯体に、メーカー名やメーカーロゴを表示させるための樹脂成形品に採用すれば、電源投入に連動させて、発光した背景にこれら表示を立体的に浮かびあがらせたり、その発光色をランダムに変化させたりする演出が可能である。
【0025】
このような演出の、光源を活用する部分は、特許文献1の装飾有機ガラス成形体でも可能ではあるが、意匠である文字や図形ではなく、それら背景のグラデーション効果の強調が目的であるため、光源を活用しても、2種の層が接触する界面に施された立体的パターンによる文字もしくは図形の視認性を向上させることは難しい。また、これら立体的パターンによる文字もしくは図形が、一方向に対して単調な厚みの変化を有する一方の層、すなわち、傾斜面に施されるため、透明な層からのこれら立体的パターンの視認性に、均一な厚みの立体感を演出することが困難であり、上記のような、背景に対して、様々な角度から文字や記号を効果的に視認させる必要がある樹脂成形品には適さない。
【0026】
一方、特許文献2の成形同時加飾成形品においても、透光性の加飾層が非常に薄く、この加飾層に接着層を介して連続する成形樹脂層の裏面に設けられた凹凸(意匠)に照光して一定意匠のパターンを加飾層から視認可能にするだけなので、上記のような樹脂成形品には適さないことは、先に説明したとおりである。
【実施例2】
【0027】
次に、図4乃至図6を参照しながら、本発明の実施例2に係る積層成形体を説明する。図4(a)及び図4(b)は、積層成形体及び光源の配置を示す概略平面図である。図4(a)が自然光もしくは室内光のみで、光源から光線を照射していない状態、図4(b)が同光源から光線を照射している状態を示す。図5は、図4(b)の要部Yの拡大図である。図6(a)及び図6(b)は、図5のB−B断面における、積層成形体の意匠の視認性の変化を示す図である。図6(a)が自然光もしくは室内光のみで、光源から光線を照射していない状態、図6(b)が同光源から光線を照射している状態を示す。
【0028】
実施例2に係る積層成形体10’が実施例1に係る積層成形体10と異なる点は、図4(a)に示すように、自然光もしくは室内光のみで、光源14が光線を照射していない状態において、光透過層11を介して意匠13’が視認不可能である点である。これらの点以外は、実施例1に係る積層成形体10と基本的に同じであるため、その詳細な説明は省略、又は、実施例1を引用して説明し、相違点についてのみ詳細に説明する。尚、この相違点に起因して、実施例1の説明と区別する対象については、実施例1と同じ符号に”’(アポストロフィ)”を付して区別するものとする。
【0029】
先に説明したように、積層成形体10’は、図4(a)に示すように、自然光もしくは室内光のみで、光源14から光線を照射していない状態において、光透過層11を介して意匠13’が視認不可能である。具体的には、図6(a)に示すように、光透過層11側からの積層成形体10’への自然光もしくは室内光は、光透過層11に反射する反射光α、基材層12に反射する反射光β及び意匠13に反射する反射光γとなるが、それぞれの反射状態の相違、特に、反射光β及び反射光γの反射状態の相違を小さくする、あるいは、反射光γの反射量を減少させる(視覚への入射量を減少させる)ことにより、光透過層11側から、意匠13を視認不可能な状態とすることができる。
【0030】
このように、意匠面に何らかの凹凸があるにも関わらず、それを視認不可能にする技術は、意匠面に透明樹脂層を積層成形して、意匠面樹脂層のひけ(冷却固化収縮により成形品体積が減少し意匠面に生じる凹み)やウエルドライン(製品形状の制約で、金型内で複数の流動樹脂の合流部に生じる線状の凹部)等の不良部位を目視不可能とするような高意匠樹脂成形品用の成形技術として知られている。このような技術から、意匠13’の断面形状を、基材層12からの厚み方向の凹量の少ない凹形状としたが、これに限定されるものではなく、自然光もしくは室内光のみで意匠13を視認不可能な状態とすることができれば、基材層12の凸形状(光透過層11の凹形状)であっても、2つの層に連続する凹凸形状であっても良い。
【0031】
以上説明したように、本実施例2に係る積層成形体10’は、自然光もしくは室内光のみで、光源14から光線を照射していない状態において、光透過層11を介する意匠13’が視認不可能である点が特徴である。この特徴は、自動車等の内装部品で一定の運転モード(例えばスポーツモード等)を選択した場合にのみ、関連する操作スイッチ等の表示を、発光した背景に立体的に視認可能としたり、近年、家具化が進み、シンプルな外観イメージが重要視される、大型テレビやパソコン、あるいは、冷蔵庫等の大型家電製品において、非使用時や、誰もその部屋にいない場合はメーカーロゴ等を全く表示させず、それらを使用している間や、誰かがその部屋にいる間のみ、控えめに、しかし、印象的に表示させたりするような演出に好適である。
【0032】
一方、本実施例2に係る積層成形体10’が、光源14から照射される光線により、自然光もしくは室内光のみの状態から意匠13’の視認性を変化させ、背景に対して、文字や記号を効果的に視認させることができる点は、実施例1に係る積層成形品10と同様であり、その説明は省略する。
【0033】
本発明は、上記の実施の形態に限定されることなく色々な方法で実施できる。例えば、実施例1及び実施例2に係る積層成形体において、説明及び図面を簡単にするために、光源14が積層成形体の側面側2箇所に対向するように配置されているとしたが、意匠の視認性を変化させるために、図7に示すような様々な光源の配置が可能である。例えば、自動車のナンバープレートや店舗等の看板のように、文字や記号自体を光源からの光線の照射により、効果的に視認させた上で、背景も含めた全体にも照明を当てるように、積層成形体の側面側だけでなく、光透過層側に配置させて、2つの層側から様々な光線を照射させても良い(図7(a))。また、積層成形体の基材層を、光透過性を有する樹脂材料として、積層成形体の側面側に加えて、背面側にも光源を配置させても良い(図7(b))。この場合、光透過層を照らす光源及び基材層を照らす光源からの光線の種類を変えることができ、例えば、異なる色の光線でそれぞれの層を照らせば、単色の光線の照射時から意匠の視認性を更に変化させることが可能となる。
【符号の説明】
【0034】
10 積層成形体
10’ 積層成形体
11 光透過層
12 基材層
13 意匠
13’ 意匠
14 光源
15 光輝剤の粒子
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7