(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記集塵極は、所定の形状の開口部を有する多角筒を単位として、複数の前記単位の集合体により構成され、前記筒の長手方向を前記所定方向として、前記ガスを流通させる、
請求項1に記載の電気集塵装置。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
【0015】
[湿式電気集塵装置の構成]
はじめに、
図1を参照して、湿式電気集塵装置1の構成について説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る湿式電気集塵装置の概略構成を示す断面図である。
具体的には、
図1(A)及び
図1(B)は、湿式電気集塵装置の外観の概略構成を示す断面図であり、相互に略直角の別々の方向からみた断面図である。
【0016】
湿式電気集塵装置1には、上部ケーシング11と、側部ケーシングとしても機能する集塵極12と、下部ケーシング13と、架構14と、が設けられている。
【0017】
上部ケーシング11と、集塵極12と、下部ケーシング13とが上方からその順番で組み合わされることによって、湿式電気集塵装置1の筺体が構成される。湿式電気集塵装置1の筺体は、架構14により、地上から所定距離だけ上方に離間して固定されている。湿式電気集塵装置1の筺体の材質は、本実施形態では導電性のFRP(Fiber Reinforced Plastics)が採用されている。
湿式電気集塵装置1の筺体内部には、上部グリッド21と、上述した集塵極12と、下部グリッド23と、電極ロッド24と、放電線25と、ウェイト26と、ガス導入部27とが設けられている。ガス導入部27の詳細については、
図3〜
図6を参照して後述する。
【0018】
図2は、湿式電気集塵装置1の筺体内部の概略構成を示す斜視図である。
図2に示すように、湿式電気集塵装置1の筺体内部の集塵極12の上端には、上向きスプレーノズル28と、洗浄用配管29とが設けられている。
【0019】
上部グリッド21と、集塵極12と、下部グリッド23とは、
図2に示すように、上方からその順番で相互に所定距離だけ離間して、水平方向に相互に略平行となるように、配設されている。
【0020】
集塵極12は、
図2に示すように、角筒を単位(以下、このような単位を「極室」と呼ぶ)として、複数の「極室」を繰り返し連続して配置することによって構成される。
具体的には、以下、略水平方向のうち、一方向を「縦方向」と呼び、縦方向に直角な方向を「横方向」と呼ぶ。この場合、縦方向にN個の単位を繰り返し連続して配置させ、横方向にM個の単位を繰り返し連続して配置させること(以下、「N×M」と表現する)によって、集塵極12が構成される。
ここで、NとMとは独立した任意の整数値であり、本実施形態では、
図2に示すように、集塵極12の「極室」の個数はN×M=9×9個とされている。
また、本実施形態の極室は、35〜50cmの長さの辺からなる角筒である。
なお、集塵極12の材質は、本実施形態では、導電性のFRPが採用されている。
【0021】
このような集塵極12に対する放電極は、本実施形態では、電極ロッド24及び放電線25により構成されている。
電極ロッド24は、
図2に示すように、集塵極12の所定の「極室」の中央内部を略垂直方向に貫通するように配設され、上端部が上部グリッド21に固定され、下端部が下部グリッド23に固定される。
放電線25は、
図2に示すように、上部グリッド21から吊下げられ、集塵極12の所定の「極室」の中央内部を略垂直方向に貫通するように配設される。放電線25はまた、弛まないだけの張力を持たすように、下部グリッド23の上部に設けられたウェイト26に接続される。
【0022】
電極ロッド24には、電源装置2から供給される負極の直流高電圧(荷電電圧)が直接印加される。一方、放電線25には、当該負極の直流高電圧が、上部グリッド21を介して印加される。
【0023】
上向きスプレーノズル28は、集塵極12の各「極室」の四隅の上方に配設され、洗浄用配管29に流通している洗浄水を、略垂直上向き方向に微細の霧として噴出する。これにより、集塵極12に付着したミストやダスト等の微粒子を洗浄除去することが可能になる。
【0024】
本実施形態の湿式電気集塵装置1では、洗浄水は、上向きスプレーノズル28から微細の霧として略垂直上向き方向に噴出される。これにより、洗浄水の分散がよくなるため、使用される洗浄水の水量を従来使用される水量より減少させることができる。
【0025】
[湿式電気集塵装置の動作]
次に、以上の構成の本実施形態の湿式電気集塵装置1の動作について説明する。
集塵極12(
図2)が接地された状態で、直流高電圧Vcが放電極に印加される。なお、放電極とは、上述の如く、電極ロッド24及び放電線25(
図2)をまとめたものである。
直流高電圧Vcの値が上昇すると、放電極と、その周囲を囲む集塵極12の「極室」の各側面との間に負コロナ放電が発生し、その結果、放電極から、集塵極12の「極室」の各側面の各々に向かう方向に負イオンが移行すると共に、同方向にイオン風が発生する。
【0026】
このように、本実施形態の湿式電気集塵装置では、集塵極12の各「極室」の内部空間がイオン空間になる。従って、
図1に示すように、ミストやダスト等の微粒子を含む気体G1が、湿式電気集塵装置の筺体下部のガス導入部27に供給されて、集塵極12の各「極室」の下端の開口部から上端の開口部に向かう方向(以下、「極室内流通方向」と呼ぶ)に流通すると、負イオンの衝突により微粒子が帯電する。
帯電した微粒子は、集塵極12の各「極室」内部の直流電界により、放電極から、集塵極12の各「極室」の側面の各々に向かう方向に力を受けて移動して、集塵極12の各「極室」の側面にそれぞれ付着する。
このようにして、ガスG1から微粒子が除去される。ガスG1から微粒子が除去されたガスG2は、集塵極12の各「極室」の上端部から放出され、さらに、
図1に示すように、本実施形態の湿式電気集塵装置1の筺体の上部から排出される。
【0027】
[湿式電気集塵装置のガス導入部の詳細]
次に、このような湿式電気集塵装置1において、集塵極12に微粒子を導入するためのガス導入部27の詳細について説明する。
【0028】
先ず、本発明が適用されるガス導入部27の理解を容易なものとすべく、
図3を参照して、従来の湿式電気集塵装置のガス導入部の構造について説明する。
なお、
図1及び
図2に記載の本実施形態の湿式電気集塵装置1との比較を容易なものとすべく、従来の湿式電気集塵装置のガス導入部以外の構成については、本実施形態と同様であるものとする。
【0029】
図3は、従来の湿式電気集塵装置のガス導入部27Pの構造を示す図である。
図3(A)は、従来の湿式電気集塵装置のガス導入部27Pの側面図を示し、
図3(B)は、従来の湿式電気集塵装置のガス導入部27Pの正面図を示す。
図3(A)及び
図3(B)に示すように、従来の湿式電気集塵装置のガス導入部27Pは、横筒部31Pと、縦筒部32Pと、縦筒部32Pの内方に配置されたガイドベーン33Pと、により構成される。
【0030】
横筒部31Pは、従来の湿式電気集塵装置にガス導入部27Pが配設された状態では、略水平方向に配置され、ガスロード時に、略水平方向に取り込まれたガスG1を、略水平方向に流通させて縦筒部32Pへ送り込む。
縦筒部32Pは、従来の湿式電気集塵装置にガス導入部27Pが配設された状態では、略水平方向に配置され、横筒部31Pから送り込まれたガスG1を、その流通方向を変化させて、従来の湿式電気集塵装置の集塵極の各「極室」の下端の開口部に送り込む。
縦筒部32Pは、第1筒部41Pと、第2筒部42Pと、第3筒部43Pと、により構成される。これら第1筒部41P、第2筒部42P及び第3筒部43Pは、それぞれ一体として形成される。
第1筒部41Pは、従来の湿式電気集塵装置にガス導入部27Pが配設された状態では、横筒部31Pに対し直交して略垂直方向に配置され、横筒部31Pから取り込まれたガスG1を第2筒部42Pに送り込む。
第2筒部42Pは、従来の湿式電気集塵装置にガス導入部27Pが配設された状態では、第1筒部41Pの上端において延設され、上方に向かって開口するフランジ状に形成され、第1筒部41Pから取り込まれたガスG1を第3筒部43Pに送り込む。
第3筒部43Pは、従来の湿式電気集塵装置にガス導入部27Pが配設された状態では、第2筒部42Pの上端において略垂直方向に向かって延設されており、第2筒部42Pから取り込まれたガスG1を、従来の湿式電気集塵装置の集塵極の各「極室」の下端の開口部に送り込む。
【0031】
ガイドベーン33Pは、縦筒部32Pの内方に配置された第1案内板51P及び第2案内板52Pにより形成されている。第1案内板51Pと第2案内板52Pとはそれぞれ接続板53Pにより接続されている。
第1案内板51Pは、第1筒部41Pの内方に配置された複数の板状体により形成されている。第1案内板51Pは、従来の湿式電気集塵装置にガス導入部27Pが配設された状態では、垂直方向、即ち、上述の極室内流通方向(集塵極の各「極室」の下端の開口部から上端の開口部に向かう方向)と略平行に配置されている。これにより、第1案内板51Pは、横筒部31Pから略水平方向に取り込まれたガスG1を、その流通方向を略垂直方向(極室内流通方向)に変化させて、第2案内板52Pへ誘導する。
第2案内板52Pは、従来の湿式電気集塵装置にガス導入部27Pが配設された状態では、第1案内板51Pの上端において屈曲して延設され、上方に向かって開口するフランジ状に形成される。これにより、第1案内板51Pから取り込まれたガスG1は、第2案内板52Pで誘導されることによって、水平方向に拡散しつつ、従来の湿式電気集塵装置の集塵極の各「極室」の下端の開口部に送り込まれる。このため、第1案内板51Pから取り込まれたガスG1は、屈曲した第2案内板52Pへ衝突し、集塵極12側へ流れ込むガスG1の風量にばらつきが生じる。その結果、重金属を含むダストの集塵効率を十分に高めることができなかった。
【0032】
そこで、本実施形態においては、重金属を含むダストの集塵効率の向上を図るために、ガイドベーンを極室内流通方向(垂直方向)と略平行に配置する構造を採用している。
以下、
図4及び
図6を参照して、本実施形態に係る湿式電気集塵装置1のガイドベーンを含むガス導入部27の3つの例について説明する。
【0033】
図4は、本発明が適用されるガス導入部27の第1の例(以下、第1の例のガス導入部27を、他の例と区別すべく、「ガス導入部27C」と呼ぶ)の構造を示す図である。
図4(A)は、ガス導入部27Cの側面図を示し、
図4(B)は、ガス導入部27Cの正面図を示す。
図4(A)及び
図4(B)に示すように、湿式電気集塵装置C1のガス導入部27Cは、横筒部31Cと、縦筒部32Cと、縦筒部32Cの内方に配置されたガイドベーン33Cと、により構成される。
【0034】
横筒部31Cは、従来のガス導入部27Pの横筒部31Pと基本的に同様の構造を有しているため、その説明については省略する。
縦筒部32Cは、従来のガス導入部27Pの縦筒部32Pと基本的に同様の構造を有している。即ち、縦筒部32Cは、一体として形成される、第1筒部41Cと、第2筒部42Cと、第3筒部43Cとにより構成されるが、これら第1筒部41C、第2筒部42C、及び第3筒部43Cの各々は、従来についての、第1筒部41P、第2筒部42P、及び第3筒部43Pの各々と基本的に同様の構造を有している。従って、これらの説明については省略する。
【0035】
ガイドベーン33Cは、縦筒部32Cの内方に配置された第1案内板51C及び第2案内板52Cにより形成されている。第1案内板51Cと第2案内板52Cとはそれぞれ接続板53Cにより接続されている。
第1案内板51Cは、第1筒部41Cの内方に配置された複数の板状体により形成されている。第1案内板51Cは、本実施形態の湿式電気集塵装置1にガス導入部27Cが配設された状態では、垂直方向、即ち、上述の極室内流通方向(集塵極12の各「極室」の下端の開口部から上端の開口部に向かう方向)と略平行に配置されている。これにより、第1案内板51Cは、横筒部31Cから略水平方向に取り込まれたガスG1を、その流通方向を略垂直方向(極室内流通方向)に変化させて、第2案内板52Cへ誘導する。
第2案内板52Cは、本実施形態の湿式電気集塵装置1にガス導入部27Cが配設された状態では、第1案内板51Cの上端において略垂直方向に延設されている。換言すると、第1案内板51Cと第2案内板52Cとは、本実施形態の湿式電気集塵装置1にガス導入部27Cが配設された状態では、垂直方向、即ち、上述の極室内流通方向と略平行に配置されている。これにより、第1案内板51Cから取り込まれたガスG1は、第2案内板52Cにおいて衝突することなく、集塵極12の各「極室」の下端の開口部に送り込まれる。したがって、集塵極12に流れるガスG1の風量にばらつきがさほど生じないため、重金属を含むダストの集塵効率を高めることができる。
【0036】
図5は、本発明が適用されるガス導入部27の第2の例(以下、第2の例のガス導入部27を、他の例と区別すべく、「ガス導入部27D」と呼ぶ)の構造を示す図である。
図5(A)は、ガス導入部27Dの側面図を示し、
図5(B)は、ガス導入部27Dの正面図を示し、
図5(C)は、湿式電気集塵装置1のガス導入部27Dの上方から見た斜視図を示す。
図5(A)、
図5(B)及び
図5(C)に示すように、湿式電気集塵装置D1のガス導入部27Dは、横筒部31Dと、縦筒部32Dと、縦筒部32Dの内方に配置されたガイドベーン33Dと、により構成される。
第2の例の横筒部31Dは、従来のガス導入部27Pの横筒部31Pと基本的に同様の構造を有しているため、その説明については省略する。
第2の例の縦筒部32Dは、従来のガス導入部27Pの縦筒部32Pと基本的に同様の構造を有している。即ち、縦筒部32Dは、一体として形成される、第1筒部41Dと、第2筒部42Dと、第3筒部43Dとにより構成されるが、これら第1筒部41D、第2筒部42D、及び第3筒部43Dの各々は、従来についての、第1筒部41P、第2筒部42P、及び第3筒部43Pの各々と基本的に同様の構造を有している。従って、これらの説明については省略する。
【0037】
ガイドベーン33Dは、縦筒部32Dの内方に配置された第1案内板51D及び第2案内板52Dにより形成されている。第1案内板51Dと第2案内板52Dとはそれぞれ接続板53Dにより接続されている。
第1案内板51Dは、第1筒部41Dの内方に配置された複数の板状体により形成されている。第1案内板51Dを構成する複数の各板状体の面は、互いに直交する方向に組み合わされ、本実施形態の湿式電気集塵装置D1にガス導入部27Dが配設された状態では、垂直方向、即ち、上述の極室内流通方向と略平行に形成されている。即ち、第1案内板51Dを構成する複数の各板状体の面は、互いに格子状に組み合わせて構成されている。これにより、第1案内板51Dは、横筒部31Dから取り込まれたガスG1を第1案内板51Dに当接させることで、ガスG1の流れを垂直方向へ向けることができる。即ち、第1案内板51は、横筒部31から取り入れたガスG1を第2案内板52へ誘導することができる。
第2の例の第2案内板52は、従来のガス導入部27Pの第2案内板52Pと基本的に同様の構造を有しているため、その説明については省略する。
【0038】
図6は、湿式電気集塵装置1のガス導入部27の第3の例(以下、第3の例のガス導入部27を、他の例と区別すべく、「ガス導入部27E」と呼ぶ)の構造を示す図である。
図6(A)は、湿式電気集塵装置1のガス導入部27Eの側面図を示し、
図6(B)は、湿式電気集塵装置1のガス導入部27Eの正面図を示す。
図6(C)は、湿式電気集塵装置1のガス導入部27Eの上方から見た斜視図を示す。
図6(A)、
図6(B)及び
図6(C)に示すように、湿式電気集塵装置E1のガス導入部27Eは、横筒部31Eと、縦筒部32Eと、縦筒部32Eの内方に配置されたガイドベーン33Eと、により構成される。
【0039】
横筒部31Eは、従来のガス導入部27Pの横筒部31Pと基本的に同様の構造を有しているため、その説明については省略する。
縦筒部32Eは、従来のガス導入部27Pの縦筒部32Pと基本的に同様の構造を有している。即ち、縦筒部32Eは、一体として形成される、第1筒部41Eと、第2筒部42Eと、第3筒部43Eとにより構成されるが、これら第1筒部41E、第2筒部42E、及び第3筒部43Eの各々は、従来についての、第1筒部41P、第2筒部42P、及び第3筒部43Pの各々と基本的に同様の構造を有している。従って、これらの説明については省略する。
【0040】
ガイドベーン33Eは、縦筒部32Eの内方に配置された第1案内板51E及び第2案内板52Eにより形成されている。第1案内板51Eと第2案内板52Eとはそれぞれ接続板53Eにより接続されている。
第1案内板51Eは、第1筒部41Eの内方に配置された複数の板状体により形成されている。第1案内板51Eを構成する複数の各板状体の面は、互いに直交する方向に組み合わされ、本実施形態の湿式電気集塵装置1にガス導入部27Cが配設された状態では、垂直方向、即ち、上述の極室内流通方向と略平行に形成されている。即ち、第1案内板51Eを構成する複数の各板状体の面は、互いに格子状に組み合わせて構成されている。これにより、第1案内板51Eは、横筒部31Eから取り込まれたガスG1を第1案内板51Eに当接させることで、ガスG1の流れを垂直方向へ向けることができる。即ち、第1案内板51Eは、横筒部31Eから取り入れたガスG1を第2案内板52Eへ誘導することができる。
第2案内板52Eは、第1の例の第2案内板52Cと基本的に同様の構造を有している。即ち、第2案内板52Eは、本実施形態の湿式電気集塵装置1にガス導入部27Eが配設された状態では、第1案内板51Eの上端において略垂直方向に延設されている。換言すると、第1案内板51Cと第2案内板52Cとは、本実施形態の湿式電気集塵装置1にガス導入部27Cが配設された状態では、垂直方向、即ち、上述の極室内流通方向と略平行に配置されている。これにより、第1案内板51Eから取り込まれたガスG1は、第2案内板52Eにおいて衝突することなく、集塵極12の各「極室」の下端の開口部に送り込まれる。したがって、集塵極12に流れるガスG1の風量にばらつきがさほど生じないため、重金属を含むダストの集塵効率を高めることができる。
【0041】
次に、
図7〜14を参照して、本実施形態の湿式電気集塵装置1の模型の集塵極12の極室出口の風洞実験の速度分布の実験結果(測定結果とシミュレーション結果)について説明する。
風洞実験を行うにあたり作成した模型は、実機の1/5スケールのものを使用し、集塵極12の極室は140室とした。
風洞実験の各測定は、2回実施し、測定値とシミュレーション結果とを比較した。
なお、第2の例については、シミュレーション結果のみ実験を行った。
【0042】
図7は、本実施形態との比較を容易なものとすべく、
図3の従来のガイドベーン33Pを備える従来の湿式電気集塵装置において、実機と同風速にした状態における集塵極の極室出口の速度分布を示す図である。
図7には、従来のガイドベーン33Pを備える従来の湿式電気集塵装置の模型の集塵極の極室出口の風洞実験の速度分布の測定結果として、140室の各々の風速の分布
図71C1、及び、ラインL1〜L6上に配置される各「極室」を測定位置とした場合における各ラインL1〜L6の各々についての風速のグラフG1〜G6が示されている。
グラフG1〜G6の横軸は、ラインL1〜L6上の各測定位置(各「極室」)を示し、グラフG1〜G6の縦軸は、ラインL1〜L6上の各測定位置における風速を示す。
従来のガイドベーン33Pを使用した場合には、測定値同士でもばらつきは見られるが、シミュレーション結果も含め、集塵極12の外側の流速が早く、中心部が遅い傾向となった。
【0043】
図8は、本実施形態との比較を容易なものとすべく、
図3の従来のガイドベーン33Pを備える従来の湿式電気集塵装置において、実機の2倍の風速にした状態における集塵極の極室出口の速度分布を示す図である。
図8には、従来のガイドベーン33Pを備える従来の湿式電気集塵装置の模型の集塵極の極室出口の風洞実験の速度分布の測定結果として、140室の各々の風速の分布
図71C2、及び、ラインL1〜L6上に配置される各「極室」を測定位置とした場合における各ラインL1〜L6の各々についての風速のグラフG11〜G16が示されている。
グラフG11〜G16の横軸は、ラインL1〜L6上の各測定位置(各「極室」)を示し、グラフG11〜G16の縦軸は、ラインL1〜L6上の各測定位置における風速を示す。
従来のガイドベーン33Pを使用した場合には、風速を実機の2倍にしても、実機と同風速にした状態における集塵極12の極室出口の速度分布と同じ傾向となった。
【0044】
図9は、
図4の第1の例のガイドベーン33Cを備える本実施形態の湿式電気集塵装置1において、実機と同風速にした状態における集塵極12の極室出口の速度分布を示す図である。
図9には、ガイドベーン33Cを備える湿式電気集塵装置1の模型の集塵極12の極室出口の風洞実験の速度分布の測定結果として、従来の
図7と同一のラインL1〜L6上に配置される各「極室」を測定位置とした場合における各ラインL1〜L6の各々についての風速のグラフG21〜G26が示されている。
グラフG21〜G26の横軸は、ラインL1〜L6上の各測定位置(各「極室」)を示し、グラフG21〜G26の縦軸は、ラインL1〜L6上の各測定位置における風速を示す。
第1の例のガイドベーン33Cを使用した場合には、従来と比較して(
図7参照)、ラインL1〜L6において、風速のバラつきが減少して平均化されるようになった。この結果は、実測値及びシミュレーション結果で同様であった。
【0045】
図10は、
図4の第1の例のガイドベーン33Cを備える本実施形態の湿式電気集塵装置1において、実機の2倍の風速にした状態における集塵極12の極室出口の速度分布を示す図である。
図10には、ガイドベーン33Cを備える湿式電気集塵装置1の模型の集塵極12の極室出口の風洞実験の速度分布の測定結果として、従来の
図8と同一のラインL1〜L6上に配置される各「極室」を測定位置とした場合における各ラインL1〜L6の各々についての風速のグラフG31〜G36が示されている。
グラフG31〜G36の横軸は、ラインL1〜L6上の各測定位置(各「極室」)を示し、グラフG31〜G36の縦軸は、ラインL1〜L6上の各測定位置における風速を示す。
第1の例のガイドベーン33Cを使用した場合には、風速を実機の2倍にすると、実機と同風速の場合と比較するとばらつきも多くなるものの、従来と比較して(
図8参照)、ラインL1〜L6において、風速のバラつきが減少して平均化されるようになった。この結果は、実測値及びシミュレーション結果で同様であった。
【0046】
図11は、
図5の第2の例のガイドベーン33を備える本実施形態の湿式電気集塵装置1において、実機と同風速にした状態のシミュレーション結果における集塵極12の極室出口の速度分布を示す図である。
図11には、ガイドベーン33を備える湿式電気集塵装置1の模型の集塵極12の極室出口の風洞実験の速度分布の測定結果として、従来の
図7と同一のラインL1〜L6上に配置される各「極室」を測定位置とした場合における各ラインL1〜L6の各々についての風速のグラフG41〜G46が示されている。
グラフG41〜G46の横軸は、ラインL1〜L6上の各測定位置(各「極室」)を示し、グラフG41〜G46の縦軸は、ラインL1〜L6上の各測定位置における風速を示す。
第2の例のガイドベーン33を使用した場合には、従来と比較して(
図7参照)、ラインL1〜L6において、風速のバラつきが減少して平均化されるようになった。
【0047】
図12は、
図5の第2の例のガイドベーン33を備える本実施形態の湿式電気集塵装置1において、実機の2倍の風速にした状態のシミュレーション結果における集塵極12の極室出口の速度分布を示す図である。
図12には、ガイドベーン33を備える湿式電気集塵装置1の模型の集塵極12の極室出口の風洞実験の速度分布の測定結果として、従来の
図8と同一のラインL1〜L6上に配置される各「極室」を測定位置とした場合における各ラインL1〜L6の各々についての風速のグラフG51〜G56が示されている。
グラフG51〜G56の横軸は、ラインL1〜L6上の各測定位置(各「極室」)を示し、グラフG51〜G56の縦軸は、ラインL1〜L6上の各測定位置における風速を示す。
第2の例のガイドベーン33を使用した場合には、風速を実機の2倍にすると、実機と同風速の場合と比較するとばらつきも多くなるものの、従来と比較して(
図8参照)、ラインL1〜L6において、風速のバラつきが減少して平均化されるようになった。
【0048】
図13は、
図6の第3の例のガイドベーン33Eを備える本実施形態の湿式電気集塵装置1において、実機と同風速にした状態における集塵極12の極室出口の速度分布を示す図である。
図13には、ガイドベーン33E備える湿式電気集塵装置1の模型の集塵極12の極室出口の風洞実験の速度分布の測定結果として、140室の各々の風速の分布
図71E1、及び、従来の
図7と同一のラインL1〜L6上に配置される各「極室」を測定位置とした場合における各ラインL1〜L6の各々についての風速のグラフG61〜G66が示されている。
グラフG61〜G66の横軸は、ラインL1〜L6上の各測定位置(各「極室」)を示し、グラフG61〜G66の縦軸は、ラインL1〜L6上の各測定位置における風速を示す。
第3の例のガイドベーン33Eを使用した場合には、従来と比較して(
図7参照)、ラインL1〜L6において、風速のバラつきが減少して平均化されるようになった。この結果は、実測値及びシミュレーション結果で同様であった。
【0049】
図14は、
図6の第3の例のガイドベーン33Eを備える本実施形態の湿式電気集塵装置1において、実機の2倍の風速にした状態における集塵極12の極室出口の速度分布を示す図である。
図14には、ガイドベーン33Eを備える湿式電気集塵装置1の模型の集塵極12の極室出口の風洞実験の速度分布の測定結果として、140室の各々の風速の分布
図71E2、及び、従来の
図8と同一のラインL1〜L6上に配置される各「極室」を測定位置とした場合における各ラインL1〜L6の各々についての風速のグラフG71〜G76が示されている。
グラフG71〜G76の横軸は、ラインL1〜L6上の各測定位置(各「極室」)を示し、グラフG71〜G76の縦軸は、ラインL1〜L6上の各測定位置における風速を示す。
第3の例のガイドベーン33Eを使用した場合には、風速を実機の2倍にすると、実機と同風速の場合と比較するとばらつきも多くなるものの、従来と比較して(
図8参照)、ラインL1〜L6において、風速のバラつきが減少して平均化されるようになった。この結果は、実測値及びシミュレーション結果で同様であった。
【0050】
図15は、
図3の従来のガイドベーン33Pを備える湿式電気集塵装置1と、
図4の第1の例のガイドベーン33Cを備える湿式電気集塵装置1と、
図5の第2の例のガイドベーン33を備える湿式電気集塵装置1と、
図6の第3の例のガイドベーン33Eを備える湿式電気集塵装置1との各々における、ダスト出口濃度(mg/m
3)、集塵効率(%)、及びKω(m/s)を比較した図である。
【0051】
Kω(m/s)は、次式(1)により示される。なお、ダスト入口濃度Diは100mg/m
3とされ、極室数は140室とされている。
Di/Do=e
Kω・A/Q・・・(1)
η:集塵効率
Q:処理ガス量 (m
3/s)
Do:出口ダスト濃度(g/m
3N)
Di:入口ダスト濃度(g/m
3N)
【0052】
図15に示すように、従来のガイドベーン33P(モデル形状:通常ガイドベーン)を備える従来の湿式電気集塵装置と比較して、第1の例のガイドベーン33C(モデル形状:垂直ガイドベーン)を備える本実施形態の湿式電気集塵装置1は、集塵効率でみると約2%向上しており、Kωでみると約11%向上している。
また、
図15に示すように、従来の通常ガイドベーン33Pを備える従来の湿式電気集塵装置と比較して、第2の例のガイドベーン33(モデル形状:格子状ガイドベーン)を備える本実施形態の湿式電気集塵装置1は、集塵効率でみると約3%、Kωでみると約20%向上している。
また、
図15に示すように、従来の通常ガイドベーン33Pを備える従来の湿式電気集塵装置と比較して、第3の例のガイドベーン33E(モデル形状:格子状かつ垂直ガイドベーン)を備える本実施形態の湿式電気集塵装置1は、集塵効率でみると約5%、Kωでみると約37%向上している。
【0053】
以上説明したように、本実施形態の湿式電気集塵装置1は、電極ロッド24及び放電線25と、集塵極12と、第1筒部41C及び第2筒部42Cと、ガイドベーン33C又は33Eと、を備える。
第1筒部41C及び第2筒部42Cは、微粒子を含むガスG1を導入する。ガイドベーン33C又は33Eは、第1筒部41C及び第2筒部42Cに導入されたガスG1を集塵極12まで誘導する。電極ロッド24及び放電線25からなる放電極には、直流高電圧が印加されるので、集塵極12は、第1筒部41C及び第2筒部42Cに導入されてガイドベーン33C又は33Eによって誘導されて入力されてきたガスG1を、所定方向(上記でいう「極室内流通方向」であり、上記の例では略垂直方向)に流通させながら、直流高電圧に基づいて放電極との間に発生する負コロナ放電によって、ガスG1に含まれる微粒子を集塵する。
ガイドベーン33C又は33Eは、集塵極12においてガスG1が流通する前記所定方向と略平行に、第1筒部41C及び第2筒部42Cの内部に配置されている。
これにより、
図9〜
図15の上述の結果から示されるように、集塵極12に送り込まれるガスG1の風量のバラつきが従来と比較して抑制されるので、重金属を含むダストの集塵効率が向上する。
【0054】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
【0055】
例えば、上記実施形態の集塵極12としては、開口部が正方形の形状を有する角筒を「極室(単位)」とする角筒型集塵極が採用されたが、特にこれに限定されない。
具体的には例えば、角筒型集塵極を構成する各「極室」の開口部の形状は、正方形である必要は特に無く、N角形(Nは3以上の整数値)であれば足りる。即ち、「極室」として、任意の形状の開口部を有する多角筒を採用することができる。そして、集塵極12は、多角筒を単位として、複数の単位の集合体により構成することができる。
この場合、集塵極12は、筒の長手方向を所定方向(上記でいう「極室内流通方向」であり、上記の例では略垂直方向)として、ガスを流通させる。即ち、ガイドベーン33C又は33Eは、集塵極12においてガスG1が流通する前記所定方向と略平行に、第1筒部41C及び第2筒部42Cの内部に配置される。
【0056】
また、本実施形態の湿式電気集塵装置1は、上述の効果を顕著なものとするために、少なくとも鉛、
カドミウム、砒素の一種類以上を含むガスからダストやミスト等の微粒子を除去するものであるとよい。